説明

粘着テープ貼付け方法およびその装置

【課題】 ワークに沿って前進移動させながら粘着テープを貼付けローラに供給し、この粘着テープをワークのテープ貼付け面に押圧して貼付けてゆく粘着テープ貼付け方法において、粘着テープから剥離されたセパレータに邪魔されることなく円滑に粘着テープ貼付けを行うことができるようにする。
【解決手段】 セパレータ付きの粘着テープTをテープ供給ローラ10への巻回によって方向転換して貼付けローラ6に導くとともに、テープ供給ローラ10のテープ巻回部位において粘着テープTからセパレータstを剥離し、剥離したセパレータstを、テープ供給ローラ10に対向して配備されたセパレータガイド15によって横外方に案内する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車におけるドアサッシュなどの屈曲したワークに粘着テープを貼り付け処理する場合などに利用する粘着テープ貼付け方法およびその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車の製造工程においては、ドアサッシュへの黒色塗装処理に代えて黒色の粘着テープを貼付ける技術が開発されており、手持ちした貼付け装置をワークに沿って案内移動させながら、テープ供給ローラで巻回案内した粘着テープを押圧ローラに供給して貼り付けてゆく手段が提案・実施されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−328573号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
係る粘着テープ貼付け装置ではセパレータ付きの粘着テープが使用されているのであるが、提案された上記粘着テープ貼付け装置においてはセパレータが粘着テープ貼付け装置の前部におけるテープ供給径路において自重で剥離するものとなっている。したがって、剥離したセパレータが粘着テープ貼付け装置の進行方向前部に移動してしまって邪魔になることがあり、そのセパレータを払い退ける操作のために粘着テープ貼付け操作への注意が散漫になったり、貼付け移動速度が低下して仕上がりの低下を招いたりすることなどがある。
【0004】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、剥離されたセパレータに邪魔されることなく円滑に粘着テープ貼付けを行うことができる粘着テープ貼付け方法およびその装置を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
【0006】
すなわち、第1の発明は、ワークに沿って前進移動させながら粘着テープを貼付けローラに供給し、この粘着テープをワークのテープ貼付け面に押圧して貼付けてゆく粘着テープ貼付け方法であって、
セパレータ付きの前記粘着テープをテープ供給ローラへの巻回によって方向転換して前記貼付けローラに導くとともに、テープ供給ローラのテープ巻回部位において粘着テープからセパレータを剥離し、
当該剥離したセパレータを、テープ供給ローラに対向して配備されたセパレータガイドによって粘着テープの貼付け方向とは異なる方向に案内することを特徴とする。
【0007】
(作用・効果) 上記貼付け方法によると、粘着テープがテープ供給ローラへの巻回によって方向転換されて貼付けローラに導かれるのに対して、セパレータは方向転換されることなくテープ巻回部位において剥離されてセパレータガイドに向けて移動し、そのセパレータ案内面に案内されて粘着テープの貼付け方向とは異なる方向に放出されてゆく。
【0008】
したがって、この発明方法によると、剥離されたセパレータで邪魔されることなく粘着テープ貼付け装置を前進移動させることができる。したがって、邪魔なセパレータを払い退ける操作のために粘着テープ貼付けのための注意が散漫になったり、貼付け移動速度が低下してしまったりすることがなくなり、仕上がりの良い粘着テープ貼付け作業を能率よく行うことができる。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、前記テープ供給ローラとセパレータガイドとの間のテープ挿通間隔においては、粘着テープの一側縁の位置決めを行うとともに、粘着テープの他側縁方向へのテープ移動を許容しながら粘着テープを挿通移動させることを特徴とする。
