説明

粒子状物質測定装置

【課題】フィルタの破損等を確実に防止することのできる粒子状物質測定装置を提供すること。
【解決手段】互いに近接した状態のフィルタ押さえ部2aおよびフィルタ支持部3によってフィルタ13を挟持し、この状態でサンプルガス導入装置6を作動させて導出部2からフィルタ支持部3の排気口3aへとサンプルガスを流し、前記フィルタ13を通過したサンプルガス中に含まれている粒子状物質をフィルタ13によって捕集させる制御と、前記フィルタ13による粒子状物質の捕集後、前記サンプルガス導入装置6の作動を停止させ、当該フィルタ13を挟持するフィルタ押さえ部2aおよびフィルタ支持部3を互いに離間させ、その離間させた状態で前記サンプルガス導入装置6を再度作動させる制御とを行う制御部17を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば大気中の浮遊粒子状物質(Suspended Particulate Matter:以下、SPMという)等の粒子状物質の濃度や成分等を測定するための浮遊粒子状物質測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人はすでに、大気をサンプルガスとして吸引し、このサンプルガスをフィルタテープの一面側から他面側へと通過させ、前記フィルタテープに測定スポットを形成することにより、測定スポットに捕集された大気中のSPMの濃度を精度良く測定する浮遊粒子状物質測定装置を提案している(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2004−205491号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年では、フィルタテープに捕集したSPMの濃度や成分分析等の測定精度をより向上させるために、一部のフィルタテープ(例えばフッ素樹脂系のフィルタテープなど)の薄型化が進んでいる。そして、この薄型化に伴って、以下のような弊害が生じる懸念がある。
【0005】
すなわち、上記浮遊粒子状物質測定装置において、フィルタテープに対する前記測定スポットの形成は、当該フィルタテープの一面側に設けられたサンプルガス導出用のノズルと他面側に設けられたフィルタテープ支持用の板状部材とでフィルタテープを挟み、フィルタテープに当接した状態の前記ノズルからサンプルガスを導出し、フィルタテープを通過したサンプルガスを前記板状部材に設けられた排気口から下流側へと排気することによって行われる。そして、測定スポットの形成後には、新たな測定スポットをフィルタテープに形成するために当該フィルタテープを所定距離だけ走行移動させる必要があり、その際に、フィルタテープを挟持していた前記ノズルおよび板状部材のうち、ノズルを板状部材から離間させる構成が従来よりとられている。
【0006】
しかし、測定スポットを形成する間、前記ノズルはフィルタテープに当接した状態となっており、このフィルタテープのシール性に起因して、上記離間後のノズルにフィルタテープが張り付いた状態となるおそれがある。従って、この場合には、フィルタテープの走行移動に伴って破損等が生じ、さらには装置自体にも故障が生じる可能性がある。しかも、上記のような破損等は、上述したフィルタテープの薄型化によってより生じ易くなっているものと考えられる。
【0007】
また、前記浮遊粒子状物質測定装置による測定は、1日から数日にかけて無人状態にて行われることもあり、この無人測定の間にフィルタテープの破断や装置の故障等が発生していると、数日間にわたる再度の測定が必要となるなど、時間的・コスト的な無駄が多大となるというおそれもある。
【0008】
この発明は、上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、フィルタの破損等を確実に防止することのできる粒子状物質測定装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、この発明の粒子状物質測定装置は、サンプルガスを採取するためのサンプルガス採取部と、このサンプルガス採取部に連通し前記サンプルガスを導出する導出部と、この導出部と対向するように配置された排気口を有するフィルタ支持部と、前記サンプルガス採取部内にサンプルガスを導入し、このサンプルガスを前