説明

粘着フィルム及びタッチパネル

本発明では、タッチパネル、例えば静電容量方式のタッチパネルに適用され、導電層と直接付着される場合にも、導電層の抵抗上昇を効果的に抑制しながら、優れた耐熱性を示す粘着フィルムを提供することができる。また、本発明では、耐久性、光特性、裁断性、作業性、濡れ性及び反り抑制性に優れた粘着フィルムを提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘着フィルム及びタッチパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、携帯電話機又はPHS端末機などのモバイル型電話端末機及びPDA端末機などの移動通信端末機は、大きな市場を形成している。このような移動通信端末機で追求される技術的目標としては、薄型化、軽量化、低電力消費化、高解像度化及び高輝度化などを挙げることができる。
【0003】
特に、入力装置としてタッチパネル又はタッチスクリーンを搭載した端末機は、軽量化及び破損防止の観点で、透明伝導性プラスチックフィルム、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルムを基材とし、その一面にITO(Indium Tin Oxide)などの導電性薄膜が形成されたフィルムが、粘着剤層によって伝導性ガラス・補強材又はデコフィルムなどに積層された構造を有している。
【0004】
タッチスクリーン又はタッチパネルで透明導電性フィルムの付着に使用される粘着剤には、デコフィルムによる印刷段差を吸収できる段差吸収性;高温又は高湿条件などの苛酷な条件に露出した場合、カール(curl)や気泡などの発生を抑制できる耐久性;裁断時に突き出たり押しつぶされることを抑制できる裁断性;及び、各種基材に対する優れた接着性などの物性が要求される。その他にも、当該粘着剤には、光特性、作業性及び反り防止性などの多様な物性が要求される。
【0005】
特に、静電容量方式のタッチパネルの場合、導電層(例えば、ITO)に粘着フィルムが直接付着される構造で設計される。前記のような静電容量方式に適用される粘着剤層には、ITOのような透明電極の抵抗の変化を抑制することが要求されている。
【0006】
すなわち、製造、保管、移送及び販売過程で、タッチスクリーン又はタッチパネルは多様な環境に露出するが、特に、高温及び/高湿条件などの苛酷な条件に露出したとき、含まれた電極に抵抗変化が大きく表れると、これが製品の深刻な損傷や不良の原因になり得る。
【0007】
前記のような目的を達成するための手段としては、粘着剤に粘着付与剤(tackifier)や可塑剤を添加する方法を考慮することができる。しかし、粘着剤に粘着付与剤を添加する場合、低温でのモジュラスが増加し、高温耐久性が低下するという問題がある。また、可塑剤を添加する場合、モジュラスの減少は可能であるが、粘着剤との相溶性が低下し、長期的に信頼性が低下するおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、粘着フィルム及びタッチパネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、前記課題を解決するための手段として、第1の面及び第2の面を有する第1の粘着剤層と、第1の面及び第2の面を有する第2の粘着剤層とを含み、下記の式1の条件を満足する粘着フィルムを提供する。
【0010】
(式1)

【0011】
前記式1で、Rは、前記粘着フィルムを4cm×3cmの大きさに裁断した後、一面にITO層が形成されたプラスチックフィルムのITO面に、前記第1の粘着剤層の第1の面を付着して製造されたサンプルに対して測定した前記ITO層の初期抵抗である。また、Rは、前記試片を60℃の温度及び90%の相対湿度下で10日間放置した後で測定した前記ITO層の抵抗である。
【0012】
本発明は、前記課題を解決するための他の手段として、一面に導電層が形成されている伝導性プラスチックフィルムと、前記伝導性プラスチックフィルムの導電層に付着された本発明に係る粘着フィルムとを含み、前記粘着フィルムの第1の粘着剤層の第1の面が前記伝導性プラスチックフィルムの導電層に付着されているタッチパネルを提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、タッチパネル、例えば静電容量方式のタッチパネルに適用され、導電層と直接付着される場合にも、前記導電層の抵抗上昇を効果的に抑制しながら、優れた耐熱性を示す粘着フィルムを提供することができる。また、本発明では、耐久性、光特性、裁断性、作業性、濡れ性及び反り抑制性に優れた粘着フィルムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る粘着フィルムとITO伝導性フィルムを付着して製造した抵抗上昇率測定用サンプルの断面図である。
【図2】本発明に係る粘着フィルムとITO伝導性フィルムを付着して製造した抵抗上昇率測定用サンプルの正面図である。
【図3】本発明の一態様に係る粘着フィルムの断面図である。
【図4】本発明の他の態様に係る粘着フィルムの断面図である。
【図5】本発明の一態様によって構成されたタッチパネルを例示的に示す図である。
【図6】本発明の他の態様によって構成されたタッチパネルを例示的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、第1の面及び第2の面を有する第1の粘着剤層と、第1の面及び第2の面を有する第2の粘着剤層とを含み、下記の式1の条件を満足する粘着フィルムに関する。
【0016】
(式1)

【0017】
前記式1において、Rは、前記粘着フィルムを4cm×3cmの大きさに裁断した後、一面にITO層が形成されたプラスチックフィルムのITO面に、前記第1の粘着剤層の第1の面を付着して製造されたサンプルに対して測定した前記ITO層の初期抵抗である。また、Rは、前記試片を60℃の温度及び90%の相対湿度下で10日間放置した後で測定した前記ITO層の抵抗である。
【0018】
以下、本発明の粘着フィルムを具体的に説明する。
【0019】
本発明に係る粘着フィルムは、ITO層のような透明電極層に付着され、苛酷な条件に放置される場合にも前記ITO層の抵抗上昇を効果的に抑制することができる。具体的に、本発明の粘着フィルムは、前記式1に示した方式で抵抗上昇率を測定したとき、抵抗変化率(△R)が50以下(すなわち、抵抗上昇率が150%以下)、望ましくは20未満(すなわち、抵抗上昇率が120%未満)、より望ましくは10以下(すなわち、抵抗上昇率が110%以下)であり得る。本発明では、前記抵抗変化率(△R)を50以下に調節することによって、例えば、本発明の粘着フィルムがタッチパネル又はタッチスクリーンに適用され、製造、保管、移送及び販売過程で多様な環境に露出する場合にも、タッチパネルの透明電極の抵抗変化を抑制し、製品の品質を安定的に維持することができる。
【0020】