【0010】
(作用・効果) 貼付けローラを所定姿勢に保ってワークに沿って移動させながら、テープ供給ローラを介して粘着テープを貼付けローラに案内供給することで、貼付けローラによって押圧された粘着テープがワークの直線状あるいは略直線状に連なるテープ貼付け面に連続して貼り付けられてゆく。この場合、テープ供給ローラとセパレータガイドとの間のテープ挿通間隙においては粘着テープの一側縁がテープ位置決め部に摺接案内されてテープ幅方向での位置決めがなされることになり、粘着テープはテープ貼付け面に対してテープ幅方向での位置ずれなく平行に貼り付けられてゆく。
【0011】
貼付けが進行してテープ貼付け面が、例えば屈曲部位に至ると、ワークの屈曲に合わせて貼付けローラおよびテープ供給ローラの姿勢を変更することになる。ここで、粘着テープはワークにおけるテープ貼付け面の屈曲に合わせて予め屈曲形成されたものが使用されており、この粘着テープの屈曲部位がテープ供給ローラに巻回案内されることになる。
【0012】
この場合、テープ供給ローラとセパレータガイドとの間に形成されているテープ挿通間隙は粘着テープを挟み持つほど狭いものではなく、テープ供給ローラから粘着テープを大きく離脱してしまわない程度に余裕をもって粘着テープの一側縁だけを摺接案内するものであり、しかも、テープ供給ローラ自体の表面滑性によって粘着テープはテープ供給ローラに巻回された状態でもテープ幅方向へは移動しやすい状態にある。このために粘着テープの屈曲部位がこのテープ挿通間隙では拘束されることなく自由に通過することになり、無理な案内によって粘着テープにシワが発生するようなことはない。
【0013】
そして、テープ貼付け面の屈曲部位を通過して再び直線状あるいは略直線状のテープ貼付け面に至ると、再び貼付けローラをワークに対して所定姿勢に保ちながらワークに沿って移動させ、テープ挿通間隙において粘着テープの一側縁を位置決め摺接しながらのテープ供給が行われて貼付けが続行される。
【0014】
したがって、特別に慎重な操作を要することなく、テープ貼付け面における屈曲部位での貼付けをシワなどの発生無く円滑容易に行うことができるとともに、剥離されたセパレータで邪魔されることなく粘着テープ貼付け装置を前進移動させることができる。
【0015】
第3の発明は、ワークに沿って前進移動させながら粘着テープを貼付けローラに供給し、この粘着テープをワークのテープ貼付け面に押圧して貼付けてゆく粘着テープ貼付け装置であって、
前記ワークのテープ貼付け面に沿って移動操作される本体に、ワークに係合して転動移動するガイドローラと、
供給された粘着テープをワークのテープ貼付け面に弾性押圧して貼り付ける貼付けローラと、
前記粘着テープを巻回案内して前記貼付けローラに導くテープ供給ローラと、
前記テープ供給ローラに対向して配備されたセパレータガイドと、
前記セパレータガイドに向けて粘着テープを繰り出す側に隣設配備されるテープ離脱防止用のテープガイドとを備え、
前記セパレータガイドには、テープ供給ローラのテープ巻回部位において粘着テープから剥離したセパレータを粘着テープ貼付け方向とは異なる方向に案内するセパレータ案内面を形成したこと特徴とする。
【0016】
(作用・効果) 上記構成によれば、ガイドローラによって粘着テープ貼付け装置をワークに対して所定の姿勢に保持した状態でワークに沿って走行させながら、テープ供給ローラを介して貼付けローラに供給された粘着テープをワークのテープ貼付け面に押圧して連続して貼り付けてゆくことができる。また、粘着テープがテープ供給ローラへの巻回によって方向転換されて貼付けローラに導かれるのに対して、セパレータは方向転換されることなくテープ巻回部位において剥離されてセパレータガイドに向けて移動し、そのセパレータ案内面に案内されて粘着テープの貼付け方向とは異なる方向に放出されてゆく。
【0017】
したがって、この発明装置によると、前記第1の発明の粘着テープ貼付け方法を好適に実現することができる。
【0018】
第4の発明は、上記第3の発明装置において、前記セパレータ案内面をテープ供給ローラに向かう凹入湾曲面に形成したことを特徴とするものである。
【0019】
