説明

粉砕物の製造方法、装置および粉砕物

【課題】
簡単な装置と操作により、穀類粒子のように軟質の薄膜を有する被粉砕物を粉砕する場合でも、効率よく軟質の薄膜を破壊して微粉化することができ、これにより粒度のそろった微粒子の粉砕物を得ることができる粉砕物の製造方法、装置および粉砕物を提供する。
【解決手段】
中央部に研削面2a、3aおよび周辺部に粉砕面2b、3bを有する1対の粉砕盤2、3を対向させて、対向面間に研削部5および粉砕部6を形成し、駆動装置Mにより少なくとも一方の粉砕盤2を回転させ、原料供給部4から被粉砕物10を研削部に供給し、供給された被粉砕物粒子の表面を研削部5で研削するとともに粗粉砕し、粗粉砕物を粉砕部6で粉砕し、粉砕部取出部18から粉砕物20を取り出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小麦、米、そば、大豆等の食品原料、その他の被粉砕物、特に粒状の被粉砕物を粉砕して、粉砕物を製造する方法、装置および粉砕物に関し、さらに詳細には対向して配置された1対の粉砕盤により、被粉砕物粒子の表面を研削するとともに粉砕して、粒度のそろった粉砕物を製造する方法、装置および粉砕物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
生物、有機物、化学物質等の食品原料、その他の被粉砕物を粉砕して、粉砕物を製造する方法として、石臼のように対向して配置された1対の粉砕盤により食品原料等の被粉砕物を粉砕して粉砕物を製造する方法がある。この方法では、対向して配置された1対の粉砕盤間に食品等の原料被粉砕物を供給し、少なくとも一方の粉砕盤を回転させることにより、粉砕盤間で被粉砕物を粉砕して粉砕物を製造している。
【0003】
石臼の粉砕面は、中央部側から放射方向に溝が形成されており、中央部側の偏心位置に設けられた原料供給部から被粉砕物を粉砕盤間に供給し、中央部側で粗粉砕するとともに、順次周辺部側に送り出して、周辺部側で微粉砕するように構成されている。しかし小麦、そば、大豆等の穀類粒子は表面に軟質の薄い表皮を有するが、このような軟質の薄膜を有する穀類粒子を粉砕すると、内部の胚乳部等の硬度の高い部分は微粉砕することが可能であるが、軟質の薄膜部分は微粉砕されることなく、粒度の大きいまま粉砕盤間を擦り抜けて周辺部側から取り出される。
【0004】
従って、このような粉砕方法では、全体として粒度のそろった微粒子の粉砕物を得ることができない。またこのような粉砕方法において、装置を小型化して効率を高くするためには、鉄製の粉砕盤を用い、これを高速回転させることが考えられるが、この場合でも、薄い表皮の部分は微粉砕できるように粉砕することは困難である。このほかロール式、その他の粉砕装置の場合でも、同様の問題点がある。
【0005】
また粉砕盤回転型の粉砕装置を高速回転させると、発熱および酸化により、原料の成分が変質し、得られる粉砕物の香り、風味、食感などの品質が低下する。このような粉砕盤回転型の粉砕装置では、一方の粉砕盤を駆動装置により回転させる構成になっており、駆動側の粉砕盤は回転し、その駆動機構が複雑であるため、駆動側を冷却するのは困難である。反対側、すなわち固定側の粉砕盤は容易に冷却できるが、回転側の粉砕盤に冷却効果が及びにくく、粉砕物の品質の低下を防止するのは困難である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、簡単な装置と操作により、穀類粒子のように軟質の薄膜を有する被粉砕物を粉砕する場合でも、効率よく軟質の薄膜を破壊して微粉化することができ、これにより粒度のそろった微粒子の粉砕物を得ることができる粉砕物の製造方法、装置および粉砕物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は次の粉砕物の製造方法、装置および粉砕物である。
(1) 中央部に研削面および周辺部に粉砕面を有する1対の粉砕盤を対向させて、対向面間に研削部および粉砕部を形成し、
駆動装置により少なくとも一方の粉砕盤を回転させ、
原料供給部から被粉砕物を研削部に供給し、
供給された被粉砕物粒子の表面を研削部で研削するとともに粗粉砕し、
研削および粗粉砕された粗粉砕物を粉砕部で粉砕し、
粉砕部から粉砕物を取り出す
粉砕物の製造方法。
(2) 研削面は研磨剤層を有する上記(1)記載の方法。
(3) 研磨剤層が砥粒の固着層からなる上記(2)記載の方法。
