説明

粒状フレーバー送達系、その製造方法及びその使用

デンプン担体と、第一風味剤及び可塑剤のブレンドとを含み、前記第一風味剤が20℃〜25℃の温度で非液体であり、前記可塑剤が20℃〜25℃の温度で液体であり、前記ブレンドが前記デンプン担体に封入されている粒状フレーバー送達系であって、前記封入されたブレンドが、前記ブレンドの少なくとも40重量%の固体又は半固体である部分を含み、前記部分が25℃〜250℃の融点又はガラス転移温度を有する粒状フレーバー送達系、その作製方法及びその使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒状フレーバー送達系、その製造方法及びその使用に関する。本発明は、粒状フレーバー送達系を含む製品にも関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術には、フレーバー、香料及び芳香剤、薬剤、並びに洗浄、健康及び皮膚などのための他の活性成分を送達する制御送達系が豊富にある。
【0003】
フレーバーを送達する送達系は、実質的に2つの形態で存在する。1つの形態は、フレーバーのレベルに応じてペースト状又は液体でありうる懸濁剤である。これらの懸濁剤は多くの場合に有用であるが、取扱いの容易さ、限定された用途数、限定された保存寿命及びマイクロ磁化率(micro−susceptibility)などの幾つかの欠点を有することがある。
【0004】
別の形態は粒状送達系である。そのような系は取扱いがより容易なので、時々好まれる。一般に、そのような粒状送達系を作製するための技術が2つ存在する。
【0005】
1つの技術は、担体への固体フレーバーの吸着である。この技術は、多くの場合にプレーティング(plating)と呼ばれる。プレーティングは、液体フレーバーを微細粉末に吸着する古いフレーバー用語であり、液体フレーバーを粉末に変換する最古の方法である。塩、糖、マルトデキストリン及びデンプンが担体として慣用的に使用される。このプロセスは、固液界面張力(solid−liquid intersurface tension)及び表面吸着の物理的作用である。しかし、プレーティングは多くの欠点を有する。第一には、フレーバーの担持容量が低いこと(多くの場合に5%以下)であり、このことは、送達系が使用される用途において高用量の送達系を必要とする。第二には、フレーバーが担体の外面に吸着することであり、このことは、フレーバーが保護されておらず、フレーバーと反応しうる空気又は他の活性物に曝露されうることを意味する。このことは、揮発性フレーバー成分の損失、並びにフレーバーの酸化及び/又は劣化をもたらす。したがって、そのような送達系は短い保存寿命を有する。
【0006】
別の技術は噴霧乾燥である。噴霧乾燥は、液体フレーバーから粉末フレーバー生成物を調製するため、並びに保護及び持続放出の目的でフレーバーを封入するための最も一般的な方法の一つである。これには、担体マトリックスの良好な選択の他に、マトリックスにおけるフレーバーの乳化、続く乾燥チャンバにおけるエマルションの霧化による水の蒸発が伴う。これらのパラメーターによって、安定性、分散性などについての異なる特性を持つ広範囲の粉末フレーバーを設計することができる。噴霧乾燥用のフレーバーエマルションは、乳化剤としてのアラビアゴム又は化工デンプンを用いて及びマトリックスとしてのマルトデキストリン又はグルコースシロップ固体を用いて慣用的に調製される。噴霧乾燥フレーバー送達系は、一般に十分な保存寿命(6〜12カ月)を有するが、多数の欠点も有する。典型的には、噴霧乾燥法は高価で複雑な方法であり、高価な乳化剤の使用を伴う。一般に、噴霧乾燥フレーバー送達系は、約20%の最大担持容量を有する。そして噴霧乾燥フレーバー送達系は、噴霧乾燥の際にフレーバー揮発物の損失を被り、フレーバープロファイルは、噴霧乾燥の際の熱処理によって変更される。
【0007】
しかし、そのような粒状送達系は、典型的にはフレーバーの担持容量に関して幾つかの制約を有する。フレーバーのレベルが高すぎると、これらは凝集して粘着性になりうる。
【0008】
従来技術において既に記載されてきた可能な担体のうち、デンプンが一つの可能な担体であり、これは天然の性質及び食品との適合性によって興味深いものである。例えば、Jinghan ZHAO et al、「Cavities in porous corn starch provides a large storage space」、Cereal Chem.73(3):379〜380頁(非特許文献1)は、多孔質デンプンへのペパーミント油の吸着の機構を記載する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第3,607,394号
【特許文献2】米国特許第5,131,953号
【特許文献3】米国特許第4,465,702号
【特許文献4】米国特許第5,037,929号
【特許文献5】PCT/EP2009/00160
【特許文献6】欧州特許出願第08018426.0号
