説明

粒状農薬組成物の製造方法

【課題】被覆農薬含有粒状物の被覆材の設計を変更することなく、簡便で且つ環境負荷を低減することができる粒状農薬組成物を提供すること。
【解決手段】農薬活性成分を含有する農薬含有粒状物が熱硬化性樹脂で被覆されてなる被覆農薬含有粒状物(A)と、農薬活性成分を含有せず、且つ熱硬化性樹脂で被覆されていない粒状物(B)と、が略均一に混合されてなる粒状農薬組成物;被覆農薬含有粒状物(A)及び粒状物(B)のいずれもが、LT/LSが1.4〜14であり、密充填における100mlあたりの粒子数が1000〜13000000である粒状農薬組成物等を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は粒状農薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、就農人口が減少し、且つ就農者が高齢化している農業環境においては、農薬散布作業の省力化や効率化が求められている。このような農薬散布作業の省力化や効率化を図るための農薬とは、薬効が高く、且つ徐放期間が長い農薬であり、例えば農薬活性成分を含有する農薬含有粒状物が熱硬化性樹脂で被覆されてなる被覆農薬含有粒状物が開発されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−189752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このような被覆農薬含有粒状物は、単独で若しくは他の農薬粒状組成物と混合して用いられる等の施用方法の相違、或いは農薬散布装置の設計上の理由等により、所定量以上の単位当りの量を確保した上で散布される。このため、該被覆農薬含有粒状物に使用される被覆材も大量に用いられることになり、これに起因して環境負荷の増加等が懸念されていた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、被覆農薬含有粒状物の被覆材の設計を変更することなく、簡便で且つ環境負荷を低減することができる粒状農薬組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、本発明に至った。即ち、本発明は以下の発明を含む。[発明1]
農薬活性成分を含有する農薬含有粒状物が熱硬化性樹脂で被覆されてなる被覆農薬含有粒状物(A)と、農薬活性成分を含有せず、且つ熱硬化性樹脂で被覆されていない粒状物(B)と、が略均一に混合されてなる粒状農薬組成物。
[発明2]
被覆農薬含有粒状物(A)及び粒状物(B)のいずれもが、LT/LSが1.4〜14であり、密充填における100mlあたりの粒子数が1000〜13000000である発明1記載の粒状農薬組成物(但し、被覆農薬含有粒状物(A)又は粒状物(B)を構成するある固体粒子を平面上に重心が最も低くなるように置き、平面に対して真上から投影して求められる投影図の周上の任意の2点間の距離のうち最大値をLT1、該粒子を置いた平面に対して平行な面で該粒子を挟んだときの両平面の距離をLS1とするとき、LTはLT1の数平均値を、LSはLS1の数平均値を表す。)。
[発明3]
被覆農薬含有粒状物(A)の密充填における100mlあたりの粒子数と、粒状物(B)の密充填における100mlあたりの粒子数との比が、1/27〜27である発明1又は2に記載の粒状農薬組成物。
[発明4]
被覆農薬含有粒状物(A)及び粒状物(B)の合計含有割合が、粒状農薬組成物全量に対して80〜100重量%である発明1〜3のいずれか一に記載の粒状農薬組成物。
[発明5]
熱硬化性樹脂が、熱硬化性樹脂が、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ウレア・メラミン樹脂及びシリコーン樹脂からなる群から選ばれる発明1〜4のいずれか一に記載の粒状農薬組成物。
[発明6]
農薬活性成分の含有割合が、被覆農薬含有粒状物(A)に対して0.1〜15重量%である発明1〜5のいずれか一に記載の粒状農薬組成物。
[発明7]
農薬活性成分を含有する農薬含有粒状物が、農薬活性成分とともに固体担体、界面活性剤及び結合剤を含有する農薬含有粒状物である発明1〜6のいずれか一に記載の粒状農薬組成物。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、被覆農薬含有粒状物の被覆材の設計を変更することなく、簡便で且つ環境負荷を低減した粒状農薬組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の粒状農薬組成物は、農薬活性成分を含有する農薬含有粒状物が熱硬化性樹脂で被覆されてなる被覆農薬含有粒状物(A)と、農薬活性成分を含有せず、且つ熱硬化性樹脂で被覆されていない粒状物(B)と、が略均一に混合されてなるものである。
【0008】
(1) 3-ドデシル−1,4−ジヒドロ−1,4−ジオキソ-2-Naフチル アセタート
(2) (E)−N1−[(6−クロロ−3−ピリジル)メチル]−N2−シアノ−N1−メチルアセトアミジン
(3) O,S−ジメチル アセチルホスホロアミドチオエート
(4) エチル (Z)−N−ベンジル−N−([メチル(1−メチルチオエチリデンアミノ−オキシカルボニル)−アミノ]チオ)−β−アラニナート
(5) O,O−ジエチル O−5−フェニルイソキサゾ−ル−3−イル ホスホロチオエート(6) 1−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−N−ニトロイミダゾリジン−2−イリデンアミン
(7) 5−アミノ−1−(2,6−ジクロロ−α、α,α−トリフルオロ−p−トリル)−4−エチルスルフィニルピラゾ−ル−3−カルボニトリル
(8) (RS)−5−テトラ−ブチル−2−[2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−4−イル]フェネトール
(9) 2−(4−エトキシフェニル)−2−メチルプロピル 3−フェノキシベンジル エーテル
(10) N,N−ジメチル−2−メチルカルバモイルオキシイミノ−2−(メチルチオ)アセトアミド
(11) ナトリウム メチルジチオカルバメート
(12) S,S−ジ−セカンダリ−ブチル O−エチル ホスホロジチオアート
(13) S,S−(2−ジメチルアミノトリメチレン)ビス(チオカルバマート)
(14) 2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチルベンゾフラン−7−イル(ジブチルアミノチオ)メチルカルバマート
(15) (E)−1−(2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イルメチル)−3−メチル−2−ニトログアニジン
(16) 4−ブロモ−2−(4−クロロフェニル)−1−エトキシメチル−5−トリフルオロメチルピロール−3−カルボニトリル
(17) 1−[3,5−ジクロロ−4−(3−クロロ−5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)フェニル] −3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)尿素
(18) α−シアノ−3−フェノキシベンジル=2,2−ジクロロ−1−(4−エトキシフェニル)シクロプロパンカルボキシラート
(19) (RS)−1−メチルー2−ニトロ−3−(テトラヒドロ−3−フリルメチル)グアニジン
(20) (RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(1RS、3RS;1RS、3SR)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート
(21) (4−エトキシフェニル)[3−(4−フルオロ−3−フェノキシフェニル)プロピル](ジメチル)シラン
(22) 3−(2,4−ジクロロフェニル)−2−オキソ−1−オキサスピロ(4.5)デカ−3−エン−4−イルニ、2−ジメチルブチラート
(23) O,O−ジエチル O−2−イソプロピル−6−メチルピリミジル−4−イル ホスホロチオエート
(24) (Z)−3−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−1,3−チアゾリジン−2−イリデンシアナミド
