説明

粉体用スクリュー,その製造方法及び成形用金型,トナーカセット,画像形成装置

【課題】軸部の周囲に螺旋状に設ける羽根部を樹脂製とした場合であっても、粉体の搬送量の低下を招くことがない粉体用スクリューと、その製造方法及び成形用金型を提供する。
【解決手段】軸部12の周囲に螺旋状に巻き付けられる羽根20を樹脂で射出成形するにあたり、軸部12の軸方向に沿って分割配置される複数の分割型32〜38のキャビティ形成部32A〜38Aを互い違いに交差させて前記軸部12と羽根20に相当する形状のキャビティ部40,42を形成して溶融樹脂を充填する。このような金型構造により、羽根20を均一な厚みに成形しても型から取り外すことができる。また、羽根20の厚みを均一にすることで、羽根間のピッチを広げて粉体の搬送量を増やすことができる。更に、トナー用スクリュー10の一部を樹脂製とすることで、コンパクト化(軽量化)とともに、コスト低減も可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トナーのような粉体の搬送・撹拌等に利用される粉体用スクリュー,その製造方法及び成形用金型と、粉体用スクリューを利用したトナーカセット及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プリンタや複写機等で用いられるトナーカセット(トナーカートリッジ)には、トナーを撹拌・搬送するためのトナー用スクリューが設けられている。このようなトナー用スクリューは、軸の周囲に羽根を螺旋状に取り付けた構造のものが使用されるが、スクリュー全体を金属で形成するとコストが高くなることから、従来より、軸を金属製とし、羽根を樹脂製にしたものが提案されている。図4(A)には、背景技術のトナー用スクリュー100の一例が示されている。同図に示すトナー用スクリュー100は、金属製の軸部102の外周面に、樹脂製の羽根104が螺旋状に巻き付けられた構造となっている。前記螺旋状の羽根104を射出成形により成形する場合、羽根の厚みが均一であるとアンダーカットが生じてしまうために、通常の上型と下型の型開き構造では取り出すことができない。そこで、アンダーカットをなくすために、羽根104の先端104Aよりも根元104Bの方が厚くなるように、抜け勾配(テーパ)を設ける必要がある。図4(B)には、前記図4(A)の#C−#C断面図が示されている。図4(B)に示すように、羽根104の先端104Aよりも根元104Bの方が厚くなるように形成する,すなわち、羽根104の側面にテーパを設けることにより、型抜きが可能となっている。このようなテーパを有する樹脂製の羽根を有するスクリューとして、下記特許文献1には、断面形状が台形である樹脂製の螺旋状羽根を有するトナー撹拌・搬送スクリューが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−6597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したように羽根104にテーパを設けた場合、図4(B)に示すように羽根104の根元における間隔はP1となる。仮に、羽根104の厚みを均一に形成したとすると、図4(B)に示すように羽根104の根元の間隔はP2となり、テーパを設けた場合の間隔P1よりも広がる。すなわち、羽根104にテーパを設けると、均一の厚みの羽根を用いた場合に比べて空間容積が小さくなり、1ピッチあたりのトナーの送り量(搬送量)や撹拌量が少なくなってしまうという不都合がある。また、トナーの搬送量を増やすために回転数(もしくは回転速度)を増すと、消費電力が増してしまうという不都合がある。
【0005】
本発明は、以上のような点に着目したもので、粉体用スクリューにおいて、軸部の周囲に螺旋状に形成する羽根を樹脂製とした場合であっても、粉体の搬送量の低下を招くことがない粉体用スクリューと、前記羽根を樹脂成形するための成形用金型,該成形用金型を利用した粉体用スクリューの製造方法を提供することを、その目的とする。他の目的は、前記粉体用スクリューを利用したトナーカセット及び画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の粉体用スクリューは、回転可能な略円柱状の軸部の外周面に、羽根部が螺旋状に形成された粉体用スクリューであって、前記羽根部を、樹脂の射出成形によって、均一の厚みに形成したことを特徴とする。主要な形態の一つは、前記軸部が金属であって、少なくとも一箇所以上に縮径部を有し、該縮径部の外周面に凹凸部が形成されるとともに、該凹凸部を被覆するように、前記縮径部の窪みにも前記樹脂が充填されていることを特徴とする。他の形態は、前記軸部が樹脂であるときに、該軸部を中空としたことを特徴とする。
