説明

粘着テープ用粘着剤、テープカセット及びテープ印字装置

【課題】ポリエチレンテレフタレートフィルムとの接着性能を向上させることにより、低温から常温に渡る環境温度下で、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がれ難くすることが可能な粘着テープ用粘着剤、粘着テープを内蔵するテープカセット、及び、テープカセット使用するテープ印字装置を提供する。
【解決手段】粘着テープの基材フィルムの一面に塗布されて粘着剤層を形成し、粘着剤層がポリエチレンテレフタレートフィルムに接着される粘着剤であって、前記ポリエチレンテレフタレートフィルムを前記粘着テープの基材フィルムから0.5mm/分の剥離速度で5mm剥離した時の微速接着力が0.45N/20mm以上であり、且つ、粘着剤層の貯蔵弾性率が90.7kPa〜435kPaの範囲にあることを特徴とする粘着テープ用粘着剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリエチレンテレフタレートフィルムとの接着性能を向上させることによりポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がれ難くすることが可能な粘着テープ用粘着剤、粘着テープを内蔵するテープカセット、及び、テープカセットを使用するテープ印字装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば、特開2007−176013号公報(特許文献1)には、ポリエチレンテレフタレートフィルムからなるラミネートフィルム、インクリボン及びベースフィルムの一面に第1粘着剤層が形成されるとともに他面に形成された第2粘着剤層に剥離紙を貼付した両面粘着テープをそれぞれ巻回状態で収納し、インクリボンを使用してラミネートフィルムに印字された文字等の印字面に両面粘着テープの第1粘着剤層を接着することにより、剥離紙付印字テープを作成する印字用カセットが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−176013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここに、前記印字用テープカセットに収納される両面粘着テープにおいて、ベースフィルムに形成された第1粘着剤層は、剥離紙が貼付される第2粘着剤層の引き剥がし速度5mm/minの微速接着力(1〜10N/20mm)よりも大きな微速接着力を有しており、かかる第1粘着剤層がポリエチレンテレフタレートフィルムから形成されたラミネートフィルムに接着される。
【0005】
しかしながら、前記印字用カセットを使用して作成された印字テープでは、ラミネートフィルムに対する両面粘着テープの第1粘着剤層の接着性能は、まだまだ不十分なものであり、印字テープの端部においてラミネートフィルムが第1粘着剤層から剥離してしまうという問題があった。
【0006】
また、第1粘着剤の粘着力を増加させる方策を採用したとしても、ラミネートフィルムは時間の経過に従って両面粘着テープの第1粘着剤層から徐々に剥離してしまい、有効な解決策が望まれていた。
【0007】
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、ポリエチレンテレフタレートフィルムとの接着性能を向上させることにより、低温から常温に渡る環境温度下で、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がれ難くすることが可能な粘着テープ用粘着剤、粘着テープを内蔵するテープカセット、及び、テープカセットを使用するテープ印字装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため請求項1に係る粘着テープ用粘着剤は、粘着テープの基材フィルムの一面に塗布されて粘着剤層を形成し、粘着剤層がポリエチレンテレフタレートフィルムに接着される粘着剤であって、前記ポリエチレンテレフタレートフィルムを前記粘着テープの基材フィルムから0.5mm/分の剥離速度で5mm剥離した時の微速接着力が0.45N/20mm以上であり、且つ、粘着剤層の貯蔵弾性率が90.7kPa〜435kPaの範囲にあることを特徴とする。
【0009】
