説明

粉末状酸化染毛剤の希釈液

【構成】
粉末状酸化染毛剤の各成分を容易に且つ短時間に均一に溶解させることができ、毛髪の損傷、皮膚刺激が解消されるだけでなく、ムラ染めがなく均一に早く染毛することが可能である希釈液を提供する。
【解決手段】
アニオン界面活性剤、多価アルコール、アルカリ剤の配合を必須とし、pHを7.5〜10.0に調整することを特徴とする粉末状酸化染毛剤を短時間且つ完全に溶解する希釈液。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアニオン界面活性剤、多価アルコール、アルカリ剤、(増粘剤)を含有し、染毛効果に優れ、皮膚刺激が少なく、毛髪を傷めない粉末状染毛剤の希釈液に関する。
【背景技術】
【0002】
ヘアカラーは近年幅広い世代で施術され、その種類も酸化染料を用いたものから酸性染料、直接染料、植物性染料や銀等の金属を用いたものまで多種多様である。
【0003】
その中でも色調の豊富さ、色持ちの良さ、使いやすさで酸化染料を用いた染毛剤が主流を占めている。しかし酸化染料を用いた染毛剤は毛髪を傷める、刺激臭がある、皮膚刺激がある等の欠点があり、消費者は白髪を隠す、若々しく見せる、イメージを変える等欲望を満足させる為、これらの欠点に目をつぶって染毛剤を使用しているのが現状である。
【0004】
近年これらの欠点を解消する目的で古くから使用されてきた粉末状の酸化染毛剤が見直され、普及しつつあるが、粉末状の酸化染毛剤は水で均一に希釈する等操作が面倒、染めムラが出来易い、毛髪が痛む、刺激がある、染毛に時間がかかる等酸化染料を用いた一般的な染毛剤の欠点を解消するに至っていないのが現状である。
【0005】
粉末状酸化染毛剤は主に硫酸パラフェニレンジアミン、硫酸パラアミノフェノールや硫酸オルトアミノフェノール等の酸化染料、カルボキシメチルセルロースやアルギン酸ナトリウム等の増粘剤、過ホウ酸ナトリウムや過炭酸ナトリウム等の酸化剤、硫酸ナトリウムやコーンスターチ等の増量剤からなっており、使用時に水を加え、ハケ等で均一に混合した後、毛髪に塗布するのが一般的である。しかし、均一に混合するのに時間がかかる。酸化剤である過ホウ酸ナトリウムや過炭酸ナトリウムが溶解しない等の問題がある。特に酸化剤が均一に溶解しない場合、ムラ染めになるだけでなく、粉末状の酸化剤が直接地肌や毛髪に付着する為、皮膚刺激や毛髪を傷める一因となっている。
又、製剤中に有効な浸透剤が殆んど配合されていない為、染毛に時間を要し、且つムラ染めを引き起こす原因となっている。
【0006】
粉末状の酸化染毛剤に関して幾つか報告がある。例えば、酸化染料及び/又はニトロ染料の酸化重合体を含む粉末状染毛剤(特許文献1)、酸化染料及び/又はニトロ染料の酸化重合からなる粉末状酸化重合体とカチオン活性剤/及び/又は非イオン活性剤を含む染毛剤(特許文献2)、ガラクトマンナン多糖類誘導体を含有する粉末状染毛剤組成物(特許文献3)、タンニンを含む植物粉末を配合した粉末状染毛剤(特許文献4)などの報告がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平6−145032号公報
【特許文献2】特開平6−172146号公報
【特許文献3】特開平9−100224号公報
【特許文献4】2002−255766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、これらに用いる希釈液は主に水で考えられており、水以外の成分を含み容易に均一に溶解でき、染毛性に優れ、且つ皮膚刺激が少なく毛髪を傷めない希釈液はこれまでなかった。
【0009】
本発明者らは染毛性が良く、且つ皮膚刺激が少なく毛髪を傷めない粉末状酸化染毛剤を容易に均一に溶解させる希釈液につき、鋭意検討した。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは上記の実状を鑑み鋭意検討を行った結果、アニオン界面活性剤、多価アルコール、アルカリ剤、(増粘剤)を配合しpHを7.5〜10.0に調整した希釈液を用いることにより、粉末状酸化染毛剤を容易に均一に溶解させることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
即ち、請求項1に係る発明は、アニオン界面活性剤、多価アルコール、アルカリ剤、増粘剤を必須成分として含有し、pHが7.5〜10.0である染毛性が良く、皮膚刺激が少なく且つ毛髪を傷めない粉末状酸化染毛剤の希釈液に関する。
【0012】
請求項2に係る発明はアニオン界面活性剤の含有量が0.1重量%〜20.0重量%であり、アルカリ剤の含有量が0.01重量%〜5.0重量%であり、多価アルコールの含有量が1.0重量%〜20.0重量%であり、且つ増粘剤の含有量が0.05重量%〜5.0重量%である粉末状酸化染毛剤の希釈液に関する。
【0013】
