説明

粒子線治療スケジューリングシステム及びそのスケジューリング方法

【課題】粒子線治療のスケジュールを高い信頼性のもとで立案すること。
【解決手段】本発明では、粒子線治療の治療室スケジュールとして決定し提示する粒子線治療スケジューリングシステムにおいて、患者個別の位置決め回数の指標となる情報及び1日当たりの照射時間とを記憶する記憶手段3と、位置決め回数に位置決め1回あたりの所要時間を乗じて位置決め時間を算出し、1日当たりの照射時間に前記位置決め時間を加えた時間を患者一人当たりの治療室使用時間とする治療室使用時間推定手段6と、治療室使用時間を用いて、治療室スケジュールを立案する治療室スケジュール立案手段8とを備えるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒子線治療スケジューリングシステム及びそのスケジューリング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
粒子線治療では、陽子や重粒子イオンを加速するシンクロトロンなどの治療照射装置(加速器)が用いられる。複数の治療室が1つの加速器を共用することで施設合理化が図られている。
【0003】
粒子線治療にあっては、共用装置である加速器の運転中に可能な限り多くの治療室で治療照射を行えるように、また、各治療室に可能な限り多くの患者を割り当てられるように、効率の良い治療室スケジュールを立案することが重要となる。
【0004】
この治療室スケジュールは、治療内容の違いによって照射時間(治療室の占有時間)が異なる多様な患者を対象とし、例えば、ある1日の第一治療室を使用する患者は、患者A、患者B、及び患者Cとし、照射の順序は、患者B→患者A→患者Cとする。又、その日の第二治療室を使用する患者は、患者D、患者E、及び患者Fとし、照射の順序は、患者F→患者E→患者Dとするといった治療室の使用計画として作出される。
【0005】
従来、加速器の稼動状況、治療室の稼動状況、患者が諸事情により来院できない日、患者の治療計画などを半ば自動的に総合勘案して、治療室スケジュールを立案する粒子線治療スケジューリングシステムが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−253565号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の粒子線治療スケジューリングシステムによって立案された治療室スケジュールは実際の治療進度から大きくずれる傾向があり、治療室スケジュールの信頼性は十分とは言えない状況である。
【0008】
治療室スケジュールと実際の治療進度とのずれは、複数の治療室で共用される加速器の特性切り替えがスケジュールどおりに行えずに他の治療室が使用できなくなるなど、患者にとってもスタッフにとっても不都合なことである。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、信頼性の高い治療室スケジュールを立案できる粒子線治療スケジューリングシステム及びそのスケジューリング方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した目的を達成するため、本発明に係る粒子線治療スケジューリングシステムでは、粒子線治療の治療室スケジュールを立案する粒子線治療スケジューリングシステムにおいて、患者個別の位置決め回数の指標となる情報及び1日当たりの照射時間を記憶する記憶手段と、前記位置決め回数に位置決め1回あたりの所要時間を乗じて位置決め時間を算出し、1日当たりの照射時間に前記位置決め時間を加えた時間を患者一人当たりの治療室使用時間とする治療室使用時間推定手段と、前記治療室使用時間を用いて、治療室スケジュールを立案する治療室スケジュール立案手段とを備えることを特徴とするものである。
【0011】
また、上述した目的を達成するため、本発明に係る粒子線治療スケジューリング方法では、粒子線治療の治療室スケジュールを立案する粒子線治療スケジューリング方法において、患者個別の位置決め回数の指標となる情報から位置決め回数を抽出し、前記位置決め回数に位置決め1回あたりの所要時間を乗じて位置決め時間を算出し、1日当たりの照射時間に前記位置決め時間を加えた時間を患者一人当たりの治療室使用時間として推定し、前記治療室使用時間を用いて治療室スケジュールを立案することを特徴とする方法である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、信頼性の高い治療室スケジュールを立案できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る粒子線治療スケジューリングシステムの第1実施形態を示す機能ブロック図。
