説明

米プロラミンを含む抗消化性潰瘍組成物

本発明は、米プロラミンを活性成分として含むことを特徴とする抗消化性潰瘍組成物に関するものである。本発明の抗消化性潰瘍組成物は、消化性潰瘍において卓越した予防または治療効果を有し、かつ一般食品の蛋白質を活性成分として含むことから安全性が高いので、広範囲に利用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、米プロラミンを活性成分として含む抗消化性潰瘍組成物に関し、それは茶抽出物、水参抽出物、大麦抽出物、(‐)‐エピカテキン(EC)、タンニン酸およびシステインからなる群より選択される少なくとも1種を、米プロラミンの活性促進用の補助成分として更に含む。
【背景技術】
【0002】
消化性潰瘍に対する薬物治療の主な目的は、痛みを解消し、潰瘍自体を治癒し、そして潰瘍の再発と合併症を予防することにある。このために、一般に制酸剤、H2‐受容体拮抗薬、プロトンポンプ阻害薬、抗ヘリコバクターピロリ剤(anti-Helicobacter pylori preparations)等の様々な種類の薬物が使用されている。しかしながら、これら薬物を長期にわたって常用すると、様々な副作用をおこしうるため、注意を要する。
【0003】
また、本発明者等は、もち米抽出物が非常に効果的に胃潰瘍の発生を抑制し、そして発生した潰瘍の治癒に卓越した効果があるだけでなく、一般食品由来のものであることから安全性が高いということを報告している(韓国特許第0208969号、第0253740号および第10-0627820号)。しかし、前記の特許ではもち米抽出物中に存在する、抗消化性潰瘍活性を有する主要な物質が明らかにされなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国特許第0208969号公報
【特許文献2】韓国特許第0253740号公報
【特許文献3】韓国特許第10-0627820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者等は、もち米抽出物中の抗消化性潰瘍活性を有する物質を明らかにするために研究を重ねた結果、米プロラミンがこのような活性を有することを見出し、本発明を完成させた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、米プロラミンを活性成分として含むことを特徴とする抗消化性潰瘍組成物を提供する。
【0007】
また、本発明者らは、米プロラミンを活性成分として含む組成物に、茶抽出物、水参抽出物、大麦抽出物、(‐)‐エピカテキン(epicatechin)、タンニン酸およびシステインからなる群より選択される少なくとも1種を補助成分として更に含ませることにより、その効果が上昇することを見出した。このような補助成分は、米プロラミン1重量部に対して1〜80重量部の量で含まれることが好ましい。
【0008】
本発明の抗消化性潰瘍組成物の活性成分である米プロラミンは、もち米またはうるち米から精製でき、米プロラミンと類似の構造を有するプロラミン誘導体も使用できる。本発明の組成物は、経口投与用製剤に製剤化でき、また薬剤学的に許容可能な担体を含有できる。
【0009】
この組成物の1回の服用量は、体重1Kg当りもち米プロラミン0.3〜3mgであることが好ましく、1日1〜10回の服用が推奨される。
【発明の効果】
【0010】
米プロラミンを活性成分として含む本発明の組成物は、消化性潰瘍において優れた予防および治療効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、もち米抽出物、うるち米抽出物、大麦抽出物および小麦抽出物の抗消化性潰瘍活性を示す。
【図2】図2は、もち米抽出物全体、もち米抽出物の沈殿分画、及びもち米抽出物の可溶分画の抗消化性潰瘍活性を示す。
【図3】図3は、もち米抽出物の沈殿分画を100℃で5分間加熱処理するか、またはペプシン処理した場合の抗消化性潰瘍活性の変化を表したものである。
