説明

米飯の冷却方法及び米飯冷却装置

【課題】コンパクトな構成でありながら、シート状米飯を乾燥させることなく急速に所定温度まで冷却することができる米飯冷却方法、及び米飯冷却装置を提供すること。
【解決手段】シート状に形成された米飯を搬送するベルトコンベヤと、冷気を供給する冷気供給装置と、前記ベルトコンベヤの上方に配設され、前記冷気供給装置と連通連結するとともに、供給された前記冷気を吹き出す冷気吹出孔を有し、当該冷気吹出孔から前記米飯に冷気を送風する冷気吹出装置と、前記ベルトコンベヤを介して前記米飯の下方から前記冷気を吸引する吸引装置と、を備え、シート状に形成された前記米飯をベルトコンベヤで搬送しつつ、前記冷気吹出装置から冷気を送り、前記ベルトコンベヤの下方から前記冷気を吸引して前記米飯内に前記冷気を通過させることにより前記米飯を冷却可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、販売用のおにぎりに供される米飯の冷却方法及びこの方法に用いる米飯冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンビニエンスストア等で販売されるおにぎり等の製造装置において、シート状に形成したシート状米飯上に具材を載せるとともに、シート状米飯の両端を上方に折り返して上側を絞り込ませ、その後、おにぎり形状に成形したものがある(例えば、特許文献1を参照。)。これは、おにぎり型に直接米飯を詰め込んでプレス形成するよりも食感が向上するとされている。
【0003】
高温のままのシート状米飯に具材を供給すると具材が煮えてしまうおそれもあるため、冷却された状態で具材の供給を受けたり、最終成形されたりする。
【0004】
そこで、シート状米飯を冷却する必要があるが、米飯を冷却する装置としては、例えば、特許文献2や特許文献3などに開示されている装置や方法が知られている。
【0005】
特許文献2の装置は、食材を載置可能であり貫通孔が形成された載置部を有し且つ水平面内で移動自在に支持された食材移送部材と、前記食材移送部材を移動させる移動駆動手段と、前記食材移送部材で移送される前記食材の上方に形成された冷却室、及び該食材の下方に形成された吸気室と、前記冷却室に冷却空気を供給する空気供給手段と、前記吸気室から空気を吸引する空気吸引手段と、前記冷却室に過熱蒸気を供給する過熱蒸気供給手段と、を備えている。
【0006】
また、特許文献3の冷却方法は、例えばおにぎりを、多数の小孔を有するプレートの前記小孔の上に載せ、プレートの下部のバキュームチャンバをバキューム装置により負圧にしてバキュームチャンバに流入する空気流を前記おにぎりの内部を通過させて当該おにぎりを内部から冷却する冷却方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−187564号公報
【特許文献2】特開2005−341932号公報
【特許文献3】特開2003−299449号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献2に記載の冷却装置は、どうしても大型化してしまうため、既設工場内に設置することが難しい。また、特許文献3に記載の冷却方法では、冷却能力が低く、十分に冷却される前に米飯表面が乾燥してしまうことが考えられる。米飯表面が乾燥すると、その後の成形性能が低下するおそれがあった。
【0009】
本発明は、上記課題を解決して、コンパクトな構成でありながら、シート状米飯を乾燥させることなく急速に所定温度まで冷却することができる米飯冷却方法、及び米飯冷却装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1記載の本発明では、シート状に形成された米飯をベルトコンベヤにより搬送しながら前記米飯に冷気を送り込むとともに、前記ベルトコンベヤの下方から前記冷気を吸引して前記米飯内に冷気を通過させて前記米飯を冷却する米飯の冷却方法とした。
【0011】