記導出部および前記フィルタ支持部の排気口にこの順で流すためのサンプルガス導入装置と、前記導出部の周縁に設けられたフィルタ押さえ部および前記フィルタ支持部のいずれか一方を他方に対して近接離間するように移動させる移動用装置と、前記導出部およびフィルタ支持部の間に配置されるフィルタとを備えた粒子状物質測定装置であって、互いに近接した状態のフィルタ押さえ部およびフィルタ支持部によって前記フィルタを挟持し、この状態でサンプルガス導入装置を作動させて導出部から排気口へとサンプルガスを流し、前記フィルタを通過したサンプルガス中に含まれている粒子状物質をフィルタによって捕集させる制御と、前記フィルタによる粒子状物質の捕集後、前記サンプルガス導入装置の作動を停止させ、当該フィルタを挟持するフィルタ押さえ部およびフィルタ支持部を互いに離間させ、その離間させた状態で前記サンプルガス導入装置を再度作動させる制御とを行う制御部を備えたことを特徴とする(請求項1)。
【0010】
また、上記粒子状物質測定装置において、前記フィルタがテープ状に形成され、また、このフィルタは一定時間毎に走行移動を行い、かつ、この走行移動は、前記フィルタが前記フィルタ押さえ部およびフィルタ支持部により挟持されていないときに行われるように構成されていてもよい(請求項2)。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明によれば、フィルタの破損等を確実に防止することのできる粒子状物質測定装置が得られる。すなわち、前記フィルタによる粒子状物質の捕集後、前記サンプルガス導入装置の作動を停止させ、当該フィルタを挟持するフィルタ押さえ部およびフィルタ支持部を互いに離間させ、その離間させた状態で前記サンプルガス導入装置を再度作動させる制御を前記制御部に行わせるので、たとえフィルタ押さえ部およびフィルタ支持部を互いに離間させる際にフィルタがフィルタ押さえ部に張り付いた状態となっていても、これを剥がすことができ、その後にフィルタが走行移動を行う場合でもその破損等が発生するのを確実に防止することができる。
【0012】
そして、上記の効果が得られることは、請求項2に係る発明のように、フィルタを用いて粒子状物質の捕集を複数回連続的に行うため、フィルタが走行移動する場合に特に好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は、この発明の一実施の形態に係る粒子状物質測定装置(以下、測定装置という)の構成を概略的に示す説明図、図2(A)および(B)は、前記測定装置の要部の構成を概略的に示す説明図、図3(A)は、前記測定装置のフィルタ押さえ部の構成を概略的に示す底面図、図3(B)は、前記測定装置のフィルタの構成を概略的に示す平面図、図3(C)は、前記測定装置のフィルタ支持部の構成を概略的に示す平面図である。
【0014】
まず、図1に示すように、前記測定装置は、大気からサンプルガスを採取するためのサンプルガス採取部1を備えている。ここで、このサンプルガス採取部1は、大気導入管1aと、この大気導入管1aの上流部に設けられた分粒器1bとを有している。この分粒器1bは、サンプルガス(大気)中に含まれるSPMを分級し、所定の粒径を超えるSPMを捕捉し、所定の粒径以下のSPMを選択的に大気導入管1b側に通過させるものである。
【0015】
なお、前記分粒器1bとしては、例えば、サンプルガスの渦流による遠心分離を利用して分粒を行うサイクロン式ボリュームサンプラ(一般的にサイクロンと呼ばれている)や、サンプルガスの衝突によって小粒径のSPMを選択的にサンプリングするインパクト式ローボリュームサンプラ(一般的にインパクタと呼ばれている)が挙げられる。
【0016】
そして、図1に示すように、前記サンプルガス採取部1を構成する大気導入管1aの下流側には、このサンプルガス採取部1に連通し前記サンプルガスを下向きに導出する導出部2が設けられている。また、この導出部2の周縁には、図2(A)および(B)に示すように、後述するフィルタ13に当接可能なフィルタ押さえ部2aが設けられていると共に、導出部2の下側には、この導出部2と対向するように配置された排気口3aを有するフィルタ支持部3が設けられており、前記排気口3aの下流側には大気導出管4が設けられている(図1参照)。
【0017】
