説明

米を除く穀類及び豆類を原料とする寿命延長剤

【課題】 原価の低い米以外の天然素材を原料とした、新規な寿命延長剤の提供。
【解決手段】 米を除く穀類又は豆類を必須的に含む原料の処理物を有効成分として含有することを特徴とする寿命延長剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、米を除く穀類及び豆類を原料とする寿命延長剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ヒトをはじめとする個体は、誰しも年を取りやがて死を迎えるという現実から回避できない状況下、通常、一年でも長生きすることを切望している。ところで、百薬の長といわれる酒は、適量であれば、人を陽気にさせてストレスを解消させる等、特に精神面に対して好影響を与えることが周知である。そして、ほどほどの酒は、当該ストレス解消を通じて、人を長生きさせると考えられている。ここで、酒の場合は、酒の中に含まれるアルコール(エチルアルコール)が、ストレス解消の有効成分である。
【特許文献1】PCT/JP2005/000261
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記のアルコールは、それ自体に直接的に寿命延長効果がある訳ではなく、その効果は間接的である。また、アルコールの酸化物は、有毒であるか又は効果が無いことが確認されている。しかも、継続的なアルコール摂取はアルコール依存症になりやすく、また、過剰のアルコール摂取はアルコール中毒に繋がる可能性もあり、いずれも、むしろ寿命を短縮させる結果となり得る。
【0004】
ところで、本発明者らは、動植物合和すの観点から、主食であり安全性が最も高い白米を中心に様々な研究を進めている。それらの研究の途中で、偶然、当該原料に所定の処理を施したものに顕著な寿命延長効果があることを発見し、当該処理物について既に特許出願をしている(特許文献1参照)。しかし、米を原料として使用すると原価が高くなるという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本発明者らは、原料・処理条件等様々な角度からの変更を重ねた結果、所定の天然素材に所定処理を施した場合には、寿命延長に有効な成分が産生し得ることを見出し、以下の本発明(1)〜(5)を完成させたものである。
【0006】
本発明(1)は、米を除く穀類又は豆類を必須的に含む原料の処理物を有効成分とすることを特徴とする寿命延長剤である。
【0007】
本発明(2)は、前記処理物が、前記原料の水抽出物又は有機溶媒抽出物である、前記発明(1)の寿命延長剤である。
【0008】
本発明(3)は、前記処理物が、前記原料又は前記原料の水抽出物若しくは有機溶媒抽出物の糖化物である、前記発明(1)の寿命延長剤である。
【0009】
本発明(4)は、前記処理物が、前記原料、前記原料の水抽出物又は有機溶媒抽出物、或いは、前記原料又は前記原料の水抽出物若しくは有機溶媒抽出物の糖化物の、アルコール発酵物又は有機酸発酵物である、前記発明(1)の寿命延長剤である。
【0010】
本発明(5)は、米を除く穀類又は豆類が、小麦、大麦、トウモロコシ又は大豆である、前記発明(1)〜(4)のいずれか一つの寿命延長剤である。
【0011】
ここで、本明細書における各用語の意味について説明する。尚、説明の都合上、一部の用語の意味については「発明を実施するための最良の形態」の箇所で述べることとする。
【0012】
まず、「水処理物」とは、水を用いた原料の加工品を指し、例えば、原料の水抽出物、水存在下での糖化物(例えば、原料に水を加えて糖化させたもの、原料の水抽出物を糖化させたもの)、水存在下での発酵物(例えば、原料に水を加えて発酵させたもの、原料の水抽出物を発酵させたもの、原料の水抽出物を糖化させたものを発酵させたもの)を包含する。また、ここでの「水」は、水を必須的に含んでいる水性媒体を意味し、例えば、水や水とアルコールとの混合液を含む。