(4) 少なくとも一方の研削面は、粉砕面側の基準研削面よりも低くなった後退研削面を中央部側に有し、後退研削面側から基準研削面の周辺部に向けて伸びる被粉砕物通路を有する上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の方法。
(5) 粉砕面は、円弧状細溝を有する上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の方法。
(6) 少なくとも一方の粉砕面の円弧状細溝は、エネルギービーム加工による溝である上記(5)記載の方法。
(7) 粉砕盤を隣接して設けられた冷却部により冷却する上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の方法。
(8) 中央部に研削面および周辺部に粉砕面を有し、対向面間に被粉砕物粒子の表面を研削部で研削するとともに粗粉砕する研削部、および粗粉砕された粗粉砕物を粉砕する粉砕部を形成する1対の粉砕盤と、
少なくとも一方の粉砕盤を回転させる駆動装置と、
被粉砕物を研削部に供給する原料供給部と、
粉砕部から粉砕物を取り出す粉砕物取出部と
を備えた粉砕物の製造装置。
(9) 研削面は研磨剤層を有する上記(8)記載の装置。
(10) 研磨剤層が砥粒の固着層からなる上記(9)記載の装置。
(11) 少なくとも一方の研削面は、粉砕面側の基準研削面よりも低くなった後退研削面を中央部側に有し、後退研削面側から基準研削面の周辺部に向けて伸びる被粉砕物通路を有する上記(8)ないし(10)のいずれかに記載の装置。
(12) 粉砕面は、円弧状細溝を有する上記(8)ないし(11)のいずれかに記載の装置。
(13) 少なくとも一方の粉砕面の円弧状細溝は、エネルギービーム加工による溝である上記(12)記載の装置。
(14) 粉砕盤を冷却するように隣接して設けられた冷却部を備えた上記(8)ないし(13)のいずれかに記載の装置。
(15) 上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の方法によって得られる粉砕物。
(16) 上記(15)記載の方法によって得られる粉砕物を含む加工品。
【0008】
本発明において、粉砕の対象となる被粉砕物は、粉砕できるものであれば制限はなく、小麦、米、そば、大豆等の食品原料、ならびに生物、有機物、化学物質等のその他の原料が挙げられる。これらの中では、小麦、そば、大豆のように表面に軟質の薄い表皮を有する穀類粒子、その他の軟質の薄膜を有する粒子状物が被粉砕物として適しているが、これらに限らない。
【0009】
本発明の粉砕物の製造方法に用いるための粉砕物の製造装置は、中央部に研削面および周辺部に粉砕面を有し、対向面間に被粉砕物粒子の表面を研削部で研削するとともに粗粉砕する研削部、および粗粉砕された粗粉砕物をせん断、破砕して粉砕する粉砕部を形成する1対の粉砕盤と、少なくとも一方の粉砕盤を回転させる駆動装置と、被粉砕物を研削部に供給する原料供給部と、粉砕部から粉砕物を取り出す粉砕物取出部とを備えた粉砕物の製造装置である。
【0010】
1対の粉砕盤は鉄、その他の金属により盤状に形成される。円盤状に形成するのが好ましいが、他の形状でもよい。1対の粉砕盤の対向面は、それぞれ中央部に研削面および周辺部に粉砕面を有する。これにより、これらの粉砕盤を対向させたとき、対向面間に、研削面により研削部が中央部に形成され、粉砕面により粉砕部が周辺部に形成される。粉砕面のさらに周辺部に粗面加工部を形成すると、さらに微粉砕することができる。少なくとも一方の粉砕盤の研削面は、粉砕面側の基準研削面よりも低くなった後退研削面を中央部側に有するように、段差状に形成されているのが好ましい。この場合、後退研削面側から基準研削面の周辺部に向けて伸びる被粉砕物通路を基準研削面に形成するのが好ましい。後退研削面は複数の段差状に形成されていてもよい。
【0011】
粉砕面のさらに周辺部に粗面加工部を形成する場合、研磨材の粒子を高速で対象物に衝突させることにより、金属臼の表面がエッチングされるブラスト加工などにより、粗面加工部を形成することができる。研磨材等のメディアを液体(水)と混合した状態で吹き付ける冷間加工である湿式(ウェット)ブラスト、あるいは研磨剤等のメディアなどを直接空気と共に吹き付ける熱間加工である乾式(ドライ)ブラストのどちらを用いてもよいが、超微粉末の粉砕物を得るためには、湿式ブラストによるエッチングが望ましい。粗面加工を施すことにより、金属臼表面の硬度を変化させ、強度を向上させるピーニング効果を得られる。スチールグリッドを研削材に用いると、鋭角のメディアによる強力なノミ作用により深い粗面が得られ、耐久性が向上する。
【0012】
