簡易風向計
【課題】風向や風力を簡易的かつ比較的正確に確認することができ、携帯性やデザイン性に優れた簡易風向計を提供すること。
【解決手段】本発明に係る簡易風向計100は、粉状物又は液状物を噴出することによって風向及び/又は風力を確認することができる。簡易風向計100は、粉状物又は液状物を収容し、粉状物又は液状物を噴出し得る大きさの少なくとも一つの微細孔4aを有する中空部1dと、中空部1d内の空気を押し出すための押出部3とを備える。押出部3は、中空部1dに形成された穴の周縁で固定されている軟質部材によって形成されている。
【解決手段】本発明に係る簡易風向計100は、粉状物又は液状物を噴出することによって風向及び/又は風力を確認することができる。簡易風向計100は、粉状物又は液状物を収容し、粉状物又は液状物を噴出し得る大きさの少なくとも一つの微細孔4aを有する中空部1dと、中空部1d内の空気を押し出すための押出部3とを備える。押出部3は、中空部1dに形成された穴の周縁で固定されている軟質部材によって形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風向きや風力を簡易的に確認することができる風向計に関し、より特定的には、携帯に適した簡易風向計に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフのプレイ中に風向きや風力を確認するために、従来、芝生を千切り取って上空に投げていた。しかし、芝生はある程度の重量を有するので、風へのなびき具合が芳しくなく、芝生を千切り取って上空に投げるだけでは、あまり正確に風向きや風力を確認することができなかった。そのような中、以下のような特許文献が開示されている。
【0003】
特許文献1には、ゴルフクラブのグリップの先端に軽いリボンを取り付けて、風向きを確認する器具が開示されている。
【0004】
特許文献2には、通風路に設けられたフラッグの向きによって風向きを確認する器具が開示されている。
【0005】
特許文献3には、煙草の煙を排出して、風向きを確認する器具が開示されている。
【特許文献1】実開昭60−132768号公報
【特許文献2】登録実用新案3126997号公報
【特許文献3】実開平7−14379号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載の器具は、決して見栄えが良いとは言えず、ゴルファーの心理としては、使いづらい。特に、ゴルフクラブをスイングする際、リボンを取り外さなければならず、面倒である。
【0007】
特許文献2に記載の器具は、構造が複雑であり、低価格に提供されるとは思えない。また、携帯性やデザイン性に劣る。
【0008】
特許文献3に記載の器具は、そもそも煙草を吸わないゴルファーは、使うことができない。また、携帯性やデザイン性に劣る。
【0009】
それゆえ、本発明の目的は、風向や風力を簡易的かつ比較的正確に確認することができ、携帯性やデザイン性に優れた簡易風向計を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明は、以下のような特徴を有する。本発明は、粉状物又は液状物を噴出することによって風向及び/又は風力を確認するための簡易風向計であって、粉状物又は液状物を収容し、粉状物又は液状物を噴出し得る大きさの少なくとも一つの微細孔を有する中空部と、中空部内の空気を押し出すための押出部とを備える。押出部は、中空部に形成された穴の周縁で固定されている軟質部材によって形成されているとよい。
【0011】
好ましくは、中空部は、略楕円状であり、押出部は、指先大の縦長状であるとよい。
【0012】
好ましくは、中空部は、粉状物又は液状物を出し入れするための出入孔と、出入孔を蓋するための蓋部とを含むとよい。
【0013】
好ましくは、中空部は、縦長状であるとよい。
【0014】
好ましくは、中空部は、微細孔に向かうにつれて細くなるとよい。
【0015】
好ましくは、中空部は、ゴルフ付属品の形状を有する凹部を含み、凹部にゴルフ付属品が取り付けられるとよい。
【0016】
好ましくは、凹部は、ゴルフ付属品の端部に相当する部分が他の部分と比べて深くなっているとよい。
【0017】
好ましくは、微細孔を閉じるためのキャップをさらに備えるとよい。
【0018】
好ましくは、軟質部材は、穴の周縁で中空部の内部から固定されているとよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、押出部を押圧することによって、中空部に収容されている粉状物又は液状物が、微細孔から噴出されることとなる。これにより、噴出された霧状の粉状物又は液状物の流れや速さを見ることによって、風向や風力を確認することができる。霧状の粉状物や液状物は、非常に軽量であるので、芝生などを千切って投げる場合に比べ、比較的正確に風向や風力を確認することが可能となる。本発明の簡易風向計は、非常に簡易的な構成であり、コンパクトかつ軽量であるので、携帯性に優れている。また、構成が簡易であるからこそ、種々のデザインを採用することができる。したがって、デザイン性に優れた様々な簡易風向計を提供することが可能となる。
【0020】
押出部を中空部の外側面に設けることによって、中空部と押出部との一体性が増し、使い勝手が良くなる。また、携帯性やデザイン性が向上する。中空部を略楕円状として、押出部を指先大の縦長状とすれば、粉状物又は液状物の噴射がスムーズに行われる。
【0021】
軟質部材を中空部の内部から固定することによって、中空部に収容されている粉状物又は液状物が外部に漏れるのを防止することができる。蓋部を開けて粉状物又は液状物を出し入れ可能にすることによって、本発明の簡易風向計を再利用することが可能となる。
【0022】
中空部を縦長状にすることによって、中空部に収容されている粉状物又は液状物を微細孔に向けて、効果的に送り込むことができる。また、中空部が微細孔に向かうにつれて細くなる形状であっても、粉状物又は液状物を微細孔に向けて、効果的に送り込むことができる。これらにより、効率的な噴射が実現される。
【0023】
中空部にゴルフ付属品を取り付けることによって、利便性が向上する。また、凹部の端部を深くすれば、ゴルフ付属品が取りやすくなる。
【0024】
微細孔を有するキャップによって、粉状物又は液状物を誤って噴射してしまうことを防止することができる。当該キャップは、簡易風向計と連結していれば、紛失を防止できる。
【0025】
中空部の一部を軟質として、当該軟質部分が押出部を兼ねるようにすれば、簡易風向計の構造が簡易的となり、携帯性やデザイン性に優れることとなる。
【0026】
