説明

粘接着シート

【課題】 初期粘着性を有し、プレヒートなどの工程がなく、作業性がよく、金属同士、金属と有機材料、有機材料と有機材料とを接着でき、接着強度は強力であり、接着強度は温度変化で劣化しにくい粘接着シート1を提供する。
【解決手段】 粘着性と接着性を併せ持つ粘接着シート1であって、第1離型紙21A、粘接着層11及び第2離型紙21Bからなり、粘接着層11を構成する粘接着剤がアクリル酸エステル共重合体、bis−A型エポキシ系樹脂、コアシェルゴム、ゴム弾性エポキシ系樹脂、及び硬化剤を含むことを特徴とし、また、粘接着剤が海島島構造であること、さらに、粘接着層11が芯材を含み、粘接着剤11が芯材15へ含浸状態であることも特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘接着シートに関し、さらに詳しくは、粘接着シートの粘接着層を露出させ、2つの被着体で挟んで保持した後に、加圧加熱することで粘接着層を硬化させて被着体を強力に接着させることができる粘接着シートに関するものである。
【0002】
本明細書において、配合を示す「比」、「部」、「%」などは特に断わらない限り質量基準であり、「/」印は一体的に積層されていることを示す。また、「PET」は「ポリエチレンテレフタレート」の略語、機能的表現、通称、又は業界用語である。なお、本明細書では、「粘接着シート」とは「基材に貼り付けた瞬間に粘着力をもち、その後加熱することによって接着力をもつシート」で、「粘着力」とは「基材に貼り付けた瞬間に密着する力のこと」で、「接着力」とは「基材に貼り付け後、加熱することによって物理的に接着する力のこと」をいう。
【背景技術】
【0003】
(背景技術)従来、2つの被着体を一体化させる接合方法としては、咬合、溶接、接着剤や粘着剤による接着方法があり、それぞれの分野で用途に応じて多用されている。近年、自動車などの輸送機関連の用途では、温暖化防止に炭酸ガスCO2排出の削減などの課題解決として、車体の軽量化、ハイブリッド車や電気自動車の普及が進んでいる。そのために、車体に軽量なアルミニウムやマグネシウム、FRP(CFRP=carbon fiber reinforced prastics、GFRP=garas fiber reinforced prastics)を使用する流れが強くなってきている。しかしながら、従来の溶接法ではアルミニウムと鉄などの異種材料の溶接は非常に困難を極め、ガラス繊維や炭素繊維のFRPに至っては溶接自体が不可能であり、これらの材料(被着体)を強力に接合できる接合材料が必要である。接合方法としては、粘着シート又は接着シートを用いる方法があるが、十分ではない。また、アルミニウムなどの金属と、CFRPなどのプラスチックを主とする異種材料の被着体とを接着させると、熱硬化時の加熱によって、材料が伸縮して接着が困難であった。なぜなら、金属(特にアルミ)は熱膨張率が大きく、CFRPの熱膨張率は小さいために、加熱時の寸法差によって歪みが生まれ、十分な接着強度がでなかった。
従って、粘接着シートには、次のような性能が求められている。(1)金属同士、金属と有機材料、有機材料と有機材料とを接着できること。(2)接着強度は構造用途に使用できるように強力であること。(3)初期粘着性を有し、プレヒートなどの工程がなく、さらに貼り替えもできて、作業性のよいこと。(4)接着強度は温度変化で劣化し難く、特に、異種の被着体を接着させた後でも、硬化後の粘接着層が柔軟性を持ち、接着強度が低下し難いこと。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−237483号公報
【特許文献2】特開平9−181421号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
(従来技術)従来、第一基材フィルム、粘着剤層、第二基材フィルムおよびフィルム状接着剤層がこの順に構成されてなるダイアタッチフィルムであって、第二基材フィルムのフィルム状接着剤層側の界面が離型処理されており、かつ、フィルム状接着剤層が、アクリル酸エステル共重合体、熱硬化性樹脂を含むことを特徴とするダイシングシート機能付きダイアタッチフィルムが知られている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、フィルム状接着剤層のウエハーへの貼り付け温度が15℃以上60℃以下であり、初期粘着性はあるが、加工後に剥離するために接着力は低いという問題点がある。