(25) 3−(2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イルメチル)−5−メチル−1,3,5−オキサジアジナン−4−イリデン(ニトロ)アミン
(26) 3,7,9,13−テトラメチル−5,11−ジオキサ−2,8,14−トリチア−4,7,9,12−テトラ−アザペンタデカ−3,12−ジエン−6,10−ジオン
(27) N−(4−タ−シャリ−ブチルベンジル)−4−クロロ−3−エチル−1−メチルピラゾール−5−カルボキサミド
(28) 2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル (Z)−(1RS,3RS)−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロプ−1−エニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート
(29) 1−(3,5−ジクロロ−2,4−ジフルオロフェニル)−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)尿素
(30) (S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (1R,3s)−2,2−ジメチル−3−[(RS)−1,2,2,2−テトラブロモエチル]シクロプロパンカルボキシラート
(31) 4−クロロ−3−エチル−1−メチル−N −[4−(p−トリルオキシ)ベンジル]ピラゾール−5−カルボキサミド
(32) (E)−N−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−N−エチル−N−メチル−2−ニトロビニリデンジアミン
(33) イソプロピル 3−(4−メトキシビフェニル−3−イル)カルバザート
(34) 2−メチルビフェニル−3−イルメチル (Z)−(1RS,3RS)−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロプ−1−エニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート
(35) 2−タ−シャリ−ブチル−5−(4−タ−シャリ−ブチルベンジルチオ)−4−クロロピリダジン−3(2H)−オン
(36) 2,6−ジクロロ−4−(3,3−ジクロロアリルオキシ)フェニル 3−[5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジルオキシ]プロピルエーテル
(37) (±)−5−アミノ−1−(2,6−ジクロロ−α,α,α−トリフルオロ−p−トリル)−4−トリフルオロメチルスルフィニルピラゾール−3−カルボニトリル
(38) (RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(RS)―2−(4−クロロフェニル)−3−メチルブチラート
(39) タ−シャリ−ブチル(E)−α−(1,3−ジメチル−5−フェノキシピラゾール−4−イルメチレンアミノ−オキシ)−p−トルエート
(40) (RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル=2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシラート
(41) 2−タ−シャリ−ブチルイミノ−3−イソプロピル−5−フェニル−1,3,5−チアジアジン−4−オン
(42) メチル (E)−2−(α−[2−イソプロポキシ−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イルオキシ]−o−トリル)−3−メトキシアクリラート
(43) RS−α−シアノ−3−フェノキシベンジル N−(2−クロロ−α,α,α−トリフルオロ−p−トリル)−DL−バリナート
(44) 1−[4−(2−クロロ−α,α,α −トリフルオロ−p−トリルオキシ)−2−フルオロフェニル]−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)尿素
(45) N−シアノメチル−4−(トリフルオロメチル)ニコチナミド
(46) O−4−ブロモ−2−クロロフェニル O−エチル S−プロピル ホスホロチオアート
(47) 3−フェノキシベンジル (1RS,3RS;1RS,3SR)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート
(48) エチル N−[2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチルベンゾフラン−7−イルオキシカルボニル(メチル)アミノチオ]−N−イソプロピル−β−アラニナート
(49) (RS)−S−セカンダリ−ブチル O−エチル 2−オクソ−1,3−チアゾリジン−3−イルホスホノチオエート
(50) N−タ−シャリ−ブチル−N−(3−メトキシ−o−トルオイル)−3,5−キシロヒドラジド
(51) ビス[トリ(2−メチル−2−フェニルプロピル)チン]オキシド
(52) S−2,3−ジヒドロ−5−メトキシ−2−オキソ−1,3,4−チアジアゾール−3−イルメチル O,O−ジメチルホスホロジチオエート
(53) O,O−ジメチル O−4−ニトロ−m−トリル ホスホロチオエート
(54) S−α−エトキシカルボニルベンジル O,O−ジメチル ホスホロジチオエート
(55) メチル=(E)−2−(2−[6−(2−シアノフェノキシ)ピリミジン−4−イルオキシ]フェニル)−3−メトキシアクリラート
(56) ジイソプロピル−1, 3−ジチオラン−2−イリデンマロネート
(57) (1RS,2SR,5RS;1RS,2SR,5SR)−2−(4−クロロベンジル)−5−イソプロピル−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イソメチル)シクロペンタノール
(58) 3−(3,5−ジクロロフェニル)−N−イソプロピル−2,4−ジオキソイミダゾリジン−1−カルボキサミド
(59) 1,1−イミニオジ(オクタメチレン)ジグアニジウム・トリス(アルキルベンゼンスルホナート)
(60) 1,1−イミニオジ(オクタメチレン)ジグアニジウム=トリアセテート
(61) S−(4−クロロベンジル)N−(2,4−ジクロロフェニル)−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アセトイミドチオエート
(62) 5−エチル−5,8−ジヒドロ−8−オキソ[1,3]ジオキソロ[4,5−G]キノリン−7−カルボン酸
(63) (2E)−2−(メトキシイミノ)−2−(2−[(3E,5E,6E)−5−(メトキシイミノ)−4,6−ジメチル−2,8−ジオキサ−3,7−ジアザノナ−3,6−ジエン−1−イル]フェニル)−N−メチルアセトアミド
(64) 1L−1,3,4/2,5,6−1−デオキシ−2,3,4,5,6−ペンタハイドロキシシクロヘキシル 2−アミノ−2,3,4,6−テトラデオキシ−4−(α−イミノグリシノ)−α−D−アラビノ−へキソピラノサイドハイドロクロライドハイドレート
(65) S,S−(6−メチルキノキサリン−2,3−ジイル)ジチオカルボネート
(66) N−(トリクロロメチルチオ)シクロヘックス−4−エン−1,2−ジカルボキシイミド
(67) メチル(E)−2−メトキシイミノ−[2−(2−(o−トリルオキシメチル)フェニル)アセタート
(68) トリクロロニトロメタン
(69) 4−クロロ−2−シアノ−N,N−ジメチル−5−p−トリルイミダゾール−1−スルホンアミド
(70) イソプロピル3,4−ジエトキシカルバニラート
(71) 5,10−ジヒドロ−5,10−ジオキソナフト[2,3−B]−1,4−ジチイン−2,3−ジカルボニトリル
(72) cis−trans−3−クロロ−4−[4−メチル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]フェニル 4−クロロフェニル エーテル
(73) (Z)−N−(α−シクロプロピルメトキシイミノ)−2,3−ジフルオロ−6−(トリフルオロメチル)ベンジル)−2−フェニルアセタミド
(74) 1−(2−シアノ−2−メトキシイミノアセチル)−3−エチルウレア
