説明

粒状資材、及びこの粒状資材の施用方法

【課題】低コストで、根粒菌を効率的にマメ科植物に着生させる。
【解決手段】根粒菌30と、天然物質由来の多孔性物質であって根粒菌30を保持する粒状の核部材10と、天然物質由来の多孔質物質であって根粒菌30を保持した核部材10を被覆するように担持する粒状、又は粉状の担体40と、天然物質由来の吸湿性及び保水性を有する物質からなる粒状、又は粉状の保水体31と、根粒菌30と保水体31のバインダー20となる糖類と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マメ科植物に対し根粒菌を接種するための粒状資材、及びこの粒状資材の施用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
窒素は植物の成長を最も大きく制限する元素の一つであり、作物生産に極めて重要な養分である。今日の農業において、窒素肥料のような化学肥料は欠かせない資材として広く利用され、安定的な作物生産に大きく貢献している。しかしながら、近年のバイオ燃料の需要や人口増加に伴う世界的な穀物増産基調によって肥料の需給が逼迫し、肥料価格が高騰している。今後も価格の上昇が予想されており、生産現場においては肥料コストの低減と生産性の維持が切実な課題となっている。こうした状況下で、化学肥料の軽減や持続可能な農業生産を行うための手段の1つとして生物的固定窒素を利用した根粒菌の活用が提案されている。
【0003】
根粒菌は、マメ科植物の生育に重要な土壌微生物として古くから知られており、マメ科植物の根に共生して根粒を形成し、着生した植物から生育に適した形態の炭水化物などの養分供給を受けている。その代わりに、植物に対して、根粒中に形成されたバクテロイドは空気中の窒素をアンモニアに変換し、植物が利用可能な形態の窒素化合物を供給している。この根粒菌の窒素固定の働きによって、植物に硫安や尿素などの窒素肥料を与えるのと同様な作用を自然な状態で行うことができる。
【0004】
現在では、土壌に対して窒素固定能の高い根粒菌を効率よく接種するため、例えば、根粒菌を種子に粉衣してその粉衣種子を播種する方法(例えば、特許文献1参照)、根粒菌を高吸水性ポリマー(PVA)等からなるカプセル(崩壊剤)で製剤化してなる資材を土壌に施用する方法(例えば、特許文献2参照)等が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10-210807号公報
【0006】
【特許文献2】特開平6-62667号公報
【0007】
しかしながら、特許文献1のような粉衣種子の場合、特に、重粘土水田転換畑地帯における播種時の土壌水分が極めて低い条件下では、乾燥等の土壌環境の影響を受け易く、根粒菌の活性の低下が早期に生じる問題があった。すなわち、根粒菌の活性が低下すると、マメ科植物の根が生える根圏全体への移動量・拡散量が少なくなるとともに、窒素固定能が低い土着根粒菌との競合に負けてしまうため、粉衣量に応じた着生数に至らず、窒素固定効果を発揮することができない。
【0008】
特許文献2の資材では、カプセルで根粒菌を保護することで、施用後に土壌環境の影響を受けないようにして、根粒菌の活性の低下をある程度防げる可能性があるが、従来の資材は、菌の生残性や、施用の効果、例えば、根粒着生、植物の生長促進効果等について十分なものとはいえなかった。
【0009】
さらに、カプセルに根粒菌を入れて製剤化した資材は、根粒菌をカプセルに充填する設備を始めとする製剤化に関する各種設備を要し、このような設備により製造コストが高くなり、最終的な資材の価格が高いものとなる問題があった。このような資材は、圃場の規模によっては、数10kg〜数100kg以上の施用を要する資材であるため、資材の価格が高くなると、生産コスト、市場で販売される農作物の価格にも影響する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、このような問題に対処することを課題とするものである。すなわち、低コストで、根粒菌を効率的にマメ科植物に着生させることが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するため、本発明に係る粒状資材は、次の構成を少なくとも具備する。
