説明

粒子除去性が改善された再生セルロース長繊維不織布とその製法

【課題】本発明は、粒子除去性が改善した再生セルロース長繊維不織布膜およびその製法を提供することを目的とする。特に孔拡散・ろ過法で利用される不織布膜で処理容量が大きく、粒子除去性がデプス型平膜のそれを越える不織布とその製法を与える。

【解決手段】セルロース誘導体のケン化法あるいは銅安法で作製された平膜状の再生セルロース長繊維不織布で、表面の平滑度が高く、該平膜の断面構造において繊維の存在密度が特定された粗密の脈動を持たせたことを特徴とする不織布および通常の製法で得られた再生セルロース製長繊維不織布を、水あるいは水酸化アルカリ金属溶液を含浸させた状態で、プレス機によって膜厚における圧縮率40%以上で圧縮することによって、表面粗さや繊維密度、積層構造が改善され、粒子の除去性が向上した再生セルロース不織布の製法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は分離・除去処理に用いられる再生セルロース長繊維不織布に関するものである。液体および気体中に溶解あるいは分散している微粒子等物質の高度な除去を実現するため、特に孔拡散・ろ過法を利用するのに際し、分離用の平膜として用いられる不織布とその製造方法に関する。

【背景技術】
【0002】
分離膜は、物質の分離や水処理、大気浄化など利用分野が広がっている。従来分離膜は、高機能材料の分離・精製や、医薬品・食品の製造工程での感染性微粒子の除去など、分離・除去あるいは精製後の液体は高価格・高品質のものを前提としていた。そのため分離精製工程は、高コストでも採用されていた。しかし排水処理に適用されるに従い、分離膜の低コスト化と大きな処理容量とが課題となっている。
【0003】
分離膜には、その孔径や孔構造によって、精密ろ過膜、限外ろ過膜、逆浸透膜、透析膜、ろ紙、不織布などの種類があり、膜の形態には平膜、中空糸膜、管状膜などがある。また材質には再生セルロース、セルロース誘導体、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、PVDF、PESなどがある。これらの材料をまず繊維状に成型し、これを平膜状に組み立てたデプス型膜である。繊維質の膜の場合には、繊維長によって長繊維と短繊維のものがあるが、分離用途の場合はリントフリーの長繊維のものが好まれる。
【0004】
分離膜に必要な特性としては、大きなろ過速度や透過容量といわれるいわゆる優れた透過性能と、高い粒子除去性能であるが、粒子除去性能は平均孔径と孔径分布だけではなく、製法上膜に発生するピンホールに大きな影響を受ける。しかしピンホールを完全に防ぐことは難しく、膜の製造上の厳しい品質管理が必要で、そのため分離膜が高コストになる大きな要因となっている。
【0005】
ピンホールの問題を克服する方法としては、膜を複数枚重ねたり、あるいは参考特許文献1にあるように膜の内部構造を多層構造にすることなどによって、ピンホールが直接つながらなくなり、その結果、粒子除去性能の低下を防ぐことができる。
【0006】
多層構造膜とは、一枚の膜の断面を電子顕微鏡で観察した場合、厚さ約0.2μmの筋状物と直径約0.2μmの円状物とがほぼ直線状に並び、筋状物の長さ方向がほぼ膜表面に並行である膜を意味する。一枚の膜としての膜厚は10μm〜1000μmである。この多層構造膜の定義を不織布に当てはめることが可能である。その際、層の厚さは不織布を構成する組織の直径となる。すなわちその孔径や、孔を構成する構造体あるいは繊維などの密度が断面方向において増減する構造を指す。その結果、膜内部の断面方向においてある一定の孔径と膜厚を有する層が積層されたような構造ができ、各層のピンホールなどの欠陥が直接つながらなくなり、全体の粒子除去性が向上する。
【0007】
この際、各層の層間距離は大きくなり過ぎないように配慮する必要がある。大きくなりすぎた場合は、層間において横の流れが必要以上に発生し、本来つながっていないピンホール同士間に流れが生じ、粒子除去性が低下する。そのため、層間距離をコントロールする手法の一つとして、膜の圧縮が行われる。特に不織布を多層構造膜として利用するには衣料用の不織布では不適である。その理由として布表面での毛羽の存在と布の断面において繊維の充填密度が低すぎる。
【0008】
低コストに分離を行うため、不織布がよく利用される。特に長繊維不織布はリントフリーで短繊維の混入が少なく、水処理に向いている。しかし不織布はもともと平均孔径が大きく、何らかの方法で孔径を小さくする必要がある。具体的には、樹脂を含浸させたり、加熱圧縮したりする製法として、参考特許文献2や参考特許文献3などがある。断面方向で観察した際の構造としての理想形も現在明らかでない。
【0009】
参考特許2では樹脂を含浸させた不織布を加熱圧縮することで孔径を所望の大きさに調整する水処理用分離膜である。また参考特許3は不織布の上に樹脂を塗布し、加熱圧縮することで孔径を所望の大きさに調整する水処理用分離膜である。また不織布を加熱圧縮する方法としては参考特許4があり、ローラープレスにより15〜50%圧縮することにより耐通気性が改善されるとしている。これらの場合においても不織布表面の構造や断面の構造についての理想形は開示されていない。

