粉体塗装ブース
長い部品のための粉体スプレーブースは、主にドアから成るブースの壁構造体を有する。移動可能な屋根を上昇降下させて当該ブースの内部表面から粉体の過剰噴霧をクリーニング可能である。クリーニングのプロセスは側方への抽出モード及び下方への抽出モードで行うことができる。モードの切換えは移動可能な屋根と共に移動する隔壁が回収システムへの入口導管を遮る場合に生じる。回収システムは、例えばサイクロンシステムであってもよい。ブースのドアは蝶番接続され、これらのドアがスプレー作業及びクリーニング作業のための位置を取ることができるようにする。最新の蝶番設計が行われ、ホースの張力を緩和する設計も行われる。屋根は、当該屋根を降下させながらクリーニング用ノズルに供給する圧搾空気のための蓄圧器を支持していてもよい。さらに、排出空気を、屋根を降下させながら内部表面をクリーニングする補助をするように用いることができる。クリーニング及び色変更のために供給される全エネルギーは蓄圧器により供給することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に粉体塗装材料塗布システム及びプロセスで使用可能であるような粉体塗装ブースに関する。特に本発明は、例えば長い押出成形品等の細長い物体のための粉体塗装材料塗布システム、ブース及びプロセスに関する。
【0002】
[関連出願]
本出願は、粉体塗装ブース(POWDER COATING BOOTH)に関する2005年9月19日に出願された米国仮特許出願第60/718,379号の優先権を主張し、当該出願の開示内容の全体は本参照により本明細書中に完全に援用される。
【背景技術】
【0003】
粉体塗装材料は、通常、スプレー塗布装置及びプロセスにより物体又は作業品に塗布される。これらのスプレー塗布装置及びプロセスは既知のように静電的なプロセス及び非静電的なプロセスを含んでいる。粉体塗装材料のスプレーによる塗布は、過剰に噴霧された粉体を閉じ込めると共に回収するのに用いられるスプレーブース内でよく行われる。粉体の過剰噴霧は、ブースから回収することが可能で、供給センターに再使用のために再循環して戻しても又はそうでなければ廃棄してもよい。任意の粉体塗装システムのより重要な側面の1つは、粉体交換作業及び関連するシステムの停止時間並びにそのような切換えに伴う労働である。例えば、塗布される粉体の色を変更する必要がある場合、次の色が塗布可能となる前にシステム全体をクリーニングすると共に使用直後の色の除去を行わなければならない。このことはスプレーガン、供給ホース及び最も重要にはスプレーブースのクリーニング及び洗浄に関わる。長さが最大約27フィート(約8.23メートル)以上に及ぶ可能性がある押出成形品のような長い物体は、それらの物体への粉体の塗布に関する独特の困難がある。過剰に噴霧された粉体を適切に閉じ込めるために高いスプレーブースが必要とされるためである。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様によれば、粉体スプレーブースは長い部品、物体又は作業品を収容することが考慮される。一実施形態では、ドアのうち1つ又は複数が他のドアに対して動くように蝶番接続された複数のドアが設けられているスプレーブースが提供され、さらにドアは実質的にブースの壁構造体である。特定の実施形態では、ブースは4つの蝶番接続されたドアを有し、ブースの垂直方向の高さは、20フィート(6.096メートル)よりも高い。本発明の他の態様によれば、ブースは垂直方向の寸法が長さ方向に沿った寸法よりも約3倍大きい(ここで長さ方向の寸法とは、粉体の塗布プロセスの間ブースを通過する部品の移動の軸を指す)。
【0005】
本発明の他の態様によれば、粉体スプレーブースは選択的に開閉可能な1つ又は複数のガン用の細長い穴を組込んでいることが考慮される。一実施形態では、ガン用の細長い穴のカバーが提供され、当該カバーは粉体塗布プロセス中に用いることができるガン用の細長い穴の開位置と、クリーニング及び粉体交換作業中に用いることができるガン用の細長い穴の閉位置との間を動くことができる。特定の一実施形態では、ガン用の細長い穴のカバーは、当該ガン用の細長い穴を開くように曲がると共に当該ガン用の細長い穴を覆うように緩和する空気圧で駆動される可撓性部材の形態で実現することができる。
【0006】
本発明の他の態様によれば、粉体スプレーブースでは、当該スプレーブース内でブースの内部表面をブースの可動な構成部材から供給される圧搾空気によりクリーニングすることができることが考慮される。一実施形態では、スプレーブースは屋根すなわち天井構造物を有し、当該屋根は粉体塗布プロセス中に用いられる第1の位置すなわち上昇位置から、クリーニング及び粉体交換中に用いられる第2の位置すなわち降下位置へと降下しながらブースの内部表面に対して圧搾空気を誘導する。特定の一実施形態においては、屋根は例えばブースの内部表面に圧搾空気を誘導するノズル等の複数の圧搾空気用装置を支持する。空気は、そのような装置に例えば可動な屋根の上部に支持された1つ又は複数の蓄圧器すなわち空気タンクにより供給することができる。ブースの壁構造体として蝶番接続されたドアを用いる別の実施形態では、ドアのうち1つ又は複数は粉体をブースの床から除去するための圧搾空気装置をさらに支持していてもよい。
【0007】
本発明の他の態様によれば、粉体スプレーブースは、ブースの内部表面から過剰に噴霧された粉体を除去するための圧搾空気装置を有することが考慮される。一実施形態では、圧搾空気の形態で内部表面から粉体を除去するのに用いられるクリーニング用エネルギーは、1つ又は複数の蓄圧器から発生する。より詳細な実施形態においては、圧搾空気の発生源は断続的に始動され噴射空気がスプレーブースの内部表面に誘導される。このことによりスプレーブースの内部表面から過剰に噴霧された粉体を除去する圧力波が発生する。
【0008】
本発明の他の態様によれば、粉体スプレーブースが圧搾空気装置及びブース内への排出空気流の組み合わせによりクリーニングされ、排出空気はスプレーブースの内部表面から粉体を除去するのを補助することが考慮される。一実施形態では、スプレーブースの内部表面に近接して離間した位置関係を取る天井構造物が提供される。天井構造物と内部表面との間には、すき間が設けられ、排出空気が当該すき間を通してスプレーブース内に引込まれると共に内部表面の粉体粒子に対してせん断力を加え当該粉体粒子を除去する。天井構造物は、内部表面に圧力波の形態で大容積の圧搾空気を誘導する圧搾空気装置をさらに支持していてもよい。特定の実施形態では、天井構造物はスプレーブース内で上昇降下させることができる。本発明では、このような装置で具体化されるクリーニング方法、特にクリーニング用のエネルギーの一部のためにブース内への排出空気流を用いると共に断続的に加えられる圧力波を用いるステップを含むスプレーブースの内部表面をクリーニングするための方法がさらに考慮される。
【0009】
本発明の他の態様によれば、ホースの張力の緩和機構が提供される。ホースの張力の緩和の概念は1つ又は複数の可撓性ホースを用いる任意の材料塗布システムでの用途を有する。本明細書内の例示的な実施形態で述べるような細長い部品のためのスプレーブースの状況では、ホースの張力の緩和の特徴は、特にスプレーブースの上部領域に延びる非常に長く重いホースを理由として有用である。
【0010】
本発明の他の態様によれば、クリーニング装置及び粉体スプレーブースのための関連する方法では、2つのモードで動作することが考慮される。一方のモードは側方への回収すなわち抽出のモードであり、他方のモードは下方への回収すなわち抽出のモードである。一実施形態において、ブース内部を上昇降下可能な屋根構造物を有するスプレーブースが設けられると共に、スプレーブースは、垂直な細長い穴及び床の導管を介してブース内部と接続している粉体回収システムをさらに有する。屋根が上方位置にある場合、過剰に噴霧された粉体は表面から除去され垂直方向の細長い穴内へと引込まれ、粉体回収装置内へと引込まれる。一実施形態では、回収装置はサイクロン装置であってもよい。屋根が降下するにつれて、粉体抽出プロセスは床の導管を介しての粉体の過剰噴霧の抽出に切替わる。一実施形態ではこの切換えは屋根と共に移動する、垂直な回収導管内を移動する隔壁を設けることにより実現することができる。屋根が所定位置に到達すると、隔壁は垂直な細長い穴から回収導管を遮蔽すなわち分離し、床の導管が開く。他の実施形態では、回収導管に隣接した床の細長い穴を用いる。
【0011】
本発明では、上述の構造を用いて具体化され及び/又は本明細書で以下で詳細に説明するこのような構造を用いて実行することができる種々の方法がさらに考慮される。
【0012】
本発明のこれらの及び他の態様並びに利点は本明細書の以下の詳細な説明及び添付の図面から容易に理解されると共に認められるだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1に、スプレーブース12と、過剰に噴霧された粉体の回収システム14と、アフターフィルター及び送風システム16と、複数の塗布装置18と、ガンの装着及び移動機システム20と、全体構造の支持枠構造体22(分かりやすくするために種々の図面に部分的にのみ示す)とを有する粉体塗装材料塗布システム10を示す。塗布装置18は、オハイオ州ウェストレイクのノードソンコーポレーションから入手可能なSURE−COAT(商標)スプレーガンを含む、任意の数のスプレーガンの設計から選択可能である。スプレーブース12内の物体すなわち作業品に塗布する材料の補充材料を収容する供給センター21を設けてもよい。供給センター21は、塗布装置18に材料を供給するための適当なポンプ及びホースと共に、例えば任意の数のホッパ、箱又は他の粉体容器を収容していてもよい。制御システム(図示せず)への適当な作業者用インタフェース24を、スプレーガン18、粉体回収システム14、スプレーブース12及びガン移動機システム20の動作を制御するのに設けてもよい。制御システム及び作業者用インタフェース24は、当業者に既知の任意の数の既知の制御システムの構成概念から選択してもよく又は特定のシステムのために特別に設計してもよい。ガン移動機システム20は、スプレーガンをスプレーブース12から伸張すると共にスプレーブース12へ引込むように用いることができ、スプレー作業中にガンを上下に振動させて動かすように用いることもできる。
【0014】
例示的な実施形態では、過剰に噴霧された粉体の回収システム14はサイクロンシステム15の形態で実現可能であるが、他の回収システムの設計を用いることもできる。送風及びアフターフィルターシステム16は、スプレーブース内部からサイクロン15の入口導管に引込まれる実質的に粉体が混入した排出空気流の形で、サイクロン回収システムの動作に必要なエネルギーを供給する。回収システムにより発生する空気流はまた、閉じ込め空気と称されることもある、スプレーブース12内へのそしてスプレーブース12を通る実質的な空気流も発生させる。閉じ込め空気流は、過剰に噴霧された粉体のスプレーブース12の外への損失を防ぐ。本明細書における実施形態では、サイクロンシステム15はツインサイクロンシステムであるが、代替的にシングルサイクロンを用いてもよい。例示的な実施形態では粉体は、粉体が再使用される場合に通常行われるようにサイクロンの出口15aから回収されるか、又は代替的にブース12から抽出されバイパス出口すなわち導管装置15bを介してアフターフィルターシステム16へと通過することもできる。
【0015】
サイクロン15は、垂直な主導管構造(72、図2を参照)の第1の導管又は回収導管若しくはプレナム74と連通するサイクロンの入口70(図2、図2A)を有する。サイクロン15は、バイパス出口導管15bと連通しさらに主導管72内に設けられた第2の導管又はバイパス導管若しくはプレナム75と連通するバイパス導管の入口76も有する。代替的にバイパス導管75及び回収導管74は、別々の構造物であってもよい。バイパス装置は、抽出された粉体の行き先に応じて開閉するバイパスドア(以下参照)を有していてもよい。本明細書で以下により詳細に説明するように、隔壁が回収導管74内に設けられ、当該隔壁は特定条件下でサイクロンの入口70を遮断し、バイパスドアが開くと抽出された粉体がバイパス導管75及びバイパス出口15bを介してアフターフィルター16に向かうことでサイクロン15を迂回するようにする。
【0016】
本明細書で本発明の種々の概念、態様及び特徴を、例示的な実施形態の組合わせで具体化されるか又は用いられているように説明し図示する一方で、これらの種々の概念、態様及び特徴は、多くの代替的な実施形態で個別に又はこれらの実施形態の種々の組合わせ及びサブ組み合わせで実現することもできる。本明細書でこのような全ての代替的な実施形態を特段除外しなければ、組合わせ及び副組合わせは本発明の範囲に入ることが意図されている。その上さらに、代替的な素材、構造、構成、配置、方法、装置、ソフトウェア、ハードウェア、制御ロジック等の本発明の種々の態様及び特徴についての種々の代替的な実施形態を本明細書で説明する可能性があると共に、そのような説明は既知であろうと後になされようと、実施可能な代替的な実施形態の完全なすなわち包括的なリストであることを目的としていない。当業者は、追加的な実施形態が本明細書で明示的に開示されていなくても、本発明の態様、概念又は特徴の1つ又は複数を本発明の範囲内でそのような追加的な実施形態に容易に適合させることができる。加えて、本発明のいくつかの特徴、概念又は態様を本明細書で好適な構成又は方法であると説明することがあっても、このような説明はそのような構成又は方法が特段明示して断りのない限り必要とされるか又は必要であることを示唆することを目的とするのではない。さらにまた、例示的な又は代表的な値及び範囲は本発明を理解する上で助けとなるように含まれているが、このような値及び範囲は限定的な意味で解釈するべきではなく、明示した場合に限り重要な値又は範囲であることが意図される。
【0017】
