説明

粉体切出装置及びこれを使用した粉体異物検査装置

【課題】凝集性が強い粉体であってもホッパーから塊となることなく定量切出しを行うことができる粉体切出装置及びこれを使用した粉体異物検査装置を提供する。
【解決手段】粉体を貯留し、粉体を帯状に切り出す切出用開口を有するホッパー11と、該ホッパー11の切出用開口に連接して配設された当該切出用開口の長手方向に対向して回転自在に配設された外周面を凝集性が強い粉体を切出し可能な粗面とした切出ローラ12を有する粉体切出機構13と、前記切出ローラ12を一定方向に回転駆動するローラ駆動機構14とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体を帯状に切り出す粉体切出装置及びこれを使用した粉体異物検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、食品や医薬品に使用する粉体中に混入する異物を検査する検査装置としては、例えば、ホッパーに貯留した粉粒体を仕切り板で供給量を調整しながら所定幅の振動フィーダに供給し、振動与えながら平準化して搬送し、次いで振動フィーダから回転するドラム上に落下させ、ドラムの外周面をガイドとして、均一な層を形成させながら搬送し、ドラム上面に取付けた光源から粉粒体に光を照射して、粉粒体がドラム上から自由落下するまでに粉粒体の表面をライン撮像装置で撮像し、その画像信号を画像処理装置により処理することにより粉粒体中の異物の有無を判定するようにした粉粒体中の異物検査方法および異物検査装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−190697号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1に記載の従来例にあっては、ホッパーに貯留した粉体をその下部から直接帯状に切出し、仕切り板で振動フィーダへの供給量を調整するようにしている。このため、凝集性が弱い粉体である場合には、ホッパーからの粉体の切出しを正常に行うことができるものであるが、凝集性が強い粉体、例えば乳糖(ラクトース)粉末、脱脂粉乳やコーンスターチのような粉体を切り出す場合には、下端のテーパー状に狭めた切出口で粉体が塊となって切り出されたり、切出口で架橋状態となって粉体切出しが困難となったりして、粉体の定量切り出しを良好に行うことができなくなるという未解決の課題がある。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、凝集性が強い粉体であってもホッパーから塊となることなく定量切出しを行うことができる粉体切出装置及びこれを使用した粉体異物検査装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1に係る粉体切出装置は、粉体を貯留し、粉体を帯状に切り出す切出用開口を有するホッパーと、該ホッパーの切出用開口に連接して配設された当該切出用開口の長手方向に対向して回転自在に配設された外周面を粉体を切出し可能な粗面とした切出ローラを有する粉体切出機構と、前記切出ローラを一定方向に回転駆動するローラ駆動機構とを備えていることを特徴としている。
【0006】
また、請求項2に係る粉体切出装置は、請求項1に係る発明において、前記粉体切出機構は、前記切出ローラと所定間隔を保って対向し前記ホッパー側で当該切出ローラの回転に伴って移動される粉体の切出量を調整する切出量調整部と、前記切出ローラと近接対向し切出後に前記切出ローラに付着した粉体を掻き落とす粉体掻き落とし部とを有し、前記切出量調整部及び前記粉体掻き落とし部が前記切出ローラを挟んで対向配置されていることを特徴としている。
【0007】
また、請求項3に係る粉体切出装置は、請求項1または2に係る発明において、前記ホッパーは、振動を発生するバイブレータが側面に配設されていることを特徴としている。
また、請求項4に係る粉体切出装置は、請求項3に係る発明において、前記バイブレータは、前記粉体切出機構の切出量調整部側の側面に配設されていることを特徴としている。
【0008】
また、請求項5に係る粉体切出装置は、請求項1乃至4の何れか1つに係る発明において、前記ホッパーは、内部に貯留する粉体の容量を検出する粉体容量センサが配設されていることを特徴としている。
また、請求項6に係る粉体切出装置は、請求項1乃至5の何れか1つに係る発明において、前記粗面は、前記切出ローラの外周面に円周方向に等間隔で軸方向に延長して形成された粉体を切出し可能なU字状溝によって形成されていることを特徴としている。
【0009】
また、請求項7に係る粉体切出装置は、請求項1乃至5の何れか1つに係る発明において、前記粗面は、前記切出ローラの外周面に円周方向に等間隔で軸方向に螺旋状に延長して形成された粉体を切出し可能なU字状溝によって形成されていることを特徴としている。
また、請求項8に係る粉体切出装置は、請求項1乃至5の何れか1項に係る発明において、前記粗面は、前記切出ローラの外周面に形成された粉体を切出し可能なローレット溝によって形成されていることを特徴としている。
【0010】