【図2】図1の記憶手段に記憶される治療計画を示す図。
【図3】図1の記憶手段に記憶される立案条件を示す図。
【図4】本発明に係る粒子線治療スケジューリングシステムの第2実施形態を示す機能ブロック図。
【図5】本発明に係る粒子線治療スケジューリングシステムの第3実施形態を示す機能ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
添付図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
【0015】
図1は本発明に係る粒子線治療スケジューリングシステムの第1実施形態を示す機能ブロック図である。
【0016】
本実施形態の粒子線治療スケジューリングシステム1は、加速器などの粒子線治療装置が複数の治療室により共用されるとき、1日の中で各々の治療室に割り当てる患者やその順序を治療室スケジュールとして決定し提示するシステムである。
【0017】
粒子線治療スケジューリングシステム1は、汎用のコンピュータシステムを用いて構成されており、入力手段2、記憶手段3、位置決め回数抽出手段4、照射時間抽出手段5、治療室使用時間推定手段6、治療室使用時間記憶手段7、治療室スケジュール立案手段8、データ管理手段9、及び表示手段10が主要な構成となっている。
【0018】
入力手段2は、キーボードやマウスなどの操作デバイスを有し、ユーザの要求に従って各種の情報を記憶手段3に保存する際に用いられる。
【0019】
記憶手段3は、患者情報、治療計画、加速器稼動情報、治療室稼動情報、及び立案条件の情報を更新可能に記憶する。これらの情報は、治療室スケジュールの立案に用いられるもので、立案者によって事前作成される。
【0020】
患者情報は、患者の氏名や住所などの患者特定情報や、各患者の治療可能日(患者の都合)などにより構成されている。
【0021】
治療計画は、各患者ごとの治療の日程や照射条件などにより構成されている。この治療計画は、各々の患者を特定するための患者ID(識別子)、患者ごとの治療計画を特定するための治療計画ID、治療計画ごとの照射条件を特定するための照射条件ID、ならびに、治療計画ごとの患者の治療部位、治療開始予定日、治療終了予定日、治療期間、照射情報(1日に何回の照射を行うかを示したもの)、治療照射に用いる粒子線ビームの種類、エネルギー、ポート状態、1回の治療の照射線量、全治療期間の総照射線量などにより構成されている。図2は、この治療計画の一例である。
【0022】
加速器稼動条件は、加速器の稼動日や非稼動日(メンテナンス日など)、日毎又は時間帯毎の粒子線ビームの種類やエネルギーなどの加速器特性、この加速器特性の切り替えタイミングなどにより構成されている。
【0023】
治療室稼動条件は、治療室の稼動日や非稼動日(メンテナンス日など)、各患者ごとの利用開始時刻、利用時間、準備時間、後片付け時間などにより構成されている。
【0024】
立案条件は、患者の1週間の治療回数上限を「○回」とし、この治療回数上限を満たすように、治療室スケジュールを立案するなどのように、治療計画立案の制約的情報により構成される。図3は、この立案条件の一例である。
【0025】
位置決め回数抽出手段4は、記憶手段3に記憶されている治療計画を参照し、次の手順に従って患者の位置決め回数を抽出する。
【0026】
先ず治療計画に基づいて、すべての患者ID及び治療計画IDごとに、同日に行われる連続照射の有無を確認する。
【0027】
位置決め回数抽出手段4は、基本的には照射1回について1回の位置決めと判断するが、連続照射は以下のように判断する。
【0028】
連続照射の場合、照明のアイソセンター位置が同じかどうか判断し、アイソセンター位置が異なる照射はそれぞれ位置決めを行うと判断する。アイソセンター位置が同じ照射の場合、治療台の位置が同じかどうかを判断する。治療台の位置が異なる照射はそれぞれ位置決めを行うと判断し、治療台の位置が同じ照射は位置決め回数を1回と判断する。なお、連続でない照射は位置決め回数を1回とする。
【0029】