図1の近似的なスケールから、スプレーブース12はその長さの数倍の高さすなわち垂直方向の寸法を有することに留意されたい。一例では、スプレーブース12は約27フィート(約8.23メートル)の高さであると共に約10フィート(約3.048メートル)の長さである。ここで、「長さ」とは作業物、部品及び物体Wが粉体で塗装されるためにスプレーブース12を通って移動する距離を意味する。このように、本発明ではスプレーブースの高さの長さに対する比が少なくとも約2対1そして約3対1以上に及ぶことが考慮される。このことにより、スプレーブースを押出し成形品等の長い物体を粉体で塗装するために用いることできるが、ブースは、寸法がブースを縦断して収容できる任意の物体をスプレー塗装するために用いることもできる。ブース12の高さのため、構造的な枠構造体22は、スプレーガン18とガンの支持及び移動機システム20をメンテナンスする必要がある作業者を支持可能なプラットフォーム(図示せず)を有していてもよい。天井コンベア26(部分的に図示する)をスプレー作業の間、部品をブースを縦断して搬送するのに用いることができる。
【0018】
本明細書で以下でより詳細に説明するように本発明には多くのそして種々の態様及び概念がある一方で、これらの概念のうち2つははじめに特に留意すべきである。第1の概念は、ブースの内部表面をクリーニングするための方法及び装置に関する。基本的な考え方は、粉体の過剰噴霧を除去するのに圧搾空気を当てるだけではなく、回収システムによりスプレーブース内に引込まれる実質的な空気により供給されるエネルギーも用いることである。この空気流は閉じ込め空気、排出空気又はこれらの組合わせと考えることができる。本発明によれば、クリーニング作業の間、この空気流は内部表面に隣接するいくぶん狭いすき間を通して引込まれ、表面に対する空気のせん断力を発生する。この力は、表面から粉体の過剰噴霧を除去するだけでなく除去された粒子に大きな運動エネルギー及び運動量を与え、これらの粒子が内部表面からの他の粉体粒子にさらに衝突し得る。上記のすき間を介するブース内への実質的な空気流を使用することに関連して、圧搾空気を圧力波の形態で内部表面に対して断続的に用いることも可能である。このエネルギーによっても、粉体の過剰噴霧が内部表面から除去される。以下で説明する例示的な実施形態では、排出空気及び圧力波を用いるこれらの2つのクリーニングの概念は、組合わせて用いられ、圧搾空気のノズルを支持すると共に内部表面に隣接する上述のすき間を設ける屋根等の可動な構造物を用いることにより実現される。ノズルは断続的に始動し圧力波を発生させ、例示的な実施形態における圧搾空気源は、圧搾空気塊を貯蔵する1つ又は複数の貯蔵タンクすなわち蓄圧器でよい。
【0019】
留意すべき第2の概念は、最初はブースの高さに沿って延びる垂直な細長い穴内への側方への抽出によりブースの内部から粉体の過剰噴霧を除去するという考え方である。この場合、細長い穴はサイクロン等の回収システムの入口に開く。可動な屋根をスプレーブースの内部表面をさらにクリーニングするのに用いることができ、当該屋根が降下するにつれて、粉体の過剰噴霧の抽出は、側方への抽出からブースの底部の導管又は細長い穴を介する下方への抽出へと移行する。例示的な実施形態では、この移行は屋根が所定位置に接近した場合にサイクロンの入口を遮蔽すなわち閉鎖すると共に、ブースから引出される粉体の過剰噴霧のサイクロンのバイパス導管内への及びアフターフィルターシステムへの流路を開くことにより生じる。
【0020】
スプレーブース12は、ほぼひし形形状であってもよいが当該ひし形の2つの頂点は図2から明らかとなるように幾分先端が切取られている。図2は、基本的なシステム10の平面図である(アフターフィルター及び送風システム16と屋根と枠構造体22のいくつかはわかりやすくするために省かれている)。
【0021】
続いて図2及び図2A〜図2Cを参照すると、例示的なスプレーブース12は4つのドア30、32、34、36を有し、これらのドアは蝶番接続されているか又はそうでなければ構造的な枠構造体に取着され容易に開閉し得る。スプレーブース12は実質的にこれら4つのドア、床38及び可動な屋根すなわち天井構造物40により画定されている。右前方ドア30はガン用の細長い穴パネル42の一側面に蝶番接続され、左前方ドア32は回収導管取入れパネル44の一方の側面に蝶番接続されている。右後方ドア36はガン用の細長い穴パネル42の反対側面に蝶番接続され、左後方ドア34は回収導管パネル44の反対側の側面に蝶番接続されている。前方及び後方という用語は、便宜のため移動する部品がそれぞれ出入りする、ブースの長さ方向の端を指す。ブースを通る移動方向は逆転することができることを理解されたい。左及び右という用語も単に図面を参照する場合の便宜である。ドアの長さのために、ドアは図1及び図2A〜図2Cに最もよく示すように上方部分と下方部分とを有する複数部品構成であってもよい。このように、ひし形の一頂点の先端を切取る短い(長さ方向の)ガン用の細長い穴パネル42及びひし形の対向する頂点を切取る短い(長さ方向の)取入れパネル44を除くと、ブース12は主として4つの蝶番接続されたドアにより画定され、各々のドアは2つの(上部及び下部の)部分を有する垂直な壁構造体を有する。このことは、通常ブースの端にドア構造を有するがそれ以外ではブースの構成を画定する垂直な固定壁を有する従来のブースと明確に対照的である。
【0022】
蝶番接続されたドア30、32、34、36は各々ノードソンコーポレーションによりアポジパネル構造物として販売されているような発泡材のコアパネル及びゲルコートの内面を有する複合素材から形成されてもよい。他のドア構造を必要に応じて代替的に用いてもよい。ドアは、本明細書でさらに述べるように抜差し蝶番46を用いて取外し可能に取着してもよく又は必要に応じて他の適当な蝶番設計でもよい。このように、スプレーブースの垂直な壁構造体は主としてドアにより画定される。
【0023】
屋根40も複合パネルから形成されていてもよく、ほぼ対応するひし形形状の外周を有する(ドアが閉鎖されている場合にブースの平面形状にほぼ対応する)が、コンベア用の細長い穴48が設けられている(図2A)。屋根40は上部フレームを有し(404、図14A、図14B)、当該上部フレームは一連のケーブル又は他の適当な機構により支持され、屋根がスプレーブース内で水平に上昇降下することができるようにされている。屋根40は、材料の塗布又は塗装作業中にその最高位置(図2A)にあり、クリーニング又は色変更作業中に床近く(図4A参照)まで降下させることができる。屋根40はドアが完全に閉鎖された場合(図13)、上記のほぼ対応する外周はドアの表面と側方の狭い空間距離すなわちすき間を形成し、当該空間距離は例えば約2インチ(約5.08センチメートル)であるような寸法である。この狭い空間距離は、粉体回収システム14によりブースに引込まれブースを通る排出空気の発生源を同時に動作させる間、粉体の過剰噴霧を封じ込める助けになる。さらに説明するように、屋根/ドアのすき間を介する実質的な空気流もドアの内部表面をクリーニングするのに用いることができる。
【0024】
図3に、屋根40のパネル構造の平面図を示す。屋根40は、当該屋根の全周にわたって延在するか(図3では全てのノズルは図示されていない)又はドアの内部表面を完全にクリーニングするのに少なくとも十分な間隔及び位置で延在する一連の空気ノズル50を支持する。屋根40はさらに、蝶番接続され手動で又は適当なアクチュエータの動作により上下することができるようにすることが好ましいコンベア用の細長い穴のカバー52を有している。カバー52は、スプレー作業のためにその垂直位置まで上げられ、吊下げコンベアが細長い穴48を通過できるようにする。しかしながら、クリーニング及び/又は色変更作業の間、カバー52はその閉鎖位置に下げられる。図3Aに、さらに屋根が2つの空気導管54、56を有していてもよく、これらの導管はコンベア用の細長い穴48の各側に沿って長手方向に延びブース内への空気流を供給し、粉体がコンベア用の細長い穴48を介して逃散することを防止するようにするところを示す。以下で説明するように、導管54、56は圧搾空気の適当な発生源と結合していてもよい。
【0025】
本明細書で上述したように、屋根40は枠構造(404、図14参照)を有していてもよく、当該枠構造はウィンチ駆動されるケーブル400により支持可能で屋根40をクリーニング作業の間上昇降下させることができる。屋根は基本的には2部分構造であるため、閉鎖されたカバー52により、特にノズル50が断続的に始動する場合、屋根がブースを上昇降下して移動するとき屋根部分の安定化が促進される。屋根の枠404はさらに、大容積の圧搾空気を導管54、56及びノズル50に供給する空気タンク(86、図14A)又は蓄圧器等の圧搾空気の発生源又は貯蔵部を支持する。このように、タンク86によりエネルギー/容積の貯蔵システムが形成され、ノズル50が始動した場合に大容積の圧搾空気を供給することでブース12の内部表面に誘導される大容積空気の圧力波を発生する。クリーニング作業中、供給ホースがタンク86に接続され、これらのタンク86に補充を行う。
【0026】
図2A〜図2C及び図4A、図4B(図4A、図4Bは、サイクロン/ブースの連結部の単純化した概略図である)に最もよく示すように、サイクロン15はブース12の高さを延びる主導管72を介してスプレーブース12と連結している。導管72は、断面が複数に分かれると共に取入れパネル44に形成されたブースの取入れ用の細長い穴62と連通する内部の回収プレナム74を有している。プレナム74は、さらにサイクロンの入口70と連通している。粉体の過剰噴霧は、スプレーブース12から細長い穴62を介してプレナム74内へと側方へと引込まれ、サイクロンの入口導管70を介してサイクロン15内へと通過する。スプレー塗装作業の間、屋根40はブース12の上部に位置している。取入れ用の細長い穴62はブース12の高さ全体に沿って垂直方向に延びている。
【0027】
本明細書で以下でさらに詳細に説明するように、床38は選択的にスライドカバー80で開閉可能なバイパス開口部78を有していてもよい。クリーニング作業の間、屋根40がサイクロン入口領域に向けて降下するにつれて、粉体の過剰噴霧はブース12の内部表面から除去され回収のために取入れ用の細長い穴62内及びサイクロン内へと引込まれる。屋根40が、サイクロンの入口70が隔壁82により遮られる位置(図4A参照)に降下すると、バイパス開口部78が開くと共にサイクロン15の上方のバイパス入口76に接続する垂直なバイパス導管75(図4A参照)と連通し、粉体が混入した排出空気がサイクロンを迂回しアフターフィルター及び送風システム16に輸送される。隔壁82はクリーニング作業中回収導管74内を屋根40の速度と同速度で垂直方向に移動する。しかし、隔壁82がサイクロン15への入口と面してこれを遮る位置に達すると、屋根40がクリーニング作業中に降下し続けても、隔壁82がポジティブストップによりさらに降下することが防止される。サイクロンの入口が隔壁82により遮断された場合、バイパス開口部78が開き、粉体は開口部80を通ってバイパス回収導管75に流入し、サイクロンのバイパス導管15bを介してアフターフィルター及び送風システム16に流れる。
【0028】
ガン用の細長い穴パネル42からほぼ離れるように回収用取入れ用の細長い穴62に向けて延びるドア30、36には、これらの底部端に沿って空気ジェット(図示せず)が設けられてもよく、床に降下する粉体を回収システムの取入れ用の細長い穴62に向けて誘導するようにする。圧搾空気のタンク又は蓄圧器(図示せず)を、ブースの床の下方又はドアの空気ジェットに大容積の圧搾空気を供給するのに便利な他の位置に配置してもよい。本発明の一態様によると、過剰噴霧の塗装材料を、ブースの内部表面から屋根上のノズル、ドア、ガン式吹飛ばしノズル等により除去するのに必要とされるエネルギーの全ては、大容積の圧搾空気の形態でエネルギーを貯蔵でき使用に供することができるように蓄圧器により供給することができる。蓄圧器は、スプレー塗装作業中補充することができるが、屋根40上の蓄圧器86は、以下でさらに説明するようにクリーニング作業中定期的に補充される。
【0029】
ドア30、32、34、36は、クリーニング作業のモード中、図2におけるように完全に閉鎖される。ドアが完全に閉鎖されると、ドアは屋根40の外周を近接して取囲み(例えば側方に約2インチ(約5.08センチメートル)のすき間で)、屋根のコンベア用の細長い穴のカバー52が閉じて、粉体の過剰噴霧をブースの内部表面から取除くことができると共にブース内に閉じ込め、ブースから逃散せずむしろ回収システム内に回収する。ガン用の細長い穴のカバー装置60(図2及び図7〜図9を参照する以下の解説)も閉じ、粉体がガン用の細長い穴61を介して逃散するのを防止する。コンベア用の細長い穴のカバー52が閉じる前及び/又は後に屋根のノズル50がブース表面の上部の粉体を除去するように始動してもよい。
【0030】
屋根40を降下させ、当該屋根と共に移動する空気ノズル50を用いて、ドアの内部表面から粉体を除去する。この例示的な実施形態では、ノズル50は断続的に始動し、約100psi(689500Pa)の約1.5秒間の空気ブラスト等の圧力波をブース表面に誘導する。蓄圧器86は屋根の枠に取付け可能な寸法であり屋根40と共に移動する。したがって、蓄圧器86は特には大きくない。例えば、蓄圧器86は約60ガロン(約227.1リットル)の寸法が取られ、ノズル50を介した各放出サイクルは蓄圧器86内に蓄えられた圧搾空気のエネルギーの大きさを実質的に減少させる。例示的な実施形態では、蓄圧器86を補充するのに約8秒かかり、ノズル50は屋根が降下するにつれて断続的に始動されすなわち約1.5秒動作して約8秒動作しないサイクルを行う。屋根の降下速度は蓄圧器の補充速度と均衡が取られ、屋根40の降下中常に表面の効果的なクリーニングが維持されるように圧力又は容積の損失はないようにされる。
【0031】
クリーニング及び塗装作業の間、アフターフィルターシステム16はサイクロン15を介して常にブース12内に排出空気を引込む。クリーニング作業の間、この排出空気は主として屋根40の外周とドア30、32、34、36の内部表面との間のすき間を介して屋根の降下中常にブース12に流入する。図4Aを参照すると、この高速の空気流によりドアの内部表面から粉体粒子を除去するせん断力が発生する。このせん断力は、蓄圧器86が補充されている8秒の各間隔の間に内部表面に加えられる唯一のクリーニング力である。ノズル50は、高圧空気の各1.5秒間の始動で約2フィート(約0.6096メートル)の距離で有効な圧力波を発生させる。したがって、クリーニング作業中の屋根40の降下速度は、内部表面から粉体をブラストするノズル50の効果的な使用と、さらにこれらの表面から粉体を除去する排出空気の高い速度とを均衡させるように選択することができる。一実施形態では、屋根は約8〜10フィート/分(約2.438〜3.048メートル/分)で降下することができ、当該屋根は上部に約30フィート/分(9.144メートル/分)で引戻される。
