説明

粘着ラベル発行装置及びプリンタ

【課題】ラベル用紙の搬送不良の抑制、ラベル長さサイズの自由度の向上、及び粘着ラベル発行装置の小型化を図ることを目的とする。
【解決手段】ラベル用紙Sを通過させて所望長さの粘着ラベルLにカットするカッターユニット2と、粘着ラベルを加熱して粘着ラベルの粘着力を発現させる粘着力発現ユニット5と、用紙搬送方向に対してカッターユニットの下流側であって粘着力発現ユニットの上流側に配設され、カットされずにカッターユニットを通過したラベル用紙を上流側通紙部40及び下流側通紙部41の間で弛ませる用紙弛緩ユニット4と、を備えるプリンタ1において、上流側通紙部は、上流側通紙部における通紙方向が下流側通紙部における通紙方向と同一線状になる向きを基準位置とし、上流側通紙部の向きを基準位置から傾けた傾斜位置に変更することで上流側通紙部における通紙方向を変更する通紙方向変更手段6が備えられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘着ラベルを発行する粘着ラベル発行装置、及びその粘着ラベル発行装置を備えたプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば食品のPOSラベルや物流・搬送ラベル、医療用ラベル、バゲッジタグ、瓶・缶類の表示ラベル等に用いられる粘着ラベル用のラベル用紙として、ライナー(セパレータ)を使用しないライナーレスタイプのラベル用紙が知られている。このライナーレスタイプのラベル用紙としては、一般的に、ラベル記録面の表面にシリコン樹脂などの離型剤を塗布し、ラベルをロール状に巻回した時に記録面の裏面に設けられた粘着剤層と記録面とが貼り付かないシリコントップ型のラベル用紙があるが、近年、感熱発色タイプの記録面を有するラベルの裏面に、加熱により粘着性を発現する熱活性粘着剤層が設けられたラベル用紙が知られるようになっている。この熱活性粘着剤からなる粘着層を有するラベル用紙は、記録面を熱で発色させることにより、バーコードや文字等を印字し、また、熱活性粘着剤層を加熱することで粘着力を発現させるようにしたものである。
【0003】
また、近年、上記熱活性粘着剤層が設けられたラベル用紙に加えて、ラベル用紙の粘着層表面を被膜層で覆うことでライナーを省略した構成のラベル用紙が提案されている。このラベル用紙によれば、ラベル裏面の被膜層に熱を加えることで前記被膜層を除去して粘着層を露出させることができ、その結果、粘着力を発現させることができる。
【0004】
上記した熱活性粘着剤層を形成したラベル用紙、あるいは、粘着層表面を被膜層で覆ったラベル用紙を用いて粘着ラベルを印刷・発行するプリンタとしては、例えば下記特許文献1に示すものがある。これらは、帯状のライナーレスタイプのラベル用紙をロール状に巻回したロール紙を収容するロール収容部と、ロール紙から繰り出されたラベル用紙を感熱発色面側から加熱して印字を行う印字ユニットと、印字後のラベル用紙を通過させて所望の長さの粘着ラベルにカットするカッターユニットと、粘着層を加熱してラベル用紙の粘着力を発現させる粘着力発現ユニットと、を備えた構成が知られている。上記した印字ユニット及び粘着力発現ユニットは、それぞれサーマルヘッドとプラテンローラを備えた構成からなり、印字ユニットのサーマルヘッドとプラテンローラとの間にラベル用紙の印字面が通過することで印字され、また、粘着力発現ユニットのサーマルヘッドとプラテンローラとの間にラベル用紙が通過することで粘着層を熱活性化し、あるいは、粘着層表面の被膜層を除去して粘着ラベルの粘着力を発現させる構成からなっている。
【0005】
ところで、上記したプリンタでは、カッターユニットによってラベル用紙をカットするとき、ラベル用紙を用紙の長さ方向に対して直角にカットするため、ラベル用紙の搬送を一時停止して切断動作を行う必要があるが、仮に、カッターユニットで粘着ラベルの後端となる箇所をカットする際に、ラベル用紙(粘着ラベル)の前端部が粘着力発現ユニットのサーマルヘッドの位置まで進行しており、粘着力発現ユニットのサーマルヘッドとプラテンローラとの間にラベル用紙(粘着ラベル)が通された状態であると、ラベル用紙が粘着力発現ユニットのプラテンローラに引っ張られてしますため、当該ラベル用紙(粘着ラベル)の搬送を一時停止する必要がある。この場合、粘着力発現ユニットのサーマルヘッド(熱源)からの熱によって感熱発色面が変色したり、熱活性化した粘着層がサーマルヘッドに貼り付いて紙ジャム等の搬送不良が生じたりするおそれがある。
【0006】
そこで、上記した従来のプリンタでは、カッターユニットと粘着力発現ユニットとの間に、ラベル用紙を弛ませる用紙弛みユニットを設けた構成が提案されている。この用紙弛みユニットには、カッターユニットの用紙搬送方向下流側に配設されてラベル用紙が通紙される上流側通紙部(ガイド)と、粘着力発現ユニットのラベル搬送方向上流側に配設されてラベル用紙が通紙される下流側通紙部(ガイド)と、からなる。上記した上流側通紙部及び下流側通紙部は、各々の通紙方向が互いに同一線状になる向きにそれぞれ配設されており、上流側通紙部から下流側通紙部に渡されたラベル用紙は、上流側通紙部と下流側通紙部との間で弛ませることが可能となっている。これにより、長さサイズが大きい粘着ラベルを発行する場合に、上流側通紙部と下流側通紙部との間でラベル用紙を弛ませながらラベル用紙を繰り出すことで、ラベル用紙切断時において、下流に位置する粘着力発現ユニット部分でラベル用紙を停止させること無くラベル用紙を進行させることができる。
【0007】
また、上記した粘着ラベル発行装置では、粘着ラベルの長さサイズが短い場合にはラベル用紙を弛ませる必要がないが、粘着ラベルの長さサイズは少なくともカッターユニットの刃先位置から下流側通紙部までの長さが必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−316265号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記した従来のプリンタ(粘着ラベル発行装置)では、上流側通紙部と下流側通紙部との間でラベル用紙が大きく弛み過ぎると、ラベル用紙の弛み部が途中で折れて下流側通紙部に入り込むなどして紙ジャム等の搬送不良が生じるおそれがあり、特に、低温(例えば5℃以下)のときにはラベル用紙が硬くなるため、ラベル用紙の弛み部が折れやすくなる。したがって、当該粘着ラベル発行装置によって発行する粘着ラベルの長さサイズを、ラベル用紙の弛み部が折れない程度の長さに制限する必要がある。
【0010】
また、上流側通紙部と下流側通紙部との間隔を拡げるほど、ラベル用紙を大きく弛ませてもラベル用紙の弛み部が折れなくなる。この場合、粘着ラベルの長さサイズの上限が大きくなるが、上流側通紙部と下流側通紙部との間隔が拡がる分だけ粘着ラベルの長さサイズの下限も大きくなる。反対に、上流側通紙部と下流側通紙部との間隔を狭めるほど、粘着ラベルの長さサイズの下限が小さくなるが、ラベル用紙の弛み部に折れが生じやすくなるので粘着ラベルの長さサイズの上限も小さくなる。したがって、上記した従来の粘着ラベル発行装置では、粘着ラベルの長さサイズの自由度が低いという問題がある。