本発明で、前記抵抗変化率(△R)は、本発明の粘着フィルム、具体的には、第1の粘着剤層の第1の面をITO面に付着してサンプルを製造し、製造直後のサンプルに対してITOの初期抵抗(R)を測定し、同一の試片を60℃の温度及び90%の相対湿度条件で10日間放置した後、再び前記ITOの抵抗(R)を測定し、その数値を前記式1に代入して測定することができる。
【0021】
図1及び図2は、本発明の粘着フィルム13に対して抵抗変化率(△R)を測定するときのサンプル10、20を模式的に示した図である。
【0022】
図1に示したように、抵抗変化率(△R)の測定時には、本発明の粘着フィルム13を4cm×3cm(横×縦)の大きさに裁断する。その後、前記の裁断された粘着フィルム13を、大きさが5cm×3cm(横×縦)で、一面にはITO層11bが形成されており、両エッジ部に幅が1cmの銀電極12が形成されている伝導性フィルム11に付着する。この場合、前記伝導性フィルムは、ポリエチレンテレフタレート(PET)基材11aと、前記基材11aの一面に形成されたITO層11bとを含む。本発明の粘着フィルム13は、第1の粘着剤層の第1の面が前記ITO層11bに接するように前記伝導性フィルムに付着される。サンプル10、20の製造時、本発明の粘着フィルム13は、図1及び図2に示したように、両エッジ部がそれぞれの銀電極12の半分を覆った状態でITO層11bに付着される。本発明では、前記サンプル10、20を製造し、抵抗測定器を使用して前記ITO層11bの初期及び後期抵抗を測定し、前記抵抗変化率(△R)を計算することができる。
【0023】
本発明で、抵抗変化率(△R)の下限は特別に制限されない。すなわち、本発明では、前記抵抗変化率の数値が低いほど、粘着フィルムがタッチパネル又はスクリーンに適用されて優れた効果を示すことができる。
【0024】
図3は、本発明の一つの例示に係る粘着フィルム30を模式的に示した断面図である。本発明の粘着フィルム30は、図3に示したように、第1の粘着剤層32及び第2の粘着剤層33を含む。この場合、前記第1及び第2の粘着剤層32、33は、それぞれ第1の面32a、33a及び第2の面32b、33bを有する。
【0025】
本発明の一つの例示によると、図3に示した粘着フィルム30で、第2の粘着剤層33の第2の面33b及び第1の粘着剤層32の第2の面32bは、直接付着することができる。
【0026】
本発明の粘着フィルムがタッチパネル又はタッチスクリーンに適用されるとき、前記第1の粘着剤層の第1の面が透明電極層に付着する。本発明で、前記第1の粘着剤層の組成は、上述した式1の条件を満足する限り、特別に制限されない。ただし、前記式1の条件をより効果的に満足させるために、第1の粘着層を構成する樹脂は、架橋性官能基としてカルボキシル基を含まないことが望ましい。例えば、前記粘着剤層がアクリル系樹脂で組成される場合、前記アクリル系樹脂を形成する単量体として、アクリル酸などのカルボキシル基を有する単量体は使用しないことが望ましい。カルボキシル基は、粘着剤に高いガラス転移温度及び接着力を付与できる官能基であるので、粘着剤に主に使用される官能基である。本発明者らは、カルボキシル基を有する樹脂が粘着剤組成物に存在し、前記のような組成物で形成された粘着剤がタッチパネルなどに適用されると、その粘着剤が透明電極の抵抗変化を抑制する効果は非常に脆弱であることを見出した。
【0027】
本発明で、前記第1の粘着剤層は、例えば、アクリル系樹脂及び多官能性架橋剤を含む粘着剤組成物、又はシリコン系粘着剤組成物の硬化物であり得る。
【0028】
本発明で、第1の粘着剤層がアクリル系樹脂及び多官能性架橋剤を含む粘着剤組成物(以下、「アクリル系粘着剤組成物」と称する場合がある)の硬化物を含む場合、前記アクリル系樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル系単量体及び架橋性単量体を含む単量体混合物の重合体を使用することができる。この場合、前記架橋性単量体は、ヒドロキシル基含有単量体からなる架橋性単量体であり得る。
【0029】
本発明で使用する「ヒドロキシル基含有単量体からなる架橋性単量体」という用語は、単量体混合物に含まれる架橋性単量体が、粘着剤分野で通常の架橋性単量体のうちヒドロキシル基含有単量体のみを含むことを意味する。すなわち、架橋性単量体として、カルボキシル基含有単量体又は窒素含有単量体などが使用される場合、前記用語の範囲から排除される。上述したように、前記単量体混合物が特にカルボキシル基含有単量体を含む場合、粘着剤が透明電極の抵抗変化を抑制する効果が低下するおそれがある。
【0030】
本発明で、前記(メタ)アクリル酸エステル系単量体の種類は、特別に限定されるものではなく、例えばアルキル(メタ)アクリレートであり得る。この場合、単量体に含まれるアルキル基が過度に長いと、硬化物の凝集力が低下し、ガラス転移温度や粘着性の調節が難しくなるおそれがあるので、炭素数が1〜14、望ましくは炭素数が1〜8のアルキルグ基を有するアルキル(メタ)アクリレートを使用することができる。このような単量体の例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルブチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート又はイソノニル(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。本発明では、前記単量体のうち一種又は二種以上の混合を使用することができる。
【0031】
本発明で、単量体混合物に含まれる前記(メタ)アクリル酸エステル系単量体は、少なくとも一部が疎水性を有する単量体で構成されることが望ましい。この疎水性単量体は、粘着剤の濡れ性を増大させ、耐久性を向上させると同時に、耐湿性を改善し、透明電極の抵抗変化を抑制する効果を倍加させることができる。通常、単量体の疎水性又は親水性は、該当の単量体の極性と連係している。例えば、単量体が高い極性を有する場合、水やアルコールなどの極性溶媒との親和性が高く、親水性単量体に分類される。その一方、単量体が非極性を示す場合、親水性溶媒との親和性が著しく低下し、疎水性単量体に分類される。通常、単量体が酸素や窒素などの原子を含む場合、単量体内に存在する電子の不均一な分布が誘導され、その結果、このような単量体は親水性単量体に分類される。このような観点で見ると、(メタ)アクリル酸エステル系単量体の場合、エステル結合や、炭素−炭素二重結合によって一般的に極性を有するようになり、その結果、親水性を帯びるようになる。しかし、(メタ)アクリル酸エステル系単量体に含まれる骨格を適宜制御すると、前記単量体が有する固有の極性を効果的に相殺させることができ、その結果、単量体は、全体的に非極性を帯びる疎水性単量体として作用することができる。これによって、本発明で使用可能な疎水性単量体の例としては、炭素数4〜20、望ましくは炭素数4〜16のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートを挙げることができる。このような単量体は、骨格をなすアルキル基の特性によって非極性を帯びるようになり、極性物質(例えば、水分)に対して高い抵抗性を示す。これによって、前記のような単量体の重合体は、粘着剤に優れた耐湿性を付与することができる。また、前記各疎水性単量体は、UVや熱的劣化に対しても優れた抵抗性を示し、その結果、本発明の粘着剤の耐久性を著しく改善することができる。本発明で使用可能な前記のような疎水性単量体の具体的な例としては、オクチル(メタ)アクリレート、4−メチル−2−ペンチル(メタ)アクリレート、2−メチルブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソトリデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート及びイソボルニル(メタ)アクリレートからなる群から選択された一つ以上を挙げることができ、望ましくは、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート及びステアリル(メタ)アクリレートからなる群から選択された一つ以上を挙げることができる。