粉砕盤を対向させて配置したとき、周辺部の粉砕部の粉砕面の間隔は、取り出される粉砕物の粒度により決まるが、一般的には0.005〜2mm、好ましくは0.01〜0.2mmとなるように構成することができる。中央部側の研削部の研削面の間隔は、供給される被粉砕物の粒度により決まるが、一般的には0.5〜20mm、好ましくは1〜10mmとなるように構成することができる。研削部に後退研削面を形成する場合は、後退研削面の間隔は、供給される被粉砕物の粒度により決まるが、一般的には0.2〜2mm、好ましくは0.5〜1mmとなるように構成することができる。上記の各間隔はそれぞれ全域において同間隔であってもよいが、中央部側から周辺部側にいくに従って狭くなるようにしてもよい。
【0013】
研削部を形成する研削面は、被粉砕物粒子の表面を研削して、表面に形成された軟質の薄い表皮等の軟質の薄膜を破壊し、あるいはひびを入れるとともに、被粉砕物粒子の全部または一部を粗粉砕するように構成される。研削面は粉砕盤を構成する材質により一体的に構成することもできるが、粉砕盤を構成する材質よりも硬度の高い材質により構成するのが好ましい。このような研削面としては、ダイヤモンド粒子、CBN(窒化ホウ素)粒子、WA(白色酸化アルミナ)粒子等の砥粒を含む研磨剤層を有するものが挙げられる。研磨剤層としては、ダイヤモンド粒子、CBN粒子、WA粒子等の砥粒を、Ni等の金属の電着または無電着メッキ層、その他の固着材により研削面に固着した固着層からなるものが好ましい。ダイヤモンド粒子、CBN粒子、WA粒子等の砥粒粒子の粒径は0.005〜0.5mm、好ましくは0.05〜0.4mm、メッキ層等の固着材層の厚みは0.005〜0.3mm、好ましくは0.025〜0.25mmで、これらの砥粒粒子が不定形の粒子状でサンドペーパ状に突出するように固着層を形成するのが好ましい。研磨剤層を形成した研削面の上面は、粉砕面と同一面としてもよく、また傾斜状で連続してもよい。
【0014】
研削部に後退研削面を形成する場合、後退研削面と基準研削面の固着層は同一のものでもよく、また異なるものでもよい。異なる場合は、後退研削面は基準研削面よりも粒度が粗いのが好ましい。研磨剤粒子を用いる場合、後退研削面の研磨剤粒子の粒径は基準研削面の研磨剤粒子の粒径よりも大粒径のものが好ましい。後退研削面に形成する研磨剤層として、ダイヤモンドソーのような周辺部に切込のあるディスクを取り付けると、被粉砕物粒子が回転しやすくなり、薄膜の破壊、あるいはひび入れの効果が高くなり好ましい。基準研削面に形成する被粉砕物通路は、後退研削面側から基準研削面の周辺部に向けて伸びるが、後退研削面側は後退研削面に近い深さで連絡し、周辺部側は基準研削面の周辺部より若干手前まで、その先端側に向けて次第に幅および深さが小さくなるように、円弧状、放射状に伸びる深溝であるのが好ましい。この被粉砕物通路は、研磨剤粒子等による研削面を形成せず、滑らかな凹溝であるのが好ましい。
【0015】
粉砕盤の周辺部に形成される粉砕面は、中心側(研削部側)から周辺側に放射状に伸びる円弧状細溝を有するものが好ましい。この円弧状細溝は、粉砕盤の回転に応じて粉砕盤上で観察される微粉末の流れにほぼ一致する円弧状(回転中心から粒子が全方向に放射されたときに形成される渦巻状)の溝であるものが好ましい。ここで円弧状とは、円弧、だ円弧、スパイラル状等の円弧に似た形状のものを意味する。粉砕面に形成される円弧状細溝は、幅0.01〜0.5mm、好ましくは0.05〜0.3mm、深さ0.05〜1mm、好ましくは0.1〜0.3mmであり、フライス盤加工等の機械加工、あるいはレーザー加工、ウオータジェット加工等のエネルギービーム加工、その他の加工方法により形成することができる。少なくとも一方の粉砕盤の粉砕面の円弧状細溝は、レーザ加工による溝であるものが好ましい。
【0016】
1対の粉砕盤は、それぞれ上記で異なる構成とすることを示した点以外はほぼ同形状で作成し、これらを重ね合わせて粉砕盤対として用いられる。このとき粉砕部の粉砕面に形成される円弧状細溝は、交差する方向に重ね合わせられる。このような粉砕盤対は、縦方向、横方向または斜め方向など、任意の方向に配置することができる。特に縦方向、または縦方向に近い斜め方向に配置すると、粉砕物の取出が容易になるので好ましい。上記の1対の粉砕盤のうち、一方の粉砕盤を駆動装置に接続して回転式とする。他方の粉砕盤は回転させないで固定式とすると、冷却部および原料供給部の配置が容易となり好ましいが、回転式としてもよい。
【0017】
