説明

粉体物質用包装体

包装体及びその製造方法。紙(板紙)、金属箔、及びプラスティック材料から製造される容器部分からなる粉体物質用包装体を提供する。このような容器に粉体を充填し、プラスティック・フィルムからなり、ヒート・シーリングによって容器の壁に固着されるシールを、粉体の上方に取り付ける。フィルムと、(閉鎖状態において)容器の上に配置される蓋との間には、小さな隙間が存在する。初回使用後は、さじを蓋の中の取り付け手段にパチンと留める。蓋には、さじを収容するための隆起部を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に記載の粉体物質用の包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
ベビーフード用の包装体には、衛生状態や計量に関する厳しい要件が課せられる。したがって、現在このような粉体は、円筒状の金属缶に保存され、金属缶は金属又はプラスティックの蓋により密封される。蓋は使用にあたって開ける必要があり、簡単な方法で再び密閉可能である。正確な量の粉体物質をその中に画定するようにデサインされたさじを、計量のために使用する。粉体を平らにすり切ることにより、さじの窪みの容積に一定量を収容することができる。一つには乳児の十分な食料摂取を保証するために、もう一方では幼児の便秘に関連する問題をできるだけ防止するために、この分量を正確に定めることが重要である。粉体物質は、粉体粒子の凝集体のみならず、いかなる顆粒状物質、特に噴霧乾燥食品であると考えられることは理解されよう。
【0003】
このような包装体において、このようなさじは通常、内容物の上部と製品の蓋底部との間にルーズに置かれる。
【0004】
一部のユーザーは、使用後のさじを製品の中又は上に戻す。他のユーザーは、使用後のさじを容器の内容物中に戻すのは非衛生的であると考える。したがってさじを容器の外で保管することが多く、このことは実際問題として、細菌汚染の危険をさらに増加させることになる。一方、販売時に棚に最適に収まるようにするため、このような容器の大きさと高さは、できるだけ体積が小さくなるようにコンパクトにデザインされる。
【0005】
米国特許第6,604,645には、蓋を有する容器が開示されており、さじは、蓋に作られた型にはめ込まれ、蓋はフィルム・ヒンジによって容器に接続される。容器の上端部にはシールが設けられ、シールは蓋とさじのアセンブリによって包囲される。初回使用時に蓋からさじを切り離す。蓋と容器壁が接続する場所における容器のシーリングは、非常に複雑である。容器組み付け前の蓋のスタック能力は、蓋の形状のせいで制限される。
【0006】
FR2747107は、密封容器を開示しており、容器の上端部には、さじを具備するリング、及び蓋を有する。さじをリングから取り外してシールを引きはがした後、リングを容器上に配置することができ、それから蓋の使用が可能となる。
【特許文献1】米国特許第6,604,645号
【特許文献2】フランス公開特許公報第2747107号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
米国特許第6,604,645及びFR2747107では、ユーザーはさじの延長部分であるプラスティック部分からさじを切り離す必要があり、食品中にプラスティックの小片が混入する恐れがあり、これは非常に危険である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的は、容器と蓋とさじのアセンブリを提供することであり、さじは蓋に接続されていないので、蓋とさじを切り離す必要がない。また、容器と共に使用される蓋は、その製造中に他の蓋と簡単に積み重ねることができる。内容物の上方にシールを設けることにより、容器の内容物の品質が保証される。蓋に実質的な改変を加えることなく、様々な体積のさじの使用が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、請求項1記載の特徴により実現される。
蓋の高さを比較的低く保つことにより、蓋を重み積ねることができる。一方、蓋には、さじが容器の内側に設置されることが示されている。これは、さじの形状(の一部)を有する蓋の隆起部として示されている。意図する内容物を容器に充填した後、さじは蓋と容器のいずれにも連結されない。このことは、充填後に、さじを容器の他の部分から切り離す必要がないことを意味する。
【0010】
本発明によると、さじの容積の一部は容器の上端部に収容される。そのため、容器の上端部のやや下側にシールを設ける。シールと容器の上端部との間の距離は、好ましくは20〜50mm、より好ましくは、約30mmである。
