説明

粉体収納装置及び画像形成装置

【課題】簡単な低コストの構成で、トナー残量が少なくなっても一定のトナー供給量を確保することができるようにする。
【解決手段】トナーを装置本体に対して供給するトナー供給口22と、トナー供給口22に連通し、トナーを収納する隔壁21aによって渦巻き状に仕切られた空間21bを有し、装置本体に回転駆動するように保持されるトナー収容部21を備えた渦巻きトナーボトル20−1を特徴とし、この場合、廃トナーを本体装置より収容する廃トナー収容口24に連通し、廃トナーを収容する空間を有する廃トナー収容部23をトナー収容部21に対して同心の外周部に、あるいは、同心で並列に重ねて配置し、一体として取り扱えるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体収納装置及び画像形成装置に係り、特に、電子写真方式の作像プロセスにより画像を形成する際に使用されるトナーを収納する粉体収納装置及びこの粉体収納装置を備えた複写機、ファックス、プリンタ、デジタル複合機等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から電子写真方式を利用した複写機、プリンタ、複合機などの画像形成装置は広く知られている。電子写真方式ではレーザ光で感光体に静電潜像を形成し、その潜像に沿って帯電させたトナーを付着させ、そのトナー像を中間転写体に一旦転写した後、PPC用紙などの記録媒体上に転写し、加熱及び加圧などによりシート状記録媒体上に定着させる。このような画像形成装置では、トナーが現像により消費されるので、トナー補給装置により消費分が補給されるようになっている。トナー補給装置にはトナーを収納した所謂トナー容器が着脱自在に設けられ、トナー容器が空になると、予め用意されているトナー充填済みの新しいトナー容器と交換される。
【0003】
このトナー容器は例えば、特許文献1(特開平10−063084号公報)に記載されているように螺旋形状のトナー容器、あるいは特許文献2(特開2001‐324863号公報)に記載されているような袋状のトナー容器が知られている。
【0004】
このうち、特許文献1には、円筒形状の本体部と、この本体部の一端側について密閉された底部と、前記本体部の他端側について細く絞られたトナー吐出用の口部とを有し、前記本体部から前記口部にかけての内壁には前記底部側の前記本体部から前記口部に向けて連続して形成されたトナー搬送用の螺旋溝が設けられていて、回転とともに前記螺旋溝により前記本体部のトナーを、前記口部を経て外部、つまり、現像装置へ向けて送り出すようにした構成が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、トナー容器が袋状の変形可能部材からなり、粉体ポンプを用いてトナー容器から現像装置へトナーを供給する構成が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示されたトナー容器では、トナー残量がある程度以上確保されていれば、螺旋溝によって搬送されることから図14に示すようにトナー容器101の回転量に対するトナー供給量がほぼ一定となる。しかし、トナー容器101内のトナー102の残量が少なくなった場合は、図15に示すように補給口103付近のトナーが少なくなり、結果としてトナー供給量も少なくなり、トナー補給量が変動することになる。
【0007】
また、特許文献1の発明ではトナー容器を円筒形状にして横に設置しなければならないという制約があるため、メンテナンスのためにプリンタの周囲にスペースをとって設置しなければならないなどの制約も生じていた。例えば、図16に一般的な円筒トナーボトル101の設置構成を示すが、交換可能な現像・感光体ユニット104と平行になるようにトナーボトル101を配置しており、装置本体105の上面106からトナーボトル101の着脱及び交換を行い、左側面若しくは右側面107から現像・感光体ユニット104の交換を行うものが良く知られている。このような構成では前面108及び右側面107にはメンテナンスのためのスペースを空けておかねばならない。その際、装置前面からトナー交換、及び現像・感光体ユニットなどのメンテナンスを行い、右側面からJAM処理をすることも可能ではあるが、やはり、前面と右側面にはメンテナンスのスペースを空けておかねばならず、その分設置スペースが大きくなってしまう。
【0008】