原料供給部は駆動装置に接続しない方(固定式)の粉砕盤に接続し、この粉砕盤を通して被粉砕物を研削部に供給するように構成することができる。原料供給部の接続位置は固定式の粉砕盤の中央部とすることができるが、偏心させてもよい。粉砕物取出部は粉砕盤の周辺部に設けられるが、粉砕盤の周辺にそって環状通路を設け、回転式の粉砕盤の周辺部に設けられた掻取片を環状通路内で回転させて粉砕物を掻き集め、粉砕物取出部から取り出すようにすることができる。
【0018】
上記の粉砕盤は、回転による摩擦熱により高温となるので、冷却部により冷却するように構成することができる。この場合、全体を冷却するには装置が大型化するので、それぞれの粉砕盤を、それぞれ隣接して設けられた冷却部により冷却するように構成するのが好ましい。このとき回転式の粉砕盤は、水冷式ではシールが困難であるので、圧縮気体の断熱膨張により冷却すると、その気体を研削部および粉砕部に導入して被粉砕物および粉砕物を冷却できるので好ましい。気体としては、空気が安価であるが、不活性気体でもよい。
【0019】
固定式の粉砕盤は、ジャケットに冷媒を通すことにより、例えば水冷式でシールすることができる。この場合、断熱膨張冷却による冷却温度を10〜−30℃、好ましくは0〜−5℃、冷媒の冷却による冷却温度を10〜−30℃、好ましくは0〜−20℃とすることにより、圧縮気体の断熱膨張冷却による結露を防止して、被粉砕物および粉砕物を冷却し、品質の劣化を防止できるので好ましい。
【0020】
本発明の粉砕物の製造方法は、上記のような装置により、1対の粉砕盤の対向する粉砕面間に研削部および粉砕部を形成し、駆動装置により一方の粉砕盤を回転させ、原料供給部から原料を研削部に供給し、供給された被粉砕物粒子の表面を研削部で研削するとともに粗粉砕し、研削および粗粉砕された粗粉砕物を粉砕部でせん断、破砕して粉砕し、粉砕部から粉砕物を粉砕物取出部に取り出すことにより、粉砕物が製造される。
【0021】
研削部では粉砕盤の回転により、研削面によって被粉砕物粒子の表面を研削して、表面に形成された軟質の薄い表皮等の軟質の薄膜を破壊し、あるいはひびを入れるとともに、被粉砕物粒子の全部または一部を粗粉砕する。研削面として、ダイヤモンド粒子、CBN粒子、WA粒子等の砥粒を含む研磨剤層を有するものを採用すると、研削面から突出する不定形の粒子が薄膜に突き刺さって破壊しやすくなる。研削面間の被粉砕物粒子は、一方の粉砕盤の回転により、全部または一部を粗粉砕され、粉砕部における粉砕が容易になる。
【0022】
研削部に後退研削面を形成した場合、後退研削面間(対向面は後退研削面でなくてもよい)は基準研削面間より間隔が大きいので、この部分で大粒径粒子の粗粉砕が起こり、基準研削面間で小粒径粒子の粗粉砕が起こる。基準研削面に被粉砕物通路を形成すると、後退研削面側から基準研削面の周辺部に向けて大粒径粒子が移動しながら、一部ずつ粗粉砕されて基準研削面間に移動して小粒径になる。後退研削面側は後退研削面とほぼ同じ深さで連絡し、周辺部側は基準研削面の周辺部より若干手前まで、その先端側に向けて次第に幅および深さが小さくなる円弧状、放射状に伸びる深溝とすることにより、基準研削面間への移動を均一化することができる。この場合、この被粉砕物通路は、研磨剤粒子等による研削面を形成せず、滑らかな凹溝とすることにより、被粉砕物通路における閉塞を防止できるので好ましい。
【0023】
粉砕盤の周辺部に形成される粉砕部では、研削部で研削および粗粉砕された粗粉砕物が粉砕面間でせん断、破砕されて粉砕され、小粒径の粉砕物が形成される。このとき研削部で破壊され、あるいはひびを入れられた薄い表皮等の軟質の薄膜も粉砕面間でせん断、破砕されることにより小粒径に粉砕され、全体が均一な小粒径の粉砕物となる。粉砕面が中心側(研削部側)から周辺側に放射状に伸びる円弧状細溝を有する場合、円弧状細溝によりせん断、破砕効果が大きくなり、破砕効率が高くなる。特にレーザ加工、ウオータジェット加工等のエネルギービーム加工による円弧状細溝はエッジ部がシャープであるため、せん断、破砕効果が大きい。
【0024】
粉砕盤を冷却部により冷却することにより、被粉砕物および粉砕物を冷却でき、これにより品質の劣化を防止できる。冷却部として、それぞれ粉砕盤に隣接して設けられた冷却部を用いることにより、それぞれの粉砕盤に適した冷却を行うことができる。すなわち回転式の粉砕盤は、圧縮気体の断熱膨張により冷却すると、シールを厳重にする必要がなく、その気体を研削部および粉砕部に導入して被粉砕物および粉砕物を冷却できるので好ましい。固定式の粉砕盤は、ジャケットに冷媒を通すことにより、例えば水冷式でシールすることことにより、簡単な装置と操作で低温にまで冷却するができる。
【0025】