(75) 3,5−ジメチル−1,3,5−チアジアジナン−2−チオン
(76) 3−クロロ−4,4−ジメチル−1,2,3−チアジアゾール−5−カルボキサニリド
(77) テトラメチルチウラムジスルファイド
(78) ジメチル4,4−(o−フェニレン)ビス(3−チオアロファナート)
(79) (RS)−2−(2,4−ジクロロフェニル)−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロピル1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテル
(80) (RS)−1−p−クロロフェニル−4,4−ジメチル−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)ペンタン−3−オール
(81) O−2,6−ジクロロ−p−トリル O,O−ジメチル ホスホロチオアート
(82) (E)−4−クロロ−α,α,α−トリフルオロ−N−(1−イミダゾール−1−イル−2−プロポキシエチリデン)−o−トルイジン
(83) 1L−(1,3,4/2,6)−2,3−ジヒドロキシ−6−ヒドロキシメチル−4−[(1S,4R,5S,6s)]−4,5,6−トリヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルシクロヘックス−2−エンイルアミノ]シクロヘキシルβ−D−グルコピラノサイド
(84) 5−メチルイソキサゾール−3−オール
(85) メチル N−(2−[1−(4−クロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシメチル]フェニル)(N−メトキシ)カルバマート
(86) 1,2,5,6−テトラヒドロピロロ[3,2,1−ij]キノリン−4−オン
(87) 3−アニリノ−5−メチル−5−(4−フェノキシフェニル)−1,3−オキサゾリジン−2,4−ジオン
(88) (R)−N−[(RS)−1−シアノ−1,2−ジメチルプロピル]−2−(2,4−ジクロロフェノキシ)プロピオンアミド 85% (S)−N−[(RS)−1−シアノ−1,2−ジメチルプロピル]−2−(2,4−ジクロロフェノキシプロピオンアミド
(89) 4−(4−クロロフェニル)−2−フェニル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)ブチロニトリル
(90) (RS)−5−クロロ−N−(1,3−ジヒドロ−1,1,3−トリメチルイソベンゾフラン−4−イル)−1,3−ジメチルピラゾール−4−カルボキサミド
(91) 3−クロロ−N−(3−クロロ−5−トリフルオロメチル−2−ピリジル)−α,α,α−トリフルオロ−2,6−ジニトロ−p−トルイジン
(92) 2,3−ジクロロ−N−4−フルオロフェニルマレイミド
(93) 2,4−ジクロロ−α,α,α−トリフルオロ−4−ニトロ−m−トルエンスルホンアニリド
(94) α,α,α−トリフルオロ−3−イソプロポキシ−o−トルアニリド
(95) N−(3,5−ジクロロフェニル)−1,2−ジメチルシクロプロパン−1,2−ジカルボキシイミド
(96) 3−アリルオキシ−1,2−ベンゾ[D]イソチアゾール 1,1−ジオキシド(97) (RS)−2−(2,4−ジクロロフェニル)−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)へキサン−2−オール
(98) メチル 1−(ブチルカルバモイル)ベンゾイミダゾール−2−イルカルバメート
(99) ペンタ−4−エニル N−フルフリル−N−イミダゾール−1−イルカルボニル−DL−ホモアラニナート
(100) 2−クロロ−N−(4−クロロビフェニル−2−イル)ニコチンアミド
(101) アルミニウム トリス−O−エチルホスホナート
(102) 5−(2−アミノ−5−O−カルバモイル−2−デオキシ−L−キシロンアミド)−1,5−デオキシ−1−(1,2,3,4−テトラヒドロ−5−ヒドロキシメチル−2,4−ジオキソピリミジン−1−イル)−β−D−アロフランウロニックアシド
(103) ビス(N,N−ジメチルジチオカルバミン酸)N,N−エチレンビス(チオカルバモイルチオ亜鉛)
(104) 亜鉛イオンクバクライマンガニーズエチレンビスジチオカーバメート(高分子)
(105) マンガニーズエチレンビス(ジチオカルバメート)(高分子)
(106) 2−p−クロロフェニル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)ヘキサンニトリル
(107) メチル N−(メトキシアセチル)−N−(2,6−キシリル)−DL−アラニナート
(108) (E)−2−メトキシイミノ−N−メチル−2−(2−フェノキシフェニル)アセトアミド
(109) N−(4−メチル−6−プロパ−1−イニルピリミジン−2−イル)アニリン(110) S−ベンジルO,O−ジイソプロピルフォスフォロチオエート
(111) テトラクロロイソフタロニトリル
(112) 6-クロロ-N2-エチル-N4-イソプロピル-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン(113) 4-ヒドロキシ-3,5-ジ-イオドベンゾニトリル
(114) 2,6-ビス(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イルオキシ)安息香酸ナトリウム
(115) 5-シクロプロピル-1,2-オキサゾール-4-イル α,α,α-トリフルオロ-2-メシル-p−トリル ケトン
(116) (RS)-2-(4-イソプロピル-4-メチル-5-オキソ-2-イミダゾリン-2-イル)キノリン−3−カルボン酸
(117) 2-(4-イソプロピル-4-メチル-5-オキソ-2-イミダゾリン-2-イル)ニコチナート
(118) (RS)-5-エチル-2-(4-イソプロピル-4-メチル-5-オキソ-2-イミダゾリン-2-イル)ニコチナート
(119) 2-メトキシ-3,6-ジクロロ安息香酸
(120) 1-[2-(シクロプロピルカルボニル)フェニルスルファモイル]-3-(4,6-ヂメトキシピリミジン-2-イル)尿素
(121) 2,4-ジフルオロ-2-(α,α,α-トリフルオロ-m−トリルオキシ)ニコチンアニリド
(122) メチル=2-[4-ジメチルアミノ-6-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)-1,3,5-トリアジン-2-イルカルバモイルスルファモイル]-m−トルアート
(123) α,α,α-トリフルオロ-2,6-シニ゛トロ-N,N-ジプロピル-p−トルイジン
(124) 2-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イルカルバモイルスルファモイル)-N,N-ジメチルニコチンアミド
(125) 4-クロロ-5-メチルアミノ−2−(α,α,α-トリフルオロ-m−トリル)ピリダジン-3(2H)−オン
(126) ソディウム 2,6−ビス(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルオキシ)ベンゾエート
(127) 2−[4,6−ビス(ジフルオロメトキシ)ミリミジン−2−イルカーバモイル(128) 1,1−ジメチル−3−(α,α,α−トリフルオロ−m−トリル)尿素
(129) 4−フルオロ−N−イソプロピル−2−(5−トリフルオロメチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イルオキシ)アセトアニリド
(130) N−(7−フルオロ−3,4−ジヒドロ−3−オキソ−4−プロパー2−イニル−2H−1,4−ベンゾキサジン−6−イル)シクロヘキサ−1−エン−1,2−ジカルボキシアミド
(131) [2−クロロ−5−(シクロヘキシ−1−エン−1,2−ジカルボキシイミド)−4−フルオロフェノキシ]酢酸
(132) 2,6−ジフルオロ−5−メチル[1,2,4]トリアゾロ[1,5−A]ピリミジンー2−スルホンアニリド
(133) 4−アミノ−3,5−ジクロロ−6−フルオロ−2−ピリディロキシ酢酸
(134) 3,4−ジクロロプロピオンアニリド
(135) 3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシベンゾニトリル
(136) メチル=α−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルカルバモイルスルファモイル)−o−トルアート
(137) 3−イソプロピル−1H−2,1,3−ベンゾチアジアジン−4(3H)−オン 2,2−ジオキシド
(138) S−(4−クロロベンジル)−N,N−ジエチルチオカーバメート
(139) N−(1−エチルプロピル)−2,6−ジメチル−3,4−キシリジン
(140) (RS)−2−(4−クロロ−o−トリルオキシ)プロピオン酸
(141) メチル=2−(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イルカーバモイルスルファモイル)ベンゾエート
(142) 4−アミノ−6−ターシャリ−ブチル−3−(メチルチオ)−1,2,4−トリアジン−5−(4H)−オン
(143) 2−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルオキシ)−N−メチルアセトアニリド
【0009】
これらの農薬活性成分は、一種単独でも、二種以上を混合して用いてもよく、熱硬化性樹脂にて被覆される農薬含有粒状物中に、通常0.1〜90重量%、好ましくは1〜80重量%含有される。また、該農薬活性成分は、被覆農薬含有粒状物(A)中に、通常0.1〜15重量%含有される。
【0010】
農薬含有粒状物は、前記農薬活性成分が鉱物質担体、植物質担体、結合剤、合成担体等の固体担体に保持されてなるものであってもよく、その際必要により、水溶性担体、界面活性剤、溶媒、安定化剤、着色料、香料等が添加されていてもよい。なお、これらの固体担体、界面活性剤、溶媒、安定化剤、着色料又は香料等は、各々単独で用いてもあるいは2種以上で併用してもよい。
該農薬含有粒状物は、例えば、農薬活性成分0.1〜90重量%の他に固体担体1〜97重量%含有し、更に、結合剤0.5〜20重量%、好ましく0.5〜10重量%、界面活性剤0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%、溶媒30重量%以下、好ましくは0.1〜20重量%、安定化剤0.01〜10重量%、着色料及び/又は香料0.01〜5重量%を各々含有してもよい。
【0011】
農薬活性成分を固体担体に保持させるのは、農薬粒剤の一般的な製造法に従って行えばよく、通常、押出造粒機、圧縮造粒機、攪拌造粒機、流動層造粒機等の造粒機が使用され、一般に0.1〜5mm程度、好ましくは0.5〜3mm程度の押出し粒子径に造粒される。
【0012】
鉱物質担体としては、例えば、カオリナイト、ディッカナイト、ナクライト、ハロサイト等のカオリン鉱物、クリソタイル、リザータイト、アンチコライト、アメサイト等の蛇紋石、ナトリウムモンモリロナイト、カルシウムモンモリロナイト、マグネシウムモンモリロナイト等のモンモリロナイト鉱物、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、ハイデライト等のスメクタイト、パイロフィライト、タルク、蝋石、白雲母、フェンジャイト、セリサイト、イライト等の雲母、クリストバライト、クォーツ等のシリカ、アタパルジャイト、セピオライト等の含水珪酸マグネシウム、ドロマイト等の炭酸カルシウム、ギプサム、石膏等の硫酸塩鉱物、ゼオライト、沸石、凝灰石、バーミキュライト、ラポナイト、軽石、珪藻土、酸性白土、活性白土等、が挙げられる。
【0013】
植物質担体としては、例えば、セルロース、籾殻、小麦粉、木粉、澱粉、糠、ふすま、大豆粉等、が挙げられる。
【0014】
合成担体としては、例えば、湿式法シリカ、乾式法シリカ、湿式法シリカの焼成品、表面改質のシリカ、加工澱粉(松谷化学社製パインフロー等)、等が挙げられる。
【0015】
結合剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、メチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール又はその誘導体、ポリアクリル酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、アラビアガム等、が挙げられる。
【0016】
水溶性担体としては、例えば、乳糖、ショ糖、デキストリン等の糖類、食塩、芒硝、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、尿素、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、マレイン酸、クエン酸、フマル酸、リンゴ酸等が挙げられる。これらの中でも、特に糖類と尿素が好ましい。
【0017】
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンスチリルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンアルキルフェノールホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリルモノ脂肪酸エステル、ポリオキシプロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、高級脂肪酸グリセリンエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アルキロールアミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン等のノニオン性界面活性剤、
ドデシルアミン塩酸塩等のアルキルアミン塩酸塩、
ドデシルトリメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、ジアルキルモルホリニウム塩等のアルキル四級アンモニウム塩、
塩化ベンゼトニウム、ポリアルキルビニルピリジニウム塩等のカチオン性界面活性剤、
パルミチン酸ナトリウム等の脂肪酸ナトリウム、
ポリオキシエチレンラウリルエーテルカルボン酸ナトリウム等のエーテルカルボン酸ナトリウム、
ラウロイルサルコシンナトリウム、N−ラウロイルグルタミン酸ナトリウム等の高級脂肪酸のアミノ酸縮合物、
高級アルキルスルホン酸塩、ラウリン酸エステルスルホン酸塩等の高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、
ジオクチルスルホサクシネート等のジアルキルスルホコハク酸塩、
オレイン酸アミドスルホン酸塩等の高級脂肪酸アミドスルホン酸塩、
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジイソプロピルナフタレンスルホン酸塩等のアルキルアリールスルホン酸塩、
アルキルアリールスルホン酸塩のホルマリン縮合物、
ペンタデカン−2−サルフェート等の高級アルコール硫酸エステル塩、
ジポリオキシエチレンドデシルエーテルリン酸エステル等のポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、
スチレン−マレイン酸共重合体等のアニオン性界面活性剤、
N−ラウリルアラニン、N,N,N−トリメチルアミノプロピオン酸、N,N,N−トリヒドロキシエチルアミノプロピオン酸、N−ヘキシル−N,N−ジメチルアミノ酢酸、1−(2−カルボキシエチル)ピリジニウムベタイン、レシチン等の両性界面活性剤等、が挙げられる。
【0018】
溶媒としては、例えば、デカン、トリデカン、テトラデカン、ヘキサデカン、オクタデカン等の飽和脂肪族炭化水素類、
1−ウンデセン、1−ヘンエイコセン等の不飽和脂肪族炭化水素、
セレクロールS45(ICI製溶剤)等のハロゲン化炭化水素類、
メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、
エタノール、ブタノール、オクタノール等のアルコール類、
酢酸エチル、フタル酸ジメチル、ラウリン酸メチル、パルミチン酸エチル、酢酸オクチル、コハク酸ジオクチル、アジピン酸ジデシル等のエステル類、
キシレン、エチルベンゼン、オクタデシルベンゼン、ソルベッソ100(エクソン化学製溶剤)、ハイゾールSAS−296(日石化学製溶剤)等のアルキルベンゼン類、
ドデシルナフタレン、トリデシルナフタレン、ソルベッソ200(エクソン化学製溶剤)等のアルキルナフタレン類、
プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、
オレイン酸、カプリン酸、エナント酸等の脂肪酸類、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド等の酸アミド類、
オリーブ油、大豆油、菜種油、ヒマシ油、亜麻仁油、綿実油、パーム油、アボガド油、サメ肝油等の動植物油、マシン油等の鉱物油、
グリセリン、グリセリン脂肪酸エステル等のグリセリン誘導体等、が挙げられる。
【0019】
安定化剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等の酸化防止剤、
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤ヒンダードアミン系紫外線吸収剤等の紫外線吸収剤、
エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、エポキシ化菜種油等のエポキシ化植物油、イソプロピルアシッドホスフエート、流動パラフィン等、が挙げられる。
【0020】
着色料としては、例えば、ローダミンB、ソーラーローダミン等のローダミン類、黄色4号、青色1号、赤色2号等、が挙げられる。
【0021】
香料としては、例えば、アセト酢酸エチル、アントラニル酸メチル、イソ吉草酸イソアミル、エナント酸エチル、桂皮酸エチル、酪酸イソアミル等のエステル類、
カプロン酸、桂皮酸等の有機酸類、
桂皮アルコール、ゲラニオール、シトラール、デシルアルコール等のアルコール類、
バニリン、ピペロナール、ペリルアルデヒド等のアルデヒド類、
マルトール、メチルβ−ナフチルケトン等のケトン類、
メントール類等、が挙げられる。
【0022】
農薬含有粒状物を被覆する熱硬化性樹脂としては、例えばポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ウレア・メラミン樹脂、シリコーン樹脂等、が挙げられる。
該熱硬化性樹脂による具体的な被覆操作法としては、通常、硬化反応を起こして熱硬化性樹脂脂を形成し得るモノマーを、加熱条件下、必要により触媒の存在下、農薬含有粒状物に添加し、硬化反応を起こさせて被覆する方法が用いられる。
【0023】
ポリウレタン樹脂で被覆する場合、ポリイソシアナートとポリオールとを有機金属やアミン等の硬化剤の存在下に硬化反応を起こさせる。
該硬化剤としては、ジブチル錫ジアセタート、ジブチル錫ジクロリド、ジブチル錫ジラウレート、ジブチルチオ錫酸、オクチル酸第一錫、ジ−n−オクチル錫ジラウレート、イソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、オキシイソプロピルバナデート、n−プロピルジルコネート等の有機金属、
トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルジドデシルアミン、N−ドデシルモルホリン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N−エチルモルホリン、ジメチルエタノールアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等のアミン等、が挙げられる。
【0024】
エポキシ樹脂で被覆する場合、フェノール又はアルコールとエピクロルヒドリンとを硬化剤の存在下に硬化反応を起こさせる方法、
カルボン酸とエピクロルヒドリンとを硬化剤の存在下に硬化反応を起こさせる方法、
アミン、シアヌル酸又はヒダントインとエピクロルヒドリンとを硬化剤の存在下に硬化反応を起こさせる方法等、が挙げられる。
該硬化剤としては、ジエチルトリアミン、トリエチレンテトラミン、m−キシリレンジアミン、イソホロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ジアミノジフェニルメタン、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルスルホン、ジシアンジアミド、有機酸ジヒドラジド、ポリアミド変性ポリアミン、ケトン変性ポリアミン、エポキシ変性ポリアミン、チオ尿素変性ポリアミン、マンニッヒ変性ポリアミン、マイケル付加変性ポリアミン、ドデセニル無水コハク酸、ポリアゼライン酸無水物、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水トリメット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、テトラブロモ無水フタル酸、無水ヘット酸、ノボラック型ポリフェノール、ポリメルカプタン、ポリイソシアナート、カルボン酸含有ポリエステル樹脂、ベンジルジメチルアニリン、2,4,6−トリスジメチルアミノメチルフェノール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、芳香族スルホニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、レゾール型フェノール樹脂、メチロール基含有メラミン樹脂等、が挙げられる。
【0025】
また、脂肪族環状エポキシ化合物を過酢酸等の硬化剤の存在下に硬化反応を起こさせる方法も用いられる。
生成するエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、臭素化ビスフェノールA型、水添ビスフェノールA型、ビスフェノールS型、ビスフェノールAF型、ビフェニル型、ナフタレン型、フルオレイン型、フェノールノボラック型、o−クレゾールノボラック型、DPPノボラック型、トリスヒドロキシフェニルメタン型、テトラフェニロールエタン型等のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、
テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン型、トリグリシジルイソシアヌレート型、ヒダントイン型、アミノフェノール型、アニリン型、トルイジン型等のグリシジルアミン型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂等、が挙げられる。
【0026】
不飽和ポリエステル樹脂で被覆する場合、不飽和二塩基酸又は該酸無水物と二価アルコールとをビニルモノマーの存在下に硬化反応を起こさせる。
該不飽和二塩基酸としては無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、無水ヘット酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸等が挙げられ、二価アルコールとしてはエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールジヒドロキシプロピルエーテル等、が挙げられる。
ビニルモノマーとしては、スチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、フタル酸ジアリル、シアヌル酸トリアリル、メタクリル酸メチル等、が挙げられる。
【0027】
フェノール樹脂で被覆する場合、フェノールとアルデヒドとを塩酸、シュウ酸、ヘキサメチレンテトラミン等の触媒の存在下に硬化反応を起こさせる。
該フェノールとしては(狭義の)フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、キシレノール、p−tert−ブチルフェノール、レゾルシノール等、が挙げられる。
該硬化反応において酸性触媒下ではノボラック型フェノール樹脂が得られ、塩基性触媒下ではレゾール型フェノール樹脂が得られる。
【0028】
ウレア・メラミン樹脂で被覆する場合、ウレア又はメラミンとホルマリンとを塩基性触媒の存在下に硬化反応を起こさせる。
【0029】
シリコーン樹脂で被覆する場合、シリコーンと多官能性シロキサンとを触媒の存在下に硬化反応を起こさせる。
【0030】
本発明においては、モノマーの取扱い易さや硬化反応の条件等から、熱硬化性樹脂としてポリウレタン樹脂やエポキシ樹脂で被覆するのが便利である。特に、ポリイソシアナートとポリオールとの各々のモノマーに触媒を添加して得られる溶液にて農薬含有粒状物を被覆し、5〜120℃に3〜60分間保つことにより、農薬含有粒状物をウレタン樹脂で被覆するのが、操作性の点において好ましい。ここで、被覆するのに用いられるモノマーであるポリイソシアナートとポリオールとは、該モノマー単独のものでも、溶液状でもよく、また、水系エマルジョンや有機溶剤系エマルジョンであってもよい。