プリンタに関するユーザの利便性という観点では、装置前面や側面などの横方向からメンテナンスすることは設置スペース増大となるため好ましくない。例えば、同じ2方向からのメンテナンスであっても、上面と前面からのみのメンテナンスのほうが、左側面に他のオフィス機器などを配置することができるため好ましい。しかし、円筒形状のトナー容器101を使用した場合に上面と前面からのメンテナンスを実現しようとすると、現像ユニットなどのメンテナンスのためには上面のトナー容器を一旦外してから、メンテナンスする必要があり、メンテナンス作業がしにくくなってしまう。
【0009】
また、特許文献2に開示されたトナー供給手段は、粉体ポンプを使用してトナーを供給するので、トナー補給量が変動することはないが、粉体ポンプを設ける必要があることから、その分構成が複雑となり、コストも高くなる。
【0010】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、簡単な低コストの構成で、トナー残量が少なくなっても一定のトナー供給量を確保することができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するため、第1の手段は、内部に渦巻き状に仕切られた空間を有し、装置本体に回転可能に支持され、前記空間に画像形成に用いる粉体を収納する第1の収納部と、前記第1の収納部から前記粉体を外部に供給する供給口と、を備えた粉体収納装置を特徴とする。
【0012】
この場合、廃棄されるべき粉体を本体装置より収容する収容口に連通し、前記廃棄されるべき粉体を収容する空間を有する第2の収納部をさらに設けることもできる。前記第2の収納部は前記第1の収納部に対して同心かつ並列に設けられ、並列には重ねて配置することも含む。また、前記第2の収納部は渦巻き状に仕切られた空間を含む。前記第2の収納部の渦巻きの向きは前記第1の収納部の渦巻きの向きと逆方向とする。その際、前記第1及び第2の渦巻きの中心を一致させる。また、前記収容口は前記第2の収容部の空間を形成する部材の中央部に形成する。さらに、前記第2の収納部を前記第1の収納部の外周部に配置することもできる。
【0013】
第2の手段は、第1の手段に係る粉体収納装置と、前記粉体収納装置が取り付け取り外し可能に装着される作像プロセスユニットと、を備えた画像形成装置を特徴とする。
【0014】
この場合、前記粉体収納装置が前記作像プロセスユニット手段の取り付け部に対して軸方向の一端側で取り外し可能であり、当該取り外した位置から装置本体外への前記粉体収納装置の取り出し軌跡上は空間部として設定し、前記軌跡上には装置本体の部品若しくは部材を配置しないようにする。
【0015】
なお、後述の実施形態では、画像形成装置に用いる粉体はトナー29に、装置本体は符号105に、排出口はトナー供給口22に、渦巻き状に仕切られた空間は符号21b,23bに、第1の収納部はトナー収容部21に、粉体収納装置は渦巻きトナーボトル20−1,2,3,4に、収容口は廃トナー収容口24に、第2の収納部は廃トナー収容部23に、作像プロセスユニットは符号11に、作像プロセスユニット手段の取り付け部はトナー搬送経路26及び/又は廃トナー搬送経路25に、それぞれ対応する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、簡単な低コストの構成で、トナー残量が少なくなっても一定のトナー供給量を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係る実施例1の画像形成装置の概略構成を示す図である。
【図2】実施例1におけるトナーボトルの全体構成を示す斜視図である。
【図3】渦巻き状トナーボトルの回転方向とトナーの移動状態を示す説明図である。
【図4】渦巻き状トナーボトルの中央にトナーが集まった状態を示す説明図である。
【図5】渦巻きトナーボトルの取り付け位置及び取り付け方法の概略を示す図である。
【図6】渦巻きトナーボトルの取り付け及び駆動構造を説明するための正面図である。
【図7】図6の右側面図である。
【図8】渦巻きトナーボトル取り付け構造を示す分解斜視図である。
【図9】実施例に係る渦巻きトナーボトルの全体構成を示す斜視図である。
【図10】渦巻きトナーボトルの内部構造を示す図である。
【図11】実施例3に係る渦巻きトナーボトルの全体構成を示す斜視図である。
【図12】実施例3に係る渦巻きトナーボトルの内部構造を示す図である。
【図13】実施例4に係る渦巻きトナーボトルの全体構成を示す斜視図である。
【図14】トナー容器内に収納されているトナーが多い状態のトナー容器とトナーとの関係を示す図である。
【図15】トナー容器内に収納されているトナーが少ない状態のトナー容器とトナーとの関係を示す図である。