また、請求項9に係る粉体切出装置は、請求項1乃至8の何れか1つの発明において、前記ローラ駆動機構は、前記切出ローラを2000min-1〜4000min-1の回転速度範囲で高速回転駆動することを特徴としている。
また、請求項10に係る粉体切出装置は、請求項1乃至9の何れか1つの発明において、前記粉体切出機構の下方側にバイブレータの振動が伝達される篩い機構が配設されていることを特徴としている。
【0011】
また、請求項11に係る粉体異物検査装置は、請求項1乃至10の何れか1項に記載の粉体切出装置と、該粉体切出装置から切出された粉体が搬送しながら平準化する粉体搬送機構を介して供給される粉体に混入された異物を検査する異物検査機構とを備えたことを特徴としている。
また、請求項12に係る粉体異物検査装置は、請求項11に係る発明において、前記異物検査機構は、前記粉粒体搬送機構から落下する粉粒体を外周面で受けて滑落位置まで搬送する回転ドラムと、前記回転ドラムの粉粒体落下位置から前記滑落位置までの間で、少なくとも当該回転ドラムを軸方向に延びる所定の照明領域で照明する照明機構と、前記照明機構で照明された粉体を撮像するライン撮像装置と、前記ライン撮像装置で撮像した粉体画像情報に基づいて異物の混入を検出する異物混入検出装置とを備えていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、粉体を貯留するホッパーの切出用開口に対向して、粉体を切出し可能な切出ローラを有する粉体切出機構を設け、その切出ローラをローラ駆動機構で一定方向に回転駆動するようにしたので、凝集性が強い粉体において塊となることなく定量切出しを行うことかできるという効果を有する。
ここで、粉体切出機構を、前記切出ローラと所定間隔を保って対向し前記ホッパー側で当該切出ローラの回転に伴って移動される粉体の切出量を調整する切出量調整部と、前記切出ローラと近接対向し切出後に前記切出ローラに付着した粉体を掻き落とす粉体掻き落とし部とを切出ローラを挟んで対向配置することにより、粉体が切出ローラに付着して粉体層が形成されることを防止しながら、切出量調整部で良好な切出しを確保することができる。
また、上記効果を有する粉体切出装置を使用して粉体異物検査装置を構成することにより、粉体の塊化物の発生を防止して正確な異物検査を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る異物検査装置の一実施形態を示すシステム構成図である。
【図2】図1の粉粒体異物検査装置の具体的構成を示す断面図である。
【図3】粉体切出装置を示す断面図である。
【図4】粉体貯留ホッパー及び粉体切出機構を示す斜視図である。
【図5】粉体切出装置を示す正面図である。
【図6】粉体切出装置を示す右側面図である。
【図7】粉体切出装置を示す平面図である。
【図8】粉体貯留ホッパー及び粉体切出機構を示す断面図である。
【図9】粉体切出機構の要部の拡大断面図である。
【図10】切出ローラを、U字状溝を拡大して示す左側面図である。
【図11】切出ローラを示す右側面である。
【図12】切出ローラを示す図であって(a)は正面図、(b)は図10のA−A線状の断面図である。
【図13】粉体貯留ホッパー及び粉体切出機構を示す正面図である。
【図14】図13のB−B線上の断面図である。
【図15】図14のC部拡大図である。
【図16】図14のD部拡大図である。
【図17】粉体貯留ホッパー及び粉体切出機構の縦断面図である。
【図18】粉体切出機構及び粉体篩い機構を示す正面図である。
【図19】粉体篩い機構を示す下方から見た斜視図である。
【図20】粉体篩い機構の要部を示す斜視図である。
【図21】粉体篩い機構の正面図である。
【図22】粉体篩い機構の一部を拡大して示す断面図である。
【図23】図22のE−E線上の断面図である。
【図24】粉体ガイド機構及び振動フィーダを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施形態を示すシステム構成図であって、図中、1は乳糖(ラクトース)粉末、脱脂粉乳、コーンスターチ等の凝集性が強い粉体や医薬品のように凝集性が弱い粉体等の各種粉体に混入する異物を検査するカラー粉粒体異物検査装置である。
このカラー粉体異物検査装置1は、粉体切出装置2、振動フィーダ3、異物検査機構4、良品回収槽5、サイクロン6、不良品回収槽7、ブロア8及び中性フィルタ9を有する。
【0015】
また、カラー粉体異物検査装置1は切出装置設置部10A及び異物検査機構収容部10Bを有する筐体10を有する。
粉体切出装置2は、検査対象となる凝集性が強い粉体、例えば乳糖(ラクトース)粉末、脱脂粉乳、コーンスターチ等の粉粒体を貯留して、貯留した粉体を所定幅の帯状となるように定量切出しする。
この粉体切出装置2は、図2に示すように、筐体10の切出装置設置部10Aに設置されており、乳糖(ラクトース)粉末、脱脂粉乳、コーンスターチ等の凝集性が強い粉体を貯留する粉体貯留ホッパー11と、この粉体貯留ホッパー11から粉体を切り出す切出ローラ12を有する粉体切出機構13と、この粉体切出機構13の切出ローラ12を回転駆動するローラ駆動機構14とを備えている。
【0016】