【0011】
本発明は、上記従来の問題を解決するため、ラベル用紙の搬送不良を抑制して信頼性を向上させることができると共に、粘着ラベルの長さサイズの自由度の向上、及び小型化を図ることができる粘着ラベル発行装置及びプリンタを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る粘着ラベル発行装置は、感熱紙の感熱発色面の裏側に粘着層が設けられた帯状のラベル用紙を通過させて所望の長さの粘着ラベルにカットするカッターユニットと、前記粘着ラベルを前記感熱発色面の裏側から加熱して該粘着ラベルの粘着力を発現させる粘着力発現ユニットと、用紙搬送方向に対して前記カッターユニットの下流側であって前記粘着力発現ユニットの上流側に配設され、カットされずに前記カッターユニットを通過した前記ラベル用紙を、該ラベル用紙をそれぞれ通紙する上流側通紙部及び下流側通紙部の間で弛ませる用紙弛緩ユニットと、を備える粘着ラベル発行装置において、前記上流側通紙部は、該上流側通紙部における通紙方向が前記下流側通紙部における通紙方向と同一線状になる向きを基準位置とし、前記上流側通紙部の向きを前記基準位置から傾けた傾斜位置に変更することで該上流側通紙部における通紙方向を変更する通紙方向変更手段が備えられていることを特徴としている。
【0013】
このような特徴により、粘着ラベルを発行する際、まず、ラベル用紙を順次繰り出して搬送する。このとき、上流側通紙部は基準位置にあり、上流側通紙部における通紙方向と下流側通紙部における通紙方向とが同一線状になっているため、上流側通紙部における通紙方向前方側に下流側通紙部があり、ラベル用紙が上流側通紙部から下流側通紙部に容易に渡される。すなわち、ラベル用紙の前端部は、上流側通紙部から送り出された後、そのまま直進することで下流側通紙部に到達する。その後、粘着ラベルの後端部となるラベル用紙のカット位置がカッターユニットの刃先位置に到達するまでラベル用紙を繰り出していくが、上流側通紙部と下流側通紙部との間でラベル用紙を弛ませることでラベル用紙の前端部が粘着力発現ユニットの熱源の位置まで進行しないようにしたり、後述するカッターユニットの動作時でも粘着力発現ユニットでの動作を継続させたりすることができる。このとき、ラベル用紙の前端部が少なくとも下流側通紙部を通過した後に通紙方向変更手段によって上流側通紙部の向きを基準位置から傾斜位置に変更して上流側通紙部の通紙方向を変更することで、ラベル用紙の弛み量が大きくなっても弛み部が折れにくくなり、搬送不良が抑制される。その後、粘着ラベルの後端部となるラベル用紙のカット位置がカッターユニットの刃先のところまで進行したところで、ラベル用紙の搬送を少なくとも上流側通紙部で一時的に停止してカッターユニットで粘着ラベルの後端部となる箇所をカットして所望の長さサイズの粘着ラベルを形成する。続いて、その粘着ラベルは粘着力発現ユニットまで搬送され、その粘着力発現ユニットで粘着ラベルの粘着力が発現された後、発行される。
【0014】
また、本発明に係る粘着ラベル発行装置は、前記上流側通紙部が一対の搬送ローラからなり、該一対の搬送ローラの間に前記ラベル用紙が通されることが好ましい。
これにより、一対の搬送ローラの間に通されたラベル用紙は、搬送ローラが回転することによって下流側通紙部に向かって送り出されて搬送される。また、搬送ローラが回転することによって上流側通紙部と下流側通紙部との間のラベル用紙に弛みが生じる。
【0015】
また、本発明に係る粘着ラベル発行装置は、前記一対の搬送ローラのうちの一方が駆動ローラであり、他方が前記駆動ローラに従動する従動ローラであり、前記通紙方向変更手段に、前記従動ローラを前記駆動ローラの回転中心軸線回りに回動させることで前記基準位置と前記傾斜位置との間で移動させる回動機構が備えられていることが好ましい。
これにより、回動機構によって従動ローラを駆動ローラの回転中心軸線回りに回動させることで、駆動ローラ及び従動ローラからなる上流側通紙部の向きが変更されるので、駆動ローラと従動ローラとの間を通るラベル用紙の通紙方向を簡単な機構で変更することができる。
【0016】
また、本発明に係る粘着ラベル発行装置は、前記回動機構が、前記駆動ローラの回転中心軸線を中心にして円弧状に延在し、前記従動ローラの軸部が挿通されたガイド孔と、前記基準位置にある前記従動ローラを係止する係止部と、該係止部を前記従動ローラから外す方向に移動させて前記係止部の前記従動ローラに対する係止を解除する解除機構と、が備えられていることが好ましい。
これにより、解除機構によって係止部を従動ローラから外すと共に駆動ローラを回転させることで、駆動ローラの回転力によって従動ローラがガイド孔に沿って駆動ローラの回転中心軸線回りに回動し、駆動ローラ及び従動ローラからなる上流側通紙部の向きが基準位置から傾斜位置に変更される。また、従動ローラが傾斜位置にある状態において、駆動ローラを逆回転させることで、駆動ローラの回転力によって従動ローラがガイド孔に沿って駆動ローラの回転中心軸線回りに回動し、上流側通紙部の向きが傾斜位置から基準位置に戻される。そして、係止部によって従動ローラを係止することで、上流側通紙部の向きが基準位置で保持される。このように、簡単な構成で、従動ローラを基準位置と傾斜位置との間で駆動ローラの回転中心軸線回りに回動させることができる。
【0017】
また、本発明に係るプリンタは、上記した粘着ラベル発行装置を備えたプリンタであって、前記カッターユニットの用紙搬送方向上流側に、前記ラベル用紙を感熱発色面側から加熱して該感熱発色面に印字を行う印字ユニットが設けられていることが好ましい。
これにより、まず、繰り出されたラベル用紙は、印字ユニットで感熱発色面に印字される。その後、印字されたラベル用紙がカッターユニットを通過して所望の長さの粘着ラベルにカットされ、その粘着ラベルは、粘着力発現ユニットで粘着力を発現させた後、発行される。
【0018】
また、本発明に係るプリンタは、上記した粘着ラベル発行装置を備えたプリンタであって、前記下流側通紙部の用紙搬送方向下流側であって前記粘着力発現ユニットのラベル搬送方向上流側に、前記粘着ラベルを感熱発色面側から加熱して該感熱発色面に印字を行う印字ユニットが設けられていることが好ましい。
これにより、まず、繰り出されたラベル用紙は、カッターユニットを通過して所望の長さの粘着ラベルにカットされる。その後、その粘着ラベルは、印字ユニットに搬送され、印字ユニットで感熱発色面に印字され、その後、印字された粘着ラベルは、粘着力発現ユニットで粘着力を発現させた後、発行される。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る粘着ラベル発行装置及びプリンタによれば、通紙方向変更手段によって上流側通紙部の向きを基準位置から傾斜位置に変更して上流側通紙部の通紙方向を変更することで、ラベル用紙の弛み量が大きくなっても弛み部が折れにくくなり、紙ジャム等の搬送不良が抑制されるので、粘着ラベル発行装置の信頼性を向上させることができ、また、粘着ラベルの長さサイズの自由度を向上させると共に粘着ラベル発行装置の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第一実施形態を説明するためのプリンタの模式図である。