【0032】
本発明で、(メタ)アクリル酸エステル系単量体内に含まれる前記疎水性単量体の比率は特別に制限されない。すなわち、本発明では、(メタ)アクリル酸エステル系単量体の全体を前記疎水性単量体で構成することができ、必要な場合、一部のみを前記疎水性単量体で構成することができる。(メタ)アクリル酸エステル系単量体の一部が疎水性単量体で構成される場合、その含量は特別に制限されなく、目的とする耐湿性改善効果などを考慮して適宜制御することができる。
【0033】
本発明で単量体混合物に含まれる架橋性単量体は、分子構造内に重合性官能基(例えば、炭素−炭素二重結合)及び架橋性官能基を同時に含む単量体を意味する。上述したように、第1の粘着剤層を形成する場合は、前記架橋性官能基としてヒドロキシル基を含むヒドロキシル基含有単量体のみで前記架橋性単量体が構成されることが望ましい。この場合、使用可能なヒドロキシル基含有単量体の種類は特別に限定されなく、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシへキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチレングリコール(メタ)アクリレート及び2−ヒドロキシプロピレングリコール(メタ)アクリレートからなる群から選択された一種又は二種以上の混合であり得る。
【0034】
本発明で、前記単量体混合物は、(メタ)アクリル酸エステル系単量体80重量部〜99.9重量部及び架橋性単量体0.1重量部〜10重量部、望ましくは、(メタ)アクリル酸エステル系単量体90重量部〜99.9重量部及び架橋性単量体0.1重量部〜10重量部を含むことができる。単量体混合物内で(メタ)アクリル酸エステル系単量体の含量が80重量部未満であると、初期接着力が低下するおそれがあり、99.9重量部を超えると、凝集力の低下によって耐久性に問題が発生するおそれがある。また、単量体混合物内で架橋性単量体の含量が0.1重量部未満であると、硬化物の耐久信頼性などの物性が悪化するおそれがあり、10重量部を超えると、表面移行現象が発生したり、流動特性の減少又は凝集力の上昇による剥離又は浮き上がり現象が発生するおそれがある。
【0035】
本明細書で特別に規定しない限り、単位「重量部」は、「重量比率」を意味する。
【0036】
本発明で、上述した各成分を含む単量体混合物を重合させ、アクリル系樹脂を製造する方法は特別に限定されない。本発明では、例えば、溶液重合、光重合、バルク重合、サスペンション重合又はエマルジョン重合などの一般的な重合法を使用することができる。
【0037】
本発明で、第1の粘着剤層を形成するアクリル系粘着剤組成物は、前記アクリル系樹脂と共に多官能性架橋剤を含むことができる。
【0038】
本発明で使用可能な多官能性架橋剤の種類は特別に限定されなく、例えば、イソシアネート系化合物、エポキシ系化合物、アジリジン系化合物及び金属キレート系化合物などの一般的な架橋剤を使用することができ、このうちイソシアネート系化合物を使用することが望ましいが、これに制限されることはない。
前記イソシアネート系化合物の例としては、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート又はナフタレンジイソシアネートや、前記一つ以上のイソシアネート化合物とポリオール(例えば、トリメチロールプロパン)との反応物の一種又は二種以上を挙げることができる。
また、前記エポキシ系化合物の例としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、トリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、N,N,N’,N’−テトラグリシジルエチレンジアミン及びグリセリンジグリシジルエーテルからなる群から選択された一つ以上を挙げることができる。
アジリジン系化合物の例としては、N,N’−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキサミド)、N,N’−ジフェニルメタン−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキサミド)、トリエチレンメラミン、ビスイソフタロイル−1−(2−メチルアジリジン)及びトリ−1−アジリジニルホスフィンオキシドからなる群から選択された一つ以上を挙げることができる。
また、前記金属キレート系化合物の例としては、アルミニウム、鉄、亜鉛、スズ、チタン、アンチモン、マグネシウム及びバナジウムなどの多価金属の一種又は二種以上がアセチルアセトン又はアセト酢酸エチルなどに配位している化合物を挙げることができるが、これに制限されることはない。
【0039】
本発明のアクリル系粘着剤組成物で、多官能性架橋剤は、アクリル系樹脂100重量部に対して0.01重量部〜10重量部、望ましくは0.01重量部〜5重量部で含むことができる。多官能性架橋剤の含量が0.01重量部未満であると、硬化物の凝集力が低下するおそれがあり、10重量部を超えると、層間の剥離や浮き上がり現象が発生し、耐久信頼性が低下するおそれがある。
【0040】
本発明で第1の粘着剤層を構成するアクリル系粘着剤組成物は、必要に応じて、シラン系カップリング剤をさらに含むことができる。前記カップリング剤は、被着体に対する密着性と接着安定性を向上させ、耐熱性及び耐湿性を改善することができる。また、前記カップリング剤が適宜添加される場合、高温又は高湿下での接着信頼性を向上させることができる。
【0041】
本発明で使用可能なシラン系カップリング剤の種類としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン又はγ−アセトアセテートトリプロピルトリメトキシシランなどの一種又は二種以上の混合を挙げることができるが、これに制限されることはない。
【0042】
