説明

粘着剤組成物、粘着シートおよび表面保護フィルム

【課題】粘着剤層および帯電防止されていない被着体の剥離時の帯電防止が図れ、被着体への汚染が低減された粘着剤組成物、ならびにこれを用いた帯電防止性の粘着シート、および表面保護フィルムを提供する。
【解決手段】単量体成分として炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリレートを50〜99.9重量%含有する水分散型(メタ)アクリル系ポリマー、および25℃で液状を呈するイオン性液体を含有してなることを特徴とする粘着剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は帯電防止性を有する粘着剤組成物、ならびにこれを用いてシート状やテープ状などの形態とした帯電防止性の粘着シートおよび表面保護フィルムに関するものである。
【0002】
本発明の帯電防止性の粘着剤組成物からなる粘着シートは、静電気が発生しやすいプラスチック製品などに好適に用いられる。なかでも特に、電子機器など静電気を嫌う用途で用いられる帯電防止性の粘着シート、および表面保護フィルムとして有用である。
【背景技術】
【0003】
表面保護フィルムは、一般的に保護フィルム側に塗布された粘着剤を介して被保護体に貼り合わせ、被保護体の加工、搬送時に生じる傷や汚れを防止する目的で用いられる。たとえば、液晶ディスプレイのパネルは、液晶セルに粘着剤を介して偏光板や波長板などの光学部材を貼り合わせることにより形成されている。液晶セルに貼り合わせるこれらの光学部材は、傷や汚れなどを防止する目的で保護フィルムが粘着剤を介して貼り合わされている。
【0004】
そして、この光学部材が液晶セルに貼り合わされるなどして、保護フィルムが不要になった段階で保護フィルムは剥離して除去される。一般に保護フィルムや光学部材は、プラスチック材料により構成されているため、電気絶縁性が高く、摩擦や剥離の際に静電気を発生する。したがって、保護フィルムを被保護体から剥離する際にも静電気が発生し、作業性の低下や被保護体損傷の原因となってしまう。そこで、このような不具合を防止するため、表面保護フィルムには各種帯電防止処理が施されている。
【0005】
たとえば、粘着剤に1種以上の界面活性剤を添加し、粘着剤中から界面活性剤を被着体に転写させて帯電防止する方法が開示されている(たとえば、特許文献1参照)。しかしながら、この発明は、界面活性剤を粘着剤表面にブリードし易く、保護フィルムに適用した場合、被着体への汚染が懸念される。
【0006】
また、ポリエーテルポリオールとアルカリ金属塩からなる帯電防止剤をアクリル粘着剤に添加し、粘着剤表面に帯電防止剤がブリードするのを抑制する方法が開示されている(たとえば、特許文献2参照)。しかしながら、この方法においても帯電防止剤のブリードは避けられず、その結果、実際に表面保護フィルムに適用した場合に、経時や高温下の処理を施すと、ブリード現象により被着体への汚染が発生してしまうことが判明した。
【0007】
一方、近年、環境対策、省資源、安全性などの観点から、有機溶剤を使用しない粘着剤が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平9−165460号公報
【特許文献2】特開平6−128539号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、このような事情に照らし、粘着剤層および帯電防止されていない被着体の剥離時の帯電防止が図れ、被着体への汚染が低減された粘着剤組成物、ならびにこれを用いた帯電防止性の粘着シート、および表面保護フィルムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、以下に示す粘着剤組成物により上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明の粘着剤組成物は、単量体成分として炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリレートを50〜99.9重量%含有する水分散型(メタ)アクリル系ポリマー、および25℃で液状を呈するイオン性液体を含有してなることを特徴とする。
【0012】
なお、本発明におけるイオン性液体とは、室温(25℃)で液状を呈する溶融塩(イオン性化合物)を指す。
【0013】
本発明の粘着剤組成物によると、実施例の結果に示すように、単量体成分として炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリレートを50〜99.9重量%含有する水分散型(メタ)アクリル系ポリマーをベースポリマーとし、さらにイオン性液体を含有するため、これを架橋した粘着剤層は、被保護体(被着体)への汚染性が低減され、剥離した際の粘着剤層および帯電防止されていない被着体の帯電防止性に優れたものとなる。上記水分散型(メタ)アクリル系ポリマーとイオン性液体の架橋物がかかる特性を発現する理由の詳細は明らかではないが、イオン性液体はそれ自身で優れた導電性を示すため、微量でも十分な帯電防止能が得られ、汚染が低減されると推測される。
【0014】
また、上記のイオン性液体は室温にて液状であるため、固体の塩とくらべ、粘着剤への添加および分散または溶解を容易に行うことができる。さらにイオン性液体は蒸気圧がない(不揮発性)ため、経時で消失することもなく、帯電防止特性が継続して得られるものとなる。
【0015】
本発明の粘着剤組成物においては、単量体成分として炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリレートを50〜99.9重量%含有する水分散型(メタ)アクリル系ポリマーをベースポリマーとして用いる。
【0016】
なお、本発明における(メタ)アクリル系ポリマーとは、アクリル系ポリマーおよび/またはメタクリル系ポリマーをいう。また(メタ)アクリル酸アルキルとは、アクリル酸アルキルおよび/またはメタクリル酸アルキルをいい、(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよび/またはメタクリレートをいう。
【0017】
また、本発明における水分散型(メタ)アクリル系ポリマーとは、単量体成分として炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリレートを50〜99.9重量%有するモノマー配合物を乳化重合することにより得られる水分散体(ディスパージョン)の(メタ)アクリル系ポリマーをいう。これらの(メタ)アクリル系ポリマーをベースポリマーとして用いることにより、イオン性液体とベースポリマーとの相溶性のバランスが良好となり、粘着特性を十分に維持することができ、さらに水分散型の粘着剤組成物を得ることができる。
【0018】
また、有機溶剤を使用しないため、通常の乾燥ポリマー皮膜の上に塗布しても乾燥ポリマー皮膜が膨潤や溶解しないという利点があり、さらには、近年の環境への配慮した動きから、有機溶剤を使用しない粘着剤組成物が好ましく用いられる要求にも対応することができる。
【0019】
上記において、上記イオン性液体が、含窒素オニウム塩、含硫黄オニウム塩、または含リンオニウム塩のいずれか1種以上であることが好ましい。特に、前記イオン性液体が、下記一般式(A)〜(D)で表される1種以上のカチオンを含むことが好ましい。これらのカチオンを持つイオン性液体により、さらに帯電防止能の優れたものが得られる。
【0020】
【化1】

【0021】
[式(A)中のRは、炭素数4から20の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでもよく、RおよびRは、同一または異なって、水素または炭素数1から16の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでもよい。ただし、窒素原子が2重結合を含む場合、Rはない。]
[式(B)中のRは、炭素数2から20の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでもよく、R、R、およびRは、同一または異なって、水素または炭素数1から16の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでもよい。]
[式(C)中のRは、炭素数2から20の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでもよく、R、R、およびRは、同一または異なって、水素または炭素数1から16の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでもよい。]
[式(D)中のZは、窒素、硫黄、またはリン原子を表し、R、R、R、およびRは、同一または異なって、炭素数1から20の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでもよい。ただしZが硫黄原子の場合、Rはない。]
【0022】
さらに、上記イオン性液体が水溶性イオン性液体であることが好ましい。水溶性イオン性液体を用いることにより、上記水分散型(メタ)アクリル系ポリマーとのさらに良好な相溶性を実現することができる。
【0023】
一方、本発明の粘着剤層は、上記のような記載の粘着剤組成物を架橋してなることを特徴とする。上記(メタ)アクリル系ポリマーの構成単位、構成比率、架橋剤の選択および添加比率などを適宜調節して架橋することにより、より耐熱性・耐候性などに優れた粘着シートを得ることができる。
