説明

米のプロラミンの白血病抑制への応用

【課題】米のプロラミンの白血病抑制への応用の提供。
【解決手段】米のプロラミン(prolamin)を調整し白血病(leukemia)を抑制する薬物に応用し、及び白血病を抑制する医薬組成物は、有効剤量の米のプロラミン及び薬学上受け入れ可能なビークルを含み、応用及び医薬組成物中において、プロラミンは、ヒト末梢血単核細胞(PBMC)を刺激し、腫瘤壊死因子(TNF-畚och)等のサイトカイン(cytokine)を生成し、こうして白血病細胞の成長を抑制し、或いは白血病細胞分化(differentiation)を促進し、該白血病細胞はU937細胞系で、しかも該プロラミンはグルテン(gluten)を含まないため、腸道過敏疾病を引き起こす恐れがない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は白血病を治療可能な米抽出物に関し、特に白血病細胞(ガン細胞)の成長を抑制可能で、白血病細胞(ガン細胞)を誘導し、正常細胞へと分化させることができる米のプロラミン(prolamin)に関する。
【背景技術】
【0002】
水稲(Oryza sativa)は、世界中で食されている非常に重要な主食作物の一つであり、台湾地区では最も広く栽培されており、しかも主要な食用作物である。米は、デンプン、タンパク質 (主に、貯蔵タンパク質[storage protein])、ビタミン、ミネラル等の栄養成分を豊富に含み、人類が必要とする基本的な栄養を提供することができる。米は、栄養的な価値を含む他に、多くの重要な生理活性を備えることが研究で指摘されている。例えば、米が含むフラボノイド類成分は、細胞色素P450(cytochrome P450)の活性を調節可能で(Noda, H., and Koizumi, Y. 2003. Sterol biosynthesis by symbiotes: cytochrome P450 sterol C-22 desaturase genes from yeastlike symbiotes of rice planthoppers and anobiid beetles. Insect Biochemistry & Molecular Biology. 33(6):649-58)、米の油脂中には、真菌抵抗性を持つ有効成分を含み (Paranagama, P. A., Abeysekera, K. H., Abeywickrama, K., and Nugaliyadde, L. 2003. Fungicidal and anti-aflatoxigenic effects of the essential oil of Cymbopogon citratus (DC.) Stapf. (lemongrass) against Aspergillus flavus Link. isolated from stored rice. Letters in Applied Microbiology. 37(1):86-90)、米ぬか(rice bran)は、血液中のコレステロールを低下させることができ(Qureshi, A. A., Sami, S. A. Salser, W. A., and Khan, F. A. 2002. Dose-dependent suppression of serum cholesterol by tocotrienol-rich fraction (TRF25) of rice bran in hypercholesterolemic humans. Atherosclerosis. 161(1):199-207)、老化したマウス腹腔中のナチュラルキラー細胞(natural killer cells)の活性を増進することができ(Ghoneum, M., and Abedi, S., 2004. Enhancement of natural killer cell activity of aged mice by modified arabinoxylan rice bran (MGN-3/Biobran). J. Pharm. Pharmacol. 56, 1581-1588)、子宮内膜腫瘤細胞のアポトーシスを誘発する作用を備える(Fan, H., Morioka, T., and Ito, E., 2000. Induction of apoptosis and growth inhibition of cultured human endometrial adenocarcinoma cells (Sawano) by an antitumor lipoprotein fraction of rice bran. Gynecol. Oncol. 76, 170-175)。
【0003】