本発明で、粘着剤組成物にシラン系カップリング剤が含まれる場合、シラン系カップリング剤は、アクリル系樹脂100重量部に対して0.005重量部〜5重量部で含ませることができる。前記シラン系カップリング剤の含量が0.005重量部未満であると、カップリング剤の添加による効果が微々たるものになるおそれがあり、5重量部を超えると、気泡又は剥離現象が発生し、耐久信頼性が低下するおそれがある。
【0043】
本発明で第1の粘着剤層を形成するアクリル系粘着剤組成物は、必要に応じて粘着性付与樹脂をさらに含むことができる。
【0044】
本発明で、粘着性付与樹脂としては、例えば、ハイドロカーボン系樹脂又はその水素添加物;ロジン樹脂又はその水素添加物;ロジンエステル樹脂又はその水素添加物;テルペン樹脂又はその水素添加物;テルペンフェノール樹脂又はその水素添加物;重合ロジン樹脂又は重合ロジンエステル樹脂などの一種又は二種以上の混合物を使用できるが、これに制限されることはない。
【0045】
本発明で、粘着剤組成物が粘着性付与樹脂を含む場合、粘着性付与樹脂は、アクリル系樹脂100重量部に対して1重量部〜100重量部で含むことができる。前記粘着性付与樹脂の含量が1重量部未満であると、粘着性付与樹脂の添加による効果が微々たるものになるおそれがあり、100重量部を超えると、相溶性又は凝集力向上効果が低下するおそれがある。
【0046】
本発明で、第1の粘着剤層を構成するアクリル系粘着剤組成物は、発明の効果に影響を及ぼさない範囲で、エポキシ樹脂、架橋剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、調色剤、補強剤、充填剤、消泡剤、界面活性剤及び可塑剤からなる群から選択された一つ以上の添加剤をさらに含むことができる。
【0047】
本発明で、前記第1の粘着剤層は、場合に応じてはシリコン系粘着剤組成物の硬化物であり得る。この場合、使用されるシリコン系粘着剤組成物の種類は特別に制限されなく、例えば、加熱硬化型組成物又は紫外線硬化型組成物などであり得る。
【0048】
本発明の一例示で、前記加熱硬化型シリコン系組成物は、ヒドロシリル化(hydrosilylation)反応によって硬化する組成物;シラノールの縮合反応によって硬化する組成物;又はアルコール脱離型、オキシム脱離型又は酢酸脱離型のシリコン系組成物などであり得るが、これに制限されることはない。また、紫外線硬化型シリコン系組成物の例としては、(メタ)アクリル官能性シリコン(例えば日本公開特許公報平01−304108号に開示されたシリコン化合物)、ビニル基とメルカプト基を官能基として有するシリコン(例えば日本公開特許公報昭53−37376号に開示されたシリコン化合物)、エポキシ官能性シリコン(例えば日本特許公開昭58−174418号に開示されたシリコン化合物)、ビニルエーテル官能性シリコン(例えばCrivello, J.V.,Eckberg,R.P., 米国特許第4,617,238号に開示されたシリコン化合物)、シラノール官能性シリコン(ポリ(シルセスキオキサン)又はポリ(シルセスキオキサン)とテトラフェノキシシランを含む組成物(例えば日本特許公開平06−148887号);又はシロキサンポリマーと塩基発生物質を含む硬化性組成物(例えば日本特許公開公報平06−273936号及び日本特許公開平07−69610号に開示されたシリコン化合物))などを挙げることができるが、これに制限されることはない。
【0049】
本発明の一例示で、前記シリコン系粘着剤組成物は、付加硬化型シリコン組成物、具体的には、(i)分子中に2個以上のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、(ii)分子中に2個以上のケイ素結合水素原子を有するオルガノポリシロキサン、及び(iii)白金系硬化触媒を含む組成物であり得る。
【0050】
付加硬化型シリコン系組成物で、(i)オルガノポリシロキサンは、シリコン系硬化物を構成する主成分であって、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を含む。このとき、アルケニル基の具体的な例としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基又はヘプテニル基などが含まれ、このうちビニル基が望ましいが、これに制限されることはない。(i)オルガノポリシロキサンで、上述したアルケニル基の結合位置は特別に限定されない。例えば、前記アルケニル基は、分子鎖の末端及び/又は分子鎖の側鎖に結合することができる。
【0051】
また、(i)オルガノポリシロキサンで、上述したアルケニルの他に含ませることのできる置換基の種類としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、へキシル基又はヘプチル基などのアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基又はナプチル基などのアリル基;ベンジル基又はフェネチル基などのアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基又は3,3,3−トリフルオロプロピル基などのハロゲン置換アルキル基などを挙げることができる。
【0052】
本発明で、(i)オルガノポリシロキサンは、例えば、直鎖状、分枝状、環状、網状又は一部が分枝状をなす直鎖状などを含む如何なる分子構造も有することができる。本発明では、前記のような分子構造のうち、特に直鎖状の分子構造を有することが望ましいが、これに制限されることはない。
【0053】
本発明で使用可能な(i)オルガノポリシロキサンのより具体的な例としては、分子鎖両末端トリメチルシロキサン基封鎖ジメチルシロキサン−メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキサン基封鎖メチルビニルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキサン基封鎖ジメチルシロキサン−メチルビニルシロキサン−メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキサン基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキサン基封鎖メチルビニルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキサン基封鎖ジメチルシロキサン−メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキサン基封鎖ジメチルシロキサン−メチルビニルシロキサン−メチルフェニルシロキサン共重合体、RSiO1/2と表示されるシロキサン単位、RSiO1/2と表示されるシロキサン単位及びSiO4/2と表示されるシロキサン単位を含むオルガノポリシロキサン共重合体、RSiO1/2と表示されるシロキサン単位及びSiO4/2と表示されるシロキサン単位を含むオルガノポリシロキサン共重合体、RSiO2/2と表示されるシロキサン単位、RSiO3/2と表示されるシロキサン単位又はRSiO3/2と表示されるシロキサン単位を含むオルガノポリシロキサン共重合体、及び前記オルガノポリシロキサン共重合体のうち2以上の混合物を挙げることができるが、これに制限されることはない。