【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2009-095701
【特許文献2】特許4309194
【特許文献3】特開2010-047857
【特許文献4】特開2003-135939
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
不織布にはセルロース、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレンといった材質のものがあり、構成する繊維には長繊維または短繊維の2種がある。不織布は織物の代替品として開発された。そのため現状の不織布は分離膜として適した構造や素材で構成されてはいない。例えば不織布をろ過用分離膜として用いた場合においても粒子除去性能は不十分で性能の再現性にも問題がある。そのため不織布単独で水処理用分離膜として適用している例は少ない。水処理用としてセルロース製不織布は親水性が高く、水処理に適用した場合には粒子が付着しにくく、目詰まりが進行しにくいメリットがある。一方、粒子除去性能の再現性不足と負荷圧力に対する性能変化が著しく、また不織布に対する機械的加工による透過物性の変化が乏しいなど、水溶液に対する透過性能を制御する加工技術が課題であった。
【0012】
特に表面粗さの大きな不織布は、表面粗さの要因となっている繊維末端の突出が、粒子の付着による目詰まりの進行や、粒子除去性能に影響を与えるため、その改善が課題であった。
【0013】
不織布を利用した分離膜においても、粒子除去性を向上させるためには繊維の集合体として積層構造をもたせることが望ましい。不織布を複数枚重ねることによる多層構造化も粒子除去性能の向上にはつながるものの、その手法では整数倍に膜厚が大きくなるため、それに伴って処理速度が低下する。一枚の不織布膜の内部に積層構造を持たせることが最良の手段である。
【0014】
参考特許1や参考特許2は、分離膜を構成する一素材として不織布を用いているものの、実際のろ過性能を発揮するのは不織布に含浸させた樹脂が担い、不織布は基材としての役割が主である。
【0015】
参考特許3に示される圧縮方法も短繊維不織布に対するものであり、単に繊維の充填密度の増加を目的としており、水処理用で粒子除去性能の向上に考慮されたものではない。

