説明

粒子分析装置及び粒子分析方法

【課題】微量試料を測定する場合においても、測定試料の調製が自動化され、測定精度を向上させることができる粒子分析装置を提供する。
【解決手段】試料容器から粒子を含む生体試料を吸引する吸引部と、この吸引部により吸引された生体試料と試薬とを混和して測定試料を調製し、調製された測定試料を測定して生体試料に含まれる粒子の特徴パラメータを取得する測定部と、第1生体試料を測定するための第1測定モード及び第2生体試料を測定するための第2測定モードのいずれか一方を動作モードに設定するためのモード設定手段と、このモード設定手段により異なる希釈度の試料を調製する動作制御手段とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は粒子分析装置及び粒子分析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
患者から採取した血液や尿などの生体試料に含まれる粒子を分析装置で測定し、病気の診断や治療モニターの一助とすることが臨床検査の分野で日常的に行われている。
かかる分析装置では、分析を行うのに必要な試料の量が予め規定されており、この必要量以上の試料を患者から採取する必要がある。
【0003】
しかしながら、例えば乳児、幼児及び小児、さらには重症患者の場合には、前記必要量の試料を採取するのが困難なことがある。
そこで、通常よりも少量の試料(以下、「微量試料」ともいう)で分析を行うことが知られている。例えば、患者から採取した微量試料をユーザが希釈して希釈試料を調製し、この希釈試料を分析装置の測定部に供給して測定を行う、キャピラリー測定と呼ばれる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平11−183472号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のキャピラリー測定においては、手動で希釈試料の調製を行うので手間がかかるとともに、希釈操作のバラツキにより良好な測定精度を得ることが難しいという問題がある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、微量試料を測定する場合においても、測定試料の調製が自動化され、測定精度を向上させることができる粒子分析装置及び粒子分析方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の局面に係る粒子分析装置は、試料容器から粒子を含む生体試料を吸引する吸引部と、
この吸引部により吸引された生体試料と試薬とを混和して測定試料を調製し、調製された測定試料を測定して生体試料に含まれる粒子の特徴パラメータを取得する測定部と、
第1生体試料を測定するための第1測定モード及び第2生体試料を測定するための第2測定モードのいずれか一方を動作モードに設定するためのモード設定手段と、
このモード設定手段により第1測定モードが設定された場合には、所定量の第1生体試料を吸引するよう前記吸引部の動作を制御し、且つ、所定の希釈度の第1測定試料を調製するよう前記測定部の動作を制御し、
前記モード設定手段により第2測定モードが設定された場合には、第1生体試料より少ない第2生体試料を吸引するよう前記吸引部の動作を制御し、且つ、第1測定試料と異なる希釈度の第2測定試料を調製するよう前記測定部の動作を制御する動作制御手段と
を備えることを特徴としている。
【0008】
本発明の第1の局面に係る粒子分析装置では、モード設定手段により、第1生体試料を測定するための第1測定モード(通常測定モード)及び第2生体試料を測定するための第2測定モード(微量測定モード)のいずれか一方を動作モードとして設定することができる。
そして、第2測定モードが設定された場合は、第1測定モードの第1生体試料よりも少ない第2生体試料から、第1測定モードの第1測定試料とは異なる希釈度の第2測定試料が自動的に調製される。
【0009】
また、第1の局面に係る粒子分析装置においては、前記動作制御手段は、前記モード設定手段により第1測定モードが設定された場合には、前記第1測定試料を第1測定時間測定するよう前記測定部の動作を制御し、前記モード設定手段により第2測定モードが設定された場合には、第1測定試料より希釈度の高い第2測定試料を調製して、当該第2測定試料を第1測定時間より長い第2測定時間測定するよう前記測定部の動作を制御するのが好ましい。この場合、第2測定モードが設定された場合には、第1測定試料より希釈度の高い第2測定試料を調製して、当該第2測定試料を第1測定時間より長い第2測定時間測定するため、第2測定試料の希釈度が高くても測定精度を上げることができる。
【0010】
また、第1の局面に係る粒子分析装置においては、微量測定モードが設定された場合、通常測定モードよりも多い量の測定試料を測定することにより、希釈度が高くても測定精度を上げることができる。また、測定試料の調製は測定部により自動で行われるので、手間がかからず、また、希釈度のバラツキをなくすことができる。
【0011】
第1の局面に係る粒子分析装置において、前記生体試料を血液とすることができる。
【0012】
また、第1の局面に係る粒子分析装置において、第1測定試料の調製に用いられる試薬の量と、第2測定試料の調製に用いられる試薬の量とを同じにすることができる。使用する試薬の量を同じにすることにより、装置の構成を簡略化することができる。
【0013】
