説明

粉粒体吐出機

【課題】 本発明は、種々の条件に対応して、粉粒体の詰まりを発生させずに円滑に粉粒体の回収を行えるようにすることを課題とする。
【解決手段】 粉粒体を貯留するホッパと、該ホッパ内の粉粒体を繰り出す各条の繰出部と、該繰出部で繰り出された粉粒体を移送する各条のホースを備え、該ホースで移送された粉粒体を圃場に吐出する構成とし、ホッパ内の粉粒体を取り出すための各条の排出口と、該排出口を開閉する各条の排出シャッタと、各条の排出口からの粉粒体を受けて搬送し回収するための回収管を設けた粉粒体吐出機において、ホッパ内の粉粒体の残量を検出する残量センサ(207)を設け、残量センサ(207)の検出に基づき、粉粒体の残量が多いときには排出シャッタの開度が小さくなり、粉粒体の残量が少ないときには排出シャッタの開度が大きくなるよう、排出シャッタの開度を制御する制御装置を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、粉粒体を貯留するホッパと、該ホッパ内の粉粒体を繰り出す各条の繰出部と、該繰出部で繰り出された粉粒体を移送する各条のホースを備え、該ホースで移送された粉粒体を圃場に吐出する粉粒体吐出機の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
施肥装置である粉粒体吐出装置において、粉粒体を貯留するホッパと、該ホッパ内の粉粒体を繰り出す各条の繰出部と、該繰出部で繰り出された粉粒体を移送する各条のホースを備え、該ホースで移送された粉粒体を圃場に吐出する構成とし、ホッパ内の粉粒体を取り出すための各条の排出口と、該排出口を開閉する各条の排出シャッタと、各条の排出口からの粉粒体を受けて搬送し回収するための回収管と、排出シャッタを開くための粉粒体回収操作具を設けたものが公知である。
【0003】
この粉粒体吐出装置は、粉粒体回収操作具の操作で、各条に設けた複数の排出シャッタのうちの一部の排出シャッタのみを開くことにより、回収管に同時に多量の粉粒体が供給されることで回収管に粉粒体が詰まるようなことを防止している(特許文献1参照)。
(特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−242635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記背景技術によると、回収管に同時に多量の粉粒体が供給されるのを防止して回収管に粉粒体が詰まるようなことを防止しているが、一部の排出シャッタが開くことにより、当該排出シャッタで開閉する排出口に多量の粉粒体が供給されると、当該排出口に接続される回収管の一部に多量の粉粒体が同時に供給されることになり、前記回収管の一部で粉粒体の詰まりを発生させることが考えられる。
【0006】
そこで、本発明は、種々の条件に対応して、粉粒体の詰まりを発生させずに円滑に粉粒体の回収を行えるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、次のような技術的手段を講じた。
すなわち、請求項1に係る発明は、粉粒体を貯留するホッパ(60)と、該ホッパ(60)内の粉粒体を繰り出す各条の繰出部(61)と、該繰出部(61)で繰り出された粉粒体を移送する各条のホース(62)を備え、該ホース(62)で移送された粉粒体を圃場に吐出する構成とし、ホッパ(60)内の粉粒体を取り出すための各条の排出口(83)と、該排出口(83)を開閉する各条の排出シャッタ(84)と、各条の排出口(83)からの粉粒体を受けて搬送し回収するための回収管(85)を設けた粉粒体吐出機において、ホッパ(60)内の粉粒体の残量を検出する残量センサ(207)を設け、残量センサ(207)の検出に基づき、粉粒体の残量が多いときには排出シャッタ(84)の開度が小さくなり、粉粒体の残量が少ないときには排出シャッタ(84)の開度が大きくなるよう、排出シャッタ(84)の開度を制御する制御装置を設けた粉粒体吐出機とした。
【0008】
また、請求項2に係る発明は、粉粒体を貯留するホッパ(60)と、該ホッパ(60)内の粉粒体を繰り出す各条の繰出部(61)と、該繰出部(61)で繰り出された粉粒体を移送する各条のホース(62)を備え、該ホース(62)で移送された粉粒体を圃場に吐出する構成とし、ホッパ(60)内の粉粒体を取り出すための各条の排出口(83)と、該排出口(83)を開閉する各条の排出シャッタ(84)と、各条の排出口(83)からの粉粒体を受けて搬送し回収するための回収管(85)を設けた粉粒体吐出機において、排出シャッタ(84)を全閉状態から全開よりも小さい所定の開度まで開いて所定時間停止し、その後排出シャッタ(84)を全開状態まで開く制御を行う制御装置を設けた粉粒体吐出機とした。
【0009】
また、請求項3に係る発明は、粉粒体を貯留するホッパ(60)と、該ホッパ(60)内の粉粒体を繰り出す各条の繰出部(61)と、該繰出部(61)で繰り出された粉粒体を移送する各条のホース(62)を備え、該ホース(62)で移送された粉粒体を圃場に吐出する構成とし、ホッパ(60)内の粉粒体を取り出すための各条の排出口(83)と、該排出口(83)を開閉する各条の排出シャッタ(84)と、各条の排出口(83)からの粉粒体を受けて搬送し回収するための回収管(85)を設けた粉粒体吐出機において、排出シャッタ(84)を開くための粉粒体回収操作具(90)と、ホッパ(60)内の粉粒体の残量を検出する残量センサ(207)を設け、残量センサ(207)の検出に基づき、粉粒体の残量が少ないときには、粉粒体回収操作具(90)の操作に伴って排出シャッタ(84)を全閉状態から全開状態まで作動させ、粉粒体の残量が多いときには、粉粒体回収操作具(90)の操作に伴って排出シャッタ(84)を全閉状態から全開よりも小さい所定の開度まで開いて所定時間停止し、その後排出シャッタ(84)を全開状態まで開く制御を行う制御装置を設けた粉粒体吐出機とした。
【0010】
また、請求項4に係る発明は、粉粒体を貯留するホッパ(60)と、該ホッパ(60)内の粉粒体を繰り出す各条の繰出部(61)と、該繰出部(61)で繰り出された粉粒体を移送する各条のホース(62)を備え、該ホース(62)で移送された粉粒体を圃場に吐出する構成とし、ホッパ(60)内の粉粒体を取り出すための各条の排出口(83)と、該排出口(83)を開閉する各条の排出シャッタ(84)と、各条の排出口(83)からの粉粒体を受けて搬送し回収するための回収管(85)を設けた粉粒体吐出機において、排出シャッタ(84)を開くための粉粒体回収操作具(90)と、ホッパ(60)内の粉粒体の残量を検出する残量センサ(207)と、ホッパ(60)内の湿度を検出する湿度センサ(211)を設け、該湿度センサ(211)の検出に基づき、湿度が高いときには、排出シャッタ(84)の開度が小さくなるよう排出シャッタ(84)の開度を制御するか、排出シャッタ(84)を全閉状態から全開よりも小さい所定の開度まで開いて所定時間停止し、その後排出シャッタ(84)を全開状態まで開く制御を行うか、残量センサ(207)により粉粒体の残量が多いと検出されるときのみ、排出シャッタ(84)の開度が小さくなるよう排出シャッタ(84)の開度を制御するか、又は残量センサ(207)により粉粒体の残量が多いと検出されるときのみ、粉粒体回収操作具(90)の操作に伴って排出シャッタ(84)を全閉状態から全開よりも小さい所定の開度まで開いて所定時間停止し、その後排出シャッタ(84)を全開状態まで開く制御を行う制御装置を設けた粉粒体吐出機とした。
【0011】
また、請求項5に係る発明は、粉粒体を貯留するホッパ(60)と、該ホッパ(60)内の粉粒体を繰り出す各条の繰出部(61)と、該繰出部(61)で繰り出された粉粒体を移送する各条のホース(62)を備え、該ホース(62)で移送された粉粒体を圃場に吐出する構成とし、ホッパ(60)内の粉粒体を取り出すための各条の排出口(83)と、該排出口(83)を開閉する各条の排出シャッタ(84)と、各条の排出口(83)からの粉粒体を受けて搬送し回収するための回収管(85)を設けた粉粒体吐出機において、回収管(85)に振動を与える加振装置(212)を設け、粉粒体の回収のための諸操作に連動して加振装置(212)を駆動する制御装置を設けた粉粒体吐出機とした。
【0012】
また、請求項6に係る発明は、粉粒体を貯留するホッパ(60)と、該ホッパ(60)内の粉粒体を繰り出す各条の繰出部(61)と、該繰出部(61)で繰り出された粉粒体を移送する各条のホース(62)を備え、該ホース(62)で移送された粉粒体を圃場に吐出する構成とし、ホッパ(60)内の粉粒体を取り出すための各条の排出口(83)と、該排出口(83)を開閉する各条の排出シャッタ(84)と、各条の排出口(83)からの粉粒体を受けて搬送し回収するための回収管(85)を設けた粉粒体吐出機において、排出シャッタ(84)を開くための粉粒体回収操作具(90)と、ホッパ(60)内の粉粒体の残量を検出する残量センサ(207)と、ホッパ(60)内の湿度を検出する湿度センサ(211)と、回収管(85)に振動を与える加振装置(212)を設け、残量センサ(207)により粉粒体の残量が多いと検出するか、あるいは湿度センサ(211)により湿度が高いと検出するとき、又は残量センサ(207)により粉粒体の残量が多いと検出し且つ湿度センサ(211)により湿度が高いと検出するとき、粉粒体回収操作具(90)により排出シャッタ(84)を開く操作に連動して加振装置(212)を駆動する制御装置を設けた粉粒体吐出機とした。
【0013】
また、請求項7に係る発明は、粉粒体を貯留するホッパ(60)と、該ホッパ(60)内の粉粒体を繰り出す各条の繰出部(61)と、該繰出部(61)で繰り出された粉粒体を移送する各条のホース(62)を備え、該ホース(62)で移送された粉粒体を圃場に吐出する構成とし、ホッパ(60)内の粉粒体を取り出すための各条の排出口(83)と、該排出口(83)を開閉する各条の排出シャッタ(84)と、各条の排出口(83)からの粉粒体を受けて搬送し回収するための回収管(85)を設けた粉粒体吐出機において、排出シャッタ(84)を開くための粉粒体回収操作具(90)と、ホッパ(60)内の粉粒体の残量を検出する残量センサ(207)と、ホッパ(60)内の湿度を検出する湿度センサ(211)を設け、通常の粉粒体を吐出しての作業時に、湿度センサ(211)の検出に基づき、湿度が高いときには、排出シャッタ(84)を一時的に開く制御を行う制御装置を設けた粉粒体吐出機とした。
【0014】
また、請求項8に係る発明は、請求項1から請求項8のうちの任意の請求項の構成を組み合わせた粉粒体吐出機とした。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係る発明によると、ホッパ(60)内の粉粒体の残量が多いときには排出シャッタ(84)の開度が小さくなるので、回収管(85)の一部にホッパ(60)内の多量の粉粒体が同時に供給されるのを抑えることができ、回収管(85)により粉粒体を搬送させながら該回収管(85)へ粉粒体を供給できるため、回収管(85)内で粉粒体がブリッジ現象を発生させることを防止でき、前記回収管(85)の一部で粉粒体が詰まるのを防止できる。一方、ホッパ(60)内の粉粒体の残量が少ないときには排出シャッタ(84)の開度が大きくなるので、ホッパ(60)内の粉粒体の回収管(85)への供給を促し、粉粒体の回収作業を円滑に能率良く行える。
【0016】