【図16】プリンタにおける一般的な円筒トナーボトルの設置構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、トナーボトルのトナー収容部を渦巻き状の空間によって形成し、トナーボトルを回転させてトナーをトナー収容部の渦巻きの中心のトナー排出口から装置本体側に供給できるようにしたことが特徴である。
【0019】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0020】
図1は、本実施形態に係る実施例1の画像形成装置の概略構成を示す図である。この画像形成装置は、モノクロのカラープリンタである。同図において、プリンタPRは、感光体1と、この感光体1の外周に沿って配置され、感光体1とともに1つのユニットを構成する帯電装置2と現像装置4を含む作像プロセスユニット11、露光装置3、転写装置5、クリーニング装置6、給紙装置7、定着装置9、並びに電装ユニット10とを備えている。作像プロセスユニット11は一体で装置本体105に対して取り付け取り外し可能である。
【0021】
帯電装置2は感光体1表面に電荷を与え、露光装置3は帯電した各感光体1の表面に各色の画像データに基づいて露光し、潜像を形成する。現像装置4は感光体1表面に形成された潜像をトナー現像してトナー像を形成し、感光体1表面上のトナー像は転写装置5によって給紙部7から供給される用紙に転写される。クリーニング装置6はトナー像転写後の感光体1表面をクリーニングする。定着装置9は転写装置5の下流側に設置されている。
【0022】
給紙装置7の給紙トレイには用紙が収納され、印刷要求に合わせて、給紙搬送手段によりレジストローラ8まで搬送される。ここでトナー像の転写のタイミングに合わせて、用紙はレジストローラ8から転写装置5まで搬送される。前述の転写装置5で用紙上にトナー像が転写された後、当該用紙は定着装置9まで搬送され、熱と圧力によってトナー像が定着される。
【0023】
帯電装置2、現像装置4、転写装置5は電装ユニット10に接続され、所定のバイアスが印加される。電装ユニット10内部には交流電源(定電圧)、第1の直流電源(定電圧)、第2の直流電源(定電流)を備え、各電源は、現像装置4には定電圧制御でDC電圧を、帯電装置2には定電圧制御でAC電圧を、転写装置5には定電流制御でDC電圧を印加することができる。
【0024】
ここで本画像形成装置の構成をより詳細に説明する。
感光体1は、例えば直径30〜90mm程度のアルミニウム円筒基体上に感光層を形成した所謂有機感光体である。さらにその感光層の上にポリカーボネート系の樹脂で保護層を形成したものであり、また、感光層と保護層との間に中間層を設けても良い。本実施例では直径30mmの感光体を用いた。
【0025】
帯電装置2は、帯電部材として導電性芯金の外側に中抵抗の弾性層を被覆して構成される帯電ローラを備える。帯電ローラは、電装ユニット10に接続されており、所定の電圧が印加される。帯電ローラは、感光体1に対して微小な間隙をもって配設される。この微小な間隙は、帯電ローラと感光体1との最近接部における距離が5 〜100 [μm]に維持できるよう構成している。この微小な間隙は、例えば、帯電ローラの両端部の非画像形成領域に一定の厚みを有するスペーサ部材を巻き付けるなどして、スペーサ部材の表面を感光体1表面に当接させることにより設定することができる。この間隙のより好ましい範囲は、30〜65 [μm]である。
【0026】
また、帯電ローラには、帯電ローラ表面に接触してクリーニングする帯電クリーニング部材が設けられている。帯電ローラには帯電用の電源を接続している。これにより、感光体1表面と帯電ローラ表面との間の微小な空隙での近接放電により、感光体1表面を均一に帯電する。印加電圧は、本実施形態では直流成分であるDC電圧に交流成分であるAC電圧を重畳した交番電圧を用いている。帯電ローラに印加する印加電圧としてDC 電圧にAC 電圧を重畳させた交番電圧を印加すると、微小ギャップ変動による帯電電位のばらつきなどの影響が抑制されて均一な帯電が可能となる。本実施形態では、DC電圧が−700V、ACはピークツウピーク電圧が2kV、周波数が2kHzの矩形波のバイアスを印加した。
【0027】
帯電ローラは円柱状を呈する導電性支持体としての芯金と、芯金の外周面上に形成された抵抗調整層を有する。帯電ローラの表面は硬質であることが望ましい。ローラ部材としてはゴム部材も使用できるが、ゴム部材もように変形しやすい部材であると感光体1との微小ギャップの均一な維持が困難となり、作像条件によっては帯電ローラの中央部のみが感光体1表面に突発的に接触する可能性がある。帯電ローラが感光体1表面に局所的/突発的に接触することによって生じる、トナーの乱れに対応することは困難であるため、非接触帯電方式を使用する場合にはたわみが少ない硬質の部材が望ましい。