さらに、第1の局面に係る粒子分析装置において、第1測定試料を測定する際に測定部に供給される当該第1測定試料の供給速度と、第2測定試料を測定する際に測定部に供給される当該第2測定試料の供給速度とを同じにすることができる。測定試料の供給速度を同じにすることにより、同一条件で試料の測定を行うことができる。また、装置の構成を簡略化することができる。
【0014】
本発明の第2の局面に係る粒子分析方法は、粒子を含む第1生体試料を測定するための第1測定モード及び粒子を含む第2生体試料を測定するための第2測定モードのいずれか一方を動作モードに設定することが可能な粒子分析方法であって、
動作モードとして第2測定モードを設定する第1工程、
試料容器から第1生体試料より少ない量の第2生体試料を吸引する第2工程、
吸引された第2生体試料に試薬を添加して、第1測定モードで測定される第1測定試料の希釈度と異なる希釈度の第2測定試料を調製する第3工程、及び
第2測定試料を測定して生体試料に含まれる粒子の特徴パラメータを取得する第4工程
を含むことを特徴としている。
【0015】
本発明の第2の局面に係る粒子分析方法では、モード設定手段により、第1生体試料を測定するための第1測定モード(通常測定モード)及び第2生体試料を測定するための第2測定モード(微量測定モード)のいずれか一方を動作モードとして設定することができる。
そして、第2測定モードが設定された場合は、第1測定モードの第1生体試料よりも少ない第2生体試料から、第1測定モードの第1測定試料とは異なる希釈度の第2測定試料が自動的に調製される。
【0016】
本発明の第2の局面に係る粒子分析方法では、第3工程は、第1測定試料より希釈度の高い第2測定試料を調製することにより実行され、第4工程は、第2測定試料を、第1測定試料を測定する第1測定時間より長い第2測定時間測定することにより実行されるのが好ましい。この場合、第2測定モードが設定された場合には、第1測定試料より希釈度の高い第2測定試料を調製して、当該第2測定試料を第1測定時間より長い第2測定時間測定するため、第2測定試料の希釈度が高くても測定精度を上げることができる。
【0017】
本発明の第2の局面に係る粒子分析方法においては、微量測定モードが設定された場合、通常測定モードよりも多い量の測定試料を測定することにより、希釈度が高くても測定精度を上げることができる。また、測定試料の調製は測定部により自動で行われるので、手間がかからず、また、希釈度のバラツキをなくすことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の粒子分析装置及び粒子分析方法によれば、微量試料を測定する場合においても、測定試料の調製が自動化され、測定精度を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明する。
[試料分析装置の構成]
図1は本発明の一実施の形態に係る試料分析装置Sの全体斜視図であり、図2は、この試料分析装置Sの、ケーシング1を除去した状態の斜視図であり、図3は、同じくケーシングを除去した状態の右側面説明図である。
【0020】
試料分析装置Sは、患者から採取した血液試料中の血球成分(赤血球(RBC)、白血球(RBC)、血小板(PLT)、及びヘモグロビン(Hgb))を分析する装置である。試料分析装置Sによって分析される粒子は、特に限定されるものではなく、血球成分以外にも、尿に含まれる尿中細胞などの生体粒子や、体液(腹水、脳髄液、胸水など)、血小板製剤などに含まれる生体粒子が挙げられる。
【0021】
前記試料分析装置Sは、ディスプレイ、入力装置、CPU、メモリなどを有する処理装置PC(典型的には、必要なコンピュータプログラムがインストールされたパーソナルコンピュータ)と通信可能に接続され、試料分析装置Sと処理装置PCとによって試料分析システムが構成されている(図4参照)。
【0022】
処理装置PCは、試料分析装置Sの操作、分析に関する各種設定、分析結果の表示などを行うための試料分析装置用ソフトウェアがインストールされており、試料分析装置Sとの間での通信により、試料分析装置Sに対して指令を与えたり、試料分析装置Sから測定データを受信したりすることができる。
試料分析装置Sは、サンプル容器3内に収容されている試料(血液)の測定を行う装置(血液分析装置)であり、装置本体2と、この装置本体2を収納するケーシング1とで主に構成されている。
【0023】
ケーシング1は合成樹脂や防錆処理が施された鋼板などで作製されており、ボルトなどの固着手段を用いて装置本体2に固定されている。ケーシング1の一面(図1において左側の側面)の右下部分には開口部5が形成されており、この開口部5を介してサンプル容器3を装置本体2内に挿入できるようになっている。すなわち、装置本体2の下部一端側には、その端部付近に前記サンプル容器3を載置するための載置台6が設けられたスライダー7が、前記開口部5から出退自在に配設されている。また、前記スライダー7の先端には前記開口部5を閉じるカバー8が回動自在に設けられており、このカバー8は、図示しないバネによって所定角度だけ外側に傾斜するように付勢されている(図1参照)。装置が非稼動の状態(この状態は、前記ケーシング1の一面に設けられたボタン15内のランプを非点灯にすることで外部に表示することができる)で、このボタン15を押すと、前記スライダー7が装置本体2外方に進出する。その際、装置が非稼動の状態では前記開口部5はカバー8により閉止されているが、スライダー7が装置本体2外方に進出することで、当該カバー8の突出部8aと前記開口部5の周辺に形成された凹所9との係合が解除されて、カバー8が開放される。また、前記突出部8aと凹所9との係合が解除されることで、前記カバー8はバネの付勢力によって所定角度だけ外側に傾斜する。