【課題を解決するための手段】
【0016】
再生セルロース長繊維不織布を水あるいはアルカリ溶液と共にローラー圧縮した際、膜厚が小さくなるとともに、粒子除去性と透水速度(処理速度)が増すことを発見したことにより、本発明に至った。特に、本手法によって圧縮した該不織布が、断面構造において長繊維独特のより鮮明な積層構造(層の厚さは繊維直径の整数倍)に変化し、その構造が粒子除去性能と透水速度の向上をもたらすことを発見したことにより本発明に至った。
【0017】
不織布は製造工程(紡糸工程)においては不織布の面の垂直方向に大きな加圧力を受けず、その構造は低い繊維密度で仕上げられている。特に衣料用に開発された不織布では織布の代替として布の厚さ方向でのボリューム感を付与するために不織布を構成する繊維間で厚さ方向に物理的交絡を強めている。本発明物では接触しているセルロース繊維同士は分子間水素結合でつながっている。しかも長繊維であるため繊維間の厚さ方向での交絡は少ないため積層構造をとりやすい。この不織布に水を含ませた状態でローラー圧縮された場合、長繊維であるため断面構造は維持したまま、繊維同士の結合は再構成され、高い密度の構造体となる。
【0018】
不織布にアルカリ溶液を含ませた場合には、まずセルロースの水酸基の水素がナトリウムと交換し、アルカリセルロースとなる。アルカリセルロースの状態でローラー圧縮し、その後水洗した場合、新たな結晶構造のセルロースに再生する。その結果、新たな構造に再構築された再生セルロース長繊維不織布を得る。
【0019】
本発明不織布の最大の特徴は再生セルロース製の長繊維不織布である点にある。再生セルロース繊維であるため繊維間の接触点は分子間水素結合により弱く結合しているが、水や苛性ソーダ等のアルカリによる分子間水素結合を切断し、新たな接触点において物理的に繊維間の接触距離を狭めると強い分子間水素結合が再生し、高い繊維密度の構造体へ再構成可能である。長繊維であるために繊維の長さ方向(繊維軸方向と略称)の成分の大部分は不織布の平面内に横たわる傾向が強い。この傾向は不織布の後加工の過程で布面に対して圧縮力が働くほど顕著となる。布帛の断面を顕微鏡で観察した場合、構成する繊維の断面が布帛の平面に平行に配列する像が得られた場合に不織布は広い意味での多層構造膜と定義する。
【0020】
これらの新たな構造に再構築された再生セルロース長繊維不織布は、膜厚など構造が水中でも逆戻りしにくい特性を持つ。すなわち多層構造膜としての構造を持つ長繊維不織布は湿潤状態でも、その構造が維持できることは本発明物の開発に重要な発見である。
【0021】
本発明不織布の第2の特徴は、不織布の断面方向での深さ50μm長さ500μmの断面図中に存在する繊維(断面形状として観察されるのでほぼ繊維断面の形状である楕円形状として観察される)の数が0〜平均の個数の2倍の数との間で脈動する点にある。この脈動の存在が本発明不織布が広義の多層構造膜であることの直接的な実証である。この脈動によって不織布の粒子除去性能が高まる。この多層構造は不織布の圧縮加工で発達する。
【0022】
圧縮率40%以上にローラー圧縮後の該不織布の表面粗さは改善され、水処理用に適したRa=10以下となる。ここで圧縮率とは、圧縮前後の膜厚の変化率である。
圧縮率=((圧縮前の膜厚−圧縮後の膜厚)/圧縮前の膜厚)×100
【0023】
ローラー圧縮後の該不織布は、断面方向に繊維断面数における積層構造をより鮮明に有するようになる。すなわち、断面方向での深さ50μm長さ500μmの層中に存在する繊維断面数がどの層においても10本以上で、かつ断面方向で深さ10μm長さ500μmの層中に存在する繊維断面数が0と平均の個数の×2との間で脈動する構造になる。その結果、粒子除去性が改善する。
【0024】
不織布を複数枚重ねる手法の場合にも同様のローラー圧縮法が利用でき、複数枚の不織布が一体化した不織布を得ることができる。圧縮加工時に50℃以上に加熱した水あるいはアルカリ溶液を使用し、あらかじめ不織布を構成するセルロース分子の熱運動性を高めることにより圧縮加工時に繊維間の密着性と繊維軸を布帛面に平行に配列させる効果を得ることができる。
【0025】
本発明不織布は孔拡散・ろ過用として特別に設計されている。孔拡散・ろ過用として必要な不織布としての特性としては表面粗Raとして10μm以下であることが重要である。そのためには不織布を構成する繊維の末端が布帛表面に突出する頻度を低下させることが必要であり、長繊維不織布を利用し、また圧縮加工を施すこともこの条件を満足させる一方策である。
【0026】
孔拡散・ろ過用の不織布でRaが10μm以下になると処理対象とする水の不織布表面近傍での流れ速度が零でまた層流となりやすい。層流としつつ不織布表裏面での圧力差を0.2気圧以下の条件下で、水のひずみ速度を2/秒以上、望ましくは20/秒以下とすると不織布内での粒子の目詰まりは起こらなくなる。
【0027】
孔拡散・ろ過法で粒子を除去する際、該粒子の粒径の2倍の平均孔径の不織布を用いると対数除去係数として3が達成される。本発明不織布のろ過速度法による平均孔径が0.1μm〜80μm、膜厚は100μm〜250μmであれば、排水中の微粒子除去用として利用できる。ウイルス除去の場合は平均孔径0.1μmを、環境基準でのSS成分除去を目的とすれば平均孔径80μm以下の不織布を用いた孔拡散・ろ過を行う。