【0024】
また、本発明の粘着シートは、上記いずれかに記載の粘着剤組成物を架橋してなる粘着剤層を支持体上に形成してなることを特徴とする。本発明の粘着シートによると、上記のような作用効果を奏する粘着剤組成物を架橋してなる粘着剤層を備えるため、剥離した際に粘着剤層および帯電防止されていない被着体への帯電防止が図れ、被着体への汚染性が低減された粘着シートとなる。なお、本発明における粘着シートとは、粘着テープや粘着フィルムなどを含むものである。
【0025】
さらに、本発明の粘着剤組成物を表面保護フィルムに適用する場合には、保護フィルムに用いられるプラスチック基材は帯電防止処理されてなるものがより好ましい。プラスチック基材に帯電防止処理を施すことにより、被着体への剥離帯電圧をより効果的に低減することができ、さらに帯電防止能が優れるものが得られる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0027】
本発明の粘着剤組成物は、単量体成分として炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリレートを50〜99.9重量%含有する水分散型(メタ)アクリル系ポリマー、およびイオン性液体を含有してなることを特徴とする。
【0028】
なお、本発明におけるイオン性液体とは、室温(25℃)で液状を呈する溶融塩(イオン性化合物)を指す。
【0029】
イオン性液体としては、含窒素オニウム塩、含硫黄オニウム塩、または含リンオニウム塩が好ましく用いられ、特に優れた帯電防止能が得られる理由から下記一般式(A)〜(D)で表される有機カチオン成分と、アニオン成分からなるものが好ましく用いられる。
【0030】
【化2】

【0031】
[式(A)中のRは、炭素数4から20の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでもよく、RおよびRは、同一または異なって、水素または炭素数1から16の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでもよい。ただし、窒素原子が2重結合を含む場合、Rはない。]
[式(B)中のRは、炭素数2から20の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでもよく、R、R、およびRは、同一または異なって、水素または炭素数1から16の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでもよい。]
[式(C)中のRは、炭素数2から20の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでもよく、R、R、およびRは、同一または異なって、水素または炭素数1から16の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでもよい。]
[式(D)中のZは、窒素、硫黄、またはリン原子を表し、R、R、R、およびRは、同一または異なって、炭素数1から20の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでもよい。ただし、Zが硫黄原子の場合、Rはない。]
【0032】
式(A)で表されるカチオンとしては、たとえば、ピリジニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、ピロリン骨格を有するカチオン、ピロール骨格を有するカチオンなどがあげられる。
【0033】
具体例としては、たとえば、1−エチルピリジニウムカチオン、1−ブチルピリジニウムカチオン、1−へキシルピリジニウムカチオン、1−ブチル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−ブチル−4−メチルピリジニウムカチオン、1−へキシル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−ブチル−3,4−ジメチルピリジニウムカチオン、1,1−ジメチルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−エチルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−ブチルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−ペンチルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−ヘキシルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−ヘプチルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−プロピルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−ブチルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−ペンチルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−ヘキシルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−ヘプチルピロリジニウムカチオン、1,1−ジプロピルピロリジニウムカチオン、1−プロピル−1−ブチルピロリジニウムカチオン、1,1−ジブチルピロリジニウムカチオン、1−プロピルピペリジニウムカチオン、1−ペンチルピペリジニウムカチオン、1,1−ジメチルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−エチルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−プロピルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−ブチルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−ペンチルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−ヘキシルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−ヘプチルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−プロピルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−ブチルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−ペンチルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−ヘキシルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−ヘプチルピペリジニウムカチオン、1,1−ジプロピルピペリジニウムカチオン、1−プロピル−1−ブチルピペリジニウムカチオン、1−ブチル−1−ペンチルピペリジニウムカチオン、1−ブチル−1−ヘキシルピペリジニウムカチオン、1−ブチル−1−ヘプチルピペリジニウムカチオン、1,1−ジブチルピペリジニウムカチオン、2−メチル−1−ピロリンカチオン、1−エチル−2−フェニルインドールカチオン、1,2−ジメチルインドールカチオン、1−エチルカルバゾールカチオンなどがあげられる。
【0034】
式(B)で表されるカチオンとしては、たとえば、イミダゾリウムカチオン、テトラヒドロピリミジニウムカチオン、ジヒドロピリミジニウムカチオンなどがあげられる。
【0035】
具体例としては、たとえば、1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジエチルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−デシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ドデシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−テトラデシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ヘキサデシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−オクタデシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1−へキシル−2,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,4−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,5−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,3−ジメチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,3−ジメチル−1,6−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3−トリメチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3−トリメチル−1,6−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,4−テトラメチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,4−テトラメチル−1,6−ジヒドロピリミジニウムカチオンなどがあげられる。