【0024】
載置台6の上面にはサンプル容器3の下部を挿入することができる凹部(図示せず)が形成されており、この凹部にサンプル容器3の下部を挿入し、前記ボタン15を押すと、前記スライダー7が装置本体2内に後退し、前記サンプル容器3を所定の位置にセットする。ついで、バネの付勢力に抗して前記カバー8を起立させて、開口部5をカバー8で閉止する。その際、前記突出部8aと凹所9とが係合するので、カバー8が開放するのが防止される。そして、開口部5がカバー8により確実に閉止されたことを、マイクロスイッチなどの検出手段で検出することで、以後の試料吸引工程などが可能となるように設定されている。
【0025】
なお、ケーシング1の側面の一部(図1において右側の側面)は、装置本体2内の点検やメンテナンスなどを容易に行えるように、ボルト10で装置本体2に固定されている。また、図1において、16は主として装置本体2内で発生した熱をファン(図示省略)で外部に放出するための排気口である。
【0026】
試料分析装置Sは、前記サンプル容器3を装置内の所定の位置にセットするための試料セット部4と、試料セット部4にセットされたサンプル容器3から吸引された試料から調製される測定用試料(測定試料)の測定を行う検出部D1、D2、D3を備えている。
【0027】
また、試料分析装置Sは、吸引管(ピペット)13と、第1混合チャンバMC1と、第2混合チャンバMC2と、図示しない第3混合チャンバMC3、第4混合チャンバMC4及び第5混合チャンバMC5をさらに備えている。試料セット部4にセットされたサンプル容器3から吸引管13によって吸引された試料は、第1混合チャンバMC1〜第5混合チャンバMC5にそれぞれ分注される。第1混合チャンバMC1〜第5混合チャンバMC5では、試薬(希釈液、染色液又は溶血剤)を使用して測定用試料がそれぞれ調製される。第1混合チャンバMC1では、赤血球、ヘモグロビン及び血小板に関する測定を行うための測定用試料が調製され、調製された測定用試料は、検出部D1及びD2での測定のために使用される。また、第2混合チャンバMC2では、白血球数の測定を行うための測定用試料(WBC測定用試料)が調製され、第3混合チャンバMC3では、白血球分類を行うための測定用試料(DIFF測定用試料)が調製され、第4混合チャンバMC4では、有核赤血球の測定を行うための測定用試料(NRBC測定用試料)が調製され、第5混合チャンバMC5では、網状赤血球の測定を行うための測定用試料(RET測定用試料)が調製される。そして、第2混合チャンバMC2〜第5混合チャンバMC5で調製された測定用試料は、検出部D3での測定のために使用される。
【0028】
前記検出部D1は、RBC測定(赤血球数の測定)及びPLT測定(血小板数の測定)を行うRBC/PLT検出部として構成されている。このRBC/PLT検出部D1は、シースフローDC検出法によりRBC及びPLTの測定を行うことができる。
また、前記検出部D2は、HGB測定(血液中の血色素量の測定)を行うHGB検出部として構成されている。このHGB検出部2は、SLS−ヘモグロビン法によりHGB測定を行うことができる。
【0029】
さらに、前記検出部D3は、WBC測定(白血球数の測定)、DIFF測定(白血球分類)、NRBC測定及びRET測定を行うことができる光学検出部として構成されている。この光学検出部D3は、半導体レーザを使用したフローサイトメトリー法により、光が照射されたシースフローセル内の血球から発せされる前方散乱光の強度、側方散乱光の強度、側方蛍光の強度が血球の特徴パラメータとして検出され、WBC測定、DIFF測定などを行うことができるが、その構成については後に詳しく説明する。なお、WBC測定とは、白血球を計数し、試料中の白血球の濃度を算出する測定であり、DIFF測定とは、白血球を、リンパ球、好塩基球、好酸球、好中球、単球などに分類し、それぞれの試料中の濃度を算出する測定である。また、RET測定では、網状赤血球が測定され、NRBC測定では、有核赤血球が測定される。
【0030】
図4に示されるように、試料分析装置Sは、さらに検出部D1、D2、D3を制御する制御部100を備えている。また、試料分析装置Sは、駆動回路部105や、電磁弁SV34等の試料や試薬を移送する際に用いられる流路開閉用の複数の電磁弁や、吸引管13を介してサンプル容器3から試料を吸引するための全血吸引シリンジポンプSP1や、試料を検出部に供給するための試料供給シリンジポンプSP2や、吸引部13を垂直方向に移動させるための垂直駆動部用モータ68や、吸引部13を水平方向に移動させるための水平駆動部用モータ28や、陽圧ポンプPや、陰圧ポンプVなどを備えている。
【0031】
制御部100は、これらの電磁弁や各種ポンプ・モータを、駆動回路部105を介して制御する。さらに、制御部100は、図示しない通信インターフェースを介して、処理装置PCと通信可能であり、各種信号やデータなどを処理装置PCとの間でやり取りすることができる。
【0032】
図5は、前記検出部D3の概略構成を示している。検出部D3は、フローセル101に測定用試料を送り込み、当該フローセル101中に液流を発生させ、フローセル101内を通過する液流に含まれる血球に半導体レーザを照射して測定するものであり、シースフロー系100、ビームスポット形成系110、前方散乱光受光系120、側方散乱光受光系130、側方蛍光受光系140を有している。