(作用・効果) この構成によれば、剥離されたセパレータは凹入湾曲面したセパレータ案内面によって横外方後方に反転案内されることになり、剥離されたセパレータが装置前方に移動することが一層確実に回避されることになる。したがって、剥離されたセパレータで邪魔されることなく粘着テープ貼付け装置を前進移動させる上で一層有効となる。
【0020】
第5の発明は、上記第3または第4の発明装置において、前記テープ供給ローラと前記セパレータガイドの間、および当該セパレータガイドに隣設配備されたテープガイドによって形成されるテープ挿通間隔のテープ幅方向の一端を開放するとともに、前記テープ挿通間隔の奥端に、粘着テープの一端側縁受止め案内するテープ位置決め部を形成したことを特徴とする。
【0021】
(作用・効果) テープ供給ローラとセパレータガイドの間、およびテープガイドによって形成されるテープ挿通間隙のテープ幅方向の一端を開放するとともに、テープ挿通間隙の奥端に、粘着テープの一側縁を受止め案内するテープ位置決め部を形成することにより、屈曲部位では粘着テープの屈曲部位をこのテープ挿通間隙で拘束されることなく自由に通過させることができる。したがって、上記第2の発明方法を好適に実現することができる。
【0022】
第6の発明は、上記第3ないし第5の発明装置において、
前記ガイドローラを、前記貼付けローラより前方位置においてワークのテープ貼付け面と交差する面を転動する単一の走行案内用のガイドローラと、
前後一対の前記貼付けローラに対向して前記テープ貼付け面と反対側からワークに係合する前後一対の姿勢保持用のガイドローラとで構成した
ことを特徴とする。
【0023】
(作用・効果) この構成によれば、最前端の走行案内用のガイドローラから最後端の姿勢保持用のガイドローラまでの距離が短いものとなり、装置を前後方向にコンパクトなものにすることができ、片手で把持しての取扱いが容易なものとなる。
【0024】
第7の発明は、上記第3ないし第5の発明装置において、前記装置本体の上部に把持部を備えたことを特徴とする。
【0025】
(作用・効果) この構成によれば、片手で把持部を把持しての取扱いが容易なものとなる。
【発明の効果】
【0026】
この発明に係る粘着シート貼付け方法およびその装置によれば、上記貼付け方法によると、粘着テープがテープ供給ローラへの巻回によって方向転換されて貼付けローラに導かれるのに対して、セパレータは方向転換されることなくテープ巻回部位において剥離されてセパレータガイドに向けて移動し、そのセパレータ案内面に案内されて粘着テープとは反対方向に放出されてゆく。
【0027】
したがって、この発明方法によると、剥離されたセパレータで邪魔されることなく粘着テープ貼付け装置を前進移動させることができる。したがって、邪魔なセパレータを払い退ける操作のために粘着テープ貼付けのための注意が散漫になったり、貼付け移動速度が低下してしまったりすることがなくなり、仕上がりの良い粘着テープ貼付け作業を能率よく行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、図面を参照して本発明の一実施例を説明する。
【0029】
図1は本発明に係る粘着テープ貼付け装置Aを用いて屈曲したワークWに粘着テープTを貼付ける行程の側面図、図2は粘着テープ貼付け装置Aの外観斜視図、図3は粘着テープ貼付け装置Aの側面図がそれぞれ示されている。また、この実施例の前記ワークWは自動車におけるドアサッシュであり、その屈曲した側面に黒色塗装に代えて黒色の粘着テープを貼り付けるものである。
【0030】
ワークWは、図4中に示される断面形状を有する板金製の周枠部材を溶接連結して所望の中空断面形状に屈曲形成したものであり、その内周部には窓ガラス挿入溝m1、外周部にはウエザストリップ装着溝m2が形成され、これらを形成する略T字状周枠部fの外側面がテープ貼付け面Sとなっている。
【0031】
粘着テープTは、図1に示すように、ワークWの屈曲したテープ貼付け面Sの幅よりも広幅のセパレータ付き粘着テープT(st)が用いられ、テープ貼付け面Sの屈曲に合わせて予め屈曲形状に切り出されている。
【0032】
