説明

粉体塗料、塗膜層、塗装方法及び塗装品

【課題】紫外線の照射が少ないか又は殆ど無いような状況においても光触媒活性による光触媒性能を得ることができ、とりわけ屋内において光触媒活性を発現させて光触媒性能を発揮させることができる粉体塗料、塗膜層、塗装方法及び塗装品を提供する。
【解決手段】塗料マトリックス2中に配合される光触媒性結晶1の光触媒活性が波長380nm以上の可視光線において発現するようになされていることで、紫外線の照射が少ないか又は殆ど無いような状況においても光触媒性結晶1の可視光線による光触媒活性によって光触媒性能を得ることができ、また紫外線の照射が殆どない屋内においても、屋内に存在する蛍光灯等の光に由来する可視光線を活用することで光触媒性結晶1の光触媒活性が発現され、光触媒性能を発揮させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光触媒性を発現でき、自浄性、抗菌性、消臭性、有害物質分解性等に優れた塗膜を得ることができる粉体塗料、及びそれを用いた塗膜層、塗装方法及び塗装品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
粉体塗料に光触媒性の粉末を配合して塗膜を形成するのは、互いに粉末であることから、塗料が液状である場合と較べて光触媒性の粉末の塗料中への分散状態が一定となりやすく、分散状態を厳密に管理する必要がない点において好ましいとされている。かかる光触媒性を発現させる粉体塗料としては、従来例えば被塗装物に下層コート塗膜と上層コート塗膜を形成する粉体塗料であって、上層コート塗料はフッ素系樹脂粉末に光触媒作用を有する酸化チタン粉末を含有する粉体塗料により、塗膜層表面に光触媒性能を発現させる二重構造の塗膜層を形成させることが開示されている(例えば特許文献1)。
【0003】
また、含フッ素樹脂粉体塗料粒子(a)および光触媒活性二酸化チタンを包有したメチルシリコーン系樹脂粒子(b)を含有する含フッ素樹脂粉体塗料組成物であって、該粒子(a)と該粒子(b)とは実質的に独立状で含有され、かつ、該粒子(a)の100質量部に対して該粒子(b)の1〜25質量部が含有されている含フッ素樹脂粉体塗料組成物を用いて塗膜層を形成することで、光触媒反応による自己洗浄性を有する塗膜を形成することが開示されている(例えば特許文献2)。
【0004】
【特許文献1】特開平10−130540号公報
【特許文献2】特開2003−176440号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載の従来の光触媒性を発現させる粉体塗料は、光触媒として紫外線により活性化するものが示されているのみであり、かかる粉体塗料を用いて塗膜層を形成したとしても、照射される光の紫外線のみを活用できるものであり、他の波長の光に対しては活性化せず、紫外線の照射が少ないか又は殆ど無いような状況においては光触媒性能である自浄性、抗菌性、消臭性、有害物質分解性等を発揮できるものではなかった。また、とりわけ紫外線の照射が殆どない屋内においては全く光触媒活性が発現されず、光触媒性能を発揮できないものであった。
【0006】
本発明は上記の如き課題に鑑みてなされたものであり、紫外線の照射が少ないか又は殆ど無いような状況においても光触媒活性による光触媒性能を得ることができ、とりわけ屋内において光触媒活性を発現させて光触媒性能を発揮させることができる粉体塗料、塗膜層、塗装方法及び塗装品を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は以下のような構成としている。すなわち、本発明に係わる粉体塗料は、塗膜の主成分となる合成樹脂製の粉末と、光の照射によって光触媒活性を発現する光触媒性結晶とを含んでなり、前記光触媒活性が波長380nm以上の可視光線において発現するようになされていることを特徴とするものである。
【0008】