【図2】本発明の第一実施形態を説明するための通紙方向変更手段(回動機構)の側面図である。
【図3】本発明の第一実施形態を説明するための通紙方向変更手段(回動機構)の平面図である。
【図4】本発明の第一実施形態を説明するための通紙方向変更手段(回動機構)の正面図であり、図3に示す矢印A方向からの矢視図である。
【図5】本発明の第一実施形態を説明するためのラベル用紙の弛み状態を表した模式図である。
【図6】本発明の第二実施形態を説明するためのプリンタの模式図である。
【図7】本発明の変形例を説明するための通紙方向変更手段(回動機構)の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る粘着ラベル発行装置及びプリンタの実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0022】
[第一実施形態]
図1に示すプリンタ1は、本発明に係るプリンタの第一実施形態であり、粘着ラベル用のロール紙Rを使用し、そのロール紙Rから繰り出された帯状のラベル用紙Sにバーコードや価格等の印刷を行うと共にそのラベル用紙Sを所望の長さの粘着ラベルLにカットして発行するラベルプリンタである。
なお、上記したロール紙Rは、筒状の芯材Pの外周面に帯状のラベル用紙Sを巻き付けた構成からなり、図示しないロール収容部の内側に軸回転可能に収容保持されている。また、ラベル用紙Sは、熱を加えると変色する特殊な記録紙(感熱紙)の裏面(感熱発色面の反対側の面)に熱活性粘着剤からなる粘着層が設けられた構成からなる。
【0023】
まず、上記したプリンタ1の構成について説明する。
【0024】
プリンタ1の概略構成としては、図1に示すように、ロール紙Rから繰り出されたラベル用紙Sの感熱発色面を加熱して感熱発色面に印字を行う印字ユニット2と、ラベル用紙Sを所望の長さにカットするカッターユニット3と、カッターユニット3を通過したラベル用紙Sを弛ませる用紙弛緩ユニット4と、カッターユニット3でカットされた粘着ラベルLの粘着層を加熱して粘着ラベルLの粘着力を発現させる粘着力発現ユニット5と、を備えている。なお、上記したカッターユニット3と用紙弛緩ユニット4と粘着力発現ユニット5とによって粘着ラベル発行装置10が構成されている。
【0025】
[印字ユニット]
印字ユニット2は、プラテンローラ20及び印字用サーマルヘッド21を備えるサーマルプリント機構であり、ロール紙Rを収容する図示しないロール収容部の用紙搬送方向の下流側に配設されている。印字用サーマルヘッド21は、多数の発熱素子を有するラインヘッドであり、図示しないコイルバネ等によってプラテンローラ20側に押圧されて、プラテンローラ20の外周面に対して圧接されている。プラテンローラ20の一端側には図示しない従動ギアが固定されている。この従動ギアは、図示しないモータ等の駆動源によって駆動する歯車伝達機構に噛合しており、駆動源の動力が歯車伝達機構および従動ギアを介してプラテンローラ20に伝達される。この印字ユニット2では、プラテンローラ20と印字用サーマルヘッド21との間にラベル用紙Sを挟持した状態で前記駆動源を駆動させてプラテンローラ20を回転させることで、ラベル用紙Sをロール紙Rから繰り出させて搬送することが可能である。なお、ラベル用紙Sは、感熱発色面を印字用サーマルヘッド21側に向けてプラテンローラ20と印字用サーマルヘッド21との間に通紙される。
【0026】
[カッターユニット]
カッターユニット3は、固定刃30及び可動刃31を有する切断機構であり、印字ユニット2の用紙搬送方向の下流側に配設されている。固定刃30はラベル用紙Sの粘着層側に配設され、可動刃31はラベル用紙Sの感熱発色面側に配設されている。但し、固定刃30をラベル用紙Sの感熱発色面側に配設し、可動刃31をラベル用紙Sの粘着層側に配設しても構わない。可動刃31は、固定刃30に対して接近離間可能にスライド自在とされており、固定刃30との間でラベル用紙Sを上下に挟みこみながら切断することが可能とされている。
【0027】
[用紙弛緩ユニット]
用紙弛緩ユニット4は、カッターユニット3を通過したラベル用紙Sを上流側通紙部40及び下流側通紙部41の間で弛ませる弛み領域部であり、カッターユニット3の用紙搬送方向の下流側に配設されている。上流側通紙部40及び下流側通紙部41は、それぞれカッターユニット3を通過したラベル用紙S(カッターユニット3によってカットされた粘着ラベルL)を搬送する一対の搬送ローラ、すなわち駆動ローラ42,44及び従動ローラ43,45からなり、これら駆動ローラ42,44及び従動ローラ43,45の間にラベル用紙Sが通紙される。なお、これら駆動ローラ42,44及び従動ローラ43,45の外周面のうち、少なくともラベル用紙Sに接触する部分の材質は、シリコーンゴムまたはフッ素ゴムなどのゴム系材料が適している。
【0028】
駆動ローラ42,44は、モータ等を駆動源として駆動するローラであり、駆動ローラ42,44の一端側には図示しない従動ギアが固定されている。この従動ギアは図示しないモータ等の駆動源によって駆動する歯車伝達機構に噛合しており、駆動源の動力が歯車伝達機構および従動ギアを介して駆動ローラ42,44に伝達される。また、駆動ローラ42,44の径方向外側には、駆動ローラ42,44に対して平行する回転自在の従動ローラ43,45が配設されており、この従動ローラ43,45の外周面は、駆動ローラ42,44の外周面に対してゴム弾性または図示しない板ばね等によって圧接されている。これにより、前記駆動源を駆動させて駆動ローラ42,44を回転させることで、駆動ローラ42,44の回転に従動して従動ローラ43,45が駆動ローラ42,44の回転方向と逆方向に回転する。このとき、駆動ローラ42,44と従動ローラ43,45との間にラベル用紙Sが通されると、回転する駆動ローラ42,44及び従動ローラ43,45によってラベル用紙Sが送り出されて搬送される。また、駆動ローラ42,44はラベル用紙Sの感熱発色面側に配設され、従動ローラ43,45はラベル用紙Sの粘着層側に配設されている。但し、駆動ローラ42,44をラベル用紙Sの粘着層側に配設し、従動ローラ43,45をラベル用紙Sの感熱発色面側に配設しても構わない。
【0029】
また、上流側通紙部40は、当該上流側通紙部40における通紙方向が下流側通紙部41における通紙方向と同一線上になる向きを基準位置(図1において実線で示す)として配設されており、上流側通紙部40の出口部と下流側通紙部41の入口部とは間隔をあけて対向している。上記した「通紙方向」は、駆動ローラ42,44の回転中心と従動ローラ43,45の回転中心とを結ぶ仮想直線に直交する方向であり、図1において矢印で示す方向である。
【0030】
また、用紙弛緩ユニット4には、上流側通紙部40の向きを上記した基準位置から傾けた傾斜位置(図1において一点鎖線で示す)に変更することで上流側通紙部40における通紙方向を変更する通紙方向変更手段6が備えられている。この通紙方向変更手段6は、上流側通紙部40の従動ローラ43を駆動ローラ42の回転中心軸線O回りに回動させることで基準位置と傾斜位置との間で移動させる回動機構11(図2に示す)からなる。