請求項2に係るテープカセットは、サーマルヘッドにより印字テープに印字を行うテープ印字装置に使用されるテープカセットであって、ポリエチレンテレフタレートフィルムからなる印字テープが巻回された印字テープスプール、インクリボンが巻回されたリボンスプール及び基材フィルムの両面に粘着剤層が形成されるとともに基材フィルムの一面の粘着剤層に剥離紙が貼付された両面粘着テープが巻回された両面粘着テープスプールが内蔵され、前記サーマルヘッドによりインクリボンを介して印字テープに文字等の印字像が形成されるとともに両面粘着テープの基材フィルムの他面に形成された粘着剤層が印字像に接着されるテープカセットにおいて、前記両面粘着テープにおける粘着剤層を形成する粘着剤は、前記印字テープを前記粘着テープの基材フィルムから0.5mm/分の剥離速度で5mm剥離した時の微速接着力が0.45N/20mm以上であり、且つ、粘着剤層の貯蔵弾性率が90.7kPa〜435kPaの範囲にあることを特徴とする。
【0010】
請求項3に係るテープ印字装置は、サーマルヘッドと、ポリエチレンテレフタレートフィルムからなる印字テープが巻回された印字テープスプール、インクリボンが巻回されたリボンスプール及び基材フィルムの両面に粘着剤層が形成されるとともに基材フィルムの一面の粘着剤層に剥離紙が貼付された両面粘着テープが巻回された両面粘着テープスプールが内蔵され、前記サーマルヘッドによりインクリボンを介して印字テープに文字等の印字像が形成されるとともに両面粘着テープの基材フィルムの他面に形成された粘着剤層が印字像に接着されるテープカセットと、前記テープカセットにおける印字テープスプール、リボンスプール及び両面粘着テープスプールから印字テープ、インクリボン及び両面粘着テープをそれぞれ引き出して搬送する搬送機構とを備え、前記搬送機構により搬送された印字テープ上に、前記サーマルヘッドによりインクリボンを介して文字等の印字像を形成した後、印字像に対して両面粘着テープの基材フィルムの他面に形成された粘着剤層を印字像に接着するテープ印字装置において、前記両面粘着テープにおける粘着剤層を形成する粘着剤は、前記印字テープを前記粘着テープの基材フィルムから0.5mm/分の剥離速度で5mm剥離した時の微速接着力が0.45N/20mm以上であり、且つ、粘着剤層の貯蔵弾性率が90.7kPa〜435kPaの範囲にあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る粘着テープ用粘着剤は、ポリエチレンテレフタレートフィルムを粘着テープの基材フィルムから0.5mm/分の剥離速度で5mm剥離した時の微速接着力が0.45N/20mm以上であり、且つ、粘着剤層の貯蔵弾性率が90.7kPa〜435kPaの範囲にあるので、低温から常温の環境温度下でポリエチレンテレフタレートフィルムとの接着性能を向上させることによりポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がれ難くすることができる。
【0012】
請求項2に係るテープカセットでは、両面粘着テープにおける粘着剤層を形成する粘着剤は、印字テープを両面粘着テープの基材フィルムから0.5mm/分の剥離速度で5mm剥離した時の微速接着力が0.45N/20mm以上であり、且つ、粘着剤層の貯蔵弾性率が90.7kPa〜435kPaの範囲にあるので、サーマルヘッドによりインクリボンを介して印字テープに形成された文字等の印字像に対して両面粘着テープの基材フィルムの他面に形成された粘着剤層が接着される際に、低温から常温の環境温度下で印字テープとの接着性能を向上させることにより印字テープを剥がれ難くすることができる。
【0013】
請求項3に係るテープ印字装置では、テープカセットに内蔵された両面粘着テープにおける粘着剤層を形成する粘着剤は、印字テープを両面粘着テープの基材フィルムから0.5mm/分の剥離速度で5mm剥離した時の微速接着力が0.45N/20mm以上であり、且つ、粘着剤層の貯蔵弾性率が90.7kPa〜435kPaの範囲にあるので、搬送機構により搬送された印字テープ上に、サーマルヘッドによりインクリボンを介して文字等の印字像を形成した後、印字像に対して両面粘着テープの基材フィルムの他面に形成された粘着剤層を印字像に接着する際に、低温から常温の環境温度下で印字テープとの接着性能を向上させることにより印字テープを剥がれ難くすることができる。特に、テープ印字装置により作成された印字済テープの剥離紙を剥がして基材フィルムの他面に形成されている粘着剤層を曲面状の被着体に貼付した場合においても、印字テープが基材フィルムの一面に形成されている粘着剤層から剥がれにくくすることができ、被着体に貼付された印字済テープの美観を長期間維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施形態に係るテープ印字装置の斜視図である。
【図2】本実施形態に係るテープ印字装置の本体フレーム内にテープカセットを収納して示す本体フレーム内部の一部拡大断面図である。
【図3】両面粘着テープの構成を模式的に示す断面図である。
【図4】架橋剤の添加量を変えて作成した8種類の各粘着剤サンプルから形成された粘着剤層につき測定された物性値を示す表である。
