説明

粒子線治療装置

【課題】この発明は、照射中においても、可変コリメータの形状を精度よく確認することができるとともに小型化を図ることができる粒子線治療装置を提供するものである。
【解決手段】粒子線ビームの形状を被照射体の疾患部分の形状に合わせて変化させる可変コリメータと、可変コリメータの上流側で粒子線ビームの照射領域内に配設され、光源からの光を反射させて可変コリメータを通過させる光源ミラーと、光源ミラーを支持する支持体と、可変コリメータの下流側に配設され、可変コリメータを通過した光により可変コリメータにより整形された照射野形状が投影される撮影スクリーンと、投影部を撮影する撮影装置と、撮影装置により撮影した映像を解析する画像処理装置とを備え、粒子線ビームが光源ミラーを透過したときのビームエネルギーロス量と支持体を透過したときのビームエネルギーロス量がほぼ同じになるように構成したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、癌や悪性腫瘍等の治療のために、炭素、陽子等の粒子線を患者の疾患部分に照射して治療する粒子線治療装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
患者の癌や悪性腫瘍等の治療のために、疾患部分に適切な線量の粒子線を照射して治療するには、粒子線の照射領域を患者の疾患部分の形状と一致させる必要がある。そのためには、複数のリーフからなる可変コリメータの形状が適切に設定されていることに加え、疾患部分全体に均一な線量が照射されるように、水平方向(照射野の面上)の照射線量、および垂直方向(深さ方向)の照射線量の分布をいずれも均一化することが重要である。特に粒子線の照射領域を患者の疾患部分の形状と一致させるために、可変コリメータの形状確認が重要となってくる。
【0003】
なお、例えば、下記の特許文献1(特開平10−76019号公報)には、放射線システムのセットアップ段階で放射線ビームが停止中に作動される光源と、放射線ビームの放射経路中にその照射領域範囲外まで延在する光学素子(ミラー)を設けている。その光源を作動して光学素子に可視光を送出する。光学素子に受光された可視光は反射してコリメータを通過して患者の体表面に照射される。その光照射野とターゲットゾーンの領域とが一致するように位置決めを行っている。
【0004】
また、下記の特許文献2(実開昭62−186753号公報)には、光照射野を利用したシミュレーションのため、ランプからなる光源と、放射線ビームの放射経路中にその照射領域範囲外まで延在するミラーと、光源の近くに設置されたTVカメラを設けている。その光源を作動してミラーに光を送出する。ミラーに受光された光は反射して可変(可動)コリメータを通過して患者の体表面に照射される。その光照射野と患者との関係をTVカメラで観察している。
【0005】
また、下記の特許文献3(特開平6−246015号公報)には、光照射野を利用した照射範囲の確認のため、光源と、放射線の放射経路中にその照射領域範囲外まで延在する鏡Aと、光源と鏡Aとの間に設けた鏡Bと、鏡Bの近くに設置されたテレビカメラを設けている。その光源を作動して鏡Aに光を送出する。鏡Aに受光された光は反射して可変(可動)コリメータを通過して患者の体表面に照射される。その光照射野と患者との関係は鏡Aから鏡Bに写され、鏡Bに写された状態をテレビカメラで観察している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−76019号公報
【特許文献2】実開昭62−186753号公報
【特許文献3】特開平6−246015号公報
【特許文献4】特公平6−96048号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記の各特許文献1〜3に記載されるような従来装置では、光源から送出された光を鏡(ミラー)で反射させて可変(可動)コリメータを通過させ、患者の体表面に照射された光照射野を目視確認、あるいはテレビカメラにより確認するようにしているが、可変コリメータの患者毎に整形される癌などの疾患部分の形状を直接的に確認していない。したがって、患者の体表面が水平ではなく複雑な曲面を持った体表面であり、可変コリメータの設定形状を精度よく確認することは困難なものとなっている。また、鏡(ミラー)は患者の体表面に照射された光照射野全体と言う広範囲な領域を監視する必要があり、放射線の照射領域範囲外まで延在させる必要があり、水平方向の設置スペースを確保する必要があるとともに、放射線の照射軸方向に占める長さも数10cmと大きいものとなり、放射線の照射部が大型化している。
【0008】