【0033】
シースフロー系200は、フローセル101内を測定用試料がシース液に包まれた状態で血球が一列に並んだ状態で流れ、血球計数の正確度と再現性を向上させるものとなっている。ビームスポット形成系110は、半導体レーザ111から照射された光が、コリメータレンズ112とコンデンサレンズ113を通って、フローセル101に照射されるように構成されている。また、ビームスポット形成系110は、ビームストッパ114も備えている。
【0034】
前方散乱光受光系120は、前方への散乱光を前方集光レンズ121によって集光し、ピンホール122を通った光をフォトダイオード(前方散乱光受光部)123で受光するように構成されている。
側方散乱光受光系130は、側方への散乱光を側方集光レンズ131にて集光するとともに、一部の光をダイクロイックミラー132で反射させ、フォトダイオード(側方散乱光受光部)133で受光するように構成されている。
【0035】
光散乱は、血球のような粒子が光の進行方向に障害物として存在し、光がその進行方向を変えることにより生じる現象である。この散乱光を検出することによって、粒子の大きさや材質に関する情報を得ることができる。特に、前方散乱光からは、粒子(血球)の大きさに関する情報を得ることができる。また、側方散乱光からは、粒子内部の情報を得ることができる。血球粒子にレーザ光が照射された場合、側方散乱光強度は細胞内部の複雑さ(核の形状、大きさ、密度や顆粒の量)に依存する。したがって、側方散乱光強度のかかる特性を利用することで、白血球の分類の測定その他の測定を行うことができる。
【0036】
側方蛍光受光系140は、ダイクロイックミラー132を透過した光をさらに分光フィルタ141に通し、フォトマルチプライヤ(蛍光受光部)142で受光するように構成されている。
染色された血球のような蛍光物質に光を照射すると、照射した光の波長より長い波長の光を発する。蛍光の強度はよく染色されていれば強くなり、この蛍光強度を測定することによって血球の染色度合いに関する情報を得ることができる。したがって、(側方)蛍光強度の差によって、白血球の分類その他の測定を行うことができる。
【0037】
図6は、第2混合チャンバMC2で測定用試料を調製し、検出部D3でWBC測定(白血球数の測定)を行うために用いられるWBC測定系の流体回路の一部を示す流体回路部である。なお、図6では、分かり易くするために第1混合チャンバMC1,第3混合チャンバMC3〜第5混合チャンバMC5及びかかるチャンバに関連する流体回路の図示を省略している。
【0038】
図6に示されるように、WBC測定系の流体回路には、第2混合チャンバMC2、検出
部D3の一部であるフローセル101、第2混合チャンバMC2に溶血剤FFDを供給するダイアフラムポンプDP4、第2混合チャンバMC2に染色液FFSを供給するダイアフラムポンプDP5、及びフローセル101に測定用試料を供給するシリンジポンプSP2、フローセル101等を洗浄するための希釈液(洗浄液)EPKを収容するための希釈液容器EPK−Vなどが含まれる。
【0039】
[試料測定のフロー]
試料分析装置Sによる分析処理の一例の全体フローを図7に示す。なお、以下に説明する処理は、処理装置PC、より詳細には当該処理装置PCの制御部77、及び装置本体2の制御部100によって制御される処理である。
【0040】
まず、装置本体2の電源が投入されると、制御部100の初期化が行われる(ステップS1)。この初期化動作では、プログラムの初期化や装置本体2の駆動部分の原位置復帰などが行われる。
ついで、ステップS2において、制御部100によって、ユーザによりスタートスイッチが押されたか否かが判断される。制御部100は、スタートスイッチが押されたと判断する(Yes)とステップS3へ処理を進め、スタートスイッチが押されなかったと判断する(No)とステップS10へ処理を進める。
【0041】
ついで、ステップS3において、制御部100は、処理装置PCの制御部77に測定情報を問い合わせる信号を送信する。
一方、処理装置PCの電源が投入されると、当該処理装置PCの制御部77の初期化が行われる(ステップS101)。この初期化動作では、プログラムの初期化などが行われる。初期化が完了すると、モード及び測定項目の選択を行う測定ダイアログの表示を指示するための測定ダイアログ表示ボタンを含むメニュー画面(図示せず)が表示部79に表示される。ユーザは、入力部78を操作することによって、メニュー画面の測定ダイアログの表示を指示するための測定ダイアログ表示ボタンを選択することができる。
【0042】
ついで、ステップS102において、制御部77によって、測定ダイアログの表示指示が行われたか否か(メニュー画面の測定ダイアログの表示を指示するための測定ダイアログ表示ボタンが選択されたか否か)が判断される。制御部77は、測定ダイアログの表示指示が行われたと判断した場合(Yes)にはステップS103へ処理を進め、測定ダイアログの表示指示が行われなかったと判断した場合(No)にはステップS106へ処理を進める。
【0043】
ついで、ステップS103において、制御部77によって、図8に示される測定ダイアログが表示部79に表示される。ここでは、ユーザが入力部78を操作することによって、検体番号を入力するとともに、測定モード(通常測定又は微量測定)やディスクリート(測定項目)を選択することができる。
【0044】