本発明のこれらおよび他の目的、特徴、局面、効果は、添付図面と照合して、以下の詳細な説明から一層明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る簡易風向計100の正面方向からの斜視図である。図2は、簡易風向計100の背面方向からの斜視図である。図3は、簡易風向計100の右側面図である。簡易風向計100は、粉状物又は液状物を噴出することによって、風向及び/又は風力を確認することができる器具である。簡易風向計100は、上中空部1と下中空部2とが挟まって形成される中空部1dと、中空部1dの外側面に設けられた押出部3とを備える。中空部1dは、粉状物又は液状物を噴出し得る大きさを有する微細孔4aを有する。中空部1dは、微細孔4aに向かうにつれて細くなる略楕円状を有する。押出部3は、指先大の縦長状を有する。
【0028】
蓋部9を開けることによって、簡易風向計100の中空部に対して、石灰(酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、カルシウム等の粉末)や石膏(硫酸カルシウム等の粉末)、小麦粉、片栗粉、きな粉、葛粉、米粉、蕎麦粉などの粉状物、又は、水や色水等の液状物を収容することができる。押出部3は、指の押圧力程度で撓むことができるゴムや軟質プラスチック等の軟質部材によって形成されている。押出部3を押圧することによって、中空部1d内の空気を微細孔4aから押し出すことができる。従って、中空部1dに粉状物又は液状物が収容されている場合、微細孔4aから、粉状物又は液状物が噴射される。
【0029】
図4は、簡易風向計100の分解斜視図である。図5は、簡易風向計100の内部構造を示す図である。図4及び図5を参照しながら、簡易風向計100の詳細な構造について説明する。
【0030】
簡易風向計100は、上中空部1と、下中空部2と、押出部3と、微細孔部4と、取付部材5と、キャップ6と、出入孔形成部材7と、Oリング8と、蓋部9と、磁石10と、磁石11と、グリーンフォーク12とを備える。各部材は、たとえば、樹脂成形によって作られる。
【0031】
上中空部1は、グリーンフォーク12の形状を有する凹部13を含む。凹部13内に、磁石10を埋め込む凹部が設けられている。磁石10は、当該凹部に埋め込まれる。グリーンフォーク12の底面には、磁石11を埋め込む凹部が設けられている。磁石11は、当該凹部に埋め込まれる。磁石10が埋め込まれる位置と、磁石11が埋め込まれる位置とは、対応している。グリーンフォーク12が凹部13に嵌め込まれた場合、磁石10と磁石11とが付着し、グリーンフォーク12が取り外し可能に固定される。さらに、凹部13は、グリーンフォーク12の先端12aに相当する部分13aが他の部分に比べて深くなっている。したがって、先端12aを押圧することによって、先端12が部分13aに沈み込む、先端12aの逆側が凹部13から持ち上がることとなる。図6は、グリーンフォーク12が持ち上がっている様子を示す図である。これにより、グリーンフォーク12を簡単に取り外すことができる。
【0032】
上中空部1は、出入孔形成部材7の外径と略同一の内径を有する貫通孔1aを含む。貫通孔1aに、上中空部1の内側から、出入孔形成部材7が挿入される。図5に示すように、出入孔形成部材7は、上中空部1の内側から、ビス7aで固定される。出入孔形成部材7は、貫通した出入孔7bを有する。出入孔7bは、粉状物又は液状物を収容するための出入り口となる。出入孔7bは、内側に、ねじ溝を有する。蓋部9は、略円筒状であり、出入孔7bの内側のねじ溝に対応するねじ溝を有する。Oリング8の内径は、蓋部9の外径と略同一である。Oリング8は、蓋部9に嵌め込まれる。Oリング8が嵌められた蓋部9は、出入孔7bにねじ込まれる。これにより、粉状物又は液状物の漏れが防止される。図1に示すように、蓋部9は、開閉用溝9aを含む。開閉用溝9aは、コインの厚さ程度の幅であり、容易に開閉可能である。
【0033】
上中空部1及び下中空部2は、略T字状の微細孔部4を挟み込むための溝1b,2aを含む。キャップ6は、微細孔部4の微細孔4aを閉じる。下中空部2は、底面部分が膨らんでいる押出部3の底面の膨らみ3aを突出する大きさの縦長状孔2bを含む。縦長状孔2bは、押出部3よりも小さい貫通孔である。図5に示すように、下中空部2の縦長状孔2bに配置された押出部3は、取付部材5によって、複数のビス2cによって、下中空部2に取り付けられる。すなわち、押出部3は、中空部1dの内部から、縦長状孔2bの周縁で固定されている。
【0034】
上中空部1と下中空部2とは、下中空部2の外周よりも少し突出した複数の係止部(図示を省略)が、下中空部1の内部縁に係止して、結合する。これにより、中空部1dが形成される。係止の手段として、あらゆる周知の手段を用いることができる。また、上中空部1と下中空部2とは、接着剤で接着されてもよい。
【0035】
図7は、簡易風向計100の使用方法の一例を示す図である。図7に示すように、押出部3を指先などで押圧することによって、中空部1dに収容されている粉状物又は液状物が、微細孔4aから霧状に噴出される。当該霧が流れる方向を見ることによって、風向を確認することができる。また、当該霧の流れる速さを見ることによって、風力を確認することができる。当該霧の流れる速さが速いほど、風力が強いこととなる。なお、内容物として液状物を用いる場合、微細孔4aは、内容物として粉状物を用いる場合に比べて、小さい方が、霧状の噴射を実現しやすい。なお、使用前に、簡易風向計100を軽く振って、粉状物又は液状物を分散させた上で、押出部3を押して、噴射させるといった使用方法もある。また、微細孔4aを下向きにして粉状物又は液状物は噴射されてもよいし、上向き、右向き、左向き、前向き、後ろ向きなど、適当な方向に向けて、粉状物又は液状物は噴射されてもよい。
【0036】
このように、第1の実施形態では、簡易風向計100を用いて、簡易的に、風向及び/又は風力を確認することができる。簡易風向計100は、流線型で、掌に収まる程度にコンパクトであり、ポケットやバッグなどに簡単に収容することができる。したがって、携帯性やデザイン性に優れた簡易風向計100が提供されたこととなる。また、押出部3が中空部1dの外側面に設けられているので、押出部3と中空部1dとの一体性が増し、使い勝手と共に、携帯性やデザイン性が向上する。中空部1dを略楕円状として、押出部3を指先大の縦長状とすれば、粉状物又は液状物の噴射がスムーズになることを本発明者は、様々な研究の結果得た。押出部3を中空部1dの内部から固定することによって、中空部1dに収容されている粉状物又は液状物が外部に漏れるのを防止することができる。蓋部9を開けて粉状物又は液状物を出し入れ可能にすることによって、本発明の簡易風向計を再利用することが可能となる。
【0037】
なお、凹部13において、グリーンフォーク12の先端12aとは逆側の端部に対応する部分が他の部分に比べ、深くなっていても、グリーンフォーク12を容易に取り外すことができる。