粉体貯留ホッパー11は、図3〜図8に示すように、上端を開放した比較的大きな矩形筒部11aと、下端の比較的小さな矩形開口11bを形成する矩形筒部11cと、矩形筒部11a及び矩形筒部11c間を連結する矩形角錐筒部11dとで構成されている。矩形筒部11cの外周側には矩形の取付フランジ部11eが突出形成されている。
そして、粉体貯留ホッパー11の矩形筒部11aは開閉自在の開閉蓋11fで閉塞されている。また、矩形角錐筒部11dの一方の短辺板部に粉体貯留ホッパー11内における粉体容量を計測する容量センサ11gが配設されている。さらに、矩形角錐筒部11dの異物検査機構4とは反対側の長辺板部の外側面に振動を発生するエアーバイブレータ11hが装着されている。また、取付フランジ部11eが粉体切出機構13に形成した取付フランジ部13aに取付けられている。
【0017】
この粉体切出機構13は、図3、図8〜図17に示すように、粉体貯留ホッパー11の矩形筒部11cより僅かに大きい矩形角筒部13bを有し、この矩形角筒部13bの上端側外側面に取付フランジ13aが突出形成されているとともに、中央部よりやや下側の外側面にも取付フランジ13cが突出形成されている。
また、矩形角筒部13bの内周面には、図3、図8及び図9で特に明らかなように、上端部側における粉体貯留ホッパー11の矩形開口11bと下方から対向し、短辺側壁部間の中央位置に切出ローラ12が長辺側側壁部と平行に回転自在に配設されている。この切出ローラ12は、テトラフルオロエチレン等の硬質合成樹脂材で例えば直径50mm、長さが矩形角筒部13bの短辺側壁部間の長さより僅かに短い約150mm程度の円筒状に形成されている。
【0018】
この切出ローラ12には、図10〜図12に示すように、外周面に円周方向に等間隔で軸方向に延長し、凝集性が強い粉体を効率良く切出す粗面を形成する多数(例えば26個)の深さが3mm程度と比較的浅いU字状溝12aが形成されている。このU字状溝12aは、図10で拡大して示すように、断面形状が、底部の中央部が接線方向に僅かに延長する平坦面12bとされ、この平坦面12bの円周方向の両端部に湾曲部12c及び12dを介して外周面に行くに従って幅広となるテーパー側壁部12e及び12fと外周端側が例えば60°の角度で開いた比較的浅いU字状に形成されている。
【0019】
また、切出ローラ12には、中心部に中心開口12gが形成されている。この中心開口12gは端面側にC面取りされた断面円形の軸嵌合孔12hと、この軸嵌合孔12hに連通して軸嵌合孔12hの直径よりも短い幅の二面幅孔部12iとで形成されている。
そして、この切出ローラ12の軸嵌合孔12h側から回転軸12kが嵌挿されている。
この回転軸12kは、図14〜図17に示すように、切出ローラ12の軸嵌合孔12hに嵌合する直径を有し、切出ローラ12の端部から比較的長く突出する大径部12mと、この大径部12mに連接し、切出ローラ12の二面幅孔部12iを挿通して切出ローラ12の他端から突出する中径部12nと、この中径部12nの先端に形成された小径雄ねじ部12oとで形成されている。
【0020】
また、矩形角筒部13bの一方の短辺部における回転軸支持部には、図14に示すように、回転軸12kを支持し、内方に連通する短尺の円筒支持部13dが形成されている。また、矩形角筒部13bの他方の短辺部における回転軸支持部には、回転軸12kの大径部12mより大径且つ切出ローラ12の外径より小径で、回転軸12kを支持し、内方に連通する長尺の円筒支持部13eが円筒支持部13dと対向して形成されている。
【0021】
そして、切出ローラ12に挿通された回転軸12kの小径雄ねじ部12oが円筒支持部13dより突出され、回転軸12kの中径部12nが転がり軸受13fを介して円筒支持部13dに回転自在に支持され、回転軸12kの大径部12mが円筒支持部13eの先端に転がり軸受13gを介して回転自在に支持されている。さらに、回転軸12kの雄ねじ部12oに緩み止め機能を有するUナット12pが螺合されている。
【0022】
さらに、回転軸12kの円筒支持部13eから突出し、且つ取付フランジ13cより外側位置に平歯車12qが装着されている。
また、粉体切出機構13は、図3、図8及び図9に示すように、矩形角筒部13bの長辺板部に接して切出ローラ12の軸方向の全長に対して水平方向に所定間隔を保って対向して配設された切出ローラ12の回転に伴って移動される粉体の切出量を調整する切出量調整部13hと、この切出量調整部13hに対して切出ローラ12を挟んで反対側に切出ローラ12と近接対向して配設された切出ローラ12に付着した粉体を掻き落とす粉体掻き落とし部13iとが設けられている。
【0023】
ここで、切出量調整部13hは、図9に示すように、断面形状が、矩形角筒部13bに沿って延長する垂直背面部13jと、この垂直背面部13jの上端から下方に行くに従って徐々に内方に突出して切出ローラ12に対して所定間隔を保つ位置まで延長し、粉体貯留ホッパー11の矩形角錐筒部11dの傾斜角と略等しい傾斜角で傾斜する傾斜案内面13kと、この傾斜案内面13kの下端から下方に僅かに延長する垂直面13mと、この垂直面13mの下端から外方に僅かに延長する水平面13nと、この水平面13nから下方に回転軸12kの大径部12mの略下端位置まで延長する垂直面13oと、この垂直面13oから水平方向に外方に延長して垂直背面部13jに達する水平底面13pとを備えている。そして、図9で時計方向に回転駆動される切出ローラ12によって移動される粉体が切出ローラ12の外周面と垂直面13mとの間の間隙を通じ、水平面13nと垂直面13oとで形成される段部を通じて下方に切り出される。