ついで、ステップS104において、制御部77によって、検体番号、測定モードやディスクリートの情報からなる測定情報の受付けが行われたか否かが判断される。制御部77は、測定情報の受付けが行われたと判断した場合(Yes)にはステップS105へ処理を進め、測定情報の受付けが行われなかったと判断した場合(No)にはステップS106へ処理を進める。
ついで、ステップS105において、制御部77によって、入力された測定情報が記憶される。
【0045】
ついで、ステップS106において、制御部77は、装置本体2の制御部100から測定情報の問い合わせ信号を受信したか否かを判断する。制御部77は、装置本体2の制御部100から測定情報の問い合わせ信号を受信したと判断した(Yes)場合、ステップS107へ処理を進め、装置本体2の制御部100から測定情報の問い合わせ信号を受信しなかったと判断した場合(No)、ステップS112へ処理を進める。
【0046】
ついで、ステップS107において、制御部77によって当該制御部77の記憶部に記憶されている測定情報が読み出される。この測定情報には、ユーザが希望する測定モードの種類、すなわち通常量の検体を用いた測定モードであるのか、又は微量検体を用いた測定モードであるのかが含まれる。また、測定項目が含まれる。本実施の形態では、図8に示されるように、7種類のメニューの中から測定項目を選択することができる。本実施の形態では、CBCが必須の測定項目であり、これにDIFF、NRBC及びRETを適宜組み合わせたメニューが採用されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、必要に応じて所望の測定項目の組み合わせを採用することができる。なお、ステップS104においてユーザによる測定情報の入力を受け付けていない場合には、ステップS107においては、前回の検体測定において入力された測定情報(前回の検体測定までに測定情報の入力が一度もされていない場合には、デフォルトによる測定情報)が制御部77の記憶部から読み出される。この場合、検体番号は所定のルールで自動的に設定される。
【0047】
ついで、ステップS108において、制御部77は、装置本体2の制御部100に読み出した測定情報を送信する。
装置本体2の制御部100は、ステップS4において、制御部77から測定情報を受信したか否かを判断する。制御部100は、測定情報を受信したと判断する(Yes)と、ステップS5へ処理を進め、一方、測定情報を受信していないと判断する(No)と、同ステップS4に戻る。そして、制御部100は、ステップS5において、受信した測定情報を当該制御部100の記憶部に記憶させる。
【0048】
ついで、ステップS6において、制御部77は、受信した測定情報より微量測定モードが設定されているか否かを判断する。制御部77は、微量測定モードが設定されていると判断する(Yes)と、ステップS7へ処理を進め、微量検体の測定を実行し、一方、微量測定モードが設定されていないと判断する(No)と、ステップS8へ処理を進め、通常量の検体の測定を実行する。これら微量検体の測定(ステップS7)及び通常量の検体の測定(ステップS8)の各詳細については後述する。
【0049】
ついで、制御部100は、ステップS9において、測定により得られたデータを処理装置PCの制御部77に送信する。
処理装置PCの制御部77は、ステップS109において、装置本体2の制御部100から測定データを受信したか否かの判断をする。制御部77は、測定データを受信したと判断する(Yes)とステップS110へ処理を進め、受信した測定データの処理を行い、さらにステップS111において、分析結果を表や分布図などを適宜用いて表示部79に表示する。一方、制御部77は、測定データを受信していないと判断する(No)と、ステップS109に戻る。
【0050】
ついで、ステップS112において、制御部77によって、シャットダウン信号の受信が行われたか否かの判断が行われる。制御部77は、シャットダウン信号の受信が行われたと判断した場合(Yes)にはステップS113へ処理を進め、シャットダウン信号の受信が行われていないと判断した場合(No)にはステップS102に戻る。そして、ステップS113において、制御部77によってシャットダウン信号が制御部100に送信され、処理装置PC側の処理が終了する。
【0051】
制御部100は、ステップS10において、処理装置PCの制御部77からシャットダウン信号を受信したか否かの判断をする。制御部100は、シャットダウン信号を受信したと判断した場合(Yes)にはステップS11へ処理を進め、シャットダウン信号を受信していないと判断した場合(No)にはステップS2に戻る。そして、ステップS11において、制御部100により装置本体2のシャットダウンが行われ、処理が終了する。
【0052】
[通常モード]
つぎに、図9を参照しつつ、ステップS8における通常量の検体を測定する通常測定モードについて説明をする。
まず、シリンジポンプによって所定量の試料(例えば、75μL。以下、カッコ内の数値は、試料又は試薬の吸引量ないしは使用量の例を示している)が吸引管により吸引される。
【0053】