【0036】
式(C)で表されるカチオンとしては、たとえば、ピラゾリウムカチオン、ピラゾリニウムカチオンなどがあげられる。
【0037】
具体例としては、たとえば、1−メチルピラゾリウムカチオン、3−メチルピラゾリウムカチオン、1−エチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムカチオン、1−プ口ピル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムカチオン、1−ブチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムカチオン、1−エチル−2−メチルピラゾリニウムカチオンなどがあげられる。
【0038】
式(D)で表されるカチオンとしては、たとえば、テトラアルキルアンモニウムカチオン、トリアルキルスルホニウムカチオン、テトラアルキルホスホニウムカチオンや、上記アルキル基の一部がアルケニル基やアルコキシル基、さらにはエポキシ基に置換されたものなどがあげられる。
【0039】
具体例としては、たとえば、テトラメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、テトラプロピルアンモニウムカチオン、テトラブチルアンモニウムカチオン、テトラペンチルアンモニウムカチオン、テトラヘキシルアンモニウムカチオン、テトラへプチルアンモニウムカチオン、トリエチルメチルアンモニウムカチオン、トリブチルエチルアンモニウムカチオン、トリメチルデシルアンモニウムカチオン、トリオクチルメチルアンモニウムカチオン、トリペンチルブチルアンモニウムカチオン、トリヘキシルメチルアンモニウムカチオン、トリヘキシルペンチルアンモニウムカチオン、トリヘプチルメチルアンモニウムカチオン、トリヘプチルヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムカチオン、グリシジルトリメチルアンモニウムカチオン、ジアリルジメチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N,N−ジプロピルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N,N−ジヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジプロピル−N,N−ジヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−プロピルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ブチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ノニルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ブチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−ブチル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−ブチル−N−ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−ペンチル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−ヘキシル−N−ヘプチルアンモニウムカチオン、トリメチルヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−メチル−N−プロピルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−メチル−N−ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、トリエチルメチルアンモニウムカチオン、トリエチルプロピルアンモニウムカチオン、トリエチルペンチルアンモニウムカチオン、トリエチルヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジプロピル−N−メチル−N−エチルアンモニウムカチオン、N,N−ジプロピル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジプロピル−N−ブチル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジブチル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジブチル−N−メチル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、トリオクチルメチルアンモニウムカチオン、N−メチル−N−エチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、トリメチルスルホニウムカチオン、トリエチルスルホニウムカチオン、トリブチルスルホニウムカチオン、トリヘキシルスルホニウムカチオン、ジエチルメチルスルホニウムカチオン、ジブチルエチルスルホニウムカチオン、ジメチルデシルスルホニウムカチオン、テトラメチルホスホニウムカチオン、テトラエチルホスホニウムカチオン、テトラブチルホスホニウムカチオン、テトラペンチルホスホニウムカチオン、テトラヘキシルホスホニウムカチオン、テトラヘプチルホスホニウムカチオン、テトラオクチルホスホニウムカチオン、トリエチルメチルホスホニウムカチオン、トリブチルエチルホスホニウムカチオン、トリメチルデシルホスホニウムカチオンなどがあげられる。
【0040】
なかでも、トリエチルメチルアンモニウムカチオン、トリブチルエチルアンモニウムカチオン、トリメチルデシルアンモニウムカチオン、トリオクチルメチルアンモニウムカチオン、トリペンチルブチルアンモニウムカチオン、トリヘキシルメチルアンモニウムカチオン、トリヘキシルペンチルアンモニウムカチオン、トリヘプチルメチルアンモニウムカチオン、トリヘプチルヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムカチオン、グリシジルトリメチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−プロピルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ブチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ノニルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ブチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−ブチル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−ブチル−N−ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−ペンチル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−ヘキシル−N−ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N,N−ジヘキシルアンモニウムカチオン、トリメチルヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−メチル−N−プロピルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−メチル−N−ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、トリエチルプロピルアンモニウムカチオン、トリエチルペンチルアンモニウムカチオン、トリエチルヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジプロピル−N−メチル−N−エチルアンモニウムカチオン、N,N−ジプロピル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジプロピル−N−ブチル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジプロピル−N,N−ジヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジブチル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジブチル−N−メチル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、トリオクチルメチルアンモニウムカチオン、N−メチル−N−エチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムカチオンなどのテトラアルキルアンモニウムカチオン、トリメチルスルホニウムカチオン、トリエチルスルホニウムカチオン、トリブチルスルホニウムカチオン、トリヘキシルスルホニウムカチオン、ジエチルメチルスルホニウムカチオン、ジブチルエチルスルホニウムカチオン、ジメチルデシルスルホニウムカチオンなどのトリアルキルスルホニウムカチオン、テトラメチルホスホニウムカチオン、テトラエチルホスホニウムカチオン、テトラブチルホスホニウムカチオン、テトラペンチルホスホニウムカチオン、テトラヘキシルホスホニウムカチオン、テトラヘプチルホスホニウムカチオン、テトラオクチルホスホニウムカチオン、トリエチルメチルホスホニウムカチオン、トリブチルエチルホスホニウムカチオン、トリメチルデシルホスホニウムカチオンなどのテトラアルキルホスホニウムカチオンなどが好ましく用いられる。