【0024】
粉体掻き落とし部13iは、図9に示すように、矩形角筒部13bに沿って延長する垂直背面部13qと、この垂直背面部13qの上端に連接して切出量調整部13hの傾斜案内面13kに対して切出ローラ12の中心軸を通る垂直線を挟んで線対称となる傾斜案内面13rと、この傾斜案内面13rの下面から切出ローラ12に近接して下方に延長する垂直面13sと、この垂直面13sの切出量調整部13hの水平底面13pと同様の高さ位置で水平方向に外方に延長して垂直背面部13qに達する水平底面13tとを備えている。そして、垂直面13sと水平底面13tとが連接するエッジ部13uで切出ローラ12に付着する粉体を掻き落とす。
そして、切出量調整部13h及び粉体掻き落とし部13iは、図14に示すように、矩形角筒部13bの側壁に上下方向の位置及び水平方向の位置を調整可能にネジ止めされている。
【0025】
また、切出ローラ12の回転軸12kは、これに装着された平歯車12qがローラ駆動機構14に連結されている。このローラ駆動機構14は、図4、図13及び図14に示すように、筐体10の切出装置設置部10Aに装着され且つ粉体切出機構13の矩形角筒部13bの取付フランジ13cが着脱自在にネジ止め固定される支持基板14a上に固定され、回転速度が2000m-1〜4000m-1の回転速度範囲で高速回転駆動される電動モータ14bと、この電動モータ14bの回転軸14cに装着され且つ回転軸12kに装着された平歯車12qと噛合する平歯車14dとを備えている。支持基板14aには、図22に示すように、粉体切出機構13の矩形角筒部13bの下端側を挿通するとともに、粉体篩い機構15を挿通する挿通孔14eと、この挿通孔14eの周縁部から下方に延長する角筒部14fとが形成されている。
【0026】
粉体篩い機構15は、粉体切出機構13における矩形角筒部13bの支持基板14aから下方に突出する突出部を外側から所定間隔を保って囲む矩形角筒部15aを有する。この矩形角筒部15aの内部には、図22に示すように、粉体切出機構13の切出量調整部13hに対向する位置に傾斜案内面15bを形成して内方に大きく突出する傾斜案内部15cが形成されているとともに、粉体切出機構13の粉体掻き落とし部13iに対向する位置に傾斜案内面15dを形成して内方に小さく突出する傾斜案内部15eが形成され、両傾斜案内部15c及び15e間に矩形の透孔部15fが形成されている。
【0027】
そして、透孔部15fの下面側に透孔部15fに対向する位置に開口部15gを形成し、この開口部15gを覆うように所定メッシュの網15hを配設した篩い部15iが矩形角筒部15aに着脱自在に支持されている。この篩い部15iは、具体的には、図22で拡大図示するように、矩形角筒部15aの長辺部に着脱自在に配設された平面からみてコ字状の支持部15jと、この支持部15jの中央部の外方縁から下方に延長する取付板部15kとを有する第1の支持板15mと、この第1の支持板15mにおけるコ字状の支持部15jの突出部と所定間隔を保って対向する長方形板部15nと、その外方縁から下方に延長する取付板部15oとを有する第2の支持板15pとを備えている。
【0028】
各支持板15m及び15pの取付板部15k及び15oには矩形角筒部15aに螺合したボルト15qを挿通するダルマ穴15rが形成されている。そして、第1の支持板15mのコ字状支持部15jと第2の支持板15pの長方形板部15nとに囲まれる間に開口部15gを形成し、この開口部15gを覆うように網15hが配設されている。ここで、網15hは、平網みでメッシュ10〜40の網が検査対象の粉体の性状に応じて選択される。
【0029】
また、矩形角筒部15aの上下方向の中間部の外側に外方に突出する取付フランジ部15sが固定されている。この取付フランジ部15sが支持基板14aに固定された4個のコ字状支持片15tに弾性体としてのコイルスプリング15uを介して揺動可能に支持されている。
さらに、矩形角筒部15aの取付フランジ部15sより上方側の外側面にエアーバイブレータ15vが配設されている。このエアーバイブレータ15vに加圧空気を供給することにより振動が発生され、この振動が矩形角筒部15aに伝達される。このとき、矩形角筒部15aは、取付フランジ部15sがコイルスプリング15u及びコ字状支持片15tを介して支持基板14aに支持されているので、エアーバイブレータ15vの振動が増幅されて矩形角筒部15aが揺動し、篩い機能を発揮することができる。
【0030】
そして、粉体篩い機構15の下端部に、図3に示すように、粉体ガイド機構16が設けられている。この粉体ガイド機構16は、図24に示すように、矩形角筒部15aの下端を、所定距離を保って覆う矩形角筒部16aと、振動フィーダ3の振動トレー3aに開口する矩形角筒部16aより小さい矩形角筒部16bと、矩形角筒部16a及び16b間を連結する矩形角錐筒部16cとで構成されている。この粉体ガイド機構16によって、粉体篩い機構15の網15hから落下する粉体を振動フィーダ3の振動トレー3a上に案内する。この振動フィーダ3は、振動トレー3aを粉体搬送方向に振動させることにより、粉体切出装置2から切り出された粉体を上下方向に重ならないように平準化して帯状に搬送する。