さらに、可変コリメータの形状を確認する手段として、可変コリメータの上流側からカメラで撮影することが考えられている。しかし、カメラで撮影した映像では可変コリメータの上部を直接撮影しているため、可変コリメータの上面が鏡(ミラー)からの光で乱反射し、その可変コリメータの平面部とコリメータエッジ部と端部は不鮮明な状態であり、そのエッジ部を解析し、コリメータリーフで形成した2次元形状を抽出するのは容易ではない。そのエッジ部を解析するには複雑な画像認識ソフトが必需であるとともにその認識作業に多大の労力と手間を要している。しかも、粒子線治療装置で要求される例えば1mm以下の精度の形状確認は実質的に困難なものとなっていた。
【0009】
また、粒子線治療装置で、高度な3次元照射法である積層原体照射法などでは、1回の治療照射中に、2回以上にわたり、可変コリメータの形状を変更させる必要がある。粒子線治療装置では、可変コリメータと患者の間に患者コンペンセタと呼ばれる装置が挿入される場合が多く、その場合、上述した従来技術にあるように、可変コリメータの形状を患者体表面に投影して、その投影像を監視することは不可能であった。
【0010】
この発明は、照射中においても、可変コリメータの形状を精度よく確認することができるとともに小型化を図ることができる粒子線治療装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明の粒子線治療装置は、被照射体に照射する粒子線ビームの形状を上記被照射体の疾患部分の形状に合わせて変化させる可変コリメータと、 上記可変コリメータにより整形された照射野形状を撮影するための光源と、上記可変コリメータの上流側で上記粒子線ビームの照射領域内に配設され、上記光源からの光を反射させて上記可変コリメータを通過させる光源ミラーと、上記粒子線ビームの照射領域内に配設され、上記光源ミラーを支持する支持体と、上記可変コリメータの下流側に配設され、上記可変コリメータを通過した光により上記可変コリメータにより整形された照射野形状が投影される撮影スクリーンと、上記撮影スクリーンに投影された投影部を撮影する撮影装置と、上記撮影装置により撮影した映像を解析する画像処理装置とを備え、上記粒子線ビームが上記光源ミラーを透過したときのビームエネルギーロス量と上記支持体を透過したときのビームエネルギーロス量がほぼ同じになるように構成したものである。
【発明の効果】
【0012】
この発明に係る粒子線治療装置は、光源からの光を光源ミラーにより反射させて可変コリメータを通過させ、可変コリメータを通過した光により可変コリメータにより整形された照射野形状を撮影スクリーンに投影し、撮影スクリーンの投影部を撮影装置により撮影し、撮影装置により撮影した映像を画像処理装置で解析するとともに粒子線ビームが光源ミラーを透過したときのビームエネルギーロス量と支持体を透過したときのビームエネルギーロス量がほぼ同じになるようにしたことにより、可変コリメータにより整形された照射野形状を精度よく確認することができるとともにビームエネルギーロス量を均等にできる効果を有する。
【0013】
この発明の上記以外の目的、特徴、観点および効果は、図面を参照する以下のこの発明の詳細な説明から、さらに明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明の実施の形態1における粒子線治療装置を示す概略構成図である。
【図2】この発明の実施の形態2における粒子線治療装置の要部を示す概略構成図である。
【図3】この発明の実施の形態5における粒子線治療装置の要部を示す概略構成図である。
【図4】この発明の実施の形態5における粒子線治療装置の光源ミラー部を示す拡大図である。
【図5】この発明の実施の形態6における粒子線治療装置の要部を示す概略構成図である。
【図6】この発明の実施の形態8における粒子線治療装置の要部を示す概略構成図である。
【図7】この発明の実施の形態8における粒子線治療装置の光源ミラー部を示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施の形態1.
この発明の実施の形態1による粒子線治療装置を図1に示す概略構成図に基づいて説明する。なお、可変コリメータ12については斜視図として示している。図1において、1は図示しない加速器から輸送される炭素、陽子等の粒子線ビームであり、照射軸方向に進行される。2は電磁石であり、一対の電磁石2a,2bから構成され、加速器から輸送された粒子線ビーム1の軌道を走査する。3は電磁石2を通過した粒子線ビーム1を拡散する散乱体、4は散乱体3を通過した粒子線ビーム1の照射線量が計測される線量モニタ、5は突部分の厚みによって深さ方向のエネルギースペクトル(線量分布)が調整され、粒子線ビーム1に治療患部の深さ方向幅に応じたエネルギースペクトルを持たせるリッジフィルタ(又はエネルギー変調手段)、6は設定された厚み分だけ通過した粒子線ビーム1のエネルギーを所定量低減させるレンジシフタ、7はレンジシフタ6を通過した粒子線ビーム1の平坦度を計測する平坦度モニタ、8はライトローカライザーであり、治療ベツド9に載置された患者である被照射体10の疾患部分の位置決めを行うために使用される。11は不要な粒子線ビーム1をカットする固定コリメータ、12は固定コリメータ11を通過した粒子線ビーム1を更に整形させ、粒子線形状を被照射体10の疾患部分の形状と一致させるための可変コリメータであり、複数のリーフ12aを被照射体10の疾患部分の形状に合致するよう変化させて所望の照射野形状を形成するように構成されている。13は患部に照射された粒子線ビームの停止位置を患部と正常組織境界面位置に合わせるために用いる患者コンペンセタ(通称、患者ボーラスまたは補償フィルタ)である。