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Jinghan ZHAO et al、「Cavities in porous corn starch provides a large storage space」、Cereal Chem.73(3):379〜380頁
【非特許文献2】Starch Chemistry and Technology、Whistler, Roy L.、第2版、(1984)、Academic Press, Inc. New York, N.Y.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、改善されたフレーバー送達を有する制御送達系を提供することである。改善されたフレーバー送達には、例えば、より高い風味強度、低減されたフレーバー酸化、フレーバープロフィールの維持、揮発物及び風味香気(flavour note)の損失の低減、風味の延長放出、並びに/又は異臭の形成の低減若しくは排除が含まれる。
【0012】
本発明の更なる目的は、高い担持容量を有し、同時に依然として取扱いが容易である制御送達系を提供することである。
【0013】
本発明のなお更なる目的は、製造することが容易で、素早く、費用の低い制御送達系を提供することである。
【0014】
本発明の更に別の目的は、長期間の保存寿命を有する制御送達系を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
第1の態様によると、本発明は、デンプン担体と、第一の風味剤(flavouring agent)及び可塑剤のブレンドとを含み、前記第一風味剤が20℃〜25℃の温度で非液体であり、前記可塑剤が20℃〜25℃の温度で液体であり、前記ブレンドが前記デンプン担体に封入されている粒状フレーバー送達系であって、前記封入されたブレンドが、前記ブレンドの少なくとも40重量%の固体又は半固体である部分を含み、前記部分が25℃〜250℃の融点又はガラス転移温度を有することを特徴とする粒状フレーバー送達系に関する。
【0016】
第2の態様によると、本発明は、粒状フレーバー送達系を製造する方法であって、
a.20℃〜25℃で非液体である第一風味剤を可塑剤と25℃〜65℃の温度で混合することによりブレンドを作製する工程;及び
b.前記ブレンドをデンプン担体と混合する工程
を含む方法に関する。
【0017】
第3の態様によると、本発明は、ベーカリー製品を含む食品及び食料品、飼料、チューインガム、パーソナルケア製品、医薬品又は圧縮錠剤における前記粒状フレーバー送達系の使用に関する。
【0018】
第4の態様によると、本発明は、前記粒状フレーバー送達系を含むチューインガムであって、前記第一風味剤がメントールを含み、前記可塑剤がハッカ油を含む、チューインガムに関する。
【0019】
第5の態様によると、本発明は、前記粒状フレーバー送達系を含むベーカリー製品であって、前記粒状フレーバー送達系が、前記ベーカリー製品の0.05重量%〜5重量%のレベルで存在する、ベーカリー製品に関する。
【0020】
第6の態様によると、本発明は、前記粒状フレーバー送達系を含む錠剤であって、前記粒状フレーバー送達系が、前記錠剤の0.5重量%〜5重量%のレベルで存在する錠剤に関する。
【0021】
ここで本発明は、以下の詳細な説明及び例を参照することにより更に記載される。
【発明を実施するための形態】
【0022】
詳細な説明
本発明は、粒状フレーバー送達系に関する。粒状フレーバー送達系は、デンプン担体、好ましくは固体デンプン担体と、第一風味剤及び可塑剤のブレンドとを含み、前記ブレンドは前記デンプン担体に封入されている。本明細書で使用されるとき、用語「封入されている」は、ブレンドがデンプン担体の内部構造の内部に吸着していること又は閉じ込められていることを意味する。粒状フレーバー送達系は、好ましくは実質的に乾燥している。より好ましくは、例えば取扱いを改善する易流動性粉末として挙動することができるような乾燥粒状フレーバー送達系である。
【0023】
デンプン担体
デンプンは、大部分の植物細胞において顆粒の形態で生成される多糖である。そのようなデンプン顆粒は、高度に整列された結晶領域及び組織化が不十分な非晶質領域からなる。この顆粒状態で存在する場合、デンプンは「天然デンプン」と呼ばれる。
【0024】
適切なデンプン含有穀粒は、トウモロコシ、エンドウマメ、ジャガイモ、サツマイモ、モロコシ、バナナ、オオムギ、コムギ、コメ、サゴ、アマランス、タピオカ、クズウコン、カンナ及びこれらの低アミロース(約10重量%以下、好ましくは5%以下のアミロースを含有する)又は高アミロース(少なくとも約40重量%のアミロースを含有する)変種を意味する。また適しているものは、遺伝子改変デンプン料作物から誘導されるデンプンである。本明細書において使用される好ましいデンプンは、40%未満のアミロース含有量を有し、1%未満のアミロース含有量のワキシートウモロコシ(waxy corn)デンプンが含まれる。特に好ましいデンプンには、コメ、コムギ、タピオカ、トウモロコシ及びジャガイモデンプン、特にポップコーン(トウモロコシ(maize))デンプンが含まれる。
【0025】