【0038】
(第2の実施形態)
図8は、本発明の第2の実施形態に係る簡易風向計200の斜視図である。図8において、第1の実施形態と同様の機能を有する部分は、同一の参照符号を付す。簡易風向計200において、押出部14の位置が、第1の実施形態と異なる。押出部14は、略半円状であり、微細孔部4とは、逆側の端部に設けられている。ここでは、押出部14は、上中空部1に内側から固定されているとするが、下中空部2に内側に固定されていてもよい。また、上中空部1及び下中空部2の両方に、押出部14が固定されていてもよい。押出部14を指先等で押圧することによって、中空部1d内の空気が押し出されて、微細孔4aから、粉状物又は液状物が噴射される。
【0039】
第2の実施形態に示すように、本発明において、押出部の位置は、特に限定されるものではなく。中空部の外側面の一部に軟質部材から形成される押出部が設けられていたら、粉状物又は液状物を噴射することが可能となる。
【0040】
(第3の実施形態)
図9は、本発明の第3の実施形態に係る簡易風向計300の斜視図である。図9において、第1の実施形態と同一の機能を有する部分は、同一の参照符号を付す。簡易風向計300において、押出部15の位置が、第1の実施形態と異なる。第3の実施形態では、押出部は、中空部1dの外側面に設けられていない。押出部15は、中空部1dとは別体として、中空部1dと連通している。押出部15は、全部又は一部が軟質部材から形成されている。押出部15を押圧することによって、押出部15内の空気が中空部1dに入り込み、中空部1dの空気が押し出されることとなる。
【0041】
第3の実施形態に示すように、本発明において、押出部は、中空部の外側面に形成されている場合に限定されない。押出部は、中空部の空気を押し出す機能を有する部材であれば、あらゆる形態や構造等を取り得る。
【0042】
(第4の実施形態)
図10は、本発明の第4の実施形態に係る簡易風向計400の斜視図である。図10において、簡易風向計400は、上中空部16と、下中空部17と、押出部18と、蓋部19と、微細孔部20とを備える。上中空部16と下中空部17とが結合することによって、中空部16aが形成される。押出部18は、上中空部16及び下中空部17の内側から固定されている。押出部18は、軟質部材から形成されている。なお、押出部18は、上中空部16又は下中空部17のどちらか一方にだけ設けられていても良い。蓋部19を開閉することによって、中空部16aの下端の出入孔から、粉状物又は液状物を出し入れすることができる。押出部18を指先などで押圧することによって、中空部16aの内部の空気が押し出され、微細孔20aから粉状物又は液状物が噴射される。
【0043】
第4の実施形態に示すように、本発明において、中空部の形状は、縦長状の略楕円形状であることに限定されない。中空部は、粉状物又は液状物を収容し、粉状物又は液状物を噴出し得る大きさの微細孔を有していればよい。
【0044】
(第5の実施形態)
図11は、本発明の第5の実施形態に係る簡易風向計500の斜視図である。図11において、簡易風向計500は、上中空部21と、下中空部22と、押出部23と、蓋部24と、微細孔部25とを備える。上中空部21と下中空部22とが結合することによって、中空部21aが形成される。押出部23は、指先大の縦長状であり、上中空部21の内側から固定されている。押出部23は、軟質部材から形成されている。なお、押出部21は、下中空部22にも設けられていても良い。蓋部24は、中空部21aの開口端(出入孔)に嵌め込むことができるキャップ状の蓋である。蓋部24を取り外すことによって、粉状物又は液状物を出し入れすることができる。押出部23を指先などで押圧することによって、中空部21aの内部の空気が押し出され、微細孔25aから粉状物又は液状物が噴射される。
【0045】
第5の実施形態に示すように、本発明において、中空部の形状は、縦長状の略楕円形状であることに限定されない。中空部は、粉状物又は液状物を収容し、粉状物又は液状物を噴出し得る大きさの微細孔を有していればよい。ただし、粉状物又は液状物を効率的に噴射するためには、中空部は、縦長状であるとよい。また、中空部は、縦長状でなくても、微細孔に向かうにつれて細くなる形状を少なくとも有しているとよい。これによっても、粉状物又は液状物を効率的に噴射することができる。
【0046】
(第6の実施形態)
図12は、本発明の第6の実施形態に係る簡易風向計600の斜視図である。図12において、簡易風向計600は、蓋部28を含む中空部26と、微細孔27と、キャップ29とを備える。蓋部28は、中空部26の右端に設けられた出入孔(図面上視認できない)を蓋すると共に、微細孔27及びキャップ29を含む。蓋部28は、中空部26の一部と考える。キャップ29が蓋されることによって、微細孔27を閉じることができる。中空部26は、蓋部28以外の部分が軟質プラスチック等の軟質材料から形成されている。中空部26の胴部を押圧することによって、中空部26は撓み、微細孔27から内部の空気が押し出される。すなわち、中空部26は、押出部も兼ねている。したがって、簡易風向計600のような構造であっても、粉状物又は液状物を噴射して、風向や風力を確認することができる。なお、ここでは、蓋部28以外の部分が軟質材料から形成されていることとしたが、中空部26の少なくとも一部が軟質となっており、当該軟質部分が押出部として機能すればよい。
【0047】
第6の実施形態に示すように、本発明において、中空部の少なくとも一部を軟質として、当該軟質部分が押出部を兼ねるように機能させてもよい。また、第6の実施形態に示すように、粉状物又は液状物を出し入れするための出入孔に蓋をする蓋部28が、中空部26の一部となっており、蓋部28に微細孔27を設けるようにしてもよい。すなわち、本発明において、中空部とは、粉状物又は液状物を収容し、微細孔を有するものとして広くとらえることができる。
【0048】
(その他の変形例)
本発明の簡易風向計は、ゴルフプレイ以外にも使用可能である。たとえば、凧揚げや、アーチェリー、野球、サッカー、バレーボール、テニス、バトミントン、ドッチボール、クリケット、バスケットボール、ラグビー、アメリカンフットボール、ハンドボール、水球、ホッケー、ゲートボール、登山、運動会など、簡易的に風向や風力を認識する必要があるあらゆる競技や行事等に利用できる。
【0049】
本発明の簡易風向計は、液状物を噴霧するのにも利用可能であるが、粉状物を噴霧した場合の方が、風向や風力の微細な流れや強さを確認しやすい。なお、粉状物の種類は何ら限定されない。
【0050】
粉状物又は液状物の出し入れは、必須ではなく、簡易風向計に蓋部がなく、予め粉状物又は液状物が収容されている使い捨ての簡易風向計であってもよい。