【0016】
14は可変コリメータ12の形状を撮影するための光源であり、図は一例として、可変コリメータ12より上流側に位置する箇所に設けられている。15は可変コリメータ12の上流側で粒子線ビーム1の照射領域内に配設され、光源14からの光を反射させて可変コリメータ12を通過させる光源ミラーであり、光源14からの光は水平方向から送出されるので、光源ミラー15は略45度に傾斜されて光源14からの光を可変コリメータ12側に反射させている。なお、光源ミラー15は粒子線ビーム1が透過する材料で構成される。16は光源ミラー15を支持する支持体、17は支持体16を支持する支持台、18は可変コリメータ12の下流側に配設され、可変コリメータ12を通過した光により可変コリメータ12の照射野形状が投影される撮影スクリーンであり、18aが投影部である。なお、撮影スクリーン18は粒子線ビーム1が透過する材料、例えばポリエチレンなどのプラスチック又は薄い板等で構成される。19は撮影スクリーン18に投影された投影部18aを撮影する撮影装置であり、例えば小型カメラで構成されている。20は撮影装置19である小型カメラにより撮影した映像を解析する画像処理装置である。21は撮影スクリーン18に投影された投影部18aを撮影するための撮影ミラー、22は撮影ミラー21に写し出された撮影スクリーン18の投影部18aを撮影する撮影装置であり、例えば小型カメラで構成されている。23は撮影装置22である小型カメラにより撮影した映像を解析する画像処理装置である。
【0017】
上述した実施の形態1による粒子線治療装置の動作について説明する。加速器から輸送された粒子線ビーム1は電磁石2により軌道が走査されて散乱体3を通過することにより粒子線ビーム1が拡散される。散乱体3を通過した粒子線ビーム1はリッジフィルタ5により深さ方向のエネルギースペクトル(線量分布)が調整される。リッジフィルタ5を通過した粒子線ビーム1はレンジシフタ6によりその粒子線ビーム1のエネルギーが所定量低減される。レンジシフタ6を通過した粒子線ビーム1は固定コリメータ11により不要な粒子線ビーム1がカットされる。固定コリメータ11を通過した粒子線ビーム1は可変コリメータ12により整形され計画された照射野形状を形成するようになる。可変コリメータ12を通過した粒子線ビーム1は被照射体10の疾患部分の深さ方向の形状に対応して成形される患者コンペンセタ(ボーラス)13を通過する。患者コンペンセタ13を通過した粒子線ビーム1は被照射体10の疾患部分に照射されて、患部3次元形状に合わせた線量分布が形成される。
【0018】
ところで、可変コリメータ12の形状が設定通りに設定されているかを確認するには、光源14を作動させて略水平方向の光14aを送出する。この光14aは略45度に傾けた光源ミラー15により反射されて可変コリメータ12側へ光14bを送出するとともに可変コリメータ12を通過する。可変コリメータ12を通過した光14cにより可変コリメータ12の形状が撮影スクリーンに投影される。撮影スクリーン18に投影された投影部18aを小型カメラからなる撮影装置19により撮影しその映像を画像処理装置20により解析することにより、可変コリメータ12の形状を容易に確認することができる。また、図は一例として、さらに撮影ミラー21に写し出された撮影スクリーン18の投影部18aを小型カメラからなる撮影装置22により撮影しその映像を画像処理装置23により解析するようにしている。尚、上記光源ミラー15と、その支持体16、および撮影スクリーン18は粒子線ビーム1が通過し易い物体で形成されているので、粒子線ビーム1が被照射体10に問題なく到達できる。
【0019】
この発明の実施の形態1によれば、光源14からの光14aを光源ミラー15により反射させて可変コリメータ12側へ光14bを送出するとともに可変コリメータ12を通過した光14cにより可変コリメータ12の形状を撮影スクリーン18に投影し、撮影スクリーン18の投影部18aを撮影装置19、22により撮影し、撮影装置19、22により撮影した映像を画像処理装置20、23で解析するようにしたことにより、可変コリメータ12により整形された被照射体10の疾患部分の形状を容易に確認することができる。また、この解析によって特定したコリメータの形状を予め治療計画に基づいて決めたコリメータ形状の設定画像と比較することが可能である。