【図4】図4は、もち米抽出物の沈殿分画をそれぞれ0.5M NaCl、1%乳酸、及び70%エタノールで抽出したときの、可溶化亜分画(solubilized subfraction)と残留沈殿分画とにおける抗消化性潰瘍活性の分布を表したものである。
【図5】図5は、もち米から精製したプロラミンのSDS-PAGE分析を図示したものである。
【図6】図6は、もち米から精製したプロラミンの用量依存性の抗消化性潰瘍活性を表したものである。
【図7】図7は、うるち米から精製したプロラミンのSDS-PAGE分析を図示したものである。
【図8】図8は、うるち米から精製したプロラミンの用量依存性の抗消化性潰瘍活性を表したものである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
このように本発明の様々な側面を説明してきたが、以下、本発明の具体的態様を下記の実施例および実験例にて説明する。但し、本発明の範囲がこれらによって限定されるものではない。
【0013】
[実施例1]:もち米抽出物の調製
もち米粉末150gを5倍重量の蒸留水に加え、ボルテックスミキサーを用いて30秒間3回激しく攪拌した。撹拌後、混合液を3,000×gで10分間遠心分離して上清を得た。米国のピアス(Pierce)社製BCAキットを用いて測定した前記上清の蛋白濃度は、1.42mg/mlだった。この上清を蒸留水で希釈して蛋白濃度が1mg/mlになるようにし、これをもち米抽出物として使用した。
【0014】
[実施例2]:もち米抽出物の沈殿分画および可溶分画の調製
実施例1で調製したもち米抽出物500mlを室温で15時間放置して沈殿を形成させ、2,000×gで10分間遠心分離した。得られた沈殿物を500mlの蒸留水に懸濁させて、これをもち米抽出物の沈殿分画として使用した。そして、澄んだ上清をもち米抽出物の可溶分画として使用した。
【0015】
[実施例3]:うるち米抽出物とその可溶分画の調製
実施例1及び2と同様の方法でうるち米抽出物およびその可溶分画を調製した。うるち米粉末50gを5倍重量の蒸留水に加え、ボルテックスミキサーを用いて30秒間3回激しく撹拌した。撹拌後、混合液を3,000×gで10分間遠心分離して上清を得て、それを蛋白濃度が1mg/mlになるように希釈して、これをうるち米抽出物として使用した。うるち米抽出物を室温で15時間放置して沈殿を形成させた後、2,000×gで10分間遠心分離して澄んだ上清を得て、これをうるち米抽出物の可溶分画として使用した。
【0016】
[実施例4]:大麦抽出物および小麦抽出物とそれらの可溶分画の調製
大麦および小麦粉末それぞれ50gを5倍重量の蒸留水に加え、ボルテックスミキサーを使用して30秒間3回激しく攪拌した。撹拌後、混合液を3,000×gで10分間遠心分離して上清を得た。これら上清を蛋白濃度が1mg/mlになるように希釈して、それぞれ大麦抽出物および小麦抽出物として使用した。必要により、これらの抽出物を15,000×gで20分間遠心して、得られた澄んだ上清を、大麦抽出物および小麦抽出物の可溶分画として使用した。
【0017】
[実施例5]:水参抽出物の可溶分画の調製
水参25gを10倍重量の蒸留水に加え、ボルテックスミキサーを用いて30秒間3回激しく攪拌した。撹拌後、混合液を15,000×gで20分間遠心分離して、得られた澄んだ上清を、水参抽出物の可溶分画として使用した。
【0018】
[実施例6]:茶抽出物の可溶分画の調製
緑茶(韓国のアモレパシフィック社、商品名:ハンラ)、紅茶(英国のLipton社製)、烏龍茶(中国福建省産)を10gずつそれぞれ100倍重量の沸騰した蒸留水に入れて10分間抽出し、ろ過した。この検討において、このろ液をそのまま、または凍結乾燥させて使用した。
【0019】
[実施例7]:米プロラミンの精製