請求項2に係る発明によると、排出シャッタ(84)を全閉状態から全開よりも小さい所定の開度まで開いて所定時間停止するので、回収管(85)への粉粒体の供給開始時に一度に多量の粉粒体が供給されるのを抑えることができ、回収管(85)により粉粒体を搬送させながら該回収管(85)へ粉粒体を供給できるため、回収管(85)内で粉粒体がブリッジ現象を発生させることを防止でき、回収管(85)で粉粒体が詰まるのを防止できる。その後、回収管(85)内での粉粒体の搬送が安定した後、排出シャッタ(84)を全開状態まで開くことができ、ホッパ(60)内の粉粒体の回収管(85)への供給を促し、粉粒体の回収作業を円滑に能率良く行える。
【0017】
請求項3に係る発明によると、ホッパ(60)内の粉粒体の残量が少ないときには、粉粒体回収操作具 の操作に伴って排出シャッタ(84)を全閉状態から全開状態まで作動させるので、ホッパ(60)内の粉粒体の回収管(85)への供給を促し、粉粒体の回収作業を円滑に能率良く行える。一方、ホッパ(60)内の粉粒体の残量が多いときには、粉粒体回収操作具(90)の操作に伴って排出シャッタ(84)を全閉状態から全開よりも小さい所定の開度まで開いて所定時間停止するので、回収管(85)への粉粒体の供給開始時に一度に多量の粉粒体が供給されるのを抑えることができ、回収管(85)により粉粒体を搬送させながら該回収管(85)へ粉粒体を供給できるため、回収管(85)内で粉粒体がブリッジ現象を発生させることを防止でき、回収管(85)で粉粒体が詰まるのを防止できる。その後、回収管(85)内での粉粒体の搬送が安定した後、排出シャッタ(84)を全開状態まで開くことができ、ホッパ(60)内の粉粒体の回収管(85)への供給を促し、粉粒体の回収作業を円滑に能率良く行える。
【0018】
請求項4に係る発明によると、ホッパ(60)内の湿度が高く粉粒体が湿っていて流れにくいと判断されるときには、回収管(85)への粉粒体の供給開始時に一度に多量の粉粒体が供給されるのを抑えることができ、回収管(85)により粉粒体を搬送させながら該回収管(85)へ粉粒体を供給できるため、回収管(85)で粉粒体が詰まるのを防止できる。
【0019】
請求項5に係る発明によると、加振装置(212)により、粉粒体を回収するときに回収管(85)に振動を与えるので、回収管(85)内で粉粒体がブリッジ現象を発生させることを防止でき、回収管(85)で粉粒体が詰まるのを防止でき、回収管(85)での粉粒体の搬送を円滑に行える。
【0020】
請求項6に係る発明によると、ホッパ(60)内の粉粒体の残量が多いか、あるいはホッパ(60)内の湿度が高いとき、又はホッパ(60)内の粉粒体の残量が多く且つホッパ(60)内の湿度が高いとき、粉粒体回収操作具(90)により排出シャッタ(84)を開く操作に連動して加振装置(212)を駆動するので、回収管(85)内で粉粒体がブリッジ現象を発生するような状況に的確に対応して回収管(85)に振動を与えることができ、回収管(85)内で粉粒体がブリッジ現象を発生させることを防止でき、回収管(85)で粉粒体が詰まるのを防止でき、回収管(85)での粉粒体の搬送を円滑に行えると共に、無闇に回収管(85)を振動させないようにでき、回収管(85)の耐用性の向上及び省エネルギー化が図れる。
【0021】
請求項7に係る発明によると、通常の作業時において、ホッパ(60)内の湿度が高く粉粒体が湿っていて繰出部(61)の上方で粉粒体がブリッジ現象を発生させて繰出部(61)で適正に且つ円滑に繰り出しにくいと判断されるときには、排出シャッタ(84)を一時的に開くことにより、繰出部(61)の上方の粉粒体を少量だけ回収管(85)へ排出して前記ブリッジ現象を解消することができ、繰出部(61)による粉粒体の繰出の適正化及び円滑化が図れる。
【0022】
請求項8に係る発明によると、組み合わせた請求項1から請求項8のうちの任意の請求項に係る発明の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】施肥装置付き乗用型田植機の側面図
【図2】施肥装置付き乗用型田植機の平面図
【図3】一部を省略した施肥装置の背面図
【図4】一部を省略した施肥装置の平面図
【図5】施肥装置の一部を示す断面側面図
【図6】繰出部の断面側面図
【図7】図6のSーS断面図
【図8】施肥装置の傾動回転軸部分の拡大側面図
【図9】肥料回収レバー及びその周辺を判り易く示す側面図
【図10】施肥装置の傾動を判り易く示す断面側面図
【図11】施肥装置の傾動を判り易く示す断面側面図
【図12】施肥伝動機構を示す側面図
【図13】施肥伝動機構を示す平面図
【図14】逆転伝達機構及び繰出量調節機構の一部を示す展開断面平面図
【図15】肥料繰出部への伝動機構を示す断面背面図
【図16】施肥量の設定部と表示部を備えたハンドル部分の平面図
【図17】肥料排出に関する制御ブロック図
【発明を実施するための形態】
【0024】
この発明の実施の一形態を、以下に説明する。尚、以下の説明は、発明を実施するための一形態であって特許請求の範囲を拘束するものでない。
図1及び図2は本発明を用いた一実施例である粉粒体吐出装置として施肥装置を装着した粉粒体吐出機である施肥装置付き乗用型田植機を表している。この施肥装置付き乗用型田植機1は、走行車体2の後側に昇降リンク装置3を介して苗植付部4が昇降可能に装着され、走行車体2の後部上側に施肥装置5の本体部分が設けられている。
【0025】
走行車体2は、駆動輪である左右一対の前輪10、10及び左右一対の後輪11、11を備えた四輪駆動車両であって、機体の前部にミッションケース12が配置され、そのミッションケース12の左右側方に前輪ファイナルケース13、13が設けられ、該左右前輪ファイナルケース13、13の操向方向を変更可能な各々の前輪支持部から外向きに突出する左右前輪車軸に左右前輪10、10が各々取り付けられている。また、ミッションケース12の背面部にメインフレーム15の前端部が固着されており、そのメインフレーム15の後端左右中央部に前後水平に設けた後輪ローリング軸を支点にして後輪ギヤケース18、18がローリング自在に支持され、その後輪ギヤケース18、18から外向きに突出する後輪車軸に後輪11、11が取り付けられている。
【0026】
エンジン20はメインフレーム15の上に搭載されており、該エンジン20の回転動力が、第一ベルト伝動装置21及びHST23を介してミッションケース12に伝達される。ミッションケース12に伝達された回転動力は、該ケース12内のトランスミッションにより変速された後、走行動力と外部取出動力に分離して取り出される。そして、走行動力は、一部が前輪ファイナルケース13、13に伝達されて前輪10、10を駆動すると共に、残りが後輪ギヤケース18、18に伝達されて後輪11、11を駆動する。また、外部取出動力は、走行車体2の後部に設けた植付クラッチケース25に伝達され、それから植付伝動軸26によって苗植付部4へ伝動されるとともに、施肥伝動機構27によって施肥装置5へ伝動される。
【0027】
エンジン20の上部はエンジンカバー30で覆われており、その上に座席31が設置されている。座席31の前方には各種操作機構を内蔵するフロントカバー32があり、その上方に前輪10、10を操向操作するハンドル34が設けられている。エンジンカバー30及びフロントカバー32の下端左右両側は水平状のフロアステップ35になっている。フロアステップ35は一部格子状になっており(図2参照)、該ステップ35を歩く作業者の靴についた泥が圃場に落下するように成っている。フロアステップ35上の後部は、後輪フェンダを兼ねるリヤステップ36となっている。
【0028】
また、走行車体2の前部左右両側には、補給用の苗を載せておく予備苗載台38、38が機体よりも側方に張り出す位置と内側に収納した位置とに回動可能に設けられている。
昇降リンク装置3は四辺リンク構成であって、1本の上リンク40と左右一対の下リンク41、41を備えている。これらリンク40、41、41は、その基部側がメインフレーム15の後端部に立設した背面視門形のリンクベースフレーム42に回動自在に取り付けられ、その先端側に縦リンク43が連結されている。そして、縦リンク43の下端部に苗植付部4に回転自在に支承された連結軸44が挿入連結され、連結軸44を中心として苗植付部4がローリング自在に連結されている。メインフレーム15に固着した支持部材と上リンク40に一体形成したスイングアーム45の先端部との間に昇降油圧シリンダ46が設けられており、該シリンダを油圧で伸縮させることにより、上リンク40が上下に回動し、苗植付部4がほぼ一定姿勢のまま昇降する。
【0029】
苗植付部4は6条植の構成で、フレームを兼ねる伝動ケース50、マット苗を載せて左右往復動し苗を一株分づつ各条の苗取出口51aに供給するとともに横一列分の苗を全て苗取出口51aに供給すると苗送りベルト51bにより苗を下方に移送する苗載台51、苗取出口51aに供給された苗を苗植付具52aで圃場に植付ける苗植付装置52、次行程における機体進路を表土面に線引きする左右一対の線引きマーカ53、53等を備えている。苗植付部4の下部には中央にセンターフロート55、その左右両側にサイドフロート56、56がそれぞれ設けられている。これらフロート55、56、56を圃場の泥面に接地させた状態で機体を進行させると、フロート55、56、56が泥面を整地しつつ滑走し、その整地跡に苗植付装置52により苗が植付けられる。各フロート55、56、56は圃場表土面の凹凸に応じて前端側が上下動するように回動自在に取り付けられており、植付作業時にはセンターフロート55の前部の上下動が上下動検出機構57により検出され、その検出結果に応じ前記昇降油圧シリンダ46を制御する油圧バルブを切り替えて苗植付部4を昇降させることにより、苗の植付深さを常に一定に維持する。
【0030】
苗載台51の上方には、該苗載台51上の苗に粒状の薬剤を散布する薬剤散布装置200を設けることができる。この薬剤散布装置200は、薬剤を貯留する薬剤ホッパ201と、該薬剤ホッパから薬剤を繰り出す各条の薬剤繰出部202と、該薬剤繰出部202から繰り出された薬剤を苗上へ案内して移送する各条の薬剤移送パイプ203を備えている。薬剤移送パイプ203の終端は薬剤の吐出口となり、この吐出口の直前に設けたくさび形状の分草板204により、苗載台51上で下側の苗植付装置52側へ移送される苗の葉を分草し、苗の床部へ適正に薬剤を供給できる構成となっている。
【0031】
尚、上述の薬剤散布装置200は、苗載台51の左右移動により各条の薬剤移送パイプ203からの薬剤が苗全面に散布される構成としたが、薬剤散布装置を苗載台51と一体で左右移動するように設けると共に、薬剤の吐出口の幅を苗の全幅にわたる構成としてもよい。このとき、吐出口部分に苗載台51上の苗の移送で回転するスクレーパを設け、吐出口に薬剤が詰まるのを防止することができる。これにより、スクレーパを駆動する駆動機構が不要となり、簡潔な構成となる。尚、スクレーパは、90度の位相ごとに攪拌棒を備えた構成とすることができる。
【0032】
畦クラッチレバー110により、苗植付装置52及び苗送りベルト51bの駆動を2条毎に入切して苗植付部4の植付条数を2条単位で変更できる構成となっている。植付条数を奇数にしたいときは、2条のうちの1条の苗送りベルト51b上に苗取板205を載せ、苗取板205の底板205a上に苗載台51の当該条の苗が載って当該苗に苗送りベルト52bが作用せず、且つ当該苗の端部が苗取板205の側壁205bに受け止められて苗が自重で苗植付装置52側へ供給されないようにする。この苗取板205は、把持部205cの端部を苗載台51に設けた保持具206に引っ掛けて苗植付装置52側へ移動しないように保持される。尚、前記保持具206は、苗載台51上の苗を押さえる苗押さえ具の取付支持具と兼用している。
【0033】