請求項2記載の本発明では、請求項1記載の米飯の冷却方法において、シート状に形成された前記米飯の上側に配設した冷気吹出手段から冷気を吹き出すようにしたことを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の本発明では、請求項2記載の米飯の冷却方法において、前記冷気吹出手段は、回転自在に配設した複数のローラから構成されており、各ローラの表面には、シート状に形成された前記米飯内に食い込む複数の突起が形成されるとともに、各突起先端に形成された冷気吹出孔から冷気を吹き出すようにしたことを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の本発明では、シート状に形成された米飯を搬送するベルトコンベヤと、冷気を供給する冷気供給装置と、前記ベルトコンベヤの上方に配設され、前記冷気供給装置と連通連結するとともに、供給された前記冷気を吹き出す冷気吹出孔を有し、当該冷気吹出孔から前記米飯に冷気を送風する冷気吹出装置と、前記ベルトコンベヤを介して前記米飯の下方から前記冷気を吸引する吸引装置と、を備え、シート状に形成された前記米飯をベルトコンベヤで搬送しつつ、前記冷気吹出装置から冷気を送り、前記ベルトコンベヤの下方から前記冷気を吸引して前記米飯内に前記冷気を通過させることにより前記米飯を冷却可能とした米飯冷却装置とした。
【0014】
請求項5記載の本発明では、請求項4記載の米飯冷却装置において、前記冷気吹出装置を、複数の冷却用ローラを前記米飯と当接するように配設して構成し、前記米飯を当該冷却用ローラと前記ベルトコンベヤとで挟持しながら搬送可能に構成し、各冷却用ローラの表面に、シート状に形成された前記米飯内に食い込む複数の突起を形成するとともに、各突起先端に第1の冷気吹出口を形成し、前記米飯中に前記突起が突き刺さった状態で前記第1の冷気吹出口から冷気を吹き出し可能としたことを特徴とする。
【0015】
請求項6記載の本発明では、請求項5記載の米飯冷却装置において、前記複数の突起の間に位置する前記冷却用ローラの表面にも、冷気を吹き出し可能な第2の冷気吹出口を形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、シート状米飯を乾燥させることなく急速に所定温度まで冷却することができ、シート状米飯から形成された食感のよいおにぎりを効率良く製造することができる。しかも、冷却装置としては、極めてコンパクトな構成とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係るおにぎり製造装置の一実施例を示す正面図である。
【図2】同おにぎり製造装置の米飯冷却部を示す斜視図である。
【図3】同米飯冷却部の正面図である。
【図4】同米飯冷却部の平面図である。
【図5】同米飯冷却部の側面図である。
【図6】同米飯冷却部の要部の正面視による説明図である。
【図7】同米飯冷却部の要部の側面視による説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本実施形態のおにぎり製造装置は、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどで販売される、商用の量産おにぎりを製造するためのものであり、図1に示すように、上手側(図面中の右側)より、炊き上がった米飯をほぐし、粗熱除去を行うとともに、米飯をシート状に成形する米飯供給部1と、成形されたシート状米飯の重量を計量し、所定量になるように米飯を補充する米飯補充部2と、所定重量となったシート状米飯Rをコンベヤベルト50で流しながら冷却する米飯冷却部3と、冷却されたシート状米飯Rを所定のおにぎり形状に成形する成形部へ受け渡す受け渡し部4とを備えており、さらに、前記成形部の下手側には、図示しない包装部を備えている。図中、符号Cは制御盤である。
【0019】