【0013】
「水抽出物」とは、水を用いて、物理的処理(例えば、圧搾、加熱処理)、化学的処理(例えば、酸やアルカリ処理)、生物的(生化学的)処理(例えば、麹、微生物処理、酵素処理)を単独又は組み合わせて施すことをいう。例えば、原料に水を加えたもの、原料を酸又はアルカリで処理したもの、原料の加水物に酵素又は麹を作用させたもの(抽出前又は抽出と同時)、或いは、これらの処理を加熱又は非加熱下でおこなったものである態様を挙げることができる。尚、上記のように「水抽出物」には、糖化酵素や麹を作用させる態様を包含するので、糖化されたものを含むが、当該「糖化されたもの」は、上記の「糖化物」とは別概念である。
【0014】
「有機溶媒抽出物」とは、有機溶媒を用いて、例えば、物理的処理(例えば、圧搾、加熱処理)を施すことをいう。
【0015】
「有効成分として含有する」とは、寿命延長効果を奏する程度に当該成分を含有することを意味し、当該成分が寿命延長剤の一部を構成する場合のみならず、当該成分が寿命延長剤のすべてを構成する場合を含む。
【0016】
「有機酸発酵」とは、例えば、酢酸発酵や乳酸発酵を指す。
【0017】
「寿命延長剤」とは、投与した場合としない場合とを比較して、細胞、組織、臓器又は個体の寿命が延長される薬剤を意味する。ここで、細胞、組織、臓器又は個体に係る生命体は、多細胞生物(ヒトを含む哺乳類といった高等動物も含む)及び単細胞生物を指す。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ヒト等の個体に投与した場合に、細胞の寿命が延長され、細胞から構成される各種細胞群(組織や臓器)の寿命が延長され、ひいては、体全体(個体)の寿命が延長されるという効果を奏する。そして、個体を構成する細胞等に関し、細胞機能、細胞活性、細胞周期、若々しさ、遺伝子機能の正常化をもたらし、更には、個体を構成する器官・臓器・組織・体液に関しても、機能の向上若しくは改善、正常化、健全化、老化防止、若々しさ保持又は若返りをもたらす。更に、これらの結果として、多くの疾病の予防・治癒効果をもたらす。例えば、循環器系(心臓、血管、血液・造血器系)、免疫系(リンパ性組織・器官、脾臓、胸腺)、皮膚、皮膚付属器官、消化器系(口唇、扁桃、歯、食道、胃、小腸、大腸、肝臓、胆管系、脾臓)、呼吸器系(鼻、咽頭、喉頭、気管、肺)、泌尿器系(腎臓、尿路)、性殖系(男性生殖器、女性生殖器)、内分泌系(下垂体、松果体、甲状腺、副腎)、脳、神経系(末梢神経、中枢神経)、代謝系(糖、脂質、尿酸代謝)、平衡・聴覚器、視覚器、各粘膜系、運動器(骨、関節、筋肉、腱、靱帯)等の機能の向上又は改善、正常化、健全化、老化防止、若々しさ保持或いは若返り;生命体或いは個体、器官、臓器、組織、体液又は細胞等における疾患及び諸症状の予防、悪化防止、改善、治療;循環器系(心臓、血管、血液・造血器系)、免疫系(リンパ性組織・器官、脾臓、胸腺)、皮膚、皮膚付属器官、消化器系(口唇、扁桃、歯、食道、胃、小腸、大腸、肝臓、胆管系、脾臓)、呼吸器系(鼻、咽頭、喉頭、気管、肺)、泌尿器系(腎臓、尿路)、性殖系(男性生殖器、女性生殖器)、内分泌系(下垂体、松果体、甲状腺、副腎)、脳、神経系(末梢神経、中枢神経)、代謝系(糖、脂質、尿酸代謝)、平衡・聴覚器、視覚器、各粘膜系、運動器(骨、関節、筋肉、腱、靱帯)等における疾患及び諸症状の予防、悪化防止、改善、治療;表皮・真皮に起因する皮膚障害、細胞障害、DNA障害、アトピー性皮膚炎、ドライスキン等の乾燥性皮膚症状(アトピー皮膚、乾燥・ソゾウ化皮膚、老化皮膚、魚鱗癬、かさかさ肌、荒れ肌、皮脂欠乏症、乾皮症、乾燥性湿疹、進行性手掌角皮症、紅斑、硬化・角化、亀裂、鱗