さらに、前記大気導出管4には、図1に示すように、ガス流量調整器5を介してサンプルガス導入装置(例えば真空ポンプなどのサンプリングポンプ)6が接続されていると共に、前記サンプルガスの流量を測定するガス流量計7が設けられている。なお、前記サンプルガス導入装置6は、大気から前記サンプルガス採取部1内にサンプルガスを導入し、このサンプルガスを導出部2および排気口3にこの順で流すためのものである。
【0018】
一方、前記測定装置の装置本体は、図1に示すように、上ブロック8と下ブロック9とで構成されており、前記導出部2の周縁に設けられたフィルタ押さえ部2aを前記フィルタ支持部3aに対して近接離間するように移動させる移動用装置10が上ブロック8に設けられている。ここで、この移動用装置10としては、公知である種々の構成のものを採用することができ、その一例としては、特許文献1の図5、図6およびその関連記載等に示されている離間レバーや付勢手段、アクチュエータを用いる構造のものが挙げられ、この実施の形態でもその構造を採用している。なお、図1には、移動用装置10のうち、離間レバー10aのみを図示している。
【0019】
また、図2(A)および(B)並びに図3(A)に示すように、前記導出部2は、上ブロック8の下側に開口部を設けることによって形成されており、この導出部2の周縁に設けられた前記フィルタ押さえ部2aは、下向きに突出する環状(ノズル状)の突起部となっている。
【0020】
これに対して、前記排気口3は、図2(A)および(B)並びに図3(C)に示すように、下ブロック9の上側に設けられた開口部を覆う板状のフィルタ支持部3を設けると共に、このフィルタ支持部3に貫通孔を設けることによって形成されており、この排気口3は、図3(A)に示すように、フィルタ支持部3に格子部分を残してこれを円形に切り欠いた形状となっている。
【0021】
そして、前記上ブロック8には下向きに測定用光線(例えばβ線)を照射する照射部(例えばβ線源)11が設けられ、下ブロック9には、前記照射部11に対応する検出部(例えば検出したβ線の強度に応じた信号を出力する比例計数管よりなるβ線検出器)12が設けられている。
【0022】
他方、前記測定装置は、前記導出部2および排気口3の間に配置されるテープ状に形成されたフィルタ(フィルタテープ)13を備え、このフィルタ13は一定時間毎に走行移動を行い、かつ、この走行移動は、前記フィルタ13が前記フィルタ押さえ部2aおよびフィルタ支持部3により挟持されていないときに行われるように構成されている。具体的には、前記フィルタ13は、適宜の駆動装置(例えばモータ等、図示していない)によって供給リール14から繰り出され、巻取りリール15に巻き取られるようにこれら両リール14,15間に張設され、かつ、フィルタ押さえ16a付きアイドルローラ16並びに図外のテンションローラを介して一定経路に沿って一定時間毎に所定の長さ単位に走行移動可能に構成されている。
【0023】
ここで、前記フィルタ13は、長さが例えば約40mで、幅が例えば約4cmである。また、このフィルタ13は、例えば四フッ化エチレン樹脂等のフッ素樹脂よりなる多孔質フィルムと、通気性を有する補強層とを積層することで構成されている。このフィルタ13は、通常、すなわち、2〜24時間に亘るSPMの吸引捕集時には通気方向の上流側(上部)に前記多孔質フィルムを、かつ、通気方向の下流側(下部)に補強層を配置して用いられる。
【0024】
さらに、前記測定装置は、ガス流量調整器5、サンプルガス導入装置6、ガス流量計7、移動用装置10、照射部11、検出部12およびフィルタ13用の前記駆動装置に対して、その制御や出力の演算処理等を行う制御部17を備えている。
【0025】
次に、前記測定装置を用いたSPMの測定方法について説明する。(1)まず、フィルタ13を巻回した供給リール14から繰り出したフィルタ13の先端を、アイドルローラ16及びテンションローラを経て巻取りリール15の芯体に固定することにより、フィルタ13をフィルタ押さえ部2aとフィルタ支持部3との間を含む一定経路に沿って一定時間毎に所定の長さ単位に走行移動可能な状態に張設する(図1参照)。
【0026】