【0051】
押出部の数は、一つには限られず、複数あってもよい。また、微細孔の数は、複数であってもよく、少なくとも一つの微細孔を中空部が有していればよい。
【0052】
微細孔を蓋するためのキャップは、紛失を防止するために、簡易風向計の一部と連結されているとよい。
【0053】
なお、第1の実施形態では、グリーンフォークを中空部に埋め込むこととしたが、グリーンフォークの他、ティーやマーカーなど、ゴルフ付属品を埋め込むようにしてもよい。この場合、中空部は、ゴルフ付属品の形状を有する凹部を含んでいればよい。また、取り出しやすいようにするために、当該凹部は、ゴルフ付属品の端部に相当する部分が他の部分に比べて深くなっているとよい。取り付けられるゴルフ付属品は、複数であってもよい。
【0054】
なお、上記に示した簡易風向計の組立方法は、あくまでも一例であって、特に限定されるものではない。
【0055】
また、上記に示した風向計の形状や構造は、あくまでも一例である。たとえば、中空部の形状は、略円形状であってもよいし、略三角形状であってもよいし、略正方形状であってもよいし、略直方形状であってよいし、略台形状であってもよいし、略平行四辺形状であってもよいし、略円柱状であってもよいし、略四角柱状であってもよいし、略多角形柱状であってもよいし、略円錐状であってもよいし、略四角錐状であってもよいし、略多角形錘状であってもよいし、略円錐台状であってもよいし、略半円状であってもよいし、略半球状であってもよく、あらゆる幾何学的な形状であってよい。また、中空部の形状は、ある種の動物や人物、植物などの形状を模した形状であってもよく、あらゆる自然物を模した形状であってよい。さらに、中空部の形状は、アニメキャラクターや、乗り物、電化製品、文房具製品などの形状を模した形状であってもよく、あらゆる人工物を模した形状であってよい。このように、中空部の形状は、何ら本発明を限定するものではない。また、押出部の形状は、略円形状であってもよいし、略三角形状であってもよいし、略正方形状であってもよいし、略直方形状であってよいし、略台形状であってもよいし、略平行四辺形状であってもよいし、略円柱状であってもよいし、略四角柱状であってもよいし、略多角形柱状であってもよいし、略円錐状であってもよいし、略四角錐状であってもよいし、略多角形錘状であってもよいし、略円錐台状であってもよいし、略半円状であってもよいし、略半球状であってもよく、あらゆる幾何学的な形状であってよい。また、押出部の形状は、ある種の動物や人物、植物などの形状を模した形状であってもよく、あらゆる自然物を模した形状であってよい。さらに、押出部の形状は、アニメキャラクターや、乗り物、電化製品、文房具製品などの形状を模した形状であってもよく、あらゆる人工物を模した形状であってよい。
【0056】
以上、本発明を詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は、携帯性やデザイン性に優れた簡易風向計であり、産業上有用である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る簡易風向計100の正面方向からの斜視図
【図2】簡易風向計100の背面方向からの斜視図
【図3】簡易風向計100の右側面図
【図4】簡易風向計100の分解斜視図
【図5】簡易風向計100の内部構造を示す図
【図6】グリーンフォーク12が持ち上がっている様子を示す図
【図7】簡易風向計100の使用方法の一例を示す図
【図8】本発明の第2の実施形態に係る簡易風向計200の斜視図
【図9】本発明の第3の実施形態に係る簡易風向計300の斜視図
【図10】本発明の第4の実施形態に係る簡易風向計400の斜視図
【図11】本発明の第5の実施形態に係る簡易風向計500の斜視図
【図12】本発明の第6の実施形態に係る簡易風向計600の斜視図
【符号の説明】
【0059】
100,200,300,400,500,600 簡易風向計
1,16,21 上中空部
1a 貫通孔
1d,16a,21a,26 中空部
1c 内部縁
2,17,22 下中空部
1b,2a 溝
2b 縦長状孔
2c ビス
3,18,23 押出部
3a 膨らみ
4,20,25 微細孔部
4a,20a,25a,27 微細孔
5,29 取付部材
6 キャップ
7 出入孔形成部材
7a ビス
7b 出入孔
8 Oリング
9,19,24,28 蓋部
9a 開閉用溝
10 磁石
11 鉄片
12 グリーンフォーク
12a 先端
13 凹部
14,15 押出部
【技術分野】
【0001】
本発明は、風向きや風力を簡易的に確認することができる風向計に関し、より特定的には、携帯に適した簡易風向計に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフのプレイ中に風向きや風力を確認するために、従来、芝生を千切り取って上空に投げていた。しかし、芝生はある程度の重量を有するので、風へのなびき具合が芳しくなく、芝生を千切り取って上空に投げるだけでは、あまり正確に風向きや風力を確認することができなかった。そのような中、以下のような特許文献が開示されている。
【0003】
特許文献1には、ゴルフクラブのグリップの先端に軽いリボンを取り付けて、風向きを確認する器具が開示されている。
【0004】
特許文献2には、通風路に設けられたフラッグの向きによって風向きを確認する器具が開示されている。
【0005】
特許文献3には、煙草の煙を排出して、風向きを確認する器具が開示されている。
【特許文献1】実開昭60−132768号公報
【特許文献2】登録実用新案3126997号公報
【特許文献3】実開平7−14379号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載の器具は、決して見栄えが良いとは言えず、ゴルファーの心理としては、使いづらい。特に、ゴルフクラブをスイングする際、リボンを取り外さなければならず、面倒である。
【0007】
特許文献2に記載の器具は、構造が複雑であり、低価格に提供されるとは思えない。また、携帯性やデザイン性に劣る。
【0008】
特許文献3に記載の器具は、そもそも煙草を吸わないゴルファーは、使うことができない。また、携帯性やデザイン性に劣る。
【0009】
それゆえ、本発明の目的は、風向や風力を簡易的かつ比較的正確に確認することができ、携帯性やデザイン性に優れた簡易風向計を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明は、以下のような特徴を有する。本発明は、粉状物又は液状物を噴出することによって風向及び/又は風力を確認するための簡易風向計であって、粉状物又は液状物を収容し、粉状物又は液状物を噴出し得る大きさの少なくとも一つの微細孔を有する中空部と、中空部内の空気を押し出すための押出部とを備える。押出部は、中空部に形成された穴の周縁で固定されている軟質部材によって形成されているとよい。