【図5】各粘着剤サンプルから形成された粘着剤層の貯蔵弾性率と微速接着力との関係を示すグラフである。
【図6】5℃における、各粘着剤サンプルから形成された粘着剤層の貯蔵弾性率とポリエチレンテレフタレートフィルムの剥がれ枚数との関係を示すグラフである。
【図7】各粘着剤サンプルから形成された粘着剤層の微速接着力とポリエチレンテレフタレートフィルムの剥がれ量との関係を示すグラフである。
【図8】各粘着剤サンプルから形成された粘着剤層の貯蔵弾性率とポリエチレンテレフタレートフィルムの剥がれ量との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を具体化した実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0016】
先ず、本実施形態に係るテープ印字装置の概略構成について図1及び図2に基づき説明する。
【0017】
図1において、テープ印字装置1は、本体フレーム2、本体フレーム2の前部に配設されたキーボード3、本体フレーム2内の後部に配設された印字機構PM、キーボード3のすぐ後ろに設けられた文字や記号を表示可能な液晶ディスプレイ22、および、本体フレーム2の上面を覆うカバーフレーム6等を有する。さらに、本体フレーム2の上面には、印字機構PMに装着するテープカセットCSを着脱するときにカバーフレーム6を開放するためのリリースボタン4が設けられている。また、カバーフレーム6の側端(図1中、左側端)には、印字済テープ19を手動で切断するための切断用操作ボタン5が設けられている。
【0018】
また、キーボード3には、アルファベット、数字、記号等を入力するための文字キー、スペースキー、リターンキー、改行キー、カーソルを右方又は左方に移動させるためのカーソル移動キー、印字する文字のサイズを任意に設定するためのサイズ設定キー等の各種のキーが設けられている。
【0019】
次に、印字機構PMについて図2に基づいて説明する。印字機構PMには、矩形状のテープカセットCSが着脱自在に装着されている。このテープカセットCSには、透明なポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETフィルムと略記する)からなる印字テープ7が巻装された印字テープスプール8、加熱により溶融するインクがベースフィルムに塗布されてなるインクリボン9が巻装されたリボンスプール10、そのインクリボン9を巻き取る巻取りスプール11、印字テープ7と同一幅を有する両面粘着テープ12が剥離紙を外側にして巻装された両面粘着テープ供給スプール13、及び、これら印字テープ7と両面粘着テープ12とを接合させる接合ローラ14が、回転自在に配設されている。なお、両面粘着テープ12の基材フィルムの両面には粘着剤層が形成されており、その一方の面側の粘着剤層に剥離紙が貼付されている(後述する)。
【0020】
前記印字テープ7とインクリボン9とが重なる位置には、サーマルヘッド15が立設されている。本体フレーム2には、支持体18が回動自在に支持されており、かかる支持体18には、印字テープ7とインクリボン9とをサーマルヘッド15に押圧するプラテンローラ16、及び、印字テープ7と両面粘着テープ12とを接合ローラ14に押圧して印字済テープ19を作製する送りローラ17が回転可能に支持されている。サーマルヘッド15には、128個の発熱素子からなる発熱素子群(図示されていない)が上下方向(紙面に垂直方向)に列設されている。
【0021】
したがって、テープ送りモータ(図示せず)の所定回転方向への駆動により接合ローラ14と巻取りスプール11とが所定回転方向に各々同期して駆動されながら発熱素子群に通電され、所定の発熱素子が発熱してインクリボン9を加熱する。この加熱によりインクリボン9に塗布されているインクが溶融し、印字テープ7上に熱転写する。この結果、印字テープ7上には複数のドット列により文字等が印字され、しかも印字テープ7は両面粘着テープ12を接合した状態で印字済テープ19としてテープ送り方向Aにテープ送りされ、図1及び図2に示されるように、本体フレーム2の外側(図1中、左側)に送り出される。なお、印字機構PMの詳細な構成は、特開平2−106555号公報に記載され公知であるので、その説明を省略する。
【0022】
次に、この印字済テープ19を切断する手動式の切断装置30について、図2に基づいて説明する。本体フレーム2の内側には板状の補助フレーム31が立設され、この補助フレーム31に固定刃32が上向きに固着されている。補助フレーム31に固着された枢支軸33には、前後方向に延びる操作レバー34の前端近傍部が回動可能に枢支され、その操作レバー34の枢支軸33より前側に対応する部位において、可動刃35が前記固定刃32と対向して取り付けられている。
【0023】