白血病(leukemia)は、俗に血液のガンと呼ばれ、小児ガンの40%前後を占める、小児では最も発症率が高いガンである。白血球前駆細胞が遺伝、ウイルス感染、薬物等素因の影響を受けることが、その主因と考えられ、これにより造血幹細胞の分化が異常となり、血液或いは骨髄内白血球が過度に増加してしまう。現在では、治療法も多く治療は発展を遂げているが、治療には強い副作用を伴い、さらに再発率が高いため、完全治癒はなお困難である。よって、副作用が少なく、しかも白血病を効果的に治療できる新しい薬物の開発は、急務の課題である。米は薬学的治療効果を備えることが研究で示されているが、米中のどの有効成分が、腫瘤細胞の抑制及び免疫力増強の効果を持つのかは、未だに特定されていない。よって、該有効成分を探し出し、白血病細胞(ガン細胞)の成長を抑制する上で応用することができれば、白血病の治療に実に莫大な益をもたらすこととなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、白血病を効果的に治療し、治療時に起こる副作用を減らすため、米のプロラミン(prolamin)を調整し、白血病(leukemia)を抑制する薬物に応用し、しかも白血病(leukemia)を抑制する医薬組成物に用い、有効剤量の米のプロラミン(prolamin)、及び薬学上受け入れ可能なビークルを含む米のプロラミンの白血病抑制への応用を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明は下記の米のプロラミンの白血病抑制への応用を提供する。
米のプロラミンの白血病抑制への応用及び医薬組成物中において、該プロラミンは、ヒト末梢血単核細胞(human peripheral blood mononuclear cell, PBMC)を刺激し、腫瘤壊死因子(tumor necrosis factors, TNF-α)等のサイトカイン(cytokine)を生成し、
こうして、白血病細胞の成長を抑制し、或いは白血病細胞分化(differentiation)を促進し、
該白血病細胞は、U937細胞系で、しかも該プロラミンは、グルテン(gluten)を含まず、本発明米のプロラミンは、ヒト末梢血単核細胞(PBMC)を刺激可能で、ヒト白血病U937細胞成長の活性を効果的に抑制することができ、米のプロラミンは白血病の治療に応用可能で、さらに白血病を抑制する医薬組成物の成分とすることができ、
米のプロラミンは、天然成分で、しかも腸道の過敏疾病を引き起こすグルテン(gluten)タンパク質を含まず、
同時に、間接免疫により、白血病細胞の分化を誘導し、成熟した正常細胞とするため、白血病の治療時に副作用を引き起こす恐れがない。
【発明の効果】
【0006】
本発明米のプロラミンの白血病抑制への応用は、白血病を効果的に治療し、治療時に起こる副作用を減らすため、米のプロラミン(prolamin)を調整し、白血病(leukemia)を抑制する薬物に応用し、しかも白血病(leukemia)を抑制する医薬組成物に用い、有効剤量の米のプロラミン(prolamin)、及び薬学上受け入れ可能なビークルを含み、白血病細胞(ガン細胞)の成長を抑制可能で、白血病細胞(ガン細胞)を誘導し、正常細胞へと分化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明実施例において、プロテアーゼK(protease K)処理及び未処理の完全な米粒抽出物、米ぬか抽出物、及び胚乳抽出物の、間接方式によるヒト白血病細胞U937に対する成長抑制率の結果を示す図である。図中の実験組と未処理の対照組とを比較したところ、*p < 0.05で、顕著な差異が見られた。
【図2】本発明実施例において、台梗九号米の胚乳タンパク質の二次元電気泳動図である。図中の矢印は、分析後に差異が見られたタンパク質の相対位置を示す。
【図3】本発明実施例において、台梗九号米の米ぬかタンパク質の二次元電気泳動図である。図中の矢印は、分析後に差異が見られたタンパク質の相対位置を示す。
【図4】本発明実施例において、米胚乳から分離した 4種の貯蔵タンパク質:アルブミン(albumin)、グロブリン(globulin)、プロラミン(prolamin)及びグルテン(glutelin)の抽出過程を示すフローチャートである。
【図5】本発明実施例において、米が含む4種の貯蔵タンパク質抽出物の間接方式によるヒト白血病細胞U937に対する成長抑制率の結果を示す図である。図中の実験組と対照組とを比較したところ、*p < 0.05で、顕著な差異が見られた。
【図6】本発明実施例において、アンチプロラミン(anti-prolamin)多株抗体の性質を確認するポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)の結果を示す図である。
【図7】本発明実施例において、アンチプロラミン(anti-prolamin)多株抗体の性質を確認するウェスタンブロット法(Western blot)の結果を示す図である。
【図8】本発明実施例において、完全な米顆粒抽出物、胚乳抽出物及びプロラミン抽出物とアンチプロラミンの多株抗体に中和反応を行った後の、U937細胞に対する成長抑制率の結果を示す図である。図中の実験組と対照組とを比較したところ、*p < 0.05で、顕著な差異が見られた。
【図9】本発明実施例において、台梗九号白米の胚乳と米ぬか抽出物中グリアジンの発現結果を示す図である。