ついで、ステップS201において、制御部100は、RBC/PLT測定用試料、及びHGB測定用試料の調製及び測定を行う。具体的には、吸引管から試料の一部(4μL)が第1混合チャンバMC1に分注され所定量(2.0mL)の希釈液と混合され501倍に希釈された測定用試料(2.0mL)が作製される。そして、作製された測定用試料の一部(RBC/PLT測定用試料)(1.0mL)がRBC/PLT検出部D1(電気抵抗式検出部)に導入され、10.5sec間、粒子の検出及びデータ収集が行われる。なお、測定されるRBC/PLT測定用試料の量は10.3μLである。一方、測定用試料の残り(1.0mL)がHGB検出部D2に導入され、所定量(0.5mL)の溶血剤と混合され751倍に希釈されたHGB測定用試料(1.5mL)が調製される。そして、このHGB測定用試料をもとにヘモグロビン濃度が測定される。
【0054】
ついで、ステップS202において、制御部100は、WBC測定用試料の調製及び測定を行う。なお、このWBC測定用試料の調製及び測定の詳細については後述する。
ついで、制御部100は、ステップS203において、測定項目としてDIFFが設定されているか否かの判断を行う。制御部100は、測定項目としてDIFFが設定されていると判断(Yes)すると、ステップS204へ処理を進め、測定項目としてDIFFが設定されていないと判断(No)すると、ステップS205へ処理を進める。
【0055】
ついで、ステップS204において、制御部100は、DIFF測定用試料の調製及び測定を行う。
ついで、制御部100は、ステップS205において、測定項目としてNRBCが設定されているか否かの判断を行う。制御部100は、測定項目としてNRBCが設定されていると判断(Yes)すると、ステップS206へ処理を進め、測定項目としてNRBCが設定されていないと判断(No)すると、ステップS207へ処理を進める。
ついで、ステップS206において、制御部100は、NRBC測定用試料の調製及び測定を行う。
【0056】
ついで、制御部100は、ステップS207において、測定項目としてRETが設定されているか否かの判断を行う。制御部100は、測定項目としてRETが設定されていると判断(Yes)すると、ステップS208へ処理を進め、測定項目としてRETが設定されていないと判断(No)すると、ステップS9へ処理を進める。
ついで、ステップS208において、制御部100は、RET測定用試料の調製及び測定を行う。具体的には、吸引管から試料の一部(5μL)が第5混合チャンバMC5に分注され所定量(1.0mL)の希釈液及び所定量(20μL)の染色液と混合され205倍に希釈されたRET用測定用試料(1.0mL)が作製される。そして、作製された測定用試料(1.0mL)がWBC検出部D3(光学検出部)に導入され、3.2sec間、粒子の検出及びデータ収集が行われる。なお、測定されるRET用測定用試料の量は2.99μLである。
【0057】
[WBC測定]
図10は、ステップS202におけるWBC測定(通常)のフローを示している。
まず、ステップS301において、制御部100は希釈度52倍のWBC測定用試料の調製を行う。具体的には、吸引管から試料の一部(20μL)が第2混合チャンバMC2に分注され所定量(1.0mL)の溶血剤及び所定量(20μL)の染色液と混合され52倍に希釈されたWBC測定用試料(1.0mL)が作製される。
【0058】
ついで、ステップS302において、作製されたWBC測定用試料のWBC検出部D3への供給が開始される。
ついで、ステップS303において、測定用試料の供給開始からの時間の計時が開始され、ステップS304において、WBC検出部D3により測定用試料の特徴パラメータが取得される。
【0059】
ついで、ステップS305において、制御部100は、計時開始から4.4secが経過したか否かの判断を行い、計時開始から4.4secが経過していないと判断された場合(No)はステップS304に戻り、計時開始から4.4secが経過したと判断された場合(Yes)はステップS306へ進み、当該ステップS306において、制御部100は、WBC検出部D3へのWBC測定用試料の供給を停止させる。なお、このWBC測定において測定されるWBC測定用試料の量は、39.8μLである。
【0060】
なお、ステップS204におけるDIFF測定、及びステップS206におけるNRBC測定においても、前述したWBC測定と同一量の試料と、各測定用の溶血剤及び染色液とを用いて52倍に希釈された各測定用試料が作製され、WBC測定と同様の処理手順を経て、WBC検出部D3により各測定用試料中の血球粒子の特徴パラメータが取得される。
【0061】
[微量モード]
つぎに、図11を参照しつつ、ステップS7における微量の検体を測定する微量測定モードについて説明をする。
まず、シリンジポンプによって所定量の試料(48μL)が吸引管により吸引される。
【0062】
ついで、ステップS401において、制御部100は、RBC/PLT測定用試料、及びHGB測定用試料の調製及び測定を行う。具体的には、吸引管から試料の一部(4μL)が第1混合チャンバMC1に分注され所定量(2.0mL)の希釈液と混合され501倍に希釈された測定用試料(2.0mL)が作製される。そして、作製された測定用試料の一部(RBC/PLT測定用試料)(1.0mL)がRBC/PLT検出部D1(電気抵抗式検出部)に導入され、10.5sec間、粒子の検出及びデータ収集が行われる。なお、測定されるRBC/PLT用測定用試料の量は10.3μLである。一方、測定用試料の残り(1.0mL)がHGB検出部D2に導入され、所定量(0.5mL)の溶血剤と混合され751倍に希釈されたHGB測定用試料(1.5mL)が調製される。そして、このHGB測定用試料をもとにヘモグロビン濃度が測定される。
【0063】