【0007】
本発明の粉体用スクリューの成形用金型は、略円柱状の軸部の外周面に、均一の厚さの羽根部が螺旋状に巻き付けられた粉体用スクリューを成形するための金型であって、前記軸部の周囲に、該軸部の軸方向に沿うように分割配置され、前記軸部と対向する側にキャビティの一部を構成するキャビティ形成部が設けられた複数の分割型よりなり、該複数の分割型は、それぞれが前記軸部と直交する方向へ進退可能であるとともに、前記軸部側へ移動させたときに、各分割型のキャビティ形成部が互い違いに交差して、前記軸部に相当する略円柱状のキャビティ部分と、前記羽根部に相当する螺旋状のキャビティ部分を形成することを特徴とする。
【0008】
他の発明の粉体用スクリューの成形用金型は、略円柱状の軸部の外周面に、均一の厚さの羽根部が螺旋状に巻き付けられた粉体用スクリューを成形するための金型であって、前記軸部を挟んで対向し、該軸部と直交する方向へ進退可能な一対の分割型と、前記軸部を挟んで対向し、該軸部と直交する方向であって、かつ、前記一対の分割型の進退方向と直交する方向へ進退可能な他の一対の分割型と、の4つの分割型よりなり、該4つの分割型は、それぞれ前記軸部の軸方向に沿うように配置されており、前記軸部側へ移動させたときに、前記一対の分割型と他の一対の分割型が、互い違いに交差する交差部分を前記軸部の周囲に形成するとともに、前記4つの分割型のそれぞれの交差部分は、交差状態において前記軸部に相当する略円柱状のキャビティ部分と前記羽根部に相当する螺旋状のキャビティ部分を形成するためのキャビティ形成部を有することを特徴とする。
【0009】
前記いずれかに記載の成形用金型を利用した粉体用スクリューの製造方法であって、前記各分割型のキャビティ形成部を互い違いに交差させて略円柱状のキャビティ部分と螺旋状のキャビティ部分を形成し、これらキャビティ部分に溶融樹脂を充填することを特徴とする。主要な形態の一つは、前記略円柱状のキャビティ部分に金属製の軸を設置した後に、前記溶融樹脂を充填することを特徴とする。他の形態は、前記金属製の軸が、一箇所以上の縮径部を有し、かつ、該縮径部の外周面に凹凸部を有するとともに、前記溶融樹脂が前記凹凸部を覆うように、前記縮径部の窪みにも溶融樹脂を充填することを特徴とする。
【0010】
本発明のトナーカセットは、前記いずれかに記載の粉体用スクリューと、該粉体用スクリューを、その軸部周りに回転可能に支持するとともに、トナーを収納するケースと、を備えたことを特徴とする。本発明の画像形成装置は、前記トナーカセットを備えたことを特徴とする。本発明の前記及び他の目的,特徴,利点は、以下の詳細な説明及び添付図面から明瞭になろう。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、粉体の撹拌や搬送を行うための粉体用スクリューにおいて、回転可能な軸部の周囲に螺旋状に設けられる羽根部を、均一な厚みを有する樹脂製とすることで、粉体の搬送量の低下を防止することができる。また、前記羽根部を成形するにあたり、前記軸部の軸方向に沿って分割配置された複数の分割型のキャビティ形成部を互い違いに交差させて、前記軸部及び羽根部に相当する形状のキャビティ部分を形成し、該キャビティ部分に溶融樹脂を充填することとしたので、テーパを設けることなく型抜きが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施例1を示す図であり、(A)はトナー用スクリューを示す平面図であり、(B)は前記(A)を#A−#A線に沿って切断し矢印方向に見た断面図,(C)は金型の型締め前後の様子を示す正面図,(D)は型締め前の金型の様子を示す外観斜視図である。
【図2】本発明の実施例2を示す図であり、(A)はトナー用スクリューを示す平面図,(B)は前記(A)を一部判断して示す図である。
【図3】本発明の他の実施例を示す図である。
【図4】(A)は背景技術のトナー用スクリューを示す平面図,(B)は前記(A)を矢印#C−#C線に沿って切断し矢印方向に見た断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態を、実施例に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0014】
