粘性食物及び飲料注出システム
粘性食品を収容した少なくとも1つの使い捨て又は再使用可能なパッケージ10と、食品パッケージ10を保持するための保持部3、食品をパッケージから押し出す圧力押出機構2を有する注出装置と、バルブとを備えるシステムであって、食品パッケージが、パッケージの一部をなす出口部分4を備え、バルブは、食品が注出装置に接触することなく、パッケージから出てくる食品を配分量毎に切断するために出口部分4を閉鎖する作動を行うようになっている、食品又は飲料を注出するシステムを提供する。システムは、香味料有り、又は無しでより衛生的に冷凍菓子を送出することができる。冷凍菓子は、香味料が仕切り、底部、又はトッピングを形成する積層製品であり得る。システムは、注出機中の粘性濃縮飲料をより正確に供給するのに使用することもできる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料注出機又は冷凍菓子注出機に用いられるような、製品容器中のソフト・アイスクリームなどの粘性食物、飲料製品を自動的に注出することに関する。本発明はまた、見栄えのする方法で味付け又は多重に味付けされたデザートを作り出すために、同一の機械から凍結ないし冷凍菓子食物とソースやシロップなどの香味料製品との組合せを自動的に注出することに関する。本発明はまた、待機している消費者にすぐに食べられる状態で、出来たばかりのデザートを、好ましくは単にボタンを1つ押すだけで自動的に注出するようになった自動注出装置に関する。本発明は、濃縮飲料を正確に注出することも関する。本発明は、そのような方法及び装置に適合する製品パッケージにも関する。
【背景技術】
【0002】
食品サービス業界では、消費者は益々、食物及び飲物が自動的に準備され、直ちに手に入ることを望むようになっている。高品質で変化に富んだそのような食物を準備状態にしておくには、極めて熟練した労働力が必要である。そのような労働力は、益々供給不足になり、今までにも増して高価になっている。それによって、食品サービス業界の一部は益々未熟な労働力に頼ろうとするようになり、片や、食品加工業者は、より熟練労働力を必要としないより加工された食品を開発しようとする。同時に、準備する食物又は飲物の性質によっては、重大な安全上及び衛生上の問題がある。例えば、ミルクベースの飲物やアイスクリームのような日々の製品を収容する注出機は、機械製造者による特別な設計及び機械運用者による特別な注意を必要とする。より加工された食物に加えて、食物サービス業者に、省力化し衛生問題を改善しながら高品質の食物及び飲物を作るのを支援する設備及び特製パッケージを供給する設備供給業者の業界がある。
【0003】
長年の間、製造業者による即席食品を作る設備を開発する変わらぬ流れがあるが、高品質で付加価値のあるデザートに対する設備については多少限られている。デザート及び軽食の主要分野の1つに、アイスクリーム及び類似の冷凍デザートが含まれる。通常食品サービス分野では、加工業者はアイスクリームを食品サービス業者にばら荷で供給し、アイスクリームはばら荷容器から供用カップ、皿、又はコーンに掬い取られる。食品サービス業者は、サンデ、パフェなどの類の様々な美味で見栄えのよいデザートを作るために、シロップ、ソース、ホイップ・クリームなどを手で付け加えることもできる。この掬い上げられる「アイスクリーム」には、純アイスクリーム、アイスミルク、シャーベット、フローズンアイス、冷凍ヨーグルトなどを含むことができる。消費者に提供する製品の視覚化及び製品の最終的な外観は、しばしば販売経験の一部になる。これらアイスクリームは店内で作ることができるが、実際には殆どの場合、工場で作られ、事前包装容器に入れ冷凍して食品サービス店へ出荷される。
【0004】
掬い上げるばら荷状のアイスクリーム製品が普及しているのとは別に、「ソフトサーブ」アイスクリームが知られている。そのようなソフト・アイスクリームは世界の多くの地域でアイスクリームの法律上の定義には必ずしも合わないが、食品サービス店の専用の機械で作られる、特有の製法及び注出温度(好ましくは約−8℃〜−7℃)の点でそれぞれの独自性を有した特有なタイプの製品に発展してきた。これらの機械を製造する数多くの会社がある。食品サービス店では、機械は液体混合物を取り込み、空気を加え、製品を氷らせて注出する準備が整う。製造者は、これら機械が、注出している間にシロップなどもソフトサーブに加える向上を図ってきた。しかし、これらの機械の問題としては、限られた製品の種類(せいぜい2つ)、機械を清掃、消毒及びセットアップするのに必要な労力、機械の費用、機械の複雑さ、維持に熟練する必要性、適切に清掃し消毒されていないときに時折食品安全上の問題を生じることが分かってきている事実などが挙げられる。機械によっては、一日の終わりに残された液体製品を捨てる必要がある場合は、歩留まり損失になる。そのような機械はまた、バルブの手動開閉、ソフトサーブ製のデザートを作る正しい注出量及び注出サイズの判断が操作者頼みである。世界のある地域及びある消費者には、ソフトサーブは品質の期待にそっていない。
【0005】
益々注目を浴びてきている食品の分野は、ミルクや他の乳製品成分を含むラッテやカプチーノのような付加価値飲料である。カプチーノのような飲物を作るには、熟練した労働力を必要とし、時間も掛かる。これら注出機の多くは飲物を粉(粉乳を含む)から作るが、高品質を得るために、一部の製造者は、粉ではなく、例えば濃縮ミルクなどの液体に頼った機械を開発する方向に向かってきた。更に、これらの機械のあるものは、要求製品の全てをチョコレート・ベース濃縮物やコーヒー・ベース濃縮物のような濃縮物を用いて注出する。更に、ミルクや他の同様な濃縮物などの敏感な製品は、そのような食品材料の衛生上の必要性のためにパッケージ及び設備に特別な設計を必要とする。
【0006】
通常、ミルク及び類似の濃縮物(及び他の微生物の影響を受け易い製品)を衛生的に正確に供給する必要性に適合するために、濃縮物はバッグに入れられて供給され、蠕動ポンプで送給される。蠕動ポンプを使用する理由は、費用がかなり安く、衛生的なためである。このタイプのポンプは一組のローラによって製品を管に通すように動作するので、濃縮物が直接ポンプに接触することはない。但し、蠕動ポンプは、極めて粘性が高い濃縮物では問題があることが知られている。高粘性下で、蠕動ポンプには、もしあるとすれば、正確にポンプ給送するのに問題がある。別の問題は、これら濃縮物が作られるとき、ロットからロットへ粘性が変動する可能性があり、或いは、保存期間によって、又温度の影響によって粘性が著しく変化することである。それによって、蠕動ポンプによる供給が通常は時間系列制御なので、供給精度の問題が更に加わる。粘性が変化するにつれて、仕様から外れ、受容できない品質の飲物を作ってしまう点まで供給量が変化する。従って、そのようなシステムに対しては、濃縮物の粘性が極めて高いとき、又は粘性が著しく変化するときは、濃縮物の別の供給方法が必要になる。
【0007】
従って、冷凍デザート又は飲料濃縮物いずれのためにも、高粘性の製品を正確、簡単、かつ衛生的に注出する自動的化された方法が必要である。
【0008】
当技術分野には、事前充填パッケージを用いてこれらの問題の一部を、全てではないが、解決しようとする多くの試みがある。
【0009】
米国特許第5048724号及び第5405054号は、アイスクリームを事前包装バッグから注出する装置を開示する。出口チューブを有するアイスクリームのバッグが供給される。このチューブが手動で操作される出口バルブに接続される。この出口バルブが、流れを制御するピンチング機構を有する。即ち、バッグは空気圧による圧縮下に配置され、操作者は、バルブを開けて冷凍菓子が流れるようにすることによって、アイスクリームを注出することができる。システムは自動化されておらず、注出量の良好な制御がなく、その結果、配分量の制御が不十分である。更に、注出コックのように、機械のある部分はやはり製品と接触する。
【0010】
米国特許第5069364号、第5150820号、第5215222号、第5620115号、第5632415号、そして第6105820号は、事前包装のばら荷アイスクリーム用の注出装置を記載している。変形可能な容器がピストンで押されて、小さな出口及びダクトにアイスクリームを通らせ、注出バルブ装置を通らせる。しかし、この出口ダクトとバルブは別々の洗浄を必要とする。食品材料を注出するための様々なタイプの容器が記載されている。注出手段及び遮断手段が記載されているが、パッケージの外側にあり、パッケージから分離されている。
【0011】
米国特許第5417355号は、内部に頑丈なカートリッジを有し、カートリッジと出口開口を繋ぐ通路を画成するバルブ組立体を有する機械を記載している。バルブ組立体はまた、内袋を有し得る。やはり、アイスクリームが流れる通路は洗浄を必要とし、出口バルブを冷たくしておくために冷却された空気が使用される。
【0012】
米国特許第6264066号は、吐出口及び吐出口に接続された注出バルブを持つ剛性容器を有する注出システムを記載している。注出を制御するために種々の設計のバルブを用いることができる。種々の形状の製品を押し出すことができるようにバルブは型形状を有するが、これらバルブはパッケージの一部ではなくて分離されており、別々に洗浄する必要がある。
【0013】
米国特許第5505336号は、事前包装されたアイスクリームを入れた折り畳める容器を記載している。冷却された筐体に入れられると、管状部材がバッグの出口に穴を開けて、バッグを出口ダクト及び手動制御バルブに繋ぐ。やはり、出口バルブは、パッケージの一部ではなく、別々の洗浄を必要とする。
【0014】
米国特許第5893485号及び第5918767号は共に、ばら荷用容器ではなくて、単一配分量毎の容器から注出するためのシステムを記載している。それらは手動で操作されるか、又は注出用動力にモータを使用してもよい。但し、注出量の制御に対する備えはない。
【0015】
配分制御を実現するために注出量を制御する試みが行われてきた。米国特許第5421484号、第5492249号、第5779098号、第6024248号、第6068160号、第6325244号などの幾つかの特許は、空気を用いた注出量の制御方法を記載している。通常、空気駆動のピストンがアイスクリームをバッグから押し出してダクトを介して制御バルブまで通す。これらのシステムでは、アイスクリームはダクト及びバルブに直接接触する。これら特許に記載されている方法は注出量制御の測定器を有するが、それらは扱いにくく、又動作上の短所を有する。
【0016】
米国特許第6435377号は、アイスクリームを容器から注出する圧力をピストン内に掛けるために作動油を用いる全体設計を記載している。注出量を制御するのに苦労する理由は、空気式機器又は油圧式機器を用いたとき、通常ピストンに一定の圧力が掛けられて一定の力になり、それがアイスクリーム製品容器内の一定の圧力に変換されるからである。これに伴う問題は、アイスクリームの肌理特性が変化し、それに伴い一定の注出量を実現するには異なる圧力が必要になることにある。
【0017】
ばら荷パッケージからの配分制御を直接達成する他の試みとしては、米国特許第5464120号及び第5816455号に記載されているものがあり、それらには注出する配分量を制御するために測定チャンバを用いる冷凍デザート注出装置が記載されている。しかし、この測定チャンバはアイスクリームと直接接触し、従って洗浄が必要である。
【0018】
公開WO第02/085776号は、容器に製品を吐出させるための出口及び可動式装置を有する事前包装容器から注出されるデザートを記載している。十分な製品の存在と、注出が完了した時点を検知する検出器が備えられている。公開WO第02/102170号は又、両端にバルブを有する可撓チューブにアイスクリームを押し込むシステムを記載している。入口バルブが製品をその注出チューブに入れる。次いでそのチューブの出口が開き、駆動手段を用いて製品を追い出す。出口バルブを手動操作することなく、配分を制御することを図っている。
【0019】
米国特許第5823387号は、複数の粘性材料を注出する方法及び装置を記載している。装置は、第2の粘性材料のコアを取り囲む対照的な色の折畳みができるチューブを含んでおり、様々な注出ノズルを用いる。
【0020】
米国特許第3460717号及び第3945614号は、通常のソフトサーブ機に取り付けることができる混合用ノズルによる方法を記載している。ソフトサーブを注出しながらこれらのノズルを通してシロップやソースをポンプ給送することにより、全体にソースやシロップがちりばめられた最終製品を作ることができる。しかし、これらのシステムは、ソフトサーブ機のためだけであり、事前包装アイスクリームのためではない。
【0021】
米国特許第6453803号は、ソフト・アイスクリーム機に取り付けるための、ソース及びシロップ用ノズルの様々な設計を記載している。全ての設計が、変わった外観の製品を作るためにアイスクリームをノズルに接触させている。
【0022】
通常、ソフト・アイスクリームを供給する商用機としては、単品供給機から注出し、その供給機は、折畳式又は剛性容器のいずれかから供用カップやコーンに直接流し込む。ばら荷容器を受容する機械は、製品を別個のチューブ又は通路に流し込み、次いでバルブを通じてそれを全て空にする。更に、これらのシステムは全て、真の注出量及び配分制御が難しい。
【0023】
事前包装アイスクリームを注出する従来技術の機械は、ソースやシロップを含む多重構成要素製品を送出するには適していない。というのは、一部には、既存の機械は、ばら荷から注出される各構成要素の配分を十分に制御することができないか、又は、やはり注出量を制御する必要がない単品供給機であるからである。そのような単品供給機は、多様な製品を提供するには、個々の配分量のパッケージを必要とし、それは費用が嵩み、層積や同時注出をすることができない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
従って、多様な冷凍デザートを見栄えがするように自動的に注出することができる衛生状態が改善された単純で扱い易い機械から上質な冷凍食品を得る必要がある。又、ソフト・アイスクリームとソース、シロップ、並びにトッピング及び固形物などの香味料との組合せを制御可能に注出することを可能にするために、十分に改善された配分及び配分量制御を有する高度に衛生的なばら荷パッケージ式ソフト・アイスクリーム機が必要である。