【0011】
好ましくは、中空部は、略楕円状であり、押出部は、指先大の縦長状であるとよい。
【0012】
好ましくは、中空部は、粉状物又は液状物を出し入れするための出入孔と、出入孔を蓋するための蓋部とを含むとよい。
【0013】
好ましくは、中空部は、縦長状であるとよい。
【0014】
好ましくは、中空部は、微細孔に向かうにつれて細くなるとよい。
【0015】
好ましくは、中空部は、ゴルフ付属品の形状を有する凹部を含み、凹部にゴルフ付属品が取り付けられるとよい。
【0016】
好ましくは、凹部は、ゴルフ付属品の端部に相当する部分が他の部分と比べて深くなっているとよい。
【0017】
好ましくは、微細孔を閉じるためのキャップをさらに備えるとよい。
【0018】
好ましくは、軟質部材は、穴の周縁で中空部の内部から固定されているとよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、押出部を押圧することによって、中空部に収容されている粉状物又は液状物が、微細孔から噴出されることとなる。これにより、噴出された霧状の粉状物又は液状物の流れや速さを見ることによって、風向や風力を確認することができる。霧状の粉状物や液状物は、非常に軽量であるので、芝生などを千切って投げる場合に比べ、比較的正確に風向や風力を確認することが可能となる。本発明の簡易風向計は、非常に簡易的な構成であり、コンパクトかつ軽量であるので、携帯性に優れている。また、構成が簡易であるからこそ、種々のデザインを採用することができる。したがって、デザイン性に優れた様々な簡易風向計を提供することが可能となる。
【0020】
押出部を中空部の外側面に設けることによって、中空部と押出部との一体性が増し、使い勝手が良くなる。また、携帯性やデザイン性が向上する。中空部を略楕円状として、押出部を指先大の縦長状とすれば、粉状物又は液状物の噴射がスムーズに行われる。
【0021】
軟質部材を中空部の内部から固定することによって、中空部に収容されている粉状物又は液状物が外部に漏れるのを防止することができる。蓋部を開けて粉状物又は液状物を出し入れ可能にすることによって、本発明の簡易風向計を再利用することが可能となる。
【0022】
中空部を縦長状にすることによって、中空部に収容されている粉状物又は液状物を微細孔に向けて、効果的に送り込むことができる。また、中空部が微細孔に向かうにつれて細くなる形状であっても、粉状物又は液状物を微細孔に向けて、効果的に送り込むことができる。これらにより、効率的な噴射が実現される。
【0023】
中空部にゴルフ付属品を取り付けることによって、利便性が向上する。また、凹部の端部を深くすれば、ゴルフ付属品が取りやすくなる。
【0024】
微細孔を有するキャップによって、粉状物又は液状物を誤って噴射してしまうことを防止することができる。当該キャップは、簡易風向計と連結していれば、紛失を防止できる。
【0025】
中空部の一部を軟質として、当該軟質部分が押出部を兼ねるようにすれば、簡易風向計の構造が簡易的となり、携帯性やデザイン性に優れることとなる。
【0026】
本発明のこれらおよび他の目的、特徴、局面、効果は、添付図面と照合して、以下の詳細な説明から一層明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る簡易風向計100の正面方向からの斜視図である。図2は、簡易風向計100の背面方向からの斜視図である。図3は、簡易風向計100の右側面図である。簡易風向計100は、粉状物又は液状物を噴出することによって、風向及び/又は風力を確認することができる器具である。簡易風向計100は、上中空部1と下中空部2とが挟まって形成される中空部1dと、中空部1dの外側面に設けられた押出部3とを備える。中空部1dは、粉状物又は液状物を噴出し得る大きさを有する微細孔4aを有する。中空部1dは、微細孔4aに向かうにつれて細くなる略楕円状を有する。押出部3は、指先大の縦長状を有する。
【0028】
蓋部9を開けることによって、簡易風向計100の中空部に対して、石灰(酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、カルシウム等の粉末)や石膏(硫酸カルシウム等の粉末)、小麦粉、片栗粉、きな粉、葛粉、米粉、蕎麦粉などの粉状物、又は、水や色水等の液状物を収容することができる。押出部3は、指の押圧力程度で撓むことができるゴムや軟質プラスチック等の軟質部材によって形成されている。押出部3を押圧することによって、中空部1d内の空気を微細孔4aから押し出すことができる。従って、中空部1dに粉状物又は液状物が収容されている場合、微細孔4aから、粉状物又は液状物が噴射される。
【0029】
図4は、簡易風向計100の分解斜視図である。図5は、簡易風向計100の内部構造を示す図である。図4及び図5を参照しながら、簡易風向計100の詳細な構造について説明する。
【0030】
簡易風向計100は、上中空部1と、下中空部2と、押出部3と、微細孔部4と、取付部材5と、キャップ6と、出入孔形成部材7と、Oリング8と、蓋部9と、磁石10と、磁石11と、グリーンフォーク12とを備える。各部材は、たとえば、樹脂成形によって作られる。
【0031】
上中空部1は、グリーンフォーク12の形状を有する凹部13を含む。凹部13内に、磁石10を埋め込む凹部が設けられている。磁石10は、当該凹部に埋め込まれる。グリーンフォーク12の底面には、磁石11を埋め込む凹部が設けられている。磁石11は、当該凹部に埋め込まれる。磁石10が埋め込まれる位置と、磁石11が埋め込まれる位置とは、対応している。グリーンフォーク12が凹部13に嵌め込まれた場合、磁石10と磁石11とが付着し、グリーンフォーク12が取り外し可能に固定される。さらに、凹部13は、グリーンフォーク12の先端12aに相当する部分13aが他の部分に比べて深くなっている。したがって、先端12aを押圧することによって、先端12が部分13aに沈み込む、先端12aの逆側が凹部13から持ち上がることとなる。図6は、グリーンフォーク12が持ち上がっている様子を示す図である。これにより、グリーンフォーク12を簡単に取り外すことができる。
【0032】
上中空部1は、出入孔形成部材7の外径と略同一の内径を有する貫通孔1aを含む。貫通孔1aに、上中空部1の内側から、出入孔形成部材7が挿入される。図5に示すように、出入孔形成部材7は、上中空部1の内側から、ビス7aで固定される。出入孔形成部材7は、貫通した出入孔7bを有する。出入孔7bは、粉状物又は液状物を収容するための出入り口となる。出入孔7bは、内側に、ねじ溝を有する。蓋部9は、略円筒状であり、出入孔7bの内側のねじ溝に対応するねじ溝を有する。Oリング8の内径は、蓋部9の外径と略同一である。Oリング8は、蓋部9に嵌め込まれる。Oリング8が嵌められた蓋部9は、出入孔7bにねじ込まれる。これにより、粉状物又は液状物の漏れが防止される。図1に示すように、蓋部9は、開閉用溝9aを含む。開閉用溝9aは、コインの厚さ程度の幅であり、容易に開閉可能である。