【0041】
一方、アニオン成分としては、イオン性液体になることを満足するものであれば特に限定されない。具体的には、たとえば、Cl、Br、I、AlCl、AlCl、BF、PF、ClO、NO、CHCOO、CFCOO、CHSO、CFSO、(CFSO、(CFSO、AsF、SbF、NbF、TaF、F(HF)、(CN)、CSO、(CSO、CCOO、(CFSO)(CFCO)Nなどが用いられる。なかでも特に、フッ素原子を含むアニオン成分は、低融点のイオン性化合物が得られることから好ましく用いられる。
【0042】
本発明に用いられるイオン性液体の具体例としては、上記カチオン成分とアニオン成分の組み合わせから適宜選択して用いられる。
【0043】
具体例としては、たとえば、1−ブチルピリジニウムテトラフルオロボレート、1−ブチルピリジニウムヘキサフルオロホスフェート、1−ブチル−3−メチルピリジニウムテトラフルオロボレート、1−ブチル−3−メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−へキシルピリジニウムテトラフルオロボレート、2−メチル−1−ピロリンテトラフルオロボレート、1−エチル−2−フェニルインドールテトラフルオロボレート、1,2−ジメチルインドールテトラフルオロボレート、1−エチルカルバゾールテトラフルオロボレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロアセテート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヘプタフルオロブチレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムペルフルオロブタンスルホネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジシアナミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロアセテート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘプタフルオロブチレート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムペルフルオロブタンスルホネート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムブロミド、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−へキシル−2,3−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチルピラゾリウムテトラフルオロボレート、3−メチルピラゾリウムテトラフルオロボレート、テトラヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ジアリルジメチルアンモニウムテトラフルオロボレート、ジアリルジメチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジアリルジメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ジアリルジメチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムテトラフルオロボレート、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、グリシジルトリメチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、グリシジルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、グリシジルトリメチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−ブチルピリジニウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、1−ブチル−3−メチルピリジニウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、ジアリルジメチルアンモニウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、グリシジルトリメチルアンモニウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−プロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ブチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−へキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−へプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ノニルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N,N−ジプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ブチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−へキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−へプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−ブチル−N−へキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−ブチル−N−へプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−ペンチル−N−へキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N,N−ジヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリメチルヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−プロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−へプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリエチルプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリエチルペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリエチルヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジプロピル−N−メチル−N−エチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジプロピル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジプロピル−N−ブチル−N−へキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジプロピル−N,N−ジヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジブチル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジブチル−N−メチル−N−ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリオクチルメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−メチル−N−エチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドなどがあげられる。
【0044】
本発明に用いられるイオン性液体は、上記カチオン成分とアニオン成分の組み合わせから適宜選択して用いられるが、水溶性であることが好ましい。
【0045】