【0025】
又、飲料注出機において、単純、正確、且つ衛生的に、粘性液体を供給、注出する改善された方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明は、より衛生的且つより制御的に粘性食品を一配分量ずつ送出するようになった、自動食物又は飲料注出システム、及びその使用方法を提供することができる。
【0027】
本発明はまた、ソフト・アイスクリーム、粘性液体又はペーストなどの粘性食品を事前包装容器から簡単で経済的に自動注出するために簡単に使用できるシステム、及びその使用方法を提供する。
【0028】
本発明では、「ソフト・アイスクリーム」は、ソフトサーブ、スラッシュ、ミルクシェイク、冷凍カスタード、スラリなどを含む全ての種類の半固形及び/又は粘性製品を意味する。
【0029】
本発明は、ソース、シロップなどの香味料製品を有する冷凍菓子を配分量を制御して合成する方法を提供する。冷凍菓子は、自動的に、首尾一貫して、見栄えのよいデザートを作るために調和した方式で注出される。
【0030】
本発明によるシステムは装置及び製品容器を有することができ、人間が関与する時間を減らす方法によって用いることができる。冷凍菓子などの事前充填容器からの注出量制御及び配分量制御の改善が、改善された衛生的な構成によって達成される。高レベルの注出量制御は、見栄えのする積層された製品又は他の同様な製品を繰り返して注出するのに極めて利点がある。
【0031】
一実施例では、システムは、
粘性食品をその中に収容した少なくとも1つの使い捨て可能又は再使用可能なパッケージと、
食品パッケージを保持するための保持部、及び食品をパッケージから押し出す圧力押出機構を有する注出装置と、
バルブとを備え、
食品パッケージが、好ましくはパッケージと一体の出口部分を備え、
バルブが閉鎖時に出口部分で、食品が注出装置に接触することなく、パッケージから出てくる食品を配分量毎に切断するべく作動するようになっている。
【0032】
一実施例では、バルブはパッケージの一部である。この実施例では、好ましくは、バルブは自己閉鎖バルブである。より詳細には、バルブは出口部分と一体である。好ましくは、バルブは、圧力押出機構によってパッケージに掛けられる正圧力により食品がバルブに押し付けられる効果によって開き、正圧力が停止すると閉じる房室を形成する。好ましくは、所定の時間が経過し又は量が注出された後、圧力押出機構がパッケージにその容積を拡張するように働くことによってパッケージ内に負圧を生じさせることにより、バルブが閉鎖する。房室は食品を切断する刃を有する。
【0033】
好ましい態様では、バルブは、ある定められた形状、例えば星、円、多角形、又は文字形の断面を注出された食品に与えるように構成されている。
【0034】
一実施例では、房室は、注出食品にそれに対応する形状を与える特定の外形及び寸法の複数の刃を備える。
【0035】
別の実施例では、バルブは注出装置の一部であるが、食品と接触することのない出口部分の外面上に作用する。出口部分は、好ましくは、管状口又は「ピンチ管」状の可撓部分である。そして、バルブは、装置の一部であり、ピンチ管に外側から作用する切断及び遮断機構を備える。切断及び遮断機構は、外側から作用してピンチ管を所望の断面に画成する型を含むことができる。そのような型は、ピンチ管を通る製品にそれに従って形を付けるために、ピンチ管にそれに対応する変形を与える種々の断面形を有することができる。切断及び遮断機構は、注出装置の制御部で選択的に制御されるソレノイドなどの駆動及び制御手段によって電気的に作動させることができる。別の実施例では、切断及び遮断機構は、パッケージ内の圧力が解放されたときに閉じる受動的ばね負荷機構を備える。
【0036】
好ましい実施例では、ピンチ管は少なくともパッケージの端末壁と一体である。更に好ましくは、ピンチ管はパッケージ全体と一体である。例えば、ピンチ管は、パッケージの残りの部分と共に、同じ重合体材料から型成形することができる。
【0037】
一実施例では、パッケージは、非変形式円筒部分と少なくともプランジャの一部を形成する加圧壁部分とを備え、加圧壁部分は、食品を出口部分から押し出すために、装置の圧力押出機構によって加えられる圧縮に従って容器部分の内側を移動する。非変形式容器は、充填中に生じる空気による隙間を避けることができるという利点を有し、又、注出中に裂開すること、及び折り重なることがなく、従って、折畳み式容器よりも一定な注出量を提供する。
【0038】
別の実施例では、パッケージが変形可能な容器部分を備え、注出装置の圧力押出機構が、パッケージの一端に正圧力を掛けて容器を保持部分に向かって圧縮することによって、食物をパッケージの出口部分から注出しながら、容器の長さを次第に詰める移動可能なプランジャを備える。容器部分は、バッグ部分が折り重なって流量にずれを生じる危険性を減らすために、想定位置で好ましく変形可能であることが好ましい。例えば、容器部分は、ベロータイプの壁を備える。
【0039】
本発明の重要な局面として、特にバルブがパッケージと一体になった自己閉鎖バルブであるとき、バルブが十分に閉じず、圧力押出機構による製品への圧力が解放された後でも製品が注出され続けるという危険性がある。この問題は、バルブが製品を切断するのに十分な力を有していない、且つ/又は製品の粘性が高すぎる、且つ/又は圧縮された後の製品の膨張率のために、圧力が解放されてもすぐには製品の流れが止まらないことが理由で起こり得る。
【0040】
従って、注出食品の流れをよりよく制御するために、パッケージは、圧力押出機構の連結手段に係合された第1の端部と、保持部の連結手段に係合された出口部分を支持する第2の部分とを有する容器部分を備え、その2つの端部が、ある距離だけ離れるように動かされ、それによって、容器部分の容積が膨張して、バルブが閉じるのを助ける負圧をパッケージ内に生じさせる。好ましくは、圧力押出機構の圧力の方向を逆にして第1の部分を第2の部分から離れるように移動させ、第2の部分を静止したままにすることによって、第1の部分と第2の部分が離れるように動かされる。或いは、第2の部分を第1の部分から離れるように移動させ、第1の部分を静止したままにすることによって、第1の部分と第2の部分が離れるように動かされる。
【0041】
好ましい実施例では、装置は、少なくとも1つの香味料容器と、香味料容器から香味料を移送するように構成されたポンプ手段及びダクト手段と、ダクト手段に流体接続されて香味料を食品の流れの周りに注出するノズルとを備える。
【0042】
一実施例では、ノズルは、食品がそれを通って軸方向に流れる中央流路と、食品の周りに実質的に円周方向下向きに香味料を注出するように構成された少なくとも1つの内部流路を有する環状ブロックとを備える。
【0043】
一実施例では、ノズルは、食品がそれを通って軸方向に流れる中央流路と、中央流路を通る食品の流れに対して半径方向に香味料を注出するように構成された少なくとも1つの内部流路を有する環状ブロックとを備える。
【0044】
両実施例では、ノズルは好ましくは保持部の下に配置されているか、又は好ましくは保持部の一部である。
【0045】
好ましくは、ノズルは、別々の2つの容器から異なる2種類の香味料が供給される少なくとも2つの異なる入口を備え、各香味料を入り混じることなく注出する別々の流路を有する。
【0046】
装置は更に、制御部と、制御部と信号交信を行うユーザ選択盤とを備え、選択盤は複数の香味料選択肢から選んだ選択香味料を入力するための手段を有し、更に、選択された香味料のポンプを逐次的又は同時いずれにでも選択的に作動させるように構成された、制御部に常駐するソフトウェアを備える。
【0047】
注出機の食品は、アイスクリーム、濃縮飲料、ペースト食品などの冷凍菓子であり得る。冷凍菓子を注出するとき、注出システムは、食品パッケージを必要な冷凍温度に維持し注出するために、冷凍装置を備える。注出装置から暖かい又は熱い粘性食品を注出するときは、冷凍装置が加熱装置に置き換わる。
【0048】
本発明による、視覚的に層別化された香味料入り冷凍菓子を注出装置から自動的に供給する好ましい方法は、
層別化された所定の冷凍製品の選択を機械に入力する段階と、
容器から冷凍菓子を押し出す圧力押出機構と冷凍菓子を配分量毎に切断するバルブとを協働させることによって、容器から冷凍菓子を注出する段階と、
ポンプを作動させることによって、香味料容器から香味料を注出する段階とを含み、
冷凍菓子を注出する段階と香味料を注出する段階とは、選択によって、逐次的、又は同時いずれにでも実施することができる。
【0049】
好ましくは、容器は、冷凍菓子が装置のどの部分とも接触せずに注出されるようなバルブの出口部分を有する使い捨て又は再使用可能なパッケージである。バルブは、やはり好ましくは、上記のように、容器内に負圧を生じさせることによって密封式に閉じるように構成された、パッケージと一体になった一部分である。
【0050】
更に、圧力駆動手段を用いることによって非変形式容器から高粘性の液体、特に濃縮飲料を体積計量式に供給することにより構成される方法が、従来の「蠕動ポンプ」供給方法の代替として採用されることは決してなかった。特に、本発明のシステムと方法は、濃縮物の供給が通常時系列的に制御される蠕動ポンプでは、通常、供給を不正確にしてしまう粘性変化の問題を克服することができる。
【0051】
従って、本発明の別の態様は、飲料注出装置中の再使用可能、又は使い捨てパッケージから濃縮飲料液を正確に供給するためのシステムに関するものであり、
濃縮飲料をその中に収容した少なくとも1つの使い捨て、又は再使用可能なパッケージと、
濃縮飲料パッケージを保持する保持部、及び濃縮飲料をパッケージから押し出す圧力押出機構を有する供給装置と、
プランジャと、
バルブとを備え、
濃縮飲料パッケージがその一部として出口部分を備え、
バルブが、濃縮飲料が供給装置に接触することなく、パッケージから出てくる濃縮物を配分量毎に分割するために出口部分で閉鎖作動をするように構成されており、
濃縮飲料パッケージが、直接濃縮飲料をその中に受け入れる非変形式円筒容器部分を有し、その円筒容器が、圧力押出機構によって駆動されるプランジャがその中を移動して濃縮飲料を出口部分を通して放出させるチャンバを形成する。
【0052】
従って、粘性濃縮物に関して、供給精度が、従来の蠕動ポンプによる供給に比較して改善され、濃縮物と直接接触する非変形式容器の使用も又、供給精度に寄与している。更に、供給がより衛生的に実施され、従って、必要な洗浄やすすぎがより少なくなる。
【0053】
好ましくは、圧力押出機構が、プランジャを容器内で予め正確に決められた距離だけ移動させる注出装置の制御部によって駆動されたとき、より正確な濃縮物の供給が行われる。液体濃縮物がアイスクリームに比較して過供給を起こすことがないように、濃縮物は非圧縮性であり、従って、特定の飲料に対する所望の供給にそれゆえ対応するプランジャの移動距離をプログラムすることによって、一定の量の供給を達成することができる。このため、システムは、所定の距離に正確に従うようにプランジャの移動距離を制御するために信号を制御部に送信する変位センサを備えることが好ましい。センサは、エンコーダ又は適切な同等手段であり得る。
【実施例】
【0054】
本発明のシステムは、使い捨て又は再使用可能な容器に収容された粘性食品を注出するようになった注出機を含む。
【0055】
粘性食品とは、10〜106センチポアズの粘性範囲を有する食品のことである。冷凍菓子では、粘性は通常100,000〜700,000センチポアズであり得、好ましくは100,000〜500,000センチポアズである。濃縮飲料では、粘性は通常10〜10,000センチポアズである。濃縮ミルクは通常200〜1000センチポアズ、濃縮チョコレートは800〜3200センチポアズ、又濃縮コーヒーは500〜2000センチポアズである。濃縮物にはもっと広い粘性範囲が考えられ、固形化レベルによる。例えば、ペースト食品は液体濃縮物よりずっと高い粘性値を示す。
【0056】
注出手段は、冷凍菓子に圧力を掛けて出口バルブを通して押し出すための圧力押出機構を有することが好ましい。例えば、圧力押出機構は、油圧、空気圧、又は電気モータを用いた駆動力によって作動するプランジャでもよい。
【0057】
好ましい圧力押出機構は、電気モータ駆動部を備える。電気モータ駆動部は、通常、AC又はDCモータ、減速歯車、及びプランジャに接続するシャフトを備える。従って、タイマを有するPLC(プログラム可能な論理制御器;programmable logic controller)制御システム、又は同等な制御部を介して、時間を選択することにより変位量が簡単に設定できる。好ましくは、制御システムは、正確な圧力押出機構の変位距離を検出する変位検知手段を備える。そのようなセンサは、通常、電気モータ駆動部の歯車の回転数を数えるエンコーダである。単に、歯車の回転数を計数し、制御部が装置を停止する制御をそれに従って行うための信号を送信することによって、負荷によるモータの速度変化が供給精度に影響しなくなる。
【0058】
しかし、アイスクリームなどの冷凍菓子は、通常、製品の超過量の関数として圧縮可能である。従って、制御部及び変位センサが、アイスクリームの配分量を制御して送出するために用いられることが好ましい。
【0059】
積層製品を作るためには、注出器に加えて、アイスクリームの中に明瞭な変わり目を作り出し、望むときにアイスクリームの流れを正確に停止するために、切断及び遮断装置が使用される。例えば、変位センサが注出体積を決める変位機構のプランジャの移動距離を設定する。切断/遮断バルブは、プラグ・バルブ、摺動ゲート・バルブ、ピンチ・バルブ、アイリス・バルブ、又は他の適切なタイプのバルブを備えることができる。もっとも好ましいタイプのバルブはピンチ・バルブであり、容器と一体の部品にすることができる。
【0060】
バルブは、機械の一部分であって、洗浄を必要とする個別の装置とすることができ、又は、好ましくは、食物製品のパッケージの一部分になる。好ましい実施例では、製品と機械は接触せず、パッケージ自体とだけ接触する。このことは、容器が空になったときパッケージは廃棄されるので、衛生的見地からはもっとも好ましい。
【0061】