粘着テープ貼付け装置Aは、図2に示すように、ワークWに係合案内されながらワーク長手方向に沿って手作業で走行移動されるものである。その本体1は、テープ貼付け移動方向に長い角棒状の第1ブラケット1a、上下に扁平な厚板状の第2ブラケット1b、逆L形に屈曲形成された連結用の第3ブラケット1c、および、縦壁状の第4ブラケット1dを順次ボルト連結して構成されている。第2ブラケット1bの上部には手持ちし易いように把持部1b’が隆起形成されている。なお、以後の説明においては、便宜上、装置を貼付け移動させてゆく方向Xを前方、テープ貼付け面Sと直交する方向を横方向と呼称する。
【0033】
第1ブラケット1aの前部横側面には単一の走行案内用のガイドローラ2が若干傾斜した横軸心周りに遊転自在な装着されるとともに、第1ブラケット1aの下面の後部には、前後一対の姿勢保持用のガイドローラ3が支持板4を介して縦軸心周りに遊転自在に装着されている。
【0034】
走行案内用のガイドローラ2は滑動性に優れた硬質の樹脂材で形成されており、ワークWにおけるウエザストリップ装着溝m2の底面まで係入されことで、ウエザストリップ装着溝m2に沿って案内走行される。姿勢保持用のガイドローラ3は比較的硬度の高いゴム材などの弾性樹脂材で形成されており、ウエザストリップ装着溝m2の側枠部に背部から押圧接触されるようになっている。そして、これらガイドローラ2,3をワークWの所定部位にそれぞれ押圧係合させることで、粘着テープ貼付け装置Aを所定の貼付け姿勢でワークWに係合案内するよう構成されている。なお、姿勢保持用ガイドローラ3は、図5および図6に示すように、支持板4に形成された前後複数の連結孔5に選択してねじ込み装着することで、その位置をワークWに応じて変更調節することが可能となっている。
【0035】
第2ブラケット1bの下面には、一対の姿勢保持用ガイドローラ3に略対向するように前後一対の貼付けローラ6が縦軸心周りに遊転自在に軸支されている。この貼付けローラ6は、固定芯軸7に遊転自在に外嵌された筒軸8にスポンジ状の弾性層9を被覆して構成されたものであり、粘着テープ貼付け装置AがワークWに対して所定の姿勢に係合された状態で、貼付けローラ6の外周がワークWのテープ貼付け面Sに適度に弾性変形しながら押圧されるようになっている。
【0036】
第2ブラケット1bの横外端には下方に向かう第4ブラケット1dが連結されている。この第4ブラケット1dの前端部に、前方側の貼付けローラ6の横外側に位置するようにテープ供給ローラ10が縦軸心周りに遊転自在に軸支されている。このテープ供給ローラ10は滑動性に優れた硬質の樹脂材で形成されており、固定支軸11に遊嵌支持されている。
【0037】
また、第4ブラケット1dにおける横外側面の後側に硬質樹脂材からなるテープガイド12が取付け固定されている。このテープガイド12と第4ブラケット1dの横外側面との間には、上方に開放されたテープ挿通間隙cを形成されるとともに、図3に示すように、テープ挿通間隙cの下端にはテープ位置決め部13が形成されており、テープ挿通間隙cに挿通された粘着テープTの下方の側縁がテープ位置決め部13に受止め支持されて、粘着テープTの幅方向での位置決めが行われるようになっている。また、このテープ位置決め部13のテープ入口側の角部は斜めに欠如されて傾斜案内面14が形成されている。
【0038】
また、第4ブラケット1dにおける横側外面の前側には硬質樹脂材からなるセパレータガイド15が取付け固定されている。このセパレータガイド15は、テープ供給ローラ10の前方位置においてテープ供給ローラ10に所定間隔をもって対向して配備されるとともにテープ供給ローラ10より少し低く立設されており、その後面にはテープ供給ローラ10に対向して凹入湾曲する縦長のセパレータ案内面16が形成されている。
【0039】
また、セパレータガイド15の凹入湾曲したワーク側の端辺がテープ供給ローラ10の回転軸心と略一致するように位置している。
【0040】
本発明に係る粘着テープ貼付け装置Aは以上のように構成されている。次に、上記実施例装置Aを用いて、図1に沿って粘着テープ貼付け行程について説明する。
【0041】
先ず、ワークWにガイドローラ2,3群を介して所定の姿勢に係合させた粘着テープ貼付け装置Aにセパレータ付きの粘着テープTを挿通装填する。つまり、テープ挿通間隙cに挿通した粘着テープTをテープ供給ローラ10で案内して貼付けローラ6に導く。
【0042】