水溶性のイオン性液体の具体例としては、たとえば、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムブロミド、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−デシル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−ドデシル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−テトラデシル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1 −へキサデシル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−ヘキシル−2,3−ジメチルイミダゾリウムブロミド、1−へキシル−2,3−ジメチルイミダゾリウムクロリド、1−ブチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−へキシルピリジニウムブロミド、1−へキシルピリジニウムクロリド、1−ブチル−3−メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネートなどがあげられる。
【0046】
上記のようなイオン性液体は、市販のものを使用してもよいが、下記のようにして合成することも可能である。
【0047】
イオン性液体の合成方法としては、目的とするイオン性液体が得られれば特に限定されないが、一般的には、文献“イオン性液体 −開発の最前線と未来−”(シーエムシー出版発行)に記載されているような、ハロゲン化物法、水酸化物法、酸エステル法、錯形成法、および中和法などが用いられる。
【0048】
下記にハロゲン化物法、水酸化物法、酸エステル法、錯形成法、および中和法について含窒素オニウム塩を例にその合成方法について示すが、その他の含硫黄オニウム塩、含リンオニウム塩などその他のイオン性液体についても同様の手法により得ることができる。
【0049】
ハロゲン化物法は、下記式(1)〜(3)に示すような反応によって行われる方法である。まず3級アミンとハロゲン化アルキルと反応させてハロゲン化物を得る(反応式(1)、ハロゲンとしては塩素、臭素、ヨウ素が用いられる)。
【0050】
得られたハロゲン化物を目的とするイオン性液体のアニオン構造(A)を有す酸(HA)あるいは塩(MA、Mはアンモニウム、リチウム、ナトリウム、カリウムなど目的とするアニオンと塩を形成するカチオン)と反応させて目的とするイオン性液体(RNA)が得られる。
【0051】
【化3】

【0052】
水酸化物法は、(4)〜(8)に示すような反応によって行われる方法である。まずハロゲン化物(RNX)をイオン交換膜法電解(反応式(4))、OH型イオン交換樹脂法(反応式(5))または酸化銀(AgO)との反応(反応式(6))で水酸化物(RNOH)を得る(ハロゲンとしては塩素、臭素、ヨウ素が用いられる)。
【0053】
得られた水酸化物を上記ハロゲン化法と同様に反応式(7)〜(8)の反応を用いて目的とするイオン性液体(RNA)が得られる。
【0054】
【化4】

【0055】
酸エステル法は、(9)〜(11)に示すような反応によって行われる方法である。まず3級アミン(RN)を酸エステルと反応させて酸エステル物を得る(反応式(9)、酸エステルとしては、硫酸、亜硫酸、リン酸、亜リン酸、炭酸などの無機酸のエステルやメタンスルホン酸、メチルホスホン酸、蟻酸などの有機酸のエステルなどが用いられる)。
【0056】
得られた酸エステル物を上記ハロゲン化法と同様に反応式(10)〜(11)の反応を用いて目的とするイオン性液体(RNA)が得られる。また、酸エステルとしてメチルトリフルオロメタンスルホネート、メチルトリフルオロアセテートなどを用いることにより、直接イオン性液体を得ることもできる。
【0057】
【化5】

【0058】
錯形成法は、(12)〜(15)に示すような反応によって行われる方法である。まず4級アンモニウムのハロゲン化物(RNX)、4級アンモニウムの水酸化物(RNOH)、4級アンモニウムの炭酸エステル化物(RNOCOCH)などをフッ化水素(HF)やフッ化アンモニウム(NHF)と反応させてフッ化4級アンモニウム塩を得る(反応式(12)〜(14))。
【0059】
得られたフッ化4級アンモニウム塩をBF、AlF、PF、ASF、SbF、NbF、TaFなどのフッ化物と錯形成反応により、イオン性液体を得ることができる(反応式(15))。
【0060】
【化6】

【0061】
中和法は、(16)に示すような反応によって行われる方法である。3級アミンとHBF、HPF、CHCOOH、CFCOOH、CFSOH、(CFSONH、(CFSOCH、(CSONHなどの有機酸とを反応させることにより得ることができる。
【0062】
【化7】

【0063】
上記(1)〜(16)に記載のRは、水素または炭素数1から20の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでもよい。
【0064】
イオン性液体の配合量としては、使用するポリマーとイオン性液体の相溶性により変わるため一概に定義することができないが、一般的にはベースポリマー100重量部に対して、0.01〜40重量部が好ましく、0.03〜20重量部がより好ましく、0.05〜10重量部が最も好ましい。0.01重量部未満であると十分な帯電防止特性が得られず、40重量部を超えると被着体への汚染が増加する傾向がある。
【0065】
本発明においては、単量体成分として炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリレートを50〜99.9重量%含有する水分散型(メタ)アクリル系ポリマーをベースポリマーとして用いる。これらの(メタ)アクリル系ポリマーをベースポリマーとして用いることにより、イオン性液体とベースポリマーとの相溶性のバランスが良好となり、粘着特性を十分に維持することができる。
【0066】
本発明に用いられる(メタ)アクリル系ポリマーとしては、上述したものに該当する粘着性を有する(メタ)アクリル系ポリマーであれば特に限定されない。
【0067】
炭素数1〜14のアルキル基を有す(メタ)アクリレートの具体例としては、たとえば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、n−トリデシル(メタ)アクリレート、n−テトラデシル(メタ)アクリレートなどがあげられる。
【0068】
なかでも本発明の表面保護フィルムに用いる場合には、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、n−トリデシル(メタ)アクリレート、n−テトラデシル(メタ)アクリレートなどが好適に用いられる。これらの炭素数6〜14のアルキル基を主成分とする(メタ)アクリレートからなる(メタ)アクリル系ポリマーを用いることにより、被着体への粘着力を低く制御することが容易となり、再剥離性に優れたものとなる。
【0069】
上述の炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリレートは単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよいが、(メタ)アクリル系ポリマーの全単量体成分中50〜99.9重量%であることが好ましく、60〜99.5重量%がより好ましく、70〜99重量%がさらに好ましい。上述の炭素数1〜14のアルキル基を有す(メタ)アクリレートを主成分とする(メタ)アクリル系ポリマーを用いることにより、イオン性液体とベースポリマーとの相溶性のバランスが良好となり、粘着特性を十分に維持することができる。
【0070】
また、本発明においては、上述の炭素数1〜14のアルキル基を有す(メタ)アクリレートのほかに、架橋剤と反応しうる官能基含有モノマーや(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移点や剥離性を調整するためのその他重合性単量体成分を使用することができる。
【0071】
ただし、カルボキシル基、スルホン酸基などの酸官能基を有す(メタ)アクリレートを用いる場合は、(メタ)アクリル系ポリマーの酸価が40以下になるように調整する方が好ましい。(メタ)アクリル系ポリマーの酸価が40を超えると、帯電防止特性が悪くなる傾向にある。好ましくは29以下である。
【0072】
酸価の調整は、酸官能基を有す(メタ)アクリレートの配合量により調整でき、たとえば、カルボキシル基を有す(メタ)アクリル系ポリマーとして2−エチルヘキシルアクリレートとアクリル酸を共重合した(メタ)アクリル系ポリマーがあげられるが、この場合、2−エチルヘキシルアクリレートとアクリル酸の合計量100重量部に対して、アクリル酸は5.1重量部以下に調整することで、上記酸価を40以下の値にすることができる。また、アクリル酸は3.7重量部以下に調整することで、上記酸価を29以下の値にすることができる。
【0073】
上記官能基含有モノマーとしては、たとえば、カルボキシル基含有モノマー、酸無水物基含有モノマー、ヒドロキシル基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、イソシアネート基含有モノマー、アジリジン基含有モノマーなどの架橋化基点として働く官能基を有す成分を適宜用いることができる。
【0074】