使用できるタイプのパッケージは、多様であり、可撓性及び非可撓性(剛性)の容器がある。可撓性容器の範疇にはポーチ、バッグなどが含まれる。剛性容器には、合成缶、プラスチック円筒などがあり得る。別の範疇としては、剛性外側容器を可撓性内側バッグと組み合わせてもよい。これらパッケージの全てにおいて、出口バルブの少なくとも食品と接触する部分は、パッケージの一部として統合され、パッケージと一体、更には一元的な構造であることが好ましい。缶を使用しているような或る場合には、プランジャ組立てをパッケージの一部にすることができ、他の場合には、プランジャ組立ては機械の一部であり、パッケージと共に交換することはできない。プラスチック製バッグのような可撓性パッケージは支持円筒を用いることができ、一方剛性容器はそのような追加支持体なしに容易に使用することができる。支持円筒は、装置の恒久的剛性支持体として取り付けることができる。容器は又、多様な製品を提供するために、機械内に回転ラック式に取り付けることができる。
【0062】
非折畳み式容器の1つのタイプは、パッケージの一部として支持チューブ内の所定位置に保持されたO−リング・シールを有する。プランジャがバッグの中を動くので容器自体が潰されることはない。
【0063】
本発明の機械及び方法によって、自動的に作られるコーンのような簡単な製品又はパフェやサンデのような複雑な製品のいずれにも、アイスクリーム及び他の積層製品に対する配分量制御が提供される。
【0064】
アイスクリーム製品とソースやシロップなどの香味料の組合せ物を注出するために、ソース・ノズル組立体が出口制御ノズルの下方に配置される。本発明の機械用の様々なソース・ノズル組立体の実施例が以下に記載される。
【0065】
簡単な香味料ノズルの実施例は、下向流又は軸方向流ノズルである。これは機械の一部であり、取り外し、洗浄する必要がある。香味料は、ソースやシロップの貯蔵器に連結された様々なポンプによって、ノズルに連結された管を通してポンプ給送される。好ましい実施例では、香味料は、使い終わったら洗浄する必要がないように廃棄できるバッグ又はポーチ或いは他のタイプのパッケージに入って供給される。そのようなソース用パッケージは、例えばバッグ、ポーチ、又は缶でもよい。管は、洗浄する必要がある機械の一部でもよく、又は、それが好ましいが、使い捨てでもよい。ソースやシロップなどの香味料は、チョコレート、キャラメル、フルーツ・ソースなどの様々な適合物であり得る。香味料は、冷凍温度や大気環境で用いることができ、更には熱間に保持してホット・ファッジ・サンデのような製品を作ることもできる。
【0066】
他の香味料ノズルの実施例には、半径方向流ノズルがある。更に他のノズルは適切な注出孔を有する剛な管組立体であり、又、他のノズルは柔軟な管それ自体である。或る機械例では、香味料ノズルは、コーンを作る工程を妨害しないように、廻って出てくることができる。香味料ノズルは、軸方向と半径方向の中間の方向など、望みの方向に香味料を向けることができる。
【0067】
自動的に注出できる他の製品には、固形片、スラッシュ、及び濃縮コーヒーのような液体が含まれる。
【0068】
図1a及び1bを参照すると、注出システムの基本的な設計が概略図に示されている。筺体78は、好ましくは、システムの機構を囲繞しており、商標の貼付及び販売する製品の種類を消費者に示すのに用いられる。又、機械の外面には、ボタン76、又は特別な製品及び/又は注出動作を選択するための他の制御部を有するユーザ用選択盤がある。
【0069】
この実施例では、冷凍室90があり、製品を冷却状態、好ましくは、特定の温度、通常は−6℃〜−24℃、好ましくは−12℃〜−18℃にしっかりと制御された冷凍状態に保持するのに使用される。この冷凍室90は、冷媒を室壁64を通して送る圧縮冷凍システム74で冷却されている。冷凍システム74は空気を循環するためのファンを備えることができる。温度センサ72が、温度制御のために制御回路に接続されている。冷凍室90の内部には、注出に用いられているアイスクリーム容器10、及びいつでも迅速に交換可能な状態で用いられている貯蔵容器70がある。合成缶10がアイスクリーム用パッケージとして図1aに示されているが、替わりに他のタイプのパッケージを使用することもできる。
【0070】
図1aは更に、プランジャ2を好ましくは直線経路で移動させてアイスクリームを注出させるために、プランジャ2と接触しているモータ駆動アクチュエータ1を示す。アクチュエータのモータは、PLC制御部又は適切な他の種類の制御部によって、オン、オフされる。プランジャが移動する距離を制御するように構成された変位センサを有利に設けることができる。そのようなセンサは、モータ駆動アクチュエータの歯車手段の回転数を計数するエンコーダ又は同等の手段である。アイスクリームは、プランジャ2の下方への移動によって容器10から押し出され出口バルブ4を通る。アイスクリームは僅かに圧縮可能な素材なので、操作者はそれによる造形をモータの下方移動の最後に任意選択的に行うことができる。モータは自動的にピストン2を上方へ動かして圧力を抜く。
【0071】
使用されるデザート・ソースや他の液体食物製品は、箱60、61の中のバッグ又は他のタイプのパッケージ中に貯蔵されている。示されている実施例では、ソースが2つあるが、本発明の幾つかの特徴では、種々の機械モデルにおいて、ソースなし、ソース1つ、ソース2つ、又はそれより多くのソースが使用され得る。ソースのタイプによって、ソースは大気温度で保存し得、冷却して保存し得、又は、例えばホット・ファッジ・サンデを作るために熱した状態に保存し得る。
【0072】
図1aに示した例では、ソースは好ましくは可撓性の管91を通り、好ましくは電気モータ駆動の蠕動ポンプ62、63を通って流れる。管91は注出のためにソース・ノズル40に接続される。
【0073】
図1bを参照すると、アイスクリーム容器10は、注出中は容器10を保持し、又、操作者が容器10を迅速容易に交換できるようにする基盤又は保持部3に嵌め込まれている。用いられるパッケージによっては、可撓性パッケージに対して支持チューブを使用して、パッケージを保持し、注出中のパッケージの支持を行うことができる。基盤は、アイスクリームの下層部から熱を取り去り、冷凍製品の融解を防ぎ又は融解を大幅に減少させるために、アルミニウムなどの高熱伝導性の金属で製作されている。
【0074】
金属冷却板の下に、断熱支持板82があり、次いで、外部支持面68がその下、外側にある。好ましくは、機械の外側底面の下に、切断/遮断機構81及びソース・ノズル組立体40が配置されている。切断/遮断機構は、図1aに示されるモータ駆動部65、又は、ソレノイド・スイッチのような電気作動装置などの他の機構によって駆動することができる。
【0075】
PLCをプログラムすることによって、操作者は、単純なコーンやカップ入りのアイスクリームから、同時注出による積層や縞入りの複雑な構成を有する製品まで多様な製品を注出することができる。冷凍菓子は、香味料が水平、斜め、又は垂直な仕切り、底部、或いはトッピングを形成する積層製品であり得る。これは、プログラムされたタイマや変位センサを用いて、各タイマやセンサがアイスクリーム注出用のモータ1及び65、並びにソース用のポンプ62及び63を操作することによって、作ることができる。例えば、時間選択基準では、底にソースを、次いでその上にアイスクリームの層を、そして頂上に別のソースのもう1つの層を有する製品を所望する場合は、操作者は、2.0秒のソースA、次いで5.0秒のアイスクリーム、次いで2.0秒のソースBをプログラムすればよい。勿論、間欠的に積層し、又はアイスとソースの注出を同時に行うことによって、他の製品を作ることもできる。
【0076】
図2a、2b、及び2cは、閉鎖機構のより詳細を表し、この実施例ではその機構は、選択的に閉鎖ゲートによって開放又は遮断されるピンチ管4である。閉鎖ゲートは2つの部品80、81から形成されている。ゲートの第1の半部分81は、ソレノイド及びモータ65で作動される可動部である。第1の半部分81は、上側支持板68及び下側支持板83(図2Cのみに示す)の間に摺動式構成で保持されている。可能性のある実施例としては、下側支持板82とソース・ノズル40を同一要素にすることができる。閉鎖ゲートの他方の半部分80は静止部品である。下側支持面はソース・ノズル40を接続するための中央流路84を備える。ノズルを固定するために、流路84内にバイオネット・タイプ接続やねじ等の接続手段が設けられている。
【0077】
図2bは、パッケージ10と一体の出口ピンチ管4が完全に閉じた閉鎖位置の閉鎖機構を示し、他方図2aは開位置を示す。PLCを介して、ピンチ・バルブの開閉は、主駆動モータのプランジャ駆動と順序及びタイミングを合わされている。
【0078】
図3に、電気モータによって駆動されるアクチュエータ1によって動かされるプランジャ2のより詳細を示す。図示の非可撓性パッケージ10を有する実施例では、プランジャ2は、できるだけ高い歩留まりを得るために、好ましくはパッケージの底に対応する形状及び角度を有する。プランジャ2はパッケージの一部でもよく、或いはアクチュエータ1の一部でもよい。従って、プランジャは円筒容器10の上方端を閉じる蓋として用いることができ、他方、容器の下方端はノズル4を備える出口部分によって閉鎖される。プランジャと駆動シャフトの間の連結は、ねじ止め、圧入などの適切な手段によって行うことができる。プランジャは、容器内に空気が入るのを避けるために、容器の摺動面と相対的に緊密に嵌まり合う寸法になっている。出口部分は、ノズルと共にプラスチック又はゴムの一体部品として形成することができ、その一体部品は、接着、溶接、又は機械的つばによるなどの適切な連結手段によって容器の下方端にしっかり固定される。初使用前のパッケージ内製品を確実に気密保存するために、ノズルの端をかしめることができる。管状容器は剛性厚紙、プラスチック、プラスチックと厚紙の合成材、金属、又は他の適切な材料から製作することができる。容器の摺動又は内側面は、プランジャとの摩擦を減少する素材で加工処理又はコーティングしてもよい。パッケージ及び図3の装置は、アイスクリームを注出するのに使用することができるが、有利には、コーヒー、ミルク、ココアなどの高粘性濃縮物を配分するのに使用することもできる。
【0079】
図4に、バッグのような変形可能な容器11が使用されているところを示す。これには、容器の一部であるプランジャが好ましくも用いられる缶を使用するときに反して、パッケージの一部ではなくて独立したプランジャ2が用いられている。機械の支持円筒9は、好ましくは、注出の間、機械内の可撓性パッケージを支持するために設けられている。可能な実施例では、支持円筒はパッケージの外部防護スリーブになり得、その場合、プランジャはパッケージの一部であり得る。個々の注出動作の終了時に、蓄えられた圧力の一部を開放するために、プランジャ2を上向き方向に動かすことができる。
【0080】
図5のパッケージは可撓性であり、バッグ部分を含むが、プランジャがアイスクリームを押し出すためにバッグ部分内を摺動して下方に進むとき、図4の実施例におけるようにバッグ部分が潰れるように変形するのではなくて、引き張り状態にするなどバッグが潰れないようにバッグ部分を支持するように構成されている。バッグの側壁は支持円筒9によって支持されており、バッグは、支持円筒の上端にかぶさったO−リング13によって所定の位置に保持されている。
【0081】
図6A及び6Bには、この場合は直接アイスクリームに接触する切断/遮断手段として働く摺動ゲート20の典型的な作動を示す。図6aには、アイスクリームが注出されている開位置を示し、図6bには、注出が完了して閉鎖位置にある摺動ゲートを示す。
【0082】
図7A〜7Eには、開及び閉位置にあるフラッパ・バルブ102などの自閉式バルブを示す。バルブは、パッケージの注出壁に一体化されている。バルブは、切り口の形状を形作る、出口部分自体のプラスチック又はゴムに作りこまれた複数の刃を有する房室を形成する。バルブの材料は、閉じきったとき、刃の切り口によって食品の配分量を切り分けるのに十分な剛性を有する。他のバルブとは違って、容器内の圧力開放などによって自己閉鎖するので、モータ駆動組立体を必要としない。粘性が高めの原料では、バルブを閉じるために少なくとも僅かな吸引を容器内に掛ける必要があり得る。このために、制御部は、注出サイクルの終了時に、容器内に負圧を生じ、ノズルから製品が滴らないようにバルブを適切に閉じるために必要な量だけプランジャを引き戻す。従って、自閉式バルブの開閉の制御は、バルブ自体とプランジャの操作の組合せによって達成される。従って、そのような流量の制御は、製品が中を流れる通常の遮断バルブを用いる従来の注出システムと比較して、大いに簡単で、衛生的である。
【0083】
図8A及び8Bに、下降流ソース・ノズル40を示す。ノズルは、アイスクリームが流れ通ることができる主中央流路を有する環状ブロックを備える。異なるソースが、ノズル入口41及び43からノズルに入り、中央流路の周囲に配置された同心の内部流路中を円周方向に進み、出口42及び44から下向の方向に流出する。アイスクリームは、注出されるとき、好ましくはソースと接触せずに、図示されるようにノズル組立体の中央流路を通って下向に流れる。
【0084】
図9A〜9Eに、半径方向流ソース・ノズル45を示す。これは、ソースが、同心の内部流路から複数の小さな出口47、49を通って中央流路71中のアイスクリームに向かって半径方向内向きにノズルから流出する以外は、ソース・ノズル40と同様である。
【0085】
図10A〜10Cに、管状ノズル50及び52を含む管状ノズル組立体の実施例を示す。このノズル組立体では、各管状ノズルが蠕動ポンプ配管に接続されている。そのような管状ノズルは、機械の部品として、「恒久的」であり得、又は、使い捨てであり得る。
【0086】
図11及び12に、本発明の別の実施例を示す。パッケージ10は、再現的に且つ繰り返して圧縮、伸張を受けることができる変形可能な主要部100を備える。主要部分は、好ましくは、横方向に配置された複数のコンサーティーナ101を持つベロー構成を有する。パッケージの上端は、上側プランジャ2の留板202を用いてクランプ機構200によってしっかりと固定状態に維持され得るフランジ106を持つ栓103を有する。栓は、圧入又はねじ止め機構或いは圧力押出機構の同等な連結手段によって固定することもできる。パッケージの下端104は、静止保持部201によって保持され、出口ホース105によって中央が突き出し、出口ホース105が、やはり、クランプ機構210、或いは圧入又はねじ止め機構又は同等の手段によってしっかりと固定されている。パッケージは、出口ホースが下方に面して逆さに吊り下げられている。出口ホースは、自閉式又は房室タイプのバルブ106、例えばホースにねじ止めされたキャップ108内に圧入されたインサート107によって閉じられている。