また、(a)加熱硬化後においても再加熱により金属箔との接着が可能である熱硬化性樹脂Aを離型フィルムに塗布乾燥して、片面に熱硬化性樹脂Aの層を有する離型フィルムを準備する工程、(b)上記離型フィルムの熱硬化性樹脂Aの層側に、シート状基材に熱硬化性樹脂を含浸乾燥して得たプリプレグを重ね、加熱加圧成形により一体化して板状体とする工程、(c)離型フィルムを剥がして又は剥がさずに、上記板状体の所定位置に貫通穴をあける工程、(d)上記工程を経た板状体の熱硬化性樹脂Aの層側に、金属箔を重ねて加熱加圧成形により一体化する工程、の(a)〜(d)の工程を経ることを特徴とする金属箔張り積層板の製造法が知られている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、フィルム状態でも熱硬化し、加熱加圧成形により一体化でも熱硬化させ、2回も熱硬化工程があり、工程数が多くなるという欠点がある。
さらに、一部には初期粘着のある熱硬化型シートもあるが、一般的に初期粘着のある接着シートは、接着剤層にアクリル等の粘着樹脂を添加することでつくられており、粘着樹脂を添加することで、接着強度が低下することがわかっている。その結果、自動車用途などで必要とされる接着強度15〜20MPaを満たす粘着接着シートは作製困難であった。
【0006】
そこで、本発明は上記のような問題点を解消するために、本発明者らは鋭意研究を進め、本発明の完成に至ったものである。その目的は、次の性能を満足する粘接着シートを提供することである。(1)初期粘着性を有し、プレヒートなどの工程がなく、さらに貼り替えもできて、作業性のよいこと。(2)金属同士、金属と有機材料、有機材料と有機材料とを接着できること。(3)接着強度は構造用途に使用できるように強力であること。(4)接着強度は温度変化で劣化し難く、特に、異種の被着体を接着させた後でも、硬化後の粘接着層が柔軟性を持ち、接着強度が低下し難いこと。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1の発明に係わる粘接着シートは、第1離型紙、粘接着層、及び第2離型紙からなり、粘着性と接着性を併せ持つ粘接着シートであって、前記粘接着層を構成する粘接着剤がアクリル酸エステル共重合体、bis−A型エポキシ系樹脂、コアシェルゴム、ゴム弾性エポキシ系樹脂、及び硬化剤を含むように、したものである。
請求項2の発明に係わる粘接着シートは、上記粘接着層が、アクリル酸エステル共重合体、bis−A型エポキシ系樹脂、並びに、コアシェルゴム及びゴム弾性エポキシ系樹脂とが海島島構造であるように、したものである。
請求項3の発明に係わる粘接着シートは、上記粘接着層が芯材を含み、上記粘接着剤が芯材へ含浸状態であるように、したものである。
請求項4の発明に係わる粘接着シートは、上記芯材がガラス繊維、炭素繊維又は液晶ポリマー繊維の、織布又は不織布であるように、したものである。
請求項5の発明に係わる粘接着シートは、請求項1〜4のいずれかに記載の粘接着シートの第1離型紙及び第2離型紙を剥離し除去して露出した上記粘接着層を、2つの同じ又は異なる第1被着体及び第2被着体で挟み、粘接着層の粘着性で保持し、加圧加熱することで粘接着層を硬化させて、第1被着体及び第2被着体を接着させることができるように、したものである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の本発明によれば、初期粘着性を有してプレヒートなどの工程をなくせて作業性がよく、金属と有機材料とを接着でき、その接着強度は強力であり、温度変化でも劣化しにくい効果を奏する。
請求項2の本発明によれば、請求項1の効果に加えて、金属と有機材料とをより強力に接着でき、被着体である金属と有機材料の材料をより自由に選択することができる効果を奏する。
請求項3〜4の本発明によれば、請求項1〜2の効果に加えて、より強力な接着強度が得られる効果を奏する。
請求項5の本発明によれば、初期粘着性を有しているので、プレヒートなどの工程をなくせ、また、仮固定する必要もなく、接合の作業性がよく、低コストで接合できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本願発明の1実施例を示す粘接着シートの断面図である。
【図2】本願発明の1実施例を示す粘接着シートの断面図である。
【図3】本願発明の実施例1の粘接着シートの粘接着剤面の顕微鏡写真である。
【図4】比較例1の粘接着シートの粘接着剤面の顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
【0011】
