説明

粉末濃度調節方法及び装置

【課題】気流によって目的部位に輸送される粉末を所望濃度に保持しつつ、輸送される粉末の総量管理が容易な粉末濃度調節装置を提供する。
【解決手段】送気系統61及び濃度コントローラ59を備える。補給される粉末を輸送気体で吹飛ばす噴射ノズル52を噴射部51に設ける。吹飛ばされた粉が混じった含粉気流を一端から受入れ他端に出口53aを有した調節筒53に、この筒内に希釈気体を混入させる希釈ノズル55,56と、含粉気流の粉末濃度を測定する濃度センサ54とを設ける。系統61は、気体源に接続された流量調節弁65、流量調節弁68を有して弁65とノズル52を接続した送気経路66、及び流量調節弁73を有して弁65とノズル55,56を接続した送気経路71を備える。コントローラ59は、輸送気体の流量と希釈気体の流量とを合計した総流量が一定に保持されるように弁65を制御し、センサ54の測定結果に基づき弁69,73を制御することで輸送気体の流量と希釈気体の流量との割合を調節して、粉末濃度を目標濃度とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気流によって目的部位に輸送される粉末の濃度を調節する粉末濃度調節方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
錠剤等を回転式打錠機で成型する過程で発生するステッキング、キャッピング等の打錠障害を抑制し、かつ、成型性の向上及び成型された錠剤等の崩壊性等の改善のために、ステアリン酸マグネシウム粉末などの粉末滑沢剤が用いられている。この粉末滑沢剤を回転式打錠機の目的部位に供給するのに外部滑沢方式が知られている(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1には、回転盤上に配置されて粉末滑沢剤が連続して噴射される箱体内に、上杵に粉末滑沢剤を噴射する上向きノズルの先端部と、下杵及び臼孔に粉末滑沢剤を噴射する下向きノズルの先端部とを設けて、これらのノズルから噴射される粉末滑沢剤を、上杵、下杵及び臼孔に付着させるとともに、噴射されて余剰となった粉末滑沢剤を箱体に接続された吸塵管路から粉末吸塵機構に吸塵する技術が記載されている。
【0004】
更に、特許文献1の回転式粉末圧縮成型機では、噴射される粉末滑沢剤の量を調整するために、モータにより駆動される回転ドラムの外周面に付着した粉末滑沢剤を空気流により送出する粉末滑沢剤供給部からの送出量を以下のように制御している。つまり、粉末滑沢剤供給部から送出された量を流量検知部で検知するとともに、噴射後に粉末吸塵機構により回収した余剰の粉末滑沢剤の量を回収量検知部で検知して、これらの検知量から送出すべき粉末滑沢剤の量を演算し、その演算された量の粉末滑沢剤を送出するように粉末滑沢剤供給部を制御している。
【特許文献1】特許第3415558号明細書(段落0023−0041、図1−図9)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば医薬品錠剤、浴用剤等では、それに添加されるステアリン酸マグネシウムなどの無機質の添加物の量は厳格に管理されることが求められている。
【0006】
しかし、特許文献1には、粉末滑沢剤供給部から噴射ノズルに供給される粉末滑沢剤の濃度調節について言及した記載がない。そして、特許文献1のように粉末滑沢剤供給部から送出される粉末滑沢剤の流量を調節するものでは、その流量調節に伴って噴射ノズルに供給される粉末滑沢剤の総量が大きくばらつく。こうしたばらつきは、例えば錠剤一錠毎に添加される粉末滑沢剤の量を正確に管理する上では好ましくない。
【0007】
本発明の目的は、気流によって目的部位に輸送される粉末を所望濃度に調節できるとともに、輸送される粉末の総量管理が容易な粉末濃度調節方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の粉末濃度調節方法は、噴射される輸送気体で、この気体の噴射部に供給される粉末を調節筒の一端から他端の出口に向けて吹き飛ばして基本濃度の含粉気流を形成するとともに、この含粉気流中に希釈気体を混入させ、前記調節筒内の含粉気流の粉末濃度を測定し、前記輸送気体の流量と希釈気体の流量とを合計した総流量を一定に保持したままで、前記濃度測定の結果に基づいて前記輸送気体の流量と前記希釈気体の流量との割合を調節して、粉末濃度を目標濃度とすることを特徴としている。
【0009】
