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粒子検知システム
説明

粒子検知システム

【課題】空気中に浮遊する粒子を広域モニタリングすると共に、検出を効率良く、確実かつ迅速に行う。
【解決手段】監視地域を対象に微粒子の有無を検知するための捕集検知装置1を設置する粒子検知システムにおいて、捕集検知装置1は、試料吸引部12とそれに連通する吸引手段18と、試料吸引部12と吸引手段18との間にあって試料を一時的に蓄積する試料蓄積媒体143と、試料蓄積媒体を保持するための蓄積媒体保持手段14と、試料蓄積媒体143を外部に取り出すため設けられた開閉口15と、試料蓄積媒体に隣接して設けられ試料蓄積媒体内の試料を分析する試料分析手段(191〜197)と、分析結果を電気信号に変換して伝送する送信回路11とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は大気中に浮遊する微粒子の有無を検知する粒子検知システムに関し、特に迅速,省力とし、広域の監視をするものに好適である。
【背景技術】
【0002】
一般的に大気中に浮遊する粒子としては花粉や環境物質あるいは細菌などが挙げられる。これらの典型的な検出方法としては、吸引ポンプを内蔵した可搬型の空気捕集機を用いて、任意の場所の空気を吸引し、捕集機内のフィルタや水など蓄積媒体に上記粒子を取り込む。その後、捕集機あるいは蓄積媒体自体を検査室に持ち帰り、据え置き型の分析装置にて、目的とする粒子の有無や属性を分析する。その他の方法として屋外に設置された捕集機で常時空気を吸引しフィルタなどの蓄積媒体に粒子を吸着させておき、一定時間毎に監視員がフィルタを回収してまわり、検査室に持ち込んでフィルタに吸着した粒子の有無や属性を分析する方法がある。さらに、浮遊物を検知し、予め設定した値となるとアラームを離れたところに警報として送信することが知られ例えば、特許文献1に記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開平11−37534号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術の説明でも明らかなように、可搬型の捕集機を用いる場合は、人が空気を集めて回る必要があり、常に監視しておくためには、何度も捕集に出動する必要があり多大な労力を要する。また設置型の捕集機の場合は、人が定期的にフィルタを集めてまわる必要があり、設置箇所が増えるにつれて、これらも回収に多大な労力を要する。さらにいずれの捕集形態おいても捕集したサンプルに目的とする微粒子が存在するかどうかは検査室で精密分析して初めて判明するため、粒子が取り込まれていない試料まで捕集・回収・分析を行う必要があり、監視作業効率という観点では低いと言わざるをえない。
特に有害細菌の大気中放出などの事故を想定した場合、基本的にはあってはならない事故のため発生頻度は極めて低いが、いつ何時事故が発生するか予測ができないため、定期的にフィルタ等を回収し検査室にて分析を行う必要がある。ただし、そのほとんどの回収試料には対象とする粒子がないため、極めて効率の悪い監視作業を強いることになる。さらに特許文献1に記載のものでは単にアラームを出すだけなので、細菌,花粉などの生物粒子の散布状況を広域に渡って監視し、対策するには不十分であった。
【0005】
本発明の目的は、空気中に浮遊する粒子を広域モニタリングすると共に、検出を効率良く、確実かつ迅速に行うことにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記従来技術の課題を解決するため、本発明は、監視地域を対象に大気中に浮遊する微粒子の有無を検知するための捕集検知装置を設置する粒子検知システムにおいて、前記監視地域に設置された前記捕集検知装置を有し、該捕集検知装置は、試料吸引部とそれに連通する吸引手段と、前記試料吸引部と前記吸引手段の間にあって試料を一時的に蓄積する試料蓄積媒体と、該試料蓄積媒体を保持するための蓄積媒体保持手段と、前記試料蓄積媒体を外部に取り出すため設けられた開閉口と、前記試料蓄積媒体に隣接して設けられ、前記試料蓄積媒体内の試料を分析する試料分析手段と、分析結果を電気信号に変換して伝送する送信回路とを備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、空気中に浮遊する微粒子の監視において、広域に渡って迅速に行うことができ、住民への影響を最小限にする対策を講じることが容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1は本発明の監視システムの全体構成を示す図である。図2は図1に示した捕集検知装置の構成図である。また図3は本発明の捕集検知装置の粒子分析手段である抗原抗体反応によるセンサの構成を説明する図である。