【0087】
バルブ106は、容器上の圧力押出機構のプランジャ2によって所定のレベルの正圧縮力が達成されると開き、ホース105の直下に置かれた容器に製品が押し出されるように、構成されている。プランジャが、押し出す製品のある体積に対応する所定の時間及び移動距離を経過した後、プランジャ2は反転、即ち出発点に向かってある距離だけ移動する。この動作によって、製品の容積を圧縮された状態から膨張させ、パッケージ内に負圧を生じさせてバルブ上の製品の圧力を解放し、バルブ106を遮断させる。従って、それ以上の損失が防止される。バルブの設計は、押し出される製品のデザインに効果のある多様な変形を包含する。
【0088】
バルブの表面は、使用前は、例えばシールとして貼ることができる従来のプラスチック皮膜によって防護のために密閉することが好ましい。
【0089】
図13には、ピンチ管4から出てくる食品に形を付けるように構成された外付けの型と共に使用されている切断及び遮断機構を示す。製品に形を付ける必要があれば、ピンチ管を薄い壁で製作し、星型、多角形、又はあらゆる種類の記号(型は図示せず)など定められた形状の外付けの型85の中に保持することができる。型85は僅か数mm、例えば1〜5mmの肉厚の環であり得る。型は摺動ゲート80、81の上に配置されている。型は、支持板(図示せず)によって取り外し可能に支持され得る。細い管の断面剛性は好ましくは型の断面剛性より低くて、食品が管の中で圧縮されたとき、管は十分に型と共形になることができる。管は又、型やより大きい断面と共形になれるように弾性であってもよい。外付けの型の利点は、注出後もきれいなままで、洗浄する必要がないことにある。別法として、型はピンチ管の中にあってもよいし、ピンチ管の末端に取り付けてもよい。
【0090】
切断及び遮断バルブには、多くの機械的変形例がある。例えば、バルブは、変形可能な平行四辺形やカムの原理に基づいて考案することもできる。
【0091】
本明細書には、例示的な実施例が開示されているが、多数の変更例及び他の実施例が当業者によって考案され得ることは理解されよう。従って、添付の特許請求の範囲は、本発明の精神と範囲に含まれるような変更例及び実施例の全てを包含することを意図するものである。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1a】本発明によって構成された自動注出機の実施例の全体概略透視図である。
【図1b】アイスクリームが機械を出て行き、デザート・ソースと組み合わせられる領域の機械内部の拡大図である。
【図2a】機械の切断遮断組立体の実施例の開位置での概略図である。
【図2b】機械の切断遮断組立体の実施例の閉位置での概略図である。
【図2c】機械の切断遮断組立体の実施例を機械の下側から示す概略図である。
【図3】合成缶からアイスクリーム又は高粘性濃縮物を押し出すための、機械のプランジャに連結されたアクチュエータの前面図である。
【図4】アクチュエータ及び支持筒を有するプランジャの別の実施例の、バッグを押し付けているところを示す前面図である。
【図5】非折畳式バッグを有する機械の使用を示す図である。
【図6A】摺動ゲートに基づく切断/遮断バルブを開位置で示す図である。
【図6B】摺動ゲートに基づく切断/遮断バルブを閉位置で示す図である。
【図7A】本発明の自己閉鎖又はフラッパ・バルブを開位置で示す上面図である。
【図7B】本発明の自己閉鎖又はフラッパ・バルブを開位置で示す前面図である。
【図7C】本発明の自己閉鎖又はフラッパ・バルブを開位置で示す前面図である。
【図7D】本発明の自己閉鎖又はフラッパ・バルブを閉位置で示す上面図である。
【図7E】本発明の自己閉鎖又はフラッパ・バルブを閉位置で示す前面図である。
【図8A】本発明の下方流ソース・ノズルの上面図である。
【図8B】本発明の下方流ソース・ノズルの前面図である。
【図9A】本発明の半径流ソース・ノズルの上面図である。
【図9B】本発明の半径流ソース・ノズルの上面図である。
【図9C】本発明の半径流ソース・ノズルの上面図である。
【図9D】本発明の半径流ソース・ノズルの前面図である。
【図9E】本発明の半径流ソース・ノズルの前面図である。
【図10A】本発明の管状ソース・ノズル組立体の上面図である。
【図10B】本発明の管状ソース・ノズル組立体の上面図である。
【図10C】本発明の管状ソース・ノズル組立体の前面図である。
【図11】上側のプランジャ及びアクチュエータと下側の支持部との間に固くクランプ締めされた別のタイプのパッケージの斜視図である。
【図12】上側のプランジャ及びアクチュエータと下側の支持部との間に固くクランプ締めされた別のタイプのパッケージの断面図である。
【図13】食物製品に形を付けるために配置された外付けの型を有する切断
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料注出機又は冷凍菓子注出機に用いられるような、製品容器中のソフト・アイスクリームなどの粘性食物、飲料製品を自動的に注出することに関する。本発明はまた、見栄えのする方法で味付け又は多重に味付けされたデザートを作り出すために、同一の機械から凍結ないし冷凍菓子食物とソースやシロップなどの香味料製品との組合せを自動的に注出することに関する。本発明はまた、待機している消費者にすぐに食べられる状態で、出来たばかりのデザートを、好ましくは単にボタンを1つ押すだけで自動的に注出するようになった自動注出装置に関する。本発明は、濃縮飲料を正確に注出することも関する。本発明は、そのような方法及び装置に適合する製品パッケージにも関する。
【背景技術】
【0002】
食品サービス業界では、消費者は益々、食物及び飲物が自動的に準備され、直ちに手に入ることを望むようになっている。高品質で変化に富んだそのような食物を準備状態にしておくには、極めて熟練した労働力が必要である。そのような労働力は、益々供給不足になり、今までにも増して高価になっている。それによって、食品サービス業界の一部は益々未熟な労働力に頼ろうとするようになり、片や、食品加工業者は、より熟練労働力を必要としないより加工された食品を開発しようとする。同時に、準備する食物又は飲物の性質によっては、重大な安全上及び衛生上の問題がある。例えば、ミルクベースの飲物やアイスクリームのような日々の製品を収容する注出機は、機械製造者による特別な設計及び機械運用者による特別な注意を必要とする。より加工された食物に加えて、食物サービス業者に、省力化し衛生問題を改善しながら高品質の食物及び飲物を作るのを支援する設備及び特製パッケージを供給する設備供給業者の業界がある。
【0003】
長年の間、製造業者による即席食品を作る設備を開発する変わらぬ流れがあるが、高品質で付加価値のあるデザートに対する設備については多少限られている。デザート及び軽食の主要分野の1つに、アイスクリーム及び類似の冷凍デザートが含まれる。通常食品サービス分野では、加工業者はアイスクリームを食品サービス業者にばら荷で供給し、アイスクリームはばら荷容器から供用カップ、皿、又はコーンに掬い取られる。食品サービス業者は、サンデ、パフェなどの類の様々な美味で見栄えのよいデザートを作るために、シロップ、ソース、ホイップ・クリームなどを手で付け加えることもできる。この掬い上げられる「アイスクリーム」には、純アイスクリーム、アイスミルク、シャーベット、フローズンアイス、冷凍ヨーグルトなどを含むことができる。消費者に提供する製品の視覚化及び製品の最終的な外観は、しばしば販売経験の一部になる。これらアイスクリームは店内で作ることができるが、実際には殆どの場合、工場で作られ、事前包装容器に入れ冷凍して食品サービス店へ出荷される。
【0004】
掬い上げるばら荷状のアイスクリーム製品が普及しているのとは別に、「ソフトサーブ」アイスクリームが知られている。そのようなソフト・アイスクリームは世界の多くの地域でアイスクリームの法律上の定義には必ずしも合わないが、食品サービス店の専用の機械で作られる、特有の製法及び注出温度(好ましくは約−8℃〜−7℃)の点でそれぞれの独自性を有した特有なタイプの製品に発展してきた。これらの機械を製造する数多くの会社がある。食品サービス店では、機械は液体混合物を取り込み、空気を加え、製品を氷らせて注出する準備が整う。製造者は、これら機械が、注出している間にシロップなどもソフトサーブに加える向上を図ってきた。しかし、これらの機械の問題としては、限られた製品の種類(せいぜい2つ)、機械を清掃、消毒及びセットアップするのに必要な労力、機械の費用、機械の複雑さ、維持に熟練する必要性、適切に清掃し消毒されていないときに時折食品安全上の問題を生じることが分かってきている事実などが挙げられる。機械によっては、一日の終わりに残された液体製品を捨てる必要がある場合は、歩留まり損失になる。そのような機械はまた、バルブの手動開閉、ソフトサーブ製のデザートを作る正しい注出量及び注出サイズの判断が操作者頼みである。世界のある地域及びある消費者には、ソフトサーブは品質の期待にそっていない。
【0005】
益々注目を浴びてきている食品の分野は、ミルクや他の乳製品成分を含むラッテやカプチーノのような付加価値飲料である。カプチーノのような飲物を作るには、熟練した労働力を必要とし、時間も掛かる。これら注出機の多くは飲物を粉(粉乳を含む)から作るが、高品質を得るために、一部の製造者は、粉ではなく、例えば濃縮ミルクなどの液体に頼った機械を開発する方向に向かってきた。更に、これらの機械のあるものは、要求製品の全てをチョコレート・ベース濃縮物やコーヒー・ベース濃縮物のような濃縮物を用いて注出する。更に、ミルクや他の同様な濃縮物などの敏感な製品は、そのような食品材料の衛生上の必要性のためにパッケージ及び設備に特別な設計を必要とする。
【0006】
通常、ミルク及び類似の濃縮物(及び他の微生物の影響を受け易い製品)を衛生的に正確に供給する必要性に適合するために、濃縮物はバッグに入れられて供給され、蠕動ポンプで送給される。蠕動ポンプを使用する理由は、費用がかなり安く、衛生的なためである。このタイプのポンプは一組のローラによって製品を管に通すように動作するので、濃縮物が直接ポンプに接触することはない。但し、蠕動ポンプは、極めて粘性が高い濃縮物では問題があることが知られている。高粘性下で、蠕動ポンプには、もしあるとすれば、正確にポンプ給送するのに問題がある。別の問題は、これら濃縮物が作られるとき、ロットからロットへ粘性が変動する可能性があり、或いは、保存期間によって、又温度の影響によって粘性が著しく変化することである。それによって、蠕動ポンプによる供給が通常は時間系列制御なので、供給精度の問題が更に加わる。粘性が変化するにつれて、仕様から外れ、受容できない品質の飲物を作ってしまう点まで供給量が変化する。従って、そのようなシステムに対しては、濃縮物の粘性が極めて高いとき、又は粘性が著しく変化するときは、濃縮物の別の供給方法が必要になる。
【0007】
従って、冷凍デザート又は飲料濃縮物いずれのためにも、高粘性の製品を正確、簡単、かつ衛生的に注出する自動的化された方法が必要である。
【0008】
当技術分野には、事前充填パッケージを用いてこれらの問題の一部を、全てではないが、解決しようとする多くの試みがある。
【0009】
米国特許第5048724号及び第5405054号は、アイスクリームを事前包装バッグから注出する装置を開示する。出口チューブを有するアイスクリームのバッグが供給される。このチューブが手動で操作される出口バルブに接続される。この出口バルブが、流れを制御するピンチング機構を有する。即ち、バッグは空気圧による圧縮下に配置され、操作者は、バルブを開けて冷凍菓子が流れるようにすることによって、アイスクリームを注出することができる。システムは自動化されておらず、注出量の良好な制御がなく、その結果、配分量の制御が不十分である。更に、注出コックのように、機械のある部分はやはり製品と接触する。
【0010】
米国特許第5069364号、第5150820号、第5215222号、第5620115号、第5632415号、そして第6105820号は、事前包装のばら荷アイスクリーム用の注出装置を記載している。変形可能な容器がピストンで押されて、小さな出口及びダクトにアイスクリームを通らせ、注出バルブ装置を通らせる。しかし、この出口ダクトとバルブは別々の洗浄を必要とする。食品材料を注出するための様々なタイプの容器が記載されている。注出手段及び遮断手段が記載されているが、パッケージの外側にあり、パッケージから分離されている。
【0011】
米国特許第5417355号は、内部に頑丈なカートリッジを有し、カートリッジと出口開口を繋ぐ通路を画成するバルブ組立体を有する機械を記載している。バルブ組立体はまた、内袋を有し得る。やはり、アイスクリームが流れる通路は洗浄を必要とし、出口バルブを冷たくしておくために冷却された空気が使用される。
【0012】
米国特許第6264066号は、吐出口及び吐出口に接続された注出バルブを持つ剛性容器を有する注出システムを記載している。注出を制御するために種々の設計のバルブを用いることができる。種々の形状の製品を押し出すことができるようにバルブは型形状を有するが、これらバルブはパッケージの一部ではなくて分離されており、別々に洗浄する必要がある。
【0013】
米国特許第5505336号は、事前包装されたアイスクリームを入れた折り畳める容器を記載している。冷却された筐体に入れられると、管状部材がバッグの出口に穴を開けて、バッグを出口ダクト及び手動制御バルブに繋ぐ。やはり、出口バルブは、パッケージの一部ではなく、別々の洗浄を必要とする。
【0014】
米国特許第5893485号及び第5918767号は共に、ばら荷用容器ではなくて、単一配分量毎の容器から注出するためのシステムを記載している。それらは手動で操作されるか、又は注出用動力にモータを使用してもよい。但し、注出量の制御に対する備えはない。
【0015】