デンプンを化学的に改質することができ、熱処理又は物理的処理により改質することができる。用語「化学的に改質された」又は「化学的改質」には、架橋デンプン、劣化を抑制するために保護基で改質されたデンプン、親油性基の付加により改質されたデンプン、アセチル化デンプン、ヒドロキシエチル化及びヒドロキシプロピル化デンプン、無機エステル化デンプン、カチオン性、アニオン性及び酸化デンプン、双性イオン性デンプン、酵素で改質されたデンプン、並びにこれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0026】
一つの改質プロセスは、デンプンのアルファー化(pregelatinization)であり、これは、顆粒膨張(顆粒構造内に無秩序性の増大をもたらす水の浸透)、天然微結晶の融解(水の浸透に起因するデンプン顆粒の結晶領域の減少)、複屈折の損失及びデンプン可溶化など、特性の非可逆的変化として現れるデンプン顆粒内の分子秩序の崩壊又は分断である。そのようなアルファー化デンプンは、天然デンプンと比べて、加熱することなく冷水において実質的に可溶性(膨張性)であり、直ちに粘性を発現する(インスタントデンプン)。アルファー化デンプンは、典型的には、熱、化学又は機械的な加工により調製される。用いられる特定のプロセスは、アルファー化デンプンの物理的特性、特に冷水における湿潤性、分散性及び最高粘度に強い影響を与える。熱加工は、熱が結晶領域の非晶質領域への変換を引き起こし、それによって水の浸透及び顆粒の膨張を促進するので広く使用されている。糊化をもたらす典型的な熱加工には、噴霧乾燥、ロール乾燥又はドラム乾燥、押出及び他の加熱/乾燥加工が含まれる。使用される方法及び用いられる特定の加工パラメーターに応じて、生成されるアルファー化デンプンは、顆粒構造を失うか又は維持することができる。ロール乾燥、ドラム乾燥、押出により、幾つかの場合では噴霧乾燥により典型的に調製される非顆粒アルファー化デンプンは、多様な技術分野において広く使用されている(例えば、米国特許第3,607,394号及び同第5,131,953号(特許文献1及び2)を参照すること)。しかし幾つかの用途では、無傷の顆粒構造が、改善されたテクスチャー(texture)のような特定の特性を付与するので、顆粒アルファー化デンプンが優先的に使用される。これらの顆粒アルファー化デンプンは、例えば、膨張及びアルファー化を引き起こし、同時に顆粒形状の破壊を防止する特定の噴霧乾燥法により又はアルコール−水混合物などの水性有機溶媒を加熱し、続いて乾燥することにより調製することができる(例えば、米国特許第4,465,702号及び同第5,037,929号(特許文献3及び4)を参照すること)。
【0027】
アルファー化デンプンは、加熱を必要とすることなく所定の製品の粘度又はテクスチャーを変えるために、多様な技術分野において広く使用されている。このために、例えば、多数の食品はアルファー化デンプンを含有する。用途の別の重要な分野は製薬産業であり、ここでは、アルファー化デンプンは、結合剤、増量剤又は崩壊剤として、並びに薬剤安定性を増強するため及び改変送達投与形態において放出速度を制御するために伝統的に使用されている。
【0028】
一つの好ましいアルファー化デンプンは、その内容が参照として本明細書に組み込まれる、出願日2009年2月18日、表題「pregelatinized starchs as carrier material for liquid」の同時係属PCT特許出願番号PCT/EP2009/00160(特許文献5)に記載されている、フレーク形状デンプン粒子からなるアルファー化非顆粒デンプン材料である。
【0029】
本発明に適した別のデンプン担体は、膨化デンプン(puffed starch)含有粉末であり、これは膨化デンプン含有材料から得られ、ここで「膨化(puffed)」は、ふくらみに蒸気を放出することによる膨張を示す膨化の周知の定義を意味する。膨化デンプン含有材料は、膨張及び/又は破裂穀粒であり、30%を越える、好ましくは50%を越える(ポップコーンでは60〜70%の)量のデンプンを含有する。一つの好ましい膨化デンプン含有粉末は、その内容が参照として本明細書に組み込まれる、2008年10月22日出願、表題「puffed starch material」の同時係属欧州特許出願第08018426.0号(特許文献6)に記載されている。
【0030】