【0011】
本発明によると、ユーザーは、初回使用後のさじを、蓋に形成された収容部に収納するように促される。この収容部は上記の隆起部によって部分的に画定されている。詳細には、さじの先端凹部の開口端部をこの隆起部の中に収容することができる。この結果、容器の容積は有意な程度まで増加しないが、その一方、さじが容器内の充填物と接触することがないので、最も衛生的な状態で容器内にさじを保管できる。
【0012】
上記隆起部の最高部と基底部の高さは2〜25mm、特に4〜15mmである。
【0013】
本発明による蓋は、プラスティック材料からなることが好ましく、同様にプラスティック材料からなる蓋縁部にヒンジで連結され、容器壁にクランプするか他の方法で固定される。好ましくは蓋縁部にすり切りエッジ(levelling off edge)、すなわち、角度を有する部分(angled portion)又はストリップ(strip)を設け、コーナー部分の粉体の堆積を防ぐ。さじ中の製品体積の、再現可能で簡便な計量を正確に行うために、すり切りエッジの下にさじの上端部を簡単なやり方でこすりつける。
【0014】
従来の包装体の場合には、包装体から内容物全てを取り除くことは難しいということが判明している。包装体の比較的限られた空間の中での操作(manipulation)が難しいことがその理由である。さらに、今では通例となっているように使用後にさじを毎回内容物の中に戻すのは衛生的でない。
【0015】
公知の包装体の場合、衛生上の理由から、最初に容器の中にさじを入れ、その後容器に粉体物質を充填する。続いて密閉され、容器を逆さにすることによりさじが表面にあらわれる。この方法では、悪条件下で破損したプラスティックの破片や製造過程で発生するその他の小片が粉体に混入する可能性、及びこれらに伴って起こる全ての事態、といった不都合を有する。さらに、この工程の結果、粉体などの製品の上部と蓋の底部の間に比較的大きな空きスペース(いわゆるヘッド・スペース)ができる。腐敗しやすい物質の場合、ガスで満たされたこのような大きなヘッド・スペースは不都合である。長期保存の間に、製品に含まれるある物質がガス中に存在する酸素によって分解される可能性がある。
【0016】
本発明のさらなる目的は、これら不都合を有さない、又は不都合の程度がより少ない容器を提供することである。
このさらなる目的は、上記容器によって実現され、容器壁の内側はヒート・シーリング可能な材料を含み、容器の上端部近傍には容器の自由断面領域に伸長するプラスティック・フィルム・シールが設置され、このシールがヒート・シーリングによって上記容器に固着される。
【0017】
本発明によると、さじを収容する空間と粉体が存在する空間は、基本的にガスタイト方式(gastight manner)で分離されている。容器の内側をヒート・シーリング可能な材料にすること、及び、粉体を充填した後ヒート・シーリング可能な材料を用いてヒート・シーリングによって粉体の上方にフィルム・カバーを設けることにより、このような分離が可能である。このようにして、ガスタイト・シールを提供するフィルムを粉体の上方に設ける。何らかの方法でこのフィルムの上にさじを置くことができる。
【0018】
フィルムは、熱によって周壁に固着することができて臭気吸収性を有するものが好ましい。
【0019】
上記シールを装着する前又はその間に製品の中を真空にして、製品の中に劣化を防ぐガス、例えば、窒素、二酸化炭素、又はその他の不活性ガス、又はこれらガスの混合物を通常の条件下で充填することにより、粉体又は容器に存在する空気又は酸素を取り除き、これによってさらに劣化を防ぐことが可能である。
【0020】
容器の内容物は、開封後比較的早く使用されるので、容器開封後の製品の品質は、通常の条件下では劣化しないかほとんど劣化しない。問題は長期保存の可能性があることであるが、本発明のシールを用いることにより問題なく長期保存が可能となる。包装体はヒンジ蓋を具備することができ、その結果、使用後の容器を効果的に閉じることができる。
【0021】
さらに、さじをパチンと留めるスナップ式収容部を蓋に設置することも可能である。この収容部は、好ましくは蓋の中央又は中央近くに位置し、さじの先端凹部、及び場合により柄を収容することができる。製造中好ましくは、さじをスナップ式収容部ではなく蓋とシールの間の空間に入れる。容器初回開封後に、ユーザーは初めてさじをスナップ式収容部にクランプし、さじが容器の内容物と接触しないようにする。
【0022】