カルボキシル基含有モノマーとしては、たとえば、(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸などがあげられる。
【0075】
酸無水物基含有モノマーとしては、たとえば、無水マレイン酸、無水イタコン酸、上記のカルボキシル基含有モノマーの酸無水物体などがあげられる。
【0076】
ヒドロキシル基含有モノマーとしては、たとえば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12−ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート、(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)メチルアクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ビニルアルコール、アリルアルコール、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテルなどがあげられる。
【0077】
アミノ基含有モノマーとしては、たとえば、アミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどがあげられる。
【0078】
エポキシ基含有モノマーとしては、たとえば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルなどがあげられる。
【0079】
イソシアネート基含有モノマーとしては、たとえば、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートなどがあげられる。
【0080】
上述の官能基含有(メタ)アクリレートは単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよいが、全体としての含有量は(メタ)アクリル系ポリマーの全単量体成分中0.1〜15重量%であることが好ましく、0.2〜12重量%であることがより好ましく、0.3〜10重量%であることが特に好ましい。上記官能基含有(メタ)アクリレートの含有量が0.1重量%よりも少なくなると、架橋剤による架橋形成が不十分となり、粘着剤組成物の凝集力が小さくなって、糊残りの原因となる傾向がある。一方、上記官能基含有(メタ)アクリレートの含有量が15重量%を超えると、粘着剤組成物の凝集力が大きくなりすぎて流動性が低下し、被着体の濡れが不十分となって、はがれの原因になる傾向がある。
【0081】
また、その他の重合性単量体成分として、(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移点や剥離性を調整するための重合性モノマーなどを、本発明の効果を損なわない範囲で使用することができる。
【0082】
その他の重合性単量体成分としては、たとえば、スルホン酸基含有モノマー、リン酸基含有モノマー、シアノ基含有モノマー、ビニルエステル類、芳香族ビニル化合物などの凝集力・耐熱性向上成分や、アミド基含有モノマー、イミド基含有モノマー、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、ビニルエーテル類などの接着力向上や架橋化基点として働く官能基を有す成分を適宜用いることができる。
【0083】
スルホン酸基含有モノマーとしては、たとえば、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸、ビニルスルホン酸ナトリウムなどがあげられる。
【0084】
リン酸基含有モノマーとしては、たとえば、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートがあげられる。
【0085】
シアノ基含有モノマーとしては、たとえば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルがあげられる。
【0086】
ビニルエステル類としては、たとえば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニルなどがあげられる。
【0087】
芳香族ビニル化合物としては、たとえば、スチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、α−メチルスチレン、その他の置換スチレンなどがあげられる。
【0088】
アミド基含有モノマーとしては、たとえば、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドなどがあげられる。
【0089】
イミド基含有モノマーとしては、たとえば、シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、イタコンイミドなどがあげられる。
【0090】
ビニルエーテル類としては、たとえば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテルなどがあげられる。
【0091】
上述のその他の重合性単量体成分は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよいが、全体としての含有量は(メタ)アクリル系ポリマーの全単量体成分中0〜35重量%であることが好ましく、0〜30重量%がより好ましく、0〜25重量%が特に好ましい。上述のその他の重合性単量体成分を用いることにより、イオン性液体との良好な相互作用、および良好な接着性を適宜調節することができる。
【0092】
また、ベースポリマーとして上記(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移温度(Tg)が通常−100℃〜0℃であることが好ましく、−80℃〜−10℃であることがより好ましい。ガラス転移温度が0℃より高くなると、十分な粘着力を得るのが困難になる場合がある。なお、(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移温度(Tg)は、使用する単量体成分やそれらの組成比を適宜変更することにより前記範囲内に調整することができる。
【0093】
本発明の(メタ)アクリル系ポリマーとしては、上述のような単量体成分(モノマー)配合物を、乳化剤の存在下で乳化重合することによって得られた水分散型(メタ)アクリル系ポリマーが用いられる。また、得られるポリマーはランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体などいずれであってもよい。
【0094】
本発明において、乳化重合に使用する乳化剤、重合開始剤などは特に限定されず適宜選択して使用することができる。
【0095】
本発明に用いられる乳化剤としては、たとえば、アルキル硫酸エステル類、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルスルホコハク酸塩類、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル類などのアニオン系乳化剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類などのノニオン系乳化剤などをあげることができる。
【0096】
さらに、乳化剤として、プロペニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基、アリルエーテル基などのラジカル重合性官能基(反応性官能基)が導入された反応性乳化剤を用いてもよい。ラジカル重合性官能基を有することで、反応によってベースポリマー鎖に取り込まれるため、被着体への乳化剤のブリードを防ぐことができる。
【0097】
また、さらに、反応性乳化剤として、アルキレンオキシド基を有する反応性乳化剤を用いてもよい。アルキレンオキシド基を有する反応性乳化剤を用いることで、反応してアルキレンオキシド基がベースポリマー鎖に取り込まれることによって、ベースポリマーとイオン性液体との相溶性が向上し、被着体へのイオン性液体のブリードが好適に抑制され、低汚染性の粘着剤組成物が得られる。
【0098】
上記アルキレンオキシド基を有する反応性乳化剤としては、たとえば、アクア口ンHS−10、HS−20、KH−10、BC−05、BC−10、BC−20、BC−2020(以上、いずれも第一工業製薬社製)、アデカリアソープSE−10N(旭電化工業社製)、ラテムルPD−104(花王社製)などがあげられる。
【0099】
上記乳化剤は、単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよいが、重合安定性や機械的安定性から全体としての含有量はモノマー100重量部に対して、0.1〜10重量部であることが好ましく、0.3〜5重量部であることがより好ましい。
【0100】
重合操作例としては、たとえば、まず上記したモノマーや共重合モノマーを混合し、これに乳化剤および水を配合した後、乳化してエマルションを調製する。このときのモノマーは使用する全体量の全部あるいは一部配合し、残りは重合途中に滴下することも可能である。次いで、このエマルションに重合開始剤および必要により水を加えて、エマルション重合(乳化重合)する。
【0101】