配分制御を実現するために注出量を制御する試みが行われてきた。米国特許第5421484号、第5492249号、第5779098号、第6024248号、第6068160号、第6325244号などの幾つかの特許は、空気を用いた注出量の制御方法を記載している。通常、空気駆動のピストンがアイスクリームをバッグから押し出してダクトを介して制御バルブまで通す。これらのシステムでは、アイスクリームはダクト及びバルブに直接接触する。これら特許に記載されている方法は注出量制御の測定器を有するが、それらは扱いにくく、又動作上の短所を有する。
【0016】
米国特許第6435377号は、アイスクリームを容器から注出する圧力をピストン内に掛けるために作動油を用いる全体設計を記載している。注出量を制御するのに苦労する理由は、空気式機器又は油圧式機器を用いたとき、通常ピストンに一定の圧力が掛けられて一定の力になり、それがアイスクリーム製品容器内の一定の圧力に変換されるからである。これに伴う問題は、アイスクリームの肌理特性が変化し、それに伴い一定の注出量を実現するには異なる圧力が必要になることにある。
【0017】
ばら荷パッケージからの配分制御を直接達成する他の試みとしては、米国特許第5464120号及び第5816455号に記載されているものがあり、それらには注出する配分量を制御するために測定チャンバを用いる冷凍デザート注出装置が記載されている。しかし、この測定チャンバはアイスクリームと直接接触し、従って洗浄が必要である。
【0018】
公開WO第02/085776号は、容器に製品を吐出させるための出口及び可動式装置を有する事前包装容器から注出されるデザートを記載している。十分な製品の存在と、注出が完了した時点を検知する検出器が備えられている。公開WO第02/102170号は又、両端にバルブを有する可撓チューブにアイスクリームを押し込むシステムを記載している。入口バルブが製品をその注出チューブに入れる。次いでそのチューブの出口が開き、駆動手段を用いて製品を追い出す。出口バルブを手動操作することなく、配分を制御することを図っている。
【0019】
米国特許第5823387号は、複数の粘性材料を注出する方法及び装置を記載している。装置は、第2の粘性材料のコアを取り囲む対照的な色の折畳みができるチューブを含んでおり、様々な注出ノズルを用いる。
【0020】
米国特許第3460717号及び第3945614号は、通常のソフトサーブ機に取り付けることができる混合用ノズルによる方法を記載している。ソフトサーブを注出しながらこれらのノズルを通してシロップやソースをポンプ給送することにより、全体にソースやシロップがちりばめられた最終製品を作ることができる。しかし、これらのシステムは、ソフトサーブ機のためだけであり、事前包装アイスクリームのためではない。
【0021】
米国特許第6453803号は、ソフト・アイスクリーム機に取り付けるための、ソース及びシロップ用ノズルの様々な設計を記載している。全ての設計が、変わった外観の製品を作るためにアイスクリームをノズルに接触させている。
【0022】
通常、ソフト・アイスクリームを供給する商用機としては、単品供給機から注出し、その供給機は、折畳式又は剛性容器のいずれかから供用カップやコーンに直接流し込む。ばら荷容器を受容する機械は、製品を別個のチューブ又は通路に流し込み、次いでバルブを通じてそれを全て空にする。更に、これらのシステムは全て、真の注出量及び配分制御が難しい。
【0023】
事前包装アイスクリームを注出する従来技術の機械は、ソースやシロップを含む多重構成要素製品を送出するには適していない。というのは、一部には、既存の機械は、ばら荷から注出される各構成要素の配分を十分に制御することができないか、又は、やはり注出量を制御する必要がない単品供給機であるからである。そのような単品供給機は、多様な製品を提供するには、個々の配分量のパッケージを必要とし、それは費用が嵩み、層積や同時注出をすることができない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
従って、多様な冷凍デザートを見栄えがするように自動的に注出することができる衛生状態が改善された単純で扱い易い機械から上質な冷凍食品を得る必要がある。又、ソフト・アイスクリームとソース、シロップ、並びにトッピング及び固形物などの香味料との組合せを制御可能に注出することを可能にするために、十分に改善された配分及び配分量制御を有する高度に衛生的なばら荷パッケージ式ソフト・アイスクリーム機が必要である。
【0025】
又、飲料注出機において、単純、正確、且つ衛生的に、粘性液体を供給、注出する改善された方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明は、より衛生的且つより制御的に粘性食品を一配分量ずつ送出するようになった、自動食物又は飲料注出システム、及びその使用方法を提供することができる。
【0027】
本発明はまた、ソフト・アイスクリーム、粘性液体又はペーストなどの粘性食品を事前包装容器から簡単で経済的に自動注出するために簡単に使用できるシステム、及びその使用方法を提供する。
【0028】
本発明では、「ソフト・アイスクリーム」は、ソフトサーブ、スラッシュ、ミルクシェイク、冷凍カスタード、スラリなどを含む全ての種類の半固形及び/又は粘性製品を意味する。
【0029】
本発明は、ソース、シロップなどの香味料製品を有する冷凍菓子を配分量を制御して合成する方法を提供する。冷凍菓子は、自動的に、首尾一貫して、見栄えのよいデザートを作るために調和した方式で注出される。
【0030】
本発明によるシステムは装置及び製品容器を有することができ、人間が関与する時間を減らす方法によって用いることができる。冷凍菓子などの事前充填容器からの注出量制御及び配分量制御の改善が、改善された衛生的な構成によって達成される。高レベルの注出量制御は、見栄えのする積層された製品又は他の同様な製品を繰り返して注出するのに極めて利点がある。
【0031】
一実施例では、システムは、
粘性食品をその中に収容した少なくとも1つの使い捨て可能又は再使用可能なパッケージと、
食品パッケージを保持するための保持部、及び食品をパッケージから押し出す圧力押出機構を有する注出装置と、
バルブとを備え、
食品パッケージが、好ましくはパッケージと一体の出口部分を備え、
バルブが閉鎖時に出口部分で、食品が注出装置に接触することなく、パッケージから出てくる食品を配分量毎に切断するべく作動するようになっている。
【0032】
一実施例では、バルブはパッケージの一部である。この実施例では、好ましくは、バルブは自己閉鎖バルブである。より詳細には、バルブは出口部分と一体である。好ましくは、バルブは、圧力押出機構によってパッケージに掛けられる正圧力により食品がバルブに押し付けられる効果によって開き、正圧力が停止すると閉じる房室を形成する。好ましくは、所定の時間が経過し又は量が注出された後、圧力押出機構がパッケージにその容積を拡張するように働くことによってパッケージ内に負圧を生じさせることにより、バルブが閉鎖する。房室は食品を切断する刃を有する。
【0033】
好ましい態様では、バルブは、ある定められた形状、例えば星、円、多角形、又は文字形の断面を注出された食品に与えるように構成されている。
【0034】
一実施例では、房室は、注出食品にそれに対応する形状を与える特定の外形及び寸法の複数の刃を備える。
【0035】
別の実施例では、バルブは注出装置の一部であるが、食品と接触することのない出口部分の外面上に作用する。出口部分は、好ましくは、管状口又は「ピンチ管」状の可撓部分である。そして、バルブは、装置の一部であり、ピンチ管に外側から作用する切断及び遮断機構を備える。切断及び遮断機構は、外側から作用してピンチ管を所望の断面に画成する型を含むことができる。そのような型は、ピンチ管を通る製品にそれに従って形を付けるために、ピンチ管にそれに対応する変形を与える種々の断面形を有することができる。切断及び遮断機構は、注出装置の制御部で選択的に制御されるソレノイドなどの駆動及び制御手段によって電気的に作動させることができる。別の実施例では、切断及び遮断機構は、パッケージ内の圧力が解放されたときに閉じる受動的ばね負荷機構を備える。
【0036】
好ましい実施例では、ピンチ管は少なくともパッケージの端末壁と一体である。更に好ましくは、ピンチ管はパッケージ全体と一体である。例えば、ピンチ管は、パッケージの残りの部分と共に、同じ重合体材料から型成形することができる。
【0037】
一実施例では、パッケージは、非変形式円筒部分と少なくともプランジャの一部を形成する加圧壁部分とを備え、加圧壁部分は、食品を出口部分から押し出すために、装置の圧力押出機構によって加えられる圧縮に従って容器部分の内側を移動する。非変形式容器は、充填中に生じる空気による隙間を避けることができるという利点を有し、又、注出中に裂開すること、及び折り重なることがなく、従って、折畳み式容器よりも一定な注出量を提供する。
【0038】
別の実施例では、パッケージが変形可能な容器部分を備え、注出装置の圧力押出機構が、パッケージの一端に正圧力を掛けて容器を保持部分に向かって圧縮することによって、食物をパッケージの出口部分から注出しながら、容器の長さを次第に詰める移動可能なプランジャを備える。容器部分は、バッグ部分が折り重なって流量にずれを生じる危険性を減らすために、想定位置で好ましく変形可能であることが好ましい。例えば、容器部分は、ベロータイプの壁を備える。
【0039】
本発明の重要な局面として、特にバルブがパッケージと一体になった自己閉鎖バルブであるとき、バルブが十分に閉じず、圧力押出機構による製品への圧力が解放された後でも製品が注出され続けるという危険性がある。この問題は、バルブが製品を切断するのに十分な力を有していない、且つ/又は製品の粘性が高すぎる、且つ/又は圧縮された後の製品の膨張率のために、圧力が解放されてもすぐには製品の流れが止まらないことが理由で起こり得る。
【0040】
従って、注出食品の流れをよりよく制御するために、パッケージは、圧力押出機構の連結手段に係合された第1の端部と、保持部の連結手段に係合された出口部分を支持する第2の部分とを有する容器部分を備え、その2つの端部が、ある距離だけ離れるように動かされ、それによって、容器部分の容積が膨張して、バルブが閉じるのを助ける負圧をパッケージ内に生じさせる。好ましくは、圧力押出機構の圧力の方向を逆にして第1の部分を第2の部分から離れるように移動させ、第2の部分を静止したままにすることによって、第1の部分と第2の部分が離れるように動かされる。或いは、第2の部分を第1の部分から離れるように移動させ、第1の部分を静止したままにすることによって、第1の部分と第2の部分が離れるように動かされる。
【0041】
好ましい実施例では、装置は、少なくとも1つの香味料容器と、香味料容器から香味料を移送するように構成されたポンプ手段及びダクト手段と、ダクト手段に流体接続されて香味料を食品の流れの周りに注出するノズルとを備える。
【0042】
一実施例では、ノズルは、食品がそれを通って軸方向に流れる中央流路と、食品の周りに実質的に円周方向下向きに香味料を注出するように構成された少なくとも1つの内部流路を有する環状ブロックとを備える。
【0043】
一実施例では、ノズルは、食品がそれを通って軸方向に流れる中央流路と、中央流路を通る食品の流れに対して半径方向に香味料を注出するように構成された少なくとも1つの内部流路を有する環状ブロックとを備える。
【0044】
両実施例では、ノズルは好ましくは保持部の下に配置されているか、又は好ましくは保持部の一部である。
【0045】
好ましくは、ノズルは、別々の2つの容器から異なる2種類の香味料が供給される少なくとも2つの異なる入口を備え、各香味料を入り混じることなく注出する別々の流路を有する。
【0046】
装置は更に、制御部と、制御部と信号交信を行うユーザ選択盤とを備え、選択盤は複数の香味料選択肢から選んだ選択香味料を入力するための手段を有し、更に、選択された香味料のポンプを逐次的又は同時いずれにでも選択的に作動させるように構成された、制御部に常駐するソフトウェアを備える。
【0047】
注出機の食品は、アイスクリーム、濃縮飲料、ペースト食品などの冷凍菓子であり得る。冷凍菓子を注出するとき、注出システムは、食品パッケージを必要な冷凍温度に維持し注出するために、冷凍装置を備える。注出装置から暖かい又は熱い粘性食品を注出するときは、冷凍装置が加熱装置に置き換わる。
【0048】
本発明による、視覚的に層別化された香味料入り冷凍菓子を注出装置から自動的に供給する好ましい方法は、
層別化された所定の冷凍製品の選択を機械に入力する段階と、
容器から冷凍菓子を押し出す圧力押出機構と冷凍菓子を配分量毎に切断するバルブとを協働させることによって、容器から冷凍菓子を注出する段階と、
ポンプを作動させることによって、香味料容器から香味料を注出する段階とを含み、
冷凍菓子を注出する段階と香味料を注出する段階とは、選択によって、逐次的、又は同時いずれにでも実施することができる。
【0049】
好ましくは、容器は、冷凍菓子が装置のどの部分とも接触せずに注出されるようなバルブの出口部分を有する使い捨て又は再使用可能なパッケージである。バルブは、やはり好ましくは、上記のように、容器内に負圧を生じさせることによって密封式に閉じるように構成された、パッケージと一体になった一部分である。
【0050】
更に、圧力駆動手段を用いることによって非変形式容器から高粘性の液体、特に濃縮飲料を体積計量式に供給することにより構成される方法が、従来の「蠕動ポンプ」供給方法の代替として採用されることは決してなかった。特に、本発明のシステムと方法は、濃縮物の供給が通常時系列的に制御される蠕動ポンプでは、通常、供給を不正確にしてしまう粘性変化の問題を克服することができる。
【0051】
従って、本発明の別の態様は、飲料注出装置中の再使用可能、又は使い捨てパッケージから濃縮飲料液を正確に供給するためのシステムに関するものであり、
濃縮飲料をその中に収容した少なくとも1つの使い捨て、又は再使用可能なパッケージと、
濃縮飲料パッケージを保持する保持部、及び濃縮飲料をパッケージから押し出す圧力押出機構を有する供給装置と、
プランジャと、
バルブとを備え、
濃縮飲料パッケージがその一部として出口部分を備え、
バルブが、濃縮飲料が供給装置に接触することなく、パッケージから出てくる濃縮物を配分量毎に分割するために出口部分で閉鎖作動をするように構成されており、