本発明方法で、輸送気体により粉末を吹き飛ばして形成される基本濃度の含粉気流に対する希釈気体の混入量を増やすことにより、含粉気流の粉末濃度を低下させることができ、この逆に含粉気流に対する希釈気体の混入量を減らすことにより、含粉気流の粉末濃度を高めることができる。この濃度調節では、輸送気体の流量は一定ではなく、含粉気流に対する希釈気体の混入量が増やされる場合にはそれに応じて輸送気体の流量が減らされ、この逆に含粉気流に対する希釈気体の混入量が減らされる場合にはそれに応じて輸送気体の流量が増加される。こうした輸送気体の流量と希釈気体の流量との割合調節は、調節筒内の含粉気流の粉末濃度の測定結果に基づいてなされる。それにより、目的部位に粉末輸送する輸送気体の総流量を一定に保持したままで、気流によって目的部位に輸送される粉末を所望濃度に調節できる。
【0010】
本発明の粉末濃度調節装置は、供給される粉末を輸送気体で吹き飛ばす噴射ノズルが設けられた噴射部と、この噴射部に連続して設けられ前記吹き飛ばされた粉が混じった含粉気流を一端から受入れ他端に出口を有した調節筒と、この調節筒に設けられ前記含粉気流に希釈気体を混入させる希釈ノズルと、前記調節筒に設けられ前記含粉気流の粉末濃度を測定する濃度センサと、気体源に接続された第1の流量調節体、前記噴射ノズルに供給される輸送気体の流量を変える第2の流量調節体を有して前記第1の流量調節体から前記噴射ノズルにわたって設けられた送気経路、及び前記希釈ノズルに供給される希釈気体の流量を変える第3の流量調節体を有して前記第1の流量調節体から前記希釈ノズルにわたって設けられた他の送気経路を備えた送気系統と、前記輸送気体の流量と希釈気体の流量とを合計した総流量が一定に保持されるように前記第1の流量調節体を制御するとともに、前記濃度センサの測定結果に基づいて、前記第2、第3の流量調節体を制御することで前記輸送気体の流量と前記希釈気体の流量との割合を調節して、粉末濃度を目標濃度とする濃度コントローラと、を具備している。
【0011】
本発明装置では、気体源から供給される気体が、濃度コントローラによって制御される第1の流量調節体を経て一定の総流量に調節されてから、その内の多くが第2の流量調節体を有した送気経路を通って噴射ノズルに供給される一方で、残りが第3の流量調節体を有した他の送気経路を通って希釈ノズルに供給される。それにより、噴射ノズルから噴射される気体、つまり、輸送気体が噴射部に補給されている粉末を調節筒内に吹き飛ばして含粉気流が形成されるととともに、この調節筒内の含粉気流に、希釈ノズルから噴射される気体、つまり希釈気体が混入されて、含粉気流が希釈される。こうして希釈された含粉気流の濃度は濃度センサにより測定され、その測定結果は濃度コントローラに与えられる。この濃度コントローラは、既述のように第1の流量調節体を制御するとともに、濃度センサの測定結果に基づいて、第2、第3の流量調節体を制御する。それにより、前記輸送気体の流量と前記希釈気体の流量との割合が調節される。
【0012】
このため、本発明の粉末濃度調節装置は、前記粉末濃度調節方法を実施して、目的部位に粉末を輸送する輸送気体の総流量を一定に保持したままで、気流によって目的部位に輸送される粉末を所望濃度に調節できる。
【0013】
本発明装置の好ましい形態では、前記濃度センサに、前記調節筒を横切るレーザ光を出射する投光部、及び前記レーザ光を受光してその光強度に応じた電圧を前記粉末濃度として出力する受光部を有したレーザセンサを用いるとともに、前記希釈ノズルを一対用いて、これら希釈ノズルを前記レーザ光の光路上に配置している。
【0014】
本発明では、調節筒内に噴射される希釈気体により、調節筒体内の含粉気流中の粉末が投光部及び受光部に付着することが妨げられるので、レーザ光の出射及び受光が確実に保障される。このため、含粉気流の粉末濃度の測定精度が、投光部及び受光部に粉末が付着されることによって、低下することを抑制できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、気流によって目的部位に輸送される粉末を所望濃度に調節できるとともに、輸送される粉末の総量管理が容易な粉末濃度調節方法及び装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1及び図2を参照して本発明の一実施形態を説明する。
【0017】
図1中符号Pはいわゆる回転式打錠機として機能する回転式粉末圧縮成型機(以下成型機Pと略称する。)を示している。この成型機Pは、回転式粉末圧縮成型装置1(以下成型装置1と略称する。)と、粉末滑沢剤噴射装置2(以下噴射装置2と略称する。)と、同期回転コントローラ3と、滑沢剤回収装置4(以下回収装置4と略称する。)と、を具備している。
【0018】
成型装置1が備える回転盤5は、図示しない駆動装置で回転される。回転盤5は、臼取付け部5aと、この臼取付け部5aの上面に対向する上杵取付け部5b、及び臼取付け部5aの下面に対向する下杵取付け部5cを有している。臼取付け部5aには、回転盤5の回転中心を中心とする半径が描く円上に位置して、多数の臼6が等間隔に取付けられている。臼6は型本体として機能するものであって、その中央部に錠剤等の圧縮成型品の外形を規定するための臼孔を有している。