【図10】本発明実施例において、台梗九号白米のアルブミン抽出物、グルテン抽出物、グロブリン抽出物とプロラミン抽出物中グリアジンの発現結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
米中のどの成分が、ヒト白血病細胞の成長を抑制する効果を備えるかを探るため、本発明の一実施例では、先ず、米タンパク抽出物のガン抑制生物活性を測定した。その結果、米タンパク質抽出物が、ヒト白血病細胞U937の成長の抑制に対して顕著な影響があることが分かった。さらに、二次元電気泳動及び質量分析により分析した結果、ガン抑制活性と関連する数種のタンパク質グループが見つかった。
【0009】
ガン細胞は、一種の未分化或いは分化が不成熟な細胞であるため、細胞分化誘導物質による処理後には、ガン細胞は正常に近い細胞に分化し、ガン細胞の増殖性は低下し、さらには消失することが、研究により分かっている。現在の研究では、フィトヘマグルチン(phytohemagglutinin、以下PHAと略称)等のある間接免疫促進物質は、先ず免疫細胞を刺激しその機能を増強した後、大量のサイトカインを放出させ、こうして白血病細胞を誘導し成熟させ、正常生理機能を備える血球細胞へと分化させられることが示されている。この種の間接免疫調整により分化を誘導する方式は、化学薬物治療或いは放射性治療による副作用を低下させることができ、しかも腫瘤細胞の成長を抑制する目的を達成することができ、現在では比較的積極性を備える治療法である。但し、PHAは、マイトゲン(mitogen)に属し、常に一定の毒性がついて回るため、臨床応用においては一定の問題が存在する。よって、毒性及び副作用を備えない免疫促進剤の開発が、現在の重点である。
【0010】
よって、本発明の一実施例では、ヒト末梢血単核細胞(PBMC)を利用し、間接免疫調整の方式により、米タンパク質抽出物のヒト白血病細胞U937に対する成長抑制作用を測定し、米タンパク質抽出物の腫瘤免疫に対する影響を分析した。その結果、米の貯蔵タンパク質は、ヒト末梢血単核細胞(PBMC)の間接免疫方式により、白血病細胞の成長を抑制することが分かった。さらに、二次水、塩溶液、アルカリ溶液、アルコールを利用し、米中から、アルブミン(albumin)、グロブリン(globulin)、グルテリン(glutelin)、プロラミン(prolamin)の4種の貯蔵性タンパクを分離する。該4種の貯蔵性タンパクをテストしたところ、貯蔵タンパク質中のプロラミン(prolamin)のガン抑制効果が最高であることが明らかになった。しかも試験の分析により、プロラミンが、ヒト末梢血単核細胞(PBMC)を活性化及び刺激し、より多くのサイトカインを発生する作用を備え、ヒト白血病細胞U937の成長を抑制する顕著な抗腫瘤免疫活性を備えることが確認された。
【0011】
ヒト白血病細胞株U937(American Type Culture Collection, ATCC, Rockville, MD, USAから購入)は、10%の 牛胎仔血清を含むRPMI 1640培養基(GIBCO, Grand Island, USA)により、指数成長期まで培養し、備える。
【0012】
末梢血単核細胞(PBMC)の分離及びその条件培養基(conditioned media)の調整は、以下の通りである。健康な献血者の末梢血を、Ficoll-Hypaque溶液中(溶液密度は約1.077 g/mL, Pharmacia Fine Chemicals, USA)に加え、遠心分離により末梢血単核細胞(PBMC)を得る。続いて、濃度1.5×10 cells/mLの末梢血単核細胞(PBMC)を取り、10%の熱不活化牛胎仔血清(heat-inactivated fetal calf serum, FCS, Hyclone, Logan, USA)とペニシリン(penicillin)/ストレプトマイシン(streptomycin)のRPMI 1640を含む培養基で培養する。この時、培養基中に米タンパク質抽出物等のテスト物質を加えることができる。適当な培養時間の後、培養基中の細胞を除去し、前記したテスト物質処理を経た末梢血単核細胞の条件培養基(peripheral blood mononuclear cell conditioned media, PBMC-CM)を得る。さらに、この条件培養基により、ヒト白血病細胞株U937成長活性の試験を行う。
【0013】
本発明実施例のすべての実験は、少なくとも3回以上繰り返し、実験結果は、平均値±標準誤差(mean ± standard error)で表示する。各組間の差異は、Student's t-testにより計算し、しかも*p<0.05により、統計上の意義を表す。
【実施例1】
【0014】
米タンパク質抽出物の白血病に対する影響
米中のどの成分が白血病細胞(ガン細胞)の成長を抑制するかを確認するため、本発明実施例では、米が含むタンパク質に対してガン抑制テストを行う。
【0015】
1.米抽出物の調整
本発明の一実施例では、台梗九号(Taikeng 9, TK9)白米(行政院農業委員会提供)により試験を行う。