最初に、図1を参照しながら本発明の実施例1を説明する。本実施例は、本発明の粉体用スクリューをトナーカセットなどに利用されるトナー用スクリューに適用した例である。図1(A)は本実施例のトナー用スクリューを示す平面図であり、(B)は前記(A)を#A−#A線に沿って切断し矢印方向に見た断面図,(C)は金型の型締め前後の様子を示す正面図,(D)は型締め前における金型を示す斜視図である。図1(A)に示すように、本実施例のトナー用スクリュー10は、略円柱状の軸部12の外周部に、羽根20が螺旋状に巻き付けられた構成となっている。本実施例では、前記軸部12として金属製(例えば、スチール)の棒を利用しており、羽根20は樹脂製である。前記羽根20の材料となる樹脂としては、例えば、耐熱性が低い汎用プラスチック(PE,PVC,PP,PS,ABS,AS,PMMA,PVA,PVDC,PBD,PET等)や、耐熱性が高い汎用エンプラ(ポリアミド(PA),ポリアセタール(POM),ポリカーボネート(PC),変性ポリフェニレンエーテル(PPE),ポリブチレンテレフタレート(PBT),GF入りポリエチレンテレフタレート(GF−PET),超高分子量ポリエチレン(UHPE),GF入りのPC/ABSアロイ(GF−PC/ABS)等)が用いられる。該羽根20は、図1(B)の断面に示すように、先端20Aから根元20Bまで均一の厚さとなっており、上述した背景技術の射出成形による樹脂製の羽根と異なり、テーパが設けられていない。すなわち、羽根20の間隔Pは、図1(B)に示すように羽根20の先端20Aから根元20Bの間で同じである。
【0015】
このような均一の厚さを有する羽根20を螺旋状に射出成形して型抜きするために、本実施例では、図1(C)及び(D)に示す金型30を利用している。該金型30は、粉体用スクリュー10の軸部12の周りに、該軸部12の長手方向に沿うように分割配置される4つの分割型32,34,36,38より構成されている。これら分割型32,34,36,38は、それぞれ、図示しない型締め機構により前記軸部12と直交する方向に進退可能となっている。また、これら分割型32,34,36,38は、前記軸部12に向き合う側に、キャビティの一部を形成するキャビティ形成部32A,34A,36A,38Aが形成されている。前記分割型32〜38は、前記軸部12側へ移動させたときに、各分割型のキャビティ形成部32A〜38Aが互い違いに交差して、前記軸部12に相当する略円柱状のキャビティ部40と、前記羽根20に相当する螺旋状のキャビティ部42を形成する。
【0016】
本実施例では、前記軸部12として金属棒を利用しているため、前記分割型32〜38を型締めして形成される軸部用のキャビティ部40に予め金属棒を設置しておき、周囲の螺旋状のキャビティ部42に溶融樹脂を射出充填する。そして、所定時間が経過し、樹脂が硬化したら、図1(A)の右側に示すように、分割型32〜38が互いに離れるように移動させ、トナー用スクリュー10を取り出す。なお、本実施例では、分割型32と分割型36が上下方向に対向し、分割型34と分割型38が左右方向に対向している。そして、分割型32のキャビティ形成部32Aと分割型38のキャビティ形成部38Aの一部が交差し、また、該キャビティ形成部38Aの一部が分割型36のキャビティ形成部36Aの一部と交差し、該キャビティ形成部36Aの一部が分割型34のキャビティ形成部34Aの一部と交差するというように、複数の分割型32〜38のそれぞれのキャビティ形成部32A〜38Aの一部が、隣り合う分割型のキャビティ形成部の一部と交差するように金型30が構成されている。このため、図1(A)の右側に示すように、分割型36を上方向に移動させ、分割型32を下方向に移動させ、分割型38を紙面手前側に移動させ、分割型34を紙面の奥方向に向けて移動させることにより、均一の厚みを有する羽根20を形成しても、アンダーカットが問題になることはなく、型から取り出すことができる。以上のようにして形成されたトナー用スクリュー10は、前記軸部12が図示しないトナーカセットのケース内に回転可能に支持され、該ケース内に収容されたトナーの撹拌・搬送を行う。
【0017】
このように、実施例1によれば、次のような効果がある。
(1)トナー用スクリュー10の羽根20を樹脂製としたので、同形状のトナー用スクリューを全て金属で形成した場合と比べて、コンパクト化(軽量化)を図るとともに、製造コストの低減が可能となる。
(2)前記羽根20の先端20Aと根元20Bの厚みを均一にしたので、従来のテーパを設けた羽根部と比べて羽根部のピッチが広がり、羽根部間の断面体積が増える。このため、トナーの搬送量,搬送性の点で優れている。
(3)上述した軽量化及び搬送性の改善により、省電力に効果がある。