例えば、連続照射が無い場合、照射回数が位置決め回数となる。連続照射がありアイソセンターが2箇所の場合、位置決め回数は2回となる。連続照射がありアイソセンターが同じ治療台の位置が3箇所の場合、位置決め回数は3回となる。連続照射がありアイソセンターが同じで治療台の位置も同じ場合、位置決め回数は1回となる。
【0030】
照射時間抽出手段5は、例えば記憶手段3に記憶されている治療計画を参照し、この治療計画から1日の総照射時間を抽出する。従って、例えば治療計画の情報の1つとして、各回の所要照射時間を予め記録しておく。
【0031】
治療室使用時間推定手段6は、各患者IDおよび各治療計画IDごとの治療室使用時間を推定する。この推定は、例えば次式に従って行われる。
治療室使用時間=[1回当たりの位置決め時間]×[位置決め回数]+[1日の総照射時間]
尚、1回当たりの位置決め時間は、例えば臨床的に取得された統計値、或いは、統計値に所要の余裕を持たせた値が用いられる。
【0032】
治療室使用時間記憶手段7は、治療室使用時間推定手段6によって推定された治療室使用時間を患者及び治療計画(図2参照)ごとに記憶する。
【0033】
治療室スケジュール立案手段8は、治療室使用時間記憶手段7に記憶されている推定に基づく治療室使用時間を用い、患者及び治療計画ごとに治療室の使用状況および空室状況を推定する。そして、治療室スケジュール立案手段8は、推定した使用状況および空室状況に基づき、患者及び治療計画ごとに、例えば、患者の待ち時間や治療室の空き時間を最小にするなどの最適化による方法で治療室の利用効率が高くなる治療室スケジュールを決定する。
【0034】
データ管理手段9は、治療室スケジュール立案手段8によって決定された治療室スケジュールを記憶する。この治療室スケジュールは、例えば、日程表の形式で表示可能なデータに加工されて記憶される。
【0035】
表示手段10は、オペレータの要求に従ってデータ管理手段9に記憶された治療室スケジュールをモニタ表示する。この治療室スケジュールは、日及び時間帯ごとに治療室を使用する患者の一覧や順序などである。
【0036】
本実施形態の粒子線治療スケジューリングシステムによれば、治療計画等の情報を基にして算出した位置決め回数および照射時間から治療室使用時間を抽出して治療室スケジュールを立案するので、信頼性の高い治療室スケジュールを立案することができる。
【0037】
また、本実施形態の粒子線治療スケジューリングシステム1において、粒子線治療の治療室スケジュールを立案する粒子線治療スケジューリング方法が実施される。
【0038】
この粒子線治療スケジューリング方法では、患者個別の位置決め回数の指摘となる情報(連続照射の回数)と1日当りの照射時間とを記憶し、位置決め回数を抽出し、この位置決め回数に位置決め1回当りの所要時間を乗じて位置決め時間を算出する。1日当りの照射時間に前記算出された位置決め時間を加えた時間を患者一人当りの治療室使用時間として推定する。
【0039】
そして、この治療室使用時間を用いて、治療室スケジュールを立案する。
【0040】
この粒子線治療スケジューリング方法は、治療室スケジュールの立案に際して、治療照射の各種操作のうち所要時間が最大となる患者の位置決め操作が考慮される。
【0041】
(第2実施形態)
図4は本発明に係る粒子線治療スケジューリングシステムの第2実施形態を示す図である。
【0042】
本実施形態は、第1実施形態の粒子線治療スケジューリングシステム1に治療室使用不可情報記憶手段11A、及び代替スケジュール立案手段12Aを追加した例である。なお、第1実施形態と同様の構成は同一符号を付して説明を省略し、第1実施形態の構成を変更し或いは新たに追加した構成は符号に「A」を付して説明する。
【0043】
治療室使用不可情報記憶手段11Aは、想定に基づく治療室の機器故障や患者の体調不良、その他の治療不能(治療室の使用不能)となる治療室使用不可情報を受けとったとき、これを代替スケジュール立案手段12Aに通知する。この治療室使用不可情報は、予め事前策定されるもので、入力手段2を介してオペレータから治療室使用不可情報記憶手段11Aに送られる。
【0044】
代替スケジュール立案手段12Aは、治療室使用不可情報記憶手段11Aから治療室使用不可情報を受け取ったとき、既に立案されている治療室スケジュールとは別に、「代替スケジュール」を立案する。
【0045】