また、操作レバー34の後端部は、切断用操作ボタン5の下側に位置し、操作レバー34は常には、可動刃35が固定刃32から離間する方向にバネ部材(図示されていない)で弾性付勢されている。さらに、前記操作レバー34の前端部には、切断用操作ボタン5の押圧により操作レバー34が切断のために回動したことを検出する切断スイッチ41が取り付けられている。
【0024】
文字等の印字が行われた後においては、印字済テープ19は固定刃32と可動刃35との間を通って本体フレーム2外に延びているので、その切断操作ボタン5を下方に押圧操作すると、操作レバー34を介して可動刃35が固定刃32に接近して、これら両刃32、35で印字済テープ19が切断される。
【0025】
続いて、テープカセットCSに内蔵されている両面粘着テープ12の構成について図3に基づき説明する。
【0026】
図3において、両面粘着テープ12は、PETフィルムから形成される基材フィルム12A、基材フィルム12Aの一面(図3中上面)に塗布形成された第1粘着剤層12B、基材フィルム12Aの他面(図3中下面)に塗布形成された第2粘着剤層12C、及び、第2粘着剤層12Cに貼付された剥離紙12Dから構成されている。
【0027】
尚、両面粘着テープ12の上方に図示されているのは、PETフィルムから形成される印字テープ7であり、印字テープ7と両面粘着テープ12における第1粘着剤層12Bとは、接合ローラ14と送りローラ17との協働により相互に接着される。
【実施例】
【0028】
続いて、第1粘着剤層12B及び第2粘着剤層12Cに使用される粘着剤の実施例について図4に基づき説明する。
【0029】
第1粘着剤層12B及び第2粘着剤層12Cを形成する粘着剤は、基本的に、アクリル系粘着剤(一方社油脂工業製:AS−5539)、イソシアネート系架橋剤(日本ウレタン製:L−45E)及びテルペンフェノール系粘着付与剤(ヤスハラケミカル製:YSレジンTO125)から組成され、アクリル系粘着剤及びテルペンフェノール系粘着付与剤に対するイソシアネート系架橋剤の含有量を0.0重量%〜2.5重量%の範囲で種々調整して粘着剤サンプル1〜8の8個の粘着剤サンプルを作成した。
【0030】
ここに、粘着剤サンプル1における架橋剤の含有量は0.0重量%。粘着剤サンプル2における架橋剤の含有量は0.1重量%、粘着剤サンプル3における架橋剤の含有量は0.3重量%、粘着剤サンプル4における架橋剤の含有量は0.5重量%、粘着剤サンプル5における架橋剤の含有量は0.7重量%、粘着剤サンプル6における架橋剤の含有量は1.2重量%、粘着剤サンプル7における架橋剤の含有量は1.8重量%、粘着剤サンプル8における架橋剤の含有量は2.5重量%である。
【0031】
前記のように作成した各粘着剤サンプルから形成された粘着剤層について、雰囲気温度5℃における貯蔵弾性率(kPa)を測定した。
【0032】
各粘着剤サンプル1〜8の貯蔵弾性率の測定は下記のように行った。
(1)各粘着剤サンプル1〜8の粘着剤をPETフィルムの片面に塗布して粘着剤層を形成した片面粘着テープを作成し、この片面粘着テープのPETフィルムが上側となるように16枚の片面粘着テープを空気が入り込まないように積層して貼り合わせた。この状態で、16層の片面粘着テープの最上面にはPETフィルムが存在する。
(2)前記のように16層の片面粘着テープが貼り合わせられた積層体の最上面にあるPETフィルムの上側に、PETフィルムの両面に各粘着剤サンプル1〜8の粘着剤を塗布して粘着剤層を形成した両面粘着テープを貼り合わせた。
(3)前記のように全体で17層に貼り合わせた積層体をポンチ等を使用してφ8mmに繰りぬいて各粘着剤サンプル1〜8に対応する測定対象物を得た。
(4)前記のように得られた各測定対象物を5℃に温調された貯蔵弾性率測定機(TAインスツルメント製レオメータAR−G2)の台座とパラレルプレートとの間にセットし、パラレルプレートに0.98Nの荷重を加えつつ周波数3Hz且つ0.3パーセントの歪量で往復回転運動させて貯蔵弾性率を測定した。
(5)前記のように測定される貯蔵弾性率の値は、PETフィルムをも含んで得られた値であるので、PETフィルムによる影響を排除するため下記式を使用して換算することにより粘着剤層の貯蔵弾性率を得た。
【0033】
【数1】

【0034】
前記の手順より測定された各粘着剤サンプル1〜8から形成された粘着剤層の貯蔵弾性率が図4に示されている。図4に示すように、粘着剤サンプル1の粘着剤層の貯蔵弾性率は62.2kPa、粘着剤サンプル2の粘着剤層の貯蔵弾性率は90.7kPa、粘着剤サンプル3の粘着剤層の貯蔵弾性率は111.8kPa、粘着剤サンプル4の粘着剤層の貯蔵弾性率は186.6kPa、粘着剤サンプル5の粘着剤層の貯蔵弾性率は239.6kPa、粘着剤サンプル6の粘着剤層の貯蔵弾性率は364.0kPa、粘着剤サンプル7の粘着剤層の貯蔵弾性率は409.1kPa、粘着剤サンプル8の粘着剤層の貯蔵弾性率は514.1kPaであった。