請求項3に係る発明はアニオン界面活性剤がヤシ油脂肪酸メチルタウリンNa,アルキル硫酸Na,アルキルエーテル硫酸Na,ラウリン酸K,ラウリン酸Na,ミリスチン酸K,ミリスチン酸Na,パルミチン酸K,パルミチン酸Na,ステアリン酸K,ステアリン酸Na,ヤシ油脂肪酸K,ヤシ油脂肪酸Na,牛脂脂肪酸K,牛脂脂肪酸Na,パーム油脂肪酸K,パーム油脂肪酸Na,より選ばれた一種又は二種以上である請求項1乃至2記載の粉末状酸化染毛剤の希釈液に関する。
【0014】
請求項4に係る発明はポリオールエーテルがジエチレングリコールモノエチルエーテリ、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールギブチルエーテル、ヘキシレングリコール、よりえらばれた一種又は二種以上である請求項1乃至3記載の粉末状酸化染毛剤の希釈液に関する。
【0015】
請求項5に係る発明はpHを7.5〜10.0に調整する為のアルカリ剤がL−アルギニン、L−塩酸アルギニン、L−リジン、L−塩酸リジン、KOH,NaOH、Ca(OH)2,トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、より選ばれた一種又は二種以上である請求項1乃至4項記載の粉末状酸化染毛剤の希釈液に関する。
【0016】
請求項6に係る発明は増粘剤がマルメロ種子抽出物、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルデキストランナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、ポリグルタミン酸ナトリウムよりえらばれた一種又は二種以上である1乃至5記載の粉末状酸化染毛剤の希釈液に関する。
【0017】
請求項7に係る発明は蓋付き容器等に希釈液と粉末状酸化染毛剤を入れ、振とうすることにより、均一に粉末状酸化染毛剤を溶解させる1乃至6記載の粉末状酸化染毛剤の希釈液に関する。
【発明の効果】
【0018】
本発明の粉末状酸化染毛剤の希釈液はアニオン界面活性剤、ポリオールエーテル、アルカリ剤、増粘剤が配合されており、粉末状酸化染毛剤と混合した場合、容易に且つ短時間に均一に混合することができる。混合方法はハケ等を使用して希釈液を粉末状酸化染毛剤に徐々に加えて混合してもよいが、蓋付き容器等に希釈液と粉末状酸化染毛剤を入れ、振とうさせることにより、より短時間に混合することができる。
【0019】
更にアニオン界面活性剤とポリオールエーテルの作用により、酸化染料と酸化剤が短時間に毛髪内部に浸透して酸化重合する為、染毛効果が早く発現する。
【0020】
本発明の希釈液を使用することにより、粉末状酸化染毛剤の各成分を短時間に且つ完全に溶解させることができ、毛髪の損傷、皮膚刺激が解消されるだけでなく、ムラ染めがなく均一に早く染毛することが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明に用いるアニオン界面活性剤は一般的に皮膚や毛髪の洗浄に用いられるもので適度な浸透力があり、酸化染料の発色を阻害せず、皮膚や毛髪への使用実績が長いものである。
【0022】
アニオン界面活性剤としてはヤシ油脂肪酸メチルタウリンNa,アルキル硫酸Na,アルキルエーテル硫酸Na,ラウリン酸K,ラウリン酸Na,ミリスチン酸K,ミリスチン酸Na,パルミチン酸K,パルミチン酸Na,ステアリン酸K,ステアリン酸Na,ヤシ油脂肪酸K,ヤシ油脂肪酸Na,牛脂脂肪酸K,牛脂脂肪酸Na,パーム油脂肪酸K,パーム油脂肪酸Na,より選ばれた一種又は二種以上を使用することができ、その中でもヤシ油脂肪酸メチルタウリンNaが好ましい。
【0023】
本発明の希釈液にはヤシ油脂肪酸メチルタウリンNa,アルキル硫酸Na,アルキルエーテル硫酸Na,ラウリン酸K,ラウリン酸Na,ミリスチン酸K,ミリスチン酸Na,パルミチン酸K,パルミチン酸Na,ステアリン酸K,ステアリン酸Na,ヤシ油脂肪酸K,ヤシ油脂肪酸Na,牛脂脂肪酸K,牛脂脂肪酸Na,パーム油脂肪酸K,パーム油脂肪酸Na,より選ばれた一種又は二種以上を配合するが、その合計配合量は剤全量に対して0.1〜20.0重量%、好ましくは0.5〜10.0重量%である。この配合量が0.1重量%未満では十分な浸透性が発揮されない。又、この配合量が20.0重量%を超えると、酸化染料の発色が阻害されるだけでなく、粉末状酸化染毛剤との混合時に泡立つため、混合性を阻害する為好ましくない。
【0024】
本発明に用いるポリオールエーテルは粉末状酸化染毛剤との混合時酸化染料の溶解性を高め、且つ毛髪への浸透性を高め染色性、堅牢性を向上させるものでジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールギブチルエーテル、ヘキシレングリコール、よりえらばれた一種又は二種以上を使用することができ、その中でもジエチレングリコールモノエチルエーテルが好ましい。
【0025】