粉砕物は粉砕盤粉砕部から粉砕物取出部に取り出される。粉砕物取出部は粉砕盤の周辺部に設けられるが、粉砕盤の周辺にそって環状通路を設け、回転式の粉砕盤の周辺部に掻取片を設けた場合、粉砕盤の回転式により掻取片を環状通路内で回転させて粉砕物を掻き集め、粉砕物取出部から取り出すことができる。この場合、冷却用気体を環状通路に導入することにより、粉砕物の取り出を促進することができる。
【0026】
本発明の粉砕物は、上記の方法によりよって得られる粉砕物であり、穀類粒子のような軟質の薄膜を有する場合でも、全体が均一な粒径の微粒子が得られる。
本発明の加工品は、上記の微粒子の粉砕物を含む加工品であり、全体が均一な粒径の微粒子により、優れた品質の加工品が得られる。
【0027】
本発明の粉砕物の製造方法によれば、香り成分、栄養成分、酵素活性に富む種皮部を低温で粉砕することができるため、香りや風味に優れ、栄養成分含量が多く、酵素活性の高い高品質な粉砕物、加工原料および加工品を製造できる。また、本発明の方法による粉砕物、加工原料および加工品は、α−アミラーゼ、GOT(グルタミン酸オキザロ酢酸トランスアミナーゼ)などの酵素活性を良く保持しているため、ドライケミストリー法を用いたα−アミラーゼ活性を測定することにより、雨害や湿害により増加するフザリウムなどの微生物に起因するDON(デオキシニバレノール)などのマイコトキシンの評価に利用することができる。
【発明の効果】
【0028】
以上のとおり、本発明によれば、中央部に研削面および周辺部に粉砕面を有する1対の粉砕盤を対向させて、対向面間に研削部および粉砕部を形成し、駆動装置により少なくとも一方の粉砕盤を回転させ、原料供給部から被粉砕物を研削部に供給し、供給された被粉砕物粒子の表面を研削部で研削するとともに粗粉砕し、研削および粗粉砕された粗粉砕物を粉砕部でせん断、破砕して粉砕し、粉砕部から粉砕物を取り出すようにしたので、簡単な装置と操作により、穀類粒子のように軟質の薄膜を有する被粉砕物を粉砕する場合でも、効率よく軟質の薄膜を破壊して微粉化することができ、これにより粒度のそろった微粒子の粉砕物を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態を図面により説明する。
図1は実施例1の粉砕物の製造装置を示す縦断面図、図2は粉砕盤2の正面図で、図1の左上側から見た図、図3はその背面図で、図1の右下側から見た図である。
【0030】
図1ないし図3において、粉砕物の製造装置1は、傾斜状に対向して配置された1対の粉砕盤2、3を有する。一方の粉砕盤2は駆動装置Mに接続して回転式とされている。他方の粉砕盤3は固定式とされ、原料供給部4に接続している。粉砕盤2、3はそれぞれ中央部に研削面2a、3aおよび周辺部に粉砕面2b、3bを有し、それらの対向面間に研削部5および粉砕部6を形成している。一方の粉砕盤3の研削面3aは全体が同一面に形成されているが、他方の粉砕盤2の研削面2aは、粉砕面2b側の基準研削面2cよりも低くなった後退研削面2dを中央部側に有するように段差状に形成され、後退研削面2d側から基準研削面2cの周辺部に向けて伸びる被粉砕物通路としての円弧状、放射状の深溝2eが、先端側に向けて次第に幅および深さが小さくなるように、基準研削面2cに形成ている。研削面2a、3a(基準研削面2cおよび後退研削面2dを含む)には、ダイヤモンド粒子からなる砥粒を金属層の電着(Niメッキ)で固定した研磨剤層7が形成されているが、深溝2eには形成されていない。
【0031】
粉砕盤2、3の周辺部に形成される粉砕面2b、3bは、中心側(研削部5側)から周辺側に放射状に伸びる円弧状細溝2f、3fが形成されている。この円弧状細溝2f、3fは、粉砕盤2の回転に応じて粉砕盤2、3上で観察される微粉末の流れにほぼ一致する円弧状(回転中心から粒子が全方向に放射されたときに形成される渦巻状)の溝とされている。粉砕盤2の円弧状細溝2fは、レーザー加工により形成されている。
【0032】
粉砕盤3の研削面3aは、全体が同一面に、研削面2aの基準研削面2cと同様に形成されており、後退研削面は形成されていないが、研削面2aの中央部に原料供給部4が接続している。粉砕盤3の円弧状細溝3fは、フライス盤加工により粉砕盤2の円弧状細溝2fと同方向の円弧状細溝に形成されているが、レーザー加工により形成されているものでもよい。1対の粉砕盤2、3は、それぞれ上記で異なる構成とすることを示した点以外はほぼ同形状とされているので、これらを重ね合わせて粉砕盤対としたとき、粉砕部6の粉砕面2b、3bに形成される円弧状細溝2f、3fが交差する方向に重ね合わせられる。
【0033】