上述した従来技術では可変コリメータの上面が鏡(ミラー)からの光で乱反射し、その可変コリメータの上流側平面部とコリメータリーフ先端部(上記平面部と垂直している部分)の対応する画像が区別付き難くなり、上記平面部と先端部の交差する部分であるリーフエッジ部は不鮮明な状態であり、そのエッジ部を画像解析して抽出するのは容易ではなく、そのエッジ部を解析するには複雑な画像認識ソフトが必需であるとともにその認識作業に多大の労力と手間を要していた。しかるに、この発明の実施の形態1においては、可変コリメータ12を通過した光14cにより可変コリメータ12により整形された被照射体10の疾患部分の形状が撮影スクリーン18の投影部18aに光の陰陽の識別などにより、可変コリメータ12の平面部と患者である被照射体10に整形された疾患部分の水平方向形状のエッジ部は極めて鮮明な状態であり、そのエッジ部の解析を複雑な画像認識ソフトを必需とすることなく、かつその認識作業に多大の労力と手間を要することなく精度よく解析できる効果を有するものである。しかも、粒子線治療装置で要求される例えば1mm以下の精度の形状確認にも対応できるものである。
【0020】
また、撮影スクリーン18の色は通常、白色であるが、可変コリメータ12を通過した光14cとの区別がさらにくっきり差別化できる色からなる撮影スクリーン18とするか、或いは光源14から送出される光を色付きの光とすることにより、可変コリメータ12を通過した光14cと撮影スクリーン18の投影部18a以外との区別がさらにくっきり差別化するようにしてもよく、これらの場合は可変コリメータ12のエッジ部はさらに鮮明な状態となり、より一層精度よく特定することができる。
【0021】
また、上述した従来技術の鏡(ミラー)は患者の体表面に照射された光照射野全体と言う広範囲な領域を写す必要があり、放射線の照射領域範囲外まで延在させるとともに、放射線の照射軸方向に占める長さも数10cmと大きいものとなり、放射線の照射部が大型化している。しかるに、この発明の実施の形態1における光源ミラー15は光源14からの光を反射させるだけでよいので、水平方向を小さくできるとともに、粒子線ビーム1の照射軸方向に占める長さも数cm、例えば3〜4cmでよく、粒子線治療装置の照射部の小型化を図ることができる効果を有するものである。
【0022】
また、光源ミラー15、撮影スクリーン18は粒子線ビーム1が透過するので、粒子線ビーム1の照射中においても、可変コリメータ12を通過した光14cにより可変コリメータ12の形状を精度よく確認することができる。また、この実施例では、光源ミラー15およびその支持体16と、撮影スクリーン18の厚みをなるべく薄くすることで、粒子線ビーム1に与える影響を抑えることが望ましい。
【0023】
さらに、患者である被照射体10の治療段階で可変コリメータ12の形状を変化させた場合も、その変更された形状を精度よく容易に確認できるので、粒子線ビーム1の照射治療を患者へのストレス、不安感などを与えることなく連続して行うことができる。一例としては、粒子線治療で用いられる標的部位を深さ方向において複数の層状領域に分割してそれぞれの層に対して最適なコリメータ形状を設定して照射を行う必要のある所謂積層3次元照射法(特許文献4参照)を実施する際に、照射中に変化する可変コリメータ12の設定形状を精度よく確認できる効果がある。
【0024】
ところで、撮影スクリーン18の投影部18aを撮影する手段として、小型カメラからなる撮影装置19と画像処理装置20、そして撮影ミラー21と小型カメラからなる撮影装置22と画像処理装置23を設置しているが、いずれか一方の撮影手段を選択すれば所望の目的を達成することができる。
【0025】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2による粒子線治療装置の要部を図2に示す概略構成図に基づいて説明する。図2において、1、12、14、14a、14b、14c、18、18aは上述した実施の形態1の構成と同様である。24は可変コリメータ12の上流側で粒子線ビーム1の照射領域内に配設され、光源14からの光を反射部24aで反射させて可変コリメータ12を通過させる光源ミラーであり、光源14からの光は略水平方向から送出されるので、光源ミラー24は略45度に傾斜されて光源14からの光を光源ミラー24の反射部24aで可変コリメータ12側に反射させている。なお、光源ミラー24は粒子線ビーム1が透過する材料で構成される。25は光源ミラー24を支持する支持体又は光源ミラー24の一構成部である。
【0026】
この発明の実施の形態2による粒子線治療装置は図2から明らかなように、光源ミラー24とその光源ミラー24を支持する支持体25は一体構造体で構成されている。図は一例として、例えば1枚のアルミニウムからなる板材を中央部が略45度に傾斜するよう段違い状に折曲し、その中央部にミラーコーティングまたは鏡面加工を施して反射部24aを形成することにより光源ミラー24を構成し、その光源ミラー24の一方端および他方端にそれぞれつながる部分を支持体25として構成している。ところで、光源ミラー24、支持体25の基材であるアルミニウムの板厚は粒子線ビーム1の透過によるビームエネルギーロスを極力低く抑えるため1mm程度または1mm以下が望ましく、例えば0.5mmまたは0.3mmのものが使用される。