【0035】
続いて、PETフィルムからなる基材フィルムの両面に各粘着剤サンプル1〜8の粘着剤を塗布して両面粘着テープを作成し、両面粘着テープに形成された粘着剤層の微速接着力を測定した。微速接着力は島津製作所製の測定機「オートグラフAG−IS」を使用して23℃±1℃の雰囲気温度で下記の手順で測定した。
(1)先ず、測定面を構成するPETフィルムの表面を酢酸エチルを使用してウェスで拭き上げて清浄にした。
(2)両面粘着テープにおいて微速接着力の測定面と反対側の面の粘着剤層に、補強用として25μm厚のPETフィルムを貼り合わせた。
(3)前記のように補強した両面粘着テープの測定面側の粘着剤層を、ウェスで拭き上げて清浄にしたPETフィルムの測定面に対して、3kgのゴムローラを3往復させて貼り合わせた。
(4)この後、PETフィルムに貼り合わせられた両面粘着テープの長尺方向が垂直方向と一致するように、PETフィルムをステンレス板(SUS板)に固定した。
(5)30分放置した後、垂直状態にある両面粘着テープの下端を引っ掛けた測定部をステンレス板に対して水平方向に0.5mm/分のゆっくりとした剥離速度で90度剥離を行った。
(6)前記剥離速度で両面粘着テープを5mm剥離した時の引き剥がし力を測定部で微速接着力として測定した。
【0036】
このように測定された微速接着力が、前記のように測定された各粘着剤サンプル1〜8から形成された粘着剤層の貯蔵弾性率と対応させて図4に示されている。また、各粘着剤サンプルの粘着剤層の貯蔵弾性率と微速接着力との関係が図5のグラフに示されている。図5においては、前記のように求めた各粘着剤サンプル1〜8の粘着剤層の貯蔵弾性率を横軸に示し、微速接着力を縦軸に示している。
【0037】
図4において、架橋剤の含有量が0である粘着剤サンプル1の粘着剤層の微速接着力は0.19N/20mm、架橋剤が0.1重量%含有されている粘着剤サンプル2の粘着剤層の微速接着力は0.45N/20mm、架橋剤が0.3重量%含有されている粘着剤サンプル3の粘着剤層の微速接着力は0.53N/20mm、架橋剤が0.5重量%含有されている粘着剤サンプル4の粘着剤層の微速接着力は0.54N/20mm、架橋剤が0.7重量%含有されている粘着剤サンプル5の粘着剤層の微速接着力は0.64N/20mm、架橋剤が1.2重量%含有されている粘着剤サンプル6の粘着剤層の微速接着力は0.63N/20mm、架橋剤が1.8重量%含有されている粘着剤サンプル7の粘着剤層の微速接着力は0.67N/20mm、架橋剤が2.5重量%含有されている粘着剤サンプル8の粘着剤層の微速接着力は0.78N/20mmであった。
【0038】
前記のように測定された各粘着剤サンプル1〜8の粘着剤層の微速接着力の内、図5のグラフに示すプロットの傾向からして、微速接着力が0.19N/20mmの粘着剤サンプル1の粘着剤層では、PETフィルムに対する接着力が弱過ぎ、PETフィルムから構成される印字テープ7は短期間で第1接着剤層12Bから剥離してしまうものと考えられる。これに対して、粘着剤サンプル2〜8の粘着剤層の微速接着力は、粘着剤サンプル1の粘着剤層の微速接着力から不連続に高くなり、且つ、漸増していく傾向があることから、常温時(23℃±1℃)の環境下でPETフィルムからなる印字テープ7が両面粘着テープ12の第1粘着剤層12Bから剥がれ難くするためには、粘着剤サンプル2〜8の粘着剤層におけるように貯蔵弾性率が90.7kPA以上で且つ微速接着力が0.45N/20mm以上であることが必要になる。
【0039】
次に、各粘着剤サンプル1〜8から形成された粘着剤層について、−5℃における低温接着性能を測定した。
【0040】
低温接着性能は、下記の手順で測定した。
(1)先ず、各粘着剤サンプル1〜8を基材フィルム12Aの両面に塗布して、基材フィルム12Aの両面に第1粘着剤層12B、第2粘着剤層12Cを有する8種類の両面粘着テープ12を作成した。
(2)各粘着剤サンプル1〜8のそれぞれに対応する両面粘着テープ12を両面粘着テープ供給スプール13に巻回するとともに、その供給スプール13、印字テープ7を巻回したテープスプール8、インクリボン9を巻回したリボンスプール10等をテープカセットCS内に組み込んだ。これにより8個のテープカセットを得た。
(3)−5℃に温調された恒温槽内に、前記各テープカセット、テープ印字装置(ブラザー工業社製:PT−9500)を保管し、2時間放置した。
(4)十分に冷却された各テープカセットをテープ印字装置にセットし、文字等の印字を行いながら20mm間隔で20個のハーフカットを連続的に形成した印字済テープ19を作成した。これにより、各粘着剤サンプル1〜8のそれぞれに対応する両面粘着テープ12を使用した印字済テープ19を得た。