粉砕盤2の背面には、図3に示すように、駆動ピン穴8が形成され、駆動装置Mの駆動ピン9が係合して回転させられるようになっている。また粉砕盤2の背面には、放射渦巻き状の冷却溝11が中心側から周辺側に達するように形成され、冷却気体噴出部材12に対向するように構成されている。冷却気体噴出部材12は架台13に取り付けられ、冷却気体発生装置14に連絡している。粉砕盤2の外周面には、掻取片15が取付部材16により取り付けられており、粉砕盤2の周辺にそって形成された環状通路17で内で回転させて粉砕物20を掻き集め、粉砕盤2、3の下部に配置された粉砕物取出部18から取り出すように構成されている。
【0034】
粉砕盤3の周辺部端部と架台13との間には気密シール21が設けられて、気密状態が保たれている。粉砕盤3の周辺部下部と架台13との間にはスペーサ22が設けられて、粉砕盤2、3間の間隔が一定に保たれている。粉砕盤3の背面にはジャケット23が設けられて、内部に冷媒24を通して冷却するようにされている。原料供給部4には、ホッパー25から被粉砕物10を供給する供給路26が連絡し、その連絡部には被粉砕物10の有無を検出するセンサ27が設けられている。
【0035】
上記の装置による粉砕物の製造方法は、1対の粉砕盤2、3の対向する粉砕面間に研削部5および粉砕部6を形成し、駆動装置Mにより一方の粉砕盤2を回転させる。そしてホッパー25および供給路26を通して、原料供給部4から原料の被粉砕物10を研削部5に供給し、供給された被粉砕物粒子の表面を研削面2a、3aで研削するとともに、被粉砕物粒子を粗粉砕する。そして研削および粗粉砕された粗粉砕物を粉砕部6でせん断、破砕して粉砕し、粉砕部6から出る粉砕物20を環状通路17内で掻取片15を回転させて粉砕盤2、3の下部に掻き集め、粉砕物取出部18から取り出す。図1では、粉砕盤2の周辺部下側と架台13の間隔は大きく図示されているが、実際にはこの間隔を小さくし、しかも冷却気体噴出部材12からの噴気が流れるため、粉砕物による閉塞は防止される。
【0036】
研削部5では粉砕盤2の回転により、研削面2a、3aによって被粉砕物粒子の表面を研削して、表面に形成された軟質の薄い表皮等の軟質の薄膜を破壊し、あるいはひびを入れるとともに、被粉砕物粒子の全部または一部を粗粉砕する。研削面として、ダイヤモンド粒子等の砥粒を含む研磨剤層を有するものを採用することにより、研削面2a、3aから突出する不定形の砥粒粒子が薄膜に突き刺さって破壊しやすくなり、研削面2a、3a間の被粉砕物粒子は、粉砕盤2の回転により、全部または一部を容易に粗粉砕することができる。
【0037】
粉砕盤2の研削面2aに後退研削面2dを形成し、後退研削面2dと対向する研削面3a間は、基準研削面2cと対向する研削面3a間より間隔が大きいので、この部分で大粒径粒子の粗粉砕が起こり、基準研削面2cと対向する研削面3a間で小粒径粒子の粗粉砕が起こる。基準研削面2cに被粉砕物通路として円弧状細溝2fを形成しているため、後退研削面2d側から基準研削面2cの周辺部に向けて大粒径粒子が移動しながら、一部ずつ粗粉砕されて基準研削面2c間に移動して小粒径になる。円弧状細溝2fは後退研削面2d側は後退研削面2dとほぼ同じ深さで連絡し、周辺部側は基準研削面2cの周辺部より若干手前まで、その先端側に向けて次第に幅および深さが小さくなる円弧状、放射状に伸びる深溝2eとすることにより、基準研削面間への移動を均一化することができる。この場合、この被粉砕物通路は、研磨剤粒子等による研削面を形成せず、滑らかな凹溝としているため、円弧状細溝2fにおける閉塞を防止できる。
【0038】
粉砕盤2、3周辺部の粉砕部6では、研削部5で研削および粗粉砕された粗粉砕物が粉砕面2b、3b間でせん断、破砕されて粉砕され、小粒径の粉砕物20が形成される。このとき研削部5で破壊され、あるいはひびを入れられた薄い表皮等の軟質の薄膜も粉砕面2b、3b間でせん断、破砕されることにより小粒径に粉砕され、全体が均一な小粒径の粉砕物となる。粉砕面2b、3bが中心側から周辺側に放射状に伸びる円弧状細溝2f、3fを有するため、円弧状細溝2f、3fによりせん断、破砕による粉砕効果が大きくなり、破砕効率が高くなる。特に円弧状細溝2fはレーザ加工による円弧状細溝であるため、エッジ部がシャープになり、せん断、破砕による粉砕効果が大きい。
【0039】