【0019】
臼取付け部5a上には図示しないがスクレーパ及び粉末供給器が配置されている。スクレーパは、圧縮成型品の排出手段として機能する。粉末供給器はその開口された下面が臼取付け部5aの上面で塞がれるように設けられている。この粉末供給器には、図示しない原料ホッパが有した定量供給器から粉末材料が適宜補給され、補給された粉末供給器内の粉末材料は流動化されながら、粉末供給器の真下に移動してきた臼6の臼孔に供給される。
【0020】
上杵取付け部5bには、臼6と同数でかつ臼6と同じ配置の上杵案内孔が上下方向に貫通されていて、これらの上杵案内孔の夫々には、上パンチとして機能する上杵7が上下方向に摺動自在に貫通して取付けられている。これら上杵7は、回転盤5の回転に伴い図示しない上カムによって上下動される。
【0021】
下杵取付け部5cには臼6と同数でかつ臼6と同じ配置の下杵案内孔が上下方向に貫通されていて、これらの下杵案内孔の夫々には、下パンチとして機能する下杵8が上下方向に摺動自在に貫通して取付けられている。これら下杵8の杵先部は、対応する臼6の臼孔に挿入され、臼孔の底をなしている。各下杵8は、回転盤5の回転に伴い図示しない各種の下杵案内軌道によって上下動される。
【0022】
上下方向に対応して配置された上杵7及び下杵8は、その杵先部を圧縮成型位置にて互いに接近させるように軸線方向に移動されて、臼6内に充填された粉末材料の圧縮成型を行う。そのために、圧縮成型位置には、上杵7を押下げる上ロール(図示しない)と、下杵8を押上げる下ロール(図示しない)が配置されている。
【0023】
回転盤5の回転により、臼6が粉末供給器の下側を通過する際に、下杵8が下杵案内軌道で昇降されるに従い、臼6内への粉末材料の秤量を伴う粉末供給器から充填が完了する。次に、粉末材料が充填された臼6に上杵7の杵先が挿入された後に、臼6が圧縮成型位置に移動されて、この位置に配置されている上ロールと下ロールとにより、上杵7と下杵8とが互いに接近するように移動されて臼6内の粉末材料が圧縮成型される。この成型後には、上杵7が上カムで上昇されて臼6の上方へ引き抜かれるとともに、下杵8が下杵案内軌道で突上げられるので、臼6の上側に錠剤等の圧縮成型品が押し出される。そして、下杵8の杵先の通過を許すスクレーパによって、下杵8上の圧縮成型品が外されるとともに回転盤5外に排出される。以上の一連の動作により一成型サイクルが完了し、以後同じサイクルが回転盤5の回転が継続することによって繰り返される。
【0024】
図1中符号9は回転位置センサを示し、符号10は原点位置センサを示している。回転位置センサ9は回転盤5の回転位置を検出するためのパルス信号など回転位置信号を発生する。この回転位置センサ9として例えばパルスジェネレータ又はロータリーエンコーダなどを用いることができる。原点位置センサ10は、例えば回転盤5の周部などに設けた原点例えば単一の切欠き等を検出するセンサである。
【0025】
噴射装置2は、円筒21、噴射部材23、駆動部25、滑沢剤供給器31を具備している。
【0026】
円筒21は複数例えば180度隔たった二箇所に噴射孔22を有している。円筒21は、スクレーパが設置された成型品取出し位置と、粉末供給器が設置された粉末供給位置との間の位置、つまり、滑沢剤噴霧位置に設置されている。噴射孔22は、上杵7及び下杵8が滑沢剤噴霧位置に移動された際に、上杵7又は下杵8の杵先面と対向可能な位置に開けられている。
【0027】
噴射部材23は円筒21内に配置されている。噴射部材23には滑沢剤供給器31から輸送気体例えば空気により粉末滑沢剤が供給される。この噴射部材23は、円筒の内周面に接触又近接する複数例えば二つの噴霧口23a,23bを有している。これらの噴霧口23a,23bは、噴射部材23の180度隔たった上下二箇所に夫々開口されている。
【0028】
駆動部25は、円筒21を回転させるものであって、駆動モータ26と、伝動機構27とを備えている。駆動モータ26はサーボモータなどからなる。伝動機構27は、歯車伝動機構からなり、例えば駆動モータ26のモータ軸に連結された小歯車27aと、これに噛み合わされた大歯車27bを有している。大歯車27bには円筒21が接続されている。
【0029】
したがって、駆動モータ26が駆動されると、伝動機構27を介して円筒21が回転されるに伴って、二つの噴射孔22及びこれら噴射孔22に対して円筒21の周方向に連続する周壁部位で、噴霧口23a,23bが開閉される。噴霧口23a,23bが開いた状態になると、上杵7及び下杵8の杵先面に向けて噴射孔22から粉末滑沢剤が噴霧され、この噴霧は噴霧口23a,23bが前記周壁部位で閉じられた状態になることで停止される。
【0030】