【0031】
ここで、回動機構11について、図2〜図4に基づいて詳しく説明する。
図2〜図4に示すように、上流側通紙部40の駆動ローラ42及び従動ローラ43の軸方向両側には、駆動ローラ42の回転中心軸線Oに対して垂直に配設されたフレーム板15,15がそれぞれ配設されている。これら一対のフレーム板15,15は、間隔をあけて対向配置されており、これら一対のフレーム板15,15の間に上記した駆動ローラ42及び従動ローラ43がそれぞれ配設されている。駆動ローラ42の軸部42aの両端部は、一対のフレーム板15,15にそれぞれ軸回転可能に支持されている。
【0032】
また、上記した一対のフレーム板15,15には、従動ローラ43の軸部43aの端部が挿通されて従動ローラ43の移動方向を案内するガイド孔12,12がそれぞれ形成されている。これらのガイド孔12,12は、同形状に形成されていると共に互いに対向する位置に配置されている。具体的には、ガイド孔12は、駆動ローラ42の回転中心軸線Oを中心にして円弧状に延在した長孔であり、駆動ローラ42の鉛直下方の位置から通紙方向上流側(図2(a)及び図2(b)における左側)に向かって斜め上方に向かって円弧状に延在している。そして、これら両側のガイド孔12の内側に従動ローラ43の軸部43aの両端部がそれぞれ挿通されており、従動ローラ43の軸部43aは、ガイド孔12に沿って移動可能となっている。これにより、従動ローラ43は駆動ローラ42の外周面に沿って円弧状に移動可能となっている。また、図2(a)に示すように、ガイド孔12の長さ方向一端部12a(駆動ローラ42の鉛直下方の端部)に従動ローラ43の軸部43aが係止されることで従動ローラ43が上記した基準位置に位置決めされ、また、図2(b)に示すように、ガイド孔12の長さ方向他端部12bに従動ローラ43の軸部43aが係止されることで従動ローラ43が上記した傾斜位置に位置決めされる。
【0033】
また、図2〜図4に示すように、上記した一対のフレーム板15,15には、回転中心軸線Oに対する垂直面に沿って揺動するレバー部材14が取り付けられている。このレバー部材14は、略コ字状に形成された部材であり、その概略構成としては、一対のフレーム板15,15に回転軸部18を介して回転可能に軸支された一対のアーム部16,16と、一対のアーム部16,16の一端部(図2における下端部)同士を連結する連結部17と、を備えている。一対のアーム部16,16は、一対のフレーム板15,15に沿って延設された部材であり、同一形状に形成されている。また、一対のアーム部16,16は、上記した一対のフレーム板15,15の外面側にそれぞれ配設されており、一対のフレーム板15,15を挟んで互いに対向する位置に配設されている。なお、上記した回転軸部18は、一対のフレーム板15,15に形成された図示しない軸通し穴に回転可能に挿通されて一対のアーム部16の長さ方向中間部同士の間に架設されている。
【0034】
上記した一対のアーム部16,16の他端部(図2における上端部)には、前記した基準位置にある従動ローラ43を係止する係止部13,13がそれぞれ設けられている。係止部13は、上記したガイド孔12の長さ方向一端部12aの位置(基準位置)にある従動ローラ43の軸部43aの端部に対して前方側(ガイド孔12の長さ方向他端部12b側、つまり図2における左側)から当接して従動ローラ43の軸部43aの他端部12b側への移動を規制する規制部材であり、係止部13の上端部には、従動ローラ43の軸部43aの端部に掛けられる爪部13aが形成されている。また、係止部13は、上記したレバー部材14が回転軸部18回りに揺動することで、基準位置にある従動ローラ43の軸部43aを係止する位置(係止位置)と、軸部43aの回動軌道上(ガイド孔12)から外れた位置(解除位置)と、の間で移動する。
【0035】
また、回動機構11には、係止部13を従動ローラ43から外す方向に移動させて係止部13の従動ローラ43に対する係止を解除する解除機構60が備えられている。この解除機構60は、係止部13を上記した係止位置から解除位置に移動させる方向にレバー部材14を付勢する付勢部材61と、付勢部材61の付勢力に抵抗しながら係止部13を上記した解除位置から係止位置に移動させる方向にレバー部材14を押圧するソレノイド62と、を備えている。
【0036】
付勢部材61は、連結部17とその前方に配設された図示しない固定部との間に介装された圧縮コイルばねであり、係止部13が係止位置に位置するときに圧縮されてばね力(復元力)によって連結部17を後方側に向かって押圧するものである。
ソレノイド62は、連結部17の後方側(付勢部材61の反対側)に配設されていると共に、前方側(連結部17側)に向かって可動部62aが突出する向きで配設されており、ソレノイド62の可動部62aの先端は連結部17の後方側から連結部17に当接されている。このソレノイド62が駆動して可動部62aが前進すると、連結部17が前方側に向かって押圧され、付勢部材61の付勢力に抵抗しながらレバー部材14が係止方向(係止部13を解除位置から係止位置に移動させる方向)に回動する。また、ソレノイド62が駆動停止して可動部62aが後退することで、連結部17に対する押圧が解除され、その結果、付勢部材61の付勢力によってレバー部材14が係止解除方向(係止部13を係止位置から解除位置に移動させる方向)に回動する。
【0037】
また、図1に示すように、上記した用紙弛緩ユニット4には、ラベル用紙Sの前端部が下流側通紙部41に到達したことを検出する光学センサ19が設けられている。この光学センサ19としては、反射型又は透過型のセンサであり、下流側通紙部41の通紙方向上流側の近傍に配設されている。なお、ラベル用紙Sの前端部が下流側通紙部41に到達したことを検出する検出手段としては、上記した光学センサ19を用いる手段以外であってもよく、例えば、マイクロスイッチを用いたり、ラベル用紙Sの紙送り量を計算したりすることで検出することが可能である。
【0038】
[粘着力発現ユニット]
粘着力発現ユニット5は、図1に示すように、プラテンローラ50及び粘着力発現用サーマルヘッド51を備えた構成からなり、用紙弛緩ユニット4の用紙搬送方向の下流側に配設されている。粘着力発現用サーマルヘッド51は、多数の図示しない発熱素子を有するラインヘッドであり、図示しないコイルバネ等によってプラテンローラ50側に押圧されて、プラテンローラ50の外周面に対して圧接されている。プラテンローラ50の一端側には図示しない従動ギアが固定されている。この従動ギアは、図示しないモータ等の駆動源によって駆動する歯車伝達機構に噛合しており、駆動源の動力が歯車伝達機構および従動ギアを介してプラテンローラ50に伝達される。この粘着力発現ユニット5では、プラテンローラ50と粘着力発現用サーマルヘッド51との間に粘着ラベルLを挟み込ませた状態で前記駆動源を駆動させてプラテンローラ50を回転させることで粘着ラベルLを搬送することが可能である。なお、粘着力発現ユニット5は、上述したとおり上記した印字ユニット2とほぼ同様の構成であるが、プラテンローラ50と粘着力発現用サーマルヘッド51との位置が印字ユニット2に対して反対になっており、粘着ラベルLは、感熱発色面をプラテンローラ50側に向けてプラテンローラ50と印字用サーマルヘッド51との間に通紙される。