(5)各印字済テープ19を作成した後直ちに−5℃の恒温槽内でハーフカット部分につき両面粘着テープ12の第1粘着剤層12Bから剥離した印字テープ7の個数を目視にて数えた。印字テープ7の剥離個数を数える目安は、印字テープ7の幅全体が剥がれたものを剥離したと判断し、一方、印字テープ7の角部のみが剥がれた状態のものは剥離したものとはみなさなかった。
【0041】
このように測定された各粘着剤サンプル1〜8の粘着剤層の低温接着性能が前記のように測定された各粘着剤サンプル1〜8の貯蔵弾性率と対応させて図4に示されている。また、各粘着剤サンプル1〜8の粘着剤層の貯蔵弾性率と低温接着性能との関係が図6のグラフに示されている。図6においては、前記のように求めた各粘着剤サンプル1〜8の粘着剤層の貯蔵弾性率を横軸に示し、低温接着性能(印字テープの剥がれ枚数)を縦軸に示している。
【0042】
図4において、粘着剤サンプル1〜6を使用して第1粘着剤層12Bを形成した両面粘着テープ12では、ハーフカットされた20枚の印字テープ7の内剥離した印字テープ7は観察されなかった。粘着剤サンプル7を使用して第1粘着剤層12Bを形成した両面粘着テープ12では、ハーフカットされた20枚の印字テープ7の内4枚の印字テープに剥離が観察された。粘着剤サンプル8を使用して第1粘着剤層を形成した両面粘着テープでは、ハーフカットされた20枚の印字テープの内20枚全てに剥離が観察された。
【0043】
ここに、第1粘着剤層12Bの低温接着性能は、印字テープ7の剥離枚数が少ない程良好ではあるが、印字テープ7がその幅全体ではなく部分的に剥離していたとしても問題がない場合が多いことを勘案すると、印字テープ7の剥離枚数が10枚以内ならば印字テープ7の低温接着性能は問題ないものと考えられる。
【0044】
そこで、図6のグラフに示すように、印字テープ7が10枚剥離する点(剥離枚数が10枚を示す直線とグラフとの交点)を横軸の貯蔵弾性率に外挿すると、貯蔵弾性率の値は、435kPaとなる。
【0045】
これより、−5℃の低温時において、印字テープ7が第1粘着剤層12Bから剥離することを防止可能な粘着剤層の貯蔵弾性率は、粘着剤サンプル1〜7の粘着剤層におけるように、435kPa以下であることが要求されることが分かる。
【0046】
尚、粘着剤の低温接着性能を測定する温度として−5℃を選択した理由は、冬季には室内環境温度が−5℃程度までは低下する場合もあることを考慮した。
【0047】
続いて、テープ印字装置1で作成された印字済テープ19は各種の被着体に貼付されて利用されるが、曲面状の被着体に貼付されることも十分あり得ることを勘案し、このような場合において印字テープ7が第1粘着剤層12Bから剥離される剥離量を測定した。
【0048】
印字テープ7の剥離量の測定は下記の手順で測定した。
(1)各粘着剤サンプル1〜8から第1及び第2粘着剤層12B、12Cを基材フィルム12Aの両面に形成した8種類の両面粘着テープ12を使用し、各両面粘着テープ12を外径φ6mmのポリプロピレンチューブの周囲に5mm程度オーバーラップする状態で貼り付けた。
(2)各ポリプロピレンチューブを温度50℃、湿度90%の環境下に24時間保管した。
(3)保管後、各ポリプロピレンチューブに貼り付けられた両面粘着テープ12の端部を室温で目盛付ルーペにより観察し、印字テープ7が第1粘着剤層12Bから剥離した量を計測した。
【0049】
このように計測された両面粘着テープ12における第1粘着剤層12Bからの印字テープ7の剥離量が、前記のように測定された各粘着剤サンプル1〜8の粘着剤層の微速接着力と対応させて図4に示されている。また、各粘着剤サンプル1〜8の粘着剤層の微速接着力と印字テープ7の剥がれ量との関係が図7のグラフに示されている。図7においては、前記のように求めた各粘着剤サンプル1〜8の粘着剤層の微速接着力を横軸に示し、印字テープ7の剥がれ量を縦軸に示している。
【0050】
図4において、粘着剤サンプル3〜8を使用して第1粘着剤層12Bを形成した両面粘着テープ12では、微速接着力が0.53N/20mm以上であり、これらの両面粘着テープ12では、第1粘着剤層12Bからの印字テープ7の剥がれ量は0mmであり、印字テープ7の剥離は観察されなかった。微速接着力が0.45N/20mmである粘着剤サンプル2を使用した両面粘着テープ12では、第1粘着剤層12Bからの印字テープ7の剥がれ量は1mmであった。また、微速接着力が0.19N/20mmの粘着剤サンプル1を使用した両面粘着テープ12では、第1粘着剤層12Bからの印字テープの剥がれ量は5mmであった。
【0051】