なお、受け渡し部4の下手側に配設される成形部は、図示しないが、冷却後のシート状米飯Rの両端を上方に折り返して上側を絞り込ませる第1成形装置と、所定の型により最終成形を行う第2成形装置とから構成されている。また、さらにその下手側に配設される包装部は、成形部により成形されたおにぎりを、所定の包装用フィルムにより包装する包装装置を備えている。
【0020】
図2〜図7に米飯冷却部3を示す。図示するように、米飯冷却部3は、それぞれフレームFに組み込まれたベルトコンベヤ5と、冷気を供給する冷気供給装置6と、シート状に形成されたシート状米飯Rを搬送する前記ベルトコンベヤ5の上方に配設された冷気吹出装置7と、ベルトコンベヤ5を介して米飯Rの下方から冷気を吸引する吸引装置8とを備えている。図中、符号F1はフレームFの下部に設けられた脚部、符号F2は同じくフレームFの下部に設けられた転動輪を示しており、米飯冷却部3をフレームFごと移動可能としている。また、符号Bは米飯冷却部3の最下手側に設けられた繋ぎベルトコンベヤであり、冷却されたシート状米飯Rを受け渡し部4に移送する。
【0021】
ベルトコンベヤ5は、矩形枠状のフレームFの長手一側面に沿って配設されており、駆動ローラと複数の従動ローラとからなる回転ローラ51間に無端状のコンベヤベルト50を掛け渡して構成されている。なお、コンベヤベルト50は通気性を有するものであり、例えば、小孔を多数形成したり、網目状の材料を使用したりしている。図中、符号52はテンションローラを示している。
【0022】
冷気供給装置6は、このベルトコンベヤ5の側部に設けられており、本実施形態では、圧縮空気を供給するだけで冷気を発生する既知のエアクーラ(図示せず)を用いている。かかるエアクーラでは、筒状体の内部にコンプレッサからの高圧空気を送って渦流を発生させ、渦流にはたらく大きな遠心力によって圧力及び密度を急上昇させて抵抗を増加して温度を上昇させる。このとき、渦流の外側ほど周速が大きくなるとともに、温度も高くなるため、渦流の中心部の間とに大きな圧力差を生じ、渦流の中心部を空気が冷気の出口へ移動する時に膨張しながら減速による制動作用のため外側の渦流に対して熱交換される。したがって、外側では温度が上がり、中心部には低温空気(冷気)ができ、この冷気を供給するようにしている。
【0023】
そして、かかるエアクーラを複数個配設するとともに、ベルトコンベヤ5の上方に位置するコンベヤベルト50の直上方に臨設された冷気吹出装置7の各冷却用ローラ70にそれぞれ連通連結している。
【0024】
冷気吹出装置7は、コンベヤベルト50の幅方向を中心軸とする複数の冷却用ローラ70を互いに近接させた状態でベルトコンベヤ5の長手方向に沿って並列して構成されており、各冷却用ローラ70と各エアクーラとがそれぞれ連通連結している。
【0025】
冷却用ローラ70は、図6及び図7に示すように、外周面に複数の突起70aが形成されるとともに、中心軸として片持支持された中空軸71に遊嵌されている。そして、中空軸71の基端側から前記エアクーラからの冷気が供給されるように構成するとともに、この中空軸71と冷却用ローラ70に形成した複数の冷気通路72とを、中空軸71に形成した開口部73を介して連通可能としている。
【0026】
各冷気通路72はローラ表面に開口した第1の冷気吹出孔74及び第2の冷気吹出孔75に連通している。なお、冷気を吹出す孔としては、少なくとも突起70aの最外部に開口しておけばよいのであるが、本実施形態では、突起70aの先端に設けた第1の冷気吹出孔74の他、ローラ表面にも第2の冷気吹出孔75を多数設けている。
【0027】
中空軸71に形成した開口部73は、シート状米飯Rの対向するように、中空軸71の下半部に形成されているため、エアクーラから供給された冷気は、無駄なくシート状米飯Rに向けて噴出され、シート状米飯Rを可及的に急速冷却可能としている。
【0028】
吸引装置8は、吸気装置82(図5参照)と、図7に示すように、この、吸気装置82に連通連結する複数のダクト81とから構成されており、ダクト81をベルトコンベヤ5のコンベヤベルト50の周回部分の内側に組み込み、上側に位置するコンベヤベルト50の直下にダクト81の開口部を臨ませている。本実施形態では、ベルトコンベヤ5を長手方向に4区画に分け、各区画に2本のダクト81を並設している。