もち米またはうるち米粉末100gを蒸留水300mlで4時間抽出し、2,000×gで10分間遠心分離して上清を除去した。以上のような抽出過程を1度繰り返した。その後、得られた沈殿物を300mlの0.5M NaClで4時間、2回抽出した。このようにして得られた沈殿物を300mlの2−プロパノールで1時間抽出し、当該抽出を1回繰り返した。2つのプロパノール抽出液をためてろ過し、フード(hood)中で乾燥させた。
【0020】
前記乾燥物を50mlの70%エタノールに溶かし、ろ過した。そして、ろ液に3容量の氷冷アセトンをゆっくり加えて蛋白沈殿を形成させ、そして2,000×gで20分間遠心分離した。このようにして得られた沈殿物を30mlの70%エタノールに溶かし、ろ過し、そして3容量の氷冷アセトンに加えて蛋白沈殿を形成させた。そしてこの過程を1回繰り返した。得られた蛋白沈殿を蒸留水で24時間透析した。最終的に、62mgのもち米プロラミンと85mgのうるち米プロラミンを得た。
【0021】
実験例1:米抽出物中に存在する抗消化性潰瘍性物質の同定
(1) 抗消化性潰瘍活性の測定
Yamasaki等(Eur. J. Pharmacol. 142, 23-29, 1987)に記述された方法に少し変更を加えて測定を行った。体重250±20gの雄性ラット(Sprague-Dawley)にエタノール1mlを経口投与し、胃潰瘍を誘発させた。抗消化性潰瘍調製物の活性を測定するために、エタノール投与の30分前に試験調製物1mlを経口投与した。対照群には、同量の蒸留水を投与した。エタノール投与1.5時間後にエーテル麻酔下でラットを屠殺し、胃を除去した。その胃に1%ホルマリン10mlを注入し、30分間固定した。ホルマリン固定後、胃を大彎に沿って切開し、その内部表面をデジタルカメラで撮影した。その後、写真上で面積測定法で(planimetrically)、胃粘膜の損傷面積を測定し、それを潰瘍指数で表した。この指数は、腺の全体面積に対する損傷部位の比率である。試験調製物の潰瘍形成抑制率(%)は、下記のようにして算出した。
【0022】
【数1】

【0023】
全てのデータの統計学的有意性の検証は、一元分散分析(one-way ANOVA)とシェフェの方法(Scheffe test)によって行った。
【0024】
(2) 米抽出物と他の穀物抽出物との抗消化性潰瘍活性の比較
もち米抽出物、うるち米抽出物、大麦抽出物および小麦抽出物の抗消化性潰瘍活性を比較するために、それぞれ抽出物1mlをラットに経口投与した。30分後にエタノール1mlをラットに経口投与して、胃粘膜の損傷程度を評価した。その結果は図1に示されている。各群のラットの数は6匹であり、測定値は平均±標準偏差で表した。**p<0.01は対照群と比較した場合である。
【0025】
図1のように、もち米抽出物が最も強い抗消化性潰瘍活性を示し、うるち米抽出物も、もち米抽出物よりは低かったが、有意な抗消化性潰瘍活性を示した。しかし、大麦抽出物と小麦抽出物はどちらも、有意な抗消化性潰瘍活性を表さなかった。従って以下の実験例では、抗消化性潰瘍性物質を同定するために、主にもち米抽出物を使用した。
【0026】
(3) もち米抽出物の沈殿分画と可溶分画中の抗消化性潰瘍活性の分布
もち米抽出物の抗消化性潰瘍性物質がどの分画に存在するかを判定する第1ステップとして、実施例1および2で調製したもち米抽出物の沈殿および可溶分画をラットに経口投与した(1ml/ラット)。30分後にエタノールを経口投与して(1ml/ラット)、胃粘膜の損傷程度を評価した。結果を図2に示す。各実験群のラットの数は6匹で、測定値は平均±標準偏差で表した。p<0.05及び**p<0.01は蒸留水群と比較した場合である。††p<0.01はもち米抽出物群と比較した場合である。
【0027】
図2に示すように、蒸留水投与対照群、もち米抽出物投与群、もち米抽出物沈殿分画投与群およびもち米抽出物可溶分画投与群の平均潰瘍指数は、それぞれ66.5±10.4、16.0±8.9、46.3±10.7及び61.5±11.7%で、後3者の潰瘍形成抑制率は、それぞれ75.9%、30.4%及び7.5%だった。この結果より、沈殿分画はかなりの抗消化性潰瘍活性(もち米抽出物の40%程度)を示した反面、可溶分画は有意な抗消化性潰瘍活性を示さなかったことが分かる。この結果は、抗消化性潰瘍性の主要物質が、もち米抽出物の可溶分画よりもむしろ沈殿分画に存在することを示している。さらに、前記主要物質は、最大活性のためには可溶性の活性化成分を必要とすることを示唆している。