【0033】
上中空部1及び下中空部2は、略T字状の微細孔部4を挟み込むための溝1b,2aを含む。キャップ6は、微細孔部4の微細孔4aを閉じる。下中空部2は、底面部分が膨らんでいる押出部3の底面の膨らみ3aを突出する大きさの縦長状孔2bを含む。縦長状孔2bは、押出部3よりも小さい貫通孔である。図5に示すように、下中空部2の縦長状孔2bに配置された押出部3は、取付部材5によって、複数のビス2cによって、下中空部2に取り付けられる。すなわち、押出部3は、中空部1dの内部から、縦長状孔2bの周縁で固定されている。
【0034】
上中空部1と下中空部2とは、下中空部2の外周よりも少し突出した複数の係止部(図示を省略)が、下中空部1の内部縁に係止して、結合する。これにより、中空部1dが形成される。係止の手段として、あらゆる周知の手段を用いることができる。また、上中空部1と下中空部2とは、接着剤で接着されてもよい。
【0035】
図7は、簡易風向計100の使用方法の一例を示す図である。図7に示すように、押出部3を指先などで押圧することによって、中空部1dに収容されている粉状物又は液状物が、微細孔4aから霧状に噴出される。当該霧が流れる方向を見ることによって、風向を確認することができる。また、当該霧の流れる速さを見ることによって、風力を確認することができる。当該霧の流れる速さが速いほど、風力が強いこととなる。なお、内容物として液状物を用いる場合、微細孔4aは、内容物として粉状物を用いる場合に比べて、小さい方が、霧状の噴射を実現しやすい。なお、使用前に、簡易風向計100を軽く振って、粉状物又は液状物を分散させた上で、押出部3を押して、噴射させるといった使用方法もある。また、微細孔4aを下向きにして粉状物又は液状物は噴射されてもよいし、上向き、右向き、左向き、前向き、後ろ向きなど、適当な方向に向けて、粉状物又は液状物は噴射されてもよい。
【0036】
このように、第1の実施形態では、簡易風向計100を用いて、簡易的に、風向及び/又は風力を確認することができる。簡易風向計100は、流線型で、掌に収まる程度にコンパクトであり、ポケットやバッグなどに簡単に収容することができる。したがって、携帯性やデザイン性に優れた簡易風向計100が提供されたこととなる。また、押出部3が中空部1dの外側面に設けられているので、押出部3と中空部1dとの一体性が増し、使い勝手と共に、携帯性やデザイン性が向上する。中空部1dを略楕円状として、押出部3を指先大の縦長状とすれば、粉状物又は液状物の噴射がスムーズになることを本発明者は、様々な研究の結果得た。押出部3を中空部1dの内部から固定することによって、中空部1dに収容されている粉状物又は液状物が外部に漏れるのを防止することができる。蓋部9を開けて粉状物又は液状物を出し入れ可能にすることによって、本発明の簡易風向計を再利用することが可能となる。
【0037】
なお、凹部13において、グリーンフォーク12の先端12aとは逆側の端部に対応する部分が他の部分に比べ、深くなっていても、グリーンフォーク12を容易に取り外すことができる。
【0038】
(第2の実施形態)
図8は、本発明の第2の実施形態に係る簡易風向計200の斜視図である。図8において、第1の実施形態と同様の機能を有する部分は、同一の参照符号を付す。簡易風向計200において、押出部14の位置が、第1の実施形態と異なる。押出部14は、略半円状であり、微細孔部4とは、逆側の端部に設けられている。ここでは、押出部14は、上中空部1に内側から固定されているとするが、下中空部2に内側に固定されていてもよい。また、上中空部1及び下中空部2の両方に、押出部14が固定されていてもよい。押出部14を指先等で押圧することによって、中空部1d内の空気が押し出されて、微細孔4aから、粉状物又は液状物が噴射される。
【0039】
第2の実施形態に示すように、本発明において、押出部の位置は、特に限定されるものではなく。中空部の外側面の一部に軟質部材から形成される押出部が設けられていたら、粉状物又は液状物を噴射することが可能となる。
【0040】
(第3の実施形態)
図9は、本発明の第3の実施形態に係る簡易風向計300の斜視図である。図9において、第1の実施形態と同一の機能を有する部分は、同一の参照符号を付す。簡易風向計300において、押出部15の位置が、第1の実施形態と異なる。第3の実施形態では、押出部は、中空部1dの外側面に設けられていない。押出部15は、中空部1dとは別体として、中空部1dと連通している。押出部15は、全部又は一部が軟質部材から形成されている。押出部15を押圧することによって、押出部15内の空気が中空部1dに入り込み、中空部1dの空気が押し出されることとなる。
【0041】
第3の実施形態に示すように、本発明において、押出部は、中空部の外側面に形成されている場合に限定されない。押出部は、中空部の空気を押し出す機能を有する部材であれば、あらゆる形態や構造等を取り得る。
【0042】
(第4の実施形態)
図10は、本発明の第4の実施形態に係る簡易風向計400の斜視図である。図10において、簡易風向計400は、上中空部16と、下中空部17と、押出部18と、蓋部19と、微細孔部20とを備える。上中空部16と下中空部17とが結合することによって、中空部16aが形成される。押出部18は、上中空部16及び下中空部17の内側から固定されている。押出部18は、軟質部材から形成されている。なお、押出部18は、上中空部16又は下中空部17のどちらか一方にだけ設けられていても良い。蓋部19を開閉することによって、中空部16aの下端の出入孔から、粉状物又は液状物を出し入れすることができる。押出部18を指先などで押圧することによって、中空部16aの内部の空気が押し出され、微細孔20aから粉状物又は液状物が噴射される。
【0043】
第4の実施形態に示すように、本発明において、中空部の形状は、縦長状の略楕円形状であることに限定されない。中空部は、粉状物又は液状物を収容し、粉状物又は液状物を噴出し得る大きさの微細孔を有していればよい。
【0044】
(第5の実施形態)