【0031】
異物検査機構4は、振動フィーダ3から平準化されて搬送される粉粒体が外周面に落下されて粉粒体を搬送する透光性を有する例えば乳白色のアクリル板で形成された回転ドラム21と、この回転ドラム21上の粉粒体に対して軸方向に延長するライン状照明領域22を形成する照明機構23と、この照明機構23で形成されたライン状照明領域22のカラー画像情報をライン状に撮像するカラーライン撮像装置24とを備えている。
【0032】
そして、回転ドラムが所定回転速度(例えば40min-1程度)で図1において反時計方向に回転駆動される。このため、回転ドラム21はその最上部でフィーダ3の振動トレー3aから落下する粉体を受け取り、この粉体を反時計方向に搬送して略90度回転した滑落位置で良品回収ホッパー21uを介して良品回収槽5に回収される。
また、回転ドラム21の粉粒体滑落位置よりライン状照明領域22側における回転ドラム21によって搬送される粉体に対向する位置に軸方向に延長する異物が混入した粉粒体を吸引除去する異物吸引ノズル27が配設されている。この異物吸引ノズル27には、図1に拡大図示するように回転ドラム21の回転方向下流側に空気を噴射するエアーカーテン機構27aが形成されている。
【0033】
照明機構23は、回転ドラム21の外側に配設された外側照明部31と、回転ドラム21の内側に支持された調光照明部32とを有する。
調光照明部32は、光の三原色であるRGBの三色の発光ダイオードで構成された光源色を調光可能な照明光源32Aを有し、前述したライン状照明領域22に対して回転ドラム21内から照明光を照射することにより、検査対象となる粉粒体の色と背景となる透光性円筒部21aの色とを同系色化して、背景を異物として誤認識することを防止する。
【0034】
そして、カラーライン撮像装置24の図示しないライン撮像部で照明機構23によって照明されたライン状照明領域22をライン状に撮像してカラーライン画像情報を後述する制御装置40に出力する。
サイクロン6は、その出力側がブロア8に設けられた粗フィルタ8aに接続され、入力側が異物吸引ノズル27及び回転ドラム21の下側に溜まる未回収粉体を吸引する粉粒体吸引ノズル28が接続された構成を有する。そして、ブロア8の吸引力で、サイクロン6を介して異物吸引ノズル27及び粉粒体吸引ノズル28で回収された異物が混入された粉粒体と未回収粉粒体とを吸引し、サイクロン6で固気分離する。
【0035】
ブロア8の出力側には中性フィルタ9が接続され、この中性フィルタ9で空気に含まれる残留粒子を除去して大気に放出する。
また、良品回収槽5で回収された良品粉粒体は、良品回収槽5の上部側のホッパー部5aに貯留され、このホッパー部5aに所定量の良品粉体が貯留されると、ホッパー部5aの下側に配設された開閉弁5bが開状態に制御されて、下側の加圧室5cに落下され、この加圧室5cで加圧された良品粉体が例えば混合容器50に空気輸送される。
【0036】
制御装置40は、フィーダ3の粉体搬送速度、回転ドラム21の粉粒体搬送速度及び異物吸引ノズル27の異物吸引動作を制御するプログラマブルコントローラ41と、カラーライン撮像装置24で撮像したカラーライン画像情報に基づいて画像処理を行って異物検査を行う画像処理装置42と、異物検査結果等を表示するとともに、異物検査を指示する液晶タッチパネル43と、プログラマブルコントローラ41、画像処理装置42及び液晶タッチパネル43を統括管理する管理用パーソナルコンピュータ44とを備えている。
【0037】
そして、画像処理装置42は、例えばマイクロコンピュータを含んで構成され、予め良品のみの粉体で構成される良品粉体を回転ドラムに供給した状態で、カラーライン撮像装置24で撮像したカラーライン画像情報をRGB、HSI(HSL)、YUV等の3次元色空間に変換し、変換した3次元色空間での分布に応じた判別条件3次元テーブルを生成しておく。そして、実際に異物の混入が予想される粉体を粉体貯留ホッパー11に貯留して、振動フィーダ3を介して回転ドラム21上に載置したときに、カラーライン撮像装置24で撮像する。撮像したカラーライン画像情報を上記と同様の3次元色空間に変換し、そのときの分布と判別条件3次元テーブルの正常時の分布に内包される場合には良品と判定し、判別条件3次元テーブルの正常時の分布に内包されない分布が生じたときに異物が混入していると判定する異物検査処理を実行する。
【0038】
次に、上記実施形態の動作を説明する。
粉体貯留ホッパー11の開閉蓋11fを開けて、検査対象となる乳糖(ラクトース)粉末、脱脂粉乳、コーンスターチ等の凝集性が強い粉体を所定容量投入してから開閉蓋11fを閉じる。
このとき、検査対象となる粉体の性状に応じてローラ駆動機構14の電動モータ14bの回転速度を調整して、切出ローラ12の回転速度を最適回転速度に制御しておくとともに、粉体篩い機構15の網15hのメッシュを最適メッシュに選択して篩い部15iに装着しておく。
【0039】