極めて好ましい実施態様において、デンプン担体は多孔質デンプンである。用語「多孔質デンプン」は、本明細書で使用されるとき、基質により、好ましくは酵素により改質されて、より小さい分子がデンプン顆粒の隙間に進入することを可能にする穴、孔又は開口を有する顆粒の構造格子がもたらされるデンプン又はデンプン顆粒を意味する。本発明における改質及び使用に適したデンプン顆粒は、孔容積又は表面積を増加するために改質されうる任意のデンプン、例えばトウモロコシ又はジャガイモデンプンを含むことができる。本発明における使用に適した多孔質デンプン顆粒の例は、処理により、通常はアミラーゼ酵素により改質されて孔容積を増加し、それによってマイクロ多孔質(microporous)デンプンマトリックスを生成するデンプン顆粒である。リゾプス・ニベウス(Rhizopus niveus)、アスペルギルス・ニガー(Asperigillus niger)、リゾプス・オリザ(Rhizopus oryzae)及びバチラス・サブティリス(Bacillus subtilis)に由来するものを含む、当該技術で認められている多種多様なアルファアミラーゼ又はグルコアミラーゼのいずれか、並びに動物由来のアルファアミラーゼ及びグルコアミラーゼを使用することができる。顆粒デンプンに対する酸又はアミラーゼの作用により調製されるマイクロ多孔質デンプン顆粒は文献により良く知られており、例えば、Starch Chemistry and Technology、Whistler, Roy L.、第2版、(1984)、Academic Press, Inc. New York, N.Y.(非特許文献2)を参照すること。これらの方法及び他、並びに本明細書に開示されているものは、部分的に加水分解された多孔質デンプンマトリックスの調製に適している。本発明による使用に適したマイクロ多孔質デンプンマトリックスを生成するのに必要な酵素処置の継続時間は、デンプンの供給源、アミラーゼの種及び濃度、処理温度及びデンプンスラリーのpHを含む多数の変数によって左右される。デンプン加水分解の進行は、反応スラリーのDグルコース含有量のモニタリングによって追跡することができる。
【0031】
しかしシクロデキストリン類は、本発明から除外される。これらは製造及び使用が高価である。
【0032】
好ましくは、デンプン担体は、0.5マイクロメートル〜400マイクロメートルの平均粒径を有する。より好ましくは、デンプン担体は、1マイクロメートル〜200マイクロメートル、さらにより好ましくは2マイクロメートル〜100マイクロメートルの平均粒径を有する。最も好ましくは、デンプン担体は、特に多孔質デンプンが担体として使用される場合には、10マイクロメートル〜50マイクロメートルの平均粒径を有する。
【0033】
第一風味剤(flavouring agent)
本発明の第一風味剤は、室温、すなわち20℃〜25℃の温度で非液体である風味剤である。そのような風味剤の例には、バニラフレーバー(バニリン、CAS121−33−5)、ラズベリーフレーバー(ラズベリーケトン、CAS5471−51−2)、ストロベリーフレーバー(ストロベリーフラノン、CAS3658−77−3)、焼き砂糖(cooked sugar)フレーバー(マルトール、CAS118−71−8)、チーズ又はジャスミンフレーバー(インドール、CAS120−72−9)及びナッツフレーバー(メチルシクロペンテノロン、CAS80−71−7)が含まれるが、これらに限定されない。他の適切な風味剤は、強力甘味料、ジペプチド甘味料(例えば、アスパルテーム、アセスルファム(acesulfame)塩、シクラメート、ステビオシド)、スクラロース、サッカリン又はサッカリン塩、天然甘味料(例えば、糖、グルコース、フルクトース)、ポリオール(例えば、マルチトール、ソルビトール、ラクチトール、キシリトール、エリトリトール、イソマルト及びマンニトール)又はこれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない甘味料である。
【0034】
第一風味剤は、単独の風味剤又は2つ以上の風味剤のブレンドでありうる。
【0035】
好ましくは、前記第一風味剤は、前記デンプン担体の10重量%〜40重量%、好ましくは15重量%〜40重量%、さらにより好ましくは20重量%〜35重量%のレベルで前記デンプン担体に存在する。
【0036】
可塑剤
本発明の可塑剤は、室温、すなわち20℃〜25℃の温度で液体である可塑剤である。可塑剤は、デンプン担体を溶解しないように選択されるべきである。適切な可塑剤の例には、モノ−、ジ−及びトリグリセリド、油(例えば、オメガ3、ヒマワリ油)及び油抽出物(例えば、アニス油、ハッカ油、チョウジ油、カンキツ油)、天然硬化油脂、水、グリセロール、エタノール、ジアセチン、トリアセチン、プロピレングリコール、イソプロピルアルコール、トリエチルシトレート、ベンジルアルコール、ソルビタンエステル、ミグリオール又はこれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0037】
可塑剤が第一風味剤とブレンドされるとき、可塑剤は、第一風味剤を軟化するか、さらには部分的に溶解する。このことは、封入されるべき第一風味剤を、デンプン担体内に封入することを可能にする。
【0038】
好ましくは、可塑剤は、前記デンプン担体の2重量%〜20重量%、好ましくは3重量%〜12重量%のレベルで前記デンプン担体に存在する。
【0039】
一つの実施態様において、可塑剤は、20℃〜25℃の温度で液体である第二風味剤又は20℃〜25℃の温度で液体である風味剤のブレンドを含む。別の実施態様において、可塑剤は、20℃〜25℃の温度で液体である第二風味剤又は20℃〜25℃の温度で液体である風味剤のブレンドからなる。好ましくは、前記第二風味剤は、精油を含むか又は精油からなる。好ましくは、風味剤の前記ブレンドは、少なくとも1つの精油又は精油の混合物を含む。本発明に適した精油には、全てのカンキツ油(例えば、レモン、オレンジ、マンダリン、グレープフルーツ)、ペパーミント油、チョウジ油、ゲラニオールパルマローザ精油などが含まれるが、これらに限定されない。