なお、水は、エマルションの調製時にのみ配合してもよく、あるいは、その後に、さらに配合してもよく、後述する重合方法に応じて適宜選択することができる。また、水の配合量は、特に限定されるものではないが、エマルション重合(乳化重合)後の(メタ)アクリル系ポリマーの固形分濃度が、30〜75重量%、好ましくは35〜70重量%になるように調製する。
【0102】
エマルション重合(乳化重合)の方法は、特に限定されず、一括重合法(一括仕込み法)、連続滴下法(モノマー滴下法、モノマーエマルション滴下法)、これらを組み合わせた重合法などから適宜選択することができる。
【0103】
一括重合法では、たとえば、反応容器にモノマー混合物、乳化剤、および水を仕込み、撹拌混合により乳化させてエマルションを調製した後、さらにこの反応容器に重合開始剤および必要により水を加えてエマルション重合(乳化重合)する。
【0104】
また、連続滴下法では、たとえば、まずモノマー混合物、乳化剤および水を加えて、撹拌混合により乳化させて滴下液を調製するとともに、反応容器に重合開始剤および水を仕込み、次いで滴下液を反応容器内に滴下して、エマルション重合(乳化重合)する。
【0105】
エマルション重合後の添加剤としては、たとえば、pH緩衝剤、中和剤、発泡防止剤、安定剤など公知のものを適宜用いることができる。
【0106】
本発明に用いられる重合開始剤としては、たとえば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ハイドレートなどのアゾ系開始剤、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、ジラウロイルパーオキシド、ジ−n−オクタノイルパーオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ(4−メチルベンゾイル)パーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、t−ブチルハイドロパーオキシド、過酸化水素などの過酸化物系開始剤、過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムの組み合わせ、過酸化物とアスコルビン酸ナトリウムの組み合わせなどの過酸化物と還元剤とを組み合わせたレドックス系開始剤などがあげられるが、これらに限定されるものではない。
【0107】
前記重合開始剤は、単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよいが、全体としての含有量はモノマー100重量部に対して、通常0.001〜0.1重量部が好ましく、0.002〜0.05重量部がより好ましい。
【0108】
また、本発明においては、重合において連鎖移動剤を用いてもよい。これらの連鎖移動剤を用いることにより、(メタ)アクリル系ポリマーの分子量などを調整することができる。
【0109】
連鎖移動剤としては、たとえば、ラウリルメルカプタン、グリシジルメルカプタン、メルカプト酢酸、2−メルカプトエタノール、チオグリコール酸、チオグルコール酸2−エチルヘキシル、2,3−ジメルカプト−1−プロパノールなどがあげられる。
【0110】
これらの連鎖移動剤は、単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよいが、全体としての含有量はモノマー100重量部に対して、0.01〜1重量部であることが好ましい。
【0111】
本発明の粘着剤組成物は、(メタ)アクリル系ポリマーを適宜架橋することで、さらに耐熱性に優れた粘着シートが得られる。架橋方法の具体的手段としては、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、メラミン系樹脂、アジリジン化合物、カルボジイミド化合物、金属キレート化合物など、(メタ)アクリル系ポリマーに適宜架橋化基点として含ませたカルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、アミド基などと反応しうる基を有する化合物を添加し反応させるいわゆる架橋剤を用いる方法がある。これらの化合物は、単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
【0112】
さらに、本発明の粘着剤組成物においては水分散型(メタ)アクリル系ポリマーをベースポリマーとすることから、水溶性架橋剤を用いることが好ましい。
【0113】
水溶性架橋としては、たとえば、ポリエチレングリコールグリシジルエーテルなどのエポキシ化合物、水分散型イソシアネート化合物、オキサゾリン化合物、アジリジン化合物、親水化処理カルボジイミド化合物、活性メチロール化合物、活性アルコキシメチル化合物、金属キレート化合物などをあげることができる。
【0114】
これらの架橋剤の使用量は、架橋すべき(メタ)アクリル系ポリマーとのバランスにより、さらには、粘着シートとしての使用用途によって適宜選択される。アクリル粘着剤の凝集力により十分な耐熱性を得るには一般的には、上記(メタ)アクリル系ポリマー100重量部に対して、0.01〜15重量部含有されていることが好ましく、0.5〜10重量部含有されていることがより好ましい。含有量が0.01重量部よりも少ない場合、架橋剤による架橋形成が不十分となり、粘着剤組成物の凝集力が小さくなって、十分な耐熱性が得られない場合もあり、また、糊残りの原因となる傾向がある。一方、含有量が15重量部を超える場合、ポリマーの凝集力が大きく、流動性が低下し、被着体への濡れが不十分となって、はがれの原因となる傾向がある。
【0115】
さらに本発明の粘着シートに用いられる粘着剤組成物には、従来公知の各種の粘着付与剤や表面潤滑剤、界面活性剤、レベリング剤、酸化防止剤、腐食防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、シランカップリンング剤、無機または有機の充項剤、金属粉、顔料などの粉体、粒子状、箔状物などの従来公知の各種の添加剤を使用する用途に応じて適宜添加することができる。
【0116】
一方、本発明の粘着剤層は、以上のような粘着剤組成物を架橋してなるものである。また、本発明の粘着シートは、かかる粘着剤層を支持フィルム上に形成してなるものである。その際、粘着剤組成物の架橋は、粘着剤組成物の塗布後に行うのが一般的であるが、架橋後の粘着剤組成物からなる粘着剤層を支持フィルムなどに転写することも可能である。
【0117】
フィルム上に粘着剤層を形成する方法は特に問わないが、たとえば、上記粘着剤組成物を支持フィルムに塗布し、重合溶剤(水または水溶液)などを乾燥除去して粘着剤層を支持フィルム上に形成することにより作製される。その後、粘着剤層の成分移行の調整や架橋反応の調整などを目的として養生をおこなってもよい。また、粘着剤組成物を支持フィルム上に塗布して粘着シートを作製する際には、支持フィルム上に均一に塗布できるよう、該組成物中に重合溶剤以外の1種以上の溶剤を新たに加えてもよい。
【0118】
また、本発明の粘着剤層の形成方法としては、粘着シートの製造に用いられる公知の方法が用いられる。具体的には、たとえば、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、エアーナイフコート法、含浸およびカーテンコート法、ダイコーターなどによる押出しコート法があげられる。
【0119】
本発明の粘着シートは、上記粘着剤層を通常厚み3〜100μm、好ましくは5〜50μm程度となるようにポリエステルフィルムなどのプラスチックフィルムや、紙、不織布などの多孔質材料などからなる各種の支持体の片面または両面に塗布形成し、シート状やテープ状などの形態としたものである。特に表面保護フィルムの場合には支持体としてプラスチック基材を用いるのが好ましい。
【0120】
プラスチック基材としては、シート状やフィルム状に形成できるものであれば特に限定されるものでなく、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体などのポリオレフィンフィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリアクリレートフィルム、ポリウレタンフィルム、ポリスチレンフィルム、ナイロン6、ナイロン6,6、部分芳香族ポリアミドなどのポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリカーボネートフィルムなどがあげられる。
【0121】
上記フィルムの厚みは、通常5〜200μm、好ましくは10〜100μm程度である。
【0122】
また、プラスチック基材として、偏光板、位相差板、輝度向上板、防眩シートなど、プラスチック基材を積層してなる多層フィルムを用いることもできる。
【0123】
プラスチック基材には、必要に応じて、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系もしくは脂肪酸アミド系の離型剤、シリカ粉などによる離型および防汚処理や酸処理、アルカリ処理、プライマー処理、コロナ処理、プラズマ処理、紫外線処理などの易接着処理、塗布型、練り込み型、蒸着型などの静電防止処理をすることもできる。
【0124】
また、本発明の表面保護フィルムに使用するプラスチック基材は、帯電防止処理されたものがより好ましい。
【0125】
プラスチック基材に施される帯電防止処理としては特に限定されないが、たとえば、一般的に用いられるフィルムの少なくとも片面に帯電防止層を設ける方法やプラスチックフィルムに練り込み型帯電防止剤を練り込む方法が用いられる。