本発明に係わる粉体塗料によれば、光触媒活性が波長380nm以上の可視光線において発現するようになされていることで、紫外線の照射が少ないか又は殆ど無いような状況においても光触媒性結晶の可視光線による光触媒活性によって光触媒性能を得ることができ、また紫外線の照射が殆どない屋内においても、屋内に存在する蛍光灯等の光に由来する可視光線を活用することで光触媒性結晶の光触媒活性が発現され、光触媒性能を発揮させることができる。
【0009】
また前記光触媒性結晶は、チタン原子又は酸素原子の一部を窒素原子及び/又は硫黄原子に置換したものであれば、波長380nm以上の可視光において高い光触媒機能を確実に発現するものとでき好ましい。
【0010】
また前記光触媒性結晶は、光触媒により不活性な保護物質により表面の一部が被覆されていれば、形成された塗膜層において光触媒性結晶表面と合成樹脂製の粉末により形成された塗膜マトリックスとが接触しないか若しくは接触する面積を小さくして、塗膜マトリックスの劣化を防止して耐久性を高めることができ好ましい。
【0011】
また前記保護物質は、異臭分子あるいは有害化学物質の吸着性能を備えたものであれば、空気中の悪臭や有害化学物質を積極的に吸着して高い分解性能を発現することができ好ましい。
【0012】
また前記保護物質は、液体状物質の分子を透過させず、気体状物質を透過する程度に前記光触媒性結晶を被覆していれば、気体状の悪臭や有害化学物質に対する光触媒の性能の発現を阻害することなく、合成樹脂への配合における光触媒性結晶表面への悪影響を防止することができ好ましい。
【0013】
また前記合成樹脂製の粉末は、フッ素樹脂粉末、不飽和ポリエステル樹脂粉末、飽和ポリエステル樹脂粉末、エポキシ樹脂粉末、ポリエチレン樹脂粉末、ポリ塩化ビニル樹脂粉末、ポリウレタン樹脂粉末、ポリアミド樹脂粉末、ポリカーボネート樹脂粉末、ポリアセタール樹脂粉末からなる群から選ばれた少なくとも1つであれば、これらの合成樹脂製の粉末は粉体塗装に好適に適用されるものであり、概ね光触媒性結晶を配合して適宜の方法にて塗装するのみで、簡便に塗膜層を形成することができ好ましい。
【0014】
また更に粉末状の親水化剤を含むものであれば、光触媒活性は光の照射がなくなると電子が基底状態に戻ることで消失するが、親水化剤が含有されていることで、光の照射が失われたとしても形成された塗膜層の表面における光触媒活性によって発現された親水性を維持して光触媒性能を持続させることができるようになり好ましい。
【0015】
また本発明に係わる塗膜層は、請求項1〜7に記載の粉体塗料を用いて形成されたことを特徴とするものである。
【0016】
本発明に係わる塗膜層によれば、紫外線の照射が少ないか又は殆ど無いような状況においても光触媒活性による光触媒性能を得ることができ、とりわけ屋内において光触媒活性を発現させて光触媒性能を発揮させて、光触媒による優れた自浄性、抗菌性、消臭性、有害物質分解性等を備えた塗膜層とすることができる。
【0017】
また本発明に係わる塗装方法は、請求項1〜7に記載の粉体塗料を用い、静電粉体塗装法又は流動浸漬法により塗膜層を形成することを特徴とするものである。
【0018】
本発明に係わる塗装方法によれば、合成樹脂製の粉末と光触媒性結晶とが互いに粉体であることから、塗料中の光触媒性結晶の分散を液状のものほど厳密に管理を行う必要がなく塗装に係わる条件管理を簡便なものとでき、また静電粉体塗装法又は流動浸漬法により簡便に光触媒による優れた自浄性、抗菌性、消臭性、有害物質分解性等を備えた塗膜層を得ることができる。
【0019】
また本発明に係わる塗装品は、基材の上に、請求項1〜7に記載の粉体塗料を用いて塗膜層が形成されていることを特徴とするものである。
【0020】
本発明に係わる塗装品によれば、紫外線の照射が少ないか又は殆ど無いような状況においても光触媒活性による光触媒性能を得ることができ、とりわけ屋内において光触媒活性を発現させて光触媒性能を発揮させて、光触媒による優れた自浄性、抗菌性、消臭性、有害物質分解性等を備えた塗装品とすることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係わる粉体塗料によれば、光触媒活性が波長380nm以上の可視光線において発現するようになされていることで、紫外線の照射が少ないか又は殆ど無いような状況においても光触媒性結晶の可視光線による光触媒活性によって光触媒性能を得ることができ、また紫外線の照射が殆どない屋内においても、屋内に存在する蛍光灯等の光に由来する可視光線を活用することで光触媒性結晶の光触媒活性が発現され、光触媒性能を発揮させることができる。