【0040】
封入されたブレンド
本発明の制御送達系は、第一風味剤と可塑剤のブレンドを含む。好ましくは、第一風味剤と可塑剤の比は、20:1〜3:1、より好ましくは20:1〜4:1、さらにより好ましくは20:1〜5:1である。
【0041】
封入されたブレンドは、前記ブレンドの少なくとも40重量%の固体又は半固体である部分を含み、前記部分は、25℃〜250℃の融点又はガラス転移温度を有する。
【0042】
便宜上及び読みやすさのため、ここで前記「固体又は半固体である部分」を、以降「(半)固体部分」と呼ぶ。
【0043】
前記部分及びその融解温度又はガラス転移温度は、示差走査熱量測定を使用して測定することができ、その方法は、以下に記載される。
【0044】
好ましくは、ブレンドは、前記ブレンドの少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも60重量%、さらにより好ましくは少なくとも70重量%、さらにより好ましくは少なくとも80重量%、最も好ましくは少なくとも90重量%の(半)固体部分を含む。
【0045】
好ましい一実施態様において、(半)固体部分の融点又はガラス転移温度は、25℃〜65℃、より好ましくは25℃〜55℃、より好ましくは25℃〜45℃、さらにより好ましくは25℃〜40℃である。別の好ましい実施態様において、(半)固体部分の融点又はガラス転移温度は、100℃〜250℃、より好ましくは125℃〜250℃である。
【0046】
融解温度又はガラス転移温度は、融解においてフレーバー放出が増強されるので重要である。
【0047】
例えば、本発明の制御送達系を含む食品が消費されるとき、(半)固体部分の融点又はガラス転移温度は、理想的にはおよそヒトの体温であるべきである。そのような場合、フレーバーは消費の時点で放出される。
【0048】
本発明のフレーバー送達系を含有する製品の調製が熱処理、例えば食物を加熱調理すること又はビスケットを焼くことを伴う場合、熱処理はフレーバーの放出を増強することができ、それによって、調製された製品の全体的な味を改善することができる。
【0049】
(半)固体部分は、本明細書で使用されるとき、前記において特定された融解温度又はガラス転移温度の要件を満たす限り、結晶質、非晶質、ペースト状又はロウ状であることができる。
【0050】
(半)固体部分に存在する第一風味剤及び可塑剤の量は、使用される実際の作用物質/可塑剤によって決まるが、好ましくは、前記(半)固体部分は、少なくとも40%、より好ましくは少なくとも50%、さらにより好ましくは少なくとも70%、最も好ましくは少なくとも90%の第一風味剤を含む。
【0051】
(半)固体部分の部分ではない第一風味剤及び可塑剤の残りの部分は、典型的には液体部分に存在する。好ましくは、封入されたブレンドは、40%以下の液体部分を含む。好ましくは、前記液体部分は、25℃以下の凝固点、より好ましくは20℃以下の凝固点を有する。
【0052】
(半)固体部分と液体部分の組み合わせは、フレーバーの二重放出機構を提供する。液体部分からのフレーバーは、消費又は使用してすぐに放出され、(半)固体部分からのフレーバーは、もっと徐々に放出される。第二風味剤又は精油が可塑剤として使用される場合、さらに高い風味強度を達成することができる。特別な風味の組み合わせを作り出すこともできるか又は相乗効果を得ることができる。例えば、メントール結晶をペパーミント油と組み合わせて使用することができ、これは、より高い強度及び/又は持続性を持つより良好な涼味(freshness)をもたらす。
【0053】
一つの好ましい実施態様において、(半)固体部分と液体部分の比は、1よりも高い。好ましくは、(半)固体部分と液体部分の比は、1:1〜20:1、より好ましくは3:1〜20:1、さらにより好ましくは5:1〜20:1、最も好ましくは10:1〜20:1である。
【0054】
フレーバー送達系の製造方法
更なる態様によると、本発明は、粒状フレーバー送達系を作製する方法であって、以下の工程」
a.20℃〜25℃で非液体である第一風味剤を可塑剤と25℃〜65℃の温度で混合することによりブレンドを作製する工程;及び
b.前記ブレンドをデンプン担体と混合する工程
を含む方法に関する。
【0055】
可塑剤を第一風味剤とブレンドすることは、これらを容器において室温で単に混合することによって実施できる。使用される風味剤及びその融点に応じて、混合の際にいくらかの穏やかな加熱を適用することが有益でありうる。例えば、混合温度は、25℃〜65℃、好ましくは40℃〜55℃でありうる。いずれの場合においても、温度は、風味剤の特性の破壊又は変性を避けるために、高すぎてはいけない。
【0056】