【0032】
屋根及びドアの内部表面との間のすき間の寸法を排出空気により発生する空気流及びせん断力を制御するように用いることができる。アフターフィルターシステム16は相当な体積の排出空気を引込むことができるため、すき間は、屋根の端部への圧力水頭により屋根の組立体に過大な張力又は応力が生じる位小さくすることはできない。典型的なすき間の範囲は約1.5インチ(約3.81センチメートル)から約2インチ(約5.08センチメートル)であり得る。実際に用いられるすき間は、ブースの寸法、排出空気流の特性、必要なクリーニング時間、ノズル50により周期的に発生する圧力波の有効性及び望ましい降下速度により決定されるだろう。
【0033】
大部分のクリーニング作業を行うのに排出空気を用いることは、必要とされる圧搾空気の量を低減することが可能なため、コスト上の大きな利益がある。一実施形態では、屋根とドアとの間のすき間を通過する排出空気により加わるせん断力は、ブース12の内部表面をクリーニングするのに必要なエネルギーの約半分を与える。このことは、そうでなければ用いざるを得なかったであろう圧搾空気の(又はワイプ動作等の他のクリーニング技法)の相当な節減に相当する。
【0034】
ノズル50を介して周期的に加えられる短時間だが高速度の圧力波により、クリーニングされる表面から粉体粒子が除去されるだけでなく、当該除去された粒子に、他の粒子に衝突して当該他の粒子を除去するのに十分なエネルギーを分配する。本明細書における例示的な実施形態では、圧力波は約2フィート(約0.6096メートル)の有効領域を有し、そのため、ノズル50は断続的に始動可能で、圧搾空気の一定流を発生させる必要がない。圧力波は静電的な帯電又は衝突による融合を生じない。
【0035】
粉体が混入した排出空気は、サイクロンの入口導管70等の回収システム14内に、例えば、床からブースの上部まで垂直に延びる取入れ用の細長い穴62を介して引込まれる。この例ではサイクロンの入口導管70は床38とブースの上部との間のおよそ中間に位置し、取入れ用の細長い穴62はその長さに沿って幅が変化してもよく、サイクロンの入口導管70の近くでより狭く、上部及び底部でより広い(図4A、図4B及び図4C参照)。このことにより、ブースの高さ全体に沿った取入れ用の細長い穴62内への空気流がかなり一様になる。例えば、取入れ用の細長い穴62は、入口導管の位置で約2インチ(約5.08センチメートル)であり、取入れパネル44の上部及び底部近くで幅が約4インチ(約10.16センチメートル)までテーパ形状を取る。
【0036】
クリーニング作業(例えば色変更作業の一部であってもよい)の間、ドアは完全に閉鎖され、ガンはブースから引込まれる(粉体はガン用の細長い穴に位置する空気ノズルによりガンの外部表面から除去される)と共にガン用の細長い穴のカバー機構60が用いられガン用の細長い穴を(以下で説明するように)閉鎖する。コンベア用の細長い穴のカバー52も全てのコンベアのフックが細長い穴を通過した後に閉じられる。続いて屋根40が降下し、粉体が除去されドアの表面から離れて下方に誘導され、取入れ用の細長い穴62及びサイクロン15内へと側方に引込まれる。屋根の降下前にノズル50を始動させることができる。
【0037】
屋根40が降下するにつれて、ブースの実効的な寸法が変化する。これによりサイクロン15内への空気流の動力学が変化する。粉体をブース内部から効率的に引込み続けるために、動作が取入れ用の細長い穴62を介した側方への回収モードから床の導管78を介した下方へのすなわち下降気流による回収モードへと変化する(図4A及び図4B参照)。この切換えはプレナム74内を移動する回収導管用の隔壁82を設けることにより行われる。隔壁82は屋根が降下している間屋根40とほぼ同じ速度で移動する。一実施形態では、隔壁82は回収導管のプレナム74の内部形状にほぼ対応する閉じた箱状の構造又は枠である。当該隔壁を例えばケーブル等の任意の適当な手段を用いて移動させることができる。隔壁82がサイクロン15の取入れ入口導管70に接近するにつれて、隔壁82はサイクロン15の入口を遮断する。バルクヘッド82がプレナム74内をさらに降下することを制限するようにプレナム74の内部に機械的な停止部84を設けてもよい。このようにサイクロンの入口70が遮断されると、床のバイパス導管78はカバー80を摺動させることにより開く。このことにより、床38に向かって下方に誘導される粉体がブースから床を通って、バイパス導管75内を通り、サイクロンのバイパス入口導管76(バンジョーと称されることもある)内を通って、アフターフィルター及び送風システム16に排出される。屋根が床に又は床近くまで降下した後、続いて屋根はブースの上部に上昇して戻り、隔壁82もプレナム74の上部に戻る。
【0038】
図4A及び図4Bに示す代替的な実施形態では、床の開口部78又はこの開口部78との組合わせの代わりに細長い穴79を主導管72の底部とフロア38との間に設けてもよい。この細長い穴79は回収導管のプレナム74と連通しており、下方に動く排出空気及び粉体が細長い穴79を介してプレナム74に入るようになっている。細長い穴79は常に開いているため、粉体を伴う排出空気もサイクロン15のバイパス入口76内へとバイパス導管75を介して選択的に回収可能である。例えば、屋根40及び隔壁82がまだブース12の上部にある場合、細長い穴79は回収導管74を介してサイクロンの入口70と連通する。しかしながら、入口70が遮断されるとバイパス導管のドア81を開き粉体が混入した排出空気がバイパス導管75内へと流入しバイパス出口15bに流入し、続いてアフターフィルターシステム16に流入するようにすることができる。ドア81はバイパス出口を開閉する簡単なプレートバルブ等の任意の便宜的な方法で実現することができる。空気圧式シリンダ又は手動操作を含む他の動力手段をサイクロンのバイパスを開閉するのに用いることができる。
【0039】
屋根40は、圧搾空気を収容すると共に、屋根に取着された空気ノズル50及びコンベア用の細長い穴の空気プレナム54、56が必要とするエネルギー及び空気を供給する1つ又は複数の蓄圧器86を支持していてもよい。別々の蓄圧器をドアの底部端に設けられた空気ジェット及びスプレーガン18の吹飛ばしノズルのための圧搾空気を供給するように用いることもできる。このように、ブースの内部表面をクリーニングするのに必要な全てのエネルギーは蓄圧器から供給されるため、市販の空気を常にクリーニング装置に用いる必要はない。蓄圧器を塗装又はクリーニング作業の間に補充することができる。このことにより、クリーニングのためのエネルギーが、種々のクリーニング用ノズル(屋根40のノズル50を含むがこれらに限定されない)を介して排出されるように一定の圧力で維持される。ガン、フロア及び屋根のノズルのための種々のクリーニング用ノズルは、例えば上述したように1.5秒毎等の適当な間隔で断続的に始動することができる。
【0040】
図5に、クリーニング及びスプレー作業のためのドア位置を概略的に示す(クリーニングのための閉位置のドアを実線で示す)。クリーニング中ドアは完全に閉鎖される。スプレー中、ドアは任意の都合のよい寸法で開放可能で、粉体の過剰噴霧を含む閉じ込め空気を適当な流れで維持することができる。一実施形態では、ドアは18インチ(45.72センチメートル)のすき間まで開かれる。ドアを任意の適当なアクチュエータ機構で開閉可能である。図2の実施形態では、空気圧式シリンダ90、92が左側のドアを開閉するのに用いられ、空気圧式シリンダにより駆動されるアーム94、96が右側のドアを開閉するのに用いられる。近接センサ(図示せず)又は他の適当な位置監視装置をドア位置を制御するように用いることができる。ドアが2つ以上の部分を有する大きなブースでは、各部分は図2Aに示すようにそれ自身の空気圧式駆動部材を有していてもよい。例えば上部32a及び下部32bを有するドアは、これらの2つの部分を1つのドアユニットとして動かすように共に動作することができる2つのアクチュエータ90a、90bを有するだろう。同様に右前方側ドア30a、30bはアクチュエータ96a、96bにより動かすことができる。
【0041】
図6にドアの取着に用いることができる抜差し蝶番46の一例を示すが、他の設計の蝶番を必要に応じて用いてもよい。この例では、蝶番46は回動ピン100を有する構造的な鋼鉄の抜差し蝶番の形態で形成されている。蝶番の一方のプレート102はドアに取着されると共に蝶番の他方のプレート104は適当な支持構造に取着される。ポリプロピレン又は他の適当な素材から成る部品106を蝶番の関節部46の内側の面に設けることもでき、当該部品はブース内部に面し、弾性のあるすき間用封止部として機能すると共にブースから粉体が逃散するのを防止する。
【0042】
図7、図8及び図9に、ガン用の細長い穴のカバー機構60の一実施形態を示す。ガン用の細長い穴のカバー機構60はガン用の細長い穴61を開閉するのに用いられる。ガン用の細長い穴が開いている場合、スプレーガンはスプレーブースの中へ移動することができると共にスプレーブースの外に移動することができる。ガンがクリーニング作業及び/又は色変更作業のために引込まれた場合、ガン用の細長い穴のカバー60は粉体がガン用の細長い穴を介して逃散することを防止するように位置する。ガン用の細長い穴は垂直方向に長さを有するため、必要に応じて複数のカバーを用いてもよい。
【0043】
ガン用の細長い穴のカバー機構60はボールと軌道とから成る構成116を用いてフレーム114に取着された可撓性カバー部材112を有する。カバー部材の中央部分118は、例えば空気圧式シリンダ122等により並進することができるピストン120の一端に取着される。プレート124はガイド用ボール128を支持する2つのボール用アーム126を支持する。ガイド用ボール128はカバー部材112に取着された通路130内を摺動する。ガン用の細長い穴を開くためには、ピストン120を外向きに押圧し中央部分118をブース内部に移動させるようにする。カバー部材112は、ボール128が、位置が固定された通路130に沿って摺動するにつれて内向きに曲がる2つの側部部分132を有する。この位置を図7に点線で示す。ピストンを引込む場合、カバー部材112は図7に示す位置に戻り、カバー部材112はガン用の細長い穴を閉鎖し滑らかな封止されたガン用の細長い穴パネル42を形成する。図8に示すように、ガン用の細長い穴の長さのために2つ以上の駆動機構を各カバーのために用いることができる。
【0044】
図10を参照すると、スプレーガンがスプレーブースの一方の側のみに位置するため、部品を2回スプレーする必要があることがある。図10には、2つのスプレーブース200、202を用いる材料塗布システムのための例示的な配置を示す。コンベア26が部品を双方のブースを通して輸送する。この例では、2つのアフターフィルター/送風システム16があり、それぞれが各サイクロンシステム15のためにあることに留意されたい。代替的な実施形態として、モータ又は他の適当な駆動機構にはコンベアシステムが設けられていてもよく塗装作業の間部品を回転するようにする。このことにより部品を1つのブース内で完全に塗装することができるだろう。完全に塗装するために部品を手動で再配置してもよい。
【0045】
図1、図11A及び図11Bを参照すると、スプレーガン18は通常、例えば材料供給用ホース、空気用ホース及び静電的なガンの場合には電気ケーブル等を含む1つ又は複数のホース及びケーブル305を有する。材料供給用ホースは、ガンから供給センター21まで延在する。電気ケーブルは電気制御コンソール(図示せず)までの実質的な距離を延びていなければならず、空気用ホースは通常供給用集合管又は他の圧搾空気発生源までの長さを延びる。通常の人間の身長よりも上方に位置するガンのための粉体供給ホースの場合には特に、ホースの長さはかなり長くなる可能性がある。このことは特に27フィート(8.23メートル)のブースの上部近くのガンに特に当てはまる。このホースの長さ分はかなり重く、ガン移動機及び振動装置にとってかなりの負荷に相当する。
【0046】
本発明の一特徴によれば、張力緩和のための構成を設けることができる。この概念では、ガン移動機及び振動装置により支持される負荷を制限すると共に同時に粉体塗装作業中にガンの全範囲での移動が可能となる機構が考慮されている。
【0047】
スプレーブース12の上部付近まで垂直に延びる1つ又は複数のホース用キャビネット300がガン18の後方に位置する。複数の張力緩和装置302がキャビネット300に取着される。この例示的な実施形態では、各スプレーガンに対して1つの張力緩和装置302があるが、一代替形態では各々が2つ以上のガンを収容可能な適当な寸法の張力緩和装置を形成するであろう。
【0048】
各張力緩和装置302は、支持シリンダ304及びホースのクランプ用バー306を有する。ホース及び(使用される場合は)電気ケーブル並びに空気用ホースは関連したスプレーガンから延び、ガン18とシリンダ304との間で所定の長さのたるみが設けられ、ガン移動機及び振動装置がガンを望み通りに自由に動かすことができるようになっている。ホース/ケーブルはシリンダ304の上部の上方に位置し、この場合クランプ用バー306がボルト308等の任意の都合のよい手段により固定されている。クランプ作用により、ホース及びケーブルの重量を、ガン18からクランプ用バー306に延びる部分を除いてガン及びガン移動機から分離する。このように、ホース及びケーブル全体の長さに関わらず、決まった所定の負荷をガン移動機で維持することができる。このことにより、さらにガンの後端に加わる力及びホース並びにケーブルの張力が軽減される。
【0049】
ホース及びケーブルは、緩和装置302からホース用キャビネット300内に延びると共に、必要とされるようなさらなる配線のために床領域に下りて延びる。シリンダ302はホースが自重によりつぶれるのを防止するのに十分な直径を有するべきである。配線されるホース及びケーブルの数及び寸法に応じて必要な複数のキャビネットを使用可能であることに留意されたい。
【0050】
