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粒状充填材を充填した枕
説明

粒状充填材を充填した枕

【課題】寝姿に応じて容易に変形して、頭部にフィットするとともに、その形態を持続することができる枕を提供する。
【解決手段】中空金属球のみを、あるいは中空金属球と粒状物とを粒状充填材として充填した枕であって、粒状充填材全体に占める中空金属球の割合を5体積%以上とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒状充填材を充填した枕に関するものである。近年、種々の樹脂を発泡して一体的に成形したものを充填材として用いる枕も実用化されているが、本発明は粒状充填材を充填した枕を対象とする。
【背景技術】
【0002】
枕は、人が就寝したときに頭部の下に敷くことによって、寝具と身体の間に生ずる隙間を埋めて身体を安定させ、身体に不要の緊張を与えずリラックスさせるために用いるものである。そのためには傾臥姿勢で横たわったとき頚椎を適切に固定することが重要とされている。適切な枕の高さは人の体格や体型に応じて各個人毎に異なり、しかも、適切な枕の硬さも人の好みによって異なるので、様々な枕が提案されている。
【0003】
たとえば特許文献1には、伸縮性を有する生地よりなる内袋に平均粒径0.1〜1.4mmの発泡粒子を内袋に封入し、その複数の内袋を伸縮性に富む生地で包んだ枕が開示されている。この枕であれば、いろいろな寝姿に応じて変形するので、頭部にフィットした形状を実現できる。しかし、平均粒径が細かく非常に流動性のある粒子を伸縮性の大きい生地の内袋に包むので、頭を載せただけで枕が大きく変形する。そのため、いろいろな寝姿勢に応じて、瞬時に枕が頭部にフィットし易い反面、その状態で安定し難いので、枕の適切な硬さと高さを持続することが困難である。
【0004】
特許文献2には、ガラスやプラスチックからなる円筒状の充填材を充填した枕が開示されている。この枕は、硬質の円筒状の充填材が互いに干渉して流動し難いので、人が頭を載せたときに枕の変形を阻害する。そのため、枕の硬さと高さを保つことはできるが、頭部にフィットし難いという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004-344586号公報
【特許文献2】実開昭58-191877号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、寝姿に応じて容易に変形して頭部にフィットするとともに、その形態を持続することができる枕を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、中空金属球のみを、あるいは中空金属球と粒状物とを、粒状充填材として充填した枕であって、粒状充填材全体に占める中空金属球の割合が5体積%以上であることを特徴とする粒状の充填材を充填した枕である。
本発明の枕においては、中空金属球の平均外径が1〜10mmであることが好ましい。また、中空金属球の平均殻厚さが10〜200μmであることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、寝姿に応じて容易に変形して頭部にフィットするとともに、その形態を持続することが可能な枕を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の枕の例を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明の枕の他の例を模式的に示す断面図である。
【図3】本発明の枕の他の例を模式的に示す断面図である。
【図4】本発明で用いる中空金属球の例を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図4は、本発明で用いる中空金属球の例を模式的に示す断面図である。このような中空金属球1は軽量であり、かつ流動し易い。そのため、中空金属球1を粒状充填材として枕に充填すると、寝姿に応じて容易に変形して、頭部にフィットし易い。また一方で、中空金属球1同士の接触によって適度な摩擦が生じるので、頭部にフィットした形態を持続することができる。
【0011】
さらに中空金属球は、熱伝導度が大きいので、枕に蓄積される熱を放散する作用を有し、頭部に清涼感を与えることができる。このような効果は、夏季の睡眠を快適にするために有効である。
中空金属球を製造するにあたって、
(1)水に金属酸化物とポリビニルアルコールとを混合してスラリーとする、
(2)そのスラリーを、流動化した発泡スチロール球の表面にスプレー塗布し、さらに乾燥する、
(3)その金属酸化物がコーティングされた発泡スチロール球を水素中で加熱する
という手順で製造できる。ただし、この手順は中空金属球の製造技術の一例であり、本発明はこの手順に限定するものではない。
【0012】
中空金属球の材質は、金属であれば特に限定はしないが、コストの観点からは鉄が好適であり、熱伝導の観点からは銅が好適である。また、その他の様々な観点(たとえば流動性,硬さ等)に応じて、好適な中空金属球の材質を選択することができる。
枕の粒状充填材として中空金属球を用いれば、既に説明したように、寝姿に応じて枕が容易に変形して頭部にフィットし易く、かつ頭部にフィットした形態を持続することができる。このような効果は、粒状充填材を全て中空金属球とした場合(中空金属球:100体積%)に最も顕著に発揮される。
【0013】
ただし、粒状充填材に占める中空金属球の割合を必ずしも100体積%にする必要はなく、他の粒状物(たとえば合成樹脂粒,そば殻,スポンジ粒,繊維粒綿等)と併用することができる。
中空金属球と他の粒状物とを併用する場合は、図1に示すように中空金属球1と粒状物2とを均一に混合して枕3に充填しても良いし、あるいは図2に示すように中空金属球1と粒状物2とをそれぞれ別々の内袋4に収納して枕3に充填しても良い。図2には、中空金属球1を収納した内復路と粒状物2を収納した内袋を前後に配置する例を示したが、上下に配置しても良い。さらに図3に示すように、中空金属球1を収納した内袋を粒状物2内に埋没させて枕3に充填しても良い。ただし、中空金属球1同士を接触させて適度な摩擦を生じさせる効果を得るためには、中空金属球1と粒状物2とを別々の内袋4に収納することが好ましい。
【0014】
また、中空金属球と他の粒状物を併用する場合は、粒状充填材(すなわち中空金属球と粒状物)全体に占める中空金属球の割合を5体積%以上とする必要がある。その理由は、中空金属球が5体積%未満では、中空金属球同士の接触頻度が著しく減少して、適度な摩擦を生じさせる効果が得られないからである。
中空金属球の平均外径は1〜10mmの範囲内が好ましい。平均外径が1mm未満では、中空金属球同士の摩擦が大きくなるので、寝姿に応じて頭部にフィットするのが困難になる。一方、10mmを超えると、中空金属球1個で支える荷重が大きくなので、頭部が中空金属球から受ける局部的な刺激が増し寝心地が損なわれる。
【0015】
中空金属球の平均殻厚さは10〜200μmの範囲内が好ましい。平均殻厚さが10μm未満では、中空金属球の圧縮強度が小さく、枕の装着中に中空金属球がつぶれ、人に不快感を与える。一方、200μmを超えると、重量が大きくなりすぎる。
【実施例】
【0016】
表1に示す中空金属球を、全体が4000cm3となるように充填して作製した枕を100人に装着し、以下の基準で寝姿へのフィット性と形態の持続性を評価した。即ち、仰向け状態を0度として、45度、90度、135度、180度(うつ伏せ)、225度、270度、315度の8角度で寝姿をとり、角度ごとに違和感がある場合は0点、無い場合は1点で点数付けを行った(一人当たりの満点は8点)。100人の総計が500〜800点を優(◎)、200〜499点を良(○)、199点未満を不可(×)とした。形態の持続性は、同様の寝姿を取って15分間同じ姿勢を続けた時に、頭の位置がずれた場合は0点、ずれない場合は1点で点数付けを行った(一人当たりの満点は8点)。同様に、100人の総計が500〜800点を優(◎)、200〜499点を良(○)、199点未満を不可(×)とした。
【0017】
【表1】