施肥装置5は、肥料ホッパ60に貯留されている粉粒体となる粒状の肥料を繰出部61によって一定量づつ繰り出し、その肥料を施肥ホース62でフロート55、56、56の左右両側に取り付けた施肥ガイド63まで導き、施肥ガイド63の前側に設けた作溝体64によって苗植付条の側部近傍に形成される施肥構内に落とし込むようになっている。電動モータ66で駆動のブロア67で発生させたエアが、左右方向に長いエアチャンバ68を経由して施肥ホース62に吹き込まれ、施肥ホース62内の肥料を風圧で強制的に搬送するようになっている。
【0034】
肥料ホッパ60は各条共用で、上部に開閉可能な蓋60aが取り付けられている。肥料ホッパ60の下部は施肥条数分に分岐して漏斗状になっており、その下部が繰出部61、…の上端に接続されている。肥料ホッパ60の漏斗状部分の適宜の位置には、肥料ホッパ60に貯留する肥料の重量を検出して肥料ホッパ60内の肥料の残量を検出する残量センサ207を設けている。そして、この残量センサ207により肥料ホッパ60内の肥料の残量が所定以下であることを検出すると、制御部208を介して警報を発する構成となっている。肥料ホッパ60は、左右方向に長い施肥装置側フレーム49に支持された左右2箇所の回動アーム71に取り付けられていて、この回動アーム71の下端部を支点に後方に回動させて繰出部61から分離させられるようになっている。回動アーム71は外側から1条目の繰出部と2条目の繰出部との間に配置されている(左右対称位置に2つ設けられている)。肥料ホッパ60の下部を肥料繰出部61の上端に接続した通常位置では、係止具72により肥料ホッパ60を固定しておく。
【0035】
肥料ホッパ60の下部の漏斗状部分は、四方に繰出部61へ向けて傾斜する傾斜面60bを備える。この傾斜面60bのうちの一つに、肥料袋切開具209を固着している。該肥料袋切開具209は、下部に設けた取付板209aと、該取付板209aに垂直に溶接された切開板209bを備え、取付板209aを傾斜面60bに取付ボルトを介して取り付けることにより、切開板209bが傾斜面60bに垂直で且つ鉛直に取り付けられる構成となっている。切開板209bの上端は鋭角で頂点は曲面に形成された突入部209cとなっており、この突入部209cに続く上側端面は波状に形成された切開部209dとなっている。従って、上方から肥料を収容する肥料袋ごと肥料ホッパ60内に供給することにより、先ず突入部209cが肥料袋内に突入して肥料袋に孔を開け、その後肥料袋を上方へ引き上げると切開部209dが孔に続いて肥料袋に長い切れ目を入れ、この長い切れ目から肥料が円滑に落下するので、肥料袋自体は上方へ取り出しながら肥料袋内の肥料を肥料ホッパ60内に円滑に移すことができる。切開板209は、傾斜面60bに垂直で且つ鉛直であるので、通常の施肥作業時において、肥料ホッパ60内の肥料の流れの障害となりにくく、また肥料ホッパ60内で肥料のブリッジ現象を発生させる要因となりにくく、繰出部61へ円滑に肥料を供給できる。
【0036】
繰出部61は、肥料ホッパ60内の肥料を下方に繰り出す2個の繰出ロール73A、73Bを内蔵している。これらの繰出ロール73A、73Bは、外周部に溝状の凹部74が形成された回転体で、左右方向に設けた共通の繰出軸75の角軸部75a(図示例は四角軸)にそれぞれ一体回転するように嵌合している。繰出ロール73A、73Bが図6の矢印方向に回転することにより、肥料ホッパ60から落下供給される肥料が凹部74に収容されて下方に繰り出される。両繰出ロール73A、73Bにより繰り出された肥料は、下端の吐出口61aから吐出される。
【0037】
繰出ロール73A、73Bの凹部の数は6個であり、両者の凹部の位相が異ならせてある。このため、両繰出ロール73A、73Bの凹部が交互に肥料を繰り出すこととなり、吐出口61aから吐出される肥料の量が時間的に均等化されている。いずれかの繰出ロール73A又は73Bを繰出軸75から外して位相を適当に変更して付け直すことにより、両繰出ロール73A、73Bの凹部の位相を等しくすることもできる。これで、圃場に点状に肥料を散布する場合に適用可能となる。
【0038】
また、繰出部61の内部には、凹部74が下方に移動する側(前側)の繰出ロール73の外周面に摺接するブラシ76が着脱自在に設けられている。このブラシ76によって繰出ロール73A、73Bの凹部74に肥料が摺り切り状態で収容され、繰出ロール73A、73Bによる肥料繰出量が一定に保たれる。
【0039】
さらに、ブラシ76の上側には、繰出ロール73A、73Bの上方に突出して肥料ホッパ60から繰出部61に肥料が落下供給されないようにする繰出停止シャッタ77A、77Bが設けられている。繰出停止シャッタ77A、77Bは、繰出部ケース78のスライド支持部79にスライド自在に支持されていて、ケース外の前端部に形成された把手77aをつかんでスライドさせるようになっている。
【0040】
繰出部61の吐出口61aには、前後方向に連通する接続管80(図3)が接続されている。そして、この接続管80の後端部に施肥ホース62(図5)が接続されている。施肥ホース62の外周螺旋溝に施肥装置側フレーム49の下端部が係合しているので、施肥ホース62が接続管80から抜けにくい。一方、各条の接続管80の前端部はエアチャンバ68(図4、図5)の背面部に挿入連結されている。エアチャンバ68の左端部はエア切替管81を介してブロア67(図3、図4)に接続されており、該ブロア67からのエアがエアチャンバ68を経由し接続管80から施肥ホース62に吹き込まれるようになっている。なお、ブロア67は、そのエア吐出口67aをエア切替管81から外して機体内方に回動収納できる構成としている。
【0041】
エアチャンバ68は、接続管80が取り付けられたゴム管68aと、中間部分の樹脂管68bとを交互に繋ぎ合わせて構成されている。この構成とすると、エアチャンバ68を簡単に分解、組み立てできるので、繰出部61を一体的に取り外してのメンテナンスが容易である。ゴム管68aの長さを一対の繰出部の間隔よりも長くしておくと、樹脂管68bからゴム管68aを抜きやすい。
【0042】
また、繰出部ケース78の背面部には、肥料ホッパ内の肥料を取り出すための肥料排出口83(図6)が形成されている。この肥料排出口83には、上端側を支点にして開閉自在な排出シャッタ84が取り付けられている。各繰出部の肥料排出口83は、繰出部61の後方に設けた左右方向に長い肥料回収管85に接続されている。肥料回収管85の左端部は、前記エア切替管81を介してブロア67に接続されている。エア切替管81は二股状の管であって、一方にエアチャンバ68が接続され、他方に肥料回収管85が接続されている。エア切替管81にはエア切替部としてのエア切替シャッタ86が設けられ、ブロア67から吹き出されるエアをエアチャンバ68側に供給する状態と肥料回収管85側に供給する状態とに切り替えられようになっている。エア切替シャッタ86はエアチャンバ68と肥料回収管85の間の前後中央部にあるので、両者へのエア供給が安定している。肥料回収管85の右端部は肥料回収口87になっている。
【0043】
肥料回収口87の近傍には、粉粒体回収操作具となる肥料回収レバー90を回動自在に設けている。尚、肥料回収レバー90は、レバーガイド98に沿って回動操作するようになっている。この肥料回収レバー90の回動支点軸90aと同軸上に、繰出部61の前側に配置された左右方向に長いシャッタ開閉伝達軸91(図3,図4)が設けられている。シャッタ開閉伝達軸91には各繰出部ごとに開閉ギヤ93が取り付けられ、該ギヤ93が排出シャッタ84の回動軸84aに取り付けた半円形ギヤ94と噛み合っている。なお、半円形ギヤ94の端部には当該ギヤ94の歯よりも径の大きいストッパ部94aが形成されているので、両ギヤ93、94の噛み合いが外れることはない。また、肥料回収レバー90には、エア切替ワイヤ95の一端が繋がれている。エア切替ワイヤ95の他端は、エア切替シャッタ86の回動軸86aに取り付けたアーム96に付勢手段である引張りスプリング97を介して繋がれている。
【0044】
シャッタ開閉伝達軸91の右端には、該シャッタ開閉伝達軸91を駆動する排出用モータ210を設けている。一方、肥料回収レバー90の操作位置を検出する肥料回収レバーセンサ90aを設けている。肥料回収レバー90を通常の施肥作業位置P0からエア切替位置P1へ回動操作すると、エア切替ワイヤ95が引かれてエア切替シャッタ86を切り替え、ブロア67からのエアが肥料回収管85に供給されるようになる。このとき、排出用モータ210は駆動しないので、シャッタ開閉伝達軸91は回動せず、排出シャッタ84は全閉状態を維持する。そして、肥料回収レバー90をエア切替位置P1を超えてからシャッタ全開位置P2までの間となるシャッタ開放領域の任意の位置に操作すると、肥料回収レバーセンサ90aの検出に基づいて排出用モータ210が駆動し、肥料回収レバー90のシャッタ開放領域での操作位置に応じた開度で排出シャッタ84が開くようにシャッタ開閉伝達軸91が回動する。つまり、肥料回収レバー90をエア切替位置P1からシャッタ全開位置P2へ操作するにつれて排出シャッタ84の開度が無段階で徐々に大きくなる。尚、肥料回収レバー90をシャッタ開放領域に操作しても、エア切替ワイヤ95によりブロア67からのエアが肥料回収管85に供給される状態にエア切替シャッタ86を維持する。よって、単一の肥料回収レバー90でエア切替シャッタ86及び排出シャッタ84を操作することができる。しかも、必然的に、始めにエアが肥料回収管85に供給され、その後で肥料が肥料回収管85に排出されるのである。言い換えると、排出シャッタ84が開くときにはブロア67からの圧力風は必ず肥料回収管85に供給される。このため、肥料回収管85での肥料の搬送が円滑に行われ、肥料回収管85での肥料詰まりを抑えている。また、肥料回収レバー90が肥料回収口87の近傍に設けられているので、肥料回収容器等を肥料回収口87の下側に容易に確保でき、さらに肥料回収の状況を確認しながら作業を行え好都合である。
【0045】
なお、エア切替シャッタ86は上下方向を向く回動軸86aを中心に回動するので、エア切替シャッタ86の開閉操作時の抵抗が変動しない。また、肥料回収時には引張りスプリング97の張力に抗して強制的にエア切替シャッタ86を切り替えるようにしているので、肥料回収時におけるエア切替シャッタ86の気密性が良好である。
【0046】
開閉ギヤ93と半円形ギヤ94との噛み合いに予め融通性を持たせておくと、各条のギヤの組み付けに多少の誤差があっても、各条の排出シャッタ84の動作タイミングに狂いが出ず、確実に排出シャッタ84が閉じるようにすることができる。
【0047】
一方、各畦クラッチレバー110(1・2)、110(3・4)、110(5・6)(図4)をクラッチ入り位置にすると「ON」になるスイッチを各々設けて、肥料回収レバー90が施肥作業位置P0でないことを肥料回収レバーセンサ90aが検出し、且つ全ての畦クラッチレバー110(1・2)〜110(5・6)がクラッチ入り(施肥作業時)であることを前記スイッチが検出すると、制御部208によりハンドル34下方のモニター部に設けたランプを点灯するか若しくはブザーを鳴らして警報する構成となっている。これは、肥料回収レバー90をシャッタ全開位置P2にして肥料回収作業をした後(後日)、施肥・植付け作業を行う時に肥料回収レバー90をシャッタ全開位置P2にしたまま施肥・植付け作業をすると施肥作業が行えないまま植付け作業をしてしまう不具合を防止するためで、肥料回収レバー90をシャッタ全開位置P2にしたままでメインスイッチを入れるとランプが点灯するか若しくはブザーが鳴って作業者に肥料回収レバー90が施肥作業位置P0になっていないことを知らせ、即座に作業者は肥料回収レバー90を施肥作業位置P0に操作して前記のような不具合を未然に防止でき作業性が良い。
【0048】