(4)金属製の軸部12にノンテーパ形状の羽根20を直播きする構造のため、最小径を維持し、搬送量を損なうことがない。
(5)前記羽根20を成形するにあたり、前記軸部12の軸方向に沿って分割配置された複数の分割型32〜38のキャビティ形成部32A〜38Aのそれぞれの一部を互いに交差させて、前記軸部12及び羽根20に相当する形状のキャビティ部40,42を形成する。そして、該キャビティ部に溶融樹脂を充填することで均一な厚みを有する(ノンテーパの)樹脂製の羽根20を成形することとしたので、羽根20の形状が型開きに支障をきたすことがなく、スムースに型から取り出すことが可能となる。
【実施例2】
【0018】
次に、図2を参照しながら本発明の実施例2を説明する。図2(A)は、本実施例のトナー用スクリューを示す平面図,図2(B)は前記(A)を一部破断して示す図である。本実施例のトナー用スクリュー50は、金属製の軸部52の周囲に、上述した実施例1と同様の均一な厚みを有する羽根60が螺旋状に設けられた構造となっている。前記軸部52には、図2(B)に示すように、縮径部54が複数(図示の例では2箇所)設けられており、該縮径部54の外周面にはローレット56(ないし凹凸形状)が形成されている。羽根60の射出成形の際に、前記縮径部54の窪み55に相当する部分に溶融樹脂を流し込む部分(ピンゲート)を設けて溶融樹脂を流し込み、ローレット56を覆うように窪み55に樹脂を充填して樹脂被覆部58を形成することにより、ローレット56の凹凸に入り込んだ樹脂との摩擦によって羽根60の巻き付きトルクを確保し、軸部52に対して周りにくくすることができる。また、強度を上げることも可能となる。本発明では、金属製の軸部の周囲に均一な厚みの樹脂製の羽根部を直播きできるため、羽根部間の断面体積を増やせるという利点があるが、その反面、軸部と羽根部の接触面積が減少するため、羽根部が軸部に対して回りやすくなる傾向にあるが、本実施例によれば、確実に羽根60が軸部52と一体に回転可能となる。他の基本的な作用・効果は、上述した実施例1と同様である。
【0019】
なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることができる。例えば、以下のものも含まれる。
(1)上述した実施例1及び2では、軸部を金属製とし、羽根部を樹脂製としたが、これも一例であり、図3(A)に示すトナー用スクリュー70のように、軸部72と羽根74の双方を樹脂製としてもよいし、図3(B)に示すトナー用スクリュー80のように、軸部82と羽根86の双方を樹脂製とし、更に、前記軸部82に中空部84を設けて軽量化を図るようにしてもよい。前記中空部84は、例えば、ガスインジェクション成形により可能である。樹脂の具体例も一例であり、同様の効果を奏する範囲内で適宜変更してよい。
(2)前記実施例1では、金型30を、4つの分割型32,34,36,38により構成したが、これも一例であり、更に分割数を増やしてもよい。
(3)前記実施例2で示した縮径部54も一例であり、必要に応じて設ければよく、その数も適宜増減してよい。また、ローレット56も一例であり、他の公知の各種の凹凸形状を設けるようにしてもよい。
(4)スクリューのピッチや径は、一定としてもよいし、適宜変更してもよい。例えば、中央付近はピッチを大きく設定し、両端付近はピッチを小さく設定するという具合である。
(5)前記実施例では、本発明をトナー用スクリューとして利用することとしたが、これも一例であり、本発明は、トナー以外の粉体の撹拌や搬送の用途全般に適用可能である。
(6)本発明の粉体用スクリューを備えたトナーカセットは、例えば、レーザプリンタや複写機などに利用されるが、これも一例であり、他の公知の各種画像形成装置に適用することを妨げるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明によれば、軸部の周囲に螺旋状に巻き付けられる羽根部を樹脂で射出成形するにあたり、前記軸部の軸方向に沿って分割配置される複数の分割型のキャビティ形成部を互い違いに交差させて前記軸部及び羽根部に相当する形状のキャビティ部を形成し、該キャビティ部に溶融樹脂を充填することとしたので、均一な厚みを有する樹脂製の羽根部を形成し、型から取り出すことができる。これにより、樹脂製の羽根部間のピッチを広げて粉体の搬送量を増やすことができるため、粉体を撹拌・搬送等するための粉体用スクリューの用途に適用可能である。特に、トナー用スクリュー,それを利用したトナーカセット及び画像形成装置の用途に好適である。
【符号の説明】
【0021】
10:トナー用スクリュー