(粘接着シート)本願発明の粘接着シート1は、図1に示すように、第1離型紙21A、粘接着層11、及び第2離型紙21Bからなり、粘接着層11を構成する粘接着剤13は、アクリル酸エステル共重合体、bis−A型エポキシ系樹脂、コアシェルゴム、ゴム弾性エポキシ系樹脂、及び硬化剤を含んでおり、粘着性と接着性を併せ持つ粘接着シートである。また、図2に示すように、粘接着層11へ芯材15を含ませて、粘接着剤13が芯材へ含浸状態としてもよい。芯材15としてはガラス繊維、炭素繊維又は液晶ポリマー繊維の、織布又は不織布が好ましい。なお、芯材15を含まない場合の粘接着層11は粘接着剤13と一致し、同意語となる。
【0012】
(海島島構造)さらに、粘接着層11が、アクリル酸エステル共重合体、bis−A型エポキシ系樹脂、並びに、コアシェルゴム及びゴム弾性エポキシ系樹脂とが海島島構造であることが好ましい。ここで海島島構造とは、海状の中に島部分があり、該島部分の中にさらに小さい島がある構造をいう。即ち、アクリル酸エステル共重合体という海部分に、bis−A型エポキシ系樹脂という島部分があり、さらに、該島部分にコアシェルゴム及びゴム弾性エポキシ系樹脂からなる小島がある構造である。該小島部分はコアシェルゴムとゴム弾性エポキシ系樹脂とが別々でも、混合状態でもよく、また、小島の数は1つでも、複数個でもよい。
【0013】
最も好ましくは、粘接着層11を構成する粘接着剤13としては、アクリル酸エステル共重合体としては、粘着性を有するEA−BA−ANをもつモノマーをラジカル重合してなるアクリル酸エステル共重合体を用い、エポキシ系樹脂としては少なくとも堅いビスフェノール型エポキシ樹脂を用い、弾性を有するコアシェルゴム及びゴム弾性エポキシ系樹脂を用い、さらに硬化剤としてジシアンジアミド系の化合物を用いることで、下記の性能を満たし、初期粘着性をもった熱硬化型の粘接着シート1とすることができる。性能とは、(1)初期粘着性を有し、プレヒートなどの工程がなく、さらに貼り替えもできて、作業性のよいこと、(2)金属同士、金属と有機材料、有機材料と有機材料とを接着できること、(3)接着強度は構造用途に使用できるように強力であること、(4)接着強度は温度変化で劣化し難く、特に、異種の被着体を接着させた後でも、硬化後の粘接着層が柔軟性を持ち、接着強度が低下し難いこと、である。
【0014】
(剥離紙)本明細書では、第1離型紙21Aと第2離型紙21Bとを合わせて離型紙21と呼称する。また、第1離型紙21Aと第2離型紙21Bは同じものでも異なったものを用いてもよい。離型紙21は離型フィルム、セパレート紙、セパレートフィルム、セパ紙、剥離フィルム、剥離紙とも呼ばれる。離型紙21は、上質紙、コート紙、含浸紙、プラスチックフィルムなどの離型紙用基材の片面又は両面に離型層を有している。
【0015】
(離型層)該離型層としては、離型性を有する材料であれば、特に限定されないが、例えば、シリコーン樹脂、有機樹脂変性シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アミノアルキド樹脂、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂などがある。これらの樹脂は、エマルジョン型、溶剤型又は無溶剤型のいずれもが使用できる。
【0016】
(離型層の形成)離形層は、離形層成分を分散および/または溶解した塗液を、離型紙用基材フィルムの片面に塗布し、加熱乾燥および/または硬化させて形成する。該塗液の塗布方法としては、公知で任意の塗布法が適用でき、例えば、ロールコート、グラビアコート、スプレーコートなどである。また、離形層は、必要に応じて、基材フィルムの少なくとも片面の、全面または一部に形成してもよい。
【0017】
(剥離力)離形層の剥離力は、粘着剤テープに対し、1〜2000mN/cm程度、さらに100〜1000mN/cmであることが好ましい。離形層の剥離力が1mN/cm未満の場合は、粘着シートや被粘着材との剥離力が弱く、剥がれたり部分的に浮いたりする。また、2000mN/cmより大きい場合は、離形層の剥離力が強く、剥離しにくい。安定した離形性や加工性の点で、ポリジメチルシロキサンを主成分とする付加及び/又は重縮合型の剥離紙用硬化型シリコーン樹脂が好ましい。
【0018】
(粘接着層)粘接着剤13は、粘着性を有するアクリル酸エステル共重合体と、主に被着体との接着性を有するbis−A型エポキシ系樹脂と、被着体と接着後に熱履歴を受けても自身の弾性で歪みを吸収して接着強度を維持するコアシェルゴム及びゴム弾性エポキシ系樹脂と、これらの樹脂と反応する硬化剤を含ませることで、粘着性と接着性を併せ持つ粘接着シート1とすることができる。
【0019】