屑、紋理、痒み、掻瘢痕)、シミ、ソバカス、掻痒症、あせも、荒れ性、しもやけ、ひび、あかぎれ、皮膚老化症状(しわ、ハリ・弾力の低下、たるみ、シミ)、油性肌、ニキビ、色素異常症、紫外線による皮膚障害(シミ、ソバカス)、光炎症、くすみ、黒ずみ、物理・化学的皮膚障害(切り傷、火傷、床ずれ)、水、石けん、洗剤、界面活性剤、溶媒の使用により引き起こされる皮膚症状、皮膚外用剤等の医薬品の副作用、生物的皮膚障害(皮膚感染症)、水虫、皮膚炎、湿疹、創傷治癒、育毛、養毛、発毛、脱毛症の予防、悪化防止、改善、治療;シミ、ソバカス、老人性色素斑の予防、悪化防止、改善、治療;各種炎症、感染症、アレルギー、免疫機能障害、粘膜障害、細胞障害、DNA障害、腫瘍、潰瘍、高脂血症、肥満、糖尿病、動脈硬化、痛風、血圧の健全化、改善(高血圧、低血圧)、ボケ、痴呆症、鼻炎、喘息、目の諸症状、風邪、血管障害、うちみ、肩こり、くじき、神経痛、腰痛、リウマチ、痔、疲労回復、産前産後の冷え症、口内炎、のどの炎症、痛み、咽頭炎、喉頭炎、扁桃炎、歯周炎、歯槽膿漏、歯肉炎、骨粗鬆症、滋養強壮、虚弱体質、肉体疲労、体力低下、塩害防止、ヘリコバクターピロリ生育阻止、ストレス、医薬品による副作用の予防、悪化防止、改善、治療;腫瘍の予防、悪化防止、改善、治療が、癌予防、悪化防止、進行抑制、転移防止、改善、治療;性機能の向上、改善、正常化、健全化又は老化防止、若々しさ保持或いは若返りが期待できる。更に、臓器保存剤や細胞保存剤(培地として使用)としても有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明に係る「米を除く穀物又は豆類」とは、例えば、米を除く小麦、大麦、とうもろこし、ひえ、あわ、そば、ライ麦等であり、豆類とは、大豆、えんどう豆、いんげん豆、小豆、そら豆等を挙げることができる。また、豆の状態は、未熟生豆、完熟生豆、さらに、乾燥処理した完熟豆等どんなものでもよい。
【0020】
穀物、豆類を水抽出物又は有機溶媒抽出する場合、まず、穀物、豆類を粉砕又は粉体化すると表面積が大きくなるため、極めて抽出効率が良好になる。この方法は、粉砕機等を用い、一般的な方法によればよい。粉砕しなくてもよいが、この場合には、穀物組織、豆組織の分解及び抽出に長時間を要する。
【0021】
水抽出に当たっては、穀物、豆をそのまま、好ましくは粉砕又は粉体化したものに加水する。穀物は玄穀でも精白穀でもよい。加水量については、穀物、豆に対して2〜5倍量で効率よく抽出されるが、収率、作業性、最終使用目的等に応じて適宜選定すればよい。この後加温してゆき、沸騰状態になった時点で抽出を完了する。抽出を完了した後、使用目的により圧搾、濾過を行えば、清澄な抽出エキスが得られる。なお、最初から熱水を加えて抽出を行ってもよい。
【0022】
抽出液中の有効成分は解明されていないが、この未知の有効成分が熱に安定であることは確認できたので、水抽出の際の抽出温度は、高温が効率的である。低温でも長時間置けば、充分に抽出を行うことができる。ただし、40℃以下の低温の場合は、pHを酸性あるいはアルカリ性にするか、防腐剤を加えることが好適である。抽出時間は、沸騰抽出の場合には数分でよいが、それ以下の中温の場合には、数時間から一昼夜が必要である。低温の場合は、穀物、豆の粉砕状態にもよるが、数日〜1ケ月必要である。ただし、この場合にも、なるべく最後には加熱するのがより効果的である。
【0023】
水抽出の場合に最も問題になるのは、糊化現象である。糊状になれば抽出効率が悪くなるのみでなく、実作業においては困難を極める。これを防ぐためには、アミラーゼを加えて反応させるか、塩酸などで酸性にして澱粉を分解すればよく、この方法を用いることにより、充分に解決でき、実用上も全く問題がない。
【0024】