【0054】
前記Rは、アルケニル基以外の炭化水素基であって、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、へキシル基又はヘプチル基などのアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基又はナプチル基などのアリル基;ベンジル基又はフェネンチル基などのアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基又は3,3,3−トリフルオロプロピル基などのハロゲン置換アルキル基などであり得る。また、前記Rは、アルケニル基であって、具体的には、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基又はヘプテニル基などであり得る。
【0055】
付加硬化型シリコン系組成物で、(ii)オルガノポリシロキサンは、前記(i)オルガノポリシロキサンを架橋させる役割をすることができる。前記(ii)オルガノポリシロキサンで、水素原子の結合位置は特別に限定されなく、例えば、分子鎖の末端及び/又は側鎖に結合することができる。また、前記(ii)オルガノポリシロキサンで、前記ケイ素結合水素原子の他に含むことのできる置換基の種類は特別に限定されなく、例えば(i)オルガノポリシロキサンで言及したようなアルキル基、アリル基、アラルキル基又はハロゲン置換アルキル基などを挙げることができる。
【0056】
一方、(ii)オルガノポリシロキサンは、(i)オルガノポリシロキサンの場合と同様に、直鎖状、分枝状、環状、網状又は一部が分枝状をなす直鎖状などを含む如何なる分子構造も有することができる。本発明では、前記のような分子構造のうち、特に直鎖状の分子構造を有することが望ましいが、これに制限されることはない。
【0057】
本発明で使用可能な前記(ii)オルガノポリシロキサンのより具体的な例としては、分子鎖両末端トリメチルシロキサン基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキサン基封鎖ジメチルシロキサン−メチルハイドロジェン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキサン基封鎖ジメチルシロキサン−メチルハイドロジェンシロキサン−メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキサン基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキサン基封鎖ジメチルシロキサン−メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキサン基封鎖メチルフェニルポリシロキサン、RSiO1/2と表示されるシロキサン単位、RHSiO1/2と表示されるシロキサン単位及びSiO4/2と表示されるシロキサン単位を含むオルガノポリシロキサン共重合体、RHSiO1/2と表示されるシロキサン単位及びSiO4/2と表示されるシロキサン単位を含むオルガノポリシロキサン共重合体、RHSiO2/2と表示されるシロキサン単位、RSiO3/2と表示されるシロキサン単位又はHSiO3/2と表示されるシロキサン単位を含むオルガノポリシロキサン共重合体、及び前記オルガノポリシロキサン共重合体のうち2以上の混合物を挙げることができるが、これに制限されることはない。前記Rは、アルケニル基以外の炭化水素基であって、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、へキシル基又はヘプチル基などのアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基又はナプチル基などのアリル基;ベンジル基又はフェネンチル基などのアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基又は3,3,3−トリフルオロプロピル基などのハロゲン置換アルキル基などであり得る。
【0058】
本発明の一態様で、(ii)オルガノポリシロキサンの含量は、適切な硬化が行われる程度に含まれるなら特別に限定されない。例えば(ii)オルガノポリシロキサンは、(i)オルガノポリシロキサンに含まれる一つのアルケニル基に対して、ケイ素結合水素原子が0.5〜10個になる量で含ませることができる。前記ケイ素原子結合水素原子の個数が0.5個未満であると、硬化性シリコン化合物の硬化が不十分に行われるおそれがあり、10個を超えると、硬化物の耐熱性が低下するおそれがある。
【0059】
前記付加硬化型シリコン系組成物で、(iii)白金係硬化触媒は、例えば、白金微粉末、白金黒、白金担持シリカ微粉末、白金担持活性炭、塩化白金酸、四塩化白金、塩化白金酸のアルコール溶液、白金とオレフィンとの錯体、白金と1,1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサンなどのアルケニルシロキサンとの錯体、これら白金又は白金化合物を含有する粒子径が10μm未満の熱可塑性樹脂微粉末(ポリスチレン樹脂、ナイロン樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコン樹脂など)を挙げることができるが、これに制限されることはない。
【0060】
本発明の付加硬化型シリコン系組成物内で、上述した触媒の含有量は特別に制限されなく、例えば、全体のシリコン系組成物中に重量単位で0.1〜500ppm、望ましくは1〜50ppmの量で含ませることができる。前記触媒の含有量が0.1ppm未満であると、組成物の硬化性が低下するおそれがあり、500ppmを超えると、経済性が低下するおそれがある。
【0061】
本発明の一態様で、前記付加硬化型シリコン化合物は、その貯蔵安定性、取り扱い性及び作業性向上の観点で、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、フェニルブチノールなどのアルキンアルコール;3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−インなどのエニン(enyne)化合物;1,2,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラヘキセニルシクルロテトラシロキサン、ベンゾトリアゾルなどの硬化抑制剤をさらに含むことができる。前記硬化抑制剤の含量は、発明の目的を害しない範囲で適宜選択することができ、例えば、重量を基準にして10ppm〜50,000ppmの範囲で含ませることができる。
【0062】
上述した成分で構成される本発明に係る第1の粘着剤層の厚さは特別に制限されなく、例えば、約1μm〜50μm、望ましくは1μm〜30μm、より望ましくは1μm〜10μmであり得る。本発明では、第1の粘着剤層の厚さを1μm〜50μmの範囲に制御することによって、タッチパネル又はタッチスクリーンをより薄型で構成しながらも、粘着剤が優れた耐熱性及び抵抗変化抑制能などの物性を示すことができる。