(エポキシ)上記エポキシ系樹脂としては、例えば、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂等が挙げられ、またフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、レゾールフェノール樹脂等のフェノール樹脂、ユリア(尿素)樹脂、メラミン樹脂等のトリアジン環を有する樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコン樹脂、ベンゾオキサジン環を有する樹脂、シアネートエステル樹脂などが例示できる。
【0020】
これらの樹脂から、少なくとも、比較的柔らかいエポキシ系樹脂と、硬いエポキシ系樹脂とを含ませるのが好ましい。ここで、柔らかい、硬いとは、相対比較であり、硬さに差のある柔らかいもの、硬いものを用いればよい。
【0021】
(硬いエポキシ)硬いエポキシ系樹脂としては、結晶性エポキシ樹脂が好ましく、ビフェニル骨格、ビスフェノール骨格、スチルベン骨格などの剛直構造を主鎖にもち、比較的低分子量のものがよい。好ましくは、例えば、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂で、特にビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。主鎖が1〜3のビスフェノールA型エポキシ樹脂は常温で液体、主鎖が2〜10のビスフェノールA型エポキシ樹脂は常温で固体である。結晶性エポキシ樹脂のうち、常温で結晶化して固体のものも、融点以上の温度になると、急速に融解して低粘度の液状に変化することで、粘接着層13の接着剤部分に被着体の裏面とを接合工程で、初期に密着し、更に接着して、接着強度を高めることができる。硬いエポキシ系樹脂は架橋密度が高くなるため、機械的強度が高く、耐薬品性がよく、硬化性が高く、吸湿性(自由体積が小さくなるため)が小さくなる特徴もある。
【0022】
硬いエポキシ系樹脂として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましいが、さらに、硬さの異なる複数を用いるのが更に好ましい。複数とは、剛直な構造であるビスフェノール骨格の主鎖の数の異なるものが例示でき、例えば、主鎖が1〜3のビスフェノールA型エポキシ樹脂と、主鎖が2〜10のビスフェノールA型エポキシ樹脂とを併用すればよい。併用することで、機械的強度を保ちつつ、若干の柔軟性を得ることが出来るため、密着性に優れる。固体のエポキシを混合することで、製膜性も向上させることができる。ここで、硬さ異なるとは相対比較であり、硬さに差があればよく、硬いもの、更に硬いものを用いればよい。具体的には、主鎖が1〜3のビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、ジャパンエポキシレジン社製、JER828が、主鎖が2〜10のビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、ジャパンエポキシレジン社製、JER1001などが例示できる。
【0023】
(柔いエポキシ)柔かいエポキシ樹脂としては、ゴム成分を含むように変性したエポキシ系樹脂が好ましい。特に、NBR(ニトリルブタジエンゴム)変性エポキシ系樹脂が、加熱による変色も少なく、硬いエポキシ樹脂である結晶性エポキシ樹脂と混ざり易さから好ましい。具体的には、ADEKA社製、EPR4030などが例示できる。被着体の熱膨張による寸法変化などに追従するため、耐熱性向上、耐衝撃性、柔軟性の点で優れる。
【0024】
(アクリル酸エステル共重合体)アクリル酸エステル共重合体としては、粘着性があれば特に限定されるものではなく、例えば、アクリル酸、メタクリル酸及びそれらのエステルモノマーを重合させたコポリマーが使用できる。アクリル酸エステル共重合体としては、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルおよびアクリルニトリルのうち少なくとも1つをモノマー成分とした共重合体が挙げられる。この中でも、官能基としてエポキシ基、水酸基、カルボキシル基、二トリル基等を持つ化合物を有するアクリル酸エステル共重合体が好ましい。これにより、被着体への接着性がより向上する。具体的には、ナガセケムテックス社製、SG−P3などが例示できる。
【0025】
特に好ましいアクリル酸エステル共重合体としては、EA−BA−AN(エチルアクリレート−ブチルアクリレート−アクリルニトリル)をもつモノマーをラジカル重合してなるアクリル酸エステル共重合体であって、エポキシ系樹脂との分散性や、粘接着層11を形成する際の塗布性成膜性を向上させることができる。しかも、粘接着層11の初期粘着性を確保できる。