ついで、ステップS402において、制御部100は、WBC測定用試料の調製及び測定を行う。なお、このWBC測定用試料の調製及び測定の詳細については後述する。
ついで、制御部100は、ステップS403において、測定項目としてDIFFが設定されているか否かの判断を行う。制御部100は、測定項目としてDIFFが設定されていると判断(Yes)すると、ステップS404へ処理を進め、測定項目としてDIFFが設定されていないと判断(No)すると、ステップS204へ処理を進める。
【0064】
ついで、ステップS404において、制御部100は、DIFF測定用試料の調製及び測定を行う。
ついで、制御部100は、ステップS405において、測定項目としてNRBCが設定されているか否かの判断を行う。制御部100は、測定項目としてNRBCが設定されていると判断(Yes)すると、ステップS406へ処理を進め、測定項目としてNRBCが設定されていないと判断(No)すると、ステップS407へ処理を進める。
【0065】
ついで、ステップS406において、制御部100は、NRBC測定用試料の調製及び測定を行う。
ついで、制御部100は、ステップS407において、測定項目としてRETが設定されているか否かの判断を行う。制御部100は、測定項目としてRETが設定されていると判断(Yes)すると、ステップS408へ処理を進め、測定項目としてRETが設定されていないと判断(No)すると、ステップS9へ処理を進める。
【0066】
ついで、ステップS408において、制御部100は、RET測定用試料の調製及び測定を行う。具体的には、吸引管から試料の一部(5μL)が第5混合チャンバMC5に分注され所定量(1.0mL)の希釈液及び所定量(20μL)の染色液と混合され205倍に希釈されたRET測定用試料(1.0mL)が作製される。そして、作製された測定用試料(1.0mL)がWBC検出部D3(光学検出部)に導入され、3.2sec間、粒子の検出及びデータ収集が行われる。なお、測定されるRET測定用試料の量は2.99μLである。
【0067】
[WBC測定]
図12は、ステップS202におけるWBC測定(微量)のフローを示している。
まず、ステップS501において、制御部100は希釈度93.7倍のWBC測定用試料の調製を行う。具体的には、吸引管から試料の一部(11μL)が第2混合チャンバMC2に分注され所定量(1.0mL)の溶血剤及び所定量(20μL)の染色液と混合され93.7倍に希釈されたWBC測定用試料(1.0mL)が作製される。
【0068】
ついで、ステップS502において、作製されたWBC測定用試料のWBC検出部D3への供給が開始される。
ついで、ステップS503において、測定用試料の供給開始からの時間の計時が開始され、ステップS504において、WBC検出部D3により測定用試料の特徴パラメータが取得される。
【0069】
ついで、ステップS505において、制御部100は、計時開始から7.9secが経過したか否かの判断を行い、計時開始から7.9secが経過していないと判断された場合(No)はステップS504に戻り、計時開始から7.9secが経過したと判断された場合(Yes)はステップS506へ進み、当該ステップS506において、制御部100は、WBC検出部D3へのWBC測定用試料の供給を停止させる。なお、このWBC測定において測定されるWBC測定用試料の量は71.4μLである。
【0070】
なお、ステップS404におけるDIFF測定、及びステップS406におけるNRBC測定においても、前述したWBC測定と同一量の試料と、各測定用の溶血剤及び染色液とを用いて93.7倍に希釈された測定用試料が作製され、WBC測定と同様の処理手順を経て、WBC検出部D3により各測定用試料中の血球粒子の特徴パラメータが取得される。
なお、試料分析装置Sは、微量測定モードの場合に検出部に供給される測定用試料の供給速度が、上述した通常測定モードの場合に検出部に供給される測定用試料の供給速度と同じになるように構成されている。
【0071】
以上説明したように、本実施の形態に係る試料分析方法では、微量測定モードを選択した場合、吸引する試料の量(48μL)を通常測定モードの場合(75μL)に比べて少なくすることができる。そして、例えばWBC測定の場合に、測定用試料の希釈度(93.7倍)が通常測定モードの場合(52倍)に比べて高くなるが、通常測定モードにおける測定時間(4.4sec)よりも長い時間(7.9sec)測定用試料を測定することによって、通常測定モードにおける測定量(39.8μL)よりも多くの量(71.4μL)の測定用試料を測定しているので、希釈度が高くても測定精度を上げることができる。
また、本実施の形態においては、微量測定モードが選択された場合、例えばWBC測定の場合には、通常測定モードの場合よりも長い時間測定用試料が測定されるため、微量測定モードの場合に検出部を流れる測定用試料の速度と、通常測定モードの場合に検出部を流れる測定用試料の速度とを同じにしても、通常測定モードの場合よりも多くの量の測定用試料を測定することができる。そのため、いずれの測定モードの場合でも検出部への測定用試料の供給速度を同じにすることができ、同一条件下で試料の測定を行うことができる。
【0072】
なお、通常測定モードにおける測定量よりも多くの量の測定用試料を微量測定モードで測定するのであれば、微量測定モードの場合に通常測定モードよりも測定時間を長くしなくてもよい。この場合においても、多くの量の測定用試料を測定することから、希釈度が高くなっても測定精度を上げることができる。