【0012】
本発明に係る粒状資材は、根粒菌と、天然物質由来の多孔性物質であって前記根粒菌を保持する粒状の核部材と、天然物質由来の多孔質物質であって前記根粒菌を保持した核部材を被覆するように担持する粒状、又は粉状の担体と、天然物質由来の吸湿性及び保水性を有する物質からなる粒状、又は粉状の保水体と、前記根粒菌と保水体のバインダーとなる糖類と、を備えていることを特徴としている。
【0013】
ここでいう根粒菌は、例えば、次の根粒菌が挙げられる。
【0014】
【表1】

【0015】
ここでいう核部材に用いられる天然物質由来の多孔性物質は、例えば、軽石、ゼオライト、パーライト、珪藻土、赤玉土、鹿沼土、黒ボク土、木炭、貝殻等の安価に大量入手、及び加工が容易なものが好ましい。また、多孔性物質の形状は、例えば、球形、楕円形、円柱形、角形等、いずれの形状でもよい。また、多孔性物質の粒径は、例えば、担体が被覆された状態で、周知の播種機等により土壌に効率的に施用できる程度の粒径(例えば、0.5mm〜3.0mm)が好ましい。
【0016】
ここでいう担体に用いられる天然物質由来の多孔性物質は、例えば、ピートモス、ゼオライト、ラジオライト、珪藻土、パーライト、タルク、白陶土、クレー、ココナツピート、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、活性炭素、カーボンブラック、パルプ、藁、大豆かす、ベントナイト、カオリン、モンモリロナイト、アルミナ等の安価に大量入手、及び加工が容易なものが好ましい。また、多孔性物質の形状は、例えば、球形、楕円形、円柱形、角形等、いずれの形状でもよい。また、多孔性物質の粉径/粒径は、例えば、前記粒径の核部材に用いられる多孔性物質に担持された根粒菌を効果的に保護できる程度の粉径/粒径(例えば、0.01〜0.10mm)が好ましい。
【0017】
ここでいう糖類とは、水溶性糖類・糖アルコール等が挙げられる。具体的には、果糖、ショ糖、ブドウ糖、麦芽糖、乳糖、フルクトース、アラビノース、キシロース、マンノース、ガラクトース、マルチトース、マンニトール、キシリトール、トレハロース、ソルビトール、マルトトリオース、リボース、ラムノース、フコース、イソマルトース、ラフィノース、オリゴ糖、水飴、デキストリン、でん粉、エリスリトール、ラクチトール、パラチニット、プルラン、還元水飴、蜂蜜、メープルシロップ、糖蜜、廃糖蜜、飴、アセチルグルコサミン、エチレングリコール、グリセリン及びそれらの2種以上の混合物、又はそれ以外の糖が含まれたもの等が例示できる。例示した糖類の内、粒状資材の製造効率の向上という点から、例示した糖類の内、蜂蜜、メープルシロップ、糖蜜、廃糖蜜、飴等のように、水分含有量が少ないとともに、接着力、及び粘度が高く、乾燥時間が短いものが好ましい。さらに、これらの糖類の内、安価に大量入手が可能であり、原料コストの低減、及び製糖時に発生する副産物(食品廃材)の再利用という点から廃糖蜜が好ましい。
【0018】
ここでいう天然物質由来の吸湿性及び保水性を有する物質からなる保水体とは、グリコサミノグリカン・高吸水性高分子等からなるものが挙げられる。具体的な物質には、ヒアルロン酸、ケラタン硫酸、コンドロイチン、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、寒天、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、納豆樹脂、エポキシ樹脂、乳酸樹脂、シリカゲル及びそれらの2種以上の混合物、又はそれ以外の吸湿性及び保水性を有する物質等が例示できる。例示した吸湿性及び保水性を有する物質からなる保水体の内、粒状資材の良好な根粒菌生残性・増殖性を確保する観点から、保水体は、少なくとも、ヒアルロン酸を含む物質からなるものが好ましい。
【0019】
粒状資材における根粒菌の良好な生残性を確保し、雑菌の繁殖の抑制をするには、粒状資材中の水分活性を、0.10〜0.60にすることが好ましい。