表面が硬質な帯電ローラの具体例としては、例えば、抵抗調整層を高分子型イオン導電剤が分散する熱可塑性樹脂組成物(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン及びその共重合体等)により形成し、抵抗調整層の表面を硬化剤により硬化皮膜処理されたものが挙げられる。また硬化皮膜処理は、例えば、イソシアネート含有化合物を含む処理溶液に抵抗調整層を浸漬させることにより行われるが、抵抗調整層の表面に改めて硬化処理皮膜層を形成することにより行われても良い。本実施例では、帯電ローラをφ10mm(直径10mm)で形成した。
現像装置4は、内部にトナーと磁性キャリアからなる現像剤を内包し、感光体1と対向する位置に内部に磁界発生手段を備える現像スリーブが配置されている。図2に示すように本体左側面に配置された、渦巻き状トナーボトル20−1から投入されるトナーを現像剤と混合し、攪拌しながら現像スリーブとの対向位置まで搬送するためのスクリュー等が備えられている。現像スリーブ内部の磁界によって汲み上げられた現像剤は、現像剤規制部材であるドクターブレード等によって所定の現像剤層の厚みに規制され、現像スリーブに担持される。現像スリーブは、感光体1との対向位置において同方向に移動しながら、現像剤を担持搬送し、トナーを感光体1の潜像面に供給することで現像が行われる。その後、現像後の現像剤は搬送され、現像スリーブ内部の磁界により現像スリーブより離間し、現像スクリューへと落下し、トナー補給位置まで搬送される、というサイクルが繰り返される。ここで本実施例では、現像スリーブの外径は直径18 [mm]、ドクターと現像スリーブ間のギャップは0.60[mm]とした。
【0028】
転写装置5は中心軸が金属で外周がスポンジに覆われたローラ形状の部材である。また中心軸に定電流電源に接続されており、感光体と転写ローラ間で電界を形成することができ、形成した電界によって感光体1上のトナー像を転写紙へ転写する。
【0029】
クリーニング装置6は転写装置5によって転写されずに感光体1上に残ったトナーを回収し、現像装置4へ戻してリサイクルする。本実施形態では弾性ブレードを感光体1の表面に当接させるブレードクリーニング方式を使用している。ブレードによって感光体1から?き取られたトナーは、図示しないコイル状の搬送装置によって搬送され現像装置4に戻される。
【0030】
定着装置9は、定着部材である定着ローラと、この定着ローラに圧接する加圧部材である加圧ローラと、定着ローラの内部に配設された加熱源(電気ヒータ又はハロゲンランプ等)を有している。 モータや駆動伝達機構等の駆動手段(図示せず)により、一対の回転体である定着ローラと加圧ローラを回転駆動することにより、定着ローラと加圧ローラの圧接部(定着ニップ部)で未定着トナー像を担持した転写材を挟持搬送し、定着ニップ部で用紙上の未定着トナー像を加熱溶融することにより、用紙の表面にトナー像を定着させる。 また、定着ローラの外周には、図示しないサーミスタが配置され温度を検知している。
【0031】
加圧ローラは、鉄やアルミニウム等の芯金の外周に弾性層を形成した構成であり、弾性層は、例えば、発泡シリコーンゴムや液状シリコーンゴム等の耐熱弾性体で形成されており、必要に応じてその外周にフッ素樹脂の表面層が形成される。 本実施例では、加圧ローラは芯金表面に弾性層として厚さが0.5mmのシリコーンゴム層を有し、その外周に厚さが0.03mmのフッ素樹脂層を有しており、フッ素樹脂としては例えばPFA(四フッ化パーフルオロアルキルビニルエーテル樹脂)を用いている。 定着ローラは、鉄やアルミニウム等の芯金(基体)の外周にシリコーンゴムやフッ素樹脂からなる複合表面を有する。定着ローラの複合表面は厚さ10μm以下が好ましく、必要に応じてその内周側(芯金(基体)と複合表面との間)にゴム層が設けられる。
【0032】
図2は、実施例1におけるトナーボトル20−1の全体構成を示す斜視図である。同図において、トナーボトル20−1は、トナー収容部21と廃トナー収容部23の2つの仕切られた空間から構成されており、トナー収容部21の内部には、同一平面内での渦巻き状に形成された隔壁21aによって仕切られた空間(渦巻き空間)21bとなっており、その中央部の円筒部22aの内面には、トナー供給口22が開口している。廃トナー収容部23はトナー収容部21の外周部にトナーボトル20−1の外枠となるように設けられ、トナーボトル20−1が回転しても廃トナー収容部23は固定され、回転はしないようになっている。以下、本実施形態に係るトナーボトル20−1を渦巻きトナーボトル20−1と称する。