図12に、本発明の他の特徴の簡単化された概略を示す。本発明者らはいくつかの場合に、渦流及び他の流れ効果により取り込み領域すなわちポケットが回収導管の内部プレナム74に発生し得ることを見出した。代替的な一実施形態では、内部プレナム350にはずれたすなわちシフトした細長い穴352が設けられる。内部プレナム350は粉体が混入した排出空気が細長い回収穴62及びサイクロン入口70を介してサイクロン15に入る導管であることを思い出されたい。ずれた又はシフトしたとは、細長い穴がプレナム350の中心軸X上に中心が一致していないことを意味する。さらに、細長い穴352は主プレナムシリンダ356に接続する接面又はテーパ面354に開く。この幾何学的形状により、プレナム350内で渦を巻き、サイクロンに幾分類似の作用が生じ、渦流及び取り込み領域すなわち「デッドスポット」を減少させる。
【0051】
図12の実施形態でも又は他の構成でも、導管機構内での空気流により完全にクリーニングされない面360があり得る。図13にこの可能性のある例外に対する一解決方法を示す。空気による吹飛ばし用マニホルド370が天井すなわち屋根40の一端に取着され、クリーニング作業の間屋根と共に移動するようになっている。吹飛ばし用マニホルド370は、例えば中空の複合的な押出成形品372の形態で実現することが可能で、圧搾空気376を対象の面360に誘導する1つ又は複数の空気ジェット、細長い穴又はポート374を設けることができる。
【0052】
圧搾空気を、屋根40により支持された蓄圧器86の1つ又は他の適当な発生源から吹飛ばし用マニホルド370に供給することが可能である。圧力調整装置378及びソレノイドバルブ380をマニホルド370への空気流を制御するように用いることができる。吹飛ばし用マニホルドは、屋根40がブース12を上下に移動させながら連続的に起動してもよく又はパルス動作させてもよい。
【0053】
図14A及び図14Bに、屋根40の構造体と共に用いることができるいくつかの追加の態様を示す。スプレー作業中等の屋根40が完全に上昇したいくつかの場合に、コンベア用の細長い穴のカバー52が閉鎖する前にノズル50をパルス動作させることが望まれる可能性がある。主としてケーブル400で支持される屋根40の安定性を維持するために、屋根の枠404からほぼ垂直方向に延在する安定化装置402が設けられる。これらの安定化装置402は、屋根40が上昇した場合に安定化装置用通路406内に摺動可能に収容される柱、バー又は他の適当に強度があり硬い部材であってよい。安定化装置用通路406は全体の枠構造体22に堅く取着されることでノズル50の衝撃力に抗しても屋根40を安定に保持する。
【0054】
屋根40の構造体は、さらにローラ410を支持している。これらのローラ410は、屋根40が上昇降下するときに、屋根40とブースのドアの内部表面との間の狭いすき間の橋渡しをし、これにより屋根40を安定化させると共に屋根40を中心に保ち、ノズル50がパルス動作している間の極端な動作を防止する。閉鎖されたカバー52(図3)がさらにクリーニング作業中に屋根40の安定化を促進する。ローラ410には、ローラに粉体が付着するのを防止するブラシ(図示せず)が設けられていてもよい。ローラ410はノズル50の上方に位置するため、ローラが接触する表面は清浄であり粉体を壁面に押圧しない。
【0055】
本発明は、本発明を実施するために考慮される最良の形態として開示される特定の実施形態に限定されず、本発明は添付の特許請求の範囲の範囲内に入る全ての実施形態を包含する。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の複数の特徴を用いた粉体スプレーシステムの立面斜視図である。
【図2】分かりやすくするために過剰噴霧の回収システムが省略された図1のシステムの平面図である。
【図2A】点検位置のドア位置を例示的且つ非限定的に示す図1のスプレーブースを示す図である。
【図2B】塗装又は作業位置のドア位置を例示的且つ非限定的に示す図1のスプレーブースを示す図である。
【図2C】クリーニング位置のドア位置を例示的且つ非限定的に示す図1のスプレーブースを示す図である。
【図3】本発明による天井構造物すなわち屋根の平面図である。
【図3A】図3の3A−3A線に沿った断面図である。
【図4A】本発明による粉体回収導管及びブースの細長い穴を立面図で示す簡単な説明図である。
【図4B】本発明による粉体回収導管及びブースの細長い穴を斜視図で示す簡単な説明図である。
【図4C】図4Bで円で囲んだ取入れ用の細長い穴の部分の拡大図である。
【図5】ドアを開位置及び閉位置で示す図1のスプレーブースの平面図である。
【図6】図1のスプレーブースのドアのための可撓性封止部の拡大図である。
【図7】本発明によるガン用の細長い穴のカバーの詳細な平面図である。
【図8】図7のガン用の細長い穴のカバー及び駆動機構の斜視図である。
【図9】図7のガン用の細長い穴のカバー及び駆動機構の拡大平面図である。
【図10】二つのブースから成る材料塗布システムの平面配置図である。
【図11A】ガンが伸張された位置で示されたホース及びケーブルの張力緩和機構を示す図である。
【図11B】ガンが引込まれた位置で示されたホース及びケーブルの張力緩和機構を示す図である。
【図12】回収導管の代替的な幾何学的構成を示す図である。
【図13】導管の吹飛ばしの構成を示す簡単な概略図である。
【図14A】屋根が完全に上昇した、図1に示すブースのための屋根構造物のさらなる詳細を示す図である。
【図14B】屋根がほぼ完全に上昇した、図1に示すブースのための屋根構造物のさらなる詳細を示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に粉体塗装材料塗布システム及びプロセスで使用可能であるような粉体塗装ブースに関する。特に本発明は、例えば長い押出成形品等の細長い物体のための粉体塗装材料塗布システム、ブース及びプロセスに関する。
【0002】
[関連出願]
本出願は、粉体塗装ブース(POWDER COATING BOOTH)に関する2005年9月19日に出願された米国仮特許出願第60/718,379号の優先権を主張し、当該出願の開示内容の全体は本参照により本明細書中に完全に援用される。
【背景技術】
【0003】
粉体塗装材料は、通常、スプレー塗布装置及びプロセスにより物体又は作業品に塗布される。これらのスプレー塗布装置及びプロセスは既知のように静電的なプロセス及び非静電的なプロセスを含んでいる。粉体塗装材料のスプレーによる塗布は、過剰に噴霧された粉体を閉じ込めると共に回収するのに用いられるスプレーブース内でよく行われる。粉体の過剰噴霧は、ブースから回収することが可能で、供給センターに再使用のために再循環して戻しても又はそうでなければ廃棄してもよい。任意の粉体塗装システムのより重要な側面の1つは、粉体交換作業及び関連するシステムの停止時間並びにそのような切換えに伴う労働である。例えば、塗布される粉体の色を変更する必要がある場合、次の色が塗布可能となる前にシステム全体をクリーニングすると共に使用直後の色の除去を行わなければならない。このことはスプレーガン、供給ホース及び最も重要にはスプレーブースのクリーニング及び洗浄に関わる。長さが最大約27フィート(約8.23メートル)以上に及ぶ可能性がある押出成形品のような長い物体は、それらの物体への粉体の塗布に関する独特の困難がある。過剰に噴霧された粉体を適切に閉じ込めるために高いスプレーブースが必要とされるためである。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様によれば、粉体スプレーブースは長い部品、物体又は作業品を収容することが考慮される。一実施形態では、ドアのうち1つ又は複数が他のドアに対して動くように蝶番接続された複数のドアが設けられているスプレーブースが提供され、さらにドアは実質的にブースの壁構造体である。特定の実施形態では、ブースは4つの蝶番接続されたドアを有し、ブースの垂直方向の高さは、20フィート(6.096メートル)よりも高い。本発明の他の態様によれば、ブースは垂直方向の寸法が長さ方向に沿った寸法よりも約3倍大きい(ここで長さ方向の寸法とは、粉体の塗布プロセスの間ブースを通過する部品の移動の軸を指す)。
【0005】
本発明の他の態様によれば、粉体スプレーブースは選択的に開閉可能な1つ又は複数のガン用の細長い穴を組込んでいることが考慮される。一実施形態では、ガン用の細長い穴のカバーが提供され、当該カバーは粉体塗布プロセス中に用いることができるガン用の細長い穴の開位置と、クリーニング及び粉体交換作業中に用いることができるガン用の細長い穴の閉位置との間を動くことができる。特定の一実施形態では、ガン用の細長い穴のカバーは、当該ガン用の細長い穴を開くように曲がると共に当該ガン用の細長い穴を覆うように緩和する空気圧で駆動される可撓性部材の形態で実現することができる。
【0006】
本発明の他の態様によれば、粉体スプレーブースでは、当該スプレーブース内でブースの内部表面をブースの可動な構成部材から供給される圧搾空気によりクリーニングすることができることが考慮される。一実施形態では、スプレーブースは屋根すなわち天井構造物を有し、当該屋根は粉体塗布プロセス中に用いられる第1の位置すなわち上昇位置から、クリーニング及び粉体交換中に用いられる第2の位置すなわち降下位置へと降下しながらブースの内部表面に対して圧搾空気を誘導する。特定の一実施形態においては、屋根は例えばブースの内部表面に圧搾空気を誘導するノズル等の複数の圧搾空気用装置を支持する。空気は、そのような装置に例えば可動な屋根の上部に支持された1つ又は複数の蓄圧器すなわち空気タンクにより供給することができる。ブースの壁構造体として蝶番接続されたドアを用いる別の実施形態では、ドアのうち1つ又は複数は粉体をブースの床から除去するための圧搾空気装置をさらに支持していてもよい。
【0007】
本発明の他の態様によれば、粉体スプレーブースは、ブースの内部表面から過剰に噴霧された粉体を除去するための圧搾空気装置を有することが考慮される。一実施形態では、圧搾空気の形態で内部表面から粉体を除去するのに用いられるクリーニング用エネルギーは、1つ又は複数の蓄圧器から発生する。より詳細な実施形態においては、圧搾空気の発生源は断続的に始動され噴射空気がスプレーブースの内部表面に誘導される。このことによりスプレーブースの内部表面から過剰に噴霧された粉体を除去する圧力波が発生する。
【0008】
本発明の他の態様によれば、粉体スプレーブースが圧搾空気装置及びブース内への排出空気流の組み合わせによりクリーニングされ、排出空気はスプレーブースの内部表面から粉体を除去するのを補助することが考慮される。一実施形態では、スプレーブースの内部表面に近接して離間した位置関係を取る天井構造物が提供される。天井構造物と内部表面との間には、すき間が設けられ、排出空気が当該すき間を通してスプレーブース内に引込まれると共に内部表面の粉体粒子に対してせん断力を加え当該粉体粒子を除去する。天井構造物は、内部表面に圧力波の形態で大容積の圧搾空気を誘導する圧搾空気装置をさらに支持していてもよい。特定の実施形態では、天井構造物はスプレーブース内で上昇降下させることができる。本発明では、このような装置で具体化されるクリーニング方法、特にクリーニング用のエネルギーの一部のためにブース内への排出空気流を用いると共に断続的に加えられる圧力波を用いるステップを含むスプレーブースの内部表面をクリーニングするための方法がさらに考慮される。
【0009】
本発明の他の態様によれば、ホースの張力の緩和機構が提供される。ホースの張力の緩和の概念は1つ又は複数の可撓性ホースを用いる任意の材料塗布システムでの用途を有する。本明細書内の例示的な実施形態で述べるような細長い部品のためのスプレーブースの状況では、ホースの張力の緩和の特徴は、特にスプレーブースの上部領域に延びる非常に長く重いホースを理由として有用である。
【0010】
本発明の他の態様によれば、クリーニング装置及び粉体スプレーブースのための関連する方法では、2つのモードで動作することが考慮される。一方のモードは側方への回収すなわち抽出のモードであり、他方のモードは下方への回収すなわち抽出のモードである。一実施形態において、ブース内部を上昇降下可能な屋根構造物を有するスプレーブースが設けられると共に、スプレーブースは、垂直な細長い穴及び床の導管を介してブース内部と接続している粉体回収システムをさらに有する。屋根が上方位置にある場合、過剰に噴霧された粉体は表面から除去され垂直方向の細長い穴内へと引込まれ、粉体回収装置内へと引込まれる。一実施形態では、回収装置はサイクロン装置であってもよい。屋根が降下するにつれて、粉体抽出プロセスは床の導管を介しての粉体の過剰噴霧の抽出に切替わる。一実施形態ではこの切換えは屋根と共に移動する、垂直な回収導管内を移動する隔壁を設けることにより実現することができる。屋根が所定位置に到達すると、隔壁は垂直な細長い穴から回収導管を遮蔽すなわち分離し、床の導管が開く。他の実施形態では、回収導管に隣接した床の細長い穴を用いる。
【0011】
本発明では、上述の構造を用いて具体化され及び/又は本明細書で以下で詳細に説明するこのような構造を用いて実行することができる種々の方法がさらに考慮される。
【0012】
本発明のこれらの及び他の態様並びに利点は本明細書の以下の詳細な説明及び添付の図面から容易に理解されると共に認められるだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1に、スプレーブース12と、過剰に噴霧された粉体の回収システム14と、アフターフィルター及び送風システム16と、複数の塗布装置18と、ガンの装着及び移動機システム20と、全体構造の支持枠構造体22(分かりやすくするために種々の図面に部分的にのみ示す)とを有する粉体塗装材料塗布システム10を示す。塗布装置18は、オハイオ州ウェストレイクのノードソンコーポレーションから入手可能なSURE−COAT(商標)スプレーガンを含む、任意の数のスプレーガンの設計から選択可能である。スプレーブース12内の物体すなわち作業品に塗布する材料の補充材料を収容する供給センター21を設けてもよい。供給センター21は、塗布装置18に材料を供給するための適当なポンプ及びホースと共に、例えば任意の数のホッパ、箱又は他の粉体容器を収容していてもよい。制御システム(図示せず)への適当な作業者用インタフェース24を、スプレーガン18、粉体回収システム14、スプレーブース12及びガン移動機システム20の動作を制御するのに設けてもよい。制御システム及び作業者用インタフェース24は、当業者に既知の任意の数の既知の制御システムの構成概念から選択してもよく又は特定のシステムのために特別に設計してもよい。ガン移動機システム20は、スプレーガンをスプレーブース12から伸張すると共にスプレーブース12へ引込むように用いることができ、スプレー作業中にガンを上下に振動させて動かすように用いることもできる。