図1において、監視地域を対象に複数箇所に捕集検知装置1が設置されている。捕集検知装置には検知結果を無線で送信するための送信回路11が備え付けられている。各捕集検知装置からの電波は情報センタ2の受信機21に繋がっている。また情報センタは、各捕集検知装置内の捕集部を回収する機能31と、回収した捕集部内の試料を精密に分析するための機能32を備えた検査センタ3と有線あるいは無線にて繋がっている。次に捕集検知装置の構成について図2を用いて説明する。
【0009】
捕集検知装置には、その外部に試料吸引ノズル(試料吸引部)12が設けられており、ノズル12に続いて第1のダクト13が設けられている。第1のダクト13のもう一方の端は試料容器(蓄積媒体保持手段)14の入口141に繋がれている。試料容器14には出口142が設けられており、その出口には第2のダクト17が繋がれている。第2のダクト17は、吸引ポンプ(吸引手段)18に繋がれている。試料容器14の入口141と第1のダクト13及び出口142と第2のダクト17は容易に着脱可能な接続となっている。
また、試料容器を装置外部から装着あるいは取り出すための蓋(開閉口)15が装置外殻に設けられている。試料容器14の中には粒子サンプルを溶存させるための液体(試料蓄積媒体)143が保持されている。図のように入口141に繋がる流路は試料容器底部から上方に向けて開放されている。試料容器14の天井部には孔があり空気の出口142に繋がっている。さらに試料容器14には粒子の種類・濃度を簡易に測定するためのセンサ(試料分析手段)19(191〜197)が設けられており、その感さ部分を容器内の液体143に浸されている。センサ19の出力は送信回路11に繋がれている。センサ
19は図3にあるように、光源191と、光源の光を導くための投光ファイバ192、及び投光ファイバの末端から試料容器に設けられた窓196を経て、試料容器中の所定の距離に設けられたプレート193、プレート193の上面には金薄膜1931、上半分を金薄膜で覆われたナノ粒子1932、ナノ粒子表面に結合された、目的とする粒子1944に対応した抗体分子1933、このプレートからの反射光を受光するための受光ファイバ194、受光ファイバの光を分析するための分光器195、および分光信号からナノ粒子表面の抗体への目的粒子の付着量を推定するための信号処理回路197から成る。この投光・受光ファイバとプレートは計測対象毎に一対必要であり、対象粒子を増やす場合には、その数に応じて複数設置する。
【0010】
以上の構成で以下のように動作する。まず吸引ポンプが定期的に動作して空気を所定流量で吸引する。吸引された空気は第1のダクトを経て試料容器下部に導かれ、液体143中を気泡となって上昇する。この際に空気中に粒子が含まれていれば、液体中1143に取り込まれる。液体中にはセンサ19の感知部分が浸されているため、液体中に粒子があれば反応して信号変化をもたらす。センサ19の原理としては、目的とする粒子の表面抗原を抗原抗体反応により識別・同定する方式や、光散乱によって粒子の性状やサイズを同定する方式等が利用できる。
本センサ19によって得られた計測結果は送信回路11によって情報センタ2へ送信される。情報センタ2では複数地点に設置された捕集検知装置1から計測結果の信号を適宜吸い上げるようになっている。情報センタ2ではこれらの信号から、粒子の存在有無や存在地域を推定する。存在が想定される場合には、検査センタ3に対し、対応する捕集検知装置の位置と、装置内の試料容器14を回収するアラーム情報を発する。検査センタでは本情報を受けて、試料容器14を回収するために回収チーム(専用車及び専用員)31が派遣される。回収チーム31は、該当する装置に赴き、装置の蓋15を開けて、試料容器14を新しいものと交換したのち、古い試料容器を検査センタに持ち帰る。検査センタでは回収した試料容器から粒子を含んだ液体を取り出し、粒子の種類や濃度を確定する精密検査32が実行される。
【0011】
次に図3を用いて抗原抗体反応方式によるセンサ19の動作を説明する。液中に粒子が取り込まれると、試料容器内に設けられたプレート表面の抗体と反応して、プレート表面からの反射光のスペクトルが変化する。この反射光を受光ファイバ194で取り込み、分光器195で光スペクトルを計測する。信号処理回路197では前記スペクトル信号から目的粒子の付着の有無および付着している場合はその付着量から濃度を算定する。