本発明の希釈液にはジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールギブチルエーテル、ヘキシレングリコール、よりえらばれた一種又は二種以上を配合するが、その配合量は剤全量に対して1.0〜20.0重量%、好ましくは3.0〜10.0重量%である。この配合量が1.0重量%未満では十分な浸透性が発揮されない。又、この配合量が20.0重量%を超えると酸化染料の溶解性が悪くなるだけでなく、過ホウ酸ナトリウムや過炭酸ナトリウム等の酸化剤の溶解性が低下し、皮膚刺激や毛髪損傷の原因になり好ましくない。
【0026】
本発明に用いるアルカリ剤は過ホウ酸ナトリウムや過炭酸ナトリウム等の酸化剤の分解を促進し、毛髪を膨潤させて酸化染料が毛髪内部に浸透しやすくし、染毛効果を高める効果があり、L−アルギニン、L−塩酸アルギニン、L−リジン、L−塩酸リジン、KOH,NaOH、Ca(OH)2、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、より選ばれた一種又は二種以上を使用することができ、その中でもL−アルギニンが好ましい。
【0027】
本発明の希釈液にはL−アルギニン、L−塩酸アルギニン、L−リジン、L−塩酸リジン、KOH,NaOH、Ca(OH)2、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、より選ばれた一種又は二種以上を配合するが、その配合量は剤全量に対して0.01〜5.0重量%、好ましくは0.1〜3.0重量%である。この配合量が0.01重量%未満では過ホウ酸ナトリウムや過炭酸ナトリウム等の酸化剤の分解を促進し、毛髪を膨潤させる効果が不十分であり、また、配合量が5.0重量%以上では毛髪を損傷させるだけでなく、皮膚刺激を引き起こす原因となり好ましくない。
【0028】
本発明に用いる増粘剤は粉末状酸化染毛剤と混合した際、塊を形成せず、容易に溶解し、適度な粘性を保ち、染毛剤混合液を毛髪上に定着させることができ、マルメロ種子抽出物、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルデキストランナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、ポリグルタミン酸ナトリウムよりえらばれた一種又は二種以上を使用することができ、その中でもマルメロ種子抽出物が好ましい。
【0029】
本発明の希釈液にはマルメロ種子抽出物、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルデキストランナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、ポリグルタミン酸ナトリウムよりえらばれた一種又は二種以上を配合するが、その配合量は剤全量に対して0.05〜5.0重量%、好ましくは0.1〜3.0重量%である。この配合量が0.05重量%未満では十分な増粘効果が得られない。また、配合量が5.0重量%を超えると粉末状酸化染毛剤との混合初期に高粘性となり混合が困難になる為、好ましくない。
【0030】
発明の剤のpHは粉末状酸化染毛剤と混合した際、過ホウ酸ナトリウムや過炭酸ナトリウム等の酸化剤の分解を促進し、毛髪を膨潤させて染毛効果が向上するように設定されている。pHは7.5〜10.0、好ましくは8.0〜9.0である。pHが7.5以下であると過ホウ酸ナトリウムや過炭酸ナトリウム等の酸化剤の分解、毛髪の膨潤度合が不十分で十分な染毛効果が得られない。また、pHが10.0を超えると皮膚刺激や毛髪損傷を起こし、好ましくない。
【0031】
本発明の希釈液と粉末状酸化染毛剤との混合方法は希釈液を徐々に粉末状酸化染毛剤に加え、ハケ等で混合しても問題はないが、蓋付き容器等に両者を入れ、振とうさせて混合する方が短時間に且つ均一に混合できる為、好ましい。
【0032】
更に混合時にステンレス球やセラミック球を2〜3個入れることにより、より短時間に均一に混合する事が出来る。
【0033】
本発明の希釈液には、上記の成分の他、化粧品の配合成分として一般的に用いられる界面活性剤、油脂類、保湿剤、防腐剤、酸化防止剤、植物エキス、抗炎症剤、色素等を適宜配合することができる。
【0034】
界面活性剤としてはポリオキンエチレン(以下POE-と略す)オクチルドデシルアルコール、POE-2-デシルテトラデシルアルコール等のPOE分岐アルキルエーテル類、POE-オレイルアルコールエーテル、POE-セチルアルコールエーテル等のPOE−アルキルエーテル類、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート等のソルビタンエステル類、POE-ソルビタンモノオレエート、POE-ソルビタンモノイソステアレート、POE-ソルビタンモノラウレート等のPOE-ソルビタンエステル類、グリセリルモノオレート、グリセリルモノステアレート、グリセリルモノミリステート等のグリセリン脂肪酸エステル類、POE-グリセリルモノオレート、