なお、図1中符号28は円筒21の周囲に設けた吸塵ケース28を示している。吸塵ケース28には吸塵ホース29を介して回収装置4が接続されている。回収装置4は、フィルタが内蔵された回収タンクと、このタンクの出口に接続されたブロワとを備えており、この回収装置4のブロワが運転されることにより吸塵ケース28の内部に負圧が波及される。それにより、噴射孔22から噴霧された粉末滑沢剤のうちで、上杵7、下杵8及び臼孔内面に付着されなかった余剰分を、吸塵ケース28が吸引して、余剰な粉末滑沢剤が回収される。
【0031】
回転位置センサ9及び原点位置センサ10の出力信号が入力される同期回転コントローラ3は、それに原点位置センサ10の出力信号が入力された時点から回転位置センサ9の出力パルス信号をカウントすることで、回転盤5の回転位置を知ることができる。それに基づいて、同期回転コントローラ3は、上下方向に対をなした上杵7、臼6及び下杵8が滑沢剤噴霧位置に達したかどうかを知ることができる。これに伴い、同期回転コントローラ3は、回転盤5の回転速度と杵数等に応じて駆動部25の駆動モータ26の駆動を制御する。それにより、同期回転コントローラ3は、上下方向に対をなした上杵7、臼6及び下杵8が移動されて滑沢剤噴霧位置に達することにタイミングを合わせて、一対の噴射孔22が上下方向を向くように円筒21の回転を、同期をとって制御する。
【0032】
滑沢剤供給器31は、粉末滑沢剤を所望濃度に調節するとともに、この粉末滑沢剤を噴射部材23に気体を用いて搬送するものであって、定量供給機構32と、粉末濃度制御装置50とを備えている。
【0033】
図2に示すように定量供給機構32は、定量供給器33と、攪拌器(アジテータ)41、レベルセンサ47とを備えている。定量供給器33上には粉末滑沢剤が収容されるホッパ34が連結されている。
【0034】
攪拌器41に対して粉末滑沢剤を一定量ずつ連続的に供給する定量供給器33は、その内部に、サーボモータなどからなる外部のモータ36より回転される回転部材と、定量供給器33の底壁33aとの間に定量間隙を形成する仕切り壁とを有している。回転部材は、ホッパ34から定量供給器33内に供給された粉末滑沢剤を攪拌する複数の攪拌棒を有しているとともに、これら攪拌棒より下側に多数枚の定量羽根35を有している。これら定量羽根35は、回転部材の周方向に等配され放射状に設けられていて、前記定量間隙を通るようになっている。
【0035】
回転部材の回転に伴い、前記仕切り壁が無い部分において粉末滑沢剤が隣接する定量羽根35相互間に受入れられた後、前記仕切り壁より高い位置の粉末滑沢剤が仕切り壁で擦り切られることによって、隣接する定量羽根35相互間に受入れられた粉末滑沢剤を所定量に計量して定量間隙に移送できる。定量供給器33の底壁33aには仕切り壁と対向する出口37が開設されている。この出口37を通して、定量間隙に移送された隣接する定量羽根35相互間の粉末滑沢剤は、定量供給器33の下方に流出される。
【0036】
攪拌器41はその粉末入口42を前記出口37に連通させて設けられている。この連通において、定量供給器33の底壁33aに攪拌器41の上壁41aを接触させて粉末入口42と出口37とを直結するとよい。この攪拌器41への定量供給器33から粉末滑沢剤の供給を円滑に行わせるために、攪拌器41とホッパ34とは、これらに両端を接続したバイパス管38により連通されていて、それにより、攪拌器41とホッパ34との内圧を同じにしている。
【0037】
攪拌器41の内部には、サーボモータなどからなる外部のモータ43より一定速度で回転される攪拌羽根44が収容されている。攪拌羽根44は、周方向に等配され放射状に設けられていて、粉末入口42から供給された粉末滑沢剤を攪拌しながら移送する。
【0038】
上壁41aには粉末出口45が設けられている。粉末入口42から供給された粉末滑沢剤は、回転される攪拌羽根44によって粉末出口45に向けて移動される。
【0039】
レベルセンサ47は、攪拌器41内の粉末滑沢剤の高さ位置を検出するものであり、例えば上壁41aに取付けられた超音波センサからなる。レベルセンサ47の出力信号は、図1に示す定量供給コントローラ48に供給される。定量供給コントローラ48はそれに供給されたレベルセンサ47の出力信号に応じて定量供給器33のモータ36の回転速度等を制御する。それにより、攪拌器41内の粉末滑沢剤の層の厚みが略一定に制御される。言い換えれば、粉末滑沢剤の層は、後述の噴射ノズルから噴射される空気により、後述の噴射部に位置している粉末滑沢剤が円滑かつ確実に吹き飛ばされる厚みに制御される。
【0040】
図1に示すように粉末濃度制御装置50は、噴射部51と、調節筒53と、濃度センサ54と、希釈ノズル55,56と、送気系統61と、濃度コントローラ59とを具備している。
【0041】
噴射部51は、粉末出口45と、噴射ノズル52とを含んだ攪拌器41の一部で形成されている。粉末滑沢剤を噴射により拡散させる拡散ノズルとして機能する噴射ノズル52は、粉末出口45に対向して例えば攪拌器41の底壁に上向きに取付けられている。