【0027】
この発明の実施の形態2によれば、1枚のアルミニウムからなる板材を中央部が略45度に傾斜するよう段違い状に折曲し、その中央部にミラーコーティングを施して(又は中央部の少なくとも一部に光反射面を形成するように鏡面加工などを施して)反射部24aを形成することにより光源ミラー24を構成し、その光源ミラー24の一方端および他方端にそれぞれつながる部分を支持体25として構成したことにより、容易に光源ミラー24を形成することができるとともに、その光源ミラー24の支持を一体構造体からなる支持体25で支持することができるので強固な支持構造とすることができる。
【0028】
ところで、この発明の実施の形態2による光源ミラー24、支持体25を構成する材料としてアルミニウムからなる場合について述べたが、これに限定されるものではなく、アルミニウム合金、銅、銅箔、マグネシウム、プラスチック、アクリル、ポリイミドなどであってもよく、略45度に傾斜して形成した光源ミラー24の少なくとも一部にミラーコーティングまたは鏡面加工などを施して反射部24aを形成することにより光源ミラー24を構成しても同様の効果を奏する。また、光源ミラー24とその支持体25を別々の材料で構成し、図2に示すような段違い形状を有するように接着剤などの手段で結合して一体的に構成してもよく、同様の効果を奏する。
【0029】
実施の形態3.
この発明の実施の形態3による粒子線治療装置を図2から明らかなように、光源ミラー24は粒子線ビーム1の照射領域内に配置したことを特徴としている。したがって、上述した従来技術の鏡(ミラー)のように粒子線ビーム1の照射領域範囲外まで延在かつ粒子線ビーム1の照射軸方向に占める長さも数10cmと大きいものとする必要がなく、光源ミラー24は光源14からの光を反射させるだけでよいので、粒子線ビーム1の照射領域内に配置することができる。その結果として、光源ミラー24を小さくできるとともに、粒子線ビーム1の照射軸方向に占める長さ、すなわち、高さも小さくできる。光源ミラー24の高さは数cmでよく、例えば3〜4cmとすることができる。このように、光源ミラー24の位置において、粒子線ビーム1の照射方向と垂直する平面において、粒子線ビーム1の照射領域よりも、光源ミラー24の照射方向における高さを小さくできることが、粒子線治療装置の照射部の小型化を図ることができる効果を有するものである。
【0030】
実施の形態4.
この発明の実施の形態4による粒子線治療装置は上述した図2における光源ミラー24を凸面鏡としたことを特徴としている。このように光源ミラー24を凸面鏡としたことにより、光源14からの光を凸面鏡の機能により反射させる角度をさらに広げることができるので、水平方向および粒子線ビーム1の照射軸方向に占める長さをより一層小さくすることができる。
【0031】
実施の形態5.
この発明の実施の形態5による粒子線治療装置を図3および図4に基づいて説明する。図3は粒子線治療装置の要部を示す概略構成図であり、図4は粒子線治療装置の光源ミラー部を示す拡大図である。これら各図において、1、12、14、14a、14b、14c、18、18aは上述した各実施の形態の構成と同様または同等である。26は可変コリメータ12の上流側で粒子線ビーム1の照射領域内に配設され、光源14からの光を反射部26aで反射させて可変コリメータ12を通過させる光源ミラーであり、光源14からの光は略水平方向から送出されるので、光源ミラー26は略45度に傾斜されて光源14からの光を光源ミラー26の反射部26aで可変コリメータ12側に反射させている。なお、光源ミラー26は粒子線ビーム1が透過する材料で構成される。27は光源ミラー26を支持する支持体であり、光源ミラー26と同じ材料で構成した場合、光源ミラー26の板厚T1より厚く構成されている。
【0032】
すなわち、図4に示すように、光源ミラー26は支持体27より約45度(又はθ度)傾いているため、支持体27の厚みT2を例えば1.414T1(又はT1/cos(θ))とすることにより、粒子線ビーム1のうち光源ミラー26を透過する粒子線ビームのビームエネルギーロス量と支持体27を透過する粒子線ビームのビームエネルギーロス量とほぼ同じ値になるように構成されている。すなわち、粒子線ビーム1が光源ミラー26およびその支持部である支持体27を通過しても、粒子線ビーム1のビームエネルギーはほぼ同じ値だけ減少するが、粒子線ビーム1のエネルギー分布に殆ど変化が生じないようにすることができる。このことが粒子線ビーム1の患者体内における停止位置を約1mm以下の精度で制御する必要がある粒子線治療装置では、非常に重要な意味を持つものである。
【0033】