【0026】
アクリル酸エステル共重合体の重量平均分子量は、特に限定されないが、10万以上が好ましく、15万〜100万が特に好ましく、重量平均分子量がこの範囲内であると、粘接着層11の塗布性が向上する。また、凝集力を高めるために、ロジン樹脂、テルペン樹脂、クマロン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族系や芳香族系石油樹脂等の粘着付与剤等を添加してもよい。
【0027】
(コアシェルゴム)コアシェルゴムとしては、ゴム弾性を有する微粒子である。具体的には、三菱レイヨン社製のアクリルゴム微粒子LP4100などが例示できる。
【0028】
(ゴム弾性エポキシ系樹脂)ゴム弾性エポキシ系樹脂としては、ゴム弾性を有するエポキシ樹脂である。具体的には、ジャパンエポキシレジン社製のゴム弾性エポキシ樹脂YL7410などが例示できる。
【0029】
(硬化剤)前記硬化剤としては、例えばジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、メタキシレリレンジアミン(MXDA)などの脂肪族ポリアミン、ジアミノジフェニルメタン(DDM)、m−フェニレンジアミン(MPDA)、ジアミノジフェニルスルホン(DDS)などの芳香族ポリアミンのほか、ジシアンジアミド(DICY)、有機酸ジヒドララジドなどを含むポリアミン化合物等のアミン系硬化剤、ヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(MTHPA)などの脂環族酸無水物(液状酸無水物)、無水トリメリット酸(TMA)、無水ピロメリット酸(PMDA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸(BTDA)等の芳香族酸無水物等の酸無水物系硬化剤、フェノール樹脂等のフェノール系硬化剤が例示できる。
特に、ジシアンジアミド(DICY)は潜在性の硬化剤のため、保存安定性に優れ、室温保存でもポットライフが数週間もあるので好ましい。また、硬化促進剤としてイミダゾール類を含ませてもよい。
【0030】
(添加剤)さらに、粘接着剤13には、必要に応じて、例えば、加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度、その他等を改良、改質する目的で、例えば、滑剤、可塑剤、充填剤、フィラー、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、染料、顔料等の着色剤、その他等を添加してもよい。また、必要に応じて、さらにシラン系、チタン系、アルミニウム系などのカップリング剤を含むことができる。これにより樹脂と被着体及び樹脂と後述する芯材財との密着性を向上させることができる。
【0031】
(海島島)粘接着剤13は、アクリル酸エステル共重合体、bis−A型エポキシ系樹脂、並びに、コアシェルゴム及びゴム弾性エポキシ系樹脂とを主成分としているが、これらが海島島構造となっていることが好ましい。ここで海島島構造とは、海状の中に島部分があり、該島部分の中にさらに小さい島がある構造をいう。即ち、アクリル酸エステル共重合体という海部分に、bis−A型エポキシ系樹脂という島部分があり、さらに、該島部分にコアシェルゴム及びゴム弾性エポキシ系樹脂からなる小島がある構造である。該小島部分はコアシェルゴムとゴム弾性エポキシ系樹脂とが別々でも、混合状態でもよく、また、小島の数は1つでも、複数個でもよい。
図3は、本願発明の実施例1の粘接着シート1の粘接着剤13面の顕微鏡写真であり、図4は、比較例1の粘接着シート1の粘接着剤13面の顕微鏡写真である。明らかに、本願発明の実施例1の粘接着シート1の粘粘接着剤13面は海島島構造であり、比較例1の粘接着シート1の粘接着剤13面は海島構造である。
【0032】
この海島島構造によって、アクリル酸エステル共重合体の海状態が初期粘着性を発現し、島状態のポキシ系樹脂が加圧加熱によって、被着体と接触し接着し、さらに、小島状態のコアシェルゴム及びゴム弾性エポキシ系樹脂は、異種の被着体を接着させた後でも、硬化後の粘接着層が柔軟性を持ち、熱履歴による異種の被着体からの歪みを吸収することで、異種の被着体との接着強度を維持し、さらに向上させることもできると推測される。また、分散状態は、島どうしが接触しないある程度の距離(0.1〜5μm程度)を保つことで、界面破壊を避けることが出来、接着強度も高く維持できるので好ましい。また、小島は主に異種の被着体を接着させているbis−A型エポキシ系樹脂の島部分に点在して存在するのが好ましく、異種の被着体からの歪みを吸収して、bis−A型エポキシ系樹脂の接着性を保護しているものと推測される。さらに、引張りせん断力を受けた際にも、小島部分が引張られて発生する変形歪みを吸収して、bis−A型エポキシ系樹脂の接着性を維持させているので、界面破壊を避けることが出来、接着強度も高く維持できるものと推測される。