粉砕盤2、3は冷却部により冷却されるため、被粉砕物10および粉砕物20を冷却でき、これにより品質の劣化を防止できる。冷却部としては、それぞれ粉砕盤2、3に隣接して設けられた冷却部を用いるため、それぞれの粉砕盤2、3に適した冷却を行うことができる。すなわち回転式の粉砕盤2は、圧縮気体発生装置14で発生する圧縮気体を、冷却気体噴出部材12から冷却溝11に噴出して断熱膨張させることにより、粉砕盤2が冷却される。これにより回転式の装置でも、水冷式のようにシールを厳重にする必要がなく、その気体により低温の粉砕盤2から研削部5および粉砕部6の被粉砕物および粉砕物を冷却することができるとともに、環状通路17に導入することにより、粉砕物の取り出を促進することができる。固定式の粉砕盤3は、ジャケット23に冷媒24を通すことにより、例えば水冷式でシールすることことにより、簡単な装置と操作で、マイナス数十℃の低温にまで冷却するができる。
【0040】
図4は実施例2の粉砕物の製造装置の粉砕盤2の正面図である。この実施例の粉砕盤2の基本的な構成は実施例1と同様であるが、研削面2aの後退研削面2dは、周辺部に切込28のあるダイヤモンドディスク(ダイヤモンドソー)29を、取付ねじ(図示省略)で取り付けることにより形成されている。基準研削面2c、その他の構成は図1と同様である。
【0041】
上記の装置による粉砕物の製造方法は、基本的には図1と同様であるが、粉砕盤2の回転に伴って後退研削面2dのダイヤモンドディスク29が回転すると、被粉砕物粒子が切込28に引かかって回転しやすくなり、研削部5における薄膜の破壊、あるいはひびを入れの効果が高くなり、粉砕部6における粗粉砕物のせん断、破砕による粉砕効果が高くなる。
【0042】
図5は実施例3の粉砕物の製造装置の粉砕盤2の正面図である。この実施例の粉砕盤2の基本的な構成は実施例2と同様であるが、粉砕面2bの円弧状細溝2fは中心側から周辺側の端部より内側の部分まで放射状に伸びて、粉砕面2bが中心側から周辺側の端部より内側の部分までの領域に限定され、粉砕面2bよりさらに周辺側の部分に、粗面加工部2gが形成されている。粉砕盤3の粉砕面3bの円弧状細溝3fは中心側から周辺側の端部より内側の部分まで放射状に伸びて、粉砕面3bが中心側から周辺側の端部より内側の部分までの領域に限定され、粉砕面3bよりさらに周辺側の部分に、粗面加工部3g(図示省略)が形成されている。30は取付ねじである。他の構成は図4と同様である。
【0043】
上記の装置による粉砕物の製造方法は、基本的には図1、図2と同様であるが、粉砕盤2、3の回転に伴って、粉砕盤2、3周辺部の研削部5で研削および粗粉砕された粗粉砕物が、粉砕部6で粉砕面2b、3b間でせん断、破砕されて粉砕され、小粒径の粉砕物が周辺側の粗面加工部2g、3g間に入ってさらに微粉砕され、微粉砕物からなる粉砕物20が形成される。
【0044】
図6は実施例4の粉砕物の製造装置を示す縦断面図である。この実施例の粉砕物の製造装置1の基本的な構成は実施例1と同様であるが、粉砕盤2、3が水平方向に配置され、それに伴って駆動装置M、架台13なども水平方向に配置されているが、粉砕物取出部18、ホッパー25などは図1と同様の配置とされ、原料供給部4は供給路26と一体化している。
上記の装置1による粉砕物の製造方法は、基本的には図1と同様であり、図1と同様の効果が得られる。
【0045】
図7は、図4の装置により、ダイアモンド電着を施した臼を用いて調製した硬質小麦「キタノカオリ」の小麦粉の粒度分布を示す。平均粒度0.12mmのダイアモンド砥粒を研削面と後退研削面に電着した結果、種皮部とアリューロン層部が研削され、中位径が0.025mm、平均粒度が0.037mmの微粉末の小麦粉を調製できた。
【0046】
図8は、図4の装置において、ダイアモンド電着を施さない同型の臼を用いて調製した硬質小麦「キタノカオリ」の小麦粉の粒度分布を示す。旋盤で切削した研削面と後退研削面は、滑らかな平面であるため種皮部とアリューロン層の粉砕が困難で、粒度が0.128mmの位置に最頻径が現れる。また、胚乳部の0.025mmのピークが現れるため粒度分布が2つの山で構成される。本実施例では、平均粒度が0.096mmであった。
【0047】
以上のとおり、本発明によれば、簡単な装置と操作により、穀類粒子のように軟質の薄膜を有する被粉砕物を粉砕する場合でも、効率よく軟質の薄膜を破壊して微粉化することができ、これにより粒度のそろった微粒子の粉砕物を得ることができることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、小麦、米、そば、大豆等の食品原料、その他の被粉砕物、特に粒状の被粉砕物を粉砕して、粉砕物を製造する方法、装置および粉砕物に適用できる。特に、対向して配置された1対の粉砕盤により、被粉砕物粒子の表面を研削するとともに粉砕して、粒度のそろった粉砕物を製造する方法、装置および粉砕物に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】実施例1の粉砕物の製造装置を示す縦断面図である。