繰出部ケース78は、側面視で前下がりに傾斜した分割面FーFで、下側の固定部分78aと上側の離脱部分78bとに分割されている。繰出ロール73A、73B及び排出シャッタ84(肥料排出口83)は固定部分78aに設けられている。一方、ブラシ76及び繰出停止シャッタ77は離脱部分78bに設けられている。肥料ホッパ60が接続される上部開口部及び吐出口61aは分割されていないので、両者の気密性が良好に保たれる。
【0049】
肥料ホッパ60を最も後方に回動させると、側面視で前記離脱部分78bを離脱させる方向に投影した区域外に肥料ホッパが位置するようになっている。このため、離脱部分78bを無理なく離脱させられる。また、分割面FーF(図5)の延長先はエアチャンバ68の上端よりも下側に位置するとともに、側面視で離脱部分78bを離脱させる方向に投影した区域外にエアチャンバ68が位置している。このため、離脱部分78bを取り外した状態で、走行車体2上から繰出ロール73A、73Bのメンテナンスを行いやすい。
【0050】
繰出部61はエアチャンバ68と一体的にリンクベースフレーム42に回動軸82aを中心にして回動可能に取り付けられている。リンクベースフレーム42には固定プレート47が接続され、該固定プレート47に繰出量調節ロッド支持プレート58が固着されている。機体側フレーム48とエアチャンバ68を支持する施肥装置側フレーム49はパッチン錠49aで係脱自在に係止されている。繰出量調節ロッド支持プレート58は繰出量調節ロッド157を支持する構成であり、該繰出量調節ロッド157の先端部には手動ハンドル159が設けられ、後述するように、手動ハンドル159を回すことで粉粒体の繰出量を調整できる。
【0051】
また、施肥装置側フレーム49に繰出部61が固着され、機体側フレーム48と施肥装置側フレーム49を傾動位置ロック用プレート54で接続している。図5(b)に示すように、繰出量調節ロッド支持プレート54には縦長の長孔54aが設けられ、該長孔54aの上端側は水平方向に向きを変えた孔54bが接続している。前記長孔54aには施肥装置側フレーム49に固定されたピン49aが挿入されているので、一体化した繰出部61とホッパ60を傾動させるとピン49aが長孔54a内を動き、その上端部で繰出部61とホッパ60の傾動が停止する。前記長孔54aに続く孔54bにピン49aが移動すると、繰出部61とホッパ60が傾動位置で固定される。
【0052】
上記構成によりホッパ60、繰出部61、エアチャンバ68、ロート部88及び施肥ホース62からなる施肥装置5のほぼ全体を傾斜することができるのでホッパ60と繰出部61に残っている粉粒体が施肥ホース62側に排出され、従来のように施肥装置5内に肥料などの粉粒体が残留することが無く、また粉粒体を速やかに施肥ホース62側に排出させることができる。また空になったホッパと繰出部の内部の点検が容易に行える。
【0053】
施肥装置5の傾動回転軸部分について説明すると、回動軸82aは機体側フレーム48に取り付けられ、回動軸82aが設けられた施肥装置側フレーム49の基部には傾動位置ストッパ49b,49cが設けられている。回動軸を中心に施肥装置5が傾動する際に、前記ストッパ49b,49cがそれぞれ固定プレート47と機体側フレーム48に当接してそれ以上施肥装置5が傾動しないように規制する。
【0054】
また、施肥装置側フレーム49を回動せずにホッパ60と繰出部61を後方に傾動させると、エアチャンバ68、ロート部88及び施肥ホース62は機体側フレーム48に残る構成となっている。
【0055】
また、繰出部61とロート部88の接合部において、繰出部61を凹形状として凸形状のロート部88を包み込むことができる構成とし、さらに前記接合部にシール部材89を配置すると、繰出部61の外部から雨だれや泥水が入り込まない。
【0056】
また、ホッパ60と繰出部61からなる施肥装置5を傾動させる傾動機構を、前後方向の回動軸やボールジョイント等により、施肥装置5が肥料回収管85の肥料回収口87側となる左右一方側(右側)に傾動させる構成とすると、肥料回収管85による肥料回収を円滑に行え、肥料回収時間を短くすることができる。尚、前記傾動機構は、後側で且つ左右一方側に傾動させる構成とすることもできる。
【0057】
次に、施肥伝動機構27について説明する。施肥伝動機構27は、左から数えて第4条と第5条の肥料繰出部61の間に配置されている。前記植付クラッチケース25の後面から突出するクランクアーム131(図16)が出力回転し、該クランクアーム131に連結した上下方向に延びる駆動側揺動ロッド132の上下方向の往復動作が上側のカウンタアーム133に伝動される。なお、カウンタアーム133は、側面視でくの字形状になっており、前記駆動側揺動ロッド132と後記する従動側揺動ロッド134とが連結されている。そして、カウンタアーム133の往復揺動による従動側揺動ロッド134の前後方向の往復動作がカウンタアーム133の後側の繰出入力アーム135ヘ伝動され、この繰出入力アーム135の前後方向の往復作動が左側の一方向クラッチ136Lへ伝動される。
【0058】
なお、一方向クラッチ136L,136Rは、左右に2個設けられており、左右方向の同一の一方向クラッチ軸137回りに回動する構成となっており、外環部138L,138Rと前記一方向クラッチ軸137との間に複数の伝動用ローラ139を備えたローラクラッチであり、外環部138L,138Rの回動を一方向クラッチ軸137に伝達するようになっている。従って、左側の一方向クラッチ136Lは、外環部138Lが繰出入力アーム135と一体に設けられ、繰出入力アーム135の前後方向の往復作動における一方向となる外環部138Lの回動を一方向クラッチ軸137に伝達するようになっている。なお、左右の一方向クラッチ136L,136Rは、それぞれの外環部138L,138Rの同じ方向の回動で一方向クラッチ軸137に伝達するようになっている。
【0059】
左側の一方向クラッチ136Lの外環部138Lの上側には該外環部138Lと一体の第一アーム140を設け、この第一アーム140と前側にある第二アーム141とを第一リンク142により連結している。第二アーム141は、左右方向の中継軸143と一体回転する構成となっており、該中継軸143の下側で前記第一リンク142を連結するべく中継軸143から下側に延びている。第二アーム141の右側には前記中継軸143と一体回転する第三アーム144を中継軸143から上側に延設しており、この第三アーム144は第二アーム141と一体回転する。第三アーム144の中継軸143より上側の位置には第二リンク145を連結しており、この第二リンク145の他端側には第四アーム146を連結している。この第四アーム146は、右側の一方向クラッチ136Rの外環部138Rの上側に該外環部138Rと一体に設けられている。 従って、左側の一方向クラッチ136Lの外環部138Lの往復回動により第一アーム140が前後方向に往復回動し、第一リンク142を介して第二アーム141へ伝達され、該第二アーム141が第一アーム140と同期して同じ側に前後方向に往復回動する。
【0060】
第三アーム144は、中継軸143に対して第二アーム141とは上下反対側(上側)に延びているので、その第二リンク145との連結位置では第二アーム141の往復回動と同期して第二アーム141の第一リンク142の連結位置における前後方向の往復動とは前後反対側に往復揺動することになる。そして、第三アーム144の往復動が第二リンク145を介して第四アーム146へ伝達され、第四アーム146が第三アーム144と同期して同じ側に前後方向に往復回動するので、右側の一方向クラッチ136Rの外環部138Rは、左側の一方向クラッチ136Lの外環部138Lの往復回動と同期して反対側に回動する。 従って、前記第一アーム140乃至第四アーム146、第一リンク142及び第二リンク145により、逆転伝達機構を構成している。
【0061】
従って、前記逆転伝達機構により左右の一方向クラッチ136L,136Rの外環部138L,138Rが互いに反対側に回動するため、繰出入力アーム135の往復作動において左右の一方向クラッチ136L,136Rの何れか一方が一方向クラッチ軸137を同じ一方向(正転方向)に回転させることとなり、常時、連続的に一方向クラッチ軸137を駆動することができる。
【0062】
左右の一方向クラッチ136L,136Rの間には一方向クラッチ軸137とキー147aにより一体回転する駆動ギヤ147を設け、この駆動ギヤ147が後述する繰出駆動軸105と一体回転する従動ギヤ148に噛み合う。従って、一方向クラッチ軸137の連続回転が繰出駆動軸105へ伝動される。なお、駆動ギヤ147の歯数は、従動ギヤ148の歯数より多く、従動ギヤ148の歯数の約2倍となっている。
【0063】
従って、駆動ギヤ147及び従動ギヤ148により、回転速度を増速して伝動する増速伝動部を構成している。なお、左右の一方向クラッチ136L,136Rのそれぞれの外環部138L,138Rの外周には、一方向クラッチ136L,136Rの伝動用ローラ139部分へ肥料や塵等の異物が混入しないように駆動ギヤ147の基部内径部との隙間を塞ぐシール材149を設けている。なお、左右の一方向クラッチ136L,136Rの伝動用ローラ139の駆動ギヤ147とは反対側にも、外環部138L,138Rの内面と一方向クラッチ軸137の外面とに接触するように外側シール材149aを設けている。
【0064】
以上のように、左右の一方向クラッチ136L,136Rの間に駆動ギヤ147を設けているので、左右何れの一方向クラッチ136L,136Rが伝動状態であっても伝動する一方向クラッチ136L,136Rと駆動ギヤ147並びにキー147aとが近いため、左右一対の一方向クラッチ136L,136Rの左右一方側に駆動ギヤ147を配置した場合と比較して、一方向クラッチ136L,136Rにより伝動される動力を駆動ギヤ147へ適正な速度で精度良く伝動することができ、肥料繰出部61の肥料の繰出量を適正に安定させることができる。
【0065】
また、一方向クラッチ136L,136Rの外環部138L,138Rと駆動ギヤ147の基部内径部との隙間を塞ぐシール材149が一方向クラッチ軸137の方向において前記外環部138L,138Rと重複する構成となるので、一方向クラッチ136L,136Rの伝動用ローラ139と駆動ギヤ147との左右方向(一方向クラッチ軸137方向)の位置を近づけることができ、一方向クラッチ136L,136Rにより伝動される動力を駆動ギヤ147へ適正な速度でより精度良く伝動することができる。
【0066】
従来の一般的な一方向クラッチを使用すると、この一方向クラッチは、図18に示す外側シール材149aのように、伝動用ローラの外側(一方向クラッチ軸方向の外側)にシール材を設けているので、そのシール材の一方向クラッチ軸方向の厚み分駆動ギヤ並びにキーと伝動用ローラとの間隔を設けなければならず、駆動ギヤ147の回転作動速度が一方向クラッチ軸の支持部における緩みのがたの影響を受けやすくなって不適正になったり不安定になったりすることが考えられる。
【0067】
逆転伝達機構の左右には、該逆転伝達機構を支持する逆転用支持部材150L,150Rをそれぞれ設けている。この逆転用支持部材150L,150Rは、鋳物により構成され、施肥装置5の基部フレーム151に締付ボルト152にて固定されており、一方向クラッチ軸137、繰出駆動軸105及び逆転伝達機構の中継軸143を軸受するボールベアリング153、154、155をそれぞれ備えている。
【0068】