【0042】
調節筒53は、内部を透視可能な透明アクリル樹脂等からなり、その開口された下端(一端)と反対側の上端(他端)に出口53aを有している。出口53aは先細状に形成されている。調節筒53は、その下端を攪拌器41の上壁41aに接続して起立されている。この調節筒53の下端開口と粉末出口45とは連続されている。
【0043】
調節筒53の出口53aには例えば内径4mmの供給管60の一端が接続されている。供給管60の他端は噴射部材23に接続されている。供給管60には、塩化ビニル樹脂、四弗化エチレン樹脂、合成ゴム、ステンレスなどで形成できる。その中でも四弗化エチレン樹脂とすることは、供給管60内面への粉末滑沢剤の付着をより効果的に抑制できる点で好ましい。
【0044】
調節筒53の長手方向中間部に取付けられた濃度センサ54は、調節筒53内を流れる含粉気流の粉末濃度を測定する。この濃度センサ54には、例えば図2に示すように投光部54aと受光部54bを有したレーザセンサを好適に使用できる。投光部54aは調節筒53を横切るレーザ光を出射する。受光部54bは、含粉気流中の粉末滑沢剤を透過することによって減衰されたレーザ光を受光し、その光強度に応じて光電変換により変換して得た電圧を出力する。濃度センサ54の出力電圧(測定結果)は濃度コントローラ59に供給される。
【0045】
調節筒53に取付けられた一対の希釈ノズル55,56は、希釈気体である空気を調節筒53内に噴射する。投光部54a側に設けられた一方の希釈ノズル55は、調節筒53の管壁を貫通した部位を有し、この部位はレーザ光の出射口を兼ねている。受光部54b側に設けられた他方の希釈ノズル56も、調節筒53の管壁を貫通した部位を有し、この部位はレーザ光の受光口を兼ねている。したがって、調節筒53の径方向に対向している一対の希釈ノズル55,56は、レーザ光の光路上に配置されている。希釈ノズル55,56の径は、噴射ノズル52の径より大きい。
【0046】
図1に示すように送気系統61には、フィルタ62、マイクロミストフィルタ63、及びレギュレータ64を順次経て気体源であるエアー源から気体である空気が供給される。送気系統61は、第1の流量調節体たとえば第1の流量調節弁65と、送気経路66と、他の送気経路71とを備えている。
【0047】
第1の流量調節弁65は気体である空気の圧力を一定にするレギュレータ64の下流側に接続されている。第1の流量調節弁65は、送気経路66,71を通る合計の空気量を一定に保持するために設けられていて、この第1の流量調節弁65の弁開度は濃度コントローラ59により調節される。
【0048】
この調節は、成型装置1の運転条件の変化、例えば回転盤5の回転速度が変更された際などに行われる。回転盤5の回転速度が変化すると、滑沢剤噴霧位置を通過する杵の速度が変わり、それに応じて杵先への粉末滑沢剤の付着量が変わるので、こうした変動に対応するために第1の流量調節弁65の弁開度が濃度コントローラ59により調節される。なお、杵先への粉末滑沢剤の付着量を変える他の因子として、杵先の面積が異なる杵を回転盤5に装着した場合、杵先の荒れ加減、温度や湿度度などの成型環境の変化なども挙げることができる。これら因子の合計空気量との相関関係を予め決めて記憶テーブルなどに記憶して置く場合には、前記因子の程度を検出するセンサからの情報に基づいて、濃度コントローラ59により第1の流量調節弁65の弁開度を調節するようにしてもよい。
【0049】
第1の流量調節弁65の下流側に配置された送気経路66は、第1の流量調節弁65から噴射ノズル52にわたって設けられている。送気経路66は、その途中に、第1の流量調節弁65の出口に接続されたソレノイドバルブ67と、このバルブ67より下流に配置された第2の流量調節弁68と、この弁68の下流に配置されたチェック弁69とを有している。したがって、ソレノイドバルブ67が開いている状態では、エアー源から第1の流量調節弁65を経て送気経路66に導入された正圧(例えば0.05メガパスカル)の空気が、ソレノイドバルブ67、第2の流量調節弁68、及びチェック弁69を順次通って噴射ノズル52に供給されるので、この噴射ノズル52から空気が輸送気体として連続して噴射される。
【0050】
第1の流量調節弁65の下流側に配置された他の送気経路71は、第1の流量調節弁65から一対の希釈ノズル55,56にわたって設けられている。他の送気経路71は、その途中に、第1の流量調節弁65の出口に接続されたソレノイドバルブ72と、このバルブ72より下流に配置された第3の流量調節弁73と、この弁73の下流に配置されたチェック弁74とを有している。したがって、ソレノイドバルブ72が開いている状態では、エアー源から第1の流量調節弁65を経て他の送気経路71に導入された正圧の空気が、ソレノイドバルブ72、第3の流量調節弁73、及びチェック弁74を順次通って希釈ノズル55,56の夫々に供給されるので、これらの希釈ノズル55,56から空気が希釈気体として連続して噴射される。