【0063】
本発明に係る粘着フィルムは、第1の粘着剤層と共に、第2の粘着剤層を含む。前記第2の粘着剤層は、第1の粘着剤層と同様に第1の面及び第2の面を有し、場合に応じては、前記第2の粘着剤層の第2の面は、前記第1の粘着剤層の第2の面に直接付着することができる。
【0064】
本発明で、第2の粘着剤層を構成する素材は特別に制限されなく、例えば、アクリル系樹脂;及び多官能性架橋剤を含むアクリル系粘着剤組成物の硬化物を含むことができる。
【0065】
この場合、前記アクリル系樹脂は、第1の粘着剤層の場合と同様に、(メタ)アクリル酸エステル系単量体及び架橋性単量体を含む単量体混合物の重合体であり得る。前記使用可能な(メタ)アクリル酸エステル系単量体及び架橋性単量体の種類及びその含量は特別に制限されなく、例えば、前記第1の粘着剤層で記述した範疇内で適宜選択することができる。
【0066】
また、前記第2の粘着剤層の場合、単量体混合物は、ヒドロキシル基含有単量体以外に他の架橋性単量体を含むことができる。前記第2の粘着剤組成物の場合、架橋性単量体として、ヒドロキシル基含有単量体はもちろん、カルボキシル基含有単量体又は窒素含有単量体などの架橋性単量体を使用することができる。
前記カルボキシル基含有単量体の例としては、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシアセト酸、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル酸、4−(メタ)アクリロイルオキシブチル酸、アクリル酸二重体、イタコン酸、マイレン酸又はマイレン酸無水物などを挙げることができる。
窒素含有単量体の例としては、2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレート、3−イソシアネートプロピル(メタ)アクリレート、4−イソシアネートブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン又はN−ビニルカプロラクタムなどを挙げることができるが、これに制限されることはない。
【0067】
また、第2の粘着剤層を構成するアクリル系粘着剤組成物に含ませることのできる多官能性架橋剤の種類及び含量は特別に制限されなく、例えば、前記第1の粘着剤層で記述した範疇内で適宜選択することができる。
【0068】
また、本発明で、第2の粘着剤層を構成する粘着剤組成物は、前記第1の粘着剤層を構成するアクリル系粘着剤組成物の場合と同様に、シラン系カップリング剤、粘着性付与樹脂、エポキシ樹脂、紫外線安定剤、酸化防止剤、調色剤、補強剤、充填剤、消泡剤、界面活性剤及び可塑剤からなる群から選択された一つ以上の添加剤をさらに含むことができる。
【0069】
本発明で、前記のような成分で構成される第2の粘着剤層の厚さは特別に制限されなく、例えば、10μm〜250μm、望ましくは25μm〜250μmであり得る。本発明では、第2の粘着剤層の厚さを10μm〜250μmの範囲に制御することによって、タッチパネル又はスクリーンをより薄型で構成しながらも、粘着剤が優れた耐熱性などの物性を示すことができる。
【0070】
本発明で上述した各粘着剤組成物を硬化させ、前記第1及び第2の粘着剤層を製造する方法は特別に制限されない。本発明では、例えば、前記粘着剤組成物又はそれを使用して製造したコーティング液を、バーコーターなどの通常の手段で適切な工程基材に塗布し、硬化させる方法で粘着剤層を製造することができる。本発明で、前記硬化過程は、粘着剤組成物又はコーティング液の内部に含まれた揮発成分、又は反応残留物などの気泡誘発成分を十分に除去した後で行うことが望ましい。これによって、粘着剤の架橋密度又は分子量などが過度に低いことから弾性率が低下し、高温状態で粘着界面に存在する気泡が大きくなることから内部で散乱体を形成するという問題を防止することができる。
【0071】
また、前記粘着剤組成物又はコーティング液を硬化させる方法は特別に限定されなく、例えば、適切な加熱、乾燥及び/又は熟成工程を通した硬化、又は紫外線(UV)などの電磁気波の照射による硬化方式を採用することができる。
【0072】
本発明では、上述した工程を通して第1及び第2の粘着剤層をそれぞれ別途に製造し、これをラミネートして前記粘着フィルムを製造することもできる。必要に応じて、一つの粘着剤層を先に形成し、その上に他の粘着剤層を直接形成する方式で粘着フィルムを製造することができる。
【0073】
また、本発明では、必要な場合、前記粘着剤層の形成過程で適切なコロナ処理を並行することができ、前記コロナ処理は、この分野で通常的に使用される公知の手段を用いて行うことができる。
【0074】
本発明の粘着フィルムは、必要に応じて前記第1又は第2の粘着剤層の一面に形成された離型フィルムをさらに含むことができる。図4は、本発明の他の例示による粘着フィルムの断面図で、図4に示したように、本発明の粘着フィルムは、第1の粘着剤層32の第1の面と第2の粘着剤層33の第1の面に付着された離型フィルム41を含むことができる。
【0075】
しかし、図4に示した粘着フィルムは本発明の一つの例示に過ぎなく、本発明の粘着フィルムは、場合に応じては、第1の粘着剤層32の第1の面又は第2の粘着剤層33の第1の面のみに離型フィルムが付着された構造を有することもできる。
【0076】
本発明で使用される前記離型フィルムの具体的な種類は特別に限定されなく、例えば、この分野の一般的なプラスチックフィルムを使用することができる。本発明では、例えば前記離型フィルムとして、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン−ビニルアセテートフィルム、エチレン−プロピレン共重合体フィルム、エチレン−アクリル酸エチル共重合体フィルム、エチレン−アクリル酸メチル共重合体フィルム又はポリイミドフィルムなどを使用することができる。また、本発明の前記離型フィルムの一面又は両面には、適切な離型処理を行うこともできる。離型処理に使用される離型剤の例としては、アルキド系、シリコン系、フッ素系、不飽和エステル系、ポリオレフィン系又はワックス系などを使用することができ、このうち、耐熱性側面でアルキド系、シリコン系又はフッ素系離型剤を使用することが望ましいが、これに制限されることはない。
【0077】
本発明で、前記のような離型フィルムの厚さは特別に限定されなく、適用される用途によって適宜選択することができる。例えば、本発明で、前記離型フィルムの厚さは20μm〜100μm、望ましくは30μm〜70μm程度であり得る。
【0078】
また、本発明は、一面に導電層が形成された伝導性プラスチックフィルム;及び前記伝導性プラスチックフィルムの導電層に付着されている本発明に係る粘着フィルムを含み、前記粘着フィルムの第1の粘着剤層の第1の面が前記導電層に付着されているタッチパネルに関するものである。
【0079】