次にこのブレンドをデンプン担体と混合して、好ましくは徐々に混合して、前記ブレンドを前記デンプン担体に担持させることができる。デンプン担体にブレンドを担持させるために、デンプン担体を、機械的混合を支持し、好ましくは密閉することができる容器の中に入れることができる。適切な混合デバイスは、例えば、パドルミキサー、リボンブレンダー、Vブレンダー又はプラウブレードミキサー(plough blade mixer)である。次にブレンドを容器に供給し(例えば注ぎ、ポンプで送り又は好ましくはノズルを介して噴霧して)、撹拌デンプン担体材料に適用する。ノズルによる噴霧が有利に使用され、それはノズルが、デンプン担体材料によってより容易に吸収される小さい液滴の形成をもたらすからである。混合は、固体担体へのブレンドの均一分布が得られるまで続けられる。噴霧又はポンプでの供給に必要な時間は、デンプン担体材料へのブレンドの添加レベル及び易流動性粉末を形成する完全な吸収を確実にするために必要な時間によって決まる。
【0057】
ブレンドをデンプン担体材料に担持させる別の適切な方法は、流動層担持方法でありうる。そのような方法において、デンプン担体は、デンプン粒子の層の中を上向きに空気又は別のガスを強制通風させて流動化される。次にブレンドは、ノズルを介して流動化デンプン粒子に噴霧されて、均一に担持されたデンプン粒子のブレンド担持デンプン材料が生じる。
【0058】
本明細書に使用される更なる適切な担持方法は、デンプン担体材料をブレンドに懸濁する工程、続いてブレンド担持デンプン担体材料を残りの非封入ブレンドから、濾過又は遠心分離などの従来の分離方法により分離する工程を含む。
【0059】
担持されるブレンドの種類に応じて、ブレンドを加熱又は冷却することができる。高粘度ブレンドの場合、例えば、液体成分を加熱して粘度を減少させ、担持過程を促進することが好ましいことがある。温度感受性ブレンドの場合、冷却が望ましい又は必要なことがある。いずれの場合でも、加熱又は冷却は、ブレンドの風味特性に悪影響を与えてはいけない。冷却又は加熱ブレンダーなどの冷却又は加熱を実施する手段は、当業者には良く知られている。
【0060】
場合により、デンプン担体材料を、担持の前に不活性ガスで前処理して、例えば酸素を除去することができる。担持の前に真空処理して、吸収容量を増加することもできる。更に、感受性ブレンドが担持される場合、担持操作を、不活性ガス雰囲気下、例えば窒素雰囲気下で実施して、酸化による品質の損失に対して保護することができる。
【0061】
デンプン担体材料にブレンドを担持させた後、更なる加工工程が場合により後に続くことがある。例えば、リン酸三カルシウム、シリカ、ケイ酸塩、炭酸塩及び/又はステアリン酸塩などの流動剤又は固化防止剤をブレンド担持デンプン担体材料に添加して、流動性を増加することができる。本発明のブレンド担持デンプン担体材料は、また、被覆を備えることができる、並びに/或いは当該技術において既知のマルトデキストリン、デンプン、化工デンプン、デキストリン、油、脂質、ロウ、ヒドロコロイド、タンパク質、乳化剤又はポリオレフィン若しくはビニルポリマー、例えばポリ酢酸ビニルなどの遅延若しくは持続放出を提供することが当該技術において既知の任意のポリマー壁材料などの任意の適切な封入若しくは被覆材料で更に封入されうる。
【0062】
場合により、乾燥及び/又は篩い分け工程も実施することができる。
【0063】
デンプン担体にブレンドを担持させた後、ブレンドの一部を再結晶及び/又は凝固して、本明細書に記載されている(半)固体部分にする。再結晶化は、フレーバー送達系を室温で好ましくは1時間〜24時間、より好ましくは1時間〜12時間の時間にわたって放置することによって、更に促進することができる。あるいは、冷却工程を実施して、再結晶過程を促進及び/又は加速することができる。
【0064】
使用
本発明の粒状フレーバー送達系を、限定はされないが、食品及び食料品、飼料、チューインガム、パーソナルケア製品、医薬品又は錠剤のような多くの分野において使用することができる。
【0065】
食品及び食料品の例は、飲料、加工肉、アイスクリームを含む冷凍デザート、キャンディを含む菓子製品、風味のきいた製品(savoury products)、乳製品、ソース調合物、ドレッシング調合物、シロップ、穀物製品又は食物調製用機能性成分である。本明細書において提供される食品は、例示の目的のみであり、網羅的なリストであることを意図しない。
【0066】
本明細書に使用されるとき、ベーカリー製品という用語は、ベーカリーにより製造及び/又は販売されている任意の製品を意味することが意図され、特にパン、これらのパン及びパン製品から作られるパン粉、パイ、ペーストリー、ケーキ、ビスケット、クッキーなどが含まれる。
【0067】
本明細書で使用されるとき、パーソナルケア製品という用語は、フレーバーの使用を典型的に伴うヒトのケアに使用される任意の製品を意味することが意図される。そのようなパーソナルケア製品の例には、歯磨き粉又は口内洗浄剤が含まれるが、これらに限定されない。
【0068】
本明細書で使用されるとき、医薬品という用語には、医薬的に関連のある化合物又は化合物の混合物が含まれる。医薬品は、使用される最終製品でありうる。あるいは、医薬品は、医薬化合物を作製する間に形成される中間生成物でありうる。