次に、粘着テープTの一端からセパレータstを剥がして粘着面を露出させ、この粘着面をワークWにおける貼付け面Sの一端に手作業で位置決めして貼付ける。この時、テープ供給ローラ10のテープ巻回部位において粘着テープから剥離したセパレータstをセパレータガイド15のセパレータ案内面16で案内して横外方に導いておく。
【0043】
その後、粘着面の露出した粘着テープTを貼付けローラ6で巻回して貼付け面Sに弾性的に押し付け、この状態で粘着テープ貼付け装置AをワークWに沿って前方Xに走行移動させることで、粘着テープTを位置決めしながらテープ貼付け面Sに連続的に貼付けてゆくことができる。
【0044】
この場合、粘着テープ貼付け装置Aを前進走行させると、粘着テープが相対的に前方に移動することでセパレータstはセパレータガイド15のセパレータ案内面16で反転案内されて横外方後方に向けて送り出されてゆくことになり、剥離されたセパレータstがワークWに近づいて粘着テープ貼付け装置Aの前進の邪魔になるようなことが未然に回避されている。
【0045】
貼付けが進行してワークWにおける屈曲部位pに至るとテープ貼付け面Sの前半の貼付けが終了し、ワークWの屈曲に合わせて粘着テープ貼付け装置Aの姿勢を変更することになる。この場合、粘着テープTの屈曲部位がテープ供給ローラ10とテープガイド12との間に形成されているテープ挿通間隙cを通過することになるが、このテープ挿通間隙cはテープ厚さに比べて十分大きく、しかも、テープ供給ローラ10自体の表面滑性によって粘着テープTはテープ供給ローラ10に巻回された状態でもテープ幅方向へは移動しやすい状態にある。このために粘着テープTの屈曲部位がこのテープ挿通間隙cでは拘束されることなく自由に通過することになり、無理な案内によって粘着テープTにシワが発生するようなことはない。また、粘着テープTの屈曲部位がテープ挿通間隙cを通過する際に、粘着テープTの側縁がテープ位置決め部13のテープ導入側の角部に接触しても、この角部を傾斜案内面14に形成してあるので、粘着テープTが角部が引っ掛かったり抵抗になったりするようなことなく円滑に通過してゆく。
【0046】
そして、テープ貼付け面Sの屈曲部位を通過して再び直線状あるいは略直線状のテープ貼付け面Sに至ると、再び粘着テープ貼付け装置AをワークWに対して所定姿勢に保ちながらワークWに沿って前方に移動させ、前半と同様に後半の貼付けが続行される。
【0047】
なお、テープ貼付け面Sからはみだされたテープ部分は、後行程においてテープ貼付け面Sを有するT字状周枠部fの背部に巻き込んで貼付けられ、塗装処理したものと変わらぬ外観をもたらす。
【0048】
また、異なった仕様のワークWに対してはガイドローラ2,3の位置、および、貼付けローラ6の位置を調節する必要があり、これを可能にするために、第1ブラケット1aは第3ブラケット1cに対して前後方向に位置調節可能に連結され、第2ガイドローラ3を取付けた支持板4は第1ブラケット1aに対して横方向に位置調節可能に取付けられ、また、第2ブラケット1bは第3ブラケット1cに対して横方向に位置調節可能に連結されている。また、テープ幅の変更に対応してテープガイド12を上下に位置調節してテープ位置決め部13をテープ幅方向に位置調節することができるとともに、セパレータガイド15もテープ幅の変更に対応して上下に位置調節できるようになっている。
【0049】
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0050】
(1)前記セパレータガイド15のセパレータ案内面16を、図7に示すように、凹入湾曲面と扁平面とを組み合わせた形状にしたり、あるいは、図8に示すように、セパレータ案内面16全体を扁平傾斜面にしたりすることによっても、剥離したセパレータstを粘着テープ貼付け装置Aの前進の邪魔にならない横外方に導くことができる。
【0051】
(2) 上述した実施例では、テープガイド12とセパレータガイド15とを別体で構成しているが、両者を一体化して実施することで部品点数を節減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明に係る粘着テープ貼付け装置を用いての貼付け処理状態を示す側面図である。
【図2】粘着テープ貼付け装置の外観斜視図である。