図11は、本発明の第5の実施形態に係る簡易風向計500の斜視図である。図11において、簡易風向計500は、上中空部21と、下中空部22と、押出部23と、蓋部24と、微細孔部25とを備える。上中空部21と下中空部22とが結合することによって、中空部21aが形成される。押出部23は、指先大の縦長状であり、上中空部21の内側から固定されている。押出部23は、軟質部材から形成されている。なお、押出部21は、下中空部22にも設けられていても良い。蓋部24は、中空部21aの開口端(出入孔)に嵌め込むことができるキャップ状の蓋である。蓋部24を取り外すことによって、粉状物又は液状物を出し入れすることができる。押出部23を指先などで押圧することによって、中空部21aの内部の空気が押し出され、微細孔25aから粉状物又は液状物が噴射される。
【0045】
第5の実施形態に示すように、本発明において、中空部の形状は、縦長状の略楕円形状であることに限定されない。中空部は、粉状物又は液状物を収容し、粉状物又は液状物を噴出し得る大きさの微細孔を有していればよい。ただし、粉状物又は液状物を効率的に噴射するためには、中空部は、縦長状であるとよい。また、中空部は、縦長状でなくても、微細孔に向かうにつれて細くなる形状を少なくとも有しているとよい。これによっても、粉状物又は液状物を効率的に噴射することができる。
【0046】
(第6の実施形態)
図12は、本発明の第6の実施形態に係る簡易風向計600の斜視図である。図12において、簡易風向計600は、蓋部28を含む中空部26と、微細孔27と、キャップ29とを備える。蓋部28は、中空部26の右端に設けられた出入孔(図面上視認できない)を蓋すると共に、微細孔27及びキャップ29を含む。蓋部28は、中空部26の一部と考える。キャップ29が蓋されることによって、微細孔27を閉じることができる。中空部26は、蓋部28以外の部分が軟質プラスチック等の軟質材料から形成されている。中空部26の胴部を押圧することによって、中空部26は撓み、微細孔27から内部の空気が押し出される。すなわち、中空部26は、押出部も兼ねている。したがって、簡易風向計600のような構造であっても、粉状物又は液状物を噴射して、風向や風力を確認することができる。なお、ここでは、蓋部28以外の部分が軟質材料から形成されていることとしたが、中空部26の少なくとも一部が軟質となっており、当該軟質部分が押出部として機能すればよい。
【0047】
第6の実施形態に示すように、本発明において、中空部の少なくとも一部を軟質として、当該軟質部分が押出部を兼ねるように機能させてもよい。また、第6の実施形態に示すように、粉状物又は液状物を出し入れするための出入孔に蓋をする蓋部28が、中空部26の一部となっており、蓋部28に微細孔27を設けるようにしてもよい。すなわち、本発明において、中空部とは、粉状物又は液状物を収容し、微細孔を有するものとして広くとらえることができる。
【0048】
(その他の変形例)
本発明の簡易風向計は、ゴルフプレイ以外にも使用可能である。たとえば、凧揚げや、アーチェリー、野球、サッカー、バレーボール、テニス、バトミントン、ドッチボール、クリケット、バスケットボール、ラグビー、アメリカンフットボール、ハンドボール、水球、ホッケー、ゲートボール、登山、運動会など、簡易的に風向や風力を認識する必要があるあらゆる競技や行事等に利用できる。
【0049】
本発明の簡易風向計は、液状物を噴霧するのにも利用可能であるが、粉状物を噴霧した場合の方が、風向や風力の微細な流れや強さを確認しやすい。なお、粉状物の種類は何ら限定されない。
【0050】
粉状物又は液状物の出し入れは、必須ではなく、簡易風向計に蓋部がなく、予め粉状物又は液状物が収容されている使い捨ての簡易風向計であってもよい。
【0051】
押出部の数は、一つには限られず、複数あってもよい。また、微細孔の数は、複数であってもよく、少なくとも一つの微細孔を中空部が有していればよい。
【0052】
微細孔を蓋するためのキャップは、紛失を防止するために、簡易風向計の一部と連結されているとよい。
【0053】
なお、第1の実施形態では、グリーンフォークを中空部に埋め込むこととしたが、グリーンフォークの他、ティーやマーカーなど、ゴルフ付属品を埋め込むようにしてもよい。この場合、中空部は、ゴルフ付属品の形状を有する凹部を含んでいればよい。また、取り出しやすいようにするために、当該凹部は、ゴルフ付属品の端部に相当する部分が他の部分に比べて深くなっているとよい。取り付けられるゴルフ付属品は、複数であってもよい。
【0054】
なお、上記に示した簡易風向計の組立方法は、あくまでも一例であって、特に限定されるものではない。
【0055】
また、上記に示した風向計の形状や構造は、あくまでも一例である。たとえば、中空部の形状は、略円形状であってもよいし、略三角形状であってもよいし、略正方形状であってもよいし、略直方形状であってよいし、略台形状であってもよいし、略平行四辺形状であってもよいし、略円柱状であってもよいし、略四角柱状であってもよいし、略多角形柱状であってもよいし、略円錐状であってもよいし、略四角錐状であってもよいし、略多角形錘状であってもよいし、略円錐台状であってもよいし、略半円状であってもよいし、略半球状であってもよく、あらゆる幾何学的な形状であってよい。また、中空部の形状は、ある種の動物や人物、植物などの形状を模した形状であってもよく、あらゆる自然物を模した形状であってよい。さらに、中空部の形状は、アニメキャラクターや、乗り物、電化製品、文房具製品などの形状を模した形状であってもよく、あらゆる人工物を模した形状であってよい。このように、中空部の形状は、何ら本発明を限定するものではない。また、押出部の形状は、略円形状であってもよいし、略三角形状であってもよいし、略正方形状であってもよいし、略直方形状であってよいし、略台形状であってもよいし、略平行四辺形状であってもよいし、略円柱状であってもよいし、略四角柱状であってもよいし、略多角形柱状であってもよいし、略円錐状であってもよいし、略四角錐状であってもよいし、略多角形錘状であってもよいし、略円錐台状であってもよいし、略半円状であってもよいし、略半球状であってもよく、あらゆる幾何学的な形状であってよい。また、押出部の形状は、ある種の動物や人物、植物などの形状を模した形状であってもよく、あらゆる自然物を模した形状であってよい。さらに、押出部の形状は、アニメキャラクターや、乗り物、電化製品、文房具製品などの形状を模した形状であってもよく、あらゆる人工物を模した形状であってよい。
【0056】
以上、本発明を詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は、携帯性やデザイン性に優れた簡易風向計であり、産業上有用である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る簡易風向計100の正面方向からの斜視図
【図2】簡易風向計100の背面方向からの斜視図
【図3】簡易風向計100の右側面図
【図4】簡易風向計100の分解斜視図
【図5】簡易風向計100の内部構造を示す図
【図6】グリーンフォーク12が持ち上がっている様子を示す図