この粉体貯留ホッパー11に検査対象の粉体を貯留した状態で、粉体貯留ホッパー11に装着したエアーバイブレータ11hに加圧空気を供給して粉体貯留ホッパー11に振動を与えて貯留した粉体が固化することを防止する。
この状態で、粉体の異物検査を開始するには、先ず、粉体切出装置2のローラ駆動機構14における電動モータ14bを2000m-1〜4000m-1の回転速度範囲で検査対象粉体の性状に基づいて選択された回転速度に駆動制御するとともに、粉体篩い機構15のエアーバイブレータ15vに加圧空気を供給して振動を発生させる。
【0040】
このため、電動モータ14bの回転力が平歯車14d及び12qを介して回転軸12kに伝達されて切出ローラ12が図9で時計方向に高速回転駆動される。
この切出ローラ12の上方側には、粉体貯留ホッパー11に貯留されている検査対象となる粉体が切出量調整部13hの傾斜案内面13k及び粉体掻き落とし部13iの傾斜案内面13rによって案内された粉体が例えば120°の角度範囲で接触される。粉体貯留ホッパー11では、前述したようにエアーバイブレータ11hによって振動が与えられて、貯留されている粉体が塊化することが抑制されているので、粉体が形塊となることなく切出ローラ12に接触される。
【0041】
この切出ローラ12の外周面には円周方向に等間隔に多数の比較的浅いU字状溝12aが形成されて粗面とされているので、切出ローラ12が高速回転駆動されることにより、切出ローラ12に接触されている粉体が切出ローラ12の回転に伴って切出ローラ12の外周面と切出量調整部13hの垂直面13mとの間の間隙を通り、水平面13n及び垂直面13oで形成される段部の空間部を通って遠心力によって斜め下方に飛翔される。
このとき、切出ローラ12の外周面がU字状溝12aによって粗面となっているので、凝集性が強い粉体であっても切出ローラ12の外周面での滑りが抑制されて安定した状態で切り出しを行うことができる。
【0042】
切出ローラ12によって斜め下方に飛翔された粉体は、粉体篩い機構15の傾斜案内面15b及び15dで案内されて透孔15fを通じて網15h上に達する。この粉体篩い機構15では、矩形角筒部15aの取付フランジ15sがコイルスプリング15u及びコ字状支持片15tを介して支持基板14aに揺動可能に支持されているので、矩形角筒部15aに装着されたエアーバイブレータ15vに加圧空気を供給して振動を発生させると、矩形角筒部15a自体が振動し、この振動がコイルスプリング15u及びコ字状支持片15tの弾性によって増幅されて矩形角筒部15aが大きく揺動されることになり、網15hで粉体が篩い分けされてメッシュより大きい粉体が網15h上に留まり、メッシュより小さい粉体が下方に落下する。
【0043】
この下方に落下した粉体は、粉体ガイド機構16の矩形角錐筒部16cの内面で案内されて下方の矩形角筒部16bから振動フィーダ3の振動トレー3a上に搬送方向と直交する幅方向に帯状に落下される。
この振動トレー3aは振動駆動されることにより、振動トレー3a上に落下した粉体は上下方向に重ならないように平準化されて異物検査機構4の回転ドラム21の透光性円筒部21a上に落下させることにより、粉体が透光性円筒部21a上を乗った状態で搬送することができる。
【0044】
そして、粉粒体が照明機構23によって照明光が照射されたライン状照明領域22に達すると、カラーライン撮像装置24で粉粒体及背景が混在するカラーライン画像が撮像され、撮像されたカラーライン画像情報が画像処理装置42に入力されることにより、この画像処理装置42で上述した異物検査処理が行われて、カラーライン撮像装置24で撮像したカラーライン画像情報を3次元色空間に変換し、この3次元色空間の分布が予め生成した判別条件3次元テーブルの正常時の分布に包含される場合には良品であると判断し、正常時の分布に包含されない分布が存在する場合に異物が混入しているものと判断する。
【0045】
このとき、調光制御処理で調光照明部32によって背景と粉体とが同系色化されているので、粉粒体とは異なる色の異物が混入されている場合に、異物と他の背景及び粉粒体とを正確に判別することが可能となり、高精度で異物検査を行うことができる。
しかも、透光性円筒部21aの内側から調光照明部32の照明光源32Aで照明するので、カラーライン撮像装置24から見たときの透光性円筒部21aの表面色を正確に調整することができると共に、調光照明部32の照明光源32Aから出射される照明光が粉粒体や異物のカラーライン撮像装置24側の表面を照射することはないので、粉粒体や異物の色を正確に撮像することができる。
【0046】
そして、異物検査処理で、異物が検出されたときには、検出された異物が異物吸引ノズル27に達する直前から異物吸引ノズル27での吸引動作を開始させることにより、異物を確実に吸引することができる。
吸引された異物は、サイクロン6で固気分離されて、不良品回収槽7に回収され、固気分離された空気は、ブロア8を通じて中性フィルタ9で残留粉体を除去して大気に放散される。
【0047】
一方、異物が混入されていない良品粉体は、異物吸引ノズル27で吸引されることがないので、滑落位置に達したときには透光性円筒部21aから滑落して良品回収槽5に回収される。
そして、回収された良品粉粒体は回収ホッパー5a貯留され、その貯留量が所定値に達すると開閉弁5bが開操作されて下部の加圧室5cに落下され、開閉弁5bを閉じた後に加圧室5cを加圧して、混合容器50に空気輸送される。