【0014】
例示的な実施形態では、過剰に噴霧された粉体の回収システム14はサイクロンシステム15の形態で実現可能であるが、他の回収システムの設計を用いることもできる。送風及びアフターフィルターシステム16は、スプレーブース内部からサイクロン15の入口導管に引込まれる実質的に粉体が混入した排出空気流の形で、サイクロン回収システムの動作に必要なエネルギーを供給する。回収システムにより発生する空気流はまた、閉じ込め空気と称されることもある、スプレーブース12内へのそしてスプレーブース12を通る実質的な空気流も発生させる。閉じ込め空気流は、過剰に噴霧された粉体のスプレーブース12の外への損失を防ぐ。本明細書における実施形態では、サイクロンシステム15はツインサイクロンシステムであるが、代替的にシングルサイクロンを用いてもよい。例示的な実施形態では粉体は、粉体が再使用される場合に通常行われるようにサイクロンの出口15aから回収されるか、又は代替的にブース12から抽出されバイパス出口すなわち導管装置15bを介してアフターフィルターシステム16へと通過することもできる。
【0015】
サイクロン15は、垂直な主導管構造(72、図2を参照)の第1の導管又は回収導管若しくはプレナム74と連通するサイクロンの入口70(図2、図2A)を有する。サイクロン15は、バイパス出口導管15bと連通しさらに主導管72内に設けられた第2の導管又はバイパス導管若しくはプレナム75と連通するバイパス導管の入口76も有する。代替的にバイパス導管75及び回収導管74は、別々の構造物であってもよい。バイパス装置は、抽出された粉体の行き先に応じて開閉するバイパスドア(以下参照)を有していてもよい。本明細書で以下により詳細に説明するように、隔壁が回収導管74内に設けられ、当該隔壁は特定条件下でサイクロンの入口70を遮断し、バイパスドアが開くと抽出された粉体がバイパス導管75及びバイパス出口15bを介してアフターフィルター16に向かうことでサイクロン15を迂回するようにする。
【0016】
本明細書で本発明の種々の概念、態様及び特徴を、例示的な実施形態の組合わせで具体化されるか又は用いられているように説明し図示する一方で、これらの種々の概念、態様及び特徴は、多くの代替的な実施形態で個別に又はこれらの実施形態の種々の組合わせ及びサブ組み合わせで実現することもできる。本明細書でこのような全ての代替的な実施形態を特段除外しなければ、組合わせ及び副組合わせは本発明の範囲に入ることが意図されている。その上さらに、代替的な素材、構造、構成、配置、方法、装置、ソフトウェア、ハードウェア、制御ロジック等の本発明の種々の態様及び特徴についての種々の代替的な実施形態を本明細書で説明する可能性があると共に、そのような説明は既知であろうと後になされようと、実施可能な代替的な実施形態の完全なすなわち包括的なリストであることを目的としていない。当業者は、追加的な実施形態が本明細書で明示的に開示されていなくても、本発明の態様、概念又は特徴の1つ又は複数を本発明の範囲内でそのような追加的な実施形態に容易に適合させることができる。加えて、本発明のいくつかの特徴、概念又は態様を本明細書で好適な構成又は方法であると説明することがあっても、このような説明はそのような構成又は方法が特段明示して断りのない限り必要とされるか又は必要であることを示唆することを目的とするのではない。さらにまた、例示的な又は代表的な値及び範囲は本発明を理解する上で助けとなるように含まれているが、このような値及び範囲は限定的な意味で解釈するべきではなく、明示した場合に限り重要な値又は範囲であることが意図される。
【0017】
図1の近似的なスケールから、スプレーブース12はその長さの数倍の高さすなわち垂直方向の寸法を有することに留意されたい。一例では、スプレーブース12は約27フィート(約8.23メートル)の高さであると共に約10フィート(約3.048メートル)の長さである。ここで、「長さ」とは作業物、部品及び物体Wが粉体で塗装されるためにスプレーブース12を通って移動する距離を意味する。このように、本発明ではスプレーブースの高さの長さに対する比が少なくとも約2対1そして約3対1以上に及ぶことが考慮される。このことにより、スプレーブースを押出し成形品等の長い物体を粉体で塗装するために用いることできるが、ブースは、寸法がブースを縦断して収容できる任意の物体をスプレー塗装するために用いることもできる。ブース12の高さのため、構造的な枠構造体22は、スプレーガン18とガンの支持及び移動機システム20をメンテナンスする必要がある作業者を支持可能なプラットフォーム(図示せず)を有していてもよい。天井コンベア26(部分的に図示する)をスプレー作業の間、部品をブースを縦断して搬送するのに用いることができる。
【0018】
本明細書で以下でより詳細に説明するように本発明には多くのそして種々の態様及び概念がある一方で、これらの概念のうち2つははじめに特に留意すべきである。第1の概念は、ブースの内部表面をクリーニングするための方法及び装置に関する。基本的な考え方は、粉体の過剰噴霧を除去するのに圧搾空気を当てるだけではなく、回収システムによりスプレーブース内に引込まれる実質的な空気により供給されるエネルギーも用いることである。この空気流は閉じ込め空気、排出空気又はこれらの組合わせと考えることができる。本発明によれば、クリーニング作業の間、この空気流は内部表面に隣接するいくぶん狭いすき間を通して引込まれ、表面に対する空気のせん断力を発生する。この力は、表面から粉体の過剰噴霧を除去するだけでなく除去された粒子に大きな運動エネルギー及び運動量を与え、これらの粒子が内部表面からの他の粉体粒子にさらに衝突し得る。上記のすき間を介するブース内への実質的な空気流を使用することに関連して、圧搾空気を圧力波の形態で内部表面に対して断続的に用いることも可能である。このエネルギーによっても、粉体の過剰噴霧が内部表面から除去される。以下で説明する例示的な実施形態では、排出空気及び圧力波を用いるこれらの2つのクリーニングの概念は、組合わせて用いられ、圧搾空気のノズルを支持すると共に内部表面に隣接する上述のすき間を設ける屋根等の可動な構造物を用いることにより実現される。ノズルは断続的に始動し圧力波を発生させ、例示的な実施形態における圧搾空気源は、圧搾空気塊を貯蔵する1つ又は複数の貯蔵タンクすなわち蓄圧器でよい。
【0019】
留意すべき第2の概念は、最初はブースの高さに沿って延びる垂直な細長い穴内への側方への抽出によりブースの内部から粉体の過剰噴霧を除去するという考え方である。この場合、細長い穴はサイクロン等の回収システムの入口に開く。可動な屋根をスプレーブースの内部表面をさらにクリーニングするのに用いることができ、当該屋根が降下するにつれて、粉体の過剰噴霧の抽出は、側方への抽出からブースの底部の導管又は細長い穴を介する下方への抽出へと移行する。例示的な実施形態では、この移行は屋根が所定位置に接近した場合にサイクロンの入口を遮蔽すなわち閉鎖すると共に、ブースから引出される粉体の過剰噴霧のサイクロンのバイパス導管内への及びアフターフィルターシステムへの流路を開くことにより生じる。
【0020】
スプレーブース12は、ほぼひし形形状であってもよいが当該ひし形の2つの頂点は図2から明らかとなるように幾分先端が切取られている。図2は、基本的なシステム10の平面図である(アフターフィルター及び送風システム16と屋根と枠構造体22のいくつかはわかりやすくするために省かれている)。
【0021】
続いて図2及び図2A〜図2Cを参照すると、例示的なスプレーブース12は4つのドア30、32、34、36を有し、これらのドアは蝶番接続されているか又はそうでなければ構造的な枠構造体に取着され容易に開閉し得る。スプレーブース12は実質的にこれら4つのドア、床38及び可動な屋根すなわち天井構造物40により画定されている。右前方ドア30はガン用の細長い穴パネル42の一側面に蝶番接続され、左前方ドア32は回収導管取入れパネル44の一方の側面に蝶番接続されている。右後方ドア36はガン用の細長い穴パネル42の反対側面に蝶番接続され、左後方ドア34は回収導管パネル44の反対側の側面に蝶番接続されている。前方及び後方という用語は、便宜のため移動する部品がそれぞれ出入りする、ブースの長さ方向の端を指す。ブースを通る移動方向は逆転することができることを理解されたい。左及び右という用語も単に図面を参照する場合の便宜である。ドアの長さのために、ドアは図1及び図2A〜図2Cに最もよく示すように上方部分と下方部分とを有する複数部品構成であってもよい。このように、ひし形の一頂点の先端を切取る短い(長さ方向の)ガン用の細長い穴パネル42及びひし形の対向する頂点を切取る短い(長さ方向の)取入れパネル44を除くと、ブース12は主として4つの蝶番接続されたドアにより画定され、各々のドアは2つの(上部及び下部の)部分を有する垂直な壁構造体を有する。このことは、通常ブースの端にドア構造を有するがそれ以外ではブースの構成を画定する垂直な固定壁を有する従来のブースと明確に対照的である。
【0022】
蝶番接続されたドア30、32、34、36は各々ノードソンコーポレーションによりアポジパネル構造物として販売されているような発泡材のコアパネル及びゲルコートの内面を有する複合素材から形成されてもよい。他のドア構造を必要に応じて代替的に用いてもよい。ドアは、本明細書でさらに述べるように抜差し蝶番46を用いて取外し可能に取着してもよく又は必要に応じて他の適当な蝶番設計でもよい。このように、スプレーブースの垂直な壁構造体は主としてドアにより画定される。
【0023】
屋根40も複合パネルから形成されていてもよく、ほぼ対応するひし形形状の外周を有する(ドアが閉鎖されている場合にブースの平面形状にほぼ対応する)が、コンベア用の細長い穴48が設けられている(図2A)。屋根40は上部フレームを有し(404、図14A、図14B)、当該上部フレームは一連のケーブル又は他の適当な機構により支持され、屋根がスプレーブース内で水平に上昇降下することができるようにされている。屋根40は、材料の塗布又は塗装作業中にその最高位置(図2A)にあり、クリーニング又は色変更作業中に床近く(図4A参照)まで降下させることができる。屋根40はドアが完全に閉鎖された場合(図13)、上記のほぼ対応する外周はドアの表面と側方の狭い空間距離すなわちすき間を形成し、当該空間距離は例えば約2インチ(約5.08センチメートル)であるような寸法である。この狭い空間距離は、粉体回収システム14によりブースに引込まれブースを通る排出空気の発生源を同時に動作させる間、粉体の過剰噴霧を封じ込める助けになる。さらに説明するように、屋根/ドアのすき間を介する実質的な空気流もドアの内部表面をクリーニングするのに用いることができる。
【0024】
図3に、屋根40のパネル構造の平面図を示す。屋根40は、当該屋根の全周にわたって延在するか(図3では全てのノズルは図示されていない)又はドアの内部表面を完全にクリーニングするのに少なくとも十分な間隔及び位置で延在する一連の空気ノズル50を支持する。屋根40はさらに、蝶番接続され手動で又は適当なアクチュエータの動作により上下することができるようにすることが好ましいコンベア用の細長い穴のカバー52を有している。カバー52は、スプレー作業のためにその垂直位置まで上げられ、吊下げコンベアが細長い穴48を通過できるようにする。しかしながら、クリーニング及び/又は色変更作業の間、カバー52はその閉鎖位置に下げられる。図3Aに、さらに屋根が2つの空気導管54、56を有していてもよく、これらの導管はコンベア用の細長い穴48の各側に沿って長手方向に延びブース内への空気流を供給し、粉体がコンベア用の細長い穴48を介して逃散することを防止するようにするところを示す。以下で説明するように、導管54、56は圧搾空気の適当な発生源と結合していてもよい。
【0025】
本明細書で上述したように、屋根40は枠構造(404、図14参照)を有していてもよく、当該枠構造はウィンチ駆動されるケーブル400により支持可能で屋根40をクリーニング作業の間上昇降下させることができる。屋根は基本的には2部分構造であるため、閉鎖されたカバー52により、特にノズル50が断続的に始動する場合、屋根がブースを上昇降下して移動するとき屋根部分の安定化が促進される。屋根の枠404はさらに、大容積の圧搾空気を導管54、56及びノズル50に供給する空気タンク(86、図14A)又は蓄圧器等の圧搾空気の発生源又は貯蔵部を支持する。このように、タンク86によりエネルギー/容積の貯蔵システムが形成され、ノズル50が始動した場合に大容積の圧搾空気を供給することでブース12の内部表面に誘導される大容積空気の圧力波を発生する。クリーニング作業中、供給ホースがタンク86に接続され、これらのタンク86に補充を行う。
【0026】
図2A〜図2C及び図4A、図4B(図4A、図4Bは、サイクロン/ブースの連結部の単純化した概略図である)に最もよく示すように、サイクロン15はブース12の高さを延びる主導管72を介してスプレーブース12と連結している。導管72は、断面が複数に分かれると共に取入れパネル44に形成されたブースの取入れ用の細長い穴62と連通する内部の回収プレナム74を有している。プレナム74は、さらにサイクロンの入口70と連通している。粉体の過剰噴霧は、スプレーブース12から細長い穴62を介してプレナム74内へと側方へと引込まれ、サイクロンの入口導管70を介してサイクロン15内へと通過する。スプレー塗装作業の間、屋根40はブース12の上部に位置している。取入れ用の細長い穴62はブース12の高さ全体に沿って垂直方向に延びている。
【0027】