【0033】
廃トナー収容部23には、装置本体105から廃トナーを収容するための廃トナー収容口24が開口し、装置本体105に装着すると装置本体105に設けられている廃トナー搬送経路25とつながる。廃トナー搬送経路25内の図示しないトナー搬送部材により廃トナーが搬送され、廃トナー収容口24まで搬送されることによって、廃トナーが廃トナー収容部23に収容される。使用されるトナーの搬送は、トナーボトル20−1の回転により行われる。すなわち、トナーボトル20−1を回転させると、トナーが渦巻き状の隔壁21aに沿って中央部に集まり、トナー供給口22からトナー搬送経路26に供給され、後述のトナー搬送オーガ31bによって現像装置4側に搬送される。
【0034】
図3は渦巻き状トナーボトル20−1のトナー収容部21の回転方向とトナー2の移動状態を示す説明図である。同図に示すように、渦巻き状トナーボトル20−1のトナー収容部21が図示時計回り方向(矢印CW方向)に回転すると、トナー29は図示反時計回り方向(矢印CCW)に移動し、トナー供給口22側に集まってくる。例えば図3に示すような渦巻き形状の場合、トナー収容部21を図示時計回り方向(矢印CW方向)に回転させると、トナー29が中央のトナー供給口22の回りに集まっていくため、最終的にトナー残量が少量になったときには図4に示すように中央にトナー29が集まった状態になる。このようにして、渦巻き状のトナー収容部21におけるトナー残量の過多にかかわらず、トナー供給口22の開口部近傍に一定量のトナー29が集まっている状態となる。これにより、供給口22から供給されるトナー供給量が安定する。
【0035】
図5は渦巻きトナーボトル20−1の取り付け位置及び取り付け方法の概略を示す図である。同図において、渦巻きトナーボトル20−1は装置本体105の左側板の内側に渦巻きトナーボトル20−1のトナー供給口22を回転中心として取り付けられる。そして、この例では、左側板109が装置本体105に対して側方にスライド可能に開閉され、トナーボトル交換時には、左側板109を開放して装置本体105の上方から取り出し、取り付けることができる。なお、左側板109は、後述の図6及び図7から分かるように第1及び第2の左側板109a,109bの2枚構造となっている。
【0036】
図6ないし図8は渦巻きトナーボトル20−1のトナー収容部21の取り付け及び駆動構造を説明するためのもので、図6は正面図、図7は図6の右側面図、図8は取り付け構造を示す分解斜視図である。なお、この例は、回転駆動機構を概念的に示すものであるため、図2における廃トナー収容部23は省略しているが、廃トナー収容部23は例えば図6においてトナー収容部21の外周であって、補給駆動装置36と干渉しない位置に配置されている。
【0037】
これらの図において、左側板109は第1及び第2の左側板109a,109bからなり、両者間に第1オーガ駆動ギア31と第2オーガ駆動ギア32が回転可能に配置されている。第1オーガ駆動ギア31の図において右側面には突起31aとトナー搬送オーガ31bが突設され、トナー搬送オーガ31bの第1オーガ駆動ギア31側の端部は突起31aに取り付けられている。
【0038】
一方、第2の左側板109bには中央部に円筒状突起35がトナー収容部21側に突設され、この円筒状突起35の円筒内に第1の左側板109a側の側面から前記突起31aとトナー搬送オーガ31bが挿入されている。また、第1の左側板109aには第1オーガ駆動ギア31の回転中心を支持する支持部33が設けられ、第1オーガ駆動ギア31は第1及び第2の左側板109a,109b間で回転可能となっている。
【0039】
第2の左側板109bの下部には切り欠き109b1が形成され、この切り欠き109b1部分に補給駆動装置36が配置されている。補給駆動装置36は図示しない駆動源としてのモータとこのモータによって駆動力伝達機構を介して駆動される駆動ギア36aを備え、この駆動ギア36aに第2オーガ駆動ギア32が噛合し、第1オーガ駆動ギア31はこの第2オーガ駆動ギア32に噛合し、前記モータからの駆動力を得て回転する。なお、第2オーガ駆動ギア32は第1及び第2の左側板109a,109b間に設置された軸32aに回転可能に支持されている。また、トナー収容部21には外周部にギア21gが切られており、第2の左側板109bの円筒状突起35の外周にトナー収容部21の円筒部22aが外挿された状態で、前記駆動ギア36aと噛合する。
【0040】