なお、繰出駆動軸105は、逆転用支持部材150L,150Rを貫通して左右に長く設けられている。従って、前記一方向クラッチ軸137、繰出駆動軸105及び中継軸143は、左右の逆転用支持部材150L,150Rにより左右で軸受され、一方向クラッチ137、逆転伝達機構及び駆動ギヤ147並びに従動ギヤ148等の施肥伝動機構27の伝動部の左右で両持支持されているので、支持剛性が向上し、繰出伝動が適正に精度良く行われる。
【0069】
特に、第二アーム141は左側の逆転用支持部材150Lに近づけて配置され、第三アーム144は右側の逆転用支持部材150Rに近づけて配置されているので、中継軸143におけるこれらのアーム141,144から受ける作動荷重を左右それぞれのボールベアリング155がしっかりと受け、前記アーム141,144の伝達精度の向上を図ることができる。
【0070】
左側の逆転用支持部材150Lの左側には、繰出量調節機構156を設けている。この繰出量調節機構156は、前部に繰出量調節ねじ部分157を備える繰出量調節軸158と該軸158の後部に取り付けた繰出量調節ハンドル159とを備えている。繰出量調節軸158の中途部には該軸158が回動できるように外嵌された軸支持部材160を設けており、この軸支持部材160に固着した左右方向の軸支持支点軸160aを左側の逆転用支持部材150Lに挿入した構成となっている。
【0071】
従って、繰出量調節機構156は、前記軸支持支点軸160a回りに回動可能に設けられている。なお、軸支持支点軸160aは、繰出量調節軸158の右側で左側の逆転用支持部材150Lに支持されると共に、左側で格別に設けた調節軸支持フレーム161に支持されている。従って、繰出量調節機構156は、軸支持支点軸160a部分において繰出量調節軸158の左右で両持支持された構成となっている。
【0072】
カウンタアーム133の回動軸162を支持するカウンタ支持部材163の上部には、雌ねじ部分164aを備える主要部が側面視六角形の位置調節体164を左右方向の軸回りに回動可能に設けている。なお、カウンタ支持部材163の後端部には左右方向の同一直線上に軸心が位置するカウンタ支点軸165を左右それぞれ設け、カウンタ支持部材163は、このカウンタ支点軸165回りに基部フレーム151に対して回動可能に設けられている。
【0073】
なお、基部フレーム151にはカウンタ支点軸165を装着する孔166を複数個(4個)前後に配列しており、型式、仕様等により施肥装置5のスペースが制限されるようなときにはカウンタ支点軸165の前後位置を変更して対応し、カウンタ支持部材163及び基部フレーム151等の部品の共用化を図っている。カウンタ支点軸165部分は基部フレーム151とは別の補強部材167により機体に支持されており、カウンタ支点軸165の位置が変わってもカウンタ支点軸165部分に補強部材167を取り付けて剛性を保ち、カウンタ支点軸165の位置が変化しにくいようにしている。前記位置調節体164の雌ねじ部分164aに繰出量調節軸158の前部の繰出量調節ねじ部分157が螺合しており、繰出量調節軸158の回動により位置調節体164が前後に移動してカウンタ支持部材163がカウンタ支点軸165回りに回動し、カウンタアーム133の回動軸162を前上方あるいは後下方に移動させる構成となっている。
【0074】
従って、カウンタアーム133の回動軸162を移動させることにより、カウンタアーム133の姿勢が変化し、例えば前記回動軸162を前上方へ移動させると、駆動側揺動ロッド132及び従動側揺動ロッド134が共にカウンタアーム133と直角に近い状態で交差するように姿勢が変更されるので、駆動側揺動ロッド132で作動するカウンタアーム133及び従動側揺動ロッド134で作動する繰出入力アーム135の揺動ストローク(揺動角)がそれぞれ大きくなり、一方向クラッチ軸137ひいては繰出駆動軸105の回転速度が大きくなって、肥料繰出部61による繰出量が多くなる。
【0075】
一方、前記回動軸162を後下方へ移動させると、駆動側揺動ロッド132及び従動側揺動ロッド134が共にカウンタアーム133と直角からかけ離れた状態で交差するように姿勢が変更されるので、駆動側揺動ロッド132で作動するカウンタアーム133及び従動側揺動ロッド134で作動する繰出入力アーム135の揺動ストローク(揺動角)がそれぞれ小さくなり、一方向クラッチ軸137ひいては繰出駆動軸105の回転速度が小さくなって、肥料繰出部61による繰出量が多くなる。従って、繰出量調節ハンドル159を操作して繰出量調節軸158を回動させることにより、施肥装置5の肥料の繰出量を連続的に変更して調節できるようになっている。
【0076】
カウンタ支持部材163は、左右のプレート部163aと該左右のプレート部163aを繋ぐ前部プレート部163bとにより平面視コの字状に構成され、前記左右のプレート部163aに位置調節体164、カウンタアーム133の回動軸162及びカウンタ支点軸165を軸受するボールベアリング168,169,170をそれぞれ設けている。従って、位置調節体164及びカウンタアーム133の回動軸162は左右のボールベアリング168,169により両持支持され、左右のカウンタ支点軸165は左右に配置したそれぞれのボールベアリング170により左右別個に支持されている。よって、繰出量調節軸158の繰出量調節ねじ部分157と位置調節体164の雌ねじ部分164aとの螺合部は螺合しているためにがたが生じやすく、カウンタ支持部材163の回動位置が不安定になる要因となりやすいが、この螺合部の左右にボールベアリング168を設けて位置調節体164を両持支持しているので、カウンタ支持部材163の回動位置の安定を図ることができ、繰出量調節の適正化及び施肥装置5の肥料の繰出量の安定化を図ることができる。
【0077】
繰出量調節軸158の軸支持部材160より前側の部分には繰出量表示用ねじ部分173を設けると共に、該ねじ部分173に螺合する雌ねじ部分174aを備える繰出量表示具174を設けている。なお、繰出量表示具174は、繰出量表示用ねじ部分173を覆うカバー175の右側部に設けた長孔部176に係合し、この長孔部176から一部がカバー175の右側に突出するように設けられ、前記カバー175に対して回動しないように支持されると共に前記長孔部176に案内されて繰出量調節軸158方向に移動可能に支持され、繰出量調節軸158の回動に伴って該軸158方向に移動する構成となっている。前記カバー175の長孔部176の縁にはこの長孔方向に目盛177をつけていると共に、繰出量表示具174にはマーク178をつけており、該マーク178が指し示す目盛177を読みながら作業者が肥料の繰出量を認識したり調節したりするようになっている。
【0078】
この目盛177は、肥料の種類に応じて上下に異なる目盛を計3種類備えている。これは、肥料の種類によって、肥料の粒径や比重が異なるため、繰出量調節ハンドル159で同じ繰出量調節位置に設定しても、実際の肥料の繰出量が異なるためである。このように、従来は目盛177を複数種(3種)設けているので、作業者が目盛177が見にくく繰出量を誤って認識する可能性がある。そこで、三角柱の各面に各種の目盛を表記し、三角柱の回転により表示される目盛が切り替えられる表示切替式の目盛とすれば、作業者が目盛を視認しやすく繰出量を容易に認識できる。
【0079】
繰出量調節軸158は側面視で前上がり姿勢に傾斜して設けられ、繰出量調節軸158の前端部に設けた繰出量調節ハンドル159を肥料繰出部61より前側に配置している。従って、作業者は、肥料繰出部61が邪魔にならずに座席31に座ったまま、走行車体2側から繰出量調節ハンドル159を容易に操作することができる。
【0080】
また、繰出駆動軸105に伝達された施肥動力は、2条ごとに1組設けられた施肥畦クラッチ106,…を介して、繰出駆動軸105に回転自在に外嵌する筒軸107,…に伝達される。そして、一対の繰出伝動ギヤ108a,108bを介して、各筒軸107から各条の繰出軸79へ伝動される。駆動側の繰出伝動ギヤ108aは筒軸107に摺動自在に嵌合しており、該ギヤ108aをずらして一対の繰出伝動ギヤ108a,108bの噛み合いを解除することができる。つまり、各条ごとに施肥作動を入り・切りする単条クラッチ108として構成されているのである。
【0081】
左から数えて第1条と第2条の施肥作動を入・切する施肥畦クラッチ106(1・2)及び第3条と第4条の施肥作動を入・切する施肥畦クラッチ106(3・4)は、第2条の肥料繰出部61と第3条の肥料繰出部61との間隔部にそれぞれ設けられている。第5条と第6条の施肥作動を入・切する施肥畦クラッチ106(5・6)は、第6条の肥料繰出部61の右側すなわち施肥装置5の右端に設けられている。これらの施肥畦クラッチ106を操作する畦クラッチレバー110(1・2),110(3・4),110(5・6)は、図4に示すように先端を前方に突出させて上下に回動操作するように設けられている。左右の後輪11,11は平面視で第1条の肥料繰出部61と第2条の肥料繰出部61との間隔部及び第5条の肥料繰出部61と第6条の肥料繰出部61との間隔部にそれぞれ位置しており、後輪11,11と畦クラッチレバー110,…とが同じ肥料繰出部間にないように配置されている。
【0082】
また、左から1条目の施肥作動を入・切する単条クラッチ108(1)及び左から2条目の施肥作動を入・切する単条クラッチ108(2)は、1条目と2条目の間隔部にそれぞれ設けられている。同様に、単条クラッチ108(3)及び単条クラッチ108(4)は3条目と4条目の間隔部に設けられ、単条クラッチ108(5)及び単条クラッチ108(6)は5条目と6条目の間隔部に設けられている。これらの単条クラッチ108,…は切替つまみ111で操作する。
【0083】
施肥作業時には、繰出ロール77を正転(図6の矢印方向)させ、肥料貯留タンク60の肥料を繰出口61aから下方に繰り出す。繰出口61aから繰り出された肥料は、管状部61b及び肥料移送ホース62内をブロア67から吹き出される圧力風によって運ばれ、肥料移送ホース62の先端吐出口から施肥ガイド63に吐出され圃場に供給される。なお、繰出量調節機構156により、繰出駆動軸105の回転速度を変更して肥料吐出量を無段階に調節できる。
【0084】
肥料回収時には、肥料貯留タンク60の肥料を肥料排出口83から排出する。排出された肥料は、肥料回収管85及び回収シュート87内をブロア67から吹き出される圧力風によって運ばれ、回収シュート先端の回収口から吐出されて回収容器等に回収される。
【0085】
また、各畦クラッチレバー110,…には、施肥畦クラッチ106,…の入・切に連係して前記植付畦クラッチ,…を入・切するためのケーブル120,…が繋がれている。畦クラッチレバー110,…は後輪のない粉粒体繰出部間に設けられているので、ケーブル120,…を肥料移送ホース62,…及び後輪11,11と干渉することなく配索することが可能になっている。
【0086】
前記ケーブル120において、施肥畦クラッチ106側のアウターケーブルの端部は取付ステーに固着される。前記アウターケーブルの端部は、ケーブル120を円滑に作動させるために、施肥畦クラッチ106からある程度後方へ離れた位置に配置する必要があるが、この取付ステーが施肥装置5の基部から後方へ水平方向に延びる構成であると、この水平部分に肥料ポッパ60等からこぼれる肥料が溜まりやすく、肥料の吸水性により取付ステーが腐食する。そこで、前記アウターケーブルの端部を施肥畦クラッチ106に対して上側寄りの位置に配置し、取付ステーを上側へ延びる構成とすれば、取付ステー上に肥料が溜まりにくくなり、取付ステーの腐食を防止して耐用性を向上させることができる。
【0087】