【0033】
(配合比)粘接着剤13は、アクリル酸エステル共重合体、bis−A型エポキシ系樹脂、並びに、コアシェルゴム及びゴム弾性エポキシ系樹脂とからなり、その配合比は、アクリル酸エステル共重合体:bis−A型エポキシ系樹脂:コアシェルゴム及びゴム弾性エポキシ系樹脂:硬化剤=100:75〜175:50〜200:2〜20程度、好ましくは、100:100〜150:75〜150:5〜10である。なお、硬いエポキシ系樹脂を複数用いる場合にはその合計とする。アクリル酸エステル共重合体に対して、エポキシ系樹脂がこの範囲未満であると、粘着力が強すぎて、貼り替えが必要な場合に不良が起こったり、作業性の低下したりし、被着体との接着力が低下する。この範囲以上では、被着体との接着力は向上するが、粘着力が低く、仮固定を要して作業性が低下する。また、コアシェルゴム及びゴム弾性エポキシ系樹脂の配合比がこの範囲未満であると、接合後の耐熱性が低く、また接着強度が温度変化(サーマルサイクル)で低下しやすく、この範囲以上では、被着体との接着力が低下する。さらにまた、硬化剤の配合比がこの範囲未満であると、接合後の耐熱性が低く、また接着強度が温度変化で劣化しやすい。この範囲以上では、粘接着シート1を被着体と接合するまで保管するが、その期間の保存性が低下し、また、未反応の硬化剤が残留することで、接着力が低下する問題点もある。
【0034】
(芯材)粘接着層11へ芯材15を含ませて、粘接着剤13が芯材へ含浸状態としてもよく、芯材15としては、織布又は不織布が好ましい。織布又は不織布の材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、液晶ポリマーなどの耐熱性のあるプラスチックの繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維などが例示でき、これらで構成した織布、不織布が使用できる。
【0035】
(製造方法)まず、粘接着層11を形成するための粘接着剤13組成物を作製し、この粘接着剤13組成物を離型紙へ塗布すればよい。撹拌機を用いて、bis−A型エポキシ系樹脂として複数種を用いる場合は先に混合撹拌し、次に硬化剤を混合撹拌し、溶媒で希釈した後に、コアシェルゴム及びゴム弾性エポキシ系樹脂を混合撹拌し、次いで、アクリル酸エステル共重合体を混合撹拌して、粘接着剤13組成物が得られる。該粘接着剤13組成物をコーティング法を用いて、第1離型紙21Aの離型面に上記の粘接着剤13組成物を塗布し、乾燥後に、塗布面に第2離型紙21Bを貼り合わせて、粘接着シート1が得られる。
【0036】
(芯材)芯材15を含める場合には、コーティング機を用いて、第1離型紙21Aと芯材15とを重ねて走行させて、その芯材15面に上記の粘接着剤13組成物を塗布することで、芯材15へ含浸されるので、乾燥後に、塗布面に第2離型紙21Bを貼り合わせて、粘接着シート1が得られる。
【0037】
(撹拌)粘接着剤13組成物を作製する撹拌機は、所望の材料を混合し、必要に応じて混練、分散して調製すればよく、特に限定されるものではない。通常の混練分散機、例えば、二本ロールミル、三本ロールミル、ペブルミル、トロンミル、ツェグバリ(Szegvari)アトライター、高速インペラー分散機、高速ストーンミル、高速度衝撃ミル、デスパー、高速ミキサー、リボンブレンダー、コニーダー、インテンシブミキサー、タンブラー、ブレンダー、デスパーザー、ホモジナイザー、および超音波分散機などが適用できる。
【0038】
(コーティング法)コーティング法としては、特に限定されるものではなく、例えば、ロールコート、リバースロールコート、トランスファーロールコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、コンマコート、ロッドコ−ト、ブレードコート、バーコート、ワイヤーバーコート、ダイコート、リップコート、ディップコートなどが適用できる。
組成物を、第1離型紙21Aの離型面、又は第1離型紙21Aと芯材15を重ねて、芯材15面へ、上記のコーティング法で塗布して、乾燥した後に、第2離型紙21Bを貼り合わせればよい。組成物(塗布液)の粘度は、1〜20000センチストークス(25℃)程度、好ましくは1〜200センチストークスに調整する。芯材15へ含浸塗布する場合には、粘度が低い方が好ましく、1〜100センチストークスである。