この発明の実施の形態5による粒子線治療装置は図3および図4から明らかなように、光源ミラー26とその光源ミラー26を支持する支持体27は一体構造体で構成されている。図は一例として、例えば1枚のアルミニウムからなる板材を中央部が略45度に傾斜するよう段違い状に折曲した後、その中央部の厚みT1を中央部の両側の厚みT2より薄く、すなわち、T2=1.414T1(又はT1/cos(θ))となるように研磨等で削設し、その後、その中央部にミラーコーティングまたは鏡面加工を施して反射部26aを形成することにより光源ミラー26を構成し、その光源ミラー26の一方端および他方端にそれぞれつながる部分を支持体27として構成している。
【0034】
このように、光源ミラー26の板厚T1とその両端側の支持体27の板厚T2との関係をT2=1.414T1(又はT1/cos(θ))とすることにより、粒子線ビーム1のうち光源ミラー26を透過する粒子線ビームのビームエネルギーロス量と支持体27を透過する粒子線ビームのビームエネルギーロス量とほぼ同じ値になるように構成され、粒子線ビーム1のエネルギー分布に殆ど変化が生じないので、粒子線ビーム1の患者体内における停止位置を約1mm以下の精度で制御することが可能となり、安定した信頼性の高い粒子線治療装置を得ることができる。
【0035】
なお、この発明の実施の形態5においても、光源ミラー26、支持体27の基材板厚は粒子線ビーム1の透過によるビームエネルギーロスを極力低く抑えるため数mm程度以下が望ましく、例えば0.5mmまたは0.3mmのものが使用される。また、光源ミラー26は光源14からの光を反射させるだけでよいので、粒子線ビーム1の照射領域内に配置することができる。その結果として、光源ミラー26を小さくできるとともに、粒子線ビーム1の照射軸方向に占める長さ、すなわち、高さも小さくできる。光源ミラー26の高さは数cmでよく、例えば3〜4cmとすることができる。このように、光源ミラー26の位置において、粒子線ビーム1の照射方向と垂直する平面において、粒子線ビーム1の照射領域よりも、光源ミラー26の照射方向における高さを小さくできることが、粒子線治療装置の照射部の小型化を図ることができる効果を有するものである。
【0036】
さらに、光源ミラー26、支持体27を構成する材料としてアルミニウムからなる場合について述べたが、これに限定されるものではなく、アルミニウム合金、銅、銅箔、マグネシウム、プラスチック、アクリル、ポリイミドなどであってもよく、略45度に傾斜して形成した中央部にミラーコーティングまたは鏡面加工して反射部26aを形成することにより光源ミラー26を構成すればよい。
【0037】
実施の形態6.
この発明の実施の形態6による粒子線治療装置を図5に基づいて説明する。図5は粒子線治療装置の要部を示す概略構成図である。図5において、1、12、14、14a、14bは上述した各実施の形態の構成と同様である。29は可変コリメータ12の上流側で粒子線ビーム1の照射領域内に配設され、光源14からの光を反射部29aで反射させて可変コリメータ12を通過させる光源ミラーであり、光源14からの光は略水平方向から送出されるので、光源ミラー29は略45度に傾斜されて光源14からの光を光源ミラー29の反射部29aで可変コリメータ12側に反射させている。なお、光源ミラー29は粒子線ビーム1が透過する材料で構成される。30は光源ミラー29を支持する支持体である。
【0038】
この発明の実施の形態6による粒子線治療装置は図5から明らかなように、光源ミラー29とその光源ミラー29を支持する支持体30は一体構造体で構成されている。図は一例として、例えば1枚のアルミニウムからなる平面状の円板材の中央部を例えば略円状に切り起こして略45度に傾斜するように折曲し、その切り起こした中央部にミラーコーティングを施して反射部29aを形成することにより光源ミラー29を構成している。ところで、光源ミラー29、支持体30の基材であるアルミニウムの板厚は粒子線ビーム1の透過によるビームエネルギーロスを極力低く抑えるため数mm程度以下が望ましく、例えば0.5mmまたは0.3mmのものが使用される。
【0039】
この発明の実施の形態6によれば、1枚のアルミニウムからなる円板材を中央部が略45度に傾斜するよう切り起こして折曲し、その切り起こした中央部にミラーコーティングまたは鏡面加工を施して反射部29aを形成して光源ミラー29を構成し、その光源ミラー29の他の部分を支持体30として構成したことにより、支持体30の中央部を切り起こして折曲するだけでよく、容易に光源ミラー29を形成することができるとともに、その光源ミラー29の支持を一体構造体からなる支持体30で支持することができるので強固な支持構造とすることができる。また、光源ミラー29は光源14からの光を反射させるだけでよいので、粒子線ビーム1の照射領域内に配置することができる。その結果として、光源ミラー29を小さくできるとともに、粒子線ビーム1の照射軸方向に占める長さ、すなわち、高さも小さくできる。光源ミラー29の高さは数cmでよく、例えば3〜4cmとすることができる。このように、光源ミラー29の位置において、粒子線ビーム1の照射方向と垂直する平面において、粒子線ビーム1の照射領域よりも、光源ミラー29の照射方向における高さを小さくできることが、粒子線治療装置の照射部の小型化を図ることができる効果を有するものである。