【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、孔径が調整され、かつ積層構造を有することにより粒子除去性が向上し、透水速度が増大した安価な水処理用不織布膜が得られる。

【発明を実施するための形態】
【0029】
セルロース誘導体のケン化法あるいは銅安法で作製された再生セルロース長繊維不織布を水あるいは1規定以下の水酸化アルカリ金属水溶液を含浸させた状態で、プレス機によって膜厚における圧縮率40%以上で圧縮することによって、平均孔径が0.1μm〜80μm、膜厚は100μm〜250μm、表面粗さRa=10μm以下、断面方向での深さ50μm長さ500μmの層中に存在する繊維断面数がどの層においても10本以上でかつ断面方向で深さ10μm長さ500μmの層中に存在する繊維断面数が0と平均の個数の×2との間で脈動することを特長とする再生セルロース不織布を得る。ただし同類の構造を有する不織布であれば圧縮する必要はない。
【0030】
不織布に垂直方向に圧力を加える方法としては、平板ハンドプレス、平板油圧プレス、ローラープレス、ラバープレス、水圧プレスなど、いずれの方法でもよい。膜平面により均一に垂直方向の圧力が加わるほうが望ましい。
【0031】
均一に圧力を加えるための工夫としては、平滑度の良い板やフィルムなどで不織布を挟んだ後、圧縮するか、あるいは、圧力を加える媒体、たとえば平板油圧プレスであれば油圧シリンダー、またローラープレスであればローラーに、平滑度の高い板やフィルムを取り付け、フィルムを介して圧縮する方法がある。この場合には不織布の持つ厚みムラを解消しつつ、加圧力が均等に不織布平面に働く効果がある。
【0032】
平滑度の高い板やフィルムは、樹脂製、金属製、ガラス製などいずれでもよく、樹脂性が望ましい。金属製とガラス製では圧縮弾性率が大きいため、負荷圧力によるこれらの材料の変形が小さい。そのため、不織布の持つ厚みムラが圧縮変形のための応力として負荷応力のムラとなりやすい。
【0033】
加える圧力は、不織布の圧縮率によって制御する。すなわち圧縮する場合に加える圧力は、圧縮後に得られる不織布厚の変化(圧縮率)によって制御する。圧縮率は不織布の局所的ムラを反映して変動するが、この変動ムラを圧縮処理によって解消する方向に働くことが望ましい。そのために加圧方法にも工夫が必要である。加圧力や加圧時間も重要で、加圧速度は小さい方が望ましい。
【0034】
圧縮率が40%以上の場合に、不織布の粒子除去性が向上する。望ましくは50〜60%の場合に、不織布の粒子除去性が向上すると共に、透水速度が増加する。圧縮率が大きすぎる場合は、透水速度が減少する場合がある。
【0035】
不織布を複数枚重ねた状態で圧縮することによって、より粒子除去性が向上した不織布を得ることができる。この際に、不織布の繊維軸方向が直交するように重ねることによっても、さらに粒子除去性が向上した不織布を得ることができる。
【0036】
50℃以上に加熱した水溶液を不織布に散布して圧縮することによって、圧縮の効果をより確実に得ることができる。
【0037】
また、セルロース誘導体をケン化して得られる再生セルロース多層構造平膜で、平均孔径が5nm〜500nm、膜厚は20μm〜500μm、1層の厚さが0.05μm〜0.5μmが100層以上の積層された多層構造体である膜を作製する原液を該不織布上に塗布することによっても不織布の粒子除去性を向上させることができる。