【0022】
また本発明に係わる塗膜層によれば、紫外線の照射が少ないか又は殆ど無いような状況においても光触媒活性による光触媒性能を得ることができ、とりわけ屋内において光触媒活性を発現させて光触媒性能を発揮させて、光触媒による優れた自浄性、抗菌性、消臭性、有害物質分解性等を備えた塗膜層とすることができる。
【0023】
また本発明に係わる塗装方法によれば、合成樹脂製の粉末と光触媒性結晶とが互いに粉体であることから、塗料中の光触媒性結晶の分散を液状のものほど厳密に管理を行う必要がなく塗装に係わる条件管理を簡便なものとでき、また静電粉体塗装法又は流動浸漬法により簡便に光触媒による優れた自浄性、抗菌性、消臭性、有害物質分解性等を備えた塗膜層を得ることができる。
【0024】
また本発明に係わる塗装品によれば、紫外線の照射が少ないか又は殆ど無いような状況においても光触媒活性による光触媒性能を得ることができ、とりわけ屋内において光触媒活性を発現させて光触媒性能を発揮させて、光触媒による優れた自浄性、抗菌性、消臭性、有害物質分解性等を備えた塗装品とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明に係わる最良の実施の形態について、図面に基づき以下に具体的に説明する。
【0026】
図1は、本発明に係わる塗装品の、第一の実施形態を示すもので、本発明に係わる粉体塗料を用いて基材上に形成した塗膜層の、光触媒性結晶を誇張して示した断面図である。塗膜層10は基材20の上に直接形成されたものであり、合成樹脂製の粉末が溶融されて形成された塗膜マトリックス2中に光触媒性結晶1が分散されて形成されている。塗膜層10の表面付近に配置された光触媒性結晶1の表面に光が照射されることで光触媒活性が発現され、その光触媒活性により塗膜層10に自浄性、抗菌性、消臭性、有害物質分解性等といった有益な光触媒性能が備えられる。
【0027】
光触媒活性を発現する光触媒性結晶としては、Fe、CuO、In、WO、FeTiO、PbO、V、FeTiO、Bi、Nb、SrTiO、ZnO、BaTiO、CaTiO、KTaO、SnO、ZrOなどの金属酸化物半導体材料が用いられるが、これら金属酸化物半導体の金属原子及び/又は酸素原子の一部を窒素原子及び/又は硫黄原子に置き換えたり、鉄、銅、ジルコニウム、白金、銀、コバルト、ニッケル、鉛等の金属やその酸化物を導入したりしたものを用いることで、380nm以上の可視光線に対して光触媒活性を発現する光触媒性結晶とすることができる。これらの内、コストや作業性等から金属酸化物半導体材料は二酸化チタン(TiO)を好適に用いることができる。更にはこれら窒素ドープ及び/又は硫黄ドープ型の酸化チタン結晶に、鉄、銅等の金属イオンを導入して更に光触媒機能を高めたものも好適に用いることができる。
【0028】
塗膜マトリックス2を形成する合成樹脂製の粉末は、適宜の粒径としてもよいが、平均粒径を1〜50μm程度としたものが好ましい。光触媒性粉末の粒径についても適宜のものとしてよいが、合成樹脂製の粉末の平均粒径と同程度としておけば、合成樹脂製の粉末に対する分散性を向上させることができ好ましく、合成樹脂製の粉末の平均粒径に対し、光触媒性粉末の平均粒径は0.2〜5倍程度が好適である。
【0029】