それぞれ1グラム(g)の台梗九号白米完全顆粒、台梗九号白米の米ぬか(rice bran)、台梗九号白米の胚乳(endosperm)を研磨し粉とする。
続いて、それぞれ50 mlの沸騰水を加え、均一になるよう30分間撹拌し、ろ過の方式により抽出物を集め、完全な米粒抽出物(total rice-extracts)、米ぬか抽出物(rice bran-extracts)胚乳抽出物(endosperm-extracts)を得る。
【0016】
2.米タンパク質の抗白血病免疫活性評価
本発明の一実施例では、それぞれ完全な米粒抽出物、米ぬか抽出物、胚乳抽出物処理を経た末梢血単核細胞の条件培養基(PBMC-CM)について、米タンパク質のヒト末梢血単核細胞成長に対する影響及び間接方式により、ヒト白血病細胞U937に対する影響を探る。
【0017】
先ず、完全な米粒抽出物、米ぬか抽出物、胚乳抽出物を、それぞれ濃度50μg/mLのプロテアーゼ(protease K)により、37℃で2時間処理する。さらに、それを煮沸し、プロテアーゼKの活性を失わせ、これを実験組とし、プロテアーゼK処理が未処理の抽出物を対照組とする。濃度が100μg/mlの実験組と対照組の抽出物を、それぞれ末梢血単核細胞(PBMC)を培養するRPMI 1640培養基中に添加し、37℃で24時間培養し、該各培養基をろ過し細胞を除去し、前記した抽出物処理を経た末梢血単核細胞の条件培養基(PBMC-CM)を得る。濃度が1×105/mLのヒト白血病細胞U937を、実験組と対照組抽出物処理を経た末梢血単核細胞の条件培養基(PBMC-CM)に加え、一切の物質を添加していない培養基を空白組とする。37℃で5日間培養後、ラバーポリスマン(rubber policeman, Bellco Glass, Vineland, USA)により、シャーレ底層にこびり付いているU937細胞を軽くこそげ取る。
【0018】
トリパンブルー排出法(trypan blue dye exclusion)を利用し、細胞懸濁液とトリパンブルー (trypan blue, PBS溶液により10倍に希釈後使用)を、適当な比率で混合後、血球計数板を利用し、顕微鏡下で、活細胞と死細胞の数をそれぞれカウントし、以下の公式によりその成長抑制率(growth inhibition rate)を計算する。
成長抑制率(%)=(1−試験組或いは対照組の活細胞数量/空白組の活細胞数量 )× 100 %トリパンブルー排出法の原理は、以下の通りである。
正常で健康な細胞の細胞膜は完全であるため、トリパンブルーの進入を排除することができ、よって染色されない。
一方、死亡細胞或いは損傷がひどい細胞の細胞膜通過の完全性は、既に破壊されているため、染色剤は、細胞内に進入し、細胞を染色することができる。
よって、トリパンブルー排出法により、細胞の成長抑制率を評価することができる。
その結果は、図1に示す。
【0019】
本発明実施例において、プロテアーゼK(protease K)処理及び未処理の完全な米粒抽出物、米ぬか抽出物、及び胚乳抽出物の、間接方式によるヒト白血病細胞U937に対する成長抑制率の結果を示す図である図1に示すように、プロテアーゼK(protease K)処理を経ない3種の米抽出物(対照組)のヒト白血病細胞U937の成長抑制率は、約10〜20%で、胚乳抽出物の抑制活性が最高である。該3種の米抽出物に、プロテアーゼK(protease K)処理を施し、米中に含まれるタンパク質を分解し作用を失わせると、その成長抑制率は約6%以下まで低下する。すなわち、タンパク質を含まない米抽出物のヒト白血病細胞U937抑制の効果は不良である。この結果は、米中のヒト白血病細胞U937細胞の成長を抑制する成分がタンパク質であることを示している。
【実施例2】
【0020】
米タンパク質の活性物質分析
第一実施例のデータにより、白血病U937細胞の成長を抑制する作用は、米中のタンパク質成分にあり、しかも胚乳抽出物の抑制活性は、米ぬか抽出物より顕著に優れていることが示された。
よって、本発明実施例では、さらに二次元電気泳動分析方法を利用し、台梗九号米の胚乳と米ぬか中のタンパク質の発現量に顕著な差異のあるタンパク質を分析、比較する。
さらに、質量分析法を用いタンパク質のIDを鑑定し、ヒト白血病細胞U937細胞の成長を抑制するタンパク質の種類を探る。
【0021】
1.米タンパク質の二次元電気泳動分析
本発明実施例の二次元電気泳動に関連する設備及び実験操作方法は、Bio-Rad(Hercules, CA)による。
台梗九号(TK9)白米の米ぬか(rice bran)及び胚乳(endosperm)を研磨し粉とする。
適当な前処理及び定量を経た後、それぞれ適当な濃度の25μlの米ぬかタンパク質溶液と100μlの胚乳タンパク質溶液を取り、50 mMのジチオスレイトール(dithiothreitol, DTT)、0.5%のreadystrip IEF buffer(Bio-Lyte pH3-10とpH5-8 ampholyte Bio-Rad, Hercules, CA)及びリハイドレーションバッファー(rehydration buffer)を加え、最終体積を330μlとし、等電点電気泳動分析(IEF)を行う。