本発明の特に有利な実施形態によると、包装体は基本的に矩形である。矩形構造は梱包及び棚への配置に関して極めて有利である。容量を最大限活用できる上、消費者の消費衝動を刺激する力を大きくするために所望の面を消費者に向けて棚に容易に配置することが可能となる。基本的に矩形な包装体のさらなる利点は、さじの操作が明らかに容易になることである。与えられた表面積を円と比較したとき、矩形の対角線の長さは明らかに円の直径より長い。好ましくは、矩形のコーナー部分は丸みを持たせる。コーナー部分には好ましくはすり切りエッジを設ける。このエッジは、コーナー部分から測定して好ましくは9mm幅より広く、コーナー部分と分離した三角形又はストリップを含むことができる。ストリップを使用すれば隣接するコーナー部分に粉体が堆積することができない。このようなストリップの幅は7〜11mmであってよい。ストリップの最もエッジに近い部分からコーナー部分までのスペースは4mmより長く、好ましくは約5〜9mmである。
【0023】
蓋にさじを少なくとも部分的に収容するように収容部を適合させることが可能である。様々な態様は、容器に包装(pack)される商品の量、所望の断面積、及び容器の高さに依存する。上述したように、上記シールと蓋の底部の間の自由空間(r)は、好ましくは14〜27mmである。このようにすると、さじのために最適な大きさが得られ、一方、例えば900gの製品を収容する包装体を、簡単な方法で棚の上に積み重ねて配置することができることが見出された。
【0024】
ベビーフードなど特定の製品の包装体に関するガス気密性(gas tightness)及び不透過性(opacity)には厳しい要件が課せられる。したがって、本発明は、容器の底部と同様に容器の壁を紙/金属箔/プラスティックの積層体で作製することを提案する。金属箔はガス気密性及び不透過性を提供する。紙又は紙板は支持材として機能し、プラスティックは断熱材として機能する。使用するプラスティックは、当該技術分野で最先端として周知のいかなる材料を使用してよい。
【0025】
さらなる有利な実施形態によると、製品の上方に形成されるシールにはティアー・リップ(tear lip)及びウィークニング・ライン(weakening line)が設けられる。リップを引っ張ることによりウイークニング・ラインに沿って開封することができ、こうして開けることで内容物を包装体から取り出すことができる。これによりユーザーは特別な操作を行う必要なく製品に簡単にアクセスできる一方、こうすれば不正開封を簡単に検出することができる。さらなる利点は、ヒート・シーリングの間にシールと壁の間に入ったいかなる製品の小片も外に出ることができずに挟まれたままとなることである。
【0026】
ティアー・ラインに沿ってフィルムを取り外した後、フィルムの端部は側壁に留まる。この端部は、製品のための開口部ができるだけ大きくなるように好ましくは5mmより短く、より好ましくは4mmより短い。フィルムは、ユーザーがそれによって怪我をする可能性のない材料からなる。
【0027】
容器には、フィンガー・リセス(finger recess)のような、握りやすくするための手段が設けられる。容器が矩形にデザインされているので、包装体の一側面は個々の手の大きさに最適である。消費者が握りやすくするために、一つの側面の幅は最も大きくて約12.0cm、好ましくは6〜11.6cmである。その他の側面のサイズは11.6〜15.0cmとしてよく、より好ましくは12.4〜13.5cmである。蓋を含めた包装体の高さは、最高で22cm、より好ましくは10〜20cm、さらに好ましくは15〜20cmである。
【0028】
本発明はまた、粉体を充填した容器を提供する方法に関し、底部、ヒート・シーリング可能な材料からなる当該容器の内壁を具備する容器の提供、当該容器に粉体を充填する工程、粉体の上方にヒート・シーリング可能なフィルムを取り付ける工程、及び当該フィルムを容器の上記壁に接着する工程を含み、蓋の取り付けが行われる。
【0029】
より詳細には、容器は、パッキングするまでに仕上がったブランクから製造されるので、パッケージング装置に送り込む必要がある包装体材料のボリュームは少ない。さらに詳細には、初めに容器が作られ、次に容器が充填されて上述したシールが設けられ、次に蓋縁部を有する蓋が取り付けられる。シールを設ける前/設ける間に、継続的に又はバッチ式でガスが導入されてよい。
【0030】