また光触媒性結晶の配合量は、合成樹脂製の粉末に対して光触媒性能及び塗装性を勘案して適宜の配合割合としてよいが、好適には合成樹脂製の粉末100重量部に対し、光触媒性粉末を0.5〜200重量部配合するのが好ましく、より好ましくは5〜20重量部である。合成樹脂製の粉末としては、適宜の合成樹脂製のものを用いてよいが、粉体塗装によく用いられるフッ素樹脂粉末、不飽和ポリエステル樹脂粉末、飽和ポリエステル樹脂粉末、エポキシ樹脂粉末、ポリエチレン樹脂粉末、ポリ塩化ビニル樹脂粉末、ポリウレタン樹脂粉末、ポリアミド樹脂粉末、ポリカーボネート樹脂粉末、ポリアセタール樹脂粉末等が好適であり、これらを単独で用いるか、又は複数種類配合して用いてもよい。また光触媒性結晶の表面の一部を光触媒活性に不活性な保護物質で覆った場合、屋外において太陽光が直射される等の光触媒活性が強力に発現される状況において用いられた際に、これらの合成樹脂は光触媒活性により比較的分解されやすいものであり、保護物質で被覆する利点は更に大きいものとなり得る。
【0030】
また塗膜層を形成する粉体塗料には、更に粉末状の親水化剤を配合してもよい。親水化剤が配合されることで、光触媒性結晶による親水化が親水化剤により持続されて、光触媒性結晶のみの場合よりはるかに長時間に亘って塗膜層表面の光触媒性能に係わる親水性を維持することができる。親水化剤としては、親水性を発揮し、且つ粉末状のものであれば特に限定されるものではなく、アルコキシル基がメトキシ基、エトキシ基等の炭素数が4以下となされたテトラアルコキシシランや、その部分加水分解によって得られるオリゴマー、シリケート、オルガノシリカゾルなどを好適に用いることができる。
【0031】
これらの粉体塗料を用いて塗膜層を形成する塗装方法としては、適宜の方法を用いてもよいが、静電粉体塗装法又は流動浸漬法が簡便且つ稠密な塗膜層を形成でき好適である。静電粉体塗装法としては、合成樹脂製の粉末と基材とに静電力を生じさせて静電引力を発生させて、粉体塗料を吹き付けにより基材に付着させた後、合成樹脂製の粉末が溶融する温度にて焼き付けを行うことで塗膜層を形成する。流動浸漬法としては、合成樹脂製の粉末と光触媒性粉末とを乾式配合し、流動槽内で下方から空気を送り込む等して流動状態とした粉体塗料中に、加熱した基材を浸漬して粉体塗料を付着させた後、合成樹脂製の粉末が溶融する温度にて焼き付けを行うことで塗膜層を形成する。
【0032】
塗膜層10が形成される基材20については、適宜の材料を用いてよいが、例えば基材20が屋外に用いられる街路柵、車両用防護柵、高欄、外構用フェンス等の構造用の金属製のものであれば、金属製の表面に直接塗膜層10を形成してもよく、密着性を高めるために適宜プライマー等を介在させて形成するようにしてもよい。
【0033】
図2は、本発明に係わる塗装品の、第二の実施形態を示すもので、同じく本発明に係わる粉体塗料を用いて基材上に形成した塗膜層の、光触媒性結晶を誇張して示した断面図である。光触媒性結晶1は、表面の一部が保護物質3により被覆されることで、保護物質3により保護された部分については光触媒活性によって塗膜マトリックス2が分解されるのが防がれると共に、仮に光触媒性結晶1に塗膜マトリックス2の一部が接触している場合でも、光触媒活性による塗膜マトリックス2の分解はその接触している箇所において限定的に行われるようになり、少なくとも保護物質3と塗膜マトリックス2との溶着部分が保持されることで塗膜層10の劣化を抑制して耐久性を高めることができるようになされている。
【0034】
ここで保護物質を形成する材料としては、酸化チタン等の光触媒微粒子の表面に付着可能で、光触媒微粒子による光触媒機能に対して不活性なものであれば特に限定されるものではないが、光触媒組成物が屋内における悪臭や有害化学物質を分解するために用いられるものであれば、保護物質を悪臭や有害化学物質を吸着可能な吸着剤を用いて形成することで、空気中の悪臭や有害化学物質を積極的に吸着して更に高い分解性能を発現することができる。かかる吸着剤としては、主成分が無機系のモンモリロナイト、タルク、シリカゲル、シリカゾル、ケイ酸塩、炭化ケイ素、アルミナ、ゼオライト、ジルコニア、セラミックス、アパタイト、チタンアパタイト、マグネシア、コーディライト、セピオライト、水酸化カルシウム等又はこれらの複合体が挙げられる。
【0035】