【0040】
ところで、この発明の実施の形態6による光源ミラー29、支持体30を構成する材料としてアルミニウムからなる場合について述べたが、これに限定されるものではなく、アルミニウム合金、銅、銅箔、マグネシウム、プラスチック、アクリル、ポリイミドなどであってもよく、略45度に傾斜して形成した光源ミラー29の少なくとも一部にミラーコーティングまたは鏡面加工などを施して反射部29aを形成することにより光源ミラー29を構成しても同様の効果を奏する。
【0041】
なお、光源ミラー29の形状が略円状の場合について述べたが、円状に限定されるものではなく、四角形状や他の形状でもよく、要するに、光源14からの光を反射させて可変コリメータ12を通過させ、可変コリメータ12を通過した光により可変コリメータ12により整形された照射野形状が撮影スクリーン18に投影できる形状であればよい。
【0042】
実施の形態7.
この発明の実施の形態7による粒子線治療装置は上述した図5における光源ミラー29を凸面鏡としたことを特徴としている。このように光源ミラー29を凸面鏡としたことにより、光源14からの光を凸面鏡の機能により反射させる角度をさらに広げることができるので、水平方向および粒子線ビーム1の照射軸方向に占める長さをより一層小さくすることができる。
【0043】
実施の形態8.
この発明の実施の形態8による粒子線治療装置を図6および図7に基づいて説明する。図6は粒子線治療装置の要部を示す概略構成図であり、図7は粒子線治療装置の光源ミラー部を示す拡大図である。これら各図において、1、12、14、14a、14bは上述した各実施の形態の構成と同様である。31は可変コリメータ12の上流側で粒子線ビーム1の照射領域内に配設され、光源14からの光を反射部31aで反射させて可変コリメータ12を通過させる光源ミラーであり、光源14からの光は略水平方向から送出されるので、光源ミラー31は略45度に傾斜されて光源14からの光を光源ミラー31の反射部31aで可変コリメータ12側に反射させている。なお、光源ミラー31は粒子線ビーム1が透過する材料で構成される。32は光源ミラー31を支持する支持体であり、光源ミラー31の板厚T1より厚く構成されている。
【0044】
すなわち、図7に示すように、支持体32の厚みT2を例えば1.414T1(又はT1/cos(θ))とすることにより、粒子線ビーム1のうち光源ミラー31を透過する粒子線ビームのビームエネルギーロス量と支持体32を透過する粒子線ビームのビームエネルギーロス量とほぼ同じ値になるように構成されている。すなわち、粒子線ビーム1が光源ミラー31およびその支持部である支持体32を通過しても、粒子線ビーム1のビームエネルギーはほぼ同じ値だけ減少するが、粒子線ビーム1のエネルギー分布に殆ど変化が生じないようにすることができる。このことが粒子線ビーム1の患者体内における停止位置を約1mm以下の精度で制御する必要がある粒子線治療装置では、非常に重要な意味を持つものである。
【0045】
この発明の実施の形態8による粒子線治療装置は図6および図7から明らかなように、光源ミラー31とその光源ミラー31を支持する支持体32は一体構造体で構成されている。図は一例として、例えば1枚のアルミニウムからなる平面状の円板材の中央部を例えば略円状に切り起こして略45度に傾斜するように折曲し、その切り起こした中央部の厚みT1を中央部の周囲側の厚みT2より薄く、すなわち、T2=1.414T1(又はT1/cos(θ))となるように研磨等で削設し、その後、その中央部にミラーコーティングまたは鏡面加工を施して反射部31aを形成することにより光源ミラー31を構成し、その光源ミラー31の他の部分を支持体32として構成している。
【0046】
このように、光源ミラー31の板厚T1とその周囲側の支持体32の板厚T2との関係をT2=1.414T1(又はT1/cos(θ))とすることにより、粒子線ビーム1のうち光源ミラー31を透過する粒子線ビームのビームエネルギーロス量と支持体32を透過する粒子線ビームのビームエネルギーロス量とほぼ同じ値になるように構成され、粒子線ビーム1のエネルギー分布に殆ど変化が生じないので、粒子線ビーム1の患者体内における停止位置を約1mm以下の精度で制御することが可能となり、安定した信頼性の高い粒子線治療装置を得ることができる。
【0047】