【0031】
ポリイソシアナートとしては、トルエンジイソシアナート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアナート(MDI)、ナフタレンジイソシアナート、トリジンイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、キシリレンジイソシアナート、4,4−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナート)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、1,3−(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、トリフェニルメタントリイソシアナート、トリス(イソシアナートフェニル)チオフォスフェイト及びこれらの混合物等、が挙げられる。
尚、被覆するのに用いられるこれらのポリイソシアナートモノマーに代えてこれらの変性体やオリゴマーを用いることもできる。
該変性体としては、アダクト変性体、ビウレット変性体、イソシアヌレート変性体、ブロック変性体、プレポリマー変性体、二量化変性体等、が挙げられる。
【0032】
ポリオールとしては、縮合系ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリアクリル酸ポリオール、ラクトン系ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、天然ポリオールやその変性物等が挙げられる。
縮合系ポリエステルポリオールは、通常、ポリオールと二塩基酸との縮合反応により得られる。ポリエーテルポリオールは、通常、環状オキシドの重合反応により得られる。ポリアクリル酸ポリオールは、通常、ポリアクリル酸とポリオールとの縮合反応、アクリル酸とポリオールとの縮合反応によって得られるアクリル酸エステルモノマーの重合反応により得られる。
ラクトン系ポリエステルポリオールは、例えば多価アルコールを開始剤とするε−カプロラクタムの開環重合により得られる。
ポリカーボネートポリオールは、通常、グリコールとカーボネートとの反応により得られる。
縮合系ポリエステルポリオールやポリアクリル酸ポリオールを得るのに用いられるポリオールとしては、通常、メチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、トリメチロールプロパン、ポリテトラメチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ショ糖及びこれらのオリゴマー等、が挙げられる。
縮合系ポリエステルポリオールを得るのに用いられる二塩基酸としては、通常、アジピン酸、フタル酸等、が用いられる。
また、上述のアクリル酸については、メタクリル酸を代用してもよい。
【0033】
本発明に用いられる被覆農薬含有粒状物(A)は、1種のみからなるものであってもよく、また2種以上のものからなっていてもよい。
【0034】
被覆される農薬含有粒状物の製造方法は、押出し造粒法、攪拌造粒法、流動層造粒法、含芯造粒法、圧縮造粒法等を挙げることができる。
【0035】
押出し造粒法により被覆される農薬含有粒状物の製造方法を以下に示す。前記農薬活性成分及び固体担体、必要に応じて、水溶性担体、結合剤、界面活性剤、溶剤、安定化剤、着色剤、香料等を混合機によって混合し、混合物を調製する。
混合機としてはリボンミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、レディゲミキサー等が挙げられる。
【0036】
次に前記混合物に水を滴下、噴霧、噴射し、混練機によって混練し、混練物を調製する。
混練機としてはナウターミキサ−、ヘンシェルミキサー、ニーダー等を上げることができる。混練の際に用いる水の量は混合物に対して通常、5〜45重量%が、好ましくは5〜30重量%である。
【0037】
次に混練物を造粒機を用いて造粒物を調製する。造粒機はバスケット式造粒機、スクリュー式造粒機、ペレタイザー等の押出し造粒機、ローラーコンパクター等の圧縮造粒機、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー等の攪拌造粒機、パングラニュレーター等の転動造粒機、流動層造粒機等を挙げることができる。
調製した造粒物は乾燥機等を用いて水分を除去してから整粒する方法や、造粒物を整粒してから乾燥する方法等がある。得られた造粒物を篩別することで農薬含有粒状物が得られる。
乾燥機は流動層乾燥機やベット式乾燥機、整粒機はマルメライザーやピンミル等の解砕機を挙げることができ、篩別機としてはジャイロシフターや電磁振動篩別機等を挙げることができる。
製造された熱硬化性樹脂にて被覆される農薬含有粒状物は一般に0.1〜5mm程度、好ましくは0.5〜3mm程度の押出し粒子径である。
【0038】
被覆農薬含有粒状物(A)を製造するに際し、農薬含有粒状物を熱硬化性樹脂で被覆する一方法を挙げると以下の通りである。
先ず、回転パン、回転ドラム等の装置(該装置には加温設備が付設されていることが好ましい。)で被覆される農薬含有粒状物を転動状態にする。加温下に、熱硬化性樹脂原料モノマー、その溶液、懸濁液、乳濁液等を滴下、噴霧等により該装置内に投入する。
【0039】
必要により、この操作を複数回繰り返す。特に、より長期間にわたる農薬活性成分の徐放化が必要とされる場面においては、農薬含有粒状物に対する熱硬化性樹脂の割合を高める必要があるが、その場合、転動状態にある農薬含有粒状物に対して一度に多量の熱硬化性樹脂原料モノマーを添加すると、未硬化の熱硬化性樹脂組成物が曳糸性を帯びて農薬含有粒状物が凝集した塊状となり易いことから、熱硬化性樹脂原料モノマーは少しずつ、好ましくは、被覆される農薬含有粒状物100重量部に対する熱硬化性樹脂の割合が一度に0.05〜1.5重量部となるように添加し、加温下に保って農薬含有粒状物を熱硬化性樹脂で被覆する操作を複数回繰り返す方法により被覆農薬含有粒状物(A)を得るのがよい。
【0040】
このようにして農薬含有粒状物が熱硬化性樹脂で被覆されるが、被覆される農薬含有粒状物100.0重量部に対する熱硬化性樹脂の割合が0.5〜15重量部となるように被覆するのが、一般に、得られる被覆農薬含有粒状物の効力持続性において好ましい。
尚、被覆農薬含有粒状物を熱硬化性樹脂で被覆中は、更に5〜120℃にて1〜120分間、好ましくは40〜100℃にて2〜30分間保持することが、被覆した熱硬化性樹脂を完全に硬化させるうえで好ましい。
【0041】
本発明において、より長期間にわたる農薬活性成分の徐放化が必要とされる場面においては、農薬含有粒状物に対する熱硬化性樹脂の割合を高める、反対に、あまり長期間の徐放化を必要としない場面においては、農薬含有粒状物に対する熱硬化性樹脂の割合を低めることにより各々の目的を達成できるが、その他に熱硬化性樹脂の種類を適宜選択することにより、徐放化の程度を制御することもできる。
即ち、熱硬化性樹脂の架橋密度を高める、例えば、ポリウレタン樹脂を用いる場合には、使用するポリイソシアナート又はポリオールとして三価以上のものを選択することにより、より長期間にわたる農薬活性成分の徐放化を達成できる。一般に、架橋密度の高い熱硬化性樹脂の選択にあたっては、通常、吸水率の低いガラス転移温度の高い樹脂を選択するのがよい。勿論、二種以上の樹脂を混合し、その混合割合を適宜選択することにより、必要とされる程度の徐放化を達成することもできる。
【0042】
農薬活性成分を含有せず且つ熱硬化性樹脂で被覆されていない粒状物(B)としては、前記固体担体等が挙げられ、必要に応じて前記水溶性担体、結合剤、界面活性剤、溶媒、安定化剤、着色料、香料等が添加されていてもよい。
【0043】
被覆されていない粒状物(B)は一般的な製造法に従って製造され、例えば、被覆される農薬含有粒状物と同様の方法で前記固体担体と結合剤、必要に応じて水溶性担体、界面活性剤や溶剤を前述した混合機、混練機、造粒機、乾燥機、整粒機等を用いて所定の粒子径となるように調製する押出し造粒法より製造される。
【0044】