本発明の粘着フィルムが適用されるタッチパネルは、例えば、静電容量方式のタッチパネルであり得る。また、本発明の粘着フィルムが適用されるタッチパネルの具体的な構造又はその形成方法は、本発明の粘着フィルムが適用される限り、特別に制限されなく、この分野の一般的な構成を採用することができる。
【0080】
図5及び図6は、本発明の一つの例示によるタッチパネル50、60を示す図である。
【0081】
図5に示したように、本発明の一態様に係るタッチパネル50は、プラスチック基材51aと、前記基材51aの一面に形成された導電層51bとを含む伝導性プラスチックフィルム51を含み、第1の粘着剤層32及び第2の粘着剤層33を含む本発明の粘着フィルム31が前記フィルム51に付着された構造を有することができる。この場合、本発明の粘着フィルム31の第1の粘着剤層32が前記導電層51bに付着される。
【0082】
本発明で、前記伝導性プラスチックフィルムの具体的な種類は特別に制限されなく、この分野で公知の伝導性フィルムを使用することができる。本発明の一例示で、前記伝導性フィルムは、一面にITO電極層が形成された透明プラスチックフィルムであり得る。前記透明プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン−ビニルアセテートフィルム、エチレン−プロピレン共重合体フィルム、エチレン−アクリル酸エチル共重合体フィルム、エチレン−アクリル酸メチル共重合体フィルム又はポリイミドフィルムなどを使用することができる。このうち、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを使用することが望ましいが、これに制限されることはない。
【0083】
図6は、本発明の他の態様に係るタッチパネルを示す図である。図6に示したように、本発明のタッチパネル60は、上部からハードコーティング61、透明プラスチックフィルム62、粘着フィルム30、一面に導電層51bが形成されたプラスチックフィルム51a、粘着フィルム30、一面に導電層51bが形成されたプラスチックフィルム51a、粘着剤層63及び透明プラスチック基板64を含むことができる。また、前記のような各層を含むタッチパネル60は、液晶表示装置(LCD)65などの表示装置に付着することができる。図6に示した構造で、伝導性プラスチックフィルムの導電層51bに本発明の粘着フィルム30を付着することができる。
【0084】
図6に示した構造で、本発明の粘着フィルムを除いた他の構成の種類及び形成方法などは特別に制限されなく、この分野の一般的な成分を制限なく採用することができる。
【実施例】
【0085】
以下、本発明に係る実施例及び比較例を通して本発明をより詳細に説明するが、本発明の範囲が下記に提示された実施例によって制限されることはない。
【0086】
〔製造例1〕
アクリル系樹脂(A)の製造
窒素ガスが還流され、温度調節を容易にするために冷却装置を設置した1Lの反応器に、エチルヘキシルアクリレート(EHA)65重量部、メチルアクリレート(MA)25重量部及びヒドロキシブチルアクリレート(HBA)10重量部を投入し、溶剤としてエチルアセテート(EAc)を投入した。続いて、酸素除去のために窒素ガスを1時間程度パージングし、温度を62℃に維持した状態で混合物を均一にした後、反応開始剤としてエチルアセテートに50%の濃度で希釈したアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.03重量部を投入した。続いて、前記混合物を8時間程度反応させ、重量平均分子量が100万であるアクリル系樹脂(A)を製造した。
【0087】
〔製造例2〕
アクリル系樹脂(B)の製造
エチルヘキシルアクリレート(EHA)90重量部及びアクリル酸(AA)10重量部を反応器に投入して重合を進行したことを除いては、製造例1の方法に準じて重量平均分子量が100万であるアクリル系樹脂(B)を製造した。
【0088】
〔実施例1〕
第1の粘着剤層の製造
シリコン樹脂(7355、Dowcorning社(製))100重量部に添加剤(7429、Dowcorning社(製))1重量部及びベンゾイルペルオキシド1重量部を混合して製造されたシリコン系粘着樹脂組成物を、フッ素で離型処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ50μm)の離型処理面に、硬化後の厚さが約5μmになるように塗布し、150℃の温度で3分間硬化させ、シリコン粘着剤層を製造した。
【0089】
第2の粘着剤層の製造
アクリル系樹脂(B)100重量部に対して、多官能性架橋剤として2官能性イソシアネート系架橋剤0.5重量部及びエポキシ系シランカップリング剤0.3重量部を配合して粘着剤組成物を製造し、溶剤で希釈してコーティング液を製造した。続いて、製造されたコーティング液を離型処理されたPETフィルム(厚さ50μm)の離型処理面に乾燥後の厚さが約50μmになるようにコーティングし、約100℃の温度で約5分間乾燥させた。その後、適正条件で熟成させ、厚さが50μmの粘着剤層を形成した。
【0090】
粘着フィルムの製造
前記の製造された第1の粘着剤層及び第2の粘着剤層を常温で2Kgのローラーを使用してラミネート処理し、粘着フィルムを製造した。
【0091】
〔実施例2〕
第1の粘着剤層の製造
アクリル系樹脂(A)100重量部に対して、多官能性架橋剤として2官能性イソシアネート系架橋剤0.5重量部及びエポキシシランカップリング剤0.3重量部を配合して粘着剤組成物を製造し、溶剤で希釈してコーティング液を製造した。製造されたコーティング液を離型処理されたPETフィルム(厚さ50μm)の離型処理面に乾燥後の厚さが約5μmになるようにコーティングし、約100℃の温度で約5分間乾燥した後、適正条件で熟成させ、厚さが5μmの第1の粘着剤層を形成した。
【0092】
第2の粘着剤層及び粘着フィルムの製造
第2の粘着剤層は、前記実施例1と同一の方式で形成し、実施例1と同一の方式で粘着フィルムを形成した。
【0093】
〔比較例1〕
アクリル系樹脂(B)100重量部に対して、多官能性架橋剤として2官能性イソシアネート系架橋剤0.5重量部及びエポキシシランカップリング剤0.3重量部を配合して粘着剤組成物を製造し、溶剤で希釈してコーティング液を製造した。続いて、製造されたコーティング液を離型処理されたPETフィルム(厚さ50μm)の離型処理面に乾燥後の厚さが約55μmになるようにコーティングし、約100℃の温度で約5分間乾燥した後、適正条件で熟成させ、厚さが55μmの粘着剤層を形成した。続いて、形成された粘着剤層上に離型処理されたPETフィルム(厚さ50μm)を積層し、粘着フィルムを製造した。
【0094】
実施例及び比較例で製造された粘着フィルムの物性は、下記に提示された方法で測定した。
【0095】
1.耐熱性の測定方法