代替スケジュールは、ある患者を予定の日時に照射できなくなったと仮定して、又は、ある治療室が機器故障等により使用できなくなったと仮定して、残りの治療可能な患者や治療室を対象とし、通常の治療室スケジュールの手順に準じて代替スケジュールを立案する。治療不能な仮想上の患者、日時、治療室などは、種々の組み合わせが考えられるので、その組み合わせに応じた複数のパターンで代替スケジュールが立案される。
【0046】
尚、表示手段10は、治療室スケジュール立案手段8で立案された治療スケジュールと代替スケジュール立案手段12Aで立案された代替スケジュールを同時に又は選択的に表示する。
【0047】
本実施形態の粒子線治療スケジューリングシステム1Aによれば、第1実施形態に示されたものと同様、粒子線治療スケジューリング方法が実施される。
【0048】
この粒子線治療スケジューリング方法では、さらに、患者又は治療室の不具合その他の事情により、何れかの治療室が使用できなくなる日及び時間帯を治療室使用不可情報として記憶し、治療室使用不可情報に印された使用できなくなる治療室の日及び時間帯を除外して治療室スケジュールを立案し、これを代替スケジュールとする複数のパターンの代替スケジュールが立案される。これにより、患者の都合や機器の故障などの突発的事象が生じたときでも、その突発的事象を考慮した代替スケジュールに従って効率よく1日の治療照射を全うできる。又、この代替スケジュールは、スタッフが自ら立案する必要がないので、突発的事象の発生によってスタッフの負担が発生することもない。
【0049】
(第3実施形態)
図5は本発明に係る粒子線治療スケジューリングシステムの第3実施形態を示す図である。
【0050】
本実施形態は、第1実施形態の粒子線治療スケジューリングシステム1に記憶手段3B、治療室スケジュール監視手段13B、及び治療室スケジュール再立案手段14Bを追加した例である。なお、第1実施形態と同様の構成は同一符号を付して説明を省略し、第1実施形態の構成を変更し或いは新たに追加した構成は符号に「B」を付して説明する。
【0051】
記憶手段3Bは、各治療室ごとの治療室スケジュールの進捗、即ち、既に完了し又は現在実行中の照射の状況(例えば、現在の患者:患者A、照射工程:連続照射の2回目実行中、現在時刻:15時30分)を「治療室使用実績」として記憶する。尚、この治療室使用実績は、自動的に或いは入力手段2を介してオペレータにより記憶される。
【0052】
治療室スケジュール監視手段13Bは、データ管理手段9に記憶され治療室スケジュール立案手段8によって既に作成れた治療室スケジュールと、記憶手段3Bに記憶されている治療室使用実績とを比較し、治療室スケジュールと治療室使用実績の互いの時間的ずれをモニタリングする。このモニタリングは、治療室ごとに行われる。
【0053】
治療室スケジュール再立案手段14Bは、治療室スケジュールと治療室使用実績の時間的ずれが所定以上となったことを条件に、治療室スケジュールの再度の立案(改定)を行う。
【0054】
改定の治療室スケジュールは、基本的に第1実施形態と同様の手順に従って行われ、全ての治療室について時間的ずれが解消するように立案される。
【0055】
治療室スケジュール再立案手段14Bは、治療室スケジュールを改定したときは、最新の治療室スケジュールを有効とし、治療室使用実績との時間的ずれが所定以上となった治療室スケジュールを無効にする。
【0056】
本実施形態の粒子線治療スケジューリングシステムによれば、第1実施形態で示されたものと同様、粒子線治療スケジューリング方法が実施される。
【0057】
さらに、この粒子線治療スケジューリング方法では、治療室スケジュールの進捗を示す治療室ごとの治療室使用実績を記憶し、さらに、治療室スケジュールと治療室使用実績の時間的ずれを監視し、治療室スケジュールと治療室使用実績の時間的ずれが所定以上となったとき、この時間的ずれが解消されるように、治療室スケジュールの再度の立案を行うとともに、時間的ずれが所定以上となった治療室スケジュールを無効とし、最新の治療室スケジュールを有効とする治療室スケジュール再立案が行なわれる。この粒子線治療スケジューリング方法によれば、1日の治療照射の中で、立案された治療室スケジュールがその進捗と大きくずれることがなくなる。即ち、一定以上の時間的ずれが生じたときは、時間的ずれが解消されるような治療室スケジュールがリアルタイムで修正される。要するに、治療照射の工程が治療室スケジュールから外れるような事象が生じたときでも、スタッフによる治療室スケジュールの改定作業を要することなく、治療照射はスケジュールどおりに進行していく。
【0058】