続いて、visPRO 5 minutes protein stain Kit(Visual protein biotechnology corp, Taipei, Taiwan)を使用し、亜鉛染色(zine stain)を行う。
その結果は、図2と図3に示す。
【0022】
2.米タンパク質の質量分析
染色後の二次元電気泳動ゲルについて、Image J(Version 1.38t, National Institutes of Health, Bethesda, Maryland)ソフトウエアを利用し、ゲル間タンパク質点の比較対照を行い、米ぬか(rice bran)及び胚乳(endosperm)のゲル上の相対位置のタンパク質表現量の差異と変化を判別する。
さらに、両方のゲル上の発現量に差異があるタンパク質について、鑑定、分析を行う。
ゲル上の、さらに鑑定、分析を行うタンパク質点を、ゲル内タンパク質水解方式によりゲルから取り出し、適当な処理を経た後、質量分析器(MALDI-QUAD-TOF,中研院タンパク質体核心センター提供)により分析を行う。
得られた質量分析データを、mascotサイトを利用して、タンパク質のデータ比較対照を行い、その分子量、pI及びScoreを信頼できる依拠とする。
その結果は、表一に示す。
【0023】
【表1】

【0024】
質量分析器鑑定結果及びタンパク質データベース比較対照に基づき、得られたタンパク質のIDについて、さらにタンパク質の機能特性に基づき、ヒト白血病U937細胞の成長を抑制する生物活性を備える可能性のあるタンパク質を、以下の七群(表一参照)に分ける。
(1) 代謝関連タンパク(Metabolism-related protein):dihydropteroate synthase(DHPS)等を含む。
(2) 伝送関連タンパク(Transport portein):response regulator receiver等を含む。
(3) 貯蔵性タンパク(Storage protein):グルテン(glutelin)等を含む。
(4) 抗酸化関連タンパク(Antioxidant-related protein):1-Cys peroxiredoxin A等を含む。
(5) 成長発育タンパク(Development protein):putative synovial sarcoma, X breakpoint 2 interacting proteinを含む。
(6) 抗疾病関連タンパク(Disease-resistance protein):NBS-LRR-like protein CR372を含む。
(7) 未知のタンパク質(Unknown protein):hypothetical protein OsI_12089等を含む。
表一から分かるように、各鑑定されたタンパク質のグループ中において、貯蔵性タンパクが占める比率が高く、特に、アルカリ溶性のグルテン(glutelin)は、貯蔵性タンパクのヒト白血病細胞U937成長に対する抑制に、一定程度の影響を及ぼしていることを示している。
【実施例3】
【0025】
米貯蔵性タンパクの白血病に対する影響の分析
第二実施例の結果では、貯蔵性タンパク中のグルテン(glutelin)が、ヒト白血病細胞U937の成長を抑制する生物活性を備えることが示されたが、米胚乳が含むグルテンは80%にも達するように、米中には多くのグルテンが存在するため、前記したガン抑制生物活性試験を行った際に、この大量のグルテン(glutelin)の生物活性だけが測定され、他の含有量は少ないが、ガン抑制生物活性を備える可能性がある貯蔵性タンパクが見落とされた可能性がある。
よって、アルブミン(albumin)、グロブリン(globulin)、プロラミン(prolamin)、グルテン(glutelin)を含むすべての貯蔵性タンパクに対して、白血病を抑制する生物活性の分析を行う。
【0026】
1.米の4種の貯蔵タンパク質の抽出
本発明実施例の米の4種の貯蔵タンパク質の抽出は、Ju氏等の方法(Z.Y. Ju., N.S. Hettiarachchy, and N. Rath. 2001. Extraction, denaturation and hydrophobic Properties of Rice Flour Proteins. Journal of Food Science, 66(2):229-232.)を修正したもので、フローチャートを図4に示す。
【0027】
10gの米胚乳を取り、乳鉢中で粉状に研磨し、40 mlのヘクサン(Hexane)を加え、24時間静かに置き、米が含む脂肪を除去後、粉末中に40 mlのddH2Oを加え抽出を行う。
20℃で4時間揺らした後、3000gの回転速度で30分間遠心回転を行う。
このステップを2回繰り返し、この部分のタンパク質を完全に除去し、該2回の上澄液を混合する。
これは、水溶性のアルブミン抽出液 (Albumin extract solution)である。
ddH2O抽出を経た後、残留した沈澱物(precipitation)中に40 mlの5% NaClを加え、20℃で4時間揺らし、3000gの回転速度で30分間遠心回転を行う。