POE-グリセリルモノステアレート、POE-グリセリルモノミリステート等のPOE-グリセリン脂肪酸エステル類、POE-ジヒドロコレステロールエステル、POE-硬化ヒマシ油、POE-硬化ヒマシ油イソステアレート等のPOE-硬化ヒマシ油脂肪酸エステル類、POE-オクチルフェノールエーテル等のPOE-アルキルアリールエーテル、グリセロールモノイソステアレート、グリセロールモノミリステート等のグリセロールエーテル類、POE-グリセロールモノイソステアレート、POE-グリセロールモノミリステート等のPOE-グリセロールエーテル類、ジグリセリルモノステアレート、デカグリセリルデカステアレート、デカグリセリルデカイソステアレート、ジグリセリルジイソステアレート等のポリグリセリン脂肪酸エステル類等の非イオン界面活性剤、またはミリスチン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ベヘン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸のジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミノ酸等の塩、エーテルカルボン酸のナトリウム、カリウム、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミノ酸等塩、アルキル硫酸エステルのカリウム、アンモニウム、マグネシウム、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の塩、N-アシルアミノ酸塩、アルキルエーテル硫酸エステルのカリウム、アンモニウム、マグネシウム、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の塩、N-アシルアミノ酸塩、N-アシルサルコン塩、高級アルキルスルホン酸塩等の陰イオン界面活性剤、更には、アルキル4級アンモニウム塩等の陽イオン界面活性剤あるいは両性界面活性剤等が例示できる。
【0035】
油脂類としてはヒマシ油、オリーブ油、カカオ油、椿油、ヤシ油、木ロウ、ホホバ油、グレープシード油、アボカド油等の植物油脂類、ミンク油、卵黄油等の動物油脂類、ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナウバロウ、キャンデリラロウ等のロウ類、流動パラフィン、スクワレン、マイクロクリスタリンワックス、セレシンワックス、パラフィンワックス、ワセリン等の炭化水素類、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、ベヘニン酸等の天然及び合成脂肪酸類、セタノール、ステアリルアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルデカノール、ラウリルアルコール等の天然及び高級アルコール類、ミリスチル酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデシル、コレステロールオレート等のエステル類が例示できる。
【0036】
保湿剤としてはグリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ヘキシレングリコール、ジグリセリン、ポリグリセリン、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール・プロピレングリコール共重合体等のポリオール類及びその重合体、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(エトキシジグリコール)、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のグリコールアルキルエーテル類、(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリル−10エステル等の水溶性エステル類、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マンニトール、マルチトール等の糖アルコール類、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、トレオース、キシロース、アラビノース、フコース、リボース、デオキシリボース、マルトース、トレハロース、ラクトース、ラフィノース、グルコン酸、グルクロン酸、β−グルカン、キチン、キトサン、ヘパリン及び誘導体、ペクチン、アラビノガラクタン、デキストリン、デキストラン、グリコーゲン、エチルグルコシド、メタクリル酸グルコシルエチル重合物若しくは共重合物等、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、カロニン硫酸、ケラト硫酸、デルマタン硫酸、シロキクラゲ抽出物、フコイダン、チューベロース多糖体、尿素、2−ピロリドン−5−カルボン酸及びそのナトリウム、ベタイン(トリメチルグリシン)、プロリン、ヒドロキシプロリン、アルギニン、リジン、セリン、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、チロシン、β−アラニン、スレオニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、シスチン、メチオニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、トリプトファン、ヒスチジン、タウリン、コラーゲン、魚由来コラーゲン、アテロコラーゲン、ゼラチン、エラスチン、コラーゲン分解ペプチド、加水分解コラーゲン、塩化ヒドロキシプロピルアンモニウム加水分解コラーゲン、エラスチン分解ペプチド、ケラチン分解ペプチド、加水分解ケラチン、コンキオリン分解ペプチド、加水分解コンキオリン、シルク蛋白分解ペプチド、加水分解シルク、ラウロイル加水分解シルクナトリウム、大豆蛋白分解ペプチド、小麦蛋白分解ペプチド、加水分解小麦蛋白、カゼイン分解ペプチド、パルミトイルオリゴペプチド等のアシル化ペプチド類、シリル化ペプチド類、乳酸菌培養液、酵母抽出液、卵殻膜タンパク、牛顎下腺ムチン、ヒポタウリン、ゴマリグナン配糖体、アルブミン、乳清、塩化コリン、ホスホリルコリン、胎盤抽出液、エラスチン、コラーゲン、天然型セラミド(タイプ1、2、3、4、5、6)、ヒドロキシセラミド、疑似セラミド、スフィンゴ糖脂質、セラミド及び糖セラミド含有エキス等のセラミド類が例示できる。
【0037】
防腐剤としては亜鉛・アンモニア・銀複合置換型ゼオライト、安息香酸、安息香酸パントテニルエチルエーテル、安息香酸塩、イソプロピルメチルフェノール、ウンデシレン酸、ウンデシレン酸MEA、塩酸アルキルシアミノエチルグリシン、塩酸クロルヘキシジン、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム塩、塩化セチルピリジニウム、塩化デリカニウム、塩酸クロルヘキシジン、オクタンジオール、オクトキシグリセリン、感光素101.201.301.401、d−カンフル、dl−カンフル、グルクロン酸クロルヘキシジン、クロルクレゾール、クロロブタノール、クロルキシレノール、クロルヘキシジン、クレゾール、シコニン、スコルジニン、チアントール、チオキソロン、チモール、トリクロサン、トリクロロカルバニド、ヒノキチオール、パラオキシ安息香酸エステル、パラクロルフェノール、パラフェノールスルホン酸Na(2水和物)、ピリチオン亜鉛、フェノキシエタノール、フェノール、ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール、メチルクロロイソチアゾリノン・メチルイソチアゾリノン液、l.dl−メントール、ヨウ化パラジメチルアミノスチリルペプチルメチルチアゾリニウムが例示できる。
【0038】
酸化防止剤としてはBHT,BHA,アスコルビン酸及びその塩、アスコルビン酸誘導体、亜硫酸Na、亜硫酸水素Na,没食子酸エステル、トコフェロール類、システイン類、チオグリコール酸塩、ノルジヒドログアヤレチン酸、エリソルビン酸及びその塩、チオジプロピオン酸ジラウリル、トリルビグアナイド、オルトトリビグアナイド、茶エキス、リンゴエキスが例示できる。
【0039】
植物エキスとしてはアイリスエキス、アシタバエキス、アスナロエキス、アスパラガス
エキス、アボガドエキス、アマチャエキス、アーモンドエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、アロエエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、イチョウエキス、インチコウエキス、ウイキョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、ウワウルシエキス、エイジツエキス、エチナシ葉エキス、エンメイソウエキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オウレンエキス、オオムギエキス、オタネニンジンエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、オノニスエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、海藻エキス、カキ葉エキス、カキョクエキス、加水分解エラスチン、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カッコンエキス、カモミラエキス、油溶性カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、カラスムギエキス、カルカデエキス、カンゾウエキス、油溶性カンゾウエキス、キウイエキス、キオウエキス、キクラゲエキス、キナエキス、キューカンバーエキス