【0018】
発明例1,2は、粒状充填材に占める中空金属球の割合を100体積%とした例である。発明例3〜5は、中空金属球と他の粒状物を本発明の範囲を満足するように併用した例であり、中空金属球と他の粒状物とを別々の内袋に収納して枕に充填した。
比較例1は、充填材に占める中空金属球の割合が本発明の範囲を外れる例であり、中空金属球と他の粒状物とを別々の内袋に収納して枕に充填した。比較例2,3は、金属中空体を使用しなかった例である。
【0019】
表1から明らかなように、発明例の枕は、いずれも寝姿へのフィット性と形態の持続性に優れている。
【産業上の利用可能性】
【0020】
寝姿に応じて容易に変形して、頭部にフィットするとともに、その形態を持続することが可能な枕を得ることがでるので、多大な効果を発揮する。
【符号の説明】
【0021】
1 中空金属球
2 粒状物
3 枕
4 内袋


【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空金属球のみを、あるいは中空金属球と粒状物とを、粒状充填材として充填した枕であって、該粒状充填材全体に占める前記中空金属球の割合が5体積%以上であることを特徴とする粒状充填材を充填した枕。
【請求項2】
前記中空金属球の平均外径が1〜10mmであることを特徴とする請求項1に記載の粒状充填材を充填した枕。
【請求項3】
前記中空金属球の平均殻厚さが10〜200μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の粒状充填材を充填した枕。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−196(P2012−196A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−136473(P2010−136473)
【出願日】平成22年6月15日(2010.6.15)
【出願人】(591006298)JFEテクノリサーチ株式会社 (52)
【Fターム(参考)】