濃縮飲料パッケージが、直接濃縮飲料をその中に受け入れる非変形式円筒容器部分を有し、その円筒容器が、圧力押出機構によって駆動されるプランジャがその中を移動して濃縮飲料を出口部分を通して放出させるチャンバを形成する。
【0052】
従って、粘性濃縮物に関して、供給精度が、従来の蠕動ポンプによる供給に比較して改善され、濃縮物と直接接触する非変形式容器の使用も又、供給精度に寄与している。更に、供給がより衛生的に実施され、従って、必要な洗浄やすすぎがより少なくなる。
【0053】
好ましくは、圧力押出機構が、プランジャを容器内で予め正確に決められた距離だけ移動させる注出装置の制御部によって駆動されたとき、より正確な濃縮物の供給が行われる。液体濃縮物がアイスクリームに比較して過供給を起こすことがないように、濃縮物は非圧縮性であり、従って、特定の飲料に対する所望の供給にそれゆえ対応するプランジャの移動距離をプログラムすることによって、一定の量の供給を達成することができる。このため、システムは、所定の距離に正確に従うようにプランジャの移動距離を制御するために信号を制御部に送信する変位センサを備えることが好ましい。センサは、エンコーダ又は適切な同等手段であり得る。
【実施例】
【0054】
本発明のシステムは、使い捨て又は再使用可能な容器に収容された粘性食品を注出するようになった注出機を含む。
【0055】
粘性食品とは、10〜106センチポアズの粘性範囲を有する食品のことである。冷凍菓子では、粘性は通常100,000〜700,000センチポアズであり得、好ましくは100,000〜500,000センチポアズである。濃縮飲料では、粘性は通常10〜10,000センチポアズである。濃縮ミルクは通常200〜1000センチポアズ、濃縮チョコレートは800〜3200センチポアズ、又濃縮コーヒーは500〜2000センチポアズである。濃縮物にはもっと広い粘性範囲が考えられ、固形化レベルによる。例えば、ペースト食品は液体濃縮物よりずっと高い粘性値を示す。
【0056】
注出手段は、冷凍菓子に圧力を掛けて出口バルブを通して押し出すための圧力押出機構を有することが好ましい。例えば、圧力押出機構は、油圧、空気圧、又は電気モータを用いた駆動力によって作動するプランジャでもよい。
【0057】
好ましい圧力押出機構は、電気モータ駆動部を備える。電気モータ駆動部は、通常、AC又はDCモータ、減速歯車、及びプランジャに接続するシャフトを備える。従って、タイマを有するPLC(プログラム可能な論理制御器;programmable logic controller)制御システム、又は同等な制御部を介して、時間を選択することにより変位量が簡単に設定できる。好ましくは、制御システムは、正確な圧力押出機構の変位距離を検出する変位検知手段を備える。そのようなセンサは、通常、電気モータ駆動部の歯車の回転数を数えるエンコーダである。単に、歯車の回転数を計数し、制御部が装置を停止する制御をそれに従って行うための信号を送信することによって、負荷によるモータの速度変化が供給精度に影響しなくなる。
【0058】
しかし、アイスクリームなどの冷凍菓子は、通常、製品の超過量の関数として圧縮可能である。従って、制御部及び変位センサが、アイスクリームの配分量を制御して送出するために用いられることが好ましい。
【0059】
積層製品を作るためには、注出器に加えて、アイスクリームの中に明瞭な変わり目を作り出し、望むときにアイスクリームの流れを正確に停止するために、切断及び遮断装置が使用される。例えば、変位センサが注出体積を決める変位機構のプランジャの移動距離を設定する。切断/遮断バルブは、プラグ・バルブ、摺動ゲート・バルブ、ピンチ・バルブ、アイリス・バルブ、又は他の適切なタイプのバルブを備えることができる。もっとも好ましいタイプのバルブはピンチ・バルブであり、容器と一体の部品にすることができる。
【0060】
バルブは、機械の一部分であって、洗浄を必要とする個別の装置とすることができ、又は、好ましくは、食物製品のパッケージの一部分になる。好ましい実施例では、製品と機械は接触せず、パッケージ自体とだけ接触する。このことは、容器が空になったときパッケージは廃棄されるので、衛生的見地からはもっとも好ましい。
【0061】
使用できるタイプのパッケージは、多様であり、可撓性及び非可撓性(剛性)の容器がある。可撓性容器の範疇にはポーチ、バッグなどが含まれる。剛性容器には、合成缶、プラスチック円筒などがあり得る。別の範疇としては、剛性外側容器を可撓性内側バッグと組み合わせてもよい。これらパッケージの全てにおいて、出口バルブの少なくとも食品と接触する部分は、パッケージの一部として統合され、パッケージと一体、更には一元的な構造であることが好ましい。缶を使用しているような或る場合には、プランジャ組立てをパッケージの一部にすることができ、他の場合には、プランジャ組立ては機械の一部であり、パッケージと共に交換することはできない。プラスチック製バッグのような可撓性パッケージは支持円筒を用いることができ、一方剛性容器はそのような追加支持体なしに容易に使用することができる。支持円筒は、装置の恒久的剛性支持体として取り付けることができる。容器は又、多様な製品を提供するために、機械内に回転ラック式に取り付けることができる。
【0062】
非折畳み式容器の1つのタイプは、パッケージの一部として支持チューブ内の所定位置に保持されたO−リング・シールを有する。プランジャがバッグの中を動くので容器自体が潰されることはない。
【0063】
本発明の機械及び方法によって、自動的に作られるコーンのような簡単な製品又はパフェやサンデのような複雑な製品のいずれにも、アイスクリーム及び他の積層製品に対する配分量制御が提供される。
【0064】
アイスクリーム製品とソースやシロップなどの香味料の組合せ物を注出するために、ソース・ノズル組立体が出口制御ノズルの下方に配置される。本発明の機械用の様々なソース・ノズル組立体の実施例が以下に記載される。
【0065】
簡単な香味料ノズルの実施例は、下向流又は軸方向流ノズルである。これは機械の一部であり、取り外し、洗浄する必要がある。香味料は、ソースやシロップの貯蔵器に連結された様々なポンプによって、ノズルに連結された管を通してポンプ給送される。好ましい実施例では、香味料は、使い終わったら洗浄する必要がないように廃棄できるバッグ又はポーチ或いは他のタイプのパッケージに入って供給される。そのようなソース用パッケージは、例えばバッグ、ポーチ、又は缶でもよい。管は、洗浄する必要がある機械の一部でもよく、又は、それが好ましいが、使い捨てでもよい。ソースやシロップなどの香味料は、チョコレート、キャラメル、フルーツ・ソースなどの様々な適合物であり得る。香味料は、冷凍温度や大気環境で用いることができ、更には熱間に保持してホット・ファッジ・サンデのような製品を作ることもできる。
【0066】
他の香味料ノズルの実施例には、半径方向流ノズルがある。更に他のノズルは適切な注出孔を有する剛な管組立体であり、又、他のノズルは柔軟な管それ自体である。或る機械例では、香味料ノズルは、コーンを作る工程を妨害しないように、廻って出てくることができる。香味料ノズルは、軸方向と半径方向の中間の方向など、望みの方向に香味料を向けることができる。
【0067】
自動的に注出できる他の製品には、固形片、スラッシュ、及び濃縮コーヒーのような液体が含まれる。
【0068】
図1a及び1bを参照すると、注出システムの基本的な設計が概略図に示されている。筺体78は、好ましくは、システムの機構を囲繞しており、商標の貼付及び販売する製品の種類を消費者に示すのに用いられる。又、機械の外面には、ボタン76、又は特別な製品及び/又は注出動作を選択するための他の制御部を有するユーザ用選択盤がある。
【0069】
この実施例では、冷凍室90があり、製品を冷却状態、好ましくは、特定の温度、通常は−6℃〜−24℃、好ましくは−12℃〜−18℃にしっかりと制御された冷凍状態に保持するのに使用される。この冷凍室90は、冷媒を室壁64を通して送る圧縮冷凍システム74で冷却されている。冷凍システム74は空気を循環するためのファンを備えることができる。温度センサ72が、温度制御のために制御回路に接続されている。冷凍室90の内部には、注出に用いられているアイスクリーム容器10、及びいつでも迅速に交換可能な状態で用いられている貯蔵容器70がある。合成缶10がアイスクリーム用パッケージとして図1aに示されているが、替わりに他のタイプのパッケージを使用することもできる。
【0070】
図1aは更に、プランジャ2を好ましくは直線経路で移動させてアイスクリームを注出させるために、プランジャ2と接触しているモータ駆動アクチュエータ1を示す。アクチュエータのモータは、PLC制御部又は適切な他の種類の制御部によって、オン、オフされる。プランジャが移動する距離を制御するように構成された変位センサを有利に設けることができる。そのようなセンサは、モータ駆動アクチュエータの歯車手段の回転数を計数するエンコーダ又は同等の手段である。アイスクリームは、プランジャ2の下方への移動によって容器10から押し出され出口バルブ4を通る。アイスクリームは僅かに圧縮可能な素材なので、操作者はそれによる造形をモータの下方移動の最後に任意選択的に行うことができる。モータは自動的にピストン2を上方へ動かして圧力を抜く。
【0071】
使用されるデザート・ソースや他の液体食物製品は、箱60、61の中のバッグ又は他のタイプのパッケージ中に貯蔵されている。示されている実施例では、ソースが2つあるが、本発明の幾つかの特徴では、種々の機械モデルにおいて、ソースなし、ソース1つ、ソース2つ、又はそれより多くのソースが使用され得る。ソースのタイプによって、ソースは大気温度で保存し得、冷却して保存し得、又は、例えばホット・ファッジ・サンデを作るために熱した状態に保存し得る。
【0072】
図1aに示した例では、ソースは好ましくは可撓性の管91を通り、好ましくは電気モータ駆動の蠕動ポンプ62、63を通って流れる。管91は注出のためにソース・ノズル40に接続される。
【0073】
図1bを参照すると、アイスクリーム容器10は、注出中は容器10を保持し、又、操作者が容器10を迅速容易に交換できるようにする基盤又は保持部3に嵌め込まれている。用いられるパッケージによっては、可撓性パッケージに対して支持チューブを使用して、パッケージを保持し、注出中のパッケージの支持を行うことができる。基盤は、アイスクリームの下層部から熱を取り去り、冷凍製品の融解を防ぎ又は融解を大幅に減少させるために、アルミニウムなどの高熱伝導性の金属で製作されている。
【0074】
金属冷却板の下に、断熱支持板82があり、次いで、外部支持面68がその下、外側にある。好ましくは、機械の外側底面の下に、切断/遮断機構81及びソース・ノズル組立体40が配置されている。切断/遮断機構は、図1aに示されるモータ駆動部65、又は、ソレノイド・スイッチのような電気作動装置などの他の機構によって駆動することができる。
【0075】
PLCをプログラムすることによって、操作者は、単純なコーンやカップ入りのアイスクリームから、同時注出による積層や縞入りの複雑な構成を有する製品まで多様な製品を注出することができる。冷凍菓子は、香味料が水平、斜め、又は垂直な仕切り、底部、或いはトッピングを形成する積層製品であり得る。これは、プログラムされたタイマや変位センサを用いて、各タイマやセンサがアイスクリーム注出用のモータ1及び65、並びにソース用のポンプ62及び63を操作することによって、作ることができる。例えば、時間選択基準では、底にソースを、次いでその上にアイスクリームの層を、そして頂上に別のソースのもう1つの層を有する製品を所望する場合は、操作者は、2.0秒のソースA、次いで5.0秒のアイスクリーム、次いで2.0秒のソースBをプログラムすればよい。勿論、間欠的に積層し、又はアイスとソースの注出を同時に行うことによって、他の製品を作ることもできる。
【0076】
図2a、2b、及び2cは、閉鎖機構のより詳細を表し、この実施例ではその機構は、選択的に閉鎖ゲートによって開放又は遮断されるピンチ管4である。閉鎖ゲートは2つの部品80、81から形成されている。ゲートの第1の半部分81は、ソレノイド及びモータ65で作動される可動部である。第1の半部分81は、上側支持板68及び下側支持板83(図2Cのみに示す)の間に摺動式構成で保持されている。可能性のある実施例としては、下側支持板82とソース・ノズル40を同一要素にすることができる。閉鎖ゲートの他方の半部分80は静止部品である。下側支持面はソース・ノズル40を接続するための中央流路84を備える。ノズルを固定するために、流路84内にバイオネット・タイプ接続やねじ等の接続手段が設けられている。
【0077】
図2bは、パッケージ10と一体の出口ピンチ管4が完全に閉じた閉鎖位置の閉鎖機構を示し、他方図2aは開位置を示す。PLCを介して、ピンチ・バルブの開閉は、主駆動モータのプランジャ駆動と順序及びタイミングを合わされている。
【0078】
図3に、電気モータによって駆動されるアクチュエータ1によって動かされるプランジャ2のより詳細を示す。図示の非可撓性パッケージ10を有する実施例では、プランジャ2は、できるだけ高い歩留まりを得るために、好ましくはパッケージの底に対応する形状及び角度を有する。プランジャ2はパッケージの一部でもよく、或いはアクチュエータ1の一部でもよい。従って、プランジャは円筒容器10の上方端を閉じる蓋として用いることができ、他方、容器の下方端はノズル4を備える出口部分によって閉鎖される。プランジャと駆動シャフトの間の連結は、ねじ止め、圧入などの適切な手段によって行うことができる。プランジャは、容器内に空気が入るのを避けるために、容器の摺動面と相対的に緊密に嵌まり合う寸法になっている。出口部分は、ノズルと共にプラスチック又はゴムの一体部品として形成することができ、その一体部品は、接着、溶接、又は機械的つばによるなどの適切な連結手段によって容器の下方端にしっかり固定される。初使用前のパッケージ内製品を確実に気密保存するために、ノズルの端をかしめることができる。管状容器は剛性厚紙、プラスチック、プラスチックと厚紙の合成材、金属、又は他の適切な材料から製作することができる。容器の摺動又は内側面は、プランジャとの摩擦を減少する素材で加工処理又はコーティングしてもよい。パッケージ及び図3の装置は、アイスクリームを注出するのに使用することができるが、有利には、コーヒー、ミルク、ココアなどの高粘性濃縮物を配分するのに使用することもできる。