、キリ葉エキス、グアノシン、グアバエキス、クジンエキス、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、クリエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、黒米エキス、黒砂糖抽出物、黒酢、クロレラエキス、クワエキス、ゲンチアナエキス、ゲンノショウコエキス、紅茶エキス、酵母エキス、コウボクエキス、コーヒーエキス、ゴボウエキス、コメエキス、コメ発酵エキス、コメヌカ発酵エキス、コメ胚芽油、コンフリーエキス、コラーゲン、コケモモエキス、サイシンエキス、サイコエキス、サイタイ抽出液、サフランエキス、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、サンシャエキス、サンショウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、ジャトバエキス、シャクヤクエキス、ショウキュウエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、白キクラゲエキス、スギナエキス、ステビアエキス、ステビア発酵物、西河柳エキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、ゼニアオイエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ソウハクヒエキス、ダイオウエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、タンポポエキス、地衣類エキス、茶エキス、チョウジエキス、チガヤエキス、チンピエキス、ティートリー油、甜茶エキス、トウガラシエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、トウニンエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、ハスエキス、パセリエキス、バーチエキス、蜂蜜、ハマメリスエキス、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、ヒノキエキス、ビフィズス菌エキス、ビワエキス、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、ブドウ種子エキス、プロポリス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マイカイカエキス、マツエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モズクエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ユリエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、緑茶エキス、卵殻膜エキス、リンゴエキス、ルイボス茶エキス、レイシエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンギョウエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス、ワレモコウエキスが例示できる。
【0040】
抗炎症剤としてはグリチルリチン酸及びその誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオール、グアイアズレン、アラントイン、インドメタシン、酸化亜鉛、酢酸ヒドロコーチゾン、酸性キシロオリゴ糖、プレドニゾン、塩酸ジフェドラミン、マレイン酸クロルフェニラミンが例示できる。
【実施例1】
【0041】
以下に本発明の実施例を示すことにより、本発明を詳細に説明するが本発明はこれに制約されるものではない。
【0042】
表1に本発明の希釈液と混合する粉末状酸化染毛剤の処方を示す。
以下に示す実施例及びコントロール、比較例は表1の粉末状酸化染毛剤と1:6の比率で混合し評価したものである。但し、コントロールは精製水を用いた。
【0043】
【表1】

【0044】
実施例1〜8及びその評価結果を表2に示した。
【0045】
【表2】

【0046】
比較例1〜8及びその評価結果を表3に示した。
【0047】
【表3】

【0048】
*1:密閉容器(100ml)に粉末状酸化染毛剤と1:6(10g:60g)の割合で秤り込みφ8mmのステンレス球を3個入れ、10秒間振り混ぜた時の状態を目視により以下の基準で判断した。
【0049】
優良:均一に混合されている
良:殆んど均一に混合されている
可:少し塊があるが、混合されている
不可:塊が多く不均一である
【0050】
*2染色性1:各混合液10gを5gのゴマ塩毛(白髪が約30%の人毛)に塗布し、30℃で20分間放置後、ラウリル硫酸ナトリウム5%水溶液で洗浄し、十分水洗した後、風乾して以下の基準で評価した。