【0069】
一つの好ましい実施態様は、本発明の粒状フレーバー送達系を含むチューインガムである。好ましくは、第一風味剤はメントールを含み、可塑剤はペパーミント油を含む。好ましくは、粒状フレーバー送達系は、前記チューインガムの0.5重量%〜5重量%、より好ましくは1重量%〜4重量%のレベルで存在する。好ましくは、本発明の粒状フレーバー送達系は、ガム基剤に組み込まれる。
【0070】
別の好ましい実施態様は、本発明の粒状フレーバー送達系を含むベーカリー製品である。好ましくは、粒状フレーバー送達系は、前記ベーカリー製品の0.05重量%〜5重量%、より好ましくは0.05重量%〜1重量%、さらにより好ましくは0.1重量%〜0.5重量%のレベルで存在する。
【0071】
なお別の好ましい実施態様は、本発明の粒状フレーバー送達系を含む錠剤、好ましくは圧縮錠剤である。医薬錠剤は多くの場合に嫌な味を有する。味を改善するために、典型的にはフレーバー(多くの場合、カンキツフレーバー)が錠剤に添加される。そのような錠剤の味覚プロフィールは、本発明のフレーバー送達系を組み込むことによって更に増強することができる。好ましくは、粒状フレーバー送達系は、前記錠剤の0.5重量%〜5重量%、より好ましくは1重量%〜2重量%のレベルで存在する。驚くべきことに、本発明のフレーバー送達系を含む圧縮錠剤は、多くの場合、フレーバーそれ自体のみが錠剤に添加された場合よりも高い硬度を有することが見出された。
【0072】
場合により、錠剤は発泡剤を更に含むことができる。適切な発泡剤には、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、炭酸カリウム、セスキ炭酸ナトリウム、グリシンカーボネートナトリウム塩(sodium glycine carbonate)、L−リスチンカーボネート(L−lystine carbonate)、アルギニンカーボネート(arginine carbonate)、非晶質炭酸カルシウム、炭酸カルシウム又はこれらの混合物が含まれる。そのような発泡剤は、典型的にはフレーバーに対して悪影響を有し、嫌な味をもたらす。本発明のフレーバー送達系を使用することによって、そのような異味は観察されない。
【0073】
試験方法:示差走査熱量測定(DSC)
試料の調製:最初に本発明のフレーバー送達系の試料を、測定の前に室温条件で3日間平衡させる。次に約10mgの試料を、高圧ステンレススチールるつぼに入れて、経時的な蒸発を避ける。
【0074】
使用装置:生成物の融解プロフィールは、TA Instrumentsの示差走査熱量測定器(DSC Q100)を使用して決定する。装置の較正は、シクロヘキサン及びインジウムを使用して実施する。温度及びエンタルピーの計算は、装置の製造会社から届けられたソフトウエアであるTA Universal Analysisを使用して行う。
【0075】
DSCによる融解温度又はガラス転移温度の測定は、当該技術において良く知られている。DSCは、化合物がガラス状態からゴム状態に進行する際の熱容量の変化としてガラス転移を定義する。これは二次吸熱転移(転移を経るために熱が必要である)なので、DSCでは、転移は、段階転移(step transition)として現れ、融解転移において見られることがあるピークとして現れない。
【0076】
適用温度プロフィール:
− −80℃で停止させる
− 恒温で3分間
− 1分間に5℃で80℃まで加熱する
【0077】
結果:
フレーバーブレンドの融解プロフィールを分析して、総エンタルピー(ジュール/gブレンド)が得られる。2つの画分が注目され、25℃以下で融解するもの(液体部分と呼ばれる)と25℃超で融解するもの(固体部分と呼ばれる)であり得る。液体部分と固体部分の部分的な一体化によって、それぞれのエンタルピーを計算することができる。これらのエンタルピーから、両方の部分の重量比を計算することができる。
【実施例】
【0078】
例1:チューインガム
本発明の粒状フレーバー送達系は、第一風味剤としてメントール及び可塑剤としてハッカ油を使用して調製する。成分及びそれらレベルを表1に提示する。
【0079】
ブレンドは、メントールをハッカ油と40℃で混合することにより調製する。このブレンドをブレンダーにおいて多孔質トウモロコシデンプンと徐々に混合する。混合の際に、温度を40〜45℃に維持する。混合した後、混合物を40℃で30分間維持する。シリカを混合物に加える。次に、混合物を10mmの篩で篩にかけ、12時間放置する。
【0080】
この例に使用された多孔質トウモロコシデンプンは、トウモロコシデンプンをpH4.6のクエン酸緩衝剤に20%濃度のデンプン乾燥固形分で分散することにより調製した。スラリーを、SigmaのアミログルコシダーゼA3042と反応させた。酵素投与量はデンプンの重量の0.1重量%であり、反応を、55℃、pH4.6で24時間実施した。反応を、スラリーを2未満のpHで10分間保持する酵素の不活性化により停止させた。pHを5.5に調整した後、デンプンを濾過又は遠心分離し、ケーキを洗浄し、乾燥した。
【0081】
【表1】

【0082】