【0039】
また、上記したプラテンローラ50及び粘着力発現用サーマルヘッド51の用紙搬送方向の下流側には、粘着力が発現した粘着ラベルLを図示しない排出口に搬送する排出ローラ52が配設されている。この排出ローラ52の一端側には図示しない従動ギアが固定されており、この従動ギアは図示しないモータ等の駆動源によって駆動する歯車伝達機構に噛合しており、駆動源の動力が歯車伝達機構および従動ギアを介して排出ローラ52に伝達される。
【0040】
なお、上記した印字ユニット2のプラテンローラ20の一端側に固定された図示しない従動ギアと、用紙弛緩ユニット4の2つの駆動ローラ42,44の一端側にそれぞれ固定された図示しない従動ギアと、粘着力発現ユニット5のプラテンローラ50の一端側に固定された図示しない従動ギアと、排出ローラ52の一端側に固定された図示しない従動ギアとは、共通の歯車伝達機構にそれぞれ噛合しており、印字ユニット2のプラテンローラ20、用紙弛緩ユニット4の駆動ローラ42,44、粘着力発現ユニット5のプラテンローラ50及び排出ローラ52は共通するモータ等を駆動源として互いに同期して駆動する。
【0041】
ただし、上記した各ローラ20,42,44,50,52がそれぞれ別々の駆動源を有し、それぞれが単独で駆動する構成であってもよい。例えば、上流側通紙部40の通紙方向上流側に設置された図示しないセンサによってラベル用紙Sを検出したり、上記したプラテンローラ20によるラベル用紙Sの紙送り量を計算したりすることで、ラベル用紙Sの前端部が上流側の駆動ローラ42に到達する直前に用紙弛緩ユニット4の駆動ローラ42,44を駆動させてもよい。また、同様に、粘着力発現ユニット5のプラテンローラ50の用紙搬送方向上流側に設置された図示しないセンサによって粘着ラベルLを検出したりすることで、粘着ラベルLの前端部がプラテンローラ50と粘着力発現用サーマルヘッド51との間に到達する直前にプラテンローラ50を駆動させてもよい。
【0042】
次に、上記した構成からなるプリンタ1の動作について説明する。
【0043】
まず、プリンタ1の作動準備を行う。具体的には、図示しないロール収容部の内側にロール紙Rをセットし、そのラベル用紙Sの端部を印字ユニット2のプラテンローラ20と印字用サーマルヘッド21との間に差し込む。
なお、印字ユニット2の用紙搬送方向上流側に搬送ローラがある場合には、その搬送ローラにラベル用紙Sの端部を掛ける。
【0044】
次に、プリンタ1を図示しない外部入力装置に接続し、その外部入力装置からプリンタ1にラベル発行指令と共にラベル情報を出力する。このラベル情報としては、例えば粘着ラベルLの長さ(印字データ量で代用可)、印字データ、加熱粘着力発現領域などがある。プリンタ1では、ラベル発行指令及びラベル情報を受けると、図示しないモータ等の駆動源が駆動し、その駆動源の動力が図示しない歯車伝達機構および従動ギアを介してプラテンローラ20に伝達されてプラテンローラ20が回転する。これにより、プラテンローラ20と印字用サーマルヘッド21との間に挟まれたラベル用紙Sがカッターユニット3側に送り出されて、ロール紙Rからラベル用紙Sを繰り出しながらラベル用紙Sが搬送される。このとき、印字用サーマルヘッド21が駆動してラベル情報に応じた印字動作を実施する。これにより、ラベル用紙Sがプラテンローラ20と印字用サーマルヘッド21との間を通過するラベル用紙Sの感熱発色面にバーコードや文字などが順次印刷される。
なお、プリンタ1が入力部を備える場合には、図示しない外部入力装置に接続する必要はなく、前記入力部からのラベル発行指令及びラベル情報に基づいて印字ユニット2を動作させてもよい。
【0045】
印字ユニット2を通過したラベル用紙Sは、カッターユニット3の固定刃30と可動刃31との間を通過した後、用紙弛緩ユニット4の上流側通紙部40に到達する。このとき、上流側通紙部40の駆動ローラ42が上述した印字ユニット2のプラテンローラ20の駆動に同期して駆動して駆動ローラ42及び従動ローラ43がそれぞれ回転するので、ラベル用紙Sが駆動ローラ42と従動ローラ43との間を通紙して送り出される。
【0046】
また、このとき、図2(a)に示すように、通紙方向変更手段6のソレノイド62が駆動して可動部62aが連結部17を前方側に向かって押圧しており、レバー部材14が付勢部材61の付勢力に抵抗しながら係止方向に回動した状態となり、このレバー部材14に設けられた係止部13が係止位置に配置されて従動ローラ43の軸部43aに係止され、従動ローラ43が基準位置に保持されている。これにより、上流側通紙部40における通紙方向と下流側通紙部41における通紙方向とが同一線状になり、上流側通紙部40における通紙方向の前方側に下流側通紙部41があるので、ラベル用紙Sが上流側通紙部40から下流側通紙部41に容易に渡される。すなわち、ラベル用紙Sの前端部は、上流側通紙部40から送り出された後、そのまま直進することで下流側通紙部41に到達する。このとき、下流側通紙部41の駆動ローラ44が上述した印字ユニット2のプラテンローラ20の駆動に同期して駆動して駆動ローラ44及び従動ローラ45がそれぞれ回転するので、ラベル用紙Sが駆動ローラ44と従動ローラ45との間を通紙して送り出される。
【0047】
また、このとき、図2(a)に示すように、通紙方向変更手段6のソレノイド62が駆動して可動部62aが連結部17を前方側に向かって押圧しており、レバー部材14が付勢部材61の付勢力に抵抗しながら係止方向に回動した状態となり、このレバー部材14に設けられた係止部13が係止位置に配置されて従動ローラ43の軸部43aに係止され、従動ローラ43が基準位置に保持されている。これにより、上流側通紙部40における通紙方向と下流側通紙部41における通紙方向とが同一線状になり、上流側通紙部40における通紙方向の前方側に下流側通紙部41があるので、ラベル用紙Sが上流側通紙部40から下流側通紙部41に容易に渡される。すなわち、ラベル用紙Sの前端部は、上流側通紙部40から送り出された後、そのまま直進することで下流側通紙部41に到達する。このとき、下流側通紙部41の駆動ローラ44は、上述した印字ユニット2のプラテンローラ20の駆動に同期して駆動しており、駆動ローラ44及び従動ローラ45がそれぞれ回転するので、ラベル用紙Sが駆動ローラ44と従動ローラ45との間を通紙して送り出される。
【0048】
その後、上流側通紙部40及び下流側通紙部41の各駆動ローラ42,44をそれぞれ駆動させることで、粘着ラベルLの後端部となるラベル用紙Sのカット位置がカッターユニット3の刃先位置に移動するまでラベル用紙Sを繰り出していくが、上流側通紙部40と下流側通紙部41との間でラベル用紙Sを弛ませることでラベル用紙Sの前端部が粘着力発現ユニット5の粘着力発現用サーマルヘッド51の発熱素子の位置まで進行しないようにする。具体的には、下流側通紙部41の駆動ローラ44の回転速度を上流側通紙部40の駆動ローラ42の回転速度よりも遅くし、下流側通紙部41による単位時間当たりの紙送り量を上流側通紙部40による単位時間当たりの紙送り量よりも少なくする。これにより、ラベル用紙Sのうちの上流側通紙部40と下流側通紙部41との間の部分が感熱発色面側に膨出するように山形に弛んでいき、その弛み量はラベル用紙Sの搬送に伴って漸次大きくなる。