また、手動ハンドル159の代わりに手動ハンドル159と同じ配置で設けられた電動モータで繰出伝動軸105を駆動する場合には、繰出伝動軸105の回転センサー184(1)〜184(3)によりそれぞれ第1条と第2条の施肥作動を入・切する施肥畦クラッチ106(1・2)及び第3条と第4条の施肥作動を入・切する施肥畦クラッチ106(3・4)および第5条と第6条の施肥作動を入・切する施肥畦クラッチ106(5・6)の回転数を検出し、図示しない制御装置で繰出伝動軸105の回転を制御する。その結果、各畦クラッチレバー110の操作によって各繰出ロール73の回転数に差が生じても繰出伝動軸105の回転数の検出により、精度の高い施肥量設定が可能となる。また、肥料の使用量をモニター表示できる構成としても良い。
【0088】
また、施肥量、比重を入力する可変施肥装置5の操作部186aをハンドル34に設け、肥料繰出設定量に対して実繰出量をモニター部186bに表示すると、施肥量のバラツキを走行しながら調節できると共に、ハンドル34上に操作部186aを設けているため、運転姿勢をくずすことなく施肥量の調節ができる。
【0089】
従来は施肥量の検出を繰出伝動軸105の回転センサー184(1)〜184(3)の測定値から換算し、その平均値を求めていた。しかし回転センサー184(1)〜184(3)の一つの施肥畦クラッチ106がオフになると前記平均値が異なるが、モニター部186aには全施肥クラッチ106が作動しているものとして単位面積当たりの施肥量を表示していた。そのため、正しい施肥量が表示されないという不具合があった。
【0090】
しかし本実施例では回転センサー184(1)〜184(3)を繰出伝動軸105に設け、一つの施肥畦クラッチ106でもオフになると前記施肥量はゼロ値を測定する回転センサー184の数を減らして、その平均値を単位面積当たりの施肥量として表示する。そのため、作動中の施肥畦クラッチ106部分での精度の高い施肥量の制御ができる。また、施肥量の検出用の回転センサー184(1)〜184(3)を各繰出ロール73の側方に設けると、より精度の高い施肥量の制御が可能となる。
【0091】
以上により、この乗用型の田植機1は、原動機となるエンジン20を備える走行車体2の後側に苗植付部4を設けると共に、走行車体2の後部上側で苗植付部4の前側に粉粒体貯留タンクとなる肥料貯留タンク60及び該タンク60内の粉粒体を繰り出す粉粒体繰出部となる肥料繰出部61を複数設け、エンジン20からの動力を走行車体2の後部で肥料繰出部61の下側に設けた伝動分岐部となる植付クラッチケース25内で苗植付部4と肥料繰出部61とへ分岐して伝動すると共に、植付クラッチケース25から上下方向に延びる駆動側揺動ロッド132を上下方向に往復作動させて肥料繰出部61へ伝動し、前記駆動側揺動ロッド132から肥料繰出部61への伝動経路の間に設けた駆動ギヤ147及び従動ギヤ148で構成される増速伝動部で肥料繰出部61へ伝動速度が増速される。
【0092】
従って、この乗用型の田植機1は、走行車体2に設けたエンジン20からの動力により、機体を走行させながら苗植付部4を作動させて苗を植え付けると共に、肥料繰出部61を作動させて肥料貯留タンク60内の粒状肥料を繰り出し圃場の苗植付位置の側方に施肥していく。肥料繰出部61へは、該肥料繰出部61の下側に設けた植付クラッチケース25から上下方向に延びる駆動側揺動ロッド132の上下方向の往復作動により上側へ伝動される。また、駆動側揺動ロッド132から増速伝動部を介して肥料繰出部61へ伝動される。
【0093】
こうして、増速伝動部を介して肥料繰出部61へ伝動する分、駆動側揺動ロッド132の上下方向の往復作動の作動ストロークが比較的小さくても所望の伝動速度で肥料繰出部61へ伝動することができるので、駆動側揺動ロッド132の上下方向の往復作動による機体に上下方向の振動を抑えることができ、走行車体2に座席31に座るオペレータへの振動の伝播を抑えてオペレータの居住性を良好に維持すると共に、繰出駆動軸105を所望の回転速度にして肥料繰出部61による肥料の繰出量を所望に維持しつつ肥料の繰出量を安定させることができる。
【0094】
また、この乗用型の田植機1は、同じ回転方向で伝動する一対の一方向クラッチ136L,136Rのうち右側の一方向クラッチ136Rへ逆転伝達機構を介して伝動することにより、駆動側揺動ロッド132からの往復作動で前記一対の一方向クラッチ136L,136Rへ互いに逆方向の動力が伝達されて前記往復作動における往作動及び復作動を共に何れかの一方向クラッチ136L,136Rで伝動する構成とし、前記一対の一方向クラッチ136L,136Rより伝動下手側で各肥料繰出部61への伝動分岐部となる繰出伝動ギヤ108aより伝動上手側に増速伝動部を設けている。
【0095】
従って、右側の一方向クラッチ136Rへ駆動側揺動ロッド132からの往復作動を逆転伝達機構を介して伝動することにより、前記往復作動における往作動及び復作動を共に一対の一方向クラッチ136L,136Rの何れかで伝動し、駆動側揺動ロッド132からの往復作動を一対の一方向クラッチ136L,136Rにより一方向クラッチ軸137へ連続的に回転伝動する。そして、一対の一方向クラッチ136L,136Rによる一方向クラッチ軸137の連続的な回転伝動が増速伝動部へ伝動され、増速伝動部から繰出駆動軸105を介して該軸105と一体回転する複数の繰出伝動ギヤ108aにより伝動を分岐して複数の肥料繰出部61へ伝動される。
【0096】
よって、一対の一方向クラッチ136L,136Rにより駆動側揺動ロッド132からの往復作動を連続的に伝動して肥料繰出部61による肥料の繰出を連続的に行うことができると共に、一対の一方向クラッチ136L,136Rのうちの何れによる伝動も増速伝動部へ伝動され、また複数の肥料繰出部61の何れへの伝動も前記増速伝動部を介して伝動されるから、複数の肥料繰出部61の各々への伝動速度が均一化すると共に安定し、各肥料繰出部61の肥料の繰出量を均一に安定させることができる。
【0097】
また、この乗用型の田植機1は、走行車体2の座席31より後側に複数の肥料繰出部61を左右に並べて設けると共に、肥料繰出部61の上方に肥料貯留タンク60を設け、肥料繰出部61の後側に設けたカウンタアーム133から前側に延びる従動側揺動ロッド134を介して肥料繰出部61へ伝動し、カウンタアーム133の回動軸162を移動させて肥料繰出部61の肥料の繰出量を変更調節する繰出量調節機構156の繰出量調節軸158をカウンタアーム133から前上側に延設し、繰出量調節機構156の操作具となる繰出量調節ハンドル159及び繰出量表示具174を肥料繰出部61より前側に配置している。
【0098】
従って、カウンタアーム133の作動により従動側揺動ロッド134を介して複数の肥料繰出部61へ伝動し、該肥料繰出部61を作動させて肥料貯留タンク60内の肥料を繰り出し圃場に施肥する。そして、作業者が走行車体2の座席31側すなわち前側から繰出量表示具174により繰出量調節位置を確認しながら繰出量調節機構156の繰出量調節ハンドル159を操作することにより、カウンタアーム133の回動軸162を移動させて肥料繰出部61の肥料の繰出量を変更調節できる。なお、繰出量調節機構156を左右に配列される肥料繰出部61の間に設けた施肥伝動機構27の左右一方(左側)に配置し、繰出量調節機構156の施肥伝動機構27側となる側部(右側部)に繰出量表示具174を設けているので、作業者は隣接する近い側の(左側の)肥料繰出部61が邪魔にならずにその反対側(右側)から繰出量表示具174を視認することになるので、繰出量表示具174の視認を容易に行える。しかも、繰出量調節軸158をカウンタアーム133から前上側に延設し、繰出量調節ハンドル159及び繰出量表示具174を肥料繰出部61より前側に配置しているので、繰出量調節ハンドル159及び繰出量表示具174がカウンタアーム133ひいては肥料繰出部61に対して比較的高い位置に配置されるため、肥料繰出部61のメンテナンスを行うときに肥料繰出部61に残留する肥料が繰出量調節ハンドル159及び繰出量表示具174等にかかりにくくなる。
【0099】
前記繰出量表示具174により繰出量調節位置を確認しながら繰出量調節ハンドル159を操作することができるので、肥料繰出部61の肥料の繰出量を精度良く微調節できる。また、繰出量調節ハンドル159及び繰出量表示具174を肥料繰出部61より前側に配置しているので、走行車体2の座席31側すなわち前側から繰出量調節をするとき、肥料繰出部61が邪魔になりにくく、繰出量調節を容易に行える。しかも、繰出量調節ハンドル159及び繰出量表示具174は比較的高い位置に配置されて肥料がかかりにくくなるので、繰出量調節機構156の作動の適正化を図ることができる。なお、繰出量調節軸158において繰出量表示用ねじ部分173と繰出量調節ねじ部分157とを肥料繰出部61に対して前後に振り分けて設け、繰出量表示用ねじ部分173及び繰出量調節ねじ部分157が肥料繰出部61の側方近傍に配置されないようにしたので、繰出量表示用ねじ部分173及び繰出量調節ねじ部分157に肥料がかかりにくくなり、繰出量調節機構156の作動の適正化を図ることができる。
【0100】
また、繰出駆動軸105及び中継軸143より前側に一方向クラッチ軸137を配置しており、繰出駆動軸105ひいては逆転伝達機構の構成部材等が邪魔にならずに一方向クラッチ136L,136Rのメンテナンスを走行車体2の座席31側すなわち前側から容易に行える。
【0101】
ホッパ60内には、該ホッパ60内の湿度を検出する湿度センサ211を設けている。また、肥料回収管85の左端部の外面には、肥料回収管85に振動を伝える加振装置212を設けている。この加振装置212は、通電することにより振動を発生する電気式のものである。コントローラである制御部208には肥料回収レバーセンサ90a、残量センサ207及び湿度センサ211からの信号が入力され、制御部208からの信号が排出用モータ210及び加振装置212へ出力される構成となっている。
【0102】
そして、制御部208により、肥料回収レバー90がシャッタ開放領域に操作されていることを肥料回収レバーセンサ90aが検出すると、残量センサ207で検出される肥料ホッパ60内の肥料の残量に応じて、肥料回収レバーセンサ90aの検出に基づく排出用モータ210への出力制御値を補正する残量用の補正をし、この補正値に基づいて排出用モータ210を駆動する。前記補正値は、残量センサ207で検出される肥料ホッパ60内の肥料の残量が所定量以下であるときは零となり、肥料回収レバーセンサ90aの検出に基づく排出用モータ210への出力は補正されない。残量センサ207で検出される肥料ホッパ60内の肥料の残量が所定量を超過すると、その超過量に応じて超過量が大きくなるほど前記補正値は大きく設定される。これにより、肥料の残量が所定量を超過して多くなるほど、肥料回収レバーセンサ90aの検出に基づく開度に対して排出シャッタ84の開度が小さく補正される。尚、肥料ホッパ60内の肥料の残量が所定量以下であるときも、肥料の残量が少なくなるほど、肥料回収レバーセンサ90aの検出に基づく開度に対して排出シャッタ84の開度が大きく補正される構成としてもよい。
【0103】
また、制御部208により、肥料回収レバー90がエア切替位置P1からシャッタ開放領域へ操作されたことを肥料回収レバーセンサ90aが検出すると、仮に肥料回収レバー90がシャッタ全開位置P2に操作されても、所定時間内は排出シャッタ84の開度が所定以下となるよう排出用モータ210への出力制御値を補正する排出開始用の補正をし、前記所定時間を超過すると前記排出開始用の補正を解除する。尚、前記所定時間内において、肥料回収レバー90の操作位置や肥料の残量等の要因により、排出シャッタ84の開度が所定以下となるよう排出用モータ210への出力制御値が設定されている場合は、該出力制御値に基づいて排出用モータ210へ出力して排出シャッタ84の開度を制御するのである。従って、肥料回収レバー90をエア切替位置P1から即座にシャッタ全開位置P2に操作した場合は、前記所定時間内は排出シャッタ(84)が全開よりも小さい所定の開度まで開き、前記所定時間を超過すると排出シャッタ(84)が全開状態まで開く。