このように封入されたブレンドは、(フレーバー送達系の重量に基づいて)88.9%のメントール対11.1%のハッカ油を含有する。
【0083】
フレーバー送達系の粒径は、10マイクロメートル〜40マイクロメートルの範囲内であることが測定される。
【0084】
DSC分析をフレーバー送達系において実施し、94.8重量%の固定部分及び5.2重量%の液体部分であることを示す。固形部分は37.85℃の融点を有し、一方、液体部分は14℃の凝固点を有する。
【0085】
チューインガムは表2に提示された成分を混合することにより調製する。本発明の粒状フレーバー送達系は、最初にガム基剤に組み込まれる。
【0086】
【表2】

【0087】
例2:比較研究
比較研究を、上記に記載されたフレーバー送達系対同じ量のメントールを含有する噴霧乾燥送達系からの、咀嚼後のメントールの風味放出について実施する。GC/MSは、噴霧乾燥系において1分後にメントールのより高い即時放出を示す。5分後、わずか74%のメントールがチューインガムにおいて依然として存在し、それに対して本発明のフレーバー送達系では85%である。8分後、百分率はそれぞれ68%対75%である。9分後、値はそれぞれ60%対67.5%である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デンプン担体と、第一の風味剤(flavouring agent)及び可塑剤のブレンドとを含み、前記第一風味剤が20℃〜25℃の温度で非液体であり、前記可塑剤が20℃〜25℃の温度で液体であり、前記ブレンドが前記デンプン担体に封入されている粒状フレーバー送達系であって、前記封入されたブレンドが、前記ブレンドの少なくとも40重量%の固体又は半固体である部分を含み、前記固体又は半固体部分が25℃〜250℃の融点又はガラス転移温度を有することを特徴とする、粒状フレーバー送達系。
【請求項2】
前記固体又は半固体部分が、25℃〜65℃の融点又はガラス転移温度を有する、請求項1に記載の粒状フレーバー送達系。
【請求項3】
前記封入されたブレンドが、前記ブレンドの40重量%未満の、20℃以下の凝固点を有する液体部分を含む、請求項1又は2に記載の粒状フレーバー送達系。
【請求項4】
固体又は半固体部分と前記液体分との比が1よりも高く、好ましくは前記比が20:1〜3:1である、請求項1〜3のいずれか一つに記載の粒状フレーバー送達系。
【請求項5】
前記第一風味剤が、前記デンプン担体の10重量%〜40重量%のレベルで存在する、請求項1〜4のいずれか一つに記載の粒状フレーバー送達系。
【請求項6】
前記可塑剤が、20℃〜25℃の温度で液体である第二の風味剤を含む、請求項1〜5のいずれか一つに記載の粒状フレーバー送達系。
【請求項7】
前記第二風味剤が精油を含む、請求項6に記載の粒状フレーバー送達系。
【請求項8】
前記デンプン担体が、0.5マイクロメートル〜400マイクロメートルの平均粒径を有する、請求項1〜7のいずれか一つに記載の粒状フレーバー送達系。
【請求項9】
前記デンプン担体が多孔質デンプンである、請求項1〜8のいずれか一つに記載の粒状フレーバー送達系。
【請求項10】
粒状フレーバー送達系を製造する方法であって、以下の工程:
a.20℃〜25℃で非液体である第一風味剤を可塑剤と25℃〜65℃の温度で混合することによりブレンドを製造する工程;及び
b.前記ブレンドをデンプン担体と混合する工程、
を含む方法。
【請求項11】
ベーカリー製品を含む食品及び食料品、飼料、チューインガム、パーソナルケア製品、医薬品又は錠剤における、請求項1〜9のいずれか一つに記載の粒状フレーバー送達系の使用。
【請求項12】
請求項1〜9に記載の粒状フレーバー送達系を含むチューインガムであって、前記第一風味剤がメントールを含み、前記可塑剤がハッカ油を含む、チューインガム。
【請求項13】
前記粒状フレーバー送達系が、前記チューインガムの0.5重量%〜5重量%のレベルで存在する、請求項12に記載のチューインガム。
【請求項14】
請求項1〜9に記載の粒状フレーバー送達系を含むベーカリー製品であって、前記粒状フレーバー送達系が、前記ベーカリー製品の0.05重量%〜5重量%のレベルで存在する、ベーカリー製品。
【請求項15】
請求項1〜9に記載の粒状フレーバー送達系を含む錠剤であって、前記粒状フレーバー送達系が、前記錠剤の0.5重量%〜5重量%のレベルで存在し、前記錠剤が場合により発泡剤を含む、錠剤。

【公表番号】特表2012−531217(P2012−531217A)
【公表日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−518047(P2012−518047)
【出願日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際出願番号】PCT/EP2010/003866
【国際公開番号】WO2011/000524
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(397058666)カーギル インコーポレイテッド (60)
【Fターム(参考)】