【0039】
(接着方法)被着体との接合は、粘接着シート1の第1離型紙21A及び第2離型紙21Bを剥離し除去して、粘接着層11を露出させる。露出した粘接着層11を、2つの同じ又は異なる第1被着体及び第2被着体で挟み、粘接着層11の粘着性で保持させる。
次いで、加熱、又は加圧加熱することで粘接着層11を硬化させて、第1被着体及び第2被着体を強固に接着させることができる。この場合の加熱温度は、100〜300℃程度、好ましくは150〜250℃である。加熱時間は1〜240分間、好ましくは10〜60分間である。
【0040】
硬化した粘接着シート1の粘接着層11は、初期粘着性を有し、プレヒートなどの工程がなく、粘着力のみで被着体を保持して作業できるので、作業性がよく、低コストでもある。また、粘接着層11の材料及びその配合比を選択することで、金属同士、金属と有機材料、有機材料と有機材料とを接着することができる。さらに、エポキシ系樹脂に起因する強固な接着強度が得られ、この接着強度は温度変化でも劣化しにくく、また、アクリル系樹脂に起因するために脆質性が低く、優れた剪断強度と高い耐衝撃性、耐熱性を有するので、構造用途に使用できる。
【0041】
主に異種の被着体を接着させているbis−A型エポキシ系樹脂の島部分に小島状に点在しているコアシェルゴムとゴム弾性エポキシ系樹脂が、異種の被着体で異なる熱膨張及び/又は熱収縮による歪みを吸収して、bis−A型エポキシ系樹脂の接着性を保護しているので、熱履歴(サーマルサイクル性)を受けても、接着強度を維持し、さらに驚くべきことには接着強度を向上させるに至っている。さらに、引張りせん断力を受けた際にも、小島部分が引張られて発生する変形歪みを吸収して、bis−A型エポキシ系樹脂の接着性を維持させているので、界面破壊を避けることが出来、接着強度も高く維持できるものと推測される。
【0042】
(被着体)被着体としては、金属、無機材料、有機材料、これらを組み合わせた複合材料や、積層材料などが例示できる。
【実施例】
【0043】
以下、実施例及び比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、これに限定されるものではない。なお、各層の各組成物は溶媒を除いた固形分の質量部である。また、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(主鎖1〜3)をEPX−1、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(主鎖2〜10)をEPX−2、NBR変性エポキシ樹脂をEPX−3と呼称する。
【0044】
(実施例1)下記原料を攪拌機により混合し、粘接着剤13組成物を作製した。
・アクリル酸エステル共重合体 100部
・EPX−1 10部
・EPX−2 140部
・ゴム弾性エポキシ樹脂 50部
・コアシェルゴム 40部
・ジシアンジアミド 7部
次に、芯材15として目付け量5.9g/m2の液晶ポリマー不織布を用い、離型紙21Aとして(セパフィルムSP−PET03BU東セロ製)を用いた。
離型紙21Aへ芯材15を重ねて、該芯材15面へ上記粘接着剤13組成物をコンマコーターにて、乾燥後の塗布量が50g/m2になるように、コーティングし乾燥した後に、軽剥離の離型紙21Bとして(セパフィルムSP−PET01BU東セロ製)を貼り合わせて、実施例1の粘接着シート1を得た。
【0045】
(実施例2)芯材15を入れない以外は、実施例1と同様にして、実施例2の粘接着シート1を得た。
【0046】
(比較例1)下記の粘接着剤13の原料を用いる以外は、実施例1と同様にして、比較例1の粘接着シート1を得た。
・アクリル酸エステル共重合体 100部
・EPX−1 67部
・EPX−2 133部
・ジシアンジアミド 7部
【0047】
(評価方法)CFRP基材とアルミニウム基材との接着強度、CFRP基材への初期粘着力、サーマルサイクル性で評価した。結果を表1に表す。
【0048】
(測定方法)
<接着強度の測定方法>実施例及び比較例の粘接着シート1を25mm×12.5mmに裁断し、離型紙21Aを剥離し除去して、被着体としてCFRP基材(長さ100mm×幅25mm×厚さ1.5mm)の先端部に貼り付け、次いで、離型紙21Bを剥離し除去して、別の被着体としてアルミニウム基材(長さ100mm×幅25mm×厚さ1.0mm)を先端部へ重なるように貼り付け、重ねた上から3kgのおもりをのせ、180℃1時間、加熱硬化させて、積層体を得て、試験片とした。
この試験片の両端をテンシロン(オリエンテック製RTA−1T)に固定して、室温で、速度0.5mm/minで引張り、せん断強度を測定した。