容器の断面が矩形であることが好ましいことは前述した。この矩形の少なくとも2つの対向する面の中央が、外側に向けて多少隆起するのがより好ましい。このような隆起には制限があり、短い辺で好ましくは約7mm、より好ましくは2mmであり、長い辺で約16mmである。しかし、鋭角は避けることが好ましい。すなわち、最も屈折(deflection)/内曲(inflection)した点を結んだ直線に対し、外側に向けての偏差はそれぞれ約7mm及び約16mmより小さく、好ましくは、それぞれ3〜6mm及び7〜15mmである。さらに、容器には握りやすくするためにフィンガー・ホールドを設けることができる。
【0031】
上記寸法を具体的に選択すると、容器の底部面積は120〜150cm、特には125〜140cmであり、例えば126〜136cmである。
【0032】
本発明は、詳細には不正開封を示すクロージャ(不正開封防止機能)を備える。これは、蓋縁部が、上方に伸長して蓋周縁の上部まで又はこれを超えて伸長する周囲部を具備することにより提供される。この結果、クロージャの内側に位置する蓋を簡単に持ち上げることができない。閉位置では蓋の周囲縁部にアクセスできない。周囲縁部を収容する周縁端部は、例えば、蓋から延長するリップにアクセスできるように途切れている。周縁端部を途切らせる手段としては切開部(break away portion)を含むことができる。これは、例えば、切開部を縁部の両側2箇所に設けることで得られる。この部分を切開することにより蓋のリップが露出して蓋を開けることができる。この部分を切開すると、蓋縁部(周縁端部)への上記接続が破断され、その結果、不正開封されたことが外周線の切開によって明確となる。
【0033】
本発明を、図面に示される実施形態を参照し、以下に詳細に説明する。
【0034】
図1は、本発明の包装体1を示す。容器2は底部17を有する。底部17は、僅かに隆起するようにコンテナーの内側に位置し、それにより垂直縁部29が形成される。この垂直縁部は別の容器を積み重ねるのを容易にする。
【0035】
数字3はリップ18を有する蓋を示し、リップ18はヒンジ5を介して支持端部(lid rim)4と結合する。蓋と蓋縁部はプラスティック材料からなり、射出成形によって製造される。図4からわかるように、蓋3の周縁に近い上部は、閉鎖位置において、蓋縁部の隆起した周縁端部(peripheral edge)23上部のやや下方に位置する。蓋3には、支持端部(lid rim)4上の周囲端部27の内側に相対的に近接して嵌め込まれる付随端部(depending edge)26が設けられている。蓋3の周囲上部は数字28で表わされ、周縁端部23の近くに隣接して嵌め込まれる。その結果、周縁端部23の切欠部24以外の場所で蓋を握持することはできない。閉鎖位置では、リップ18の付随部(depending part)は切欠部24の前部に伸長する。リップ18の前部に位置するクロージャ部(part)25によってリップ18へのアクセスが妨げられる。図1aにさらなる詳細を示す。リップ18は、クロージャ部25の突起下部と係合してクロージャ部25が存在する間リップ18が持ち上がるのを防止する鋭い突起、を有することがわかる。運搬の際には、切欠部24はクロージャ部25によって封鎖され、各ケースにおいてクロージャ部25は、2つのポイント48によってその両側が周縁端部23と接続する。クロージャ部25と周縁端部(circumferential edge)23との接続は、例えば厚みを部分的に減少させるなどの他のいずれかの方法で成し得る。クロージャ部25は簡単に切り離すことができ、切り離した後、リップ18を持ち上げることにより蓋を開けることができる。この方法により、容器を最初に開けたのがユーザーであることがユーザーにとって明らかとなる。
【0036】
クロージャ部25は容器の外周に位置するので、クロージャ部25に手が加えられているかどうかはすぐに明らかとなる。上記したような最初の開封者であることの証拠(不正開封防止機能)は、本明細書に記載されている以外の包装体と組み合わせて使用することもでき、これに関しても本明細書の権利範囲が明示的に及ぶものである。蓋縁部を容器壁にクランプ又は接着する、或いは当該分野で周知のその他の方法で固定する。蓋/蓋縁部の外周は、垂直下端縁部29の周縁の内側に収まる。容器は基本的に矩形構造であるが、平壁の中央がわずかに隆起していることが図面からはっきりみてとれる。前面の隆起はbによって図示されている。このような隆起は制限することができ、好ましくは、短辺で約7mm未満、長辺で約16mm未満である。すなわち最も屈折/内曲した点を結んだ直線に対し、外側に向けての偏差はそれぞれ約7mm未満、約16mm未満であり、好ましくはそれぞれ3〜6mm、7〜15mmである。さらに、容器には、取り扱い易いようにするためにフィンガー・ホールド(finger hold)を設けることができる。