【0079】
図4に、バッグのような変形可能な容器11が使用されているところを示す。これには、容器の一部であるプランジャが好ましくも用いられる缶を使用するときに反して、パッケージの一部ではなくて独立したプランジャ2が用いられている。機械の支持円筒9は、好ましくは、注出の間、機械内の可撓性パッケージを支持するために設けられている。可能な実施例では、支持円筒はパッケージの外部防護スリーブになり得、その場合、プランジャはパッケージの一部であり得る。個々の注出動作の終了時に、蓄えられた圧力の一部を開放するために、プランジャ2を上向き方向に動かすことができる。
【0080】
図5のパッケージは可撓性であり、バッグ部分を含むが、プランジャがアイスクリームを押し出すためにバッグ部分内を摺動して下方に進むとき、図4の実施例におけるようにバッグ部分が潰れるように変形するのではなくて、引き張り状態にするなどバッグが潰れないようにバッグ部分を支持するように構成されている。バッグの側壁は支持円筒9によって支持されており、バッグは、支持円筒の上端にかぶさったO−リング13によって所定の位置に保持されている。
【0081】
図6A及び6Bには、この場合は直接アイスクリームに接触する切断/遮断手段として働く摺動ゲート20の典型的な作動を示す。図6aには、アイスクリームが注出されている開位置を示し、図6bには、注出が完了して閉鎖位置にある摺動ゲートを示す。
【0082】
図7A〜7Eには、開及び閉位置にあるフラッパ・バルブ102などの自閉式バルブを示す。バルブは、パッケージの注出壁に一体化されている。バルブは、切り口の形状を形作る、出口部分自体のプラスチック又はゴムに作りこまれた複数の刃を有する房室を形成する。バルブの材料は、閉じきったとき、刃の切り口によって食品の配分量を切り分けるのに十分な剛性を有する。他のバルブとは違って、容器内の圧力開放などによって自己閉鎖するので、モータ駆動組立体を必要としない。粘性が高めの原料では、バルブを閉じるために少なくとも僅かな吸引を容器内に掛ける必要があり得る。このために、制御部は、注出サイクルの終了時に、容器内に負圧を生じ、ノズルから製品が滴らないようにバルブを適切に閉じるために必要な量だけプランジャを引き戻す。従って、自閉式バルブの開閉の制御は、バルブ自体とプランジャの操作の組合せによって達成される。従って、そのような流量の制御は、製品が中を流れる通常の遮断バルブを用いる従来の注出システムと比較して、大いに簡単で、衛生的である。
【0083】
図8A及び8Bに、下降流ソース・ノズル40を示す。ノズルは、アイスクリームが流れ通ることができる主中央流路を有する環状ブロックを備える。異なるソースが、ノズル入口41及び43からノズルに入り、中央流路の周囲に配置された同心の内部流路中を円周方向に進み、出口42及び44から下向の方向に流出する。アイスクリームは、注出されるとき、好ましくはソースと接触せずに、図示されるようにノズル組立体の中央流路を通って下向に流れる。
【0084】
図9A〜9Eに、半径方向流ソース・ノズル45を示す。これは、ソースが、同心の内部流路から複数の小さな出口47、49を通って中央流路71中のアイスクリームに向かって半径方向内向きにノズルから流出する以外は、ソース・ノズル40と同様である。
【0085】
図10A〜10Cに、管状ノズル50及び52を含む管状ノズル組立体の実施例を示す。このノズル組立体では、各管状ノズルが蠕動ポンプ配管に接続されている。そのような管状ノズルは、機械の部品として、「恒久的」であり得、又は、使い捨てであり得る。
【0086】
図11及び12に、本発明の別の実施例を示す。パッケージ10は、再現的に且つ繰り返して圧縮、伸張を受けることができる変形可能な主要部100を備える。主要部分は、好ましくは、横方向に配置された複数のコンサーティーナ101を持つベロー構成を有する。パッケージの上端は、上側プランジャ2の留板202を用いてクランプ機構200によってしっかりと固定状態に維持され得るフランジ106を持つ栓103を有する。栓は、圧入又はねじ止め機構或いは圧力押出機構の同等な連結手段によって固定することもできる。パッケージの下端104は、静止保持部201によって保持され、出口ホース105によって中央が突き出し、出口ホース105が、やはり、クランプ機構210、或いは圧入又はねじ止め機構又は同等の手段によってしっかりと固定されている。パッケージは、出口ホースが下方に面して逆さに吊り下げられている。出口ホースは、自閉式又は房室タイプのバルブ106、例えばホースにねじ止めされたキャップ108内に圧入されたインサート107によって閉じられている。
【0087】
バルブ106は、容器上の圧力押出機構のプランジャ2によって所定のレベルの正圧縮力が達成されると開き、ホース105の直下に置かれた容器に製品が押し出されるように、構成されている。プランジャが、押し出す製品のある体積に対応する所定の時間及び移動距離を経過した後、プランジャ2は反転、即ち出発点に向かってある距離だけ移動する。この動作によって、製品の容積を圧縮された状態から膨張させ、パッケージ内に負圧を生じさせてバルブ上の製品の圧力を解放し、バルブ106を遮断させる。従って、それ以上の損失が防止される。バルブの設計は、押し出される製品のデザインに効果のある多様な変形を包含する。
【0088】
バルブの表面は、使用前は、例えばシールとして貼ることができる従来のプラスチック皮膜によって防護のために密閉することが好ましい。
【0089】
図13には、ピンチ管4から出てくる食品に形を付けるように構成された外付けの型と共に使用されている切断及び遮断機構を示す。製品に形を付ける必要があれば、ピンチ管を薄い壁で製作し、星型、多角形、又はあらゆる種類の記号(型は図示せず)など定められた形状の外付けの型85の中に保持することができる。型85は僅か数mm、例えば1〜5mmの肉厚の環であり得る。型は摺動ゲート80、81の上に配置されている。型は、支持板(図示せず)によって取り外し可能に支持され得る。細い管の断面剛性は好ましくは型の断面剛性より低くて、食品が管の中で圧縮されたとき、管は十分に型と共形になることができる。管は又、型やより大きい断面と共形になれるように弾性であってもよい。外付けの型の利点は、注出後もきれいなままで、洗浄する必要がないことにある。別法として、型はピンチ管の中にあってもよいし、ピンチ管の末端に取り付けてもよい。
【0090】
切断及び遮断バルブには、多くの機械的変形例がある。例えば、バルブは、変形可能な平行四辺形やカムの原理に基づいて考案することもできる。
【0091】
本明細書には、例示的な実施例が開示されているが、多数の変更例及び他の実施例が当業者によって考案され得ることは理解されよう。従って、添付の特許請求の範囲は、本発明の精神と範囲に含まれるような変更例及び実施例の全てを包含することを意図するものである。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1a】本発明によって構成された自動注出機の実施例の全体概略透視図である。
【図1b】アイスクリームが機械を出て行き、デザート・ソースと組み合わせられる領域の機械内部の拡大図である。
【図2a】機械の切断遮断組立体の実施例の開位置での概略図である。
【図2b】機械の切断遮断組立体の実施例の閉位置での概略図である。
【図2c】機械の切断遮断組立体の実施例を機械の下側から示す概略図である。
【図3】合成缶からアイスクリーム又は高粘性濃縮物を押し出すための、機械のプランジャに連結されたアクチュエータの前面図である。
【図4】アクチュエータ及び支持筒を有するプランジャの別の実施例の、バッグを押し付けているところを示す前面図である。
【図5】非折畳式バッグを有する機械の使用を示す図である。
【図6A】摺動ゲートに基づく切断/遮断バルブを開位置で示す図である。
【図6B】摺動ゲートに基づく切断/遮断バルブを閉位置で示す図である。
【図7A】本発明の自己閉鎖又はフラッパ・バルブを開位置で示す上面図である。
【図7B】本発明の自己閉鎖又はフラッパ・バルブを開位置で示す前面図である。
【図7C】本発明の自己閉鎖又はフラッパ・バルブを開位置で示す前面図である。
【図7D】本発明の自己閉鎖又はフラッパ・バルブを閉位置で示す上面図である。
【図7E】本発明の自己閉鎖又はフラッパ・バルブを閉位置で示す前面図である。
【図8A】本発明の下方流ソース・ノズルの上面図である。
【図8B】本発明の下方流ソース・ノズルの前面図である。
【図9A】本発明の半径流ソース・ノズルの上面図である。
【図9B】本発明の半径流ソース・ノズルの上面図である。
【図9C】本発明の半径流ソース・ノズルの上面図である。
【図9D】本発明の半径流ソース・ノズルの前面図である。
【図9E】本発明の半径流ソース・ノズルの前面図である。
【図10A】本発明の管状ソース・ノズル組立体の上面図である。
【図10B】本発明の管状ソース・ノズル組立体の上面図である。
【図10C】本発明の管状ソース・ノズル組立体の前面図である。
【図11】上側のプランジャ及びアクチュエータと下側の支持部との間に固くクランプ締めされた別のタイプのパッケージの斜視図である。
【図12】上側のプランジャ及びアクチュエータと下側の支持部との間に固くクランプ締めされた別のタイプのパッケージの断面図である。
【図13】食物製品に形を付けるために配置された外付けの型を有する切断
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘性食品を収容した少なくとも1つの使い捨て又は再使用可能なパッケージと、
前記食品パッケージを保持するための保持部、及び食品を前記パッケージから押し出す圧力押出機構を有する注出装置と、
バルブとを備えるシステムであって、
前記食品パッケージが、パッケージの一部をなす出口部分を備え、
前記バルブは、食品が前記注出装置に接触することなく、前記パッケージから出てくる食品を配分量毎に切断するために前記出口部分を閉鎖する作動を行うように適合されている、食品又は飲料注出システム。
【請求項2】
前記バルブが前記パッケージの一部である、請求項1に記載の食品又は飲料注出システム。
【請求項3】
前記バルブが前記出口部分と一体である、請求項2に記載の食品又は飲料注出システム。
【請求項4】
前記バルブが、前記圧力押出機構によって前記パッケージに掛けられる正圧力により食品がバルブに押し付けられる効果によって開き、正圧力が停止すると閉じる房室を形成する、請求項3に記載の食品又は飲料注出システム。
【請求項5】
所定の量が注出された後、前記圧力押出機構が前記パッケージにその容積を拡張するように働くことによってパッケージ内に負圧を生じさせることにより、前記房室が閉鎖する、請求項4に記載の食品又は飲料注出システム。
【請求項6】
前記房室が、注出する食物にそれに対応する形状を与える特定の外形及び寸法の複数の刃を備える、請求項4又は5に記載の食品又は飲料注出システム。
【請求項7】
前記パッケージが、パッケージの首部分に嵌まり、前記バルブを支持するキャップ又はインサートを有する、請求項3から6のいずれか一項に記載の食品又は飲料注出システム。
【請求項8】
少なくとも前記バルブの一部が、前記注出装置の一部を形成し、食品と接触することなしに出口部分の外面上に作用する、請求項1に記載の食品又は飲料注出システム。
【請求項9】
前記バルブが、前記装置の一部であり、前記パッケージの一部であるピンチ管に外部から作用する切断及び遮断機構を備える、請求項8に記載の食品又は飲料注出システム。
【請求項10】
前記切断及び遮断機構が、前記装置の駆動及び制御手段によって電気的に駆動及び制御される、請求項9に記載の食品又は飲料注出システム。
【請求項11】
前記切断及び遮断機構が、前記パッケージ中の圧力が解放されたときに閉じる受動的ばね負荷機構である、請求項9に記載の食品又は飲料注出システム。
【請求項12】
前記ピンチ管が前記パッケージと一体である、請求項9、10および11のいずれか一項に記載の食品又は飲料注出システム。
【請求項13】
前記パッケージが、非変形式円筒容器部分と、少なくともプランジャの一部を形成する加圧壁部分とを有し、前記プランジャは、食品を前記出口部分から押し出すために前記装置の前記圧力押出機構によってプランジャに掛けられる圧縮に従って容器部分の内側を移動する、前記請求項のいずれか一項に記載の食品又は飲料注出システム。
【請求項14】
前記パッケージが変形可能な容器部分を備え、
前記注出装置の前記圧力押出機構が、前記パッケージの一端に正圧力を掛けて前記容器を前記保持部分に向かって圧縮することによって、食物をパッケージの前記出口部分から注出しながら、容器の長さを次第に詰める移動可能なプランジャを備える、請求項1から12までのいずれか一項に記載の食品又は飲料注出システム。
【請求項15】
前記容器部分が予想どおりに変形可能である、請求項14に記載の食品又は飲料注出システム。
【請求項16】
前記容器部分が、前記圧力押出機構の連結手段に係合する第1の端部と、前記保持部の連結手段に係合する前記出口部分を支持する第2の端部とを備え、前記2つの端部が、ある距離だけ離れる方向に動かされ、それによって前記容器部分の容積が拡張して、前記バルブが閉じるのを助ける負圧を前記パッケージ内に生じさせる、請求項15に記載の食品又は飲料注出システム。
【請求項17】
前記装置が、
少なくとも1つの香味料容器と、
前記香味料容器から香味料を移送するように構成されたポンプ手段及びダクト手段と、
食品の流れの周りに香味料を注出するために前記ダクト手段に流体接続されているノズルとを備える、前記請求項のいずれか一項に記載の食品又は飲料注出システム。
【請求項18】
前記ノズルが、食品が軸方向に通過する中央流路と、冷凍菓子の流れの周りに実質的に円周方向下向きに香味料を送出するように構成された少なくとも1つの内部流路を有する環状ブロックとを有する、請求項17に記載の食品又は飲料注出システム。
【請求項19】
前記ノズルが、食品が軸方向に通過する中央流路と、前記中央流路を通過する食品の流れに対して半径方向に香味料を送出するように構成された少なくとも1つの内部流路を有する環状ブロックとを有する、請求項17に記載の食品又は飲料注出システム。