(2)次いで、図2(A)に示すように、前記フィルタ押さえ部2aをフィルタ支持部3側に接近移動させ、互いに近接した状態の両者2a,3によってフィルタ13を挟持させた後、サンプルガス導入装置6を作動させ(ONにして)、前記フィルタ13を通過したサンプルガス中に含まれているSPMをフィルタ13によって捕集させる制御を前記制御部17に行わせる。この実施の形態では、サンプルガスとしてのSPMを含む大気が、図1に示すように、サンプルガス採取部1、分粒器1b、大気導入管1a、上ブロック8の導出部2、フィルタ13、下ブロック9の排気口3a、大気導出管4にこの順で流れる状態となるような制御を前記制御部17に行わせる。
【0027】
そして、この状態では、フィルタ押さえ部2aとフィルタ支持部3とはフィルタ13を介してシール性(気密性)を有する状態で互いに当接しあい、導出部2から排気口3aへと向かう前記サンプルガスはフィルタ13をその上面側(一面側)から下面側(他面側)へと漏れなく通過することになる。そのため、この状態を例えば2〜24時間保つことにより、サンプルガス中のSPMがフィルタ13に捕集され、図3(B)に示すように、フィルタ13に測定スポット18が形成される。
【0028】
(3)続いて、制御部17の制御により、前記サンプルガス導入装置6をOFFにすると共に、前記測定スポット18に対して照射部11から測定用光線を照射させ、その測定スポット18を透過した透過光または測定スポット18において散乱等により生じた散乱光等の二次光を検出部12で検出し、その検出値を用いて所定の演算を行うことによって、前記SPMに関するデータが得られる。例えば、照射部11からβ線を照射し、測定スポット18を透過したβ線を検出部12で検出し、その検出したβ線強度と所定の演算式とを用いて演算を行うことにより、測定対象とするSPMの質量が算出できるとともに、その質量と前記導出部2に供給されるサンプルガスの流量とによってSPMの濃度を測定することができる。
【0029】
(4)その後、前記照射部11をOFFにすると共に、前記フィルタ押さえ部2aをフィルタ支持部3に対して離間(離反)移動させ(図2(B)参照)、この状態で、前記サンプルガス導入装置6を再度作動させる制御を制御部17に行わせる。従って、図2(B)に仮想線で示すように、フィルタ13がフィルタ押さえ部2aに張り付いた状態となっていても、上記制御に伴うサンプルガス導入装置6の再度の作動により、サンプルガスが導出部2から排気口3へと向かって流れるため、前記フィルタ13に鉛直下向きの力(フィルタ13をフィルタ押さえ部2aから剥がす向きの力)が加わって、フィルタ13がフィルタ押さえ部2aから剥がれることになる。
【0030】
そのため、前記サンプルガス導入装置6の再度の作動は瞬間的に行われるか短時間に行われる(例えば、1秒〜2秒程度)ことが望ましく、長時間にわたる作動は不要である。なお、このサンプルガス導入装置6の再度の作動を、例えば複数回連続的に行ってもよい。
【0031】
(5)続いて、制御部17の制御により、サンプルガス導入装置6をOFFにし、巻取りリール15を駆動回転させて、フィルタ13を所定の長さ単位で巻取りリール15側に走行移動させ、この状態で再び前記(2)〜(4)の自動制御が行われる。
【0032】
上記の構成からなる測定装置では、前記フィルタ13によるSPMの捕集後、前記サンプルガス導入装置6の作動を停止させ、当該フィルタ13を挟持するフィルタ押さえ部2aおよびフィルタ支持部3を互いに離間させ、その離間した状態で前記サンプルガス導入装置6を再度作動させる制御を前記制御部17に行わせるので、たとえフィルタ押さえ部2aをフィルタ支持部3から離間させる際にフィルタ13がフィルタ押さえ部2aに張り付いた状態となっていても、これを剥がすことができ、その後に所定の長さ単位の走行移動を行うフィルタ13が破損等するのを確実に防止することができる。そのうえ、同時に、前記フィルタ押さえ部2aやその他の部分における破損や故障等も防止することができる。
【0033】
また、前記サンプルガス導入装置6を再度作動させたにも拘わらず、フィルタ13がフィルタ押さえ部2aから剥がれなかったという事態が万一生じたとしても、その張り付き力は非常に小さくなっているので、その後のフィルタ13の所定の長さ単位の走行移動の開始後すぐに、フィルタ13はフィルタ押さえ部2aから剥がれることになり、フィルタ13の破損等が発生するおそれはない。
【0034】