【0051】
第2の流量調節弁68と第3の流量調節弁73の夫々の弁開度は、前記濃度センサ54の測定結果に基づいて濃度コントローラ59によって共に制御される。この場合、濃度コントローラ59は、噴射ノズル52に供給される輸送気体の流量Q1と、希釈ノズル55,56に供給される希釈気体の流量Q2との割合を調節する。具体的には、輸送気体の流量Q1と希釈気体の流量Q2とを合計した総流量Qを変えないで、前記割合が変わるように調節をする。ここに、総流量Qは第1の流量調節弁65によって規定される流量である。
【0052】
ソレノイドバルブ67,72はいずれも図1に示すメインコントローラ75によって開閉制御される。メインコントローラ75は、図示しないが表示部を兼ねる入力部としての液晶タッチパネルを備えている。このメインコントローラ75は、同期回転コントローラ3、回収装置4、定量供給コントローラ48、濃度コントローラ59等も制御する。なお、図1中76,77は夫々圧力センサを示しており、これらの検出圧力はメインコントローラ75に入力される。
【0053】
メインコントローラ75は、成型装置1の運転を開始させると同時に、噴射装置2及び回収装置4を動作させる。さらに、メインコントローラ75は、滑沢剤供給器31の運転を開始させる。これにより、滑沢剤供給器31の粉末濃度制御装置50で所望濃度に調節された粉末滑沢剤が供給管60を通って噴射部材23に供給されるので、回転盤5により移動される上杵7、臼6及び下杵8が噴霧位置に達するたびに、それに同期して噴射部材23の円筒21の噴射孔22を通って粉末滑沢剤が噴霧される。したがって、上杵7、臼6及び下杵8に粉末滑沢剤を付着させることができる。この粉末滑沢剤は、成型装置1での例えば錠剤の圧縮成型に伴い、この錠剤の表面に付着される。
【0054】
粉末濃度制御装置50の運転はメインコントローラ75がソレノイドバルブ67,72を開らくことにより開始される。これに先立って、メインコントローラ75は、濃度コントローラ59を介して第1の流量調節弁65の弁開度を、成型装置1の運転条件などに応じて調節している。そのため、エアー源から送出された空気は、その圧力をレギュレータ64で所定圧力となるように調節されてから、第1の流量調節弁65で流量が所望の総流量Qとなるように調節されて、送気経路66と他の送気経路71とに夫々供給される。
【0055】
この場合、送気経路66を流れる流量Q1は第2の流量調節弁68の弁開度により規定され、他の送気経路71を流れる流量Q2は第3の流量調節弁73の弁開度により規定される。流量Q1は流量Q2より多くても少なくてもよい。送気経路66を流れる空気の圧力と、他の送気経路71を流れる空気の圧力は同じであり、流量Q1と流量Q2の合計流量は、第1の流量調節弁65の弁開度により規定された総流量Qに等しい。
【0056】
送気経路66で導かれた空気は輸送気体として噴射ノズル52から連続して噴射されるので、噴射部51に連続して供給される粉末滑沢剤が粉末出口45を通って上向きに吹き飛ばされる。それにより、吹き飛ばされた粉末滑沢剤が混じった基本濃度の含粉気流が形成される。この含粉気流は、調節筒53内にその一端から受入れられて、この調節筒53の他端の出口53aに向けて流れる。
【0057】
同時に、他の送気経路71で導かれた空気は希釈気体として希釈ノズル55,56から調節筒53内に噴出されて、含粉気流中に混ざる。これにより、含粉気流が希釈される。この希釈の程度を制御することによって、言い換えれば、噴射ノズル52から噴出される輸送空気の流量Q1と希釈ノズル55,56から噴出される希釈空気の流量Q2との割合を調節することによって、以下のように含粉気流中の粉末濃度が所望濃度に調節される。
【0058】
すなわち、噴射ノズル52から噴出された輸送空気により粉末を吹き飛ばして形成される基本濃度の含粉気流に対して、希釈ノズル55,56から噴出される希釈空気の混入量を多くすることにより、出口53aから流出する含粉気流の粉末濃度を低下させることができる。この場合、第1の流量調節弁65の弁開度で総流量Qが所望流量に保持されているので、濃度コントローラ59は、第2の流量調節弁68の弁開度を小さくすると同時に、それに応じて第3の流量調節弁73の弁開度を大きくする制御を実行する。
【0059】
この逆に、噴射ノズル52から噴出された輸送空気により粉末を吹き飛ばして形成される基本濃度の含粉気流に対して、希釈ノズル55,56から噴出される希釈空気の混入量を少なくすることにより、出口53aから流出する含粉気流の粉末濃度を高めることができる。この場合、第1の流量調節弁65の弁開度で総流量Qが所望流量に保持されているので、濃度コントローラ59は、第2の流量調節弁68の弁開度を大きくすると同時に、それに応じて第3の流量調節弁73の弁開度を小さくする制御を実行する。