円筒状突起35の上部には、トナー収容部21のトナー供給口22と所定の回転位置に位置したときに連通するトナー搬送経路開口部27が設けられている。これにより、両者の開口が一致したときに、トナー収容部21から円筒状突起35側にトナーが移行する。前記円筒部22aには、図6及び図8の左側からトナー搬送経路26の一端側が挿入され、円筒状突起35内とトナー搬送経路26内が連通している。トナー搬送オーガ31bは円筒状突起35及びトナー搬送経路26から現像装置側まで延び、渦巻きトナーボトル20−1のトナー収容部21から供給されるトナーを現像装置側に供給することができる。
【0041】
このように構成された渦巻きトナーボトルの駆動機構では、補給駆動装置36のモータが回転すると、第2オーガ駆動ギア32とトナー収容部21が回転し、トナー収容部21の回転によってトナー供給孔22から円筒状突起35内に移行したトナーが回転するトナー搬送オーガ31bによって搬送されることになる。また、廃トナーは図2に示す廃トナー収容口24から渦巻きトナーボトル20−1に回収される。
【実施例2】
【0042】
この実施例2は実施例1における渦巻きトナーボトル20−1の変形例であり、実施例1と異なる点のみ説明する。
【0043】
図9は実施例2に係る渦巻きトナーボトル20−2の全体構成を示す斜視図、図10は渦巻きトナーボトル20−2の内部構造を示す図である。これらの図において、渦巻きトナーボトル20−2は軸方向に2つの空間が設けられ、1つは渦巻き状に仕切られた空間(渦巻き空間)21bでトナーが充填されるトナー収容部21(図10(a))、2つめの空間は廃トナーを収容する廃トナー収容部23であり内部は空洞となっている(図10(b))。2つの空間は互いに重なった状態で1つのトナーボトル20−2を構成している。トナー供給口22は、渦巻きの中央部の円筒部22aに配置され、トナーボトル20−2が回転することによって中央部に集まり、トナー搬送経路開口部27を通過し、トナー搬送経路26より本体側の現像装置4に供給される。廃トナー収容口24は、廃トナー搬送経路25の渦巻きの中央部の延長上に配置されている。
【0044】
装置本体105側にはトナー搬送経路26と廃トナー搬送経路25が設けられている。この実施例では、図9から分かるように1つの円筒部材を2分割し、上部側をトナー搬送経路26、下部側を廃トナー搬送経路25として、それぞれ使用する。上側のトナー搬送経路26には上部にトナー搬送経路開口部27が設けられ、下側の廃トナー搬送経路25の端部は廃トナー収容部23側の端部で開口している。これにより、渦巻きトナーボトル20−2が回転した場合、トナー収容部21からトナー搬送経路開口部27にトナーが移行して本体の現像装置4側に搬送される。一方、廃トナー側では、トナーボトル20−2が回転しても廃トナー搬送経路25に設けられた廃トナー収容口24の位置は変わらないので図9(b)に示すように現像装置4側から搬送されてきた廃トナー37が収容される。なお、この実施例では、トナー搬送経路26及び廃トナー搬送経路25は回転しないので、図示しないトナー搬送オーガが現像装置4側からトナーボトル20−2側に延び、トナー搬送経路26内のトナー及び廃トナー搬送経路25内の廃トナーを搬送する。
【0045】
この構成では、渦巻きトナーボトル20−2、本体装置109、廃トナーの搬送経路24,25を複雑にすることなく、トナーの供給及び廃トナーの収容を行うことができる。
【0046】
その他の各部は、実施例1と同様に構成され、同様に機能するので、重複する説明は省略する。
【実施例3】
【0047】
この実施例3は、実施例2における渦巻きトナーボトル20−2の変形例であり、実施例1及び2と異なる点のみ説明する。
【0048】
図11は実施例3に係る渦巻きトナーボトル20−3の全体構成を示す斜視図、図12は渦巻きトナーボトル20−2の内部構造を示す図である。これらの図において、渦巻きトナーボトル20−3は軸方向に2つの空間が設けられ、両者とも渦巻き状に仕切られた空間(渦巻き空間)21b,23bを備え、一方はトナーが充填されるトナー収容部21(図12(a))、他方は廃トナーを収容する廃トナー収容部23である(図10(b))。ただし、両者の渦巻きの巻き方向が逆となっている。すなわち、実施例3のトナーボトル20−3は、渦巻き状隔壁21a,23aで仕切られた空間21b,23bが2つ重なった構成となっているが、渦巻きの巻き方が互いに逆になるように重ねられている。
【0049】