また、前述した実施の形態における試料の吸引量や希釈度、又は測定時間などは、単なる例示にすぎず、測定用試料に応じて適宜変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の一実施の形態に係る試料分析装置の全体斜視図である。
【図2】図1に示される試料分析装置の、ケーシングを除去した状態の斜視図である。
【図3】図1に示される試料分析装置の、ケーシングを除去した状態の右側面説明図である。
【図4】図1に示される試料分析装置の制御ブロック図である。
【図5】検出部D3の概略構成図である。
【図6】WBC測定系の流体回路の一部を示す流体回路図である。
【図7】試料分析装置による分析処理の一例の全体フローを示す図である。
【図8】測定ダイアログの一例を示す図である。
【図9】通常測定モードを示すフローである。
【図10】通常測定モードにおけるWBC測定を示すフローである。
【図11】微量測定モードを示すフローである。
【図12】微量測定モードにおけるWBC測定を示すフローである。
【符号の説明】
【0074】
1 ケーシング
2 装置本体
3 サンプル容器
4 試料セット部
5 開口部
6 載置台
7 スライダー
8 カバー
9 凹所
13 吸引管
15 ボタン
16 排気口
77 制御部
78 入力部
79 表示部
100 制御部
S 試料分析装置
PC 処理装置
D1 RBC/PLT検出部
D2 HGB検出部
D3 WBC検出部
MC1 第1混合チャンバ
MC2 第2混合チャンバ
MC3 第3混合チャンバ
MC4 第4混合チャンバ
MC5 第5混合チャンバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料容器から粒子を含む生体試料を吸引する吸引部と、
この吸引部により吸引された生体試料と試薬とを混和して測定試料を調製し、調製された測定試料を測定して生体試料に含まれる粒子の特徴パラメータを取得する測定部と、
第1生体試料を測定するための第1測定モード及び第2生体試料を測定するための第2測定モードのいずれか一方を動作モードに設定するためのモード設定手段と、
このモード設定手段により第1測定モードが設定された場合には、所定量の第1生体試料を吸引するよう前記吸引部の動作を制御し、且つ、所定の希釈度の第1測定試料を調製するよう前記測定部の動作を制御し、
前記モード設定手段により第2測定モードが設定された場合には、第1生体試料より少ない第2生体試料を吸引するよう前記吸引部の動作を制御し、且つ、第1測定試料と異なる希釈度の第2測定試料を調製するよう前記測定部の動作を制御する動作制御手段と
を備えることを特徴とする粒子分析装置。
【請求項2】
前記動作制御手段は、
前記モード設定手段により第1測定モードが設定された場合には、前記第1測定試料を第1測定時間測定するよう前記測定部の動作を制御し、
前記モード設定手段により第2測定モードが設定された場合には、第1測定試料より希釈度の高い第2測定試料を調製して、当該第2測定試料を第1測定時間より長い第2測定時間測定するよう前記測定部の動作を制御する請求項1に記載の粒子分析装置。
【請求項3】
前記動作制御手段は、
前記モード設定手段により第1測定モードが設定された場合には、所定量の第1測定試料を測定するよう前記測定部の動作を制御し、
前記モード設定手段により第2測定モードが設定された場合には、第1測定試料より希釈度の高い第2測定試料を調製して、第1測定試料より多い量の第2測定試料を測定するよう前記測定部の動作を制御する請求項1に記載の粒子分析装置。
【請求項4】
前記生体試料が血液である請求項1〜3のいずれかに記載の粒子分析装置。
【請求項5】
第1測定試料の調製に用いられる試薬の量と、第2測定試料の調製に用いられる試薬の量とが同じである請求項1〜4のいずれかに記載の粒子分析装置。
【請求項6】
第1測定試料を測定する際に測定部に供給される当該第1測定試料の供給速度と、第2測定試料を測定する際に測定部に供給される当該第2測定試料の供給速度とが同じである請求項1〜5のいずれかに記載の粒子分析装置。
【請求項7】
粒子を含む第1生体試料を測定するための第1測定モード及び粒子を含む第2生体試料を測定するための第2測定モードのいずれか一方を動作モードに設定することが可能な粒子分析方法であって、
動作モードとして第2測定モードを設定する第1工程、
試料容器から第1生体試料より少ない量の第2生体試料を吸引する第2工程、
吸引された第2生体試料に試薬を添加して、第1測定モードで測定される第1測定試料の希釈度と異なる希釈度の第2測定試料を調製する第3工程、及び
第2測定試料を測定して生体試料に含まれる粒子の特徴パラメータを取得する第4工程
を含むことを特徴とする粒子分析方法。
【請求項8】
第3工程は、第1測定試料より希釈度の高い第2測定試料を調製することにより実行され、
第4工程は、第2測定試料を、第1測定試料を測定する第1測定時間より長い第2測定時間測定することにより実行される請求項7記載の粒子分析方法。
【請求項9】
第3工程は、第1測定試料より希釈度の高い第2測定試料を調製することにより実行され、
第4工程は、第1測定試料より多い量の第2測定試料を測定することにより実行される請求項7記載の粒子分析方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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