【0049】
<初期粘着力の測定方法>23℃、50%RH雰囲気下に24時間静置した粘接着シートを、幅25mm、長さ250mmに裁断し、試験サンプルとした。その後、粘接着シートサンプルの上部剥離フィルムをはがし、粘着面が接触するように洗浄した硝子板の上に置く。その上から、手動式圧着装置(JIS0237)にて、圧着速さ約5mm/sec、1往復させ、貼り付けた。
貼り付けた試験片の片方を、テンシロン(オリエンテック製RTC1310A)にて、300mm/minの速さで引き剥がし、そのときの応力を粘着力とした。
離型シートと粘着剤層との剥離強度で、180°による剥離方法において、100〜1,700gの範囲、好ましくは500〜1,400gの範囲にすることが望ましい。
【0050】
<サーマルサイクル性>実施例及び比較例の粘接着シート1を用いて、接着強度の測定用の試験片であるCFRP基材とアルミニウム基材とを積層した積層体を用いて、−40℃で30分間放置後、+150℃で30分間放置するを1サイクルとして、500サイクル行った後のせん断強度を、接着強度の測定方法に準じて行った。
【0051】
【表1】

【0052】
(評価結果)実施例1〜2では初期粘着力もあり、作業性がよく、CFRP基材とアルミニウム基材という異種の被着体の初期接着強度(引張りせん断力)も十分で、サーマルサイクル後の接着強度(引張りせん断力)も向上しており、良好であった。
しかも、接着層強度(引張りせん断力)を測定後の試験片をみると、被着体(CFRP基材とアルミニウム基材の両方とも)と粘接着層11の界面は接着状態で、粘接着層11の層間での凝集破壊であった。このことは接着強度は粘接着層11自身の凝集破壊強度であり、被着体との界面はそれ以上の強度ということであり、しかも、サーマルサイクル後で向上するという接着剤による最大の接着性を示していた。
比較例1では初期粘着力はあるものの、サーマルサイクル後の接着強度(引張りせん断力)は低下していた。
【産業上の利用可能性】
【0053】
(産業上の利用可能性)本発明の粘接着シートの主なる用途としては、従来の溶接法では困難な、ガラス繊維や炭素繊維のFRP、異種金属などの材料(被着体)を強力に接合でき、自動車などの輸送機関連の部材などのものである。
しかしながら、初期粘着性を有し、プレヒートなどの工程がなく、作業性がよく、金属同士、金属と有機材料、有機材料と有機材料とを接着でき、接着強度は強力であり、接着強度は温度変化で劣化しにくさを必要とする用途であれば、特に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0054】
1:粘接着シート
11:粘接着層
13:粘接着剤
15:芯材
21:離型紙
21A:第1離型紙
21B:第2離型紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1離型紙、粘接着層、及び第2離型紙からなり、粘着性と接着性を併せ持つ粘接着シートであって、前記粘接着層を構成する粘接着剤がアクリル酸エステル共重合体、bis−A型エポキシ系樹脂、コアシェルゴム、ゴム弾性エポキシ系樹脂、及び硬化剤を含むことを特徴とする粘接着シート。
【請求項2】
上記粘接着層が、アクリル酸エステル共重合体、bis−A型エポキシ系樹脂、並びに、コアシェルゴム及びゴム弾性エポキシ系樹脂とが海島島構造であることを特徴とする請求項1に記載の粘接着シート。
【請求項3】
上記粘接着層が芯材を含み、上記粘接着剤が芯材へ含浸状態であることを特徴とする請求項〜2のいずれかに記載の粘接着シート。
【請求項4】
上記芯材がガラス繊維、炭素繊維又は液晶ポリマー繊維の、織布又は不織布であることを特徴とする請求項3に記載の粘接着シート。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の粘接着シートの第1離型紙及び第2離型紙を剥離し除去して露出した上記粘接着層を、2つの同じ又は異なる第1被着体及び第2被着体で挟み、粘接着層の粘着性で保持し、加圧加熱することで粘接着層を硬化させて、第1被着体及び第2被着体を接着させることができることを特徴とする粘接着シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−202043(P2011−202043A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−71221(P2010−71221)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】