【0037】
図1からわかるように、支持端部(lid rim)4にはすり切りストリップ(levelling-off strip)6を設ける。容器を角度をつけて保持し、すくい過ぎたさじをすり切りストリップ(levelling-off edge)6の下に移動させることができ、正確な量を定量する。さらに、ストリップ(edge)の構造により粉体又は製品の圧縮が起こらず、いつでもさじの中の物質の量を再度測りなおすことができる。
【0038】
ベビーフードなどの製品11は容器2に収容される。フィルム材料からなり、ヒート・シーリングにより容器2の内壁に装着されたシール(seal)13は、製品の直上に配置される。このフィルム材料にはウイークニング・ライン(weakening line)14及びプル・リップ(pull lip)15を設けられている。プル・リップ15をつかむと、シール(film)13はウイークニング・ライン14に沿って破れ、それにより製品へのアクセスが可能となる。
【0039】
蓋3は隆起部(convex portion)9を備え、隆起部9は、ここで図示される容器の上端部に積み重ねてもよい別の容器の垂直縁部28によって形成される隆起の範囲内に収まる。さらに、さじ8の一部を収容する別の隆起部10を備える。好ましくは、収容される部分はさじの先端凹部である。さじの柄(の端部)のためのさらに別の隆起部があってもよい。
【0040】
所望するさじの容積によって隆起の大きさが決まる。図4の断面からわかるように、隆起部10を隆起部(elevation)9より上方に伸長させることができる。隆起部10は、底部に対して最大“a”で表わされる分だけ隆起してよく、4mmから12mmの間である。容器の底部には垂直下端縁部29が設けられているので、これらの隆起は垂直下端縁部29と底部17によって画定される空間内に収まる。正確に中心合わせするため、底部17よりある程度内側に垂直下端縁部29をフランジすることにより、積み重ねたときに定位置を確実に得ることができる。容器を位置決めする面(positioning surface)に対する底部の高さと、下の容器の上に乗る容器の側壁が位置する場所に対する隆起の高さとは一致する。この高さは図4中に“b”で示されている。蓋と一体であり、好ましくは蓋の中央又は中央近くに位置する係止手段(lip)7の間にさじ8の柄をパチンとクランプする。容器壁には、ユーザーの指の形状と一致する凹部16を設ける。蓋にさじをクランプすることにより、初回使用後にさじが粉体の中に落ちることを防ぐ。さじを蓋にカチッとクランプすれば、細菌汚染を可能な限り防ぐことができる。容器を初めて開ける前(すなわち、粉体充填設備から出荷された後)には、さじ8をシール13の上に遊離させて設置してよい。これは図4に示されている。蓋の上部と下側により画定された収容部は、さじ8を収容するのに十分な大きさでないことが図4からわかる。したがって、蓋の中の、さじの収容部最下端から距離rのところにシール(seal)13を設ける。この距離rは、好ましくは20mm〜50mm、より好ましくは40mmである。このようにすれば蓋の高さを比較的低く保つことができ、製造中に積み重ねやすくすることができる。
【0041】
初回使用後にシールが取り外されて、さじ8が係止手段(lip)7の間にクランプされた後も、蓋の下側にあり、容器2の上部によって画定された空間にさじの一部が伸長することが好ましい。
【0042】
粉体を満たしたさじを動かす間にこぼれる粉体が、容器内に戻ることを可能にするため、周辺端部(edge)23を垂直にする。
【0043】
図3は、容器の壁が積層体で構成されることを示している。この積層体は、外側から内側に向かって、板紙/紙20、比較的薄いアルミ箔21、及びこの内側に配置されるプラスティック材料22の層からなり、プラスティック材料22はヒート・シーリングによりシール13に接着することができる。シールを用いることにより、異物と製品が接触するリスクを制限することできる。すなわち、シールを装着した後は、さじのプラスティック部分などの不要な物体はシールの上部にとどまり、粉体に接触できない。
【0044】
包装体の典型的な寸法をいくつか以下に示すが、ベビーフードを包装する限りこれらに限定されるものではないことを理解すべきである。
【0045】
蓋の底部とシール上部の間の距離は、好ましくは14〜27mm、さらに好ましくは7〜23mmである。この間隔は、さじを収容するのにちょうどの大きさである。しかし、所望するさじの体積によってこの高さは変わる。
【0046】