保護物質を光触媒性結晶の表面に形成するには、上述の如き保護物質を形成するための物質を水等の溶媒に分散させてその溶液中に光触媒性結晶を適宜の時間浸漬して光触媒性結晶の表面に保護物質を点在する結晶状に析出させたり、マスクメロン状のネット構造として析出させたりすることや、シランカップリング剤により光触媒性結晶を被覆した後、高温で焼成することでシランカップリング剤に含まれる有機成分を気化させることで細孔を設ける等の方法により形成することができる。
【0036】
光触媒性結晶の、表面の一部を被覆する保護物質は、保護物質間の間隔が余りに広すぎると保護物質による保護効果が低下し、狭すぎると光触媒性結晶の表面が露出する面積が小さくなって光触媒結晶の光触媒性能が発揮されにくくなることから、保護物質間の間隔は0.1nm〜100μm程度が好適であり、より好ましくは1nm〜10μm程度である。かかる間隔にて被覆することで、保護物質により、液体状物質の分子を透過させず気体状物質を透過する程度に前記光触媒性結晶を被覆することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係わる塗装品の、第一の実施形態を示す断面図である。
【図2】本発明に係わる塗装品の、第二の実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0038】
1 光触媒性結晶
2 (合成樹脂製の粉末により形成された)塗膜マトリックス
3 保護物質
10 塗膜層
20 基材


【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗膜の主成分となる合成樹脂製の粉末と、光の照射によって光触媒活性を発現する光触媒性結晶とを含んでなり、前記光触媒活性が波長380nm以上の可視光線において発現するようになされていることを特徴とする粉体塗料。
【請求項2】
前記光触媒性結晶は、チタン原子又は酸素原子の一部を窒素原子及び/又は硫黄原子に置換したものであることを特徴とする請求項1に記載の粉体塗料。
【請求項3】
前記光触媒性結晶は、光触媒により不活性な保護物質により表面の一部が被覆されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の粉体塗料。
【請求項4】
前記保護物質は、異臭分子あるいは有害化学物質の吸着性能を備えたものであることを特徴とする請求項3に記載の粉体塗料。
【請求項5】
前記保護物質は、液体状物質の分子を透過させず、気体状物質を透過する程度に前記光触媒性結晶を被覆していることを特徴とする請求項3又は4に記載の粉体塗料。
【請求項6】
前記合成樹脂製の粉末は、フッ素樹脂粉末、不飽和ポリエステル樹脂粉末、飽和ポリエステル樹脂粉末、エポキシ樹脂粉末、ポリエチレン樹脂粉末、ポリ塩化ビニル樹脂粉末、ポリウレタン樹脂粉末、ポリアミド樹脂粉末、ポリカーボネート樹脂粉末、ポリアセタール樹脂粉末からなる群から選ばれた少なくとも1つであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の粉体塗料。
【請求項7】
更に粉末状の親水化剤を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の粉体塗料。
【請求項8】
請求項1〜7に記載の粉体塗料を用いて形成されたことを特徴とする塗膜層。
【請求項9】
請求項1〜7に記載の粉体塗料を用い、静電粉体塗装法又は流動浸漬法により塗膜層を形成することを特徴とする塗装方法。
【請求項10】
基材の上に、請求項1〜7に記載の粉体塗料を用いて塗膜層が形成されていることを特徴とする塗装品。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2007−321114(P2007−321114A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−155538(P2006−155538)
【出願日】平成18年6月5日(2006.6.5)
【出願人】(000002462)積水樹脂株式会社 (781)
【Fターム(参考)】