【0060】
こうした輸送空気の流量Q1と希釈空気の流量Q2との割合調節は、調節筒53に取付けられた濃度センサ54が、調節筒53内の含粉気流の粉末濃度を測定した結果に基づいてなされる。つまり、濃度コントローラ59が有した濃度判断部(図示しない)が、そこに設定された目標濃度より濃度センサ54で測定された結果が高いと判定したときに、濃度コントローラ59は、輸送空気の流量Q1を減らすとともに希釈空気の流量Q2を増やすように第2、第3の流量調節弁68,73を制御する。この逆に、濃度コントローラ59の前記濃度判断部が、そこに設定された目標濃度より濃度センサ54で測定された結果が低いと判定したときに、濃度コントローラ59は、輸送空気の流量Q1を増やすとともに希釈空気の流量Q2を減らすように第2、第3の流量調節弁68,73を制御する。
【0061】
以上の制御により、粉末滑沢剤を輸送する空気の総流量Qを一定に保持したままで粉末濃度を所望濃度に調節して、この濃度を保持した含粉気流による輸送力で、目的部位である噴射部材23に粉末滑沢剤を輸送できる。これに伴い噴射装置2は、既述の動作で、上杵7及び下杵8の杵先面と臼6の臼孔に所望濃度の粉末滑沢剤を噴霧して付着させることができる。
【0062】
この場合、既述のように総流量Qが一定であるので、成型装置1の成型条件などに適合して粉末滑沢剤の濃度を調節できるにも拘わらず、噴射部材23に供給される粉末滑沢剤の総量がばらつくことがない。そのため、成型装置1で製造される例えば錠剤一錠毎に添加される粉末滑沢剤の量を正確に管理することが可能である。
【0063】
以上の濃度制御では、レーザセンサからなる濃度センサ54のレーザ光の光路上に希釈ノズル55,56が配置されているので、希釈ノズル55,56から噴射される希釈空気のパージ作用によって、調節筒53内の含粉気流中の粉末滑沢剤が濃度センサ54の投光部54a及び受光部54bに付着することが妨げられて、レーザ光の出射及び受光が確実に保障される。このため、濃度センサ54による含粉気流の粉末濃度の測定精度が、投光部54a及び受光部54bに粉末が付着されることによって低下することを抑制できる。したがって、既述の濃度制御を正確かつ確実に実施できる。
【0064】
以上の濃度制御を開始するに際して、ソレノイドバルブ72は、ソレノイドバルブ67より先行して開くことが好ましい。これにより、レーザ光の光路を兼ねる希釈ノズル55,56に、噴射ノズルからの空気噴出しにより形成される含粉気流中の粉末滑沢剤が、濃度センサ54の投光部54a及び受光部54bに付着しないようにできる。
【0065】
又、成型機Pの運転を終了する際には、ソレノイドバルブ72を、ソレノイドバルブ67より数分ないし数十分遅れて閉じることが好ましい。これにより、調節筒53及び供給管60内に残留している粉末滑沢剤をパージできる。
【0066】
したがって、以上の濃度制御では、ソレノイドバルブ72が開いている間にソレノイドバルブ67を開閉することが好ましい。なお、チェック弁69,74は、粉末濃度制御装置50の運転停止後に、調節筒53内に残留する粉末滑沢剤が、第2の流量調節弁68及び第3の流量調節弁73に向けて逆流することを防止する。それにより、粉末による流量調節弁68,73などの動作不良が防止されて、送気系統61の機能を保障できる。
【0067】
又、以上の濃度制御において第1の流量調節弁65が規定する総流量Qは、所定流量以上例えば毎分20l以上とすることが好ましい。これは、実験により求められたものである。この実験により、含粉空気の流路をなす部材、特に供給管60の内面に粉末滑沢剤が付着することを防止できることが分かった。供給管60の内面に粉末滑沢剤が付着して成長すると、それが、ある一定の成長段階で供給管60の内面から剥がれて噴射部材23に供給される。この場合には、高濃度の粉末滑沢剤が噴射孔22から噴霧されることになるので好ましくない。しかし、こうした不具合は、以上のように総流量Qを毎分20l以上としたことで解消できることが分かった。
【0068】
そして、既述のように総流量Qを所定流量に保持しつつ所望濃度に調節ができるので、この濃度調節に拘わらず総流量Qが例えば毎分20l未満となって、供給管60の内面に粉末滑沢剤が付着して成長する事態を防止できる。これに対して、総流量を変えて濃度調節をすると、特に濃度を低くする場合に総流量が減るので、供給管60の内面への粉末滑沢剤の付着・成長を防止できる流量を下回ることがあって、好ましくない。
【0069】
更に、既述のように所望濃度に保持する調節に拘わらず総流量Qが所定流量に保持されるので、噴射孔22から噴霧される粉末滑沢剤の上杵7、下杵8の杵先に対する付着条件が変動して、付着不良を招くことがない。
【0070】