抽出液中の有効成分は、酸、アルカリに安定であるためか、酸抽出あるいはアルカリ抽出物を行うのも有効である。更に、水抽出の場合、穀物、豆の組織に働く酵素(例えば、セルラーゼ)を作用させてもよい。ここでいう酵素とは、澱粉分解酵素(液化酵素、糖化酵素)、蛋白分解酵素、脂肪分解酵素、繊維分解酵素、リグニン分解酵素、ペクチン分解酵素の1種又は2種以上の組み合わせである。尚、抽出を行うに際し、酵素を作用させるタイミングは、抽出の前又は抽出と同時のいずれでもよい。
【0025】
更に、有機溶媒抽出でも、本効果をもったエキスが抽出されることが判明した。このことは、有効成分の解明を進める上で、また、有効成分を濃厚に抽出したり、水に溶けないものとの配合という利用用途の上で極めて有効である。この場合、なるべく微粉砕又は粉体化することが好ましい。また、ここで用いる有機溶媒はアルコールのような人体に投与しても安全なものを使用することが望ましい。
【0026】
また、とうもろこしのような生鮮穀類(加熱滅菌したものを含む)、生豆(加熱処理したものを含む)の場合、水や有機溶媒を用いず、試料を布か圧搾機で搾ったもの(搾汁)であってもよい。更に、圧搾をした後の残渣を水抽出又は有機溶媒抽出したものであってもよい。
【0027】
さらに、アルコール発酵、乳酸発酵や酢酸発酵等の有機酸発酵を組み合わせてもよい。
【0028】
また、用途によっては搾汁や水抽出物に糖やデキストリンが含まれてベタつくとか、その効果において邪魔になる場合がある。その場合には、デキストリンはアミラーゼで糖化した後、糖を酵母に食べさせるとか、有効成分を吸着剤で分画するとか、有機溶媒で抽出することにより糖を除いてやればよい。いずれにしても、抽出さえ行えば効果が出てくるわけで、用途によっては不要の成分は種々の方法により取り除けばよい。
【0029】
以上のようにして得られた本発明に係る寿命延長剤は、残渣と分離することなくそのままの状態で、或いは、圧搾や濾過を行った後、対象物(細胞、組織、臓器又は個体)に適用する。ここで、そのまま用いるときは、殺菌或いは除菌を行うことが好適である。本発明に係る寿命延長剤は、例えば個体に適用する場合、内用でも外用でもよい。具体的には、実際の用途に応じ、常法にしたがってクリーム、洗顔料、乳液、化粧水、クレンジング、パック、石鹸等の化粧料、軟膏剤、パスタ剤、ローション剤、チンキ剤、リエメント剤、ゼリー剤、エアゾール剤、液剤、ゼリー剤、エリキシル剤、カプセル剤(軟カプセル剤、硬カプセル剤)、顆粒剤、丸剤、懸濁剤、乳剤、散剤、細粒剤、錠剤、シロップ剤、注射剤、トローチ剤、リモナーデ剤等の経口剤、注射剤等の剤型で用いる。更には、食品や飲料に添加する処方もあり得る。尚、用途に応じ、他の配合成分や薬剤を添加してもよい。ヒトに投与する場合の投与量は、使用者の年齢、体重や重篤度等にもよるが、一般的に、製品100重量部当たり、本発明品エキスを0.0001〜90重量部、好適には0.01〜60重量部、最も好適には0.1〜30重量部添加する。また、本発明品の摂取量は、体重1kg当たり、一日0.0001〜100ml、好適には一日0.001〜50ml、最も好適には0.01〜20mlである。
【0030】
尚、実際の製品との関係では、例えば、寿命延長のために用いられるものである旨の表示を製品(例えば、薬剤、化粧品、飲食品)のパッケージ、パンフレット及び取扱説明書等に付した態様が好適である。このような表示を付することにより、本発明品がそのような効果を奏することが、ユーザに一目瞭然となる。加えて、他の法律(薬事法)の制限により、製品等に直接表示できない場合には、例えば、新聞記事等の形で当該製品の効能をユーザに間接的に告知する手法や、営業が口頭で当該効能をユーザに告知する手法も想定される。したがって、「寿命延長のために用いられるものである旨の表示」には、これらの手法も含め、寿命延長を製品に直接明記した場合や示唆する表示のみならず、間接的に表示又は告知する行為も包含される。また、寿命延長効果としては、少なくとも試験例で示した結果の10%程度以上奏することが好適であり、50%程度奏することがより好適であり、80%程度奏することが最も好適である。