【請求項20】
前記ノズルが前記保持部の下に配置された、又は前記保持部の一部である、請求項17、18および19のいずれか一項に記載の食品又は飲料注出システム。
【請求項21】
前記ノズルが、2つの別々の香味料容器から2つの別々の香味料を供給される少なくとも2つの異なる入口を備え、各香味料を入り混じることなく注出するための別々の流路を有する、請求項17、18および19のいずれか一項に記載の食品又は飲料注出システム。
【請求項22】
前記装置が更に、
制御部と、
前記制御部と信号交信をするユーザ用選択盤とを備え、
前記ユーザ選択盤が、複数の香味料選択肢から選んだ選択香味料を入力するための手段を有し、
更に、選択によって逐次的、又は同時いずれにでも、選択された香味料のポンプ手段を作動させるように構成された、制御部に常駐するソフトウェアを備える、請求項17から21までのいずれか一項に記載の食品又は飲料注出システム。
【請求項23】
前記プランジャを前記容器内で正確な所定の距離だけ移動させる前記圧力押出機構が、注出装置の前記制御部によって作動させられる、請求項22に記載の食品又は飲料注出システム。
【請求項24】
前記食品が冷凍菓子である、請求項1から23までのいずれか一項に記載の食品又は飲料注出システム。
【請求項25】
前記食品が濃縮飲料である、請求項1から23までのいずれか一項に記載の食品又は飲料注出システム。
【請求項26】
視覚的に層別化された香味料入り冷凍菓子を注出装置から自動的に供給する方法であって、
所定の層別化された冷凍製品の選択を前記装置に入力する段階と、
容器から冷凍菓子を押し出す圧力押出機構と冷凍菓子の配分量を計量するバルブとを協働させることによって、前記容器から冷凍菓子を注出する段階と、
ポンプを作動させることによって、香味料容器から香味料を注出する段階とを含み、
前記冷凍菓子を注出する段階と前記香味料を注出する段階とを、選択によって、逐次的に、又は同時に実施することができる方法。
【請求項27】
前記容器が使い捨て又は再使用可能なパッケージであり、前記パッケージが、前記バルブの出口部分を、冷凍菓子を前記装置の部品と接触することなしに注出できるように備える、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記バルブが、前記パッケージと一体になった部品であり、前記バルブが、前記容器内に掛けられる負圧によって密封式に閉じるように構成されている、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
飲料注出装置中の再使用可能、又は使い捨てパッケージから濃縮飲料液を正確に供給するためのシステムであって、
濃縮飲料を収容した少なくとも1つの使い捨て、又は再使用可能なパッケージと、
前記濃縮飲料パッケージを保持する保持部、及び濃縮飲料を前記パッケージから押し出す圧力押出機構を有する供給装置と、
プランジャと、
バルブとを備え、
前記濃縮飲料パッケージがその一部として出口部分を備え、
前記バルブが、濃縮液体が前記供給装置に接触することなく前記パッケージから出てくる濃縮液体を配分量毎に切断するために、前記出口部分を閉鎖する作動を行うように構成されており、
前記濃縮飲料パッケージが、直接濃縮飲料を受け入れる非変形式円筒容器部分を有し、前記円筒容器が、前記圧力押出機構によって駆動される前記プランジャがその中を移動して濃縮飲料を前記出口部分から放出させるチャンバを形成するシステム。
【請求項30】
前記圧力押出機構が、前記プランジャを前記容器内で正確な所定の距離だけ移動させる、前記注出装置の制御部によって作動させられる、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記プランジャの前記所定の移動距離を制御するための信号を前記制御部に供給する変位センサを更に備える、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記プランジャが前記パッケージの一部である、請求項29、30および31のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項1】
粘性食品を収容した少なくとも1つの使い捨て又は再使用可能なパッケージと、
前記食品パッケージを保持するための保持部、及び食品を前記パッケージから押し出す圧力押出機構を有する注出装置と、
バルブとを備えるシステムであって、
前記食品パッケージが、パッケージの一部をなす出口部分を備え、
前記バルブは、食品が前記注出装置に接触することなく、前記パッケージから出てくる食品を配分量毎に切断するために前記出口部分を閉鎖する作動を行うように適合されている、食品又は飲料注出システム。
【請求項2】
前記バルブが前記パッケージの一部である、請求項1に記載の食品又は飲料注出システム。
【請求項3】
前記バルブが前記出口部分と一体である、請求項2に記載の食品又は飲料注出システム。
【請求項4】
前記バルブが、前記圧力押出機構によって前記パッケージに掛けられる正圧力により食品がバルブに押し付けられる効果によって開き、正圧力が停止すると閉じる房室を形成する、請求項3に記載の食品又は飲料注出システム。
【請求項5】
所定の量が注出された後、前記圧力押出機構が前記パッケージにその容積を拡張するように働くことによってパッケージ内に負圧を生じさせることにより、前記房室が閉鎖する、請求項4に記載の食品又は飲料注出システム。
【請求項6】
前記房室が、注出する食物にそれに対応する形状を与える特定の外形及び寸法の複数の刃を備える、請求項4又は5に記載の食品又は飲料注出システム。
【請求項7】
前記パッケージが、パッケージの首部分に嵌まり、前記バルブを支持するキャップ又はインサートを有する、請求項3から6のいずれか一項に記載の食品又は飲料注出システム。
【請求項8】
少なくとも前記バルブの一部が、前記注出装置の一部を形成し、食品と接触することなしに出口部分の外面上に作用する、請求項1に記載の食品又は飲料注出システム。
【請求項9】
前記バルブが、前記装置の一部であり、前記パッケージの一部であるピンチ管に外部から作用する切断及び遮断機構を備える、請求項8に記載の食品又は飲料注出システム。
【請求項10】
前記切断及び遮断機構が、前記装置の駆動及び制御手段によって電気的に駆動及び制御される、請求項9に記載の食品又は飲料注出システム。
【請求項11】
前記切断及び遮断機構が、前記パッケージ中の圧力が解放されたときに閉じる受動的ばね負荷機構である、請求項9に記載の食品又は飲料注出システム。
【請求項12】
前記ピンチ管が前記パッケージと一体である、請求項9、10および11のいずれか一項に記載の食品又は飲料注出システム。
【請求項13】
前記パッケージが、非変形式円筒容器部分と、少なくともプランジャの一部を形成する加圧壁部分とを有し、前記プランジャは、食品を前記出口部分から押し出すために前記装置の前記圧力押出機構によってプランジャに掛けられる圧縮に従って容器部分の内側を移動する、前記請求項のいずれか一項に記載の食品又は飲料注出システム。
【請求項14】
前記パッケージが変形可能な容器部分を備え、
前記注出装置の前記圧力押出機構が、前記パッケージの一端に正圧力を掛けて前記容器を前記保持部分に向かって圧縮することによって、食物をパッケージの前記出口部分から注出しながら、容器の長さを次第に詰める移動可能なプランジャを備える、請求項1から12までのいずれか一項に記載の食品又は飲料注出システム。
【請求項15】
前記容器部分が予想どおりに変形可能である、請求項14に記載の食品又は飲料注出システム。
【請求項16】
前記容器部分が、前記圧力押出機構の連結手段に係合する第1の端部と、前記保持部の連結手段に係合する前記出口部分を支持する第2の端部とを備え、前記2つの端部が、ある距離だけ離れる方向に動かされ、それによって前記容器部分の容積が拡張して、前記バルブが閉じるのを助ける負圧を前記パッケージ内に生じさせる、請求項15に記載の食品又は飲料注出システム。
【請求項17】
前記装置が、
少なくとも1つの香味料容器と、
前記香味料容器から香味料を移送するように構成されたポンプ手段及びダクト手段と、
食品の流れの周りに香味料を注出するために前記ダクト手段に流体接続されているノズルとを備える、前記請求項のいずれか一項に記載の食品又は飲料注出システム。
【請求項18】
前記ノズルが、食品が軸方向に通過する中央流路と、冷凍菓子の流れの周りに実質的に円周方向下向きに香味料を送出するように構成された少なくとも1つの内部流路を有する環状ブロックとを有する、請求項17に記載の食品又は飲料注出システム。
【請求項19】
前記ノズルが、食品が軸方向に通過する中央流路と、前記中央流路を通過する食品の流れに対して半径方向に香味料を送出するように構成された少なくとも1つの内部流路を有する環状ブロックとを有する、請求項17に記載の食品又は飲料注出システム。
【請求項20】
前記ノズルが前記保持部の下に配置された、又は前記保持部の一部である、請求項17、18および19のいずれか一項に記載の食品又は飲料注出システム。
【請求項21】
前記ノズルが、2つの別々の香味料容器から2つの別々の香味料を供給される少なくとも2つの異なる入口を備え、各香味料を入り混じることなく注出するための別々の流路を有する、請求項17、18および19のいずれか一項に記載の食品又は飲料注出システム。
【請求項22】
前記装置が更に、
制御部と、
前記制御部と信号交信をするユーザ用選択盤とを備え、
前記ユーザ選択盤が、複数の香味料選択肢から選んだ選択香味料を入力するための手段を有し、
更に、選択によって逐次的、又は同時いずれにでも、選択された香味料のポンプ手段を作動させるように構成された、制御部に常駐するソフトウェアを備える、請求項17から21までのいずれか一項に記載の食品又は飲料注出システム。
【請求項23】
前記プランジャを前記容器内で正確な所定の距離だけ移動させる前記圧力押出機構が、注出装置の前記制御部によって作動させられる、請求項22に記載の食品又は飲料注出システム。
【請求項24】
前記食品が冷凍菓子である、請求項1から23までのいずれか一項に記載の食品又は飲料注出システム。
【請求項25】
前記食品が濃縮飲料である、請求項1から23までのいずれか一項に記載の食品又は飲料注出システム。
【請求項26】
視覚的に層別化された香味料入り冷凍菓子を注出装置から自動的に供給する方法であって、
所定の層別化された冷凍製品の選択を前記装置に入力する段階と、
容器から冷凍菓子を押し出す圧力押出機構と冷凍菓子の配分量を計量するバルブとを協働させることによって、前記容器から冷凍菓子を注出する段階と、
ポンプを作動させることによって、香味料容器から香味料を注出する段階とを含み、
前記冷凍菓子を注出する段階と前記香味料を注出する段階とを、選択によって、逐次的に、又は同時に実施することができる方法。
【請求項27】
前記容器が使い捨て又は再使用可能なパッケージであり、前記パッケージが、前記バルブの出口部分を、冷凍菓子を前記装置の部品と接触することなしに注出できるように備える、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記バルブが、前記パッケージと一体になった部品であり、前記バルブが、前記容器内に掛けられる負圧によって密封式に閉じるように構成されている、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
飲料注出装置中の再使用可能、又は使い捨てパッケージから濃縮飲料液を正確に供給するためのシステムであって、
濃縮飲料を収容した少なくとも1つの使い捨て、又は再使用可能なパッケージと、
前記濃縮飲料パッケージを保持する保持部、及び濃縮飲料を前記パッケージから押し出す圧力押出機構を有する供給装置と、
プランジャと、
バルブとを備え、
前記濃縮飲料パッケージがその一部として出口部分を備え、
前記バルブが、濃縮液体が前記供給装置に接触することなく前記パッケージから出てくる濃縮液体を配分量毎に切断するために、前記出口部分を閉鎖する作動を行うように構成されており、
前記濃縮飲料パッケージが、直接濃縮飲料を受け入れる非変形式円筒容器部分を有し、前記円筒容器が、前記圧力押出機構によって駆動される前記プランジャがその中を移動して濃縮飲料を前記出口部分から放出させるチャンバを形成するシステム。
【請求項30】
前記圧力押出機構が、前記プランジャを前記容器内で正確な所定の距離だけ移動させる、前記注出装置の制御部によって作動させられる、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記プランジャの前記所定の移動距離を制御するための信号を前記制御部に供給する変位センサを更に備える、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記プランジャが前記パッケージの一部である、請求項29、30および31のいずれか一項に記載のシステム。
【図3】
【図4】
【図5】
【図8B】
【図9D】
【図10C】
【図11】
【図12】
【図13】
【図4】
【図5】
【図8B】
【図9D】
【図10C】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2006−516398(P2006−516398A)
【公表日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−501659(P2006−501659)
【出願日】平成16年1月30日(2004.1.30)
【国際出願番号】PCT/EP2004/000826
【国際公開番号】WO2004/067386
【国際公開日】平成16年8月12日(2004.8.12)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年1月30日(2004.1.30)
【国際出願番号】PCT/EP2004/000826
【国際公開番号】WO2004/067386
【国際公開日】平成16年8月12日(2004.8.12)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】
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