装置本体側105には、トナー搬送経路26と、廃トナー搬送経路26が設けられている。この実施例では、図11から分かるように1つの円筒部材を2分割し、上部側をトナー搬送経路26として、下部側を廃トナー搬送経路25として、それぞれ使用する。上側のトナー搬送経路26には上部にトナー搬送経路開口部27が設けられ、下側の廃トナー搬送経路25の端部は下部に廃トナー搬送経路開口部28が設けられ、当該開口部28は廃トナー収容部23で開口している。
【0050】
この実施例3では、トナーボトル20−3を装置本体105に装着することにより、トナー搬送経路26にあるトナー搬送経路開口部27と廃トナー搬送経路26にある廃トナー搬送経路開口部28はトナーボトル20内のトナー供給口22及び廃トナー収容口24のそれぞれ回転軌跡上に位置し、トナーボトル20内のトナー供給口22とトナー搬送経路開口部27が回転時に合致したとき、また、廃トナー搬送経路開口部28と廃トナー収容口24が回転時に合致しとき、両者間が連通する。
【0051】
そこで、トナーボトル20−3が回転すると、供給するトナーは、トナー収容部21の中央部に集まってトナー供給口22からトナー搬送経路開口部27を経てトナー搬送経路25内に供給される。廃トナー搬送経路25を経て装置本体105側から搬送されてくる廃トナーは、廃トナー搬送経路25から開口部28を経て、廃トナー収容口24から収容される。廃トナー収容部23内の廃トナーは、トナーボトル20の回転に伴い、外側に移動するため、廃トナーは、渦巻き状の隔壁21aで仕切られた空間21bを無駄にすることなく、収容することが可能となる。
【0052】
その他の各部は、実施例1及び2と同様に構成され、同様に機能するので、重複する説明は省略する。
【実施例4】
【0053】
この実施例5は、実施例3における渦巻きトナーボトル20−3の変形例であり、実施例1ないし3と異なる点のみ説明する。
【0054】
図13は実施例4に係る渦巻きトナーボトル20−4の全体構成を示す斜視図である。この実施例4では、渦巻きトナーボトル20−4を実施例3に示した廃トナー収容部23をトナー収容部構造のトナー収容部21に置換したものである。
【0055】
このように構成すると、本体装置に対し、逆向きからでもトナーボトル20−4を装着することができる。トナーが空となった場合には、トナーボトル20−4を逆向きに装着することによって、廃トナー収容口24は、装置本体側に設けられているトナー搬送経路開口部27と合致し、廃トナーを装置本体105の現像装置4へと供給することができる。同様に、トナー供給口22は、廃トナー搬送経路開口部28と合致し、廃トナーを収容することが可能となる。
【0056】
モノクロ機などのように一色を使用する場合には、使用トナーと廃トナーの色が同じであるため、廃トナーの有効利用が可能である。一般的に、廃トナーは、通常のトナーよりも劣化しているため、画質などへの影響が現れる場合があるが、画質の影響を考慮しても従来廃棄していたトナーを利用することが可能となることから、環境保護の観点から有効である。
【0057】
なお、本実施形態では、モノクロのプリンタを例示しているが、カラープリンタにおいても適用することが可能である。その場合には、各色の作像プロセスユニット毎に前記渦巻きトナーボトル20−1,2,3,4と同等のものが設置され、同等の駆動によって駆動される。
【0058】
以上のように、本実施形態によれば、
1)渦巻き状の隔壁21aによって区切られた空間21bを利用してトナー供給を行うので、簡単な構成でトナー残量が少なくても一定のトナー供給量を確保することができる。
【0059】
2)渦巻き状の隔壁21aによって区切られた空間21bの中央部にトナー29を集めることができれば良いので、渦巻きトナーボトル20−1,2,3,4の形状を扁平な円盤状とすることができる。これにより渦巻きトナーボトル20−1,2,3,4と現像・感光体ユニットが互いに干渉しない状態で上方へ取り出す構成とすることが簡単に実現できる。
3)渦巻きトナーボトル20−1,2,3,4を現像・感光体ユニット配設側と逆側の端部に装着することにより、装置本体の前面からJAM処理、上面から現像・感光体ユニット、あるいは作像ユニットのメンテナンスとトナーボトル交換をすることが可能となり、側面及び後方にメンテナンススペースをとる必要がなくなる。これにより、設置スペースを小さくできる。さらに現像・感光体ユニットあるいは作像ユニットのメンテナンスの際に渦巻きトナーボトルを外す必要もなくなるので、メンテナンス性を損なうこともない。
【0060】
4)渦巻きトナーボトル20−1,2,3,4に廃トナー収容部が設けられ、供給トナーと廃トナーを収容することが可能なので、トナーボトル交換時に廃トナー収容部も交換することができる。
【0061】