このステップを2回繰り返し、該2回の上澄液を混合する。
これは、塩溶性グロブリン抽出液(Globulin extract solution)である。
さらに、5% NaCl抽出を経た後、残留した沈澱物中に、30 mlの0.02 MのNaOH(pH値調至11.0)を加え、20℃で30分間揺らし、4℃で3000gの回転速度で30分間遠心回転を行う。
このステップを2回繰り返し、該2回の上澄液を混合する。
これは、アルカリ溶性グルテン抽出液 (Glutelin extract solution)である。
さらに、0.02 M NaOH抽出を経た後、残留した沈澱物中に、30 mlの70%エタノール(ethanol)を加え、20℃で4時間揺らし、3000gの回転速度で30分間遠心回転を行う。
このステップを2回繰り返し、該2回の上澄液を混合する。
これは、アルコール可溶性プロラミン抽出液(Prolamin extract solution)である。
プロラミン抽出液を、先ず、減圧濃縮機により40℃で、130 rpmの回転速度で、有機溶剤を除去し、さらに別の3種のタンパク質抽出液と一緒に、-50℃で冷凍乾燥させ、4℃で保存し、備える。
【0028】
1.米の4種の貯蔵タンパク質の抗白血病免疫活性評価
本発明の一実施例では、アルブミン抽出液、グロブリン抽出液、プロラミン抽出液、グルテン抽出液処理を経た末梢血単核細胞の条件培養基(PBMC-CM)について、米の4種の貯蔵タンパク質のヒト末梢血単核細胞成長に対する影響、及び間接方式によりヒト白血病細胞U937に対する影響を探る。
先ず、濃度が100μg/mLのアルブミン抽出液、グロブリン抽出液、グルテン抽出液、プロラミン抽出液(これらタンパク質抽出液は、実験組)、PBSとDMSO(制御組)、PHA(正対照組、濃度は20μg/mL)及び濃度が100μg/mLの第一実施例で調整した胚乳抽出物(対照組)を、それぞれ末梢血単核細胞(PBMC)を培養したRPMI 1640培養基中に添加し、37℃で24時間培養し、該各培養基をろ過し細胞を除去し、前記した抽出物或いはテスト物質(PBS、DMSO、PHA)処理を経た末梢血単核細胞の条件培養基(PBMC-CM)を得る。
濃度、PBSとDMSO(制御組)、PHA(正対照組)及び胚乳抽出物(対照組)処理を経た末梢血単核細胞の条件培養基(PBMC-CM)に置き、一切の物質を添加していない培養基を空白組とし、37℃で5日間培養後、シャーレ底層にこびり付いているU937細胞を集める。
トリパンブルー排出法(trypan blue dye exclusion)を利用し、各条件培養基(PBMC-CM)の成長抑制率を計算して得た。
その結果は、図5に示す。
【0029】
図5は、本発明実施例において、米が含む4種の貯蔵タンパク質抽出物の間接方式によるヒト白血病細胞U937に対する成長抑制率の結果を示す図である。
図に示すように、アルブミン、グルテン、グロブリンのヒト白血病U937細胞に対する成長抑制率は、約20-25%であるが、プロラミンが示す成長抑制率は、約35%である。
プロラミンは、貯蔵性タンパク中含有量が最少(約1グラムの胚乳に含まれるプロラミンは11.8± 2.9 mgで、プロラミンの含有量は、貯蔵性タンパクの5〜10%に過ぎない)であるが、分析結果から、プロラミンが、ヒト末梢血単核細胞を刺激することで、間接的に白血病U937細胞の成長を抑制する効果は、各貯蔵性タンパク中で最良で、プロラミンが、ヒト白血病細胞U937成長の抑制において、重要な役割を果たしていることは、明らかである。
【0030】
この他、プロラミン処理を経た末梢血単核細胞の条件培養基(PBMC-CM)中の白血病細胞U937の型態(morphology)及び分化(differentiation)状況(結果は未指示)を観察及び分析することにより、プロラミンが白血病細胞U937を誘導し成熟した単核球(monocytes)に分化させることが分かった。これにより、白血病細胞U937は正常に近い細胞になり、こうしてガン細胞抑制の効果を達成する。一方、プロラミン処理を経た末梢血単核細胞の条件培養基(PBMC-CM)中の腫瘤壊死因子(tumor necrosis factors, TNF-α)等のサイトカインの含有量も、顕著に増加(結果は未指示)している。該サイトカインは、B細胞及びT細胞を活性化することができ、或いは血管通過性増加等の免疫反応を引き起こし、ガン細胞の抑制を助ける。各結果により明らかなように、プロラミンは重要な免疫反応調整物質である可能性がある。
【実施例4】
【0031】
プロラミンの白血病に対する影響の分析
プロラミンが白血病抑制において重要な役割を果たしていることをさらに証明するため、本発明実施例では、プロラミンを利用し、従来の方法により、アンチプロラミン(anti-prolamin)の多株抗体を調整する。
その方法はおおよそ、以下の通りである。先ず、70%のエタノールにより台梗九号(TK9)米の胚乳を処理し、プロラミンを抽出し、そのプロラミンを真空凍結乾燥し粉末とした後、再び溶解させ、小型ポリアクリルアミドゲル電気泳動(mini SDS-PAGE)を行い、免疫を誘発するプロラミンのタンパクバンド(約15.5 kDa位置)を取る。