【0020】
前記粒状資材は、播種されたマメ科植物の種子に対して根粒菌が効率的に着生できる部位に施用することが好ましい。その部位としては、種子から成長する根が向かう方向であり、例えば、施肥範囲中である。また、施肥範囲中に粒状資材を効率的、かつ確実に施用するには、例えば、肥料と混合して施用することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る粒状資材の概略構成図。
【図2】本発明に係る粒状資材の製造方法の一例を示す概略工程図で、(a)は第1工程図、(b)は第2工程図。
【図3】本発明に係る粒状資材の施用方法の一例を示す概略図。
【図4】本発明に係る粒状資材の施用方法の他の例を示す概略図。
【図5】本発明に係る粒状資材の根粒着生効果を示し、(a)は開花初期における根粒菌の着生数及び作物の生育結果、(b)は開花後期における根粒菌の着生数及び作物の生育結果である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る粒状資材を実施するための形態を説明する。
【0023】
図1は、本実施形態に係る粒状資材1の概略構成図である。粒状資材1は、天然の多孔性物質を用いた粒状の核部材10にバインダー20により根粒菌30と粉状の保水体31が付着状に保持され、根粒菌30と保水体31を保持した核部材10が、天然の多孔性物質を用いた粉状の担体40で被覆状に担持されたものである。また、粒状資材1は、雑菌の繁殖を抑制して根粒菌30の生残性を確保するために水分活性を0.10〜0.60にしてある。この水分活性にした理由は、水分活性が0.60を超えると、根粒菌の生残性に悪影響を与えるカビ等の雑菌が繁殖し易く、0.10未満であっても、根粒菌自体の活性が低くその生残性が低下してしまうため、十分な施用効果(根粒着生)が得られないことからである。すなわち、水分活性が0.10〜0.60であれば、根粒菌の生残性に悪影響を与えるカビ等の雑菌の繁殖も少なく、根粒菌自体の活性も良好であって、十分な施用効果(根粒着生)が得られる根粒菌の生残性を確保することができる。
【0024】
尚、実際には、根粒菌30は、バインダー20により保水体31と付着又は混合された状態で核部材10に保持されるが、本実施形態では、根粒菌30が核部材10に保持された状態を表すために、バインダー20と根粒菌30と保水体31が層状に重なり合う状態として図示した。
【0025】
核部材10は、天然由来物質であり、かつ安価に大量入手、及び加工が容易な多孔性物質を0.5mm〜3.0mmに加工した粒状物である。
【0026】
バインダー20は、容易に大量入手でき、原料コストの削減や製糖時に発生する副産物(食品廃材)の再利用に好ましい廃糖蜜である。また、廃糖蜜は、接着力、及び粘度が高く、水分含有量が低いことから、粒状資材1の製造や、粒状資材1の水分活性を0.10〜0.60に調整すること等が容易であり、粒状資材1の製造効率の向上に貢献する。また、廃糖蜜は、根粒菌30の生残性に大きく関与する塩濃度が0.10mol/L未満のものを使用することで、根粒菌30の生残性を確保することができる。
【0027】
保水体31は、粒状資材の良好な根粒菌生残性・増殖性に必要な水分の吸湿性及び保水性に優れ、しかも入手が容易なヒアルロン酸からなるものである。
【0028】
図2(a)〜(b)は、粒状資材1の製造方法の一例を示す概略工程図である。
【0029】
第1工程(図2(a)):核部材10と培養した根粒菌30と保水体31とをバインダー20となる廃糖蜜に混入後、造粒装置(図示せず)を用いて攪拌混合しながら造粒することにより、核部材10に根粒菌30及び保水体31が付着した根粒菌粒状物1Aを製造する。
【0030】
第2工程(図2(c)):根粒菌30及び保水体1が核部材10に充分付着したら、造粒装置A内の根粒菌粒状物1Aに担体40を添加し、造粒装置を作動させて根粒菌粒状物1Aの周りに担体40を被覆状に付着させる。
【0031】