本明細書で以下でさらに詳細に説明するように、床38は選択的にスライドカバー80で開閉可能なバイパス開口部78を有していてもよい。クリーニング作業の間、屋根40がサイクロン入口領域に向けて降下するにつれて、粉体の過剰噴霧はブース12の内部表面から除去され回収のために取入れ用の細長い穴62内及びサイクロン内へと引込まれる。屋根40が、サイクロンの入口70が隔壁82により遮られる位置(図4A参照)に降下すると、バイパス開口部78が開くと共にサイクロン15の上方のバイパス入口76に接続する垂直なバイパス導管75(図4A参照)と連通し、粉体が混入した排出空気がサイクロンを迂回しアフターフィルター及び送風システム16に輸送される。隔壁82はクリーニング作業中回収導管74内を屋根40の速度と同速度で垂直方向に移動する。しかし、隔壁82がサイクロン15への入口と面してこれを遮る位置に達すると、屋根40がクリーニング作業中に降下し続けても、隔壁82がポジティブストップによりさらに降下することが防止される。サイクロンの入口が隔壁82により遮断された場合、バイパス開口部78が開き、粉体は開口部80を通ってバイパス回収導管75に流入し、サイクロンのバイパス導管15bを介してアフターフィルター及び送風システム16に流れる。
【0028】
ガン用の細長い穴パネル42からほぼ離れるように回収用取入れ用の細長い穴62に向けて延びるドア30、36には、これらの底部端に沿って空気ジェット(図示せず)が設けられてもよく、床に降下する粉体を回収システムの取入れ用の細長い穴62に向けて誘導するようにする。圧搾空気のタンク又は蓄圧器(図示せず)を、ブースの床の下方又はドアの空気ジェットに大容積の圧搾空気を供給するのに便利な他の位置に配置してもよい。本発明の一態様によると、過剰噴霧の塗装材料を、ブースの内部表面から屋根上のノズル、ドア、ガン式吹飛ばしノズル等により除去するのに必要とされるエネルギーの全ては、大容積の圧搾空気の形態でエネルギーを貯蔵でき使用に供することができるように蓄圧器により供給することができる。蓄圧器は、スプレー塗装作業中補充することができるが、屋根40上の蓄圧器86は、以下でさらに説明するようにクリーニング作業中定期的に補充される。
【0029】
ドア30、32、34、36は、クリーニング作業のモード中、図2におけるように完全に閉鎖される。ドアが完全に閉鎖されると、ドアは屋根40の外周を近接して取囲み(例えば側方に約2インチ(約5.08センチメートル)のすき間で)、屋根のコンベア用の細長い穴のカバー52が閉じて、粉体の過剰噴霧をブースの内部表面から取除くことができると共にブース内に閉じ込め、ブースから逃散せずむしろ回収システム内に回収する。ガン用の細長い穴のカバー装置60(図2及び図7〜図9を参照する以下の解説)も閉じ、粉体がガン用の細長い穴61を介して逃散するのを防止する。コンベア用の細長い穴のカバー52が閉じる前及び/又は後に屋根のノズル50がブース表面の上部の粉体を除去するように始動してもよい。
【0030】
屋根40を降下させ、当該屋根と共に移動する空気ノズル50を用いて、ドアの内部表面から粉体を除去する。この例示的な実施形態では、ノズル50は断続的に始動し、約100psi(689500Pa)の約1.5秒間の空気ブラスト等の圧力波をブース表面に誘導する。蓄圧器86は屋根の枠に取付け可能な寸法であり屋根40と共に移動する。したがって、蓄圧器86は特には大きくない。例えば、蓄圧器86は約60ガロン(約227.1リットル)の寸法が取られ、ノズル50を介した各放出サイクルは蓄圧器86内に蓄えられた圧搾空気のエネルギーの大きさを実質的に減少させる。例示的な実施形態では、蓄圧器86を補充するのに約8秒かかり、ノズル50は屋根が降下するにつれて断続的に始動されすなわち約1.5秒動作して約8秒動作しないサイクルを行う。屋根の降下速度は蓄圧器の補充速度と均衡が取られ、屋根40の降下中常に表面の効果的なクリーニングが維持されるように圧力又は容積の損失はないようにされる。
【0031】
クリーニング及び塗装作業の間、アフターフィルターシステム16はサイクロン15を介して常にブース12内に排出空気を引込む。クリーニング作業の間、この排出空気は主として屋根40の外周とドア30、32、34、36の内部表面との間のすき間を介して屋根の降下中常にブース12に流入する。図4Aを参照すると、この高速の空気流によりドアの内部表面から粉体粒子を除去するせん断力が発生する。このせん断力は、蓄圧器86が補充されている8秒の各間隔の間に内部表面に加えられる唯一のクリーニング力である。ノズル50は、高圧空気の各1.5秒間の始動で約2フィート(約0.6096メートル)の距離で有効な圧力波を発生させる。したがって、クリーニング作業中の屋根40の降下速度は、内部表面から粉体をブラストするノズル50の効果的な使用と、さらにこれらの表面から粉体を除去する排出空気の高い速度とを均衡させるように選択することができる。一実施形態では、屋根は約8〜10フィート/分(約2.438〜3.048メートル/分)で降下することができ、当該屋根は上部に約30フィート/分(9.144メートル/分)で引戻される。
【0032】
屋根及びドアの内部表面との間のすき間の寸法を排出空気により発生する空気流及びせん断力を制御するように用いることができる。アフターフィルターシステム16は相当な体積の排出空気を引込むことができるため、すき間は、屋根の端部への圧力水頭により屋根の組立体に過大な張力又は応力が生じる位小さくすることはできない。典型的なすき間の範囲は約1.5インチ(約3.81センチメートル)から約2インチ(約5.08センチメートル)であり得る。実際に用いられるすき間は、ブースの寸法、排出空気流の特性、必要なクリーニング時間、ノズル50により周期的に発生する圧力波の有効性及び望ましい降下速度により決定されるだろう。
【0033】
大部分のクリーニング作業を行うのに排出空気を用いることは、必要とされる圧搾空気の量を低減することが可能なため、コスト上の大きな利益がある。一実施形態では、屋根とドアとの間のすき間を通過する排出空気により加わるせん断力は、ブース12の内部表面をクリーニングするのに必要なエネルギーの約半分を与える。このことは、そうでなければ用いざるを得なかったであろう圧搾空気の(又はワイプ動作等の他のクリーニング技法)の相当な節減に相当する。
【0034】
ノズル50を介して周期的に加えられる短時間だが高速度の圧力波により、クリーニングされる表面から粉体粒子が除去されるだけでなく、当該除去された粒子に、他の粒子に衝突して当該他の粒子を除去するのに十分なエネルギーを分配する。本明細書における例示的な実施形態では、圧力波は約2フィート(約0.6096メートル)の有効領域を有し、そのため、ノズル50は断続的に始動可能で、圧搾空気の一定流を発生させる必要がない。圧力波は静電的な帯電又は衝突による融合を生じない。
【0035】
粉体が混入した排出空気は、サイクロンの入口導管70等の回収システム14内に、例えば、床からブースの上部まで垂直に延びる取入れ用の細長い穴62を介して引込まれる。この例ではサイクロンの入口導管70は床38とブースの上部との間のおよそ中間に位置し、取入れ用の細長い穴62はその長さに沿って幅が変化してもよく、サイクロンの入口導管70の近くでより狭く、上部及び底部でより広い(図4A、図4B及び図4C参照)。このことにより、ブースの高さ全体に沿った取入れ用の細長い穴62内への空気流がかなり一様になる。例えば、取入れ用の細長い穴62は、入口導管の位置で約2インチ(約5.08センチメートル)であり、取入れパネル44の上部及び底部近くで幅が約4インチ(約10.16センチメートル)までテーパ形状を取る。
【0036】
クリーニング作業(例えば色変更作業の一部であってもよい)の間、ドアは完全に閉鎖され、ガンはブースから引込まれる(粉体はガン用の細長い穴に位置する空気ノズルによりガンの外部表面から除去される)と共にガン用の細長い穴のカバー機構60が用いられガン用の細長い穴を(以下で説明するように)閉鎖する。コンベア用の細長い穴のカバー52も全てのコンベアのフックが細長い穴を通過した後に閉じられる。続いて屋根40が降下し、粉体が除去されドアの表面から離れて下方に誘導され、取入れ用の細長い穴62及びサイクロン15内へと側方に引込まれる。屋根の降下前にノズル50を始動させることができる。
【0037】
屋根40が降下するにつれて、ブースの実効的な寸法が変化する。これによりサイクロン15内への空気流の動力学が変化する。粉体をブース内部から効率的に引込み続けるために、動作が取入れ用の細長い穴62を介した側方への回収モードから床の導管78を介した下方へのすなわち下降気流による回収モードへと変化する(図4A及び図4B参照)。この切換えはプレナム74内を移動する回収導管用の隔壁82を設けることにより行われる。隔壁82は屋根が降下している間屋根40とほぼ同じ速度で移動する。一実施形態では、隔壁82は回収導管のプレナム74の内部形状にほぼ対応する閉じた箱状の構造又は枠である。当該隔壁を例えばケーブル等の任意の適当な手段を用いて移動させることができる。隔壁82がサイクロン15の取入れ入口導管70に接近するにつれて、隔壁82はサイクロン15の入口を遮断する。バルクヘッド82がプレナム74内をさらに降下することを制限するようにプレナム74の内部に機械的な停止部84を設けてもよい。このようにサイクロンの入口70が遮断されると、床のバイパス導管78はカバー80を摺動させることにより開く。このことにより、床38に向かって下方に誘導される粉体がブースから床を通って、バイパス導管75内を通り、サイクロンのバイパス入口導管76(バンジョーと称されることもある)内を通って、アフターフィルター及び送風システム16に排出される。屋根が床に又は床近くまで降下した後、続いて屋根はブースの上部に上昇して戻り、隔壁82もプレナム74の上部に戻る。
【0038】
図4A及び図4Bに示す代替的な実施形態では、床の開口部78又はこの開口部78との組合わせの代わりに細長い穴79を主導管72の底部とフロア38との間に設けてもよい。この細長い穴79は回収導管のプレナム74と連通しており、下方に動く排出空気及び粉体が細長い穴79を介してプレナム74に入るようになっている。細長い穴79は常に開いているため、粉体を伴う排出空気もサイクロン15のバイパス入口76内へとバイパス導管75を介して選択的に回収可能である。例えば、屋根40及び隔壁82がまだブース12の上部にある場合、細長い穴79は回収導管74を介してサイクロンの入口70と連通する。しかしながら、入口70が遮断されるとバイパス導管のドア81を開き粉体が混入した排出空気がバイパス導管75内へと流入しバイパス出口15bに流入し、続いてアフターフィルターシステム16に流入するようにすることができる。ドア81はバイパス出口を開閉する簡単なプレートバルブ等の任意の便宜的な方法で実現することができる。空気圧式シリンダ又は手動操作を含む他の動力手段をサイクロンのバイパスを開閉するのに用いることができる。
【0039】
屋根40は、圧搾空気を収容すると共に、屋根に取着された空気ノズル50及びコンベア用の細長い穴の空気プレナム54、56が必要とするエネルギー及び空気を供給する1つ又は複数の蓄圧器86を支持していてもよい。別々の蓄圧器をドアの底部端に設けられた空気ジェット及びスプレーガン18の吹飛ばしノズルのための圧搾空気を供給するように用いることもできる。このように、ブースの内部表面をクリーニングするのに必要な全てのエネルギーは蓄圧器から供給されるため、市販の空気を常にクリーニング装置に用いる必要はない。蓄圧器を塗装又はクリーニング作業の間に補充することができる。このことにより、クリーニングのためのエネルギーが、種々のクリーニング用ノズル(屋根40のノズル50を含むがこれらに限定されない)を介して排出されるように一定の圧力で維持される。ガン、フロア及び屋根のノズルのための種々のクリーニング用ノズルは、例えば上述したように1.5秒毎等の適当な間隔で断続的に始動することができる。
【0040】
図5に、クリーニング及びスプレー作業のためのドア位置を概略的に示す(クリーニングのための閉位置のドアを実線で示す)。クリーニング中ドアは完全に閉鎖される。スプレー中、ドアは任意の都合のよい寸法で開放可能で、粉体の過剰噴霧を含む閉じ込め空気を適当な流れで維持することができる。一実施形態では、ドアは18インチ(45.72センチメートル)のすき間まで開かれる。ドアを任意の適当なアクチュエータ機構で開閉可能である。図2の実施形態では、空気圧式シリンダ90、92が左側のドアを開閉するのに用いられ、空気圧式シリンダにより駆動されるアーム94、96が右側のドアを開閉するのに用いられる。近接センサ(図示せず)又は他の適当な位置監視装置をドア位置を制御するように用いることができる。ドアが2つ以上の部分を有する大きなブースでは、各部分は図2Aに示すようにそれ自身の空気圧式駆動部材を有していてもよい。例えば上部32a及び下部32bを有するドアは、これらの2つの部分を1つのドアユニットとして動かすように共に動作することができる2つのアクチュエータ90a、90bを有するだろう。同様に右前方側ドア30a、30bはアクチュエータ96a、96bにより動かすことができる。
【0041】
図6にドアの取着に用いることができる抜差し蝶番46の一例を示すが、他の設計の蝶番を必要に応じて用いてもよい。この例では、蝶番46は回動ピン100を有する構造的な鋼鉄の抜差し蝶番の形態で形成されている。蝶番の一方のプレート102はドアに取着されると共に蝶番の他方のプレート104は適当な支持構造に取着される。ポリプロピレン又は他の適当な素材から成る部品106を蝶番の関節部46の内側の面に設けることもでき、当該部品はブース内部に面し、弾性のあるすき間用封止部として機能すると共にブースから粉体が逃散するのを防止する。
【0042】
図7、図8及び図9に、ガン用の細長い穴のカバー機構60の一実施形態を示す。ガン用の細長い穴のカバー機構60はガン用の細長い穴61を開閉するのに用いられる。ガン用の細長い穴が開いている場合、スプレーガンはスプレーブースの中へ移動することができると共にスプレーブースの外に移動することができる。ガンがクリーニング作業及び/又は色変更作業のために引込まれた場合、ガン用の細長い穴のカバー60は粉体がガン用の細長い穴を介して逃散することを防止するように位置する。ガン用の細長い穴は垂直方向に長さを有するため、必要に応じて複数のカバーを用いてもよい。
【0043】