5)廃トナーの収容口24が回転の中心部に配置されるので、トナーボトルが回転した場合においても廃トナー収容口24の位置に変化がなく、簡単な構成で廃トナーを収容することが可能となる。
【0062】
6)トナー収容部21と廃トナー収容部23を互いに逆向きの渦巻き形状とした場合、同一方向の回転で、トナー29はボトル中心向かって、廃トナーは、ボトル中心から外側に向かって搬送されるので、スペースを無駄にすることなく廃トナー37を収容することができる。
7)6)の場合に、回転中心を同一にすると、反転させてトナー収容部21と廃トナー収容部23を入れ替えて装着することが可能となる。これにより、廃トナー収容部23から廃トナー37を装置本体側に供給して画像形成に供することもできる。
8)渦巻き状の隔壁21aによって区切られた空間21bの外周部に廃トナー37を集めることが可能であり、中央部は廃トナー37を受け入れる空間が確保できるので、廃トナー収容部23の実質的な廃トナー収容量を拡大することができる。
等の効果を奏する。
【0063】
なお、本発明は前述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。前記各実施例は、好適な例をそれぞれ示したものであるが、当業者ならば、本明細書に開示の内容から、各種の代替例、修正例、変形例あるいは改良例を実現することができ、これらは添付の特許請求の範囲により規定される範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0064】
11 作像プロセスユニット
20−1,2,3,4 渦巻きトナーボトル
21 トナー収容部
21b,23b 渦巻き状に仕切られた空間
22 トナー供給口
23 廃トナー収容部
24 廃トナー収容口
25 廃トナー搬送経路
26 トナー搬送経路
29 トナー
105 装置本体
【先行技術文献】
【特許文献】
【0065】
【特許文献1】特開平10−063084号公報
【特許文献2】特開2001−324863号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に渦巻き状に仕切られた空間を有し、装置本体に回転可能に支持され、前記空間に画像形成に用いる粉体を収納する第1の収納部と、
前記第1の収納部から前記粉体を外部に供給する供給口と
を備えた粉体収納装置。
【請求項2】
請求項1記載の粉体収納装置であって、
廃棄されるべき粉体を本体装置より収容する収容口に連通し、前記廃棄されるべき粉体を収容する空間を有する第2の収納部を備えたこと
を特徴とする粉体収納装置。
【請求項3】
請求項2記載の粉体収納装置であって、
前記第2の収納部は前記第1の収納部に対して同心かつ並列に設けられていること
を特徴とする粉体収納装置。
【請求項4】
請求項2又は3記載の粉体収納装置であって、
前記第2の収納部が渦巻き状に仕切られた空間を含むこと
を特徴とする粉体収納装置。
【請求項5】
請求項4記載の粉体収納装置であって、
前記第2の収納部の渦巻きの向きが前記第1の収納部の渦巻きの向きと逆方向に設定されていること
を特徴とする粉体収納装置。
【請求項6】
請求項5記載の粉体収納装置であって、
前記第1及び第2の渦巻きの中心が一致していること
を特徴とする粉体収納装置。
【請求項7】
請求項2ないし6のいずれか1項に記載の粉体収納装置であって、
前記収容口が前記第2の収容部の空間を形成する部材の中央部に形成されていること
を特徴とする粉体収納装置。
【請求項8】
請求項2記載の粉体収納装置であって、
前記第2の収納部が前記第1の収納部の外周部に配置されていること
を特徴とする粉体収納装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか1項に記載の粉体収納装置と、
前記粉体収納装置が取り付け取り外し可能に装着される作像プロセスユニットと、
を備えた画像形成装置。
【請求項10】
請求項9記載の画像形成装置であって、
前記粉体収納装置が前記作像プロセスユニット手段の取り付け部に対して軸方向の一端側で取り外し可能であり、
当該取り外した位置から装置本体外への前記粉体収納装置の取り出し軌跡上は空間部に設定されていること
を特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−194463(P2012−194463A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−59579(P2011−59579)
【出願日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】