以上の工程により粒状資材1を製造することができる。この製造工程では、水分含有量が低い廃糖蜜をバインダー20としているので、製造後に粒状資材1を乾燥させる時間を短縮でき、又はその乾燥工程が必要ない。また、この製造工程では、粒状資材1の水分活性が0.10〜0.60となるようにするとともに、担体40が根粒菌粒状物1Aに対して確実に被覆されるように、バインダー20の混入量を、バインダー20の水分含有量、及び造粒時におけるバインダー20の水分蒸発量、さらに、保水体31の吸湿量及び水分保水量等を考慮して適宜調整する。また、造粒装置は、周知の転動造粒装置、攪拌造粒装置等が使用できる。また、核部材10や担体40は、周知の解砕整粒装置(図示せず)等を用いて多孔性物質を所定の大きさに解砕整粒する。
【0032】
本実施形態の粒状資材1によると、根粒菌30は、被覆状に付着させた担体40により土壌成分のストレスから保護される。また、根粒菌30の生残性や雑菌の繁殖防止に良好な水分活性を有し、バインダー20となる廃糖蜜が根粒菌30の養分となる。また、核部材10、及び担体40の微細孔を根粒菌30の住処とすることができる。さらに、核部材10、バインダー20、保水体31、担体40は、大量入手が安価、かつ容易であり、核部材10、及び担体40は、周知の解砕整粒装置等により粒状・粉状に加工できるため、粒状資材1の原料コストや製造コストを低減できる。また、粒状資材1は、これらの原料を用いて周知の造粒装置により製造することができる。さらに、粒状資材1は、最大でも、周知の播種機等により土壌に効率的に施用できる程度の粒径となる。さらに、粒状資材1を圃場に施用した際に、保水体31が、土壌に含まれる水分や降雨等による水分を吸湿及び保水する。そして、保水体31に保水された水分がバインダー20を溶かすことで、根粒菌が溶出し土壌へ拡散・定着させやすくすることができる。
【0033】
すなわち、本実施形態の粒状資材1は、根粒菌30に対して土壌成分からのストレスを受け難く、しかも、生息するのに良好な環境を与えることができる。さらに、粒状資材1は、低コストで製造されるため安価なものとなる。したがって、土壌中での活性低下が抑制され、根粒菌30の生残性の向上が期待できるとともに、土壌への施用が容易な粒状資材1を安価に提供できる。よって、低コストで、根粒菌30を効率的にマメ科植物に着生させることが期待できる。
【0034】
本実施形態の粒状資材1は、砕土耕起時に土壌中に施用する方法、種子直下に施用する方法、側条に施用する方法、根圏全体に均一に施用する方法等、一般的な施肥と同様な方法での施用が可能である。また、肥料と混合して施用することも可能である。
【0035】
図3は、本実施形態の粒状資材1の施用方法の一例を示す概略図である。本施用方法は、粒状資材1を肥料3の施用範囲中に施用する方法である。この施用方法によると、種子2から成長する根4が養分を求めて肥料3の方向に伸びるということを利用し、この施肥した位置の直上に粒状資材1を施用することにより、根4と粒状資材1の接触機会を増やすことができる。すなわち、根4と粒状資材1の接触機会が増えることにより、根粒着生の機会が増えて該根粒着生が効率的に行われる。
【0036】
この施肥位置は、種子直下(一点鎖線で示す)、又は側条(二点鎖線で示す)いずれも含まれ、この位置であれば、周知の播種機(図示せず)を用いて施用できる。
【0037】
図4は、本実施形態の粒状資材1の施用方法の他の例を示す概略図である。本施用方法は、粒状資材1と肥料3を混合した混合物を、種子直下(一点鎖線で示す)、又は側条(二点鎖線で示す)に、周知の施肥装置(図示せず)で施用する方法である。この施用方法によると、図3に示す施用方法と同様に、根4と粒状資材1の接触機会を増やすことができる上に、粒状資材1と肥料3を混合した混合物を施用するので、粒状資材1を根4の成長方向に施用する確実性が高く、根粒着生がより効率的に行われる。
【0038】