【図2】実施例1の粉砕盤2の正面図である。
【図3】実施例1の粉砕盤2の背面図である。
【図4】実施例2の粉砕盤2の正面図である。
【図5】実施例3の粉砕盤2の正面図である。
【図6】実施例4の粉砕物の製造装置を示す縦断面図である。
【図7】実施例2の粉砕物の製造装置による小麦粉の粒度分布図である。
【図8】比較例1の粉砕物の製造装置による小麦粉の粒度分布図である。
【符号の説明】
【0050】
1 製造装置、 2、3 粉砕盤、 2a、3a 研削面
2b、3b 粉砕面、 2c 基準研削面、 2d 後退研削面
2e 深溝、 2f、3f 円弧状細溝、 2g、3g 粗面加工部
4 原料供給部、 5 研削部、 6 粉砕部、 7 研磨剤層
8 駆動ピン穴、 9 駆動ピン、 10 被粉砕物
11 冷却溝、 12 冷却気体噴出部材、 13 架台
14 圧縮気体発生装置、 15 掻取片、 16 取付部材
17 環状通路、 18 粉砕物取出部、 20 粉砕物
21 気密シール、 22 スペーサ、 23 ジャケット
24 冷媒、 25 ホッパー、 26 供給路、 27 センサ
28 切込、 29 ディスク、 30 取付ねじ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央部に研削面および周辺部に粉砕面を有する1対の粉砕盤を対向させて、対向面間に研削部および粉砕部を形成し、
駆動装置により少なくとも一方の粉砕盤を回転させ、
原料供給部から被粉砕物を研削部に供給し、
供給された被粉砕物粒子の表面を研削部で研削するとともに粗粉砕し、
研削および粗粉砕された粗粉砕物を粉砕部で粉砕し、
粉砕部から粉砕物を取り出す
粉砕物の製造方法。
【請求項2】
研削面は研磨剤層を有する請求項1記載の方法。
【請求項3】
研磨剤層が砥粒の固着層からなる請求項2記載の方法。
【請求項4】
少なくとも一方の研削面は、粉砕面側の基準研削面よりも低くなった後退研削面を中央部側に有し、後退研削面側から基準研削面の周辺部に向けて伸びる被粉砕物通路を有する請求項1ないし3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
粉砕面は、円弧状細溝を有する請求項1ないし4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
少なくとも一方の粉砕面の円弧状細溝は、エネルギービーム加工による溝である請求項5記載の方法。
【請求項7】
粉砕盤を隣接して設けられた冷却部により冷却する請求項1ないし6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
中央部に研削面および周辺部に粉砕面を有し、対向面間に被粉砕物粒子の表面を研削部で研削するとともに粗粉砕する研削部、および粗粉砕された粗粉砕物を粉砕する粉砕部を形成する1対の粉砕盤と、
少なくとも一方の粉砕盤を回転させる駆動装置と、
被粉砕物を研削部に供給する原料供給部と、
粉砕部から粉砕物を取り出す粉砕物取出部と
を備えた粉砕物の製造装置。
【請求項9】
研削面は研磨剤層を有する請求項8記載の装置。
【請求項10】
研磨剤層が砥粒の固着層からなる請求項9記載の装置。
【請求項11】
少なくとも一方の研削面は、粉砕面側の基準研削面よりも低くなった後退研削面を中央部側に有し、後退研削面側から基準研削面の周辺部に向けて伸びる被粉砕物通路を有する請求項8ないし10のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
粉砕面は、円弧状細溝を有する請求項8ないし11のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
少なくとも一方の粉砕面の円弧状細溝は、エネルギービーム加工による溝である請求項12記載の装置。
【請求項14】
粉砕盤を冷却するように隣接して設けられた冷却部を備えた請求項8ないし13のいずれかに記載の装置。
【請求項15】
請求項1ないし7のいずれかに記載の方法によって得られる粉砕物。
【請求項16】
請求項15記載の方法によって得られる粉砕物を含む加工品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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