シールの下側から粉体の上までの距離は、好ましくは10mm未満、さらに好ましくは5mm未満である。すなわち、パッキングの際にシールをできるだけ粉体の近くに配置する。
【0047】
図面から明らかなように、容器は矩形構造を有し、これにより、さじ8を用いてこの缶(can)を最大限まで空にすることができる。最大限まで空にするために、さじの長さを、好ましくは容器の対角線の60〜95%、より好ましくは70〜90%とする。
【0048】
矩形容器を用いた結果、梱包(packaging)又は小売業者の棚に陳列する際に、最大可能量の最適利用ができる。
【0049】
図5は、本発明の蓋のさらなる実施形態を示す。蓋は全体として数字53で示され、基本的に前出の図面の蓋3に対応する。数字60及び61はさじのための隆起部を示す。隆起部(elevation)60はさじ58の先端凹部52を収容するように構成され、隆起部61はさじ58の柄54を収容するために設けられる。隆起部60(elevation)と61の間には、蓋の補強リブが伸びている。クランプ手段57を点線の中に示す。本実施形態における配置では、クランプ位置においてさじ52の開口部側が隆起部(accommodation)60の方向を向いている。このことは、「高さ」の異なるさじの先端凹部を、クランプ手段57の間に収容することが可能であることを意味する。この構成により、蓋の設計に適合させることなく、様々な寸法の先端凹部を有するさじ58を使用することができる。また本実施形態では、さじの一部だけが蓋に収容され、残りの部分は容器中のシールの上方の空間に収容される。
【0050】
図6は、容器製造のための装置である。装置は送りステーション31からなり、送りステーション31へはブランク32が送り込まれる。折り曲げ/接合ステーション33を経て、本発明の容器34が製造される。これら容器は壁と底部からなり、蓋はついていない。続いて35において製品が充填される。30において密封フィルムがヒート・シーリングによって固着される一方、製品を格納する空間に不活性ガスが導入される。このようにして気密性を保った容積を得て、製品をこの中でダメージを受けることなく非常に長期間保存することができる。ステーション30において、バッチ式で又は継続的にガスが導入される。39において包装体と内容物のチェックが行われる。続いて、蓋が蓋縁部と共に容器の壁上にプレスされ、37において固定される。38において集められ、梱包する。
【0051】
本発明を、好ましい実施形態を参照して説明したが、添付クレームにおいて限定された本出願の範囲を逸脱することなく多くの変更ががなされ得ることは理解できよう。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の容器の斜視及び部分露出図を概略的に示す。
【図1a】図1の詳細図であり、蓋が閉鎖した状態にある。
【図2】本発明のシールの上面図である。
【図3】図1を線 III−IIIに沿って切断した図である。
【図4】閉鎖位置にある蓋と容器を線IV−IVに沿って切断した図である。
【図5】本発明のさらなる実施形態の斜視図である。
【図6】図5の蓋の上面図である。
【図7】本発明の容器を製造するための装置を概略的に示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器(2)、蓋(3)、計量さじ、及び前記計量さじ(8)を収容するための、蓋によって画定された空間内の収容部を備え、前記蓋には、蓋が前記容器上の嵌め込み位置にあるときに外側に向けて隆起する隆起部(10)が設けられ、前記隆起部の内側には、さじを少なくとも部分的に収容するための窪みが画定され、前記蓋の内側には、前記さじの係止手段(7)が設けられ、前記容器(2)は、容器の内容物を外界から隔て、前記容器の自由断面領域に伸長するシール有する、ベビーフードなどの粉体物質(11)用の包装体(1)であって、
前記シールが、前記計量さじの一部を収容するために前記容器の上端部から離れて設置され、
前記容器を前記蓋で閉めたときに、前記さじを前記蓋と前記シールの間の収容部に収容することができるように、前記蓋の収容部の高さが前記さじの高さより小さく、及び
前記さじが前記蓋及び前記容器から分離されている、
ことを特徴とする、粉体物質用の容器。
【請求項2】
隆起部(10)の最高点が、包装体の周縁端部頂点の上方に少なくとも4mm(a)伸長していることを特徴とする、請求項1記載の包装体。
【請求項3】
蓋(3)が、容器壁に取り付けられる支持端部(supporting edge)(4)にヒンジ(5)可能に取り付けられ、前記蓋及び前記支持端部は、プラスティック材料からなる単一部分を備えることを特徴とする、請求項1又は2記載の包装体。