ここに、第1粘着剤層12Bからの印字テープ7の剥がれ量は、小さい程良好であるが、1mm以内の剥がれ量であれば目視では認識でき難いことから目立つことなく、これより印字テープ7の剥がれ量が1mm以内であれば問題はない。
【0052】
そこで、図7のグラフに示すように、印字テープ7の剥がれ量が1mmとなる点(剥がれ量が1mmを示す直線とグラフとの交点)を横軸の貯蔵弾性率に外挿すると、微速接着力の値は、0.45N/20mmとなる。
【0053】
これより、印字済テープ19が曲面状の被着体に貼付されることを勘案すれば、印字テープ7が第1粘着剤層12Bから剥離する剥離量を1mm以内に保持可能な第1粘着剤層12Bの微速接着力は、粘着剤サンプル2〜8の粘着剤層におけるように、0.45N/20mm以上であることが分かる。
【0054】
次に、各粘着剤サンプル1〜8から形成された第1粘着剤層12Bに関して、前記のように測定された貯蔵弾性率と第1粘着剤層12Bからの印字テープ7のφ6mm剥がれ量との関係をプロットして図8に示すグラフを得た。図8のグラフ中、横軸は貯蔵弾性率(kPa)を示し、縦軸はφ6mm剥がれ量を示す。
【0055】
ここに、前記したように、第1粘着剤層12Bから剥がれる印字テープ7の許容剥がれ量は1mm以内であることから、これを実現するため第1粘着剤層12Bに要求される貯蔵弾性率は、90.7kPa以上であることが分かる。
【0056】
前記にて説明したように、常温時(23℃±1℃)の環境下でPETフィルムからなる印字テープ7が両面粘着テープ12の第1粘着剤層12Bから剥がれ難くするためには、粘着剤サンプル2〜8の粘着剤層におけるように貯蔵弾性率が90.7kPa以上で且つ微速接着力が0.45N/20mm以上であることが必要になる。また、−5℃の低温時において、印字テープ7が第1粘着剤層12Bから剥離することを防止可能な第1粘着剤層12Bの貯蔵弾性率は、粘着剤サンプル1〜7の粘着剤層におけるように、435kPa以下であることが要求される。更に、印字済テープ19が曲面状の被着体に貼付されることを勘案すれば、印字テープ7が第1粘着剤層12Bから剥離する剥離量を1mm以内に保持可能な第1粘着剤層12Bの微速接着力は、粘着剤サンプル2〜8の粘着剤層におけるように、0.45N/20mm以上であることが要求される。
【0057】
ここに、粘着剤サンプル2〜7から両面粘着テープ12の第1粘着剤層12Bを形成した場合には、常温時(23℃±1℃)においてPETフィルムからなる印字テープ7を剥離する際の微速接着力が0.45N/20mm以上且つ貯蔵弾性率が90.7kPa以上となり、また、低温時(−5℃)において貯蔵弾性率が435kPa以下となる。
【0058】
従って、粘着剤サンプル2〜7から両面粘着テープ12の第1粘着剤層12Bを形成した場合には、常温時(23℃±1℃)から低温時(−5℃)に渡る温度環境下で、且つ、曲面状の被着体に貼付されたとしても、印字テープ7を両面粘着テープ12の第1粘着剤層12Bから剥離し難くすることができるものである。
【0059】
以上説明した通り、本実施形態に係る両面粘着テープ12の第1粘着剤層12Bを粘着剤サンプル2〜7から形成することにより、第1粘着剤層12Bは、PETフィルムからなる印字テープ7を両面粘着テープ12の基材フィルム12Aから0.5mm/分の剥離速度で5mm剥離した時の微速接着力が0.45N/20mm以上であり、且つ、第1粘着剤層12Bの貯蔵弾性率が90.7kPa〜435kPaの範囲にあるので、低温から常温の環境温度下で印字テープ7との接着性能を向上させることにより印字テープ7を剥がれ難くすることができる。
【0060】
また、本実施形態に係るテープカセットCSでは、両面粘着テープ12の第1粘着剤層12Bを粘着剤サンプル2〜7から形成することにより、第1粘着剤層12Bは、PETフィルムからなる印字テープ7を両面粘着テープ12の基材フィルム12Aから0.5mm/分の剥離速度で5mm剥離した時の微速接着力が0.45N/20mm以上であり、且つ、粘着剤層の貯蔵弾性率が90.7kPa〜435kPaの範囲にあるので、サーマルヘッド15によりインクリボン9を介して印字テープ7に形成された文字等の印字像に対して両面粘着テープ12の基材フィルム12Aに形成された第1粘着剤層12Bが接着される際に、低温から常温の環境温度下で印字テープ7との接着性能を向上させることにより印字テープ7を剥がれ難くすることができる。
【0061】