【実施例】
【0031】
製造例1(小麦の抽出物)
小麦10kgをよく粉砕し、これに60℃の温水30Lと液化酵素50gを加え、よく攪拌した。その後、徐々に温度を上げてゆき、5分間煮沸抽出した後、30℃まで冷却した。その後、しぼり機でしぼり、本例品25Lと残渣13kgを得た。
【0032】
実施例2(大麦の抽出物)
大麦10kgをよく粉砕し、これに60℃の温水30Lと液化酵素50gを加え、よく攪拌した。その後、徐々に温度を上げてゆき、5分間煮沸抽出した後、30℃まで冷却した。その後、しぼり機でしぼり、本例品25Lと残渣13kgを得た。
【0033】
製造例3(とうもろこしの抽出物)
とうもろこし10kgをよく粉砕し、これに60℃の温水30Lと液化酵素50gを加え、よく撹拌した。その後、徐々に温度を上げてゆき、5分間煮沸抽出した後、30℃まで冷却した。その後、しぼり機でしぼり、本例品12Lと残渣26kgを得た。
【0034】
製造例4(大豆の抽出物)
大豆10kgをよく粉砕し、これに60℃の温水30Lと液化酵素50gを加え、よく撹拌した。その後、徐々に温度を上げてゆき、5分間煮沸抽出した後、30℃まで冷却した。その後、しぼり機でしぼり、本例品6Lと残渣30kgを得た。
【0035】
製造例5(小麦の糖化物)
小麦10kgをよく粉砕し、これに60℃の温水30Lと液化酵素50gを加え、よく攪拌した。その後、徐々に温度を上げてゆき、5分間煮沸抽出した後、30℃まで冷却した。その後、澱粉分解酵素50gを加え、55℃で4時間放置した。その後濾過器を用いて固液分離を行い、ろ液26Lを得た。これを85℃で30分加熱して本例品を得た。
【0036】
実施例6(大麦の糖化物)
大麦10kgをよく粉砕し、これに60℃の温水30Lと液化酵素50gを加え、よく攪拌した。その後、徐々に温度を上げてゆき、5分間煮沸抽出した後、30℃まで冷却した。その後、澱粉分解酵素50gを加え、55℃で4時間放置した。その後濾過器を用いて固液分離を行い、ろ液26Lを得た。これを85℃で30分加熱して本例品を得た。
【0037】
製造例7(とうもろこしの糖化物)
とうもろこし10kgをよく粉砕し、これに60℃の温水30Lと液化酵素50gを加え、よく撹拌した。その後、徐々に温度を上げてゆき、5分間煮沸抽出した後、30℃まで冷却した。その後、澱粉分解酵素50gを加え、55℃で4時間放置した。その後濾過器を用いて固液分離を行い、ろ液15Lを得た。これを85℃で30分加熱して本例品を得た。
【0038】
製造例8(大豆の糖化物)
大豆10kgをよく粉砕し、これに60℃の温水30Lと液化酵素50gを加え、よく撹拌した。その後、徐々に温度を上げてゆき、5分間煮沸抽出した後、30℃まで冷却した。その後、澱粉分解酵素50gを加え、55℃で4時間放置した。その後濾過器を用いて固液分離を行い、ろ液8Lを得た。これを85℃で30分加熱して本例品を得た。
【0039】
製造例9(小麦の発酵物)
小麦10kgをよく粉砕し、これに60℃の温水30Lと液化酵素50gを加え、よく攪拌した。その後、徐々に温度を上げてゆき、5分間煮沸抽出した後、30℃まで冷却した。その後、澱粉分解酵素50gを加え、55℃で4時間放置した。その後冷却し酵母を加え、15日間発酵を行った。その後濾過器を用いて固液分離を行い、ろ液26Lを得た。これを85℃で30分加熱して本例品を得た。
【0040】
実施例10(大麦の発酵物)
大麦10kgをよく粉砕し、これに60℃の温水30Lと液化酵素50gを加え、よく攪拌した。その後、徐々に温度を上げてゆき、5分間煮沸抽出した後、30℃まで冷却した。その後、澱粉分解酵素50gを加え、55℃で4時間放置した。その後冷却し酵母を加え、15日間発酵を行った。その後濾過器を用いて固液分離を行い、ろ液26Lを得た。これを85℃で30分加熱して本例品を得た。