なお、この発明の実施の形態8においても、光源ミラー31、支持体32の基材であるアルミニウムの板厚は粒子線ビーム1の透過によるロスを極力低く抑えるため数mm程度以下が望ましく、例えば0.5mmまたは0.3mmのものが使用される。また、光源ミラー31は光源14からの光を反射させるだけでよいので、粒子線ビーム1の照射領域内に配置することができる。その結果として、光源ミラー31を小さくできるとともに、粒子線ビーム1の照射軸方向に占める長さ、すなわち、高さも小さくできる。光源ミラー31の高さは数cmでよく、例えば3〜4cmとすることができる。このように、光源ミラー31の位置において、粒子線ビーム1の照射方向と垂直する平面において、粒子線ビーム1の照射領域よりも、光源ミラー31の照射方向における高さを小さくできることが、粒子線治療装置の照射部の小型化を図ることができる効果を有するものである。
【0048】
さらに、光源ミラー31、支持体32を構成する材料としてアルミニウムからなる場合について述べたが、これに限定されるものではなく、アルミニウム合金、銅、銅箔、マグネシウム、プラスチック、アクリル、ポリイミドなどであってもよく、略45度に傾斜して形成した光源ミラー31の少なくとも一部にミラーコーティングまたは鏡面加工などを施して反射部31aを形成することにより光源ミラー31を構成しても同様の効果を奏する。また、光源ミラー31の形状が略円状の場合について述べたが、円状に限定されるものではなく、四角形状や他の形状でもよく、要するに、光源14からの光を反射させて可変コリメータ12を通過させ、可変コリメータ12を通過した光により可変コリメータ12により整形された照射野形状が撮影スクリーン18に投影できる形状であればよい。
【0049】
実施の形態9.
この発明の実施の形態9による粒子線治療装置は上述した図6における光源ミラー31を凸面鏡としたことを特徴としている。このように光源ミラー31を凸面鏡としたことにより、光源14からの光を凸面鏡の機能により反射させる角度をさらに広げることができるので、水平方向および粒子線ビーム1の照射軸方向に占める長さをより一層小さくすることができる。
【0050】
この発明の各種の変形または変更は、関連する熟練技術者が、この発明の範囲と精神を逸脱しない中で実現可能であり、この明細書に記載された各実施の形態には制限されないことと理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0051】
この発明は、癌や悪性腫瘍等の治療のために、炭素、陽子等の粒子線を患者の疾患部分の形状に一致させて照射して治療する粒子線治療装置の実現に好適である。
【符号の説明】
【0052】
1 粒子線ビーム
10 被照射体
12 可変コリメータ
14 光源
15 光源ミラー
18 撮影スクリーン
19 撮影装置
20 画像処理装置
22 撮影装置
23 画像処理装置
24 光源ミラー
26 光源ミラー
26 光源ミラー
29 光源ミラー
30 支持体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被照射体に照射する粒子線ビームの形状を上記被照射体の疾患部分の形状に合わせて変化させる可変コリメータと、
上記可変コリメータにより整形された照射野形状を撮影するための光源と、
上記可変コリメータの上流側で上記粒子線ビームの照射領域内に配設され、上記光源からの光を反射させて上記可変コリメータを通過させる光源ミラーと、
上記粒子線ビームの照射領域内に配設され、上記光源ミラーを支持する支持体と、
上記可変コリメータの下流側に配設され、上記可変コリメータを通過した光により上記可変コリメータにより整形された照射野形状が投影される撮影スクリーンと、
上記撮影スクリーンに投影された投影部を撮影する撮影装置と、
上記撮影装置により撮影した映像を解析する画像処理装置とを備え、 上記粒子線ビームが上記光源ミラーを透過したときのビームエネルギーロス量と上記支持体を透過したときのビームエネルギーロス量がほぼ同じになるように構成したことを特徴とする粒子線治療装置。
【請求項2】
平面状の支持体の中央部を切り起こして反射部を形成することにより上記光源ミラーを構成したことを特徴とする請求項1記載の粒子線治療装置。
【請求項3】
上記光源ミラーを凸面鏡としたことを特徴とする請求項1に記載の粒子線治療装置。
【請求項4】
上記光源ミラーはアルミニウムで構成されたことを特徴とする請求項1に記載の粒子線治療装置。
【請求項5】
上記光源ミラーはプラスチックの表面をミラーコーティングして構成されたことを特徴とする請求項1に記載の粒子線治療装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2011−136243(P2011−136243A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−90074(P2011−90074)
【出願日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【分割の表示】特願2010−543659(P2010−543659)の分割
【原出願日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】