【0029】
かかる構成により、本実施形態に係る米飯冷却部3によれば、薄く形成されたシート状米飯Rを、ベルトコンベヤ5で搬送しつつ、冷却用ローラ70から冷気を送るとともに、ベルトコンベヤ5の下方から、冷却用ローラ70から送られた冷気を吸引して、当該冷気をシート状米飯Rの内部を通過させることによってシート状米飯Rを効率良く冷却することが可能となる。
【0030】
ところで、本実施形態では、図6及び図7に示すように、冷却用ローラ70の表面には突起70aが多数形成されている。そして、かかる冷却用ローラ70は、シート状米飯Rをコンベヤベルト50と協働して挟持可能御な位置に配設されている。すなわち、本実施形態に係る米飯冷却部3は、冷却用ローラ70を、シート状米飯Rと当接するように配設し、シート状米飯Rを当該冷却用ローラ70とベルトコンベヤ5のコンベヤベルト50とで挟持しながら搬送可能に構成している。
【0031】
したがって、各冷却用ローラ70の表面に形成された突起70aは、シート状米飯Rを搬送する際には当該シート状米飯Rの内部に食い込むことになる。そのため、各突起70aの先端に形成された第1の冷気吹出孔74は、シート状米飯Rの中で直接米飯に冷気を吹き出すことになり、より効率良く米飯冷却を行うことができる。
【0032】
ここで、本実施形態に係るおにぎり製造装置によりおにぎりが製造されていく工程について説明する。
【0033】
先ず、米飯供給部1に、約70℃程度の高温の米飯が供給され、米飯供給部1において供給された米飯をほぐすとともに粗熱を除去する。粗熱の除去は、自然放熱が主となるが、ファンなどを用いて強制的に温度低下を図ってもよい。
【0034】
そして、所定量に計量された米飯をシート状に成形し、成形されたシート状米飯Rを次工程に送る。このとき、シート状米飯Rの温度は約40〜50℃であり、各シート状米飯Rは、それぞれ10mm程度の一定の間隔をあけて、1個ずつ送られていく。なお、各シート状米飯Rの所定量とは、おにぎり一個部分の量よりも若干少なめの重量で規定されている。
【0035】
シート状米飯Rを計量して、実際のおにぎり1個部の重量に対する不足分を米飯補充部2で補充する。このとき、補充される米飯は、塊状であるよりもほぐされた状態であることが望ましい。
【0036】
次いで、シート状米飯Rはベルトコンベヤ5により搬送されながら米飯冷却部3により急速に冷却される。なお、本実施形態では、25℃程度まで冷却することとしている。
【0037】
すなわち、米飯冷却部3のコンベヤベルト50上に載置されたシート状米飯Rは、その上方に配設された冷却用ローラ70との間で挟持されながら搬送されることになる。このとき、冷却用ローラ70の突起70aがシート状米飯Rの中に突き刺さった状態となる。突起70aの先端には第1の冷気吹出孔74が形成されているため、第1の冷気吹出孔74を介して冷気がシート状米飯Rの内部に吹き込まれる。
【0038】
冷却用ローラ70の表面には、前述したように、第1の冷気吹出孔74の他、多数の第2の冷気吹出孔75が形成されているため、シート状米飯Rの表面には、これら第2の冷気吹出孔75から0〜5℃に調整された冷気が吹き出される。ここで用いられる冷気は、前述した既知のエアクーラから送られるが、エアクーラに導入される空気、あるいはエアフィルタから出た空気は、予めフィルタなどを通して浄化された空気としておくことが望ましい。
【0039】
他方、上側のコンベヤベルト50の直下には、吸引装置8のダクト81の上端開口部が臨んでおり、冷却用ローラ70から噴出された冷気をシート状米飯Rの下方から吸引している。したがって、冷却用ローラ70からの冷気は、シート状米飯Rの外部及び内部に広く接触して熱を奪い、効率的に冷却することが可能となる(図7を参照。)。
【0040】
こうして、本実施形態によれば、シート状米飯Rは、ベルトコンベヤ5で搬送されながら短時間で急速冷却されて受け渡し部4を介して成形部へと送られ、所定のおにぎり形状へと成形される。このとき、米飯冷却部3におけるシート状米飯Rの冷却に時間を要さないため、シート状米飯Rはその表面が乾燥したりすることもなく、適度な保湿状態を維持しながら後工程の成形部へと送られる。