【0028】
(4) もち米抽出物沈殿分画の抗消化性潰瘍活性の、様々な物質による増強
他の穀物や天然食品の可溶分画もまたもち米抽出物沈殿分画の抗消化性潰瘍活性を増強し得るか調べるために、実施例3〜6で調製したうるち米抽出物、大麦抽出物、水参抽出物および茶抽出物の可溶分画のそれぞれを、もち米抽出物沈殿分画に添加した前後で抗消化性潰瘍活性を測定した。この実験例のために、実施例2で調製したもち米抽出物沈殿分画を遠心分離して上清を除去した。その後、前記沈殿を上記の抽出物の可溶分画のそれぞれと混合し、混合物を実験ラットに投与した。
【0029】
表1に示した通り、うるち米や大麦抽出物などの穀物抽出物は勿論、水参抽出物および茶(緑茶、紅茶および烏龍茶)抽出物の可溶分画全てが、それら単独では有意な抗消化性潰瘍活性を表さないが、もち米抽出物沈殿分画の抗消化性潰瘍活性を増強させることができた。これらの試験した可溶分画のうち、茶抽出物が最も強い増強効果を示すことが分かった。
【0030】
表1に示された増強効果に寄与している化合物を同定するために、いくつかの候補化合物をもち米抽出物沈殿分画に添加して、抗消化性潰瘍活性の変化を測定した。
【0031】
表2に示した通り、10mMの(‐)‐エピカテキン(EC)、タンニン酸およびシステインが、もち米抽出物沈殿分画の抗消化性潰瘍活性を著しく増強することが分かった。一方、他のアミノ酸、アスコルビン酸、還元型グルタチオン、(‐)‐エピガロカテキン没食子酸塩、フィチン酸、没食子酸およびカフェインは、10mMで有意な増強効果を示さなかった。
【0032】
【表1】

【0033】
【表2】

【0034】
(5) もち米抽出物沈殿分画の抗消化性潰瘍活性に対する熱処理およびペプシン処理の効果
もち米抽出物沈殿分画を沸騰水で5分間加熱処理するか、又は1%の乳酸存在下に0.1mg/mlペプシンと37℃で1時間反応させた。その後、それぞれの処理物を2mg/mlの緑茶抽出物と混合し、ラットに投与して抗消化性潰瘍活性を測定した。その結果は図3に示されている。各群のラットの数は6匹で、測定値は平均±標準偏差で表した。**p<0.01は蒸留水群と比較した場合である。††p<0.01は無処理の群と比較した場合である。
【0035】
図3に示されるように、もち米抽出物沈殿分画を熱処理するか、ペプシンで処理すると、その分画の抗消化性潰瘍活性が完全に喪失された。もち米抽出物沈殿分画を、ペプシンなしで1%乳酸と反応させたとき初めて、活性が維持された。これらの結果は、もち米抽出物沈殿分画中の抗消化性潰瘍活性を示す物質が、蛋白質であり得ることを示唆するものである。
【0036】
(6) もち米抽出物沈殿分画中のグロブリン、グルテリン及びプロラミン蛋白質間の抗消化性潰瘍活性の比較
もち米抽出物沈殿分画中に存在するグロブリン、グルテリン及びプロラミン蛋白質のいずれが抗消化性潰瘍活性を示すか調べるために、沈殿分画をそれぞれ0.5M NaCl、1%乳酸および70%エタノールで4時間抽出し、3,000×gで10分間遠心分離した。その後、可溶化亜分画について蒸留水にて24時間透析した後に抗消化性潰瘍活性を測定し、残渣沈殿亜分画について、沈殿物を蒸留水で懸濁して活性を測定した(図4)。抗消化性潰瘍活性を測定するために、亜分画に2mg/mlの緑茶抽出物を活性化剤として添加した。各群のラットの数は6匹で、測定値は平均±標準偏差で表した。p<0.05及び**p<0.01は蒸留水群と比較した場合である。††p<0.01は無処理の沈殿分画群と比較した場合である。
【0037】
図4に示すように、0.5M NaCl又は1%乳酸で抽出した後は、抗消化性潰瘍活性の大部分が沈殿分画に残っていた。しかし、70%エタノールで抽出すると抗消化性潰瘍活性の全てが消失した。かわりに、70%エタノール抽出物の可溶化亜分画は強力な抗消化性潰瘍活性を示した。