【実施例1】
【0038】
セルロース誘導体の銅安法で作製された再生セルロース長繊維不織布(旭化成繊維製ベンリーゼNE107)目付が100g/平米で、厚さが390μm、表面粗さがRa=21.1μm、透水速度(支持体としてポリプロピレン製メッシュ目開き105μm、線径106μm)が圧力差0.1気圧で透水速度30769L/(平米・hr)であった。支持体まで含めた平均孔径は100μmであった。
【0039】
該不織布に水を含浸させた状態で30℃でローラープレス機にて圧縮し、圧縮率56.8%の再生セルロース不織布を得た。
【0040】
該再生セルロース不織布の厚さは220μm、表面粗さはRa=7.7μm、圧力差0.1気圧で透水速度42188L/(平米・hr)であった。不織布としての平均孔径は75μmであった。
【0041】
該再生セルロース不織布の断面を顕微鏡にて撮影し、不織布断面の一定面積あたりの繊維(断面)数と布帛表面からの距離に対する繊維数の分布を計測した。結果を図2に示した。該再生セルロース不織布の断面方向での深さ50μm長さ500μmの層中に存在する繊維断面数は、どの層においても10本以上でかつ断面方向で深さ10μm長さ500μmの層中に存在する繊維断面数が0と平均の個数の×2との間で脈動し、その積層構造はより鮮明になった。
【0042】
該再生セルロース不織布を用いて、排水(浮遊物質量SS=290mg/L、環境庁告示59号)をろ過したところ、SS=34mg/Lのろ液が得られ、放流水の水質基準以下であった。

【産業上の利用可能性】
【0043】
下水処理、排水処理などの水処理に利用することができる。特に高い粒子除去性と、目詰まりが起こりにくい特徴を持つ安価な分離用不織布膜として、従来の高価な膜分離技術の適用が不可能と考えられていた水処理用として利用される。

【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】圧縮方法:ローラープレス矢印の方向に回転するローラーによって一定の厚さまで膜は圧縮変形される。
【符号の説明】
【0045】
1,ローラープレス機
2,再生セルロース長繊維不織布
3,樹脂フィルム


【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルロース誘導体のケン化法あるいは銅安法で作製された再生セルロース長繊維不織布で、平均孔径が0.1μm〜80μm、膜厚は100μm〜250μm、表面粗さRa=10μm以下、断面方向での深さ50μm長さ500μmの層中に存在する繊維断面数がどの層においても10本以上でかつ断面方向で深さ10μm長さ500μmの層中に存在する繊維断面数が0と平均の個数×2との間で脈動することを特徴とする孔拡散・ろ過用再生セルロース不織布。
【請求項2】
セルロース誘導体のケン化法あるいは銅安法で作製された再生セルロース長繊維不織布で、平均孔径が0.2μm〜100μm、膜厚は200μm〜500μm、表面粗さRa=30μm以下、断面方向での深さ20μm長さ500μmの層中に存在する繊維断面数の平均が5本以上の不織布を水あるいは1規定以下の水酸化アルカリ金属水溶液を含浸させた状態で、プレス機によって膜厚における圧縮率40%以上で圧縮することを特徴とする請求項1記載の孔拡散・ろ過用再生セルロース不織布の製法。
【請求項3】
請求項2の圧縮方法として、ローラープレス機を用い、不織布を2枚以上重ねて圧縮することによって一体化させることを特徴とする請求項2に記載の再生セルロース不織布の製法。
【請求項4】
請求項3で2枚以上重ねて圧縮する際に、再生セルロース製不織布を構成する繊維の繊維方向が直交するように重ねることを特徴とする再生セルロース不織布の製法。
【請求項5】
請求項2あるいは3あるいは4の製法において、50℃以上に加熱した水溶液を不織布に散布して圧縮することを特徴とする再生セルロース不織布の製法。


【図1】
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【公開番号】特開2013−17958(P2013−17958A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−153783(P2011−153783)
【出願日】平成23年7月12日(2011.7.12)
【出願人】(307002932)株式会社セパシグマ (23)
【Fターム(参考)】