12:軸部
20:羽根
20A:先端
20B:根元
30:金型
32,34,36,38:分割型
32A,34A,36A,38A:キャビティ形成部
40,42:キャビティ部
50:トナー用スクリュー
52:軸部
54:縮径部
55:窪み
56:ローレット
58:樹脂被覆部
60:羽根
70,80:トナー用スクリュー
72,82:軸部
74,86:羽根
84:中空部
100:トナー用スクリュー
102:軸部
104:羽根
104A:先端
104B:根元

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能な略円柱状の軸部の外周面に、羽根部が螺旋状に形成された粉体用スクリューであって、
前記羽根部を、樹脂の射出成形によって、均一の厚みに形成したことを特徴とする粉体用スクリュー。
【請求項2】
前記軸部が金属であって、
少なくとも一箇所以上に縮径部を有し、該縮径部の外周面に凹凸部が形成されるとともに、該凹凸部を被覆するように、前記縮径部の窪みにも前記樹脂が充填されていることを特徴とする請求項1に記載の粉体用スクリュー。
【請求項3】
前記軸部が樹脂であるときに、該軸部を中空としたことを特徴とする請求項1記載の粉体用スクリュー。
【請求項4】
略円柱状の軸部の外周面に、均一の厚さの羽根部が螺旋状に巻き付けられた粉体用スクリューを成形するための金型であって、
前記軸部の周囲に、該軸部の軸方向に沿うように分割配置され、前記軸部と対向する側にキャビティの一部を構成するキャビティ形成部が設けられた複数の分割型よりなり、
該複数の分割型は、それぞれが前記軸部と直交する方向へ進退可能であるとともに、前記軸部側へ移動させたときに、各分割型のキャビティ形成部が互い違いに交差して、前記軸部に相当する略円柱状のキャビティ部分と、前記羽根部に相当する螺旋状のキャビティ部分を形成することを特徴とする粉体用スクリューの成形用金型。
【請求項5】
略円柱状の軸部の外周面に、均一の厚さの羽根部が螺旋状に巻き付けられた粉体用スクリューを成形するための金型であって、
前記軸部を挟んで対向し、該軸部と直交する方向へ進退可能な一対の分割型と、
前記軸部を挟んで対向し、該軸部と直交する方向であって、かつ、前記一対の分割型の進退方向と直交する方向へ進退可能な他の一対の分割型と、
の4つの分割型よりなり、
該4つの分割型は、それぞれ前記軸部の軸方向に沿うように配置されており、前記軸部側へ移動させたときに、前記一対の分割型と他の一対の分割型が、互い違いに交差する交差部分を前記軸部の周囲に形成するとともに、
前記4つの分割型のそれぞれの交差部分は、交差状態において前記軸部に相当する略円柱状のキャビティ部分と前記羽根部に相当する螺旋状のキャビティ部分を形成するためのキャビティ形成部を有することを特徴とする粉体用スクリューの成形用金型。
【請求項6】
請求項4又は5記載の成形用金型を利用した粉体用スクリューの製造方法であって、
前記各分割型のキャビティ形成部を互い違いに交差させて略円柱状のキャビティ部分と螺旋状のキャビティ部分を形成し、これらキャビティ部分に溶融樹脂を充填することを特徴とする粉体用スクリューの製造方法。
【請求項7】
前記略円柱状のキャビティ部分に金属製の軸を設置した後に、前記溶融樹脂を充填することを特徴とする請求項6記載の粉体用スクリューの製造方法。
【請求項8】
前記金属製の軸が、一箇所以上の縮径部を有し、かつ、該縮径部の外周面に凹凸部を有するとともに、前記溶融樹脂が前記凹凸部を覆うように、前記縮径部の窪みにも溶融樹脂を充填することを特徴とする請求項7記載の粉体用スクリューの製造方法。
【請求項9】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の粉体用スクリュー,あるいは、請求項6〜8のいずれか一項に記載の製造方法により製造された粉体用スクリューと、
該粉体用スクリューを、その軸部周りに回転可能に支持するとともに、トナーを収納するケースと、
を備えたことを特徴とするトナーカセット。
【請求項10】
請求項9記載のトナーカセットを備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2012−56258(P2012−56258A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−203793(P2010−203793)
【出願日】平成22年9月11日(2010.9.11)
【出願人】(510247102)日本エフ・ティ・ビー株式会社 (2)
【Fターム(参考)】