【請求項4】
支持端部にはすり切り面が設けられることを特徴とする、請求項3と組み合わせられる、請求項1〜3のいずれか記載の包装体。
【請求項5】
すり切り面が容器のコーナー部分に近接して設置されることを特徴とする、請求項4記載の包装体。
【請求項6】
支持端部には、その内側に蓋が水平に嵌め込まれる隆起した部分を設け、隆起した部分には、簡単にはずすことができるクロージャ部(25)を備える切欠部を設けることを特徴とする、請求項3と組み合わせられる、請求項1〜5のいずれか記載の包装体。
【請求項7】
さじがカップを具備し、さじを収容したときに前記カップの開口部が蓋の方向に向くように係止手段(7)が配置されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか記載の包装体。
【請求項8】
容器は壁の内側にヒート・シーリング可能な材料(22)を有し、シールはプラスティック・フィルム・シール(13)を含み、シールを容器の壁にヒート・シーリングによって固着することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか記載の包装体。
【請求項9】
容器及び蓋が基本的に矩形であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか記載の包装体。
【請求項10】
フィルムの上部と蓋の中のさじの収容部の最低部の距離(r)が、35〜50mmであることを特徴とする、請求項8又は9記載の包装体。
【請求項11】
容器の壁が、紙(20)/金属箔(21)/プラスティック(22)の積層体からなることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか記載の包装体。
【請求項12】
容器の壁が、容器の底部(17)を越えて下方に伸長して垂直下端縁部(29)を画定することを特徴とする、請求項1〜11のいずれか記載の包装体。
【請求項13】
蓋が周囲端部を有し、容器の上端部が周縁端部(23)を有し、蓋が閉鎖位置にあるとき、蓋の周囲端部が前記周縁端部(23)内側にアクセスできないように収容され、前記周縁端部(23)が前記周囲端部とアクセスするのを遮断するためクロージャー部(means)(25)が設けられることを特徴とする、前記請求項1〜12のいずれか記載の包装体。
【請求項14】
周縁端部(23)を遮断するための手段が、切開可能なクロージャー部(peripheral edge portion)(25)を含むことを特徴とする、請求項13記載の包装体。
【請求項15】
蓋が、クロージャー部(means)(25)によって定位置にロックされるリップを具備することを特徴とする、請求項13又は14記載の包装体。
【請求項16】
粉体を充填した容器を提供する方法であって、底部(17)、ヒート・シーリング可能な材料からなる前記容器の内壁を具備する容器の提供、前記容器に前記粉体を充填する工程、前記粉体の上方にヒート・シーリング可能なフィルムを取り付ける工程、及び前記フィルムを前記容器の壁に接合する工程を含み、蓋の取り付けが行われる、ことを特徴とする、粉体を充填した容器を提供する方法。
【請求項17】
容器の提供が、壁材料及び底部材料のブランクを出発原料として使用すること、及び商品を充填する直前にこれらを接合すること含むことを特徴とする、請求項16記載の方法。
【請求項18】
フィルムを容器の壁にシールする前/シールするときにフィルムの下方の空間に不活性ガスを導入することを特徴とする、請求項16又は17記載の方法。
【請求項19】
ガスが多数の容器に同時に導入されることを特徴とする、請求項17記載の方法。

【図1】
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【図1a】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2007−520398(P2007−520398A)
【公表日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−552067(P2006−552067)
【出願日】平成17年2月7日(2005.2.7)
【国際出願番号】PCT/NL2005/000089
【国際公開番号】WO2005/075314
【国際公開日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【出願人】(505296821)エヌ.ブイ.・ヌートリシア (32)
【Fターム(参考)】