【図7】簡易風向計100の使用方法の一例を示す図
【図8】本発明の第2の実施形態に係る簡易風向計200の斜視図
【図9】本発明の第3の実施形態に係る簡易風向計300の斜視図
【図10】本発明の第4の実施形態に係る簡易風向計400の斜視図
【図11】本発明の第5の実施形態に係る簡易風向計500の斜視図
【図12】本発明の第6の実施形態に係る簡易風向計600の斜視図
【符号の説明】
【0059】
100,200,300,400,500,600 簡易風向計
1,16,21 上中空部
1a 貫通孔
1d,16a,21a,26 中空部
1c 内部縁
2,17,22 下中空部
1b,2a 溝
2b 縦長状孔
2c ビス
3,18,23 押出部
3a 膨らみ
4,20,25 微細孔部
4a,20a,25a,27 微細孔
5,29 取付部材
6 キャップ
7 出入孔形成部材
7a ビス
7b 出入孔
8 Oリング
9,19,24,28 蓋部
9a 開閉用溝
10 磁石
11 鉄片
12 グリーンフォーク
12a 先端
13 凹部
14,15 押出部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉状物又は液状物を噴出することによって風向及び/又は風力を確認するための簡易風向計であって、
前記粉状物又は前記液状物を収容し、前記粉状物又は前記液状物を噴出し得る大きさの少なくとも一つの微細孔を有する中空部と、
前記中空部内の空気を押し出すための押出部とを備え、
前記押出部は、前記中空部に形成された穴の周縁で固定されている軟質部材によって形成されていることを特徴とする、簡易風向計。
【請求項2】
前記中空部は、略楕円状であり、
前記押出部は、指先大の縦長状であることを特徴とする、請求項1に記載の簡易風向計。
【請求項3】
前記中空部は、
前記粉状物又は前記液状物を出し入れするための出入孔と、
前記出入孔を蓋するための蓋部とを含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の簡易風向計。
【請求項4】
前記中空部は、縦長状であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の簡易風向計。
【請求項5】
前記中空部は、前記微細孔に向かうにつれて細くなることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の簡易風向計。
【請求項6】
前記中空部は、ゴルフ付属品の形状を有する凹部を含み、
前記凹部に前記ゴルフ付属品が取り付けられることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の簡易風向計。
【請求項7】
前記凹部は、前記ゴルフ付属品の端部に相当する部分が他の部分と比べて深くなっていることを特徴とする、請求項6に記載の簡易風向計。
【請求項8】
前記微細孔を閉じるためのキャップをさらに備えることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の簡易風向計。
【請求項9】
前記軟質部材は、前記穴の周縁で前記中空部の内部から固定されていることを特徴とする、請求項1に記載の簡易風向計。
【請求項1】
粉状物又は液状物を噴出することによって風向及び/又は風力を確認するための簡易風向計であって、
前記粉状物又は前記液状物を収容し、前記粉状物又は前記液状物を噴出し得る大きさの少なくとも一つの微細孔を有する中空部と、
前記中空部内の空気を押し出すための押出部とを備え、
前記押出部は、前記中空部に形成された穴の周縁で固定されている軟質部材によって形成されていることを特徴とする、簡易風向計。
【請求項2】
前記中空部は、略楕円状であり、
前記押出部は、指先大の縦長状であることを特徴とする、請求項1に記載の簡易風向計。
【請求項3】
前記中空部は、
前記粉状物又は前記液状物を出し入れするための出入孔と、
前記出入孔を蓋するための蓋部とを含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の簡易風向計。
【請求項4】
前記中空部は、縦長状であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の簡易風向計。
【請求項5】
前記中空部は、前記微細孔に向かうにつれて細くなることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の簡易風向計。
【請求項6】
前記中空部は、ゴルフ付属品の形状を有する凹部を含み、
前記凹部に前記ゴルフ付属品が取り付けられることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の簡易風向計。
【請求項7】
前記凹部は、前記ゴルフ付属品の端部に相当する部分が他の部分と比べて深くなっていることを特徴とする、請求項6に記載の簡易風向計。
【請求項8】
前記微細孔を閉じるためのキャップをさらに備えることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の簡易風向計。
【請求項9】
前記軟質部材は、前記穴の周縁で前記中空部の内部から固定されていることを特徴とする、請求項1に記載の簡易風向計。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−204599(P2009−204599A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−130810(P2008−130810)
【出願日】平成20年5月19日(2008.5.19)
【分割の表示】特願2008−48320(P2008−48320)の分割
【原出願日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【特許番号】特許第4229396号(P4229396)
【特許公報発行日】平成21年2月25日(2009.2.25)
【出願人】(508060623)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月19日(2008.5.19)
【分割の表示】特願2008−48320(P2008−48320)の分割
【原出願日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【特許番号】特許第4229396号(P4229396)
【特許公報発行日】平成21年2月25日(2009.2.25)
【出願人】(508060623)
【Fターム(参考)】
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