以上、本発明に係る粒子線治療スケジューリングシステムを第1実施形態〜第3実施形態に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載の発明の要旨を逸脱しない限り設計の変更や追加等は許容される。
【符号の説明】
【0059】
1,1A,1B…粒子線治療スケジューリングシステム,2…入力手段,3,3B…記憶手段,4…位置決め回数抽出手段,5…照射時間抽出手段,6…治療室使用時間推定手段,7…治療室使用時間記憶手段,8…治療室スケジュール立案手段,9…データ管理手段,10…表示手段,11A…治療室使用不可情報記憶手段,12A…代替スケジュール立案手段,13B…治療室スケジュール監視手段,14B…治療室スケジュール再立案手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子線治療の治療室スケジュールを立案する粒子線治療スケジューリングシステムにおいて、
患者個別の位置決め回数の指標となる情報及び1日当たりの照射時間を記憶する記憶手段と、
前記位置決め回数に位置決め1回あたりの所要時間を乗じて位置決め時間を算出し、1日当たりの照射時間に前記位置決め時間を加えた時間を患者一人当たりの治療室使用時間とする治療室使用時間推定手段と、
前記治療室使用時間を用いて、治療室スケジュールを立案する治療室スケジュール立案手段と、
を備えることを特徴とする粒子線治療スケジューリングシステム。
【請求項2】
前記位置決め回数の指標となる情報は、各々の患者を特定するための患者ID、患者ごとの治療計画を特定するための治療計画ID、治療計画ごとの照射条件を特定するための照射条件ID、ならびに、治療計画ごとの患者の治療部位、治療開始予定日、治療終了予定日、治療期間、照明情報、治療照射に用いる粒子線ビームの種類、エネルギー、ポート状態、1回の治療の照射線量、全治療期間の総照射線量を含み、
前記位置決め回数の指標となる情報に基づいて、前記患者ID及び前記治療計画IDごとに、アイソセンターが異なる連続照射およびアイソセンターが同じで治療台の位置が異なる連続照射はそれぞれ位置決めを行うと判断する位置決め回数抽出手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の粒子線治療スケジューリングシステム。
【請求項3】
何れかの治療室が使用できない日及び時間帯を治療室使用不可情報として記憶する治療室使用不可情報記憶手段と、
前記治療室使用不可情報に印された治療室が使用できない日及び時間帯を除外した代替スケジュールを立案とする代替スケジュール立案手段を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の粒子線治療スケジューリングシステム。
【請求項4】
前記記憶手段は、治療室スケジュールの進捗を示す治療室ごとの治療室使用実績を記憶し、さらに、
前記治療室スケジュールと治療室使用実績の時間的ずれを監視する治療室スケジュール監視手段と、
前記治療室スケジュールと治療室使用実績の時間的ずれが所定以上となったとき、この時間的ずれが解消されるように、治療室スケジュールの再度の立案を行うとともに、時間的ずれが所定以上となった治療室スケジュールを無効とし、再度立案された治療室スケジュールを有効とする治療室スケジュール再立案手段とを備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の粒子線治療スケジューリングシステム。
【請求項5】
粒子線治療の治療室スケジュールを立案する粒子線治療スケジューリング方法において、
患者個別の位置決め回数の指標となる情報から位置決め回数を抽出し、
前記位置決め回数に位置決め1回あたりの所要時間を乗じて位置決め時間を算出し、1日当たりの照射時間に前記位置決め時間を加えた時間を患者一人当たりの治療室使用時間として推定し、
前記治療室使用時間を用いて治療室スケジュールを立案することを特徴とする粒子線治療スケジューリング方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−194066(P2011−194066A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−64980(P2010−64980)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】