なお、この発明は、上述の実施の形態に限られるものではなく、種々に変形して実施することができる。具体例を挙げれば、まず、上記実施の形態において、サンプルガス導入装置6は下流部(大気導出管4)に設けられているが、この構成に限らず、例えば、サンプルガス導入装置6を上流部(大気導入管1a)に設けてもよい。
【0035】
また、上記実施の形態では、移動用装置10によりフィルタ押さえ部2aが上下に移動するが、この構成に限らず、例えば、移動用装置10によりフィルタ押さえ部2aではなくフィルタ支持部3が上下に移動してもよく、両方2a,3が移動してもよい。
【0036】
さらに、上記実施の形態では、前記照射部11が上ブロック8に設けられ、検出部12が下ブロック9に設けられているが、この構成に限らず、例えば、照射部11が下ブロック9に設けられ、検出部12が上ブロック8に設けられていてもよい。
【0037】
また、前記フィルタ13は、例えばガラスファイバ製のフィルタ(ガラスフィルタ)であってもよい。
【0038】
また、上記実施の形態では、所定の長さ単位の走行移動を行うテープ状のフィルタ13に対して順次測定スポット18を形成するように構成してあるが、この構成に限らず、例えば、測定スポットの形成を行う部位に、複数の円形状や矩形状をしたフィルタを順次送るように構成されていてもよい。
【0039】
さらに、上記実施の形態では、大気中の浮遊粒子状物質を測定する場合について記載しているが、車の排ガスや煙道に含まれる粒子状物質を測定する場合についても同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】この発明の一実施の形態に係る粒子状物質測定装置の構成を概略的に示す説明図である。
【図2】(A)および(B)は、前記測定装置の要部の構成を概略的に示す説明図である。
【図3】(A)は、前記測定装置のフィルタ押さえ部の構成を概略的に示す底面図、(B)は、前記測定装置のフィルタの構成を概略的に示す平面図、(C)は、前記測定装置のフィルタ支持部の構成を概略的に示す平面図である。
【符号の説明】
【0041】
2 導出部
2a フィルタ押さえ部
3 フィルタ支持部
3a 排気口
6 サンプルガス導入装置
13 フィルタ
17 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプルガスを採取するためのサンプルガス採取部と、このサンプルガス採取部に連通し前記サンプルガスを導出する導出部と、この導出部と対向するように配置された排気口を有するフィルタ支持部と、前記サンプルガス採取部内にサンプルガスを導入し、このサンプルガスを前記導出部および前記フィルタ支持部の排気口にこの順で流すためのサンプルガス導入装置と、前記導出部の周縁に設けられたフィルタ押さえ部および前記フィルタ支持部のいずれか一方を他方に対して近接離間するように移動させる移動用装置と、前記導出部およびフィルタ支持部の間に配置されるフィルタとを備えた粒子状物質測定装置であって、互いに近接した状態のフィルタ押さえ部およびフィルタ支持部によって前記フィルタを挟持し、この状態でサンプルガス導入装置を作動させて導出部から排気口へとサンプルガスを流し、前記フィルタを通過したサンプルガス中に含まれている粒子状物質をフィルタによって捕集させる制御と、前記フィルタによる粒子状物質の捕集後、前記サンプルガス導入装置の作動を停止させ、当該フィルタを挟持するフィルタ押さえ部およびフィルタ支持部を互いに離間させ、その離間させた状態で前記サンプルガス導入装置を再度作動させる制御とを行う制御部を備えたことを特徴とする粒子状物質測定装置。
【請求項2】
前記フィルタがテープ状に形成され、また、このフィルタは一定時間毎に走行移動を行い、かつ、この走行移動は、前記フィルタが前記フィルタ押さえ部およびフィルタ支持部により挟持されていないときに行われるように構成されている請求項1に記載の粒子状物質測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−315931(P2007−315931A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−146214(P2006−146214)
【出願日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【出願人】(000155023)株式会社堀場製作所 (638)
【Fターム(参考)】