【0041】
製造例11(とうもろこしの発酵物)
とうもろこし10kgをよく粉砕し、これに60℃の温水30Lと液化酵素50gを加え、よく撹拌した。その後、徐々に温度を上げてゆき、5分間煮沸抽出した後、30℃まで冷却した。その後、澱粉分解酵素50gを加え、55℃で4時間放置した。その後冷却し酵母を加え、15日間発酵を行った。その後濾過器を用いて固液分離を行い、ろ液15Lを得た。これを85℃で30分加熱して本例品を得た。
【0042】
製造例12(大豆の発酵物)
大豆10kgをよく粉砕し、これに60℃の温水30Lと液化酵素50gを加え、よく撹拌した。その後、徐々に温度を上げてゆき、5分間煮沸抽出した後、30℃まで冷却した。その後、澱粉分解酵素50gを加え、55℃で4時間放置した。その後冷却し酵母を加え、15日間発酵を行った。その後濾過器を用いて固液分離を行い、ろ液8Lを得た。これを85℃で30分加熱して本例品を得た。
【0043】
試験例(細胞の寿命延長試験)
・使用細胞:骨芽細胞(mouse Osteoblast MC3T3-E1)
・使用培地:DMEM
・使用試料:製造例11
6wellマイクロプレートに10%濃度で骨芽細胞を播種し、細胞が接着するまで37℃、5%CO下前培養をおこなった。翌日細胞が接着している事を確認し、培地に対して所定濃度(5%)となるように試料を添加した。そして、37℃、5%CO存在下で培養を行った。数日以内にコンフレントになることを確認し、27日後の細胞の様子を目視で評価を行った。なお、比較のため、水のみを添加した場合と、本発明者が既に出願した米エキス(特許文献1参照)を添加した場合も同様に試験した。その結果を図1に示す。ここで、図1(a)は水のみを添加した場合の写真、図1(b)は製造例11を添加した場合の写真、図1(c)は米エキスを添加した場合の写真である。図より明らかなように、製造例11を添加した場合には、水と比較して細胞の状態が顕著に良好であることが判明した。加えて、製造例11を添加した場合は、米エキスを添加した場合と比較して遜色ないことも判明した。尚、結果は明記しないが他の製造例についても同様の結果を得た。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】試験例の結果を示した写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
米を除く穀類又は豆類を必須的に含む原料の処理物を有効成分とすることを特徴とする寿命延長剤。
【請求項2】
前記処理物が、前記原料の水抽出物又は有機溶媒抽出物である、請求項1記載の寿命延長剤。
【請求項3】
前記処理物が、前記原料又は前記原料の水抽出物若しくは有機溶媒抽出物の糖化物である、請求項1記載の寿命延長剤。
【請求項4】
前記処理物が、前記原料、前記原料の水抽出物又は有機溶媒抽出物、或いは、前記原料又は前記原料の水抽出物若しくは有機溶媒抽出物の糖化物の、アルコール発酵物又は有機酸発酵物である、請求項1記載の寿命延長剤。
【請求項5】
米を除く穀類又は豆類が、小麦、大麦、トウモロコシ又は大豆である、請求項1〜4のいずれか一項記載の寿命延長剤。

【図1】
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【公開番号】特開2007−15941(P2007−15941A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−196003(P2005−196003)
【出願日】平成17年7月5日(2005.7.5)
【出願人】(504007475)
【Fターム(参考)】