適当な処理の後、200μgのプロラミンを、ウサギ(ウサギの品種は、New Zealand white rabbitsで、しかもその飼育中には米を含まない)に注射する。
続いて、第2、4、6週目にさらに100μgのプロラミン抗原を注射する。
全体での免疫期間は、約二ヶ月半である。ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)(結果は図6参照)及びウェスタンブロット法(Western blot) (結果は図7参照)により、該多株抗体の性質と特異性を確認する。
【0032】
それぞれ500μg/mLの台梗九号白米完全顆粒抽出物、500μg/mLの台梗九号白米の胚乳抽出物、100μg/mLのプロラミン抽出物とアンチプロラミンの多株抗体(希釈比率1:100)に中和反応(neutralization)を行った後、さらに、該各抽出物を末梢血単核細胞の条件培養基(PBMC-CM)に調整し、各抽出物のU937細胞に対する成長抑制率の影響を分析する。
この際同時に、多株抗体の中和反応を未処理のものを対照組とする。
その結果は、図8に示す。
【0033】
図8は、本発明実施例において、完全な米顆粒抽出物、胚乳抽出物及びプロラミン抽出物とアンチプロラミンの多株抗体に中和反応を行った後の、U937細胞に対する成長抑制率の結果を示す図である。
図中の結果が示すように、アンチプロラミンを加えた多株抗体の実験組に比べ、アンチプロラミンを加えていない多株抗体の対照組は、ヒト白血病U937細胞に対する成長抑制効果は、顕著に下がっている。
これは、添加したアンチプロラミンの多株抗体がプロラミンと結合し、プロラミンがその生物活性作用を発揮できないためである。
またこの結果は、プロラミンがヒト末梢血単核細胞(PBMC)を刺激する能力を備え、しかもプロラミン処理を経た末梢血単核細胞の条件培養基(PBMC-CM)がU937細胞の成長を効果的に抑制できることを説明しており、プロラミンが、抗白血病免疫能力を備える主要成分であることを証明している。
【実施例5】
【0034】
プロラミンが人体腸道自己免疫反応を引き起こす可能性の有無の確認
小麦(wheat)はグリアジン(gliadin)及びグルテニン(glutenin)により組成するグルテン(gluten)を含み、黒麦(secalin)、ライ麦(rye)或いは大麦(barley)由来のプロラミン(prolamin)等のアルコール可溶性タンパク質は、人体の腸道自己免疫反応を引き起こすことが、研究により指摘されている。
これによっては、グルテン敏感症(gluten sensitivity disease, GSD)或いはセリアック病(celiac disease, CD)等の自己免疫疾病(Fasano, A. and Catassi, C. 2001. Current approaches to diagnosis and treatment of celiac disease: an evolving spectrum. Gastroenterology , 120(3):636-651)を発症する。
その症状は、持続性下痢、胸焼け、腹部膨張感等を含み、しかも現在これら疾病を治療可能な薬物はなく、グルテンを含むタンパク質を避けるしか方法がない。
よって、本発明実施例ではさらに、米のプロラミンが、免疫に関わる問題を引き起こすグリアジン(gliadin)、ペプチド(peptide)を含むか否かを分析する。
それぞれ適量のグリアジン(gliadin)、グルテン(gluten)、台梗九号白米完全顆粒抽出物、台梗九号白米の胚乳抽出物、台梗九号白米のアルブミン抽出物、グルテン抽出物、グロブリン抽出物、プロラミン抽出物を取り、ウェスタンブロット法(Western blot)を行う。
さらに、抗グリアジン(Mouse anti-gliadin, Santa Cruz Biotechnology, Inc., Heidlberg, Germany)の抗体(希釈比率1:500)により、抗体抗原反応(hybridization)を行う。
その結果は、図9と図10に示す。
【0035】
図9は、本発明実施例において、台梗九号白米の胚乳と米ぬか抽出物中グリアジンの発現結果を示す図で、図10は、本発明実施例において、台梗九号白米のアルブミン抽出物、グルテン抽出物、グロブリン抽出物とプロラミン抽出物中グリアジンの発現結果を示す図である。
図9、10の各結果に示すように、小麦のグリアジン(gliadin)とグルテン(gluten)では、グリアジン(gliadin)の存在が探知されたが、台梗九号白米の胚乳、米ぬか、及び胚乳から分離された4種の貯蔵タンパク質では、グリアジン(gliadin)の存在が探知されず、各米抽出物は、人体腸道自己免疫疾病を引き起こすグリアジン(gliadin)を含まないことを示している。
よって、各米抽出物を摂取しても、グルテン敏感症(GSD)或いはセリアック病(CD)等の自己免疫疾病を引き起こす恐れはない。