なお、上流側通紙部40と下流側通紙部41との間のラベル用紙Sに弛みを持たせる手段としては、下流側通紙部41の駆動ローラ44の駆動を停止させつつ上流側通紙部40の駆動ローラ42を駆動させてもよい。
【0049】
また、ラベル用紙Sの前端部が下流側通紙部41に到達した時点で、図2(b)に示すように、通紙方向変更手段6によって上流側通紙部40を基準位置から傾斜位置に傾けて上流側通紙部40における通紙方向を変更する。
【0050】
詳しく説明すると、光学センサ19によってラベル用紙Sの前端部が下流側通紙部41に到達したことを検出した時点で、通紙方向変更手段6のソレノイド62の駆動を停止して可動部62aを後退させ、連結部17に対する押圧を解除する。これにより、付勢部材61の付勢力によってレバー部材14が係止解除方向に回動し、このレバー部材14に設けられた係止部13が従動ローラ43の軸部43aから外れて解除位置に配置される。これにより、従動ローラ43の軸部43aのガイド孔12の長さ方向他端部12b側への移動が許容されるので、駆動ローラ42の回転力によって従動ローラ43が押し上げられ、従動ローラ43の軸部43aがガイド孔12に沿ってガイド孔12の長さ方向一端部12aの位置から他端部12bの位置に移動する。つまり、従動ローラ43は、駆動ローラ42の回転中心軸線O回りに回動して基準位置から傾斜位置に移動し、駆動ローラ42と従動ローラ43との間の通紙方向は斜め上方(図5に示す白抜き矢印方向)に向けられる。これにより、ラベル用紙Sの弛み量が大きくなっても弛み部が折れにくくなり、搬送不良が抑制される。詳しく説明すると、図5に示すように、ラベル用紙Sの弛み量が大きくなったとき、ラベル用紙Sの弛み部は、通紙方向下流側に向かって傾倒した状態となり、弛み部に折れが生じない。
【0051】
なお、上述した通紙方向変更手段6による上流側通紙部40における通紙方向の変更動作開始の有無は、ラベル情報のラベル長さに応じて制御することが好ましい。例えば粘着ラベルLの長さ寸法がカッターユニット3の刃先位置から下流側通紙部41までの距離以下の寸法の場合にはラベル用紙Sを弛ませる必要が無いため、通紙方向変更手段6によって上流側通紙部40における通紙方向の向きを変更する必要がなく、上流側通紙部40は基準位置のままでよい。また、ラベル用紙Sを弛ませる必要がある場合であっても、その弛み量が小さい場合には、通紙方向変更手段6によって上流側通紙部40における通紙方向の向きを変更する必要がなく、上流側通紙部40は基準位置のままでよい。
【0052】
その後、ラベル用紙Sのカット位置(粘着ラベルLの後端部となる箇所)がカッターユニット3の刃先位置まで進行したところで、ラベル用紙Sの搬送を一時的に停止してカッターユニット3で粘着ラベルLの後端部となる箇所をカットして所望の長さサイズの粘着ラベルLを形成する。
【0053】
詳しく説明すると、まず、ラベル用紙Sのカット位置が固定刃30の刃先の位置まで移動した時点で、図示しない駆動源を停止してラベル用紙Sの搬送を一時停止する。ラベル用紙Sのカット位置が固定刃30の刃先の位置まで移動したことを検出する手段としては、図示しない光学センサやマイクロスイッチによってカット位置(粘着ラベルLの後端部)を検出したり、或いはラベル情報によるラベル長さ寸法とラベル用紙Sの紙送り量の計算値とに基づいて検出したりする。
【0054】
続いて、可動刃31を固定刃30側に移動させることで、固定刃30と可動刃31とによってラベル用紙Sをカットする。これにより、ラベル用紙Sから所望長さの粘着ラベルLが切り離される。
その後、図示しない駆動源を再駆動し、用紙弛緩ユニット4の駆動ローラ42,44をそれぞれ回転させて粘着ラベルLを粘着力発現ユニット5側に向けて搬送する。
【0055】
そして、粘着ラベルLの後端部が上流側通紙部40を通過した後、図2(a)に示すように通紙方向変更手段6によって上流側通紙部40を傾斜位置から基準位置に戻して上流側通紙部40における通紙方向を元の方向に戻す。
【0056】
詳しく説明すると、ラベル用紙Sの後端部が上流側の駆動ローラ42と従動ローラ43との間を通過した後、図示しない駆動源を逆駆動(例えばモータの場合には逆回転)させて上流側通紙部40の駆動ローラ42を逆回転(搬送時の方向と逆方向に回転)させる。これにより、駆動ローラ42の回転力によって従動ローラ43が押し下げられ、従動ローラ43の軸部43aがガイド孔12に沿ってガイド孔12の長さ方向他端部12bの位置から一端部12aの位置に移動する。つまり、従動ローラ43は、駆動ローラ42の回転中心軸線O回りに回動して傾斜位置から基準位置に移動し、上流側通紙部40における通紙方向が元の位置、つまり下流側通紙部41における通紙方向と同一線上に戻る。
【0057】
なお、従動ローラ43が基準位置まで戻す際、駆動ローラ42の回転による移動距離を予め計算しておき、その移動距離(計算値)かかる時間以上を経過させたりその移動距離分の送り量以上を送ったりすることで、従動ローラ43を基準位置まで戻すことができる。また、マイクロスイッチなどの図示しない基準位置検出用センサを設けて、このセンサによって従動ローラ43の基準位置を検出することで従動ローラ43を基準位置まで確実に戻すことができる。
【0058】
続いて、通紙方向変更手段6のソレノイド62を再駆動して可動部62aを前進させて連結部17を前方側に向かって押圧する。これにより、付勢部材61の付勢力に抵抗しながらレバー部材14が係止方向に回動し、このレバー部材14に設けられた係止部13が係止位置に移動して従動ローラ43の軸部43aに掛けられる。これにより、ガイド孔12の長さ方向一端部12aの位置にある従動ローラ43の軸部43aのガイド孔12の長さ方向他端部12b側への移動が規制される。
【0059】
その後、図示しない駆動源の駆動を正方向に戻して用紙弛緩ユニット4の下流側通紙部41の駆動ローラ44を回転させて粘着ラベルLを粘着力発現ユニット5側に向けて搬送する。このとき、上流側通紙部40の駆動ローラ42が搬送方向に回転するが、上述したように従動ローラ43の軸部43aのガイド孔12の長さ方向他端部12b側への移動が規制されているので、従動ローラ43は駆動ローラ42によって押し上げられずに基準位置で保持される。
【0060】
次に、下流側通紙部41から送り出された粘着ラベルLは、粘着力発現ユニット5のプラテンローラ50と粘着力発現用サーマルヘッド51との間に挿入される。そして、プラテンローラ50と粘着力発現用サーマルヘッド51との間に挟まれた粘着ラベルLが排出ローラ52側に送り出される。このとき、粘着力発現用サーマルヘッド51によって粘着ラベルLの粘着面が加熱されて粘着ラベルLの粘着力が発現する。
そして、プラテンローラ50と粘着力発現用サーマルヘッド51との間から送り出された粘着ラベルLは、排出ローラ52,52によって図示しない排出口側に搬送され、当該排出口から排出される。