【0041】
本実施形態では、成形部の第1成形装置を、中央に具材が載置されたシート状米飯Rをベルト搬送しながら、その両端を搬送しているベルトによって上方に折り返して上側を絞り込ませ、塊状にして、その後、三角あるいは四角の所定形状のおにぎり型からなる第2成形装置で最終成形をしているが、成形部の構成は特に限定されるものではない。
【0042】
ところで、上述の実施形態では、シート状米飯Rを冷却用ローラ70とベルトコンベヤ5のコンベヤベルト50とで挟持しながら搬送可能に構成したが、必ずしもかかる構成に限定されるものではない。
【0043】
冷却用ローラ70をシート状米飯Rから離隔して配設してもよいし、そもそも冷気吹出装置をローラ型とせずに、搬送されるシート状米飯Rに冷気を吹き付け可能であればいかなる構成であってもよい。
【0044】
上述してきた実施形態より、以下の米飯の冷却方法、及び米飯冷気吹出装置が実現される。
【0045】
シート状に形成された米飯(シート状米飯R)をベルトコンベヤ5により搬送しながら前記米飯に冷気を送り込むとともに、ベルトコンベヤ5の下方から前記冷気を吸引して前記米飯内に冷気を通過させて前記米飯を冷却する米飯の冷却方法。
【0046】
かかる冷却方法によれば、シート状米飯を乾燥させることなく急速に所定温度まで冷却することができ、シート状米飯から形成された食感のよいおにぎりを効率良く製造することができる。また、米飯に空気を含有させることができ、食感を向上させることができる。
【0047】
上記方法において、シート状に形成された前記米飯(シート状米飯R)の上側に配設した冷気吹出手段(例えば、冷気吹出装置7)から冷気を吹き出すようにした米飯の冷却方法。
【0048】
かかる方法によれば、米飯を搬送しながら冷気を米飯の表面から中に至るまで効率良く通過させることができる。
【0049】
上記方法において、前記冷気吹出手段(例えば、冷気吹出装置7)は、回転自在に配設した複数のローラ(例えば、冷却用ローラ70)から構成されており、各ローラの表面には、シート状に形成された前記米飯(シート状米飯R)内に食い込む複数の突起70aが形成されるとともに、各突起70a先端に形成された第1の冷気吹出孔74から冷気を吹き出すようにした米飯の冷却方法。
【0050】
かかる方法によれば、米飯の内部まで、より短時間で冷却することができる。
【0051】
シート状に形成された米飯を搬送するベルトコンベヤと、冷気を供給する冷気供給装置と、前記ベルトコンベヤの上方に配設され、前記冷気供給装置と連通連結するとともに、供給された前記冷気を吹き出す冷気吹出孔を有し、当該冷気吹出孔から前記米飯に冷気を送風する冷気吹出装置と、前記ベルトコンベヤを介して前記米飯の下方から前記冷気を吸引する吸引装置と、を備え、シート状に形成された前記米飯をベルトコンベヤで搬送しつつ、前記冷気吹出装置から冷気を送り、前記ベルトコンベヤの下方から前記冷気を吸引して前記米飯内に前記冷気を通過させることにより前記米飯を冷却可能とした米飯冷気吹出装置。
【0052】
かかる米飯冷気吹出装置によれば、極めてコンパクトな構成としながら、シート状米飯を乾燥させることなく急速に所定温度まで冷却することができ、シート状米飯から形成された食感のよいおにぎりを効率良く製造することができる。また、米飯に空気を含有させることができ、食感を向上させることができる。
【0053】
上記構成において、前記冷気吹出装置を、複数の冷却用ローラを前記米飯と当接するように配設して構成し、前記米飯を前記冷却用ローラと前記ベルトコンベヤとで挟持しながら搬送可能に構成し、各冷却用ローラの表面に、シート状に形成された前記米飯内に食い込む複数の突起を形成するとともに、各突起先端に第1の冷気吹出口を形成し、前記米飯中に前記突起が突き刺さった状態で前記第1の冷気吹出口から冷気を吹き出し可能とした米飯冷気吹出装置。
【0054】