【0036】
上記したように、米のタンパク質は、白血病U937細胞の成長を抑制する作用を備え、しかも二次元電気泳動及び質量分析により、各変化を有するタンパク質点は、代謝、伝送、貯蔵、抗酸化、疾病抵抗、発育と関連するタンパクで、しかもさらなる分析により、貯蔵性タンパク質中のプロラミン(prolamin)は、ヒト末梢血単核細胞(PBMC)を刺激しサイトカインを分泌させ、ヒト白血病細胞を誘導し正常細胞へと分化させ、ヒト白血病細胞の成長を抑制する効果を備えることが分かった。
この他、プロラミンの食用は、グルテン敏感症或いはセリアック病等の人体に有害な自己免疫疾病を引き起こさないことも明らかである。
【0037】
さらに、プロラミン(prolamin)は、医薬組成物に調整し、白血病抑制の治療に応用することができる。
該医薬組成物は、有効剤量を含むプロラミン(prolamin)の他、薬学上受け入れ可能なビークルを含む。
ビークルは、賦形剤(水等)、充填剤(蔗糖或いはデンプン)、粘着剤(セルロース派生物)、希釈剤、崩解剤、吸収促進剤、或いは甘味剤であるが、これに限定するものではない。
本発明医薬組成物は、一般的な従来の薬学的調整方法により製造し、前記した各物質の有効成分剤量と一種以上のビークルとを混合し、必要な剤型を形成する。
この剤型は、錠剤、粉剤、粒剤、カプセル、或いは他の液体製剤を含むが、これに限定するものではない。
【0038】
上記の本発明名称と内容は、本発明技術内容の説明に用いたのみで、本発明を限定するものではない。本発明の精神に基づく等価応用或いは部品(構造)の転換、置換、数量の増減はすべて、本発明の保護範囲に含むものとする。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は多数回の試験を経て、予期の目的を達成可能であることが確証された。
しかもその機能は卓越しており、申請前に公開刊行物で未見で、及び公開使用の事実もないため、本発明は特許請求の要件である新規性を備え、従来の同類製品に比べ十分な進歩を有し、実用性が高く、社会のニーズに合致しており、産業上の利用価値は非常に大きい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
米のプロラミンの白血病抑制への応用において、プロラミン(prolamin)を調整し、白血病(leukemia)を抑制する薬物に応用し、
前記プロラミンは、米由来であることを特徴とする米のプロラミンの白血病抑制への応用。
【請求項2】
前記プロラミンは、ヒト末梢血単核細胞(human peripheral blood mononuclear cell, PBMC)を刺激し、サイトカイン(cytokine)を生成し、
こうして白血病細胞の成長を抑制し、或いは白血病細胞の分化(differentiation)を促成することを特徴とする請求項1に記載の米のプロラミンの白血病抑制への応用。
【請求項3】
前記白血病細胞は、U937細胞系であることを特徴とする請求項1或いは2に記載の米のプロラミンの白血病抑制への応用。
【請求項4】
前記サイトカインは、腫瘤壊死因子(tumor necrosis factors, TNF-α)であることを特徴とする請求項1に記載の米のプロラミンの白血病抑制への応用。
【請求項5】
前記プロラミンは、グルテン(gluten)を含まないことを特徴とする請求項1に記載の米のプロラミンの白血病抑制への応用。
【請求項6】
白血病(leukemia)抑制に用いる医薬組成物は、有効剤量の米のプロラミン(prolamin)、及び薬学上受け入れ可能なビークルを含むことを特徴とする白血病(leukemia)抑制に用いる医薬組成物。
【請求項7】
前記プロラミンは、ヒト末梢血単核細胞(human peripheral blood mononuclear cell, PBMC)を刺激しサイトカイン(cytokine)を生成し、
こうして白血病細胞の成長を抑制し、或いは白血病細胞の分化(differentiation)を促進することを特徴とする請求項6に記載の白血病(leukemia)抑制に用いる医薬組成物。
【請求項8】
前記白血病細胞は、U937細胞系であることを特徴とする請求項6或いは7に記載の白血病(leukemia)抑制に用いる医薬組成物。
【請求項9】
前記サイトカインは、腫瘤壊死因子(tumor necrosis factors, TNF-α)であることを特徴とする請求項6に記載の白血病(leukemia)抑制に用いる医薬組成物。
【請求項10】
前記プロラミンは、グルテン(gluten)を含まないことを特徴とする請求項6に記載の白血病(leukemia)抑制に用いる医薬組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−157341(P2011−157341A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−87611(P2010−87611)
【出願日】平成22年4月6日(2010.4.6)
【出願人】(510095879)
【Fターム(参考)】