【0061】
また、上述したようにカッターユニット3でラベル用紙Sをカットした後、印字ユニット2のプラテンローラ20を逆回転させ、カット後のラベル用紙Sを戻して、ラベル用紙Sにおける印字書き出し位置を印字用サーマルヘッド21の位置に合わせておくことが好ましい。さらに、印字ユニット2内にラベル用紙Sの先端を検出する図示しないセンサを設置しておき、ラベル用紙Sの先端を前記センサの位置まで戻して当該センサでラベル用紙Sの先端を検出(認識)させてからラベル用紙Sの印字書き出し位置を印字用サーマルヘッド21の位置まで移動させることで、より精度良く位置出しすることができる。
【0062】
また、上述した印字ユニット2のプラテンローラ20の駆動に同期して、粘着力発現ユニット5のプラテンローラ50及び排出ローラ52が駆動して回転する。すなわち、印字ユニット2のプラテンローラ20の一端側に固定された図示しない従動ギアと、用紙弛緩ユニット4の2つの駆動ローラ42,44の一端側にそれぞれ固定された図示しない従動ギアと、粘着力発現ユニット5のプラテンローラ50の一端側に固定された図示しない従動ギアと、排出ローラ52の一端側に固定された図示しない従動ギアとは、同じ歯車伝達機構にそれぞれ噛合しており、印字ユニット2のプラテンローラ20、用紙弛緩ユニット4の駆動ローラ42,44、粘着力発現ユニット5のプラテンローラ50及び排出ローラ52は1つの駆動源で駆動する。
【0063】
なお、上記した各ローラ20,42,44,50,52がそれぞれ別々の駆動源を有する場合には、互いに同期して駆動させる必要はない。例えば、上流側通紙部40の通紙方向上流側に設置された図示しないセンサによってラベル用紙Sを検出したり、上記したプラテンローラ20によるラベル用紙Sの紙送り量を計算したりすることで、ラベル用紙Sの前端部が上流側の駆動ローラ42に到達する直前に用紙弛緩ユニット4の駆動ローラ42,44を駆動させてもよい。また、カット動作時も駆動ローラ42を停止させても、駆動ローラ44を駆動させたままでもよい。同様に、粘着力発現ユニット5のプラテンローラ50の用紙搬送方向上流側に設置された図示しないセンサによって粘着ラベルLを検出したりすることで、粘着ラベルLの前端部がプラテンローラ50と粘着力発現用サーマルヘッド51との間に到達する直前にプラテンローラ50を駆動させてもよい。
【0064】
上記したプリンタ1(粘着ラベル発行装置10)によれば、通紙方向変更手段6によって上流側通紙部40の向きを基準位置から傾斜位置に変更して上流側通紙部40の通紙方向を変更することで、ラベル用紙Sの弛み量が大きくなっても弛み部が折れにくくなり、紙ジャム等の搬送不良が抑制されるので、プリンタ1(通紙方向変更手段10)の信頼性を向上させることができる。また、ラベル用紙Sの弛み量が大きくなっても弛み部が折れにくくなり、紙ジャム等の搬送不良が抑制されるので、上流側通紙部40と下流側通紙部41の間隔を狭くすることで大サイズから小サイズの粘着ラベルLに対して幅広く対応可能であり、粘着ラベルLの長さサイズの自由度を向上させることができる。さらに、上流側通紙部40と下流側通紙部41の間隔を狭くすることでプリンタ1(通紙方向変更手段10)の小型化を図ることもできる。
【0065】
また、カッターユニット3の用紙搬送方向上流側に印字ユニット2が設けられており、印字ユニット2でラベル用紙Sの感熱発色面に印字した後、カッターユニット3で所望の長さの粘着ラベルLにカットされ、その後、粘着力発現ユニット5で粘着ラベルLの粘着力を発現させてから発行される。このように、用紙弛緩ユニット4でラベル用紙Sを弛ませる前に印字ユニット2で印字するので印字精度を向上させることができる。
【0066】
また、上流側通紙部40が一対の搬送ローラ(駆動ローラ42及び従動ローラ43)からなり、これらの間にラベル用紙Sが通された構成となっているため、ラベル用紙Sを確実に搬送したり弛ませたりすることができる。
しかも、回動機構11によって従動ローラ43を駆動ローラ42の回転中心軸線O回りに回動させることで駆動ローラ42と従動ローラ43との間を通るラベル用紙Sの通紙方向の向きが変更されるため、上流側通紙部40における通紙方向を簡単な機構で変更することができる。
【0067】
さらに、上記した回動機構11では、解除機構60によって係止部13を従動ローラ43の軸部43aから外すと共に駆動ローラ42を回転させることで、駆動ローラ42の回転力によって従動ローラ43がガイド孔12に沿って駆動ローラ42の回転中心軸線O回りに回動し、上流側通紙部40の向きが基準位置から傾斜位置に変更される。そして、駆動ローラ42を逆回転させることで、駆動ローラ42の回転力によって従動ローラ43がガイド孔12に沿って駆動ローラ42の回転中心軸線O回りに回動し、上流側通紙部40の向きが傾斜位置から基準位置に戻され、その後、係止部13によって従動ローラ43の軸部43aを係止することで、上流側通紙部40の向きが基準位置で保持される。このように、簡単な構成で、従動ローラ43を基準位置と傾斜位置との間で駆動ローラ42の回転中心軸線O回りに回動させることができる。
【0068】
[第二実施形態]
図6に示すプリンタ100は、本発明に係る粘着ラベル発行装置の第二実施形態であり、その概略構成としては、ロール紙Rから繰り出されたラベル用紙Sを通過させて所望の長さの粘着ラベルLにカットするカッターユニット3と、カッターユニット3を通過したラベル用紙Sを弛ませる用紙弛緩ユニット4と、カッターユニット3でカットされた粘着ラベルLを感熱発色面側(図1における上側)から加熱して感熱発色面に印字を行う印字ユニット2と、印字ユニット2で印字された粘着ラベルLを粘着層側(感熱発色面の裏側、つまり図1における下側)から加熱して粘着ラベルLの粘着力を発現させる粘着力発現ユニット5と、を備えている。つまり、本実施形態におけるプリンタ100は、印字ユニット2が用紙弛緩ユニット4と粘着力発現ユニット5との間、すなわち用紙弛緩ユニット4の用紙搬送方向の下流側であって粘着力発現ユニット5の用紙搬送方向の上流側に配設されている。
【0069】
また、カッターユニット3の用紙搬送方向上流側には、ラベル用紙Sを挟み込む一対の搬送ローラ60,61が配設されており、この一対の搬送ローラ60,61によってラベル用紙Sをカッターユニット3側に送り出すことでロール紙Rからラベル用紙Sが繰り出されながらラベル用紙Sが搬送される。
なお、上記した各ユニット(印字ユニット2、カッターユニット3、用紙弛緩ユニット4、粘着力発現ユニット5)の構成は、上述した第一実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0070】
上記したプリンタ100によれば、ロール紙Rから繰り出されたラベル用紙Sがカッターユニット3を通過して所望の長さの粘着ラベルLにカットされた後、その粘着ラベルLが印字ユニット2に搬送され、印字ユニット2で感熱発色面に印字され、その後、印字された粘着ラベルLが粘着力発現ユニット5で粘着力を発現させた上で発行されるので、ロール紙Rから引き出されるラベル用紙Sの長さが短くなる。これにより、ラベル用紙Sの伸びや破断などの不具合を防止することができる。