ガン用の細長い穴のカバー機構60はボールと軌道とから成る構成116を用いてフレーム114に取着された可撓性カバー部材112を有する。カバー部材の中央部分118は、例えば空気圧式シリンダ122等により並進することができるピストン120の一端に取着される。プレート124はガイド用ボール128を支持する2つのボール用アーム126を支持する。ガイド用ボール128はカバー部材112に取着された通路130内を摺動する。ガン用の細長い穴を開くためには、ピストン120を外向きに押圧し中央部分118をブース内部に移動させるようにする。カバー部材112は、ボール128が、位置が固定された通路130に沿って摺動するにつれて内向きに曲がる2つの側部部分132を有する。この位置を図7に点線で示す。ピストンを引込む場合、カバー部材112は図7に示す位置に戻り、カバー部材112はガン用の細長い穴を閉鎖し滑らかな封止されたガン用の細長い穴パネル42を形成する。図8に示すように、ガン用の細長い穴の長さのために2つ以上の駆動機構を各カバーのために用いることができる。
【0044】
図10を参照すると、スプレーガンがスプレーブースの一方の側のみに位置するため、部品を2回スプレーする必要があることがある。図10には、2つのスプレーブース200、202を用いる材料塗布システムのための例示的な配置を示す。コンベア26が部品を双方のブースを通して輸送する。この例では、2つのアフターフィルター/送風システム16があり、それぞれが各サイクロンシステム15のためにあることに留意されたい。代替的な実施形態として、モータ又は他の適当な駆動機構にはコンベアシステムが設けられていてもよく塗装作業の間部品を回転するようにする。このことにより部品を1つのブース内で完全に塗装することができるだろう。完全に塗装するために部品を手動で再配置してもよい。
【0045】
図1、図11A及び図11Bを参照すると、スプレーガン18は通常、例えば材料供給用ホース、空気用ホース及び静電的なガンの場合には電気ケーブル等を含む1つ又は複数のホース及びケーブル305を有する。材料供給用ホースは、ガンから供給センター21まで延在する。電気ケーブルは電気制御コンソール(図示せず)までの実質的な距離を延びていなければならず、空気用ホースは通常供給用集合管又は他の圧搾空気発生源までの長さを延びる。通常の人間の身長よりも上方に位置するガンのための粉体供給ホースの場合には特に、ホースの長さはかなり長くなる可能性がある。このことは特に27フィート(8.23メートル)のブースの上部近くのガンに特に当てはまる。このホースの長さ分はかなり重く、ガン移動機及び振動装置にとってかなりの負荷に相当する。
【0046】
本発明の一特徴によれば、張力緩和のための構成を設けることができる。この概念では、ガン移動機及び振動装置により支持される負荷を制限すると共に同時に粉体塗装作業中にガンの全範囲での移動が可能となる機構が考慮されている。
【0047】
スプレーブース12の上部付近まで垂直に延びる1つ又は複数のホース用キャビネット300がガン18の後方に位置する。複数の張力緩和装置302がキャビネット300に取着される。この例示的な実施形態では、各スプレーガンに対して1つの張力緩和装置302があるが、一代替形態では各々が2つ以上のガンを収容可能な適当な寸法の張力緩和装置を形成するであろう。
【0048】
各張力緩和装置302は、支持シリンダ304及びホースのクランプ用バー306を有する。ホース及び(使用される場合は)電気ケーブル並びに空気用ホースは関連したスプレーガンから延び、ガン18とシリンダ304との間で所定の長さのたるみが設けられ、ガン移動機及び振動装置がガンを望み通りに自由に動かすことができるようになっている。ホース/ケーブルはシリンダ304の上部の上方に位置し、この場合クランプ用バー306がボルト308等の任意の都合のよい手段により固定されている。クランプ作用により、ホース及びケーブルの重量を、ガン18からクランプ用バー306に延びる部分を除いてガン及びガン移動機から分離する。このように、ホース及びケーブル全体の長さに関わらず、決まった所定の負荷をガン移動機で維持することができる。このことにより、さらにガンの後端に加わる力及びホース並びにケーブルの張力が軽減される。
【0049】
ホース及びケーブルは、緩和装置302からホース用キャビネット300内に延びると共に、必要とされるようなさらなる配線のために床領域に下りて延びる。シリンダ302はホースが自重によりつぶれるのを防止するのに十分な直径を有するべきである。配線されるホース及びケーブルの数及び寸法に応じて必要な複数のキャビネットを使用可能であることに留意されたい。
【0050】
図12に、本発明の他の特徴の簡単化された概略を示す。本発明者らはいくつかの場合に、渦流及び他の流れ効果により取り込み領域すなわちポケットが回収導管の内部プレナム74に発生し得ることを見出した。代替的な一実施形態では、内部プレナム350にはずれたすなわちシフトした細長い穴352が設けられる。内部プレナム350は粉体が混入した排出空気が細長い回収穴62及びサイクロン入口70を介してサイクロン15に入る導管であることを思い出されたい。ずれた又はシフトしたとは、細長い穴がプレナム350の中心軸X上に中心が一致していないことを意味する。さらに、細長い穴352は主プレナムシリンダ356に接続する接面又はテーパ面354に開く。この幾何学的形状により、プレナム350内で渦を巻き、サイクロンに幾分類似の作用が生じ、渦流及び取り込み領域すなわち「デッドスポット」を減少させる。
【0051】
図12の実施形態でも又は他の構成でも、導管機構内での空気流により完全にクリーニングされない面360があり得る。図13にこの可能性のある例外に対する一解決方法を示す。空気による吹飛ばし用マニホルド370が天井すなわち屋根40の一端に取着され、クリーニング作業の間屋根と共に移動するようになっている。吹飛ばし用マニホルド370は、例えば中空の複合的な押出成形品372の形態で実現することが可能で、圧搾空気376を対象の面360に誘導する1つ又は複数の空気ジェット、細長い穴又はポート374を設けることができる。
【0052】
圧搾空気を、屋根40により支持された蓄圧器86の1つ又は他の適当な発生源から吹飛ばし用マニホルド370に供給することが可能である。圧力調整装置378及びソレノイドバルブ380をマニホルド370への空気流を制御するように用いることができる。吹飛ばし用マニホルドは、屋根40がブース12を上下に移動させながら連続的に起動してもよく又はパルス動作させてもよい。
【0053】
図14A及び図14Bに、屋根40の構造体と共に用いることができるいくつかの追加の態様を示す。スプレー作業中等の屋根40が完全に上昇したいくつかの場合に、コンベア用の細長い穴のカバー52が閉鎖する前にノズル50をパルス動作させることが望まれる可能性がある。主としてケーブル400で支持される屋根40の安定性を維持するために、屋根の枠404からほぼ垂直方向に延在する安定化装置402が設けられる。これらの安定化装置402は、屋根40が上昇した場合に安定化装置用通路406内に摺動可能に収容される柱、バー又は他の適当に強度があり硬い部材であってよい。安定化装置用通路406は全体の枠構造体22に堅く取着されることでノズル50の衝撃力に抗しても屋根40を安定に保持する。
【0054】
屋根40の構造体は、さらにローラ410を支持している。これらのローラ410は、屋根40が上昇降下するときに、屋根40とブースのドアの内部表面との間の狭いすき間の橋渡しをし、これにより屋根40を安定化させると共に屋根40を中心に保ち、ノズル50がパルス動作している間の極端な動作を防止する。閉鎖されたカバー52(図3)がさらにクリーニング作業中に屋根40の安定化を促進する。ローラ410には、ローラに粉体が付着するのを防止するブラシ(図示せず)が設けられていてもよい。ローラ410はノズル50の上方に位置するため、ローラが接触する表面は清浄であり粉体を壁面に押圧しない。
【0055】
本発明は、本発明を実施するために考慮される最良の形態として開示される特定の実施形態に限定されず、本発明は添付の特許請求の範囲の範囲内に入る全ての実施形態を包含する。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の複数の特徴を用いた粉体スプレーシステムの立面斜視図である。
【図2】分かりやすくするために過剰噴霧の回収システムが省略された図1のシステムの平面図である。
【図2A】点検位置のドア位置を例示的且つ非限定的に示す図1のスプレーブースを示す図である。
【図2B】塗装又は作業位置のドア位置を例示的且つ非限定的に示す図1のスプレーブースを示す図である。
【図2C】クリーニング位置のドア位置を例示的且つ非限定的に示す図1のスプレーブースを示す図である。
【図3】本発明による天井構造物すなわち屋根の平面図である。
【図3A】図3の3A−3A線に沿った断面図である。
【図4A】本発明による粉体回収導管及びブースの細長い穴を立面図で示す簡単な説明図である。
【図4B】本発明による粉体回収導管及びブースの細長い穴を斜視図で示す簡単な説明図である。
【図4C】図4Bで円で囲んだ取入れ用の細長い穴の部分の拡大図である。
【図5】ドアを開位置及び閉位置で示す図1のスプレーブースの平面図である。
【図6】図1のスプレーブースのドアのための可撓性封止部の拡大図である。
【図7】本発明によるガン用の細長い穴のカバーの詳細な平面図である。
【図8】図7のガン用の細長い穴のカバー及び駆動機構の斜視図である。
【図9】図7のガン用の細長い穴のカバー及び駆動機構の拡大平面図である。
【図10】二つのブースから成る材料塗布システムの平面配置図である。
【図11A】ガンが伸張された位置で示されたホース及びケーブルの張力緩和機構を示す図である。
【図11B】ガンが引込まれた位置で示されたホース及びケーブルの張力緩和機構を示す図である。
【図12】回収導管の代替的な幾何学的構成を示す図である。
【図13】導管の吹飛ばしの構成を示す簡単な概略図である。
【図14A】屋根が完全に上昇した、図1に示すブースのための屋根構造物のさらなる詳細を示す図である。
【図14B】屋根がほぼ完全に上昇した、図1に示すブースのための屋根構造物のさらなる詳細を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体塗装材料を物体に塗布するスプレーブースであって、
少なくとも1つのドアが動作用に蝶番接続されている複数のドアを備え、
前記ドアは実質的に該ブースの壁構造体であるスプレーブース。
【請求項2】
各ドアは2つの垂直方向に配置された部分を有する請求項1に記載のスプレーブース。
【請求項3】
開位置と閉位置との間で前記ドアを動かす空気圧式アクチュエータを備える請求項1に記載のスプレーブース。
【請求項4】
前記ドアが閉鎖されたときの前記ブースの形状にほぼ対応する外周を有する屋根を備える請求項1に記載のスプレーブース。
【請求項5】
前記屋根は、平面で見るとほぼひし形形状である請求項4に記載のスプレーブース。
【請求項6】
粉体の除去作業中、前記ブースの内部で上昇及び降下する屋根を備える請求項1に記載のスプレーブース。
【請求項7】
前記屋根は、前記ドアの内部表面から粉体を除去する複数の空気ノズルを支持している請求項6に記載のスプレーブース。
【請求項8】
前記ノズルに圧搾空気を供給する、前記屋根により支持された圧搾空気用の貯蔵部を備える請求項7に記載のスプレーブース。
【請求項9】
前記複数のドアのうち1つ又は複数は、該ドアの下方端に沿って空気ノズルを有し、前記ブースの床から粉体を除去する請求項1に記載のスプレーブース。
【請求項10】
垂直方向に延在している取入れ用の細長い穴を備え、該取入れ用の細長い穴を通して粉体が前記ブースの内部から抽出される請求項1に記載のスプレーブース。
【請求項11】
前記取入れ用の細長い穴は、前記ブースの中央近くで第1の幅を有すると共に前記ブースの上部及び底部で第2の幅にテーパ状になっている請求項10に記載のスプレーブース。
【請求項12】
前記取入れ用の細長い穴は、サイクロンの入口導管と連通する請求項11に記載のスプレーブース。
【請求項13】
前記ブースの内部で昇降する屋根と、前記サイクロンの入口導管に接続された抽出導管内をおよそ同一の速度及び位置で移動する部材とを備える請求項12に記載のスプレーブース。
【請求項14】
前記抽出導管は、接線方向の入口を有する請求項13に記載のスプレーブース。
【請求項15】
粉体の過剰噴霧が、床の細長い穴を介して前記抽出導管に入る請求項13に記載のスプレーブース。
【請求項16】
前記抽出導管と連通する開口部を有する床と、該床の開口部を選択的に開閉することができるカバーとを備える請求項15に記載のスプレーブース。
【請求項17】
前記屋根がクリーニング作業中降下するにつれて、粉体は最初は前記取入れ用の細長い穴を介して前記ブースから抽出され、前記屋根が前記ブース内で所定の高さに到達したときに、前記部材が前記サイクロンへの前記入口導管を閉鎖すると、前記屋根が前記床付近まで降下し続けるにつれて前記床の開口部が開き、該床を介して前記サイクロンのバイパス導管内へと粉体を抽出する請求項16に記載のスプレーブース。
【請求項18】
壁構造体と、該壁構造体に形成されているガン用の細長い穴と、該ガン用の細長い穴を選択的に開閉するガン用の細長い穴のカバーとを備え、該ガン用の細長い穴のカバーは、前記ガン用の細長い穴を開く第1の位置と該ガン用の細長い穴を閉じる第2の位置との間で曲がる素材から成る可撓性のあるシートからなる粉体のスプレーブース。
【請求項19】
前記カバーを選択的に曲げるアクチュエータをさらに備える請求項18に記載のスプレーブース。
【請求項20】
前記アクチュエータは、空気圧式シリンダ及びピストンを有する請求項19に記載のスプレーブース。
【請求項21】
前記カバーは、ポリプロピレンからなる請求項20に記載のスプレーブース。
【請求項22】
前記ブースは、該ブースの長さよりも少なくとも約2倍大きい垂直方向の高さを有する請求項1に記載のスプレーブース。
【請求項23】
粉体スプレーブースから粉体の過剰噴霧を抽出する方法であって、
屋根を、前記ブースの上部から該ブースの底部近くまで降下させること、
前記屋根を降下させながら、圧搾空気を当てて前記ブースの内部表面から粉体を除去すること、及び
前記屋根の移動の第1の部分の間、前記ブースの垂直軸に対する側方に前記ブースから粉体を抽出し、且つ前記屋根の移動の第2の部分の間、前記ブースの床を介して下方に粉体を抽出すること
を含む方法。
【請求項24】
前記第1の部分の間、粉体をサイクロンの入口内に抽出し、且つ前記第2の部分の間、粉体をバイパス導管内へ抽出するステップを含む請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記屋根が前記ブース内で垂直方向の所定位置に到達するにつれて、前記サイクロンへの前記入口を閉鎖するステップを含む請求項24に記載の方法。