【0012】
本センサで利用する抗原抗体反応は、対象とする粒子以外の粒子と非特異的な反応を起こす場合があり、誤検知の可能性があるため確定検査には利用できないが、一方で迅速な測定が可能である。これに対し検査室などで行われる精密検査32−例えば微生物の場合は遺伝子検査、たんぱく質などの場合は質量分析法、無機物の場合は比色測定や発光分析法などは、確定検査として利用可能であるが、分析に手間と時間がかかる。そこで本実施例では捕集部分にセンサを設けることで、スクリーニング的に試料を選別し、可能性のある試料のみ、精密な検査を行う監視システムとなっている。これにより、従来のように、人がやみくもに捕集機を持参して空気を集める必要もなく、また設置型捕集機の場合のように、粒子が浮遊していない場合でもフィルタを定期的に回収して分析を行う必要もない。アラーム情報が発信された時のみ対応すればよく、迅速な監視に寄与する。
【0013】
以上の説明では、捕集検知装置1からは定期的に信号を発信し、粒子の有無の判断は情報センタ2で行われる仕組みとなっているが、定期通信の間で粒子が計測された場合は、次の定期発信までの間、遅れが発生し迅速な対応ができない。そこで捕集検知装置1内の発信回路11中に、粒子の有無を判定する機能を持たせてもよい。粒子の存在が推定される場合のみ情報を発する仕組みとすることで、より迅速に粒子の発生状況を検知することが可能となる。
【0014】
また試料容器14に直接センサ感知部分を浸す形態としたが、吸引ノズル12の後、第1のダクト13を2系統に分けて、一方は試料容器に、もう一方はセンサを備えた流路に導く構成にしてもよい。センサを備えた流路には分離カラムや、染色反応専用容器などを設けることが可能となり、目的とする粒子をより高精度に分析することが可能となる。
【0015】
さらに試料中の粒子の捕捉方法として、試料容器14中の液体143に粒子を溶け込ませる形態について説明したが、試料容器14に代わり物理的な吸着フィルタを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態によるシステムの構成を示すブロック図。
【図2】図1における捕集検知装置を示すブロック図。
【図3】図2における捕集検知装置に備えられたセンサの構成を示すブロック図。
【符号の説明】
【0017】
1…捕集検知装置、2…情報センタ、3…検査センタ、11…送信回路、12…試料吸引ノズル(試料吸引部)、14…試料容器(蓄積媒体保持手段)、15…開閉口、18…吸引ポンプ(吸引手段)、143…液体(試料蓄積媒体)、191〜197…センサ(試料分析手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視地域を対象に大気中に浮遊する微粒子の有無を検知するための捕集検知装置を設置する粒子検知システムにおいて、
前記監視地域に設置された前記捕集検知装置を有し、該捕集検知装置は、試料吸引部とそれに連通する吸引手段と、前記試料吸引部と前記吸引手段の間にあって試料を一時的に蓄積する試料蓄積媒体と、該試料蓄積媒体を保持するための蓄積媒体保持手段と、前記試料蓄積媒体を外部に取り出すため設けられた開閉口と、前記試料蓄積媒体に隣接して設けられ、前記試料蓄積媒体内の試料を分析する試料分析手段と、分析結果を電気信号に変換して伝送する送信回路とを備えた粒子検知システム。
【請求項2】
請求項1に記載のものにおいて、前記捕集検知装置を複数台設置し、各前記捕集検知装置から伝送された電気信号を受信し、受信した情報から特定試料の有無を判定し、前記特定試料が有りと判定された場合に、前記捕集検知装置の位置情報とアラーム情報を発信する情報センタを備えたことを特徴とする粒子検知システム。
【請求項3】
請求項2に記載のものにおいて、前記アラーム情報は前記捕集検知装置における前記試料蓄積媒体を回収する命令を含むことを特徴とする粒子検知システム。
【請求項4】
請求項1に記載のものにおいて、前記試料分析手段は、抗原抗体反応を利用したことを特徴とする粒子検知システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−187490(P2007−187490A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−4320(P2006−4320)
【出願日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】