【0051】
優良:白髪が全く目立たない
良:白髪が殆んど目立たない
可:僅かに白髪が目立つ
不可:白髪が隠れていない
【0052】
*3染色性2:各混合液5gを5cm×5cmの試験用白布(JIS L0803染色堅牢度試験用添付白布 呼び番号1)に塗布し、30℃で20分間放置後、ラウリル硫酸ナトリウム5%水溶液で洗浄し、十分水洗した後、風乾して以下の基準で評価した。
【0053】
優良:ムラなく均一に染色されている
良:殆んど均一に染色されている
可:僅かにムラ染めが認められる
不可:ムラ染めになっている
【0054】
*4皮膚刺激性:各混合液を健常成人(20代〜50代)10名の上腕の内側に塗布し、下記の基準にて刺激の有無を評価した。
【0055】
+++:ヒリヒリ感等激しい刺激あり
++:ヒリヒリ感あり
+:カユミ等の違和感あり
±:若干のカユミ等あり
−:異常なし
【0056】
*5毛髪損傷度:各混合液10gを人毛(黒色)5gに塗布し、30℃で20分間放置後、ラウリル硫酸ナトリウム5%水溶液で洗浄し、十分水洗した後、風乾した。この操作を5回繰り返した後、無作為に毛髪5本を取り一定の強さで結び目を作り、結び目部分を走査型電子顕微鏡で観察し以下の基準で評価した。
【0057】
+++:キューティクルのリフトアップ大
++:キューティクルリフトアップ
+:キューティクルのリフトアップ少
±:キューティクルのリフトアップ殆んどなし
−:キューティクルのリフトアップなし
【0058】
表2及び表3に示した通り、アニオン界面活性剤の含有量が0.1重量%〜20.0重量%であり、アルカリ剤の含有量が0.01重量%〜5.0重量%であり、多価アルコールの含有量が1.0重量%〜20.0重量%であり、且つ増粘剤の含有量が0.05重量%〜5.0重量%である粉末状酸化染毛剤の希釈液は混合性、染色性、安全性及び毛髪を損傷しない優れた希釈液であることが判る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化染料、酸化剤、水溶性高分子を第1剤とする、2剤型粉末状酸化染毛剤において、アニオン界面活性剤、多価アルコール、アルカリ剤、増粘剤を必須成分として含有しpHが7.5から10.0であることを特徴とする粉末状酸化染毛剤の希釈液。
【請求項2】
アニオン界面活性剤の含有量が0.1重量%〜20.0重量%であり、多価アルコールの含有量が1.0重量%〜20.0重量%であり、アルカリ剤の含有量が0.01重量%〜5.0重量%であり、且つ増粘剤の含有量が0.05重量%〜5.0重量%である請求項1記載の粉末状酸化染毛剤の希釈液。
【請求項3】
アニオン界面活性剤がヤシ油脂肪酸メチルタウリンNa,アルキル硫酸Na,アルキルエーテル硫酸Na,ラウリン酸K,ラウリン酸Na,ミリスチン酸K,ミリスチン酸Na,パルミチン酸K,パルミチン酸Na,ステアリン酸K,ステアリン酸Na,ヤシ油脂肪酸K,ヤシ油脂肪酸Na,牛脂脂肪酸K,牛脂脂肪酸Na,パーム油脂肪酸K,パーム油脂肪酸Na,より選ばれた一種又は二種以上である請求項1乃至2記載の粉末状酸化染毛剤の希釈液。
【請求項4】
ポリオールエーテルがジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ヘキシレングリコール、よりえらばれた一種又は二種以上である請求項1乃至3記載の粉末状酸化染毛剤の希釈液。
【請求項5】
アルカリ剤がL−アルギニン、L−塩酸アルギニン、L−リジン、L−塩酸リジン、KOH,NaOH、Ca(OH)2、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、より選ばれた一種又は二種以上である請求項1乃至4項記載の粉末状酸化染毛剤の希釈液。
【請求項6】
増粘剤がマルメロ種子抽出物、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルデキストランナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、ポリグルタミン酸ナトリウムよりえらばれた一種又は二種以上である請求項1乃至5記載の粉末状酸化染毛剤の希釈液。
【請求項7】
pHを7.5〜10.0に調整する為に選ばれた一種又は二種以上を含有する請求項1乃至6記載の粉末状酸化染毛剤の希釈液。
【請求項8】
粉末状酸化染毛剤と蓋付き容器に入れ、振とうすることにより混合する請求項1乃至7記載の粉末状酸化染毛剤の希釈液。

【公開番号】特開2011−26243(P2011−26243A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−173854(P2009−173854)
【出願日】平成21年7月27日(2009.7.27)
【出願人】(399091120)株式会社ピカソ美化学研究所 (29)
【出願人】(305040879)株式会社マックス・グロー (1)
【Fターム(参考)】