【図3】粘着テープ貼付け装置の一部を切り欠いた側面図である。
【図4】粘着テープ貼付け装置の一部を切り欠いた正面図である。
【図5】粘着テープ貼付け装置のワーク側から見た側面図である。
【図6】粘着テープ貼付け装置の要部の横断平面図である。
【図7】セパレータガイドの別実施例を示す横断平面図である。
【図8】セパレータガイドの別実施例を示す横断平面図である。
【符号の説明】
【0053】
2 … 走行案内用ガイドローラ
3 … 姿勢保持用ガイドローラ
4 … 第3ガイドローラ
6 … 貼付けローラ
10 … テープ供給ローラ
12 … テープガイド
15 … セパレータガイド
16 … セパレータ案内面
W … ワーク
T … 粘着テープ
S … 貼付け面
st … セパレータ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークに沿って前進移動させながら粘着テープを貼付けローラに供給し、この粘着テープをワークのテープ貼付け面に押圧して貼付けてゆく粘着テープ貼付け方法であって、
セパレータ付きの前記粘着テープをテープ供給ローラへの巻回によって方向転換して前記貼付けローラに導くとともに、テープ供給ローラのテープ巻回部位において粘着テープからセパレータを剥離し、
当該剥離したセパレータを、テープ供給ローラに対向して配備されたセパレータガイドによって粘着テープの貼付け方向とは異なる方向に案内することを特徴とする粘着テープ貼付け方法。
【請求項2】
請求項1に記載の粘着テープ貼付け方法において、
前記テープ供給ローラとセパレータガイドとの間のテープ挿通間隔においては、粘着テープの一側縁の位置決めを行うとともに、粘着テープの他側縁方向へのテープ移動を許容しながら粘着テープを挿通移動させることを特徴とする粘着テープ貼付け方法。
【請求項3】
ワークに沿って前進移動させながら粘着テープを貼付けローラに供給し、この粘着テープをワークのテープ貼付け面に押圧して貼付けてゆく粘着テープ貼付け装置であって、
前記ワークのテープ貼付け面に沿って移動操作される本体に、ワークに係合して転動移動するガイドローラと、
供給された粘着テープをワークのテープ貼付け面に弾性押圧して貼り付ける貼付けローラと、
前記粘着テープを巻回案内して前記貼付けローラに導くテープ供給ローラと、
前記テープ供給ローラに対向して配備されたセパレータガイドと、
前記セパレータガイドに向けて粘着テープを繰り出す側に隣設配備されるテープ離脱防止用のテープガイドとを備え、
前記セパレータガイドには、テープ供給ローラのテープ巻回部位において粘着テープから剥離したセパレータを粘着テープ貼付け方向とは異なる方向に案内するセパレータ案内面を形成したこと特徴とする粘着テープ貼付け装置。
【請求項4】
請求項3に記載の粘着テープ貼付け装置において、
前記セパレータ案内面をテープ供給ローラに向かう凹入湾曲面に形成したことを特徴とする粘着テープ貼付け装置。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載の粘着テープ貼付け装置において、
前記テープ供給ローラと前記セパレータガイドの間、および当該セパレータガイドに隣設配備されたテープガイドによって形成されるテープ挿通間隔のテープ幅方向の一端を開放するとともに、前記テープ挿通間隔の奥端に、粘着テープの一端側縁受止め案内するテープ位置決め部を形成したことを特徴とする粘着テープ貼付け装置。
【請求項6】
請求項3ないし請求項5のいずれかに記載の粘着テープ貼付け装置において、
前記ガイドローラを、前記貼付けローラより前方位置においてワークのテープ貼付け面と交差する面を転動する単一の走行案内用のガイドローラと、
前後一対の前記貼付けローラに対向して前記テープ貼付け面と反対側からワークに係合する前後一対の姿勢保持用のガイドローラとで構成した
ことを特徴とする粘着テープ貼付け装置。
【請求項7】
請求項3ないし請求項6のいずれかに記載の粘着テープ貼付け装置において、
前記装置本体の上部に把持部を備えた
ことを特徴とする粘着テープ貼付け装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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