【0048】
このように、上記実施形態によると、粉体貯留ホッパー11の下端に配設した粉体切出機構13の外周面をU字状溝12aで粗面とされた切出ローラ12が配設されているので、粉体貯留ホッパー11に貯留された粉体が乳糖(ラクトース)粉末、脱脂粉乳、コーンスターチ等の凝集性が強い粉体であっても、塊化することなく安定して切り出すことができる。このとき、切出ローラ12をローラ駆動機構14によって2000-1〜4000m-1の回転速度範囲で高速回転駆動することにより、切出量調整部13hを通過した粉体を遠心力で引き剥がして下方に飛翔させることができ、切出ローラ12に凝集性が強い粉体が付着して厚い層が形成されることを防止することができる。また、U字状溝12aから塊化した粉体が引き剥がされた場合には、その質量が大きいため、遠心力で矩形角筒部13bの内面に衝接して粉砕され、塊状物として落下することを防止することができる。さらに、切出ローラ12に粉体が付着したとしても粉体掻き落とし部13iによって切出ローラ12の外周面に付着した粉体を掻き落とすことができる。
【0049】
そして、粉体切出機構13の下側に粉体篩い機構15が設けられているので、粒径の大きいものは網15hによって篩い分けされて網15h上に留まり、網15hを通過した粉体のみが粉体ガイド機構16を通って振動フィーダ3の振動トレー3a上に搬送方向と直交する幅方向に帯状となって落下するので、塊状物が異物検査機構4に供給されることを確実に防止することができる。
【0050】
また、粉体貯留ホッパー11、粉体切出機構13、粉体篩い機構15及び粉体ガイド機構16は、乳糖(ラクトース)粉末、脱脂粉乳、コーンスターチ等の凝集性が強い粉体を扱う関係で、定期的な清掃を必要とするが、支持基板14aに粉体切出機構13及び粉体篩い機構15が個別にネジ止めされ、粉体切出機構13に粉体貯留ホッパー11がネジ止めされているので、各部を個別に切り離すことができ、清掃を容易に行うことができる。
【0051】
さらに、医薬品原料や食品用粉体で凝集性が弱い粉体を検査対象とする場合には、切出ローラ12を設ける必要がないので、粉体切出機構13から粉体貯留ホッパー11を取り外すとともに、粉体切出機構13自体を支持基板14aから取り外し、これに代えて切出ローラ12を省略し、且つ粉体掻き落とし部13iの内方への突出量を大きくした形状の傾斜案内部を所定距離保って対向配置した粉体切出機構を支持基板14aに装着し、この粉体切出機構に粉体貯留ホッパー11を装着するようにすればよく、検査対象となる粉体の性状に応じて粉体切出機構13を交換するだけで、性状の異なる種々の粉体の異物検査を行うことができる。
【0052】
なお、上記実施形態においては、粉体切出機構13の切出ローラ12の外周面に多数のU字状溝12aが軸方向に延長して形成されている場合について説明したが、これに限定されるものではなく、多数のU字状溝12aを螺旋状に形成するようにしてもよく、さらには、ローレット溝を形成するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、ローラ駆動機構14と切出ローラ12の回転軸12kとの間の動力伝達を平歯車12q,14dを介して行う場合について説明したが、これに限定されるものではなく、ハスバ歯車、傘歯車等の他の歯車機構や、無端チェーン及びスプロケット等の任意の動力伝達機構を適用することができる。
【0053】
また、上記実施形態においては、粉体切出機構13の下側に粉体篩い機構15を設けた場合について説明したが、これに限定されるものではなく、粉体篩い機構15を省略して、粉体切出機構13の下側に直接粉体ガイド機構16を取付けるようにしてもよい。
さらに、上記実施形態においては、粉体貯留ホッパー11及び粉体篩い機構15にエアーバイブレータ11h及び15vを装着した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、機械式のバイブレータや他の任意の構成のバイブレータを適用することができる。
【0054】
また、上記実施形態においては、異物吸引ノズル27をライン状に配置し、異物混入領域の粉粒体をライン状に吸引する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、カラーライン撮像装置24で撮像したカラーライン画像情報から異物混入位置を検出することができるので、この異物混入位置を含む所定範囲で粉粒体を吸引するようにしてもよい。このためには、異物吸引ノズル27を回転ドラム21の軸方向に所定領域毎に分割して配置するか、又は異物吸引ノズル27内に軸方向に複数の吸引領域を形成すればよい。
さらに、異物検査機構4としては上記構成を有する場合に限らず、粉体に混入する異物を検出可能であれば任意の構成の異物検査機構を適用することができる。
【符号の説明】
【0055】