図5(a)(b)は、本実施形態の粒状資材1の根粒着生効果について、実際に圃場に施用した試験結果である。この試験は、同条件の圃場において、粉衣種子を播種したのみ(慣行区)における根粒着生数、及び根粒乾物重と、同じ粉衣種子を播種した土壌に、下記の構造の粒状資材を施用した(施用区1〜3)ときの根粒着生数、根粒乾物重、葉色(SPAD)、地上部乾物重及び草丈とを比較したものである。尚、図5(a)は開花初期における根粒菌の着生数及び作物の生育結果を示し、図5(b)は開花後期における根粒菌の着生数及び作物の生育結果を示ししている。
【0039】
使用粒状資材
使用根粒菌 Bradyrhizobium japonicum J1065
使用核部材 ゼオライト
使用担体 ピートモス
使用バインダー 廃糖蜜(塩濃度:0.05mol/L)
使用保水体 ヒアルロン酸
根粒菌密度 1.4×107cfu/g
施用位置 基肥、及びリン酸肥料と同位置(側条)
【0040】
使用粉衣種子
使用種子 大豆トヨホマレ
使用根粒菌 Bradyrhizobium japonicum J1065
根粒菌密度 2.0×107cfu/g
播種位置 地表面下およそ2.5cm
【0041】
圃場条件
使用圃場 水田転換畑
使用基肥 化成肥料BBS343
使用リン酸肥料 43重過石
施肥位置 粉衣種子下およそ5cm、側肥
【0042】
この結果、すべての施用区、かつ開花初期及び開花後期いずれにおいても、根粒着生数、根粒乾物重、葉色(SPAD)、地上部乾物重及び草丈が、慣行区の根粒着生数、根粒乾物重、葉色(SPAD)、地上部乾物重及び草丈を大幅に上回った。すなわち、粒状資材は、根粒着生に効果的であることが証明された。また、粒状資材の施用量が多いほど、根粒着生数、根粒乾物重、葉色(SPAD)、地上部乾物重及び草丈が増えている。すなわち、低コストで製造でき、安価で提供できる本実施形態の粒状資材1は、生産者の負担増を抑制した上で、大豆の収量を増やすのに有利なものである。
【0043】
尚、本発明は、例示した実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲の各項に記載された内容から逸脱しない範囲の構成による実施が可能である。
【符号の説明】
【0044】
1:粒状資材 2:種子 3:肥料 4:根 10:核部材 20:バインダー 30:根粒菌 40:担体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
根粒菌と、
天然物質由来の多孔性物質であって前記根粒菌を保持する粒状の核部材と、
天然物質由来の多孔質物質であって前記根粒菌を保持した核部材を被覆するように担持する粒状、又は粉状の担体と、
天然物質由来の吸湿性及び保水性を有する物質からなる粒状、又は粉状の保水体と、
前記根粒菌と保水体のバインダーとなる糖類と、
を備えていることを特徴とする粒状資材。
【請求項2】
前記保水体が、少なくともヒアルロン酸を含む物質からなることを特徴とする請求項1に記載の粒状資材。
【請求項3】
前記糖類が廃糖蜜であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の粒状資材。
【請求項4】
前記粒状資材の水分活性が0.10〜0.60であることを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれか1項に記載の粒状資材。
【請求項5】
請求項1〜4いずれかに記載の粒状資材の施用方法であって、
播種されたマメ科植物の種子に対し、施肥範囲中に施用することを特徴とする粒状資材の施用方法。
【請求項6】
請求項1〜4いずれかに記載の粒状資材の施用方法であって、
播種されたマメ科植物の種子に対し、肥料と混合して施用することを特徴とする粒状資材の施用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−220582(P2010−220582A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−74188(P2009−74188)
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【出願人】(597012460)十勝農業協同組合連合会 (3)
【Fターム(参考)】