つまり、総流量を増やして所望の濃い粉末濃度を得る場合には、噴射孔22からの粉末滑沢剤の噴霧速度が速すぎ、噴霧された粉末滑沢剤が杵先に付着せずに吹き飛ばされ易くなることがある。この逆に、総流量を減らして所望の薄い粉末濃度を得る場合には、噴射孔22からの粉末滑沢剤の噴霧速度が遅すぎ、噴霧された粉末滑沢剤が杵先に付着し難くなることがある。いずれにしても、濃度調節に伴って杵先への粉末滑沢剤の付着不良を生じることがなる。しかし、総流量Qが所定流量に保持される構成では、濃度調節に拘わらず噴射孔22からの噴霧速度が変化しないので、上杵7、下杵8の杵先に対する粉末滑沢剤の付着条件を最適に保持できる。
【0071】
本発明は前記一実施形態には制約されない。例えば、輸送気体として窒素ガス等の不活性ガスを用いても良い。又、希釈ノズルは濃度センサとは別の位置に設けてもよい。更に、希釈ノズルは、そこからの希釈気体の噴出し方向が、含粉気流の流れに対して直角ではなく、含粉気流の流れに対し斜め上流方向に向けて噴出するようにして、含粉気流の流れを極力乱さないように設けることもできる。また、既述のように輸送気体を上向きに噴出して噴射部に供給された略一定厚みの粉末層に吹き飛ばして基本濃度の含粉気流を形成することは、粉立ち、つまり、既述の吹き飛ばしが安定する点で好ましいが、本発明はこれに制約されない。例えば、噴射部の粉末層に対して、下向きに輸送気体を吹き付けることにより、粉末を上方に吹き飛ばして、基本濃度の含粉気流を形成することも可能である。又、本発明は粉末滑沢剤以外の粉末に対する濃度調節にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の一実施形態に係る粉末濃度調節装置をこの装置から粉末滑沢剤が供給される回転式粉末圧縮成型装置の一部とともに示す図。
【図2】図1の粉末濃度調節装置を示す略断面図。
【符号の説明】
【0073】
31…滑沢剤供給器、32…定量供給機構、33…定量供給器、41…攪拌器、45…粉末出口、50…粉末濃度調節装置、51…噴射部、52…噴射ノズル、53…調節筒、53a…出口、54…濃度センサ、54a…投光部、54b…受光部、55,56…希釈ノズル、59…濃度コントローラ、60…供給管、61…送気系統、65…第1の流量調節弁(第1の流量調節体)、68…第2の流量調節弁(第2の流量調節体)、71…他の送気系統、73…第3の流量調節弁(第3の流量調節体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
噴射される輸送気体で、この気体の噴射部に供給される粉末を調節筒の一端から他端の出口に向けて吹き飛ばして基本濃度の含粉気流を形成するとともに、この含粉気流中に希釈気体を混入させ、
前記調節筒内の含粉気流の粉末濃度を測定し、
前記輸送気体の流量と希釈気体の流量とを合計した総流量を一定に保持したままで、前記濃度測定の結果に基づいて前記輸送気体の流量と前記希釈気体の流量との割合を調節して、粉末濃度を目標濃度とする粉末濃度調節方法。
【請求項2】
供給される粉末を輸送気体で吹き飛ばす噴射ノズルが設けられた噴射部と、
この噴射部に連続して設けられ前記吹き飛ばされた粉が混じった含粉気流を一端から受入れ他端に出口を有した調節筒と、
この調節筒に設けられ前記含粉気流に希釈気体を混入させる希釈ノズルと、
前記調節筒に設けられ前記含粉気流の粉末濃度を測定する濃度センサと、
気体源に接続された第1の流量調節体、前記噴射ノズルに供給される輸送気体の流量を変える第2の流量調節体を有して前記第1の流量調節体から前記噴射ノズルにわたって設けられた送気経路、及び前記希釈ノズルに供給される希釈気体の流量を変える第3の流量調節体を有して前記第1の流量調節体から前記希釈ノズルにわたって設けられた他の送気経路を備えた送気系統と、
前記輸送気体の流量と希釈気体の流量とを合計した総流量が一定に保持されるように前記第1の流量調節体を制御するとともに、前記濃度センサの測定結果に基づいて、前記第2、第3の流量調節体を制御することで前記輸送気体の流量と前記希釈気体の流量との割合を調節して、粉末濃度を目標濃度とする濃度コントローラと、
を具備した粉末濃度調節装置。
【請求項3】
前記濃度センサに、前記調節筒を横切るレーザ光を出射する投光部、及び前記レーザ光を受光してその光強度に応じた電圧を前記粉末濃度として出力する受光部を有したレーザセンサを用いるとともに、前記希釈ノズルを一対用いて、これら希釈ノズルを前記レーザ光の光路上に配置した請求項2に記載の粉末濃度調節装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−99481(P2007−99481A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−293920(P2005−293920)
【出願日】平成17年10月6日(2005.10.6)
【出願人】(000153801)株式会社畑鉄工所 (14)
【Fターム(参考)】