【0104】
また、この排出開始用の補正は、残量センサ207で検出される肥料ホッパ60内の肥料の残量が所定量を超過するときのみ実行される。尚、残量センサ207の検出に拘らず、排出開始用の補正を実行する構成としてもよい。
【0105】
尚、排出開始用の補正は、湿度センサ211で検出される肥料ホッパ60内の湿度が所定値を超過するときのみ実行される構成としてもよい。あるいは、湿度センサ211で検出される肥料ホッパ60内の湿度が所定値を超過し、且つ残量センサ207で検出される肥料ホッパ60内の肥料の残量が所定量を超過するときのみ、排出開始用の補正が実行される構成としてもよい。
【0106】
更に、制御部208により、肥料回収レバー90がシャッタ開放領域に操作されていることを肥料回収レバーセンサ90aが検出すると、湿度センサ211で検出される肥料ホッパ60内の湿度に応じて、排出用モータ210への出力制御値を補正する湿度用の補正をし、この補正値に基づいて排出用モータ210を駆動する。前記補正値は、湿度センサ211で検出される肥料ホッパ60内の湿度が所定以下であるときは零となり、湿度用の補正は実行されない。湿度センサ211で検出される肥料ホッパ60内の湿度が所定値を超過すると、その超過値に応じて超過値が大きくなるほど前記補正値は大きく設定される。これにより、湿度が所定値を超過して大きくなるほど、排出シャッタ84の開度が小さく補正される。尚、肥料ホッパ60内の湿度が所定以下であるときも、湿度が小さくなるほど、排出シャッタ84の開度が大きく補正される構成としてもよい。
【0107】
尚、残量センサ207で検出される肥料ホッパ60内の肥料の残量が所定量を超過するときのみ、湿度用の補正が実行される構成としてもよい。
また、制御部208により、肥料回収レバー90がシャッタ開放領域に操作されていることを肥料回収レバーセンサ90aが検出すると、加振装置212へ出力して該加振装置212を駆動し、肥料回収管85に振動を与える。上述では、肥料回収レバー90の操作に連動して加振装置212を駆動する構成としたが、肥料回収のために肥料ホッパ60及び繰出部61等の施肥装置5の主要部を傾動する操作や、苗植付部4あるいは繰出部61を非駆動状態にする操作や、苗植付部4を上昇する操作や、走行車体2の走行を停止する操作等の肥料回収のための諸操作に連動して加振装置212を駆動する構成としてもよい。又は、上述で列挙した諸操作の任意の組み合わせにより加振装置212を駆動する構成としてもよい。
【0108】
更に、肥料回収のための諸操作に連動すると共に、残量センサ207で検出される肥料ホッパ60内の肥料の残量が所定量を超過するとき、あるいは湿度センサ211で検出される肥料ホッパ60内の湿度が所定値を超過するとき、又は残量センサ207で検出される肥料ホッパ60内の肥料の残量が所定量を超過し且つ湿度センサ211で検出される肥料ホッパ60内の湿度が所定値を超過するとき、加振装置212を駆動する構成としてもよい。
【0109】
また、制御部208により、通常の施肥作業時、肥料回収レバー90が施肥作業位置P0に操作されていることを肥料回収レバーセンサ90aが検出するとき、肥料ホッパ60への肥料補給回数が増加することで残量センサ207で検出される肥料ホッパ60内の肥料の残量が所定回数以上増加し、且つ湿度センサ211で検出される肥料ホッパ60内の湿度が所定値を超過すると、排出用モータ210を駆動して排出シャッタ84を極めて小さい開度で一時的(1〜2秒間)に開く構成となっている。これにより、肥料ホッパ60への肥料補給で蓋60aを開くことにより、肥料ホッパ60内に雨や高湿の空気が入って肥料が湿っても、繰出部61の上方の肥料を少量だけ回収管85へ排出して肥料のブリッジ現象を解消することができる。尚、上述の制御において、残量センサ207で検出される肥料ホッパ60内の肥料の残量が所定回数以上増加する条件を省き、単に湿度センサ211で検出される肥料ホッパ60内の湿度が所定値を超過すると、排出シャッタ84を一時的に開く構成としてもよい。また、上述の制御は肥料回収レバー90が施肥作業位置P0に操作されていることに基づくものとしたが、肥料回収のために肥料ホッパ60及び繰出部61等の施肥装置5の主要部を傾動せず通常作業状態へ固定する操作や、苗植付部4あるいは繰出部61を駆動状態にする操作や、苗植付部4を下降する操作や、走行車体2を走行させる操作等により、通常の作業時であることを判断する構成としてもよい。
【0110】
以上により、この施肥装置付き乗用型田植機1は、粉粒体を貯留するホッパ60と、該ホッパ60内の粉粒体を繰り出す各条の繰出部61と、該繰出部61で繰り出された粉粒体を移送する各条のホース62を備え、該ホース62で移送された粉粒体を圃場に吐出する構成とし、ホッパ60内の粉粒体を取り出すための各条の排出口83と、該排出口83を開閉する各条の排出シャッタ84と、各条の排出口83からの粉粒体を受けて搬送し回収するための回収管85を設け、ホッパ60内の粉粒体の残量を検出する残量センサ207を設け、残量センサ207の検出に基づき、粉粒体の残量が多いときには排出シャッタ84の開度が小さくなり、粉粒体の残量が少ないときには排出シャッタ84の開度が大きくなるよう、排出シャッタ84の開度を制御する制御装置を設けている。
【0111】
これにより、ホッパ60内の粉粒体の残量が多いときには排出シャッタ84の開度が小さくなるので、回収管85の一部にホッパ60内の多量の粉粒体が同時に供給されるのを抑えることができ、回収管85により粉粒体を搬送させながら該回収管85へ粉粒体を供給できるため、ホッパ60内の粉粒体の重量で回収管85内で粉粒体がブリッジ現象を発生させることを防止でき、前記回収管85の一部で粉粒体が詰まるのを防止できる。一方、ホッパ60内の粉粒体の残量が少ないときには排出シャッタ84の開度が大きくなるので、ホッパ60内の粉粒体の回収管85への供給を促し、粉粒体の回収作業を円滑に能率良く行える。
【0112】
また、この施肥装置付き乗用型田植機1は、粉粒体を貯留するホッパ60と、該ホッパ60内の粉粒体を繰り出す各条の繰出部61と、該繰出部61で繰り出された粉粒体を移送する各条のホース62を備え、該ホース62で移送された粉粒体を圃場に吐出する構成とし、ホッパ60内の粉粒体を取り出すための各条の排出口83と、該排出口83を開閉する各条の排出シャッタ84と、各条の排出口83からの粉粒体を受けて搬送し回収するための回収管85を設け、排出シャッタ84を全閉状態から全開よりも小さい所定の開度まで開いて所定時間停止し、その後排出シャッタ84を全開状態まで開く制御を行う制御装置を設けている。
【0113】
これにより、排出シャッタ84を全閉状態から全開よりも小さい所定の開度まで開いて所定時間停止するので、回収管85への粉粒体の供給開始時に一度に多量の粉粒体が供給されるのを抑えることができ、回収管85により粉粒体を搬送させながら該回収管85へ粉粒体を供給できるため、回収管85内で粉粒体がブリッジ現象を発生させることを防止でき、回収管85で粉粒体が詰まるのを防止できる。その後、回収管85内での粉粒体の搬送が安定した後、排出シャッタ84を全開状態まで開くことができ、ホッパ60内の粉粒体の回収管85への供給を促し、粉粒体の回収作業を円滑に能率良く行える。
【0114】
また、この施肥装置付き乗用型田植機1は、粉粒体を貯留するホッパ60と、該ホッパ60内の粉粒体を繰り出す各条の繰出部61と、該繰出部61で繰り出された粉粒体を移送する各条のホース62を備え、該ホース62で移送された粉粒体を圃場に吐出する構成とし、ホッパ60内の粉粒体を取り出すための各条の排出口83と、該排出口83を開閉する各条の排出シャッタ84と、各条の排出口83からの粉粒体を受けて搬送し回収するための回収管85を設け、排出シャッタ84を開くための粉粒体回収操作具90と、ホッパ60内の粉粒体の残量を検出する残量センサ207を設け、残量センサ207の検出に基づき、粉粒体の残量が少ないときには、粉粒体回収操作具90の操作に伴って排出シャッタ84を全閉状態から全開状態まで作動させ、粉粒体の残量が多いときには、粉粒体回収操作具90の操作に伴って排出シャッタ84を全閉状態から全開よりも小さい所定の開度まで開いて所定時間停止し、その後排出シャッタ84を全開状態まで開く制御を行う制御装置を設けている。
【0115】
これにより、ホッパ60内の粉粒体の残量が少ないときには、粉粒体回収操作具90の操作に伴って排出シャッタ84を全閉状態から全開状態まで作動させるので、ホッパ60内の粉粒体の回収管85への供給を促し、粉粒体の回収作業を円滑に能率良く行える。一方、ホッパ60内の粉粒体の残量が多いときには、粉粒体回収操作具90の操作に伴って排出シャッタ84を全閉状態から全開よりも小さい所定の開度まで開いて所定時間停止するので、回収管85への粉粒体の供給開始時に一度に多量の粉粒体が供給されるのを抑えることができ、回収管85により粉粒体を搬送させながら該回収管85へ粉粒体を供給できるため、回収管85内で粉粒体がブリッジ現象を発生させることを防止でき、回収管85で粉粒体が詰まるのを防止できる。その後、回収管85内での粉粒体の搬送が安定した後、排出シャッタ84を全開状態まで開くことができ、ホッパ60内の粉粒体の回収管85への供給を促し、粉粒体の回収作業を円滑に能率良く行える。
【0116】
また、この施肥装置付き乗用型田植機1は、粉粒体を貯留するホッパ60と、該ホッパ60内の粉粒体を繰り出す各条の繰出部61と、該繰出部61で繰り出された粉粒体を移送する各条のホース62を備え、該ホース62で移送された粉粒体を圃場に吐出する構成とし、ホッパ60内の粉粒体を取り出すための各条の排出口83と、該排出口83を開閉する各条の排出シャッタ84と、各条の排出口83からの粉粒体を受けて搬送し回収するための回収管85を設け、排出シャッタ84を開くための粉粒体回収操作具90と、ホッパ60内の粉粒体の残量を検出する残量センサ207と、ホッパ60内の湿度を検出する湿度センサ211を設け、該湿度センサ211の検出に基づき、湿度が高いときには、排出シャッタ84の開度が小さくなるよう排出シャッタ84の開度を制御するか、排出シャッタ84を全閉状態から全開よりも小さい所定の開度まで開いて所定時間停止し、その後排出シャッタ84を全開状態まで開く制御を行うか、残量センサ207により粉粒体の残量が多いと検出されるときのみ、排出シャッタ84の開度が小さくなるよう排出シャッタ84の開度を制御するか、又は残量センサ207により粉粒体の残量が多いと検出されるときのみ、粉粒体回収操作具90の操作に伴って排出シャッタ84を全閉状態から全開よりも小さい所定の開度まで開いて所定時間停止し、その後排出シャッタ84を全開状態まで開く制御を行う制御装置を設けている。
【0117】
これにより、ホッパ60内の湿度が高く粉粒体が湿っていて流れにくいと判断されるときには、回収管85への粉粒体の供給開始時に一度に多量の粉粒体が供給されるのを抑えることができ、回収管85により粉粒体を搬送させながら該回収管85へ粉粒体を供給できるため、回収管85で粉粒体が詰まるのを防止できる。
【0118】
また、この施肥装置付き乗用型田植機1は、粉粒体を貯留するホッパ60と、該ホッパ60内の粉粒体を繰り出す各条の繰出部61と、該繰出部61で繰り出された粉粒体を移送する各条のホース62を備え、該ホース62で移送された粉粒体を圃場に吐出する構成とし、ホッパ60内の粉粒体を取り出すための各条の排出口83と、該排出口83を開閉する各条の排出シャッタ84と、各条の排出口83からの粉粒体を受けて搬送し回収するための回収管85を設け、回収管85に振動を与える加振装置212を設け、粉粒体の回収のための諸操作に連動して加振装置212を駆動する制御装置を設けている。