【請求項26】
粉体スプレーブースであって、
垂直方向に延在している開口部を有する垂直方向の壁と、
クリーニング作業の間、該ブースの内部で昇降する屋根と、
前記細長い穴及びサイクロンへの入口と連通する垂直方向の導管と、
前記屋根の移動の間の一部で、前記屋根と共に移動すると共に前記屋根の垂直方向の所定位置で前記サイクロンの入口を遮断する部材と
を備える粉体スプレーブース。
【請求項27】
前記屋根が前記垂直方向の所定位置に到達した後に、前記ブースの内部から粉体を抽出する開口部を有するブースの床を備える請求項26に記載の粉体スプレーブース。
【請求項28】
1つ又は複数のガン用の細長い穴を有するタイプのスプレーブースにおいて、前記ガン用の細長い穴を開く第1の位置と、クリーニング作業のために前記ガン用の細長い穴を覆う第2の位置とを有するガン用の細長い穴のカバーを備えるスプレーブース。
【請求項29】
前記ガン用の細長い穴のカバーは空気圧で駆動される請求項28に記載のスプレーブース。
【請求項30】
粉体スプレーブースをクリーニングする方法であって、
屋根とクリーニングされる表面との間のすき間を介して前記ブース内に排出空気を引込み、該排出空気が前記表面から粉体を除去すること、及び、前記表面に対して圧搾空気を当てることを含む方法。
【請求項31】
クリーニング作業の間、前記屋根を動かすステップを含む請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記圧搾空気は、断続的に始動され前記表面に対して圧力波を当てる請求項30に記載の方法。
【請求項33】
材料塗布システムであって、
第1の移動機に支持された1つ又は複数の材料塗布装置の第1の組と、
第2の移動機に支持された1つ又は複数の材料塗布装置の第2の組と
を備え、前記第1の移動機及び前記第2の移動機は互いに垂直方向に配置されている材料塗布システム。
【請求項34】
前記各移動機は、そのそれぞれの装置の組を垂直方向及び水平方向の一方に又は双方に動かすように動作する請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
前記移動機は、少なくとも1つの振動装置を有する請求項33に記載のシステム。
【請求項36】
互いに垂直方向に配置される2つより多い移動機を備える請求項33に記載のシステム。
【請求項37】
前記第1の移動機及び前記第2の移動機は、垂直方向に上下に配置され、各移動機は、そのそれぞれの装置の組を水平方向及び垂直方向の一方に又は双方に動かすことができる請求項33に記載のシステム。
【請求項38】
材料塗布システムであって、
スプレーブースと、
1つ又は複数の材料塗布装置の第1の組と、
1つ又は複数の材料塗布装置の第2の組と
を備え、
材料塗布装置の前記第1の組は第1の移動機に支持され、該第1の移動機は該装置を水平方向及び/又は垂直方向に動かすように動作することができ、
材料塗布装置の前記第2の組は第2の移動機に支持され、該第2の移動機は該装置を水平方向及び/又は垂直方向に動かすように動作することができ、且つ
前記第1の移動機及び前記第2の移動機は、互いに垂直方向に配置されているシステム。
【請求項39】
前記塗布装置は、粉体スプレーガンを有する請求項38に記載のシステム。
【請求項40】
前記第1の組及び前記第2の組は、各々複数の装置を有する請求項38に記載のシステム。
【請求項41】
各移動機は、該移動機に支持される前記装置を前記スプレーブース内に伸張すると共に該スプレーブースから引込むガン移動機を備える請求項38に記載のシステム。
【請求項42】
前記第1の移動機及び前記第2の移動機の少なくとも一方は、振動装置を有する請求項38に記載のシステム。
【請求項43】
前記第1の移動機及び前記第2の移動機は、垂直方向に上下に位置する請求項38に記載のシステム。
【請求項44】
前記移動機は、前記スプレーブースの外側に位置する枠構造体に支持されている請求項38に記載のシステム。
【請求項1】
粉体塗装材料を物体に塗布するスプレーブースであって、
少なくとも1つのドアが動作用に蝶番接続されている複数のドアを備え、
前記ドアは実質的に該ブースの壁構造体であるスプレーブース。
【請求項2】
各ドアは2つの垂直方向に配置された部分を有する請求項1に記載のスプレーブース。
【請求項3】
開位置と閉位置との間で前記ドアを動かす空気圧式アクチュエータを備える請求項1に記載のスプレーブース。
【請求項4】
前記ドアが閉鎖されたときの前記ブースの形状にほぼ対応する外周を有する屋根を備える請求項1に記載のスプレーブース。
【請求項5】
前記屋根は、平面で見るとほぼひし形形状である請求項4に記載のスプレーブース。
【請求項6】
粉体の除去作業中、前記ブースの内部で上昇及び降下する屋根を備える請求項1に記載のスプレーブース。
【請求項7】
前記屋根は、前記ドアの内部表面から粉体を除去する複数の空気ノズルを支持している請求項6に記載のスプレーブース。
【請求項8】
前記ノズルに圧搾空気を供給する、前記屋根により支持された圧搾空気用の貯蔵部を備える請求項7に記載のスプレーブース。
【請求項9】
前記複数のドアのうち1つ又は複数は、該ドアの下方端に沿って空気ノズルを有し、前記ブースの床から粉体を除去する請求項1に記載のスプレーブース。
【請求項10】
垂直方向に延在している取入れ用の細長い穴を備え、該取入れ用の細長い穴を通して粉体が前記ブースの内部から抽出される請求項1に記載のスプレーブース。
【請求項11】
前記取入れ用の細長い穴は、前記ブースの中央近くで第1の幅を有すると共に前記ブースの上部及び底部で第2の幅にテーパ状になっている請求項10に記載のスプレーブース。
【請求項12】
前記取入れ用の細長い穴は、サイクロンの入口導管と連通する請求項11に記載のスプレーブース。
【請求項13】
前記ブースの内部で昇降する屋根と、前記サイクロンの入口導管に接続された抽出導管内をおよそ同一の速度及び位置で移動する部材とを備える請求項12に記載のスプレーブース。
【請求項14】
前記抽出導管は、接線方向の入口を有する請求項13に記載のスプレーブース。
【請求項15】
粉体の過剰噴霧が、床の細長い穴を介して前記抽出導管に入る請求項13に記載のスプレーブース。
【請求項16】
前記抽出導管と連通する開口部を有する床と、該床の開口部を選択的に開閉することができるカバーとを備える請求項15に記載のスプレーブース。
【請求項17】
前記屋根がクリーニング作業中降下するにつれて、粉体は最初は前記取入れ用の細長い穴を介して前記ブースから抽出され、前記屋根が前記ブース内で所定の高さに到達したときに、前記部材が前記サイクロンへの前記入口導管を閉鎖すると、前記屋根が前記床付近まで降下し続けるにつれて前記床の開口部が開き、該床を介して前記サイクロンのバイパス導管内へと粉体を抽出する請求項16に記載のスプレーブース。
【請求項18】
壁構造体と、該壁構造体に形成されているガン用の細長い穴と、該ガン用の細長い穴を選択的に開閉するガン用の細長い穴のカバーとを備え、該ガン用の細長い穴のカバーは、前記ガン用の細長い穴を開く第1の位置と該ガン用の細長い穴を閉じる第2の位置との間で曲がる素材から成る可撓性のあるシートからなる粉体のスプレーブース。
【請求項19】
前記カバーを選択的に曲げるアクチュエータをさらに備える請求項18に記載のスプレーブース。
【請求項20】
前記アクチュエータは、空気圧式シリンダ及びピストンを有する請求項19に記載のスプレーブース。
【請求項21】
前記カバーは、ポリプロピレンからなる請求項20に記載のスプレーブース。
【請求項22】
前記ブースは、該ブースの長さよりも少なくとも約2倍大きい垂直方向の高さを有する請求項1に記載のスプレーブース。
【請求項23】
粉体スプレーブースから粉体の過剰噴霧を抽出する方法であって、
屋根を、前記ブースの上部から該ブースの底部近くまで降下させること、
前記屋根を降下させながら、圧搾空気を当てて前記ブースの内部表面から粉体を除去すること、及び
前記屋根の移動の第1の部分の間、前記ブースの垂直軸に対する側方に前記ブースから粉体を抽出し、且つ前記屋根の移動の第2の部分の間、前記ブースの床を介して下方に粉体を抽出すること
を含む方法。
【請求項24】
前記第1の部分の間、粉体をサイクロンの入口内に抽出し、且つ前記第2の部分の間、粉体をバイパス導管内へ抽出するステップを含む請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記屋根が前記ブース内で垂直方向の所定位置に到達するにつれて、前記サイクロンへの前記入口を閉鎖するステップを含む請求項24に記載の方法。
【請求項26】
粉体スプレーブースであって、
垂直方向に延在している開口部を有する垂直方向の壁と、
クリーニング作業の間、該ブースの内部で昇降する屋根と、
前記細長い穴及びサイクロンへの入口と連通する垂直方向の導管と、
前記屋根の移動の間の一部で、前記屋根と共に移動すると共に前記屋根の垂直方向の所定位置で前記サイクロンの入口を遮断する部材と
を備える粉体スプレーブース。
【請求項27】
前記屋根が前記垂直方向の所定位置に到達した後に、前記ブースの内部から粉体を抽出する開口部を有するブースの床を備える請求項26に記載の粉体スプレーブース。
【請求項28】
1つ又は複数のガン用の細長い穴を有するタイプのスプレーブースにおいて、前記ガン用の細長い穴を開く第1の位置と、クリーニング作業のために前記ガン用の細長い穴を覆う第2の位置とを有するガン用の細長い穴のカバーを備えるスプレーブース。
【請求項29】
前記ガン用の細長い穴のカバーは空気圧で駆動される請求項28に記載のスプレーブース。
【請求項30】
粉体スプレーブースをクリーニングする方法であって、
屋根とクリーニングされる表面との間のすき間を介して前記ブース内に排出空気を引込み、該排出空気が前記表面から粉体を除去すること、及び、前記表面に対して圧搾空気を当てることを含む方法。
【請求項31】
クリーニング作業の間、前記屋根を動かすステップを含む請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記圧搾空気は、断続的に始動され前記表面に対して圧力波を当てる請求項30に記載の方法。
【請求項33】
材料塗布システムであって、
第1の移動機に支持された1つ又は複数の材料塗布装置の第1の組と、
第2の移動機に支持された1つ又は複数の材料塗布装置の第2の組と
を備え、前記第1の移動機及び前記第2の移動機は互いに垂直方向に配置されている材料塗布システム。
【請求項34】
前記各移動機は、そのそれぞれの装置の組を垂直方向及び水平方向の一方に又は双方に動かすように動作する請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
前記移動機は、少なくとも1つの振動装置を有する請求項33に記載のシステム。
【請求項36】
互いに垂直方向に配置される2つより多い移動機を備える請求項33に記載のシステム。
【請求項37】
前記第1の移動機及び前記第2の移動機は、垂直方向に上下に配置され、各移動機は、そのそれぞれの装置の組を水平方向及び垂直方向の一方に又は双方に動かすことができる請求項33に記載のシステム。
【請求項38】
材料塗布システムであって、
スプレーブースと、
1つ又は複数の材料塗布装置の第1の組と、
1つ又は複数の材料塗布装置の第2の組と
を備え、
材料塗布装置の前記第1の組は第1の移動機に支持され、該第1の移動機は該装置を水平方向及び/又は垂直方向に動かすように動作することができ、
材料塗布装置の前記第2の組は第2の移動機に支持され、該第2の移動機は該装置を水平方向及び/又は垂直方向に動かすように動作することができ、且つ
前記第1の移動機及び前記第2の移動機は、互いに垂直方向に配置されているシステム。
【請求項39】
前記塗布装置は、粉体スプレーガンを有する請求項38に記載のシステム。
【請求項40】
前記第1の組及び前記第2の組は、各々複数の装置を有する請求項38に記載のシステム。
【請求項41】
各移動機は、該移動機に支持される前記装置を前記スプレーブース内に伸張すると共に該スプレーブースから引込むガン移動機を備える請求項38に記載のシステム。
【請求項42】
前記第1の移動機及び前記第2の移動機の少なくとも一方は、振動装置を有する請求項38に記載のシステム。
【請求項43】
前記第1の移動機及び前記第2の移動機は、垂直方向に上下に位置する請求項38に記載のシステム。
【請求項44】
前記移動機は、前記スプレーブースの外側に位置する枠構造体に支持されている請求項38に記載のシステム。
【図1】
【図2】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図3A】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図2】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図3A】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【公開番号】特開2013−59764(P2013−59764A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−235394(P2012−235394)
【出願日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【分割の表示】特願2008−531415(P2008−531415)の分割
【原出願日】平成18年9月18日(2006.9.18)
【出願人】(391019120)ノードソン コーポレーション (150)
【氏名又は名称原語表記】NORDSON CORPORATION
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【分割の表示】特願2008−531415(P2008−531415)の分割
【原出願日】平成18年9月18日(2006.9.18)
【出願人】(391019120)ノードソン コーポレーション (150)
【氏名又は名称原語表記】NORDSON CORPORATION
【Fターム(参考)】
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