【0038】
以上の結果は、プロラミンがもち米抽出物沈殿分画の抗消化性潰瘍活性を示すことを強く示唆するものである。
【0039】
(7) 精製したもち米プロラミンの抗消化性潰瘍活性
もち米プロラミンの抗消化性潰瘍活性を確認するために、実施例7のようにもち米粉末からプロラミンを精製した。その後、まず精製した蛋白質をラエムリ(Laemmli)の方法(Nature 192, 680-682, 1970)に従いSDS-PAGEで分析して純度を評価した。図5は、15%ポリアクリルアミドゲルに10-30μgの蛋白質を加えて行ったSDS-PAGE分析の結果を示す。当該分析において、分子量が約13KDaの単一ポリペプチドバンドが検出された。この結果は、米プロラミンの特性に関する先の報告と一致する。よって、実施例7でもち米から調製したタンパク質は、高度に精製されたプロラミン蛋白質であることが示される。
【0040】
次に、もち米プロラミンの抗消化性潰瘍活性を用量依存的に測定した(図6)。この実験では、活性化剤として10mMのエピカテキン(EC)を添加した。各群のラットの数は6匹で、測定値は平均±標準偏差で表した。p<0.05及び**p<0.01は蒸留水投与対照群と比較した場合である。
【0041】
図6に示されるように、プロラミンの用量が増えるにつれて連続的に、抗消化性潰瘍活性が上昇した。体重Kg当り0.3mgの用量で、プロラミンは有意な抗消化性潰瘍活性を示し始め、用量が体重Kg当り3mgのときに、活性が最高値に達した。
【0042】
(8) 精製したうるち米プロラミンの抗消化性潰瘍活性
うるち米抽出物も有意な抗消化性潰瘍活性を示したため(図1)、(7)と同様の方法で、うるち米から精製したプロラミンの抗消化性潰瘍活性を調べた。うるち米から得たプロラミン調製物をSDS-PAGE分析したところ、13KDaの単一ポリペプチドバンドが検出され(図7)、これは調製した蛋白質が高度に精製されたプロラミンであることを示す。
【0043】
また、精製したうるち米プロラミンは、用量依存的な抗消化性潰瘍活性を示した(図8)。しかし、もち米プロラミンに比べてその比活性は遥かに低かった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
米プロラミンを活性成分として含むことを特徴とする抗消化性潰瘍組成物。
【請求項2】
茶抽出物、水参抽出物、大麦抽出物、(‐)‐エピカテキン(EC)、タンニン酸およびシステインからなる群より選択される少なくとも1種を、抗消化性潰瘍活性促進用の補助成分として更に含むことを特徴とする、請求項1に記載の抗消化性潰瘍組成物。
【請求項3】
前記米プロラミン1重量部に対して、前記補助成分を1〜80重量部含むことを特徴とする、請求項2に記載の抗消化性潰瘍組成物。
【請求項4】
前記米がもち米またはうるち米である、請求項1に記載の抗消化性潰瘍組成物。
【請求項5】
経口投与用製剤に製剤化されることを特徴とする、請求項1に記載の抗消化性潰瘍組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2011−516467(P2011−516467A)
【公表日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−502850(P2011−502850)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際出願番号】PCT/KR2009/001544
【国際公開番号】WO2009/145424
【国際公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(509268875)
【出願人】(308026861)インダストリー ファウンデーション オブ チョンナム ナショナル ユニバーシティー (9)
【Fターム(参考)】