【0119】
これにより、加振装置212により、粉粒体を回収するときに回収管85に振動を与えるので、回収管85内で粉粒体がブリッジ現象を発生させることを防止でき、あるいは回収管85内で発生した粉粒体のブリッジ現象を解消することができ、回収管85で粉粒体が詰まるのを防止でき、回収管85での粉粒体の搬送を円滑に行える。
【0120】
また、この施肥装置付き乗用型田植機1は、粉粒体を貯留するホッパ60と、該ホッパ60内の粉粒体を繰り出す各条の繰出部61と、該繰出部61で繰り出された粉粒体を移送する各条のホース62を備え、該ホース62で移送された粉粒体を圃場に吐出する構成とし、ホッパ60内の粉粒体を取り出すための各条の排出口83と、該排出口83を開閉する各条の排出シャッタ84と、各条の排出口83からの粉粒体を受けて搬送し回収するための回収管85を設け、排出シャッタ84を開くための粉粒体回収操作具90と、ホッパ60内の粉粒体の残量を検出する残量センサ207と、ホッパ60内の湿度を検出する湿度センサ211と、回収管85に振動を与える加振装置212を設け、残量センサ207により粉粒体の残量が多いと検出するか、あるいは湿度センサ211により湿度が高いと検出するとき、又は残量センサ207により粉粒体の残量が多いと検出し且つ湿度センサ211により湿度が高いと検出するとき、粉粒体回収操作具90により排出シャッタ84を開く操作に連動して加振装置212を駆動する制御装置を設けている。
【0121】
これにより、ホッパ60内の粉粒体の残量が多いか、あるいはホッパ60内の湿度が高いとき、又はホッパ60内の粉粒体の残量が多く且つホッパ60内の湿度が高いとき、粉粒体回収操作具90により排出シャッタ84を開く操作に連動して加振装置212を駆動するので、回収管85内で粉粒体がブリッジ現象を発生するような状況に的確に対応して回収管85に振動を与えることができ、回収管85内で粉粒体がブリッジ現象を発生させることを防止でき、回収管85で粉粒体が詰まるのを防止でき、回収管85での粉粒体の搬送を円滑に行えると共に、無闇に回収管85を振動させないようにでき、回収管85の耐用性の向上及び消費電力の削減による省エネルギー化が図れる。
【0122】
また、この施肥装置付き乗用型田植機1は、粉粒体を貯留するホッパ60と、該ホッパ60内の粉粒体を繰り出す各条の繰出部61と、該繰出部61で繰り出された粉粒体を移送する各条のホース62を備え、該ホース62で移送された粉粒体を圃場に吐出する構成とし、ホッパ60内の粉粒体を取り出すための各条の排出口83と、該排出口83を開閉する各条の排出シャッタ84と、各条の排出口83からの粉粒体を受けて搬送し回収するための回収管85を設け、排出シャッタ84を開くための粉粒体回収操作具90と、ホッパ60内の粉粒体の残量を検出する残量センサ207と、ホッパ60内の湿度を検出する湿度センサ211を設け、通常の粉粒体を吐出しての作業時に、湿度センサ211の検出に基づき、湿度が高いときには、排出シャッタ84を一時的に開く制御を行う制御装置を設けている。
【0123】
これにより、通常の作業時において、ホッパ60内の湿度が高く粉粒体が湿っていて繰出部61の上方で粉粒体がブリッジ現象を発生させて繰出部61で適正に且つ円滑に繰り出しにくいと判断されるときには、排出シャッタ84を一時的に開くことにより、繰出部61の上方の粉粒体を少量だけ回収管85へ排出して前記ブリッジ現象を解消することができ、繰出部61による粉粒体の繰出の適正化及び円滑化が図れる。
【0124】
尚、発明を実施するための形態として、粒状の肥料を施肥する施肥装置5について詳述したが、粉粒体としては肥料の他、種子や粒状の薬剤が考えられ、粉粒体吐出機として直播装置や薬剤散布装置によるものであってもよい。
【符号の説明】
【0125】
1:苗移植機、4:苗供給装置、5:植付杆、9:エンジン、42:無端帯、60:クランク軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉粒体を貯留するホッパ(60)と、該ホッパ(60)内の粉粒体を繰り出す各条の繰出部(61)と、該繰出部(61)で繰り出された粉粒体を移送する各条のホース(62)を備え、該ホース(62)で移送された粉粒体を圃場に吐出する構成とし、ホッパ(60)内の粉粒体を取り出すための各条の排出口(83)と、該排出口(83)を開閉する各条の排出シャッタ(84)と、各条の排出口(83)からの粉粒体を受けて搬送し回収するための回収管(85)を設けた粉粒体吐出機において、ホッパ(60)内の粉粒体の残量を検出する残量センサ(207)を設け、残量センサ(207)の検出に基づき、粉粒体の残量が多いときには排出シャッタ(84)の開度が小さくなり、粉粒体の残量が少ないときには排出シャッタ(84)の開度が大きくなるよう、排出シャッタ(84)の開度を制御する制御装置を設けた粉粒体吐出機。
【請求項2】
粉粒体を貯留するホッパ(60)と、該ホッパ(60)内の粉粒体を繰り出す各条の繰出部(61)と、該繰出部(61)で繰り出された粉粒体を移送する各条のホース(62)を備え、該ホース(62)で移送された粉粒体を圃場に吐出する構成とし、ホッパ(60)内の粉粒体を取り出すための各条の排出口(83)と、該排出口(83)を開閉する各条の排出シャッタ(84)と、各条の排出口(83)からの粉粒体を受けて搬送し回収するための回収管(85)を設けた粉粒体吐出機において、排出シャッタ(84)を全閉状態から全開よりも小さい所定の開度まで開いて所定時間停止し、その後排出シャッタ(84)を全開状態まで開く制御を行う制御装置を設けた粉粒体吐出機。
【請求項3】
粉粒体を貯留するホッパ(60)と、該ホッパ(60)内の粉粒体を繰り出す各条の繰出部(61)と、該繰出部(61)で繰り出された粉粒体を移送する各条のホース(62)を備え、該ホース(62)で移送された粉粒体を圃場に吐出する構成とし、ホッパ(60)内の粉粒体を取り出すための各条の排出口(83)と、該排出口(83)を開閉する各条の排出シャッタ(84)と、各条の排出口(83)からの粉粒体を受けて搬送し回収するための回収管(85)を設けた粉粒体吐出機において、排出シャッタ(84)を開くための粉粒体回収操作具(90)と、ホッパ(60)内の粉粒体の残量を検出する残量センサ(207)を設け、残量センサ(207)の検出に基づき、粉粒体の残量が少ないときには、粉粒体回収操作具(90)の操作に伴って排出シャッタ(84)を全閉状態から全開状態まで作動させ、粉粒体の残量が多いときには、粉粒体回収操作具(90)の操作に伴って排出シャッタ(84)を全閉状態から全開よりも小さい所定の開度まで開いて所定時間停止し、その後排出シャッタ(84)を全開状態まで開く制御を行う制御装置を設けた粉粒体吐出機。
【請求項4】
粉粒体を貯留するホッパ(60)と、該ホッパ(60)内の粉粒体を繰り出す各条の繰出部(61)と、該繰出部(61)で繰り出された粉粒体を移送する各条のホース(62)を備え、該ホース(62)で移送された粉粒体を圃場に吐出する構成とし、ホッパ(60)内の粉粒体を取り出すための各条の排出口(83)と、該排出口(83)を開閉する各条の排出シャッタ(84)と、各条の排出口(83)からの粉粒体を受けて搬送し回収するための回収管(85)を設けた粉粒体吐出機において、排出シャッタ(84)を開くための粉粒体回収操作具(90)と、ホッパ(60)内の粉粒体の残量を検出する残量センサ(207)と、ホッパ(60)内の湿度を検出する湿度センサ(211)を設け、該湿度センサ(211)の検出に基づき、湿度が高いときには、排出シャッタ(84)の開度が小さくなるよう排出シャッタ(84)の開度を制御するか、排出シャッタ(84)を全閉状態から全開よりも小さい所定の開度まで開いて所定時間停止し、その後排出シャッタ(84)を全開状態まで開く制御を行うか、残量センサ(207)により粉粒体の残量が多いと検出されるときのみ、排出シャッタ(84)の開度が小さくなるよう排出シャッタ(84)の開度を制御するか、又は残量センサ(207)により粉粒体の残量が多いと検出されるときのみ、粉粒体回収操作具(90)の操作に伴って排出シャッタ(84)を全閉状態から全開よりも小さい所定の開度まで開いて所定時間停止し、その後排出シャッタ(84)を全開状態まで開く制御を行う制御装置を設けた粉粒体吐出機。
【請求項5】
粉粒体を貯留するホッパ(60)と、該ホッパ(60)内の粉粒体を繰り出す各条の繰出部(61)と、該繰出部(61)で繰り出された粉粒体を移送する各条のホース(62)を備え、該ホース(62)で移送された粉粒体を圃場に吐出する構成とし、ホッパ(60)内の粉粒体を取り出すための各条の排出口(83)と、該排出口(83)を開閉する各条の排出シャッタ(84)と、各条の排出口(83)からの粉粒体を受けて搬送し回収するための回収管(85)を設けた粉粒体吐出機において、回収管(85)に振動を与える加振装置(212)を設け、粉粒体の回収のための諸操作に連動して加振装置(212)を駆動する制御装置を設けた粉粒体吐出機。
【請求項6】
粉粒体を貯留するホッパ(60)と、該ホッパ(60)内の粉粒体を繰り出す各条の繰出部(61)と、該繰出部(61)で繰り出された粉粒体を移送する各条のホース(62)を備え、該ホース(62)で移送された粉粒体を圃場に吐出する構成とし、ホッパ(60)内の粉粒体を取り出すための各条の排出口(83)と、該排出口(83)を開閉する各条の排出シャッタ(84)と、各条の排出口(83)からの粉粒体を受けて搬送し回収するための回収管(85)を設けた粉粒体吐出機において、排出シャッタ(84)を開くための粉粒体回収操作具(90)と、ホッパ(60)内の粉粒体の残量を検出する残量センサ(207)と、ホッパ(60)内の湿度を検出する湿度センサ(211)と、回収管(85)に振動を与える加振装置(212)を設け、残量センサ(207)により粉粒体の残量が多いと検出するか、あるいは湿度センサ(211)により湿度が高いと検出するとき、又は残量センサ(207)により粉粒体の残量が多いと検出し且つ湿度センサ(211)により湿度が高いと検出するとき、粉粒体回収操作具(90)により排出シャッタ(84)を開く操作に連動して加振装置(212)を駆動する制御装置を設けた粉粒体吐出機。
【請求項7】
粉粒体を貯留するホッパ(60)と、該ホッパ(60)内の粉粒体を繰り出す各条の繰出部(61)と、該繰出部(61)で繰り出された粉粒体を移送する各条のホース(62)を備え、該ホース(62)で移送された粉粒体を圃場に吐出する構成とし、ホッパ(60)内の粉粒体を取り出すための各条の排出口(83)と、該排出口(83)を開閉する各条の排出シャッタ(84)と、各条の排出口(83)からの粉粒体を受けて搬送し回収するための回収管(85)を設けた粉粒体吐出機において、排出シャッタ(84)を開くための粉粒体回収操作具(90)と、ホッパ(60)内の粉粒体の残量を検出する残量センサ(207)と、ホッパ(60)内の湿度を検出する湿度センサ(211)を設け、通常の粉粒体を吐出しての作業時に、湿度センサ(211)の検出に基づき、湿度が高いときには、排出シャッタ(84)を一時的に開く制御を行う制御装置を設けた粉粒体吐出機。
【請求項8】
請求項1から請求項8のうちの任意の請求項の構成を組み合わせた粉粒体吐出機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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