また、粒状物(B)は固体担体、界面活性剤及び結合剤等をヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、攪拌造粒機や流動層造粒機へ投入し、粉体を混合、転動、流動させながら水を噴霧、滴下、乾燥を繰り返して粒を形成させて造粒物を調製し、得られた造粒物を乾燥させて造粒物を篩機で所定の粒子径となるように調製する攪拌造粒法や流動層造粒法により製造されてもよい。
【0045】
更に、市販の珪砂、寒水石、粒状軽石等をそのまま粒状物(B)として使用したり、所定の粒子径となるように篩を用いて調製することで粒状物(B)を得てもよい。
【0046】
そして、本発明の粒状農薬組成物は、前記被覆農薬含有粒状物(A)と粒状物(B)を、通常の方法により、略均一に混合されることにより製造される。なお、必要に応じて前記固体担体、結合剤、界面活性剤、溶媒、安定化剤、着色料、香料等が添加されていてもよい。
【0047】
被覆農薬含有粒状物(A)と粒状物(B)とを混合する方法としては、各々計量したものを袋混合する方法や密閉容器に入れて手で混合する方法等が挙げられる。
また、装置によって混合することも可能であり、該混合装置としては容器回転型混合装置、容器固定軸回転型混合装置、流動運動型混合装置等が挙げられる。
容器回転型混合装置としては水平軸回転の円筒型、V型、二重円錐型、正方立法体型の混合機が挙げられる。
容器固定軸回転型混合装置としてはリボン型、スクリュー型、遊星型、回転円盤型等が挙げられる。
流動運動型混合装置としては流動化型、重力型が挙げられる。
特に混合装置とていは容器回転型混合装置や流動運動型混合装置の使用が好ましい。
【0048】
被覆農薬含有粒状物(A)及び粒状物(B)のいずれものLT/LSは、1.4〜14である。本発明において、LTおよびLSは、下記の通り規定される。
被覆農薬含有粒状物(A)又は粒状物(B)を構成するある固体粒子を平面上に重心が最も低くなるように置き、平面に対して真上から投影して求められる投影図の周上の任意の2点間の距離のうち最大値をLT1、該粒子を置いた平面に対して平行な面で該粒子を挟んだときの両平面の距離をLS1とするとき、LTは粒状固形剤のLT1の数平均値を、LSは粒状固形剤のLS1の数平均値を表わす。これらの値のうちLTは、例えば画像解析装置を使用することにより求めることができ、また、LSは、例えばマイクロメーター、ノギス等により直接測定して求めることができる。
LT及びLSの数平均値は無作為に100mgをサンプリングし、サンプリングした全ての粒状物を所定の方法で計測して算出したものをLT1及びLS1とした。
【0049】
密充填における100mlあたりの粒子数をNとするとき、被覆農薬含有粒状物(A)及び粒状物(B)のいずれものNは1000〜13000000である。このNは、農薬公定法の見掛け比重測定方法に準じた方法を適用することにより測定することができ、具体的には、内径50mmの円柱状容器(容量100ml)に充填したときの粒数を計測することにより求めることができる。
また、被覆農薬含有粒状物(A)の密充填における100mlあたりの粒子数と、粒状物(B)の密充填における100mlあたりの粒子数との比は、1/27〜27、好ましくは0.1〜10であることが好ましい。
【0050】
被覆農薬含有粒状物(A)又は粒状物(B)の形状としては、例えば、卵形、楕円の回転体、ラグビーボール形、アーモンド形、樽形、円柱形、楕円柱形、凸レンズ形、凹レンズ形、ダンベル形、くさび形、板状、うろこ状また三角柱、四角柱等の多角柱、三角錘、四角錘等の多角錘、直方体、立方体等の多角体、ドーナツ形、歯車形等を挙げることができる。
【0051】
また、粒状物(B)は、本発明の粒状農薬組成物中に被覆農薬含有粒状物(A)と略均一に含まれており、被覆農薬含有粒状物(A)及び粒状物(B)の合計含有割合は、粒状農薬組成物全量に対して、80〜100重量%であることが好ましい。
【0052】
尚、本発明の粒状農薬組成物は、前記被覆農薬含有粒状物(A)及び粒状物(B)の他に、鉱物質担体、植物質担体、水溶性担体、合成担体等の前記固体担体を含有してもよく、その際必要により、前記界面活性剤、結合剤、溶媒、安定化剤、着色料、香料等が添加されていてもよい。
【0053】
本発明の粒状農薬組成物を製造する一方法を挙げると以下の通りである。
農薬活性成分である(E)−1−(2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イルメチル)−3−メチル−2−ニトログアニジン70.0重量%とカオリンクレー30.0重量%をジュースミキサーで混合したのち、混合物をピンミルで粉砕して粉砕物(以下クロチアニジン微粉末)を得た。得られたクロチアニジン微粉末の平均粒子径は18μmであった。クロチアニジン微粉末2.4重量%(農薬活性化合物として1.6重量%)、ポリビニールアルコール3.0重量%(日本合成化学社製PVA粉末グレード)、モンモリロナイト微粉末20.0重量%(ホージュン社製ベントナイト富士)、重質炭酸カルシウム59.1重量%(日東粉化社製タンカルNN#200)をナウターミキサーで10分間混合する。
【0054】
これとは別にポリオキシエチレンスチリルフェノール2.0重量%(東邦化学社製ソルポールT−20)と尿素1.5重量%(三井化学社製粒状尿素)とショ糖12.0重量%(大日本明治製糖社製グラニュー糖ME)を水15重量%に完全に溶解させて混練水を調整する。
得られた混練水を先に混合した粉体に滴下してその後15分ナウターミキサーを運転して混練物を得る。
【0055】
得られた混練物をバスケット式造粒機(畑鉄工所、押出し径スクリーン径φ0.9mm)を用いて造粒し得られた造粒物を流動層乾燥機で70℃20分間乾燥した後、篩(目開き1180μmを通過、710μmに残る)を用いて調製して被覆される農薬含有粒状物Aを得る。
【0056】
被覆される農薬含有粒状物Aを100.0重量%を熱風発生装置を付設した温度制御可能な傾斜パン型転動造粒機中で80℃に保持して転動させる。農薬含有粒状物A100.0重量%に対してポリメリックMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)37.6重量%、分岐型ポリエーテルポリオール33.2重量%、直鎖型ポリエーテルポリオール28.2重量%、2,4,6−(トリスジメチルアミノメチル)フェノール1.0重量%からなる混合物Aを0.25重量%滴下して、80℃の加温下で3分間保持する操作を所定の回数繰り返した後に10分間転動状態を継続して、モンモリロナイト微粉末0.4重量%を添加してからさらに5分間転動状態を継続することで被覆農薬含有粒状物(A)を得る。
【0057】
上記記載の被覆される農薬含有粒状物Aを得た方法と同様の方法により、ポリビニールアルコール3.0重量%(日本合成化学社製PVA粉末グレード)、モンモリロナイト微粉末20.0重量%(ホージュン社製ベントナイト富士印)、重質炭酸カルシウム75.0重量%(日東粉化社製タンカルNN#200)をナウターミキサーで10分間混合する。ポリオキシエチレンスチリルフェノール2.0重量%を水20.0重量%に溶解させて混練水を調製する。得られた混練水を先に混合した粉体に滴下してその後15分間ナウターミキサーを運転して混練物を得る。得られた混練物をバスケット式造粒機(畑鉄工所、押出し径スクリーン径φ0.9mm)を用いて造粒し得られた造粒物を流動層乾燥機で70℃20分間乾燥した後、篩(目開き1180μmを通過、710μmに残る)を用いて調製することで被覆されていない粒状物(B)を得る。
【0058】
そして、被覆農薬含有粒状物(A)50.0重量%と被覆されていない粒状物(B)50.0重量%とを袋中で混合して本発明の粒状農薬組成物を得る。
【0059】
本発明の粒状農薬組成物は、含有する農薬活性成分の種類や使用目的に応じて、例えば、水田、乾田、育苗箱、畑地、果樹園、桑畑、温室、路地等の農耕地、森林、芝生、ゴルフ場、街路樹、道路、路肩、湿地等の非農耕地、池、貯水池、川、水路、下水道等の水系等で使用することができる。
【0060】
また、本発明の粒状農薬組成物は、農薬の一般的な施用方法によって施用することができ、例えば手で直接散布する方法や簡易的な散粒機を用いて散粒する方法、更に背負い式散粒機、パイプ散粒機、空中散粒機、動力散粒機、育苗箱用散粒機、トラクター等に搭載型の散粒機、多口ホース散粒機、田植え機等に付設した散粒機等の散粒機を用いて散粒する方法等を用いて施用することができる。