本実施形態に係るテープ印字装置1では、テープカセットCSに内蔵された両面粘着テープ12における第1粘着剤層12Bを粘着剤サンプル2〜7から形成することにより、第1粘着剤層12Bは、PETフィルムからなる印字テープ7を両面粘着テープ12の基材フィルム12Aから0.5mm/分の剥離速度で5mm剥離した時の微速接着力が0.45N/20mm以上であり、且つ、第1粘着剤層12Bの貯蔵弾性率が90.7kPa〜435kPaの範囲にあるので、接合ローラ14、送りローラ17により搬送された印字テープ7上に、サーマルヘッド15によりインクリボン9を介して文字等の印字像を形成した後、印字像に対して両面粘着テープ12の基材フィルム12Aに形成された第1粘着剤層12Bを接着する際に、低温から常温の環境温度下で印字テープ7との接着性能を向上させることにより印字テープ7を剥がれ難くすることができる。特に、テープ印字装置1により作成された印字済テープ19の剥離紙12Dを剥がして基材フィルム12Aに形成されている第2粘着剤層12Cを曲面状の被着体に貼付した場合においても、印字テープ7が基材フィルム12Aに形成されている第1粘着剤層12Bから剥がれにくくすることができ、被着体に貼付された文字付テープの美観を長期間維持することができる。
【0062】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0063】
1 テープ印字装置
7 印字テープ
8 印字テープスプール
9 インクリボン
10 リボンスプール
12 両面粘着テープ
12A 基材フィルム
12B 第1粘着剤層
12C 第2粘着剤層
12D 剥離紙
13 両面粘着テープ供給スプール
14 接合ローラ
15 サーマルヘッド
CS テープカセット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘着テープの基材フィルムの一面に塗布されて粘着剤層を形成し、粘着剤層がポリエチレンテレフタレートフィルムに接着される粘着剤であって、
前記ポリエチレンテレフタレートフィルムを前記粘着テープの基材フィルムから0.5mm/分の剥離速度で5mm剥離した時の微速接着力が0.45N/20mm以上であり、且つ、粘着剤層の貯蔵弾性率が90.7kPa〜435kPaの範囲にあることを特徴とする粘着テープ用粘着剤。
【請求項2】
サーマルヘッドにより印字テープに印字を行うテープ印字装置に使用されるテープカセットであって、
ポリエチレンテレフタレートフィルムからなる印字テープが巻回された印字テープスプール、インクリボンが巻回されたリボンスプール及び基材フィルムの両面に粘着剤層が形成されるとともに基材フィルムの一面の粘着剤層に剥離紙が貼付された両面粘着テープが巻回された両面粘着テープスプールが内蔵され、前記サーマルヘッドによりインクリボンを介して印字テープに文字等の印字像が形成されるとともに両面粘着テープの基材フィルムの他面に形成された粘着剤層が印字像に接着されるテープカセットにおいて、
前記両面粘着テープにおける粘着剤層を形成する粘着剤は、
前記印字テープを前記粘着テープの基材フィルムから0.5mm/分の剥離速度で5mm剥離した時の微速接着力が0.45N/20mm以上であり、且つ、粘着剤層の貯蔵弾性率が90.7kPa〜435kPaの範囲にあることを特徴とするテープカセット。
【請求項3】
サーマルヘッドと、
ポリエチレンテレフタレートフィルムからなる印字テープが巻回された印字テープスプール、インクリボンが巻回されたリボンスプール及び基材フィルムの両面に粘着剤層が形成されるとともに基材フィルムの一面の粘着剤層に剥離紙が貼付された両面粘着テープが巻回された両面粘着テープスプールが内蔵され、前記サーマルヘッドによりインクリボンを介して印字テープに文字等の印字像が形成されるとともに両面粘着テープの基材フィルムの他面に形成された粘着剤層が印字像に接着されるテープカセットと、
前記テープカセットにおける印字テープスプール、リボンスプール及び両面粘着テープスプールから印字テープ、インクリボン及び両面粘着テープをそれぞれ引き出して搬送する搬送機構とを備え、
前記搬送機構により搬送された印字テープ上に、前記サーマルヘッドによりインクリボンを介して文字等の印字像を形成した後、印字像に対して両面粘着テープの基材フィルムの他面に形成された粘着剤層を印字像に接着するテープ印字装置において、
前記両面粘着テープにおける粘着剤層を形成する粘着剤は、
前記印字テープを前記粘着テープの基材フィルムから0.5mm/分の剥離速度で5mm剥離した時の微速接着力が0.45N/20mm以上であり、且つ、粘着剤層の貯蔵弾性率が90.7kPa〜435kPaの範囲にあることを特徴とするテープ印字装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−82789(P2013−82789A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−222737(P2011−222737)
【出願日】平成23年10月7日(2011.10.7)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】