1…カラー粉粒体異物検査装置、2…粉体切出装置、3…振動フィーダ、3a,3b…振動コンベヤ、4…異物検査機構、5…良品回収槽、6…サイクロン、7…不良品回収槽、8…ブロア、9…中性フィルタ、10…筐体、11…粉体貯留ホッパー、11g…粉体容量センサ、11h…エアーバイブレータ、12…切出ローラ、12a…U字状溝、12k…回転軸、12q…平歯車、13…粉体切出機構、13h…切出量調整部、13i…粉体掻き落とし部、14…ローラ駆動機構、14a…支持基板、14b…電動モータ、14c…回転軸、14d…平歯車、15…粉体篩い機構、15a…矩形角筒部、15h…網、15i…篩い部、15s…取付フランジ部、15t…コ字状支持片、15u…スプリングコイル、15v…エアーバイブレータ、16…粉体ガイド機構、21…回転ドラム、23…照明機構、24…カラーライン撮像装置、27…異物吸引ノズル、31…外側照明部、31A…第1の照明部、31B…第2の照明部、32…調光照明部、32A…照明光源、40…制御装置、41…プログラマブルコントローラ、42…画像処理装置、43…液晶タッチパネル、44…管理用PC、50…混合容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体を貯留し、粉体を帯状に切り出す切出用開口を有するホッパーと、
該ホッパーの切出用開口に連接して配設された当該切出用開口の長手方向に対向して回転自在に配設された外周面を粉体を切出し可能な粗面とした切出ローラを有する粉体切出機構と、
前記切出ローラを一定方向に回転駆動するローラ駆動機構と
を備えていることを特徴とする粉体切出装置。
【請求項2】
前記粉体切出機構は、
前記切出ローラと所定間隔を保って対向し前記ホッパー側で当該切出ローラの回転に伴って移動される粉体の切出量を調整する切出量調整部と、
前記切出ローラと近接対向し切出後に前記切出ローラに付着した粉体を掻き落とす粉体掻き落とし部とを有し、
前記切出量調整部及び前記粉体掻き落とし部が前記切出ローラを挟んで対向配置されている
ことを特徴とする粉体切出装置。
【請求項3】
前記ホッパーは、振動を発生するバイブレータが側面に配設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の粉体切出装置
【請求項4】
前記バイブレータは、前記粉体切出機構の切出量調整部側の側面に配設されていることを特徴とする請求項3に記載の粉体切出装置。
【請求項5】
前記ホッパーは、内部に貯留する粉体の容量を検出する粉体容量センサが配設されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の粉体切出装置。
【請求項6】
前記粗面は、前記切出ローラの外周面に円周方向に等間隔で軸方向に延長して形成された粉体を切出し可能なU字状溝によって形成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の粉体切出装置。
【請求項7】
前記粗面は、前記切出ローラの外周面に円周方向に等間隔で軸方向に螺旋状に延長して形成された粉体を切出し可能なU字状溝によって形成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の粉体切出装置。
【請求項8】
前記粗面は、前記切出ローラの外周面に形成された粉体を切出し可能なローレット溝によって形成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の粉体切出装置。
【請求項9】
前記ローラ駆動機構は、前記切出ローラを2000min-1〜4000min-1の回転速度範囲で高速回転駆動することを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の粉体切出装置。
【請求項10】
前記粉体切出機構の下方側にバイブレータの振動が伝達される篩い機構が配設されていることを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の粉体切出装置。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れか1項に記載の粉体切出装置と、該粉体切出装置から切出された粉体が搬送しながら平準化する粉体搬送機構を介して供給される粉体に混入された異物を検査する異物検査機構とを備えたことを特徴とする粉体異物検査装置。
【請求項12】
前記異物検査機構は、
前記粉粒体搬送機構から落下する粉粒体を外周面で受けて滑落位置まで搬送する回転ドラムと、
前記回転ドラムの粉粒体落下位置から前記滑落位置までの間で、少なくとも当該回転ドラムを軸方向に延びる所定の照明領域で照明する照明機構と、
前記照明機構で照明された粉体を撮像するライン撮像装置と、
前記ライン撮像装置で撮像した粉体画像情報に基づいて異物の混入を検出する異物混入検出装置と
を備えていることを特徴とする請求項11に記載の粉体異物検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2012−6710(P2012−6710A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−144087(P2010−144087)
【出願日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(000005234)富士電機株式会社 (3,146)
【Fターム(参考)】