【実施例】
【0061】
次に、実施例、比較例及び試験例をあげて本発明をより具体的に説明する。
実施例1
上記に記載のある方法により得られた被覆される農薬含有粒状物Aを100.0重量%を熱風発生装置を付設した温度制御可能な傾斜パン型転動造粒機中で80℃に保持して転動させる。転動状態の被覆される農薬含有粒状物A100.0重量%に対しポリメリックMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)37.6重量%、分岐型ポリエーテルポリオール33.2重量%、直鎖型ポリエーテルポリオール28.2重量%、2,4,6−(トリスジメチルアミノメチル)フェノール1.0重量%からなる混合物Aを0.25重量%滴下して、80℃の加温下で3分間保持する操作を16回繰り返した。その後10分間転動状態を継続したのち、引続きモンモリロナイト微粉末0.4重量%を添加してさらに5分間転動状態を継続してから取り出して被覆された被覆農薬含有粒状物1を得た。被覆農薬含有粒状物1を50.0重量%と先に記載のある方法で調製した被覆されていない粒状物(B)を50.0重量%を袋中で混合して100.0重量%の粒状農薬組成物AD−2(コート率2%)を得た。尚、被覆農薬含有粒状物(A)及び粒状物(B)のLT/LSは、それぞれ2.75及び2.18、密充填の100mlの粒子数は77586、密充填における(A)と(B)の粒子数の比は1.16であった。
【0062】
実施例2
実施例1と同様の方法を用いて被覆される農薬含有粒状物A100.0重量%を転動状態のまま80℃に保持させて混合物Aを0.25重量%滴下して3分間保持する操作を24回繰り返した。その後10分間転動状態を継続したのち、引続き、モンモリロナイト微粉末0.4重量%を添加して取り出したものを被覆された農薬含有粒状物2を得た。得られた農薬含有粒状物2を50.0重量%と被覆されていない粒状物(B)を50.0重量%を袋中で混合して100.0重量%の粒状農薬組成物AD−2(コート率3%)を得た。
尚、被覆農薬含有粒状物(A)及び粒状物(B)のLT/LSは、それぞれ2.27及び2.09、密充填の100mlの粒子数は73654、密充填における(A)と(B)の粒子数の比は1.01であった。
【0063】
比較例1
クロチアニジン微粉末1.2重量%(農薬活性化合物として0.8重量%)、ポリビニールアルコール3.0重量%(日本合成化学社製微粉末グレード)、モンモリロナイト微粉末20.0重量%(ホージュン社製ベントナイト富士)、重質炭酸カルシウム60.3重量%(日東粉化社製タンカルNN#200)をナウターミキサーで10分間混合する。ポリオキシエチレンスチリルフェノール2.0重量%(東邦化学社製ソルポールT−20)と尿素1.5重量%(三井化学社製粒状尿素)とショ糖12重量%(大日本明治製糖社製グラニュー糖ME)を水15重量%に完全に溶解させて混練水を得る。得られた混練水を先に混合した粉体に滴下してその後15分間ナウターミキサーを運転して混練物を得る。得られた混練物をバスケット式造粒機(畑鉄工所、押出し径スクリーン径φ0.9mm)を用いて造粒し得られた造粒物を流動層乾燥機で70℃20分間乾燥した後、篩(目開き1180μmを通過、710μmに残る)を用いて調製して被覆される農薬含有粒状物Bを得る。
被覆される農薬含有粒状物Bを100.0重量%を実施例1に記載の被覆された被覆農薬含有粒状物1を得た方法と同様の方法を用いて転動状態のまま80℃に保持させて混合物Aを0.25重量%滴下して3分間保持する操作を20回繰り返した。その後10分間転動状態を継続したのち、引続きモンモリロナイト微粉末0.4重量%を添加して取り出したもの粒状農薬組成物AD−1(コート率5%)を得た。尚、被覆農薬含有粒状物(A)及び粒状物(B)のLT/LSは、それぞれ2.36及び2.30、密充填の100mlの粒子数は78612、密充填における(A)と(B)の粒子数の比は1.14であった。
【0064】
比較例2
混合物Aを0.25重量%滴下して3分間保持する操作を32回とした以外は比較例1と同様の操作を行って、粒状農薬組成物AD-1(コート率8%)を得た。尚、被覆農薬含有粒状物(A)及び粒状物(B)のLT/LSは、それぞれ2.47及び2.29、密充填の100mlの粒子数は78366、密充填における(A)と(B)の粒子数の比は1.03であった。
【0065】
実施例1、2及び比較例1、2の農薬含有粒状組成物の組成を表1に示す。
【0066】
【表1】

【0067】
試験例1
<クロチアニジン水中溶出性試験>
500mlビーカーに300mlの3度硬水を計量し、円形の攪拌子を100rpmで攪拌して水温が25±1℃になるように温度管理する。実施例1、2及び比較例1、2の粒状農薬組成物を各1700〜1800mg(溶液中のクロチアニジン濃度が約47ppm)を攪拌子に巻き込まれないように水中に投下し水温を25±1℃で温度管理して、粒状農薬組成物を投入した日から3日後、7日後にそれぞれビーカーの中央部より約2mlをサンプリングして所定の方法により溶液中のクロチアニジンを定量して一式より溶出率を算出した。
一式:有効成分溶出率(%)=サンプリングした溶液中のクロチアニジン量/水中溶出試験に供試した粒状農薬組成物のクロチアニジン量×100
【0068】
試験例1の結果を表2に示す。
【0069】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明の粒状農薬組成物は、被覆農薬含有粒状物の被覆材の設計を変更することなく、簡便で且つ環境負荷を低減することが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
農薬活性成分を含有する粒状物が熱硬化性樹脂で被覆されてなる被覆農薬含有粒状物(A)と、農薬活性成分を含有せず、且つ熱硬化性樹脂で被覆されていない粒状物(B)とを略均一に混合する工程を有する粒状農薬組成物の製造方法。
【請求項2】
前記被覆農薬含有粒状物(A)及び前記粒状物(B)のそれぞれのLT/LSが1.4〜14であり、且つそれぞれの密充填における100mlあたりの粒子数が1000〜13000000である請求項1記載の粒状農薬組成物の製造方法(但し、前記被覆農薬含有粒状物(A)又は前記粒状物(B)を構成するある固体粒子を平面上に重心が最も低くなるように置き、平面に対して真上から投影して求められる投影図の周上の任意の2点間の距離のうち最大値をLT1、該粒子を置いた平面に対して平行な面で該粒子を挟んだときの両平面の距離をLS1とするとき、LTはLT1の数平均値を、LSはLS1の数平均値を表す。)。
【請求項3】
前記被覆農薬含有粒状物(A)の密充填における100mlあたりの粒子数と、前記粒状物(B)の密充填における100mlあたりの粒子数との比が、1/27〜27である請求項1又は2に記載の粒状農薬組成物の製造方法。
【請求項4】
前記被覆農薬含有粒状物(A)及び前記粒状物(B)の合計含有割合が、粒状農薬組成物全量に対して80〜100重量%である請求項1〜3のいずれか一項に記載の粒状農薬組成物の製造方法。
【請求項5】
前記熱硬化性樹脂が、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ウレア・メラミン樹脂及びシリコーン樹脂からなる群より選ばれる1種以上である請求項1〜4のいずれか一項に記載の粒状農薬組成物の製造方法。
【請求項6】
前記被覆農薬含有粒状物(A)における農薬活性成分の含有割合が、被覆農薬含有粒状物(A)全量に対して0.1〜15重量%である請求項1〜5のいずれか一項に記載の粒状農薬組成物の製造方法。
【請求項7】
前記農薬活性成分を含有する粒状物が、農薬活性成分とともに固体担体、界面活性剤及び結合剤を含有する粒状物である請求項1〜6のいずれか一項に記載の粒状農薬組成物の製造方法。

【公開番号】特開2012−233017(P2012−233017A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−196911(P2012−196911)
【出願日】平成24年9月7日(2012.9.7)
【分割の表示】特願2007−305499(P2007−305499)の分割
【原出願日】平成19年11月27日(2007.11.27)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】