実施例1及び2で製造された粘着フィルムから離型フィルムを除去し、第1の粘着剤層面を、一面にITO層が形成されたPETフィルム(ITO PET)のITO面に付着し、反対面の第2の粘着剤層面はポリメチルメタクリレート(PMMA)フィルムに付着して試片を製作した。比較例の場合、離型フィルムの除去後、一面はITO PETのITO面に付着し、反対面はPMMAフィルムに付着して試片を製造した。その後、製造された各試片を80℃のオーブンで10日間維持した後、各接着界面で気泡、剥離、浮き上がり又はカールなどが発生するかどうかを観察し、下記の基準に従って耐熱性を測定した。
【0096】
<耐熱性評価基準>
○:気泡、剥離、浮き上がり及びカールの発生が観察されなかった。
×:気泡、剥離、浮き上がり及びカールが多量発生した。
【0097】
2.抵抗上昇率測定
抵抗上昇率は、図1及び図2に示したサンプルを製造して測定した。具体的に、一面にITO層が形成され、5cm×3cm(横×縦)の大きさを有し、両エッジ部に幅が1cmの銀電極層が形成されている伝導性フィルムのITO面に、実施例及び比較例で製造された粘着フィルムを4cm×3cm(横×縦)の大きさに裁断して付着した。実施例1及び2の粘着フィルムの場合、第1の粘着剤層がITO面に付着されるように配置した。また、図1及び図2に示したように、前記粘着フィルムは、ITO面11bに形成された銀電極12の半分を覆うように製作した。
【0098】
前記のようなサンプルを製作した後、3324 Cardhitester(HIOKI社(製))を使用してITOの初期抵抗(R)を測定した。その後、同一のサンプルを恒温恒湿室(温度60℃及び相対湿度90%R.H.)で10日間放置した後、同一の測定機器を使用して前記ITOの抵抗値(R)を測定した。
【0099】
続いて、測定された各抵抗値を前記式1に代入し、△Rを計算した。
【0100】
前記のような物性測定結果を下記の表1に整理して記載した。
【0101】
【表1】

【0102】
表1の結果から、本発明に係る実施例の場合、優れた耐熱性を示すとともに、ITOの抵抗上昇を著しく抑制できることを確認できた。
【0103】
一方、比較例の場合、耐熱性は確保されたが、抵抗上昇率が180%であり、実際に製品に適用するときに深刻な損傷及び不良を引き起こすことを確認できた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の面及び第2の面を有する第1の粘着剤層と、第1の面及び第2の面を有する第2の粘着剤層と、を含み、下記の式1の条件を満足する粘着フィルム。
(式1)

(前記式1で、Rは、前記粘着フィルムを4cm×3cmの大きさに裁断した後、一面にITO層が形成されたプラスチックフィルムのITO面に前記第1の粘着剤層の第1の面を付着して製造されたサンプルに対して測定した前記ITO層の初期抵抗であり、Rは、前記試片を60℃の温度及び90%の相対湿度下で10日間放置した後で測定した前記ITO層の抵抗である。)
【請求項2】
△Rが20未満である請求項1に記載の粘着フィルム。
【請求項3】
前記第1の粘着剤層の第2の面と前記第2の粘着剤層の第2の面とが直接付着されている請求項1に記載の粘着フィルム。
【請求項4】
前記第1の粘着剤層は、アクリル系樹脂及び多官能性架橋剤を含む粘着剤組成物の硬化物である請求項1に記載の粘着フィルム。
【請求項5】
前記アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル酸エステル系単量体及び架橋性単量体を含む単量体混合物の重合体であり、前記架橋性単量体はヒドロキシル基含有単量体からなる請求項4に記載の粘着フィルム。
【請求項6】
前記(メタ)アクリル酸エステル系単量体は、炭素数4〜16のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートを含む請求項5に記載の粘着フィルム。
【請求項7】
前記ヒドロキシル基含有単量体が、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシへキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチレングリコール(メタ)アクリレート及び2−ヒドロキシプロピレングリコール(メタ)アクリレートからなる群から選択された一つ以上である請求項5に記載の粘着フィルム。
【請求項8】
前記第1の粘着剤層はシリコン系粘着剤組成物の硬化物である請求項1に記載の粘着フィルム。
【請求項9】
前記シリコン系粘着剤組成物は、加熱硬化型シリコン系組成物又は紫外線硬化型シリコン系組成物である請求項8に記載の粘着フィルム。
【請求項10】
前記加熱硬化型シリコン系組成物は、(i)分子中に2個以上のアルケニル基を含むオルガノポリシロキサン、(ii)分子中に2個以上のケイ素結合水素原子を含むオルガノポリシロキサン、及び(iii)白金系硬化触媒を含む付加硬化型組成物である請求項9に記載の粘着フィルム。
【請求項11】
前記第1の粘着剤層は厚さが1μm〜50μmである請求項1に記載の粘着フィルム。
【請求項12】
前記第2の粘着剤層は、アクリル系樹脂及び多官能性架橋剤を含む粘着剤組成物の硬化物である請求項1に記載の粘着フィルム。
【請求項13】
前記アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル酸エステル系単量体及び架橋性単量体を含む単量体混合物の重合体である請求項12に記載の粘着フィルム。
【請求項14】
前記第2の粘着剤層は厚さが10μm〜250μmである請求項1に記載の粘着フィルム。
【請求項15】
前記第1の粘着剤層の第1の面に付着された第1の離型フィルム、及び前記第2の粘着剤層の第1の面に付着された第2の離型フィルムをさらに含む請求項1に記載の粘着フィルム。
【請求項16】
一面に導電層が形成されている伝導性プラスチックフィルム、及び前記伝導性プラスチックフィルムの導電層に付着されている請求項1〜14のうちいずれか1項による粘着フィルムを含み、前記粘着フィルムの第1の粘着剤層の第1の面が前記導電層に付着しているタッチパネル。
【請求項17】
前記伝導性プラスチックフィルムは、一面にITO層が形成されているポリエチレンテレフタレートフィルムである請求項16に記載のタッチパネル。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2013−512326(P2013−512326A)
【公表日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−541967(P2012−541967)
【出願日】平成23年3月14日(2011.3.14)
【国際出願番号】PCT/KR2011/001773
【国際公開番号】WO2011/115399
【国際公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(509286787)エルジー・ハウシス・リミテッド (49)
【氏名又は名称原語表記】LG HAUSYS,LTD.
【住所又は居所原語表記】One IFC Building,10 Gukjegeumyung−ro,Yeongdeungpo−gu,Seoul,Republic of Korea
【Fターム(参考)】