かかる米飯冷気吹出装置によれば、米飯の内部まで、より短時間で冷却することができる。
【0055】
上記構成において、前記複数の突起の間に位置する前記冷却用ローラの表面にも、冷気を吹き出し可能な第2の冷気吹出口を形成した米飯冷気吹出装置。
【0056】
かかる米飯冷気吹出装置によれば、より効率良く冷却することができ、冷却時間の短縮が図れる。
【0057】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲からイ逸脱することの無い限り、適宜設計変更したものを含めて本発明の権利範囲に属する。例えば本実施形態では、冷却用ローラ70の突起70aを略円錐形状としたが、円錐形状に限定されるものではない。また、ローラ表面上における突起70aの配置なども適宜変更してよい。さらに、実施形態のような突起70aではなく、例えば、冷却用ローラ70の軸方向に大径部と小径部とを交互に形成して、大径部を突起とする概念とすることもできる。
【符号の説明】
【0058】
R シート状米飯
1 米飯供給部
2 米飯補充部
3 米飯冷却部
4 受け渡し部
5 ベルトコンベヤ
6 冷気供給装置
7 冷気吹出装置
8 吸引装置
50 コンベヤベルト
74 第1の冷気吹出孔
75 第2の冷気吹出孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状に形成された米飯をベルトコンベヤにより搬送しながら前記米飯に冷気を送り込むとともに、前記ベルトコンベヤの下方から前記冷気を吸引して前記米飯内に冷気を通過させて前記米飯を冷却することを特徴とする米飯の冷却方法。
【請求項2】
シート状に形成された前記米飯の上側に配設した冷気吹出手段から冷気を吹き出すようにしたことを特徴とする請求項1記載の米飯の冷却方法。
【請求項3】
前記冷気吹出手段は、回転自在に配設した複数のローラから構成されており、各ローラの表面には、シート状に形成された前記米飯内に食い込む複数の突起が形成されるとともに、各突起先端に形成された冷気吹出孔から冷気を吹き出すようにしたことを特徴とする請求項2記載の米飯の冷却方法。
【請求項4】
シート状に形成された米飯を搬送するベルトコンベヤと、
冷気を供給する冷気供給装置と、
前記ベルトコンベヤの上方に配設され、前記冷気供給装置と連通連結するとともに、供給された前記冷気を吹き出す冷気吹出孔を有し、当該冷気吹出孔から前記米飯に冷気を送風する冷気吹出装置と、
前記ベルトコンベヤを介して前記米飯の下方から前記冷気を吸引する吸引装置と、
を備え、
シート状に形成された前記米飯をベルトコンベヤで搬送しつつ、前記冷気吹出装置から冷気を送り、前記ベルトコンベヤの下方から前記冷気を吸引して前記米飯内に前記冷気を通過させることにより前記米飯を冷却可能としたことを特徴とする米飯冷気吹出装置。
【請求項5】
前記冷気吹出装置を、複数の冷却用ローラを前記米飯と当接するように配設して構成し、前記米飯を前記冷却用ローラと前記ベルトコンベヤとで挟持しながら搬送可能に構成し、各冷却用ローラの表面に、シート状に形成された前記米飯内に食い込む複数の突起を形成するとともに、各突起先端に第1の冷気吹出口を形成し、前記米飯中に前記突起が突き刺さった状態で前記第1の冷気吹出口から冷気を吹き出し可能としたことを特徴とする請求項4記載の米飯冷気吹出装置。
【請求項6】
前記複数の突起の間に位置する前記冷却用ローラの表面にも、冷気を吹き出し可能な第2の冷気吹出口を形成したことを特徴とする請求項5記載の米飯冷気吹出装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−175941(P2012−175941A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−41423(P2011−41423)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000236746)不二精機株式会社 (48)
【Fターム(参考)】