【0071】
以上、本発明に係る粘着ラベル発行装置の第一、第二実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記した実施形態では、粘着ラベル発行装置10と印字ユニット2とを備えたプリンタ1について説明しているが、本発明は、粘着ラベル発行装置10単体であってもよい。例えば、予めラベル用紙Sの感熱発色面に印字が施されているロール紙Rを使用する場合などには、印字ユニットを省略することも可能である。
【0072】
また、上記した実施形態では、係止部13を従動ローラ43から外す方向に移動させて係止部13の従動ローラ43に対する係止を解除する解除機構60として、係止部13を係止位置から解除位置に移動させる方向にレバー部材14を付勢する付勢部材61と、付勢部材61の付勢力に抵抗しながら係止部13を解除位置から係止位置に移動させる方向にレバー部材14を押圧するソレノイド62と、を備えているが、本発明は、他の構成からなる解除機構であってもよい。例えば、図7に示すように、係止部13を有するアーム部材261の端部に回転可能なカム262が連結された構成の解除機構260であってもよい。前記したアーム部材261には、長手方向に沿って延在する長孔263が形成されており、この長孔263には、フレーム板15に固定された固定軸264が挿通されている。また、アーム部材261とカム262とは回転自在の回転軸265を介して連結されている。このような構成からなる解除機構260を有する回動機構211によれば、モータ等の駆動源によってカム262を回転させることで、長孔263内における固定軸264の位置を変位させながらアーム部材261が揺動し、アーム部材261に設けられた係止部13が係止位置(図7(a)に示す。)と解除位置(図7(b)に示す。)との間で移動する。さらに、従動ローラ43の長孔内の移動についても駆動ローラ42の回転による移動に限るものではなく、上記のようなアーム部材等の揺動による移動手段を用いることも可能である。
【0073】
また、上記した実施形態では、粘着力発現ユニット5における熱源として粘着力発現用サーマルヘッド51が備えられているが、本発明は、粘着力発現用サーマルヘッド51以外の熱源を用いることも可能であり、例えば熱ローラを用いて粘着ラベルLの粘着面を加熱することも可能である。
【0074】
また、上記した実施形態では、上流側通紙部40及び下流側通紙部41が駆動ローラ42,44及び従動ローラ43,45からなるが、本発明は、上流側通紙部及び下流側通紙部のうちの少なくとも一方が他の構成であってもよく、例えば、ラベル用紙Sや粘着ラベルLが挿通される一対のガイド板からなる上流側通紙部や下流側通紙部であってもよい。
【0075】
また、上記した実施の形態では、熱活性粘着剤からなる粘着層を有するラベル用紙Sを使用し、粘着力発現ユニット5によって粘着層を熱活性化させることで粘着ラベルLの粘着力を発現させるプリンタ1,100について説明しているが、本発明は、他の構成のラベル用紙を使用することも可能であり、例えば、被膜層で粘着層が被覆された構成のラベル用紙を使用することも可能である。この場合、粘着力発現ユニットによって被膜層を除去して粘着層を露出させることで粘着ラベルの粘着力を発現させることができる。
【0076】
その他、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0077】
1…プリンタ
2…印字ユニット
3…カッターユニット
4…用紙弛緩ユニット
5…粘着力発現ユニット
6…通紙方向変更手段
10…粘着ラベル発行装置
11…回動機構
12…ガイド孔
13…係止部
40…上流側通紙部
41…下流側通紙部
42…駆動ローラ(搬送ローラ)
43…従動ローラ(搬送ローラ)
43a…軸部
60…解除機構
100…プリンタ
L…粘着ラベル
O…回転中心軸線
S…ラベル用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感熱紙の感熱発色面の裏側に粘着層が設けられた帯状のラベル用紙を通過させて所望の長さの粘着ラベルにカットするカッターユニットと、
前記粘着ラベルを前記感熱発色面の裏側から加熱して該粘着ラベルの粘着力を発現させる粘着力発現ユニットと、
用紙搬送方向に対して前記カッターユニットの下流側であって前記粘着力発現ユニットの上流側に配設され、カットされずに前記カッターユニットを通過した前記ラベル用紙を、該ラベル用紙をそれぞれ通紙する上流側通紙部及び下流側通紙部の間で弛ませる用紙弛緩ユニットと、
を備える粘着ラベル発行装置において、
前記上流側通紙部は、該上流側通紙部における通紙方向が前記下流側通紙部における通紙方向と同一線状になる向きを基準位置とし、
前記上流側通紙部の向きを前記基準位置から傾けた傾斜位置に変更することで該上流側通紙部における通紙方向を変更する通紙方向変更手段が備えられていることを特徴とする粘着ラベル発行装置。
【請求項2】
請求項1に記載の粘着ラベル発行装置において、
前記上流側通紙部が一対の搬送ローラからなり、該一対の搬送ローラの間に前記ラベル用紙が通されることを特徴とする粘着ラベル発行装置。
【請求項3】
請求項2に記載の粘着ラベル発行装置において、
前記一対の搬送ローラのうちの一方が駆動ローラであり、他方が前記駆動ローラに従動する従動ローラであり、
前記通紙方向変更手段に、前記従動ローラを前記駆動ローラの回転中心軸線回りに回動させることで前記基準位置と前記傾斜位置との間で移動させる回動機構が備えられていることを特徴とする粘着ラベル発行装置。
【請求項4】
請求項3に記載の粘着ラベル発行装置において、
前記回動機構が、
前記駆動ローラの回転中心軸線を中心にして円弧状に延在し、前記従動ローラの軸部が挿通されたガイド孔と、
前記基準位置にある前記従動ローラを係止する係止部と、
該係止部を前記従動ローラから外す方向に移動させて前記係止部の前記従動ローラに対する係止を解除する解除機構と、
が備えられていることを特徴とする粘着ラベル発行装置。
【請求項5】
請求項1から4の何れか一項に記載の粘着ラベル発行装置を備えたプリンタであって、
前記カッターユニットの用紙搬送方向上流側に、前記ラベル用紙を感熱発色面側から加熱して該感熱発色面に印字を行う印字ユニットが設けられていることを特徴とするプリンタ。
【請求項6】
請求項1から4の何れか一項に記載の粘着ラベル発行装置を備えたプリンタであって、
前記下流側通紙部の用紙搬送方向下流側であって前記粘着力発現ユニットのラベル搬送方向上流側に、前記粘着ラベルを感熱発色面側から加熱して該感熱発色面に印字を行う印字ユニットが設けられていることを特徴とするプリンタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−201410(P2012−201410A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−70541(P2011−70541)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】