【0126】
フィルムの少なくとも片面に帯電防止層を設ける方法としては、たとえば、帯電防止剤と樹脂成分から成る帯電防止性樹脂や導電性ポリマー、導電性物質を含有する導電性樹脂を塗布する方法や導電性物質を蒸着あるいはメッキする方法があげられる。
【0127】
帯電防止性樹脂に含有される帯電防止剤としては、たとえば、第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、第1、第2、第3アミノ基などのカチオン性官能基を有するカチオン型帯電防止剤、スルホン酸塩や硫酸エステル塩、ホスホン酸塩、リン酸エステル塩などのアニオン性官能基を有するアニオン型帯電防止剤、アルキルベタインおよびその誘導体、イミダゾリンおよびその誘導体、アラニンおよびその誘導体などの両性型帯電防止剤、アミノアルコールおよびその誘導体、グリセリンおよびその誘導体、ポリエチレングリコールおよびその誘導体などのノニオン型帯電防止剤、さらには、上記カチオン型、アニオン型、両性イオン型のイオン導電性基を有する単量体を重合もしくは共重合して得られたイオン導電性重合体があげられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
【0128】
具体的には、カチオン型の帯電防止剤として、たとえば、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アシロイルアミドプロピルトリメチルアンモニウムメトサルフェート、アルキルベンジルメチルアンモニウム塩、アシル塩化コリン、ポリジメチルアミノエチルメタクリレートなどの4級アンモニウム基を有する(メタ)アクリレート共重合体、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリドなどの4級アンモニウム基を有するスチレン共重合体、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリドなどの4級アンモニウム基を有するジアリルアミン共重合体などがあげられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
【0129】
アニオン型の帯電防止剤として、たとえば、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエトキシ硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩、スルホン酸基含有スチレン共重合体があげられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
【0130】
両性イオン型の帯電防止剤として、たとえば、アルキルベタイン、アルキルイミダゾリウムベタイン、カルボベタイングラフト共重合があげられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
【0131】
ノニオン型の帯電防止剤として、たとえば、脂肪酸アルキロールアミド、ジ(2−ヒドロキシエチル)アルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、脂肪酸グリセリンエステル、ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンジアミン、ポリエーテルとポリエステルとポリアミドからなる共重合体、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどがあげられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
【0132】
導電性ポリマーとしては、たとえば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどがあげられる。これらの導電性ポリマーは単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
【0133】
導電性物質としては、たとえば、酸化錫、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化チタン、酸化亜鉛、インジウム、錫、アンチモン、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム、チタン、鉄、コバルト、ヨウ化銅、およびそれらの合金または混合物があげられる。これらの導電性物質は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
【0134】
帯電防止性樹脂および導電性樹脂に用いられる樹脂成分としては、たとえば、ポリエステル、アクリル、ポリビニル、ウレタン、メラミン、エポキシなどの汎用樹脂が用いられる。なお、高分子型帯電防止剤の場合には、樹脂成分を含有させなくてもよい。また、帯電防止樹脂成分に、架橋剤としてメチロール化あるいはアルキロール化したメラミン系、尿素系、グリオキザール系、アクリルアミド系などの化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物を含有させることも可能である。
【0135】
帯電防止層の形成方法としては、たとえば、上記帯電防止性樹脂、導電性ポリマー、導電性樹脂を有機溶剤もしくは水などの溶媒で希釈し、この塗液をプラスチックフィルムに塗布、乾燥することで形成される。
【0136】
上記帯電防止層の形成に用いる有機溶剤としては、たとえば、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロへキサノン、n−へキサン、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールなどがあげられる。これらの溶剤は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
【0137】
上記帯電防止層の形成における塗布方法については公知の塗布方法が適宜用いられ、具体的には、たとえば、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、エアーナイフコート法、含浸およびカーテンコート法、ダイコーターなどによる押出しコート法があげられる。
【0138】
上記帯電防止性樹脂層、導電性ポリマー、導電性樹脂の厚みとしては通常0.01〜5μm、好ましくは0.03〜1μm程度である。
【0139】
導電性物質の蒸着あるいはメッキの方法としては、たとえば、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、化学蒸着、スプレー熱分解、化学メッキ、電気メッキ法などがあげられる。
【0140】
上記導電性物質層の厚みとしては通常20〜10000Åであり、好ましくは50〜5000Åである。
【0141】
また練り込み型帯電防止剤としては、上記帯電防止剤が適宜用いられる。
【0142】
練り込み型帯電防止剤の配合量としては、プラスチックフィルムの総重量に対して20重量%以下、好ましくは0.05〜10重量%の範囲で用いられる。練り込み方法としては、上記帯電防止剤がプラスチックフィルムに用いられる樹脂に均一に混合できる方法であれば特に限定されず、たとえば、加熱ロール、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、二軸混練機などが用いられる。
【0143】
本発明の粘着シートは必要に応じて粘着面を保護する目的で粘着剤表面にセパレーター(または、剥離ライナー、剥離シートなど)を貼り合わせることが可能である。セパレーターを構成する基材としては紙やプラスチックフィルムがあるが、表面平滑性に優れる点からプラスチックフィルムが好適に用いられる。
【0144】
そのフィルムとしては、上記粘着剤層を保護し得るフィルムであれば特に限定されず、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体などのポリオレフィンフィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリアクリレートフィルム、ポリスチレンフィルム、ナイロン6、ナイロン6,6、部分芳香族ポリアミドなどのポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリカーボネートフィルムなどがあげられる。
【0145】
上記フィルムの厚みは、通常5〜200μm、好ましくは10〜100μm程度である。上記フィルムの粘着剤層貼合面には、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系もしくは脂肪酸アミド系の離型剤、シリカ粉などにより適宜離型剤処理が施されている。
【0146】
本発明を用いた粘着剤組成物、粘着剤層、ならびに粘着シートは、特に静電気が発生しやすいプラスチック製品などに用いられ、なかでも特に、電子機器などで静電気を嫌う用途で用いられる帯電防止性の粘着シートおよび表面保護フィルムとして有用である。
【実施例】
【0147】
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。なお、実施例等における評価項目は下記のようにして測定を行った。
【0148】
<酸価の測定>
酸価は、自動滴定装置(平沼産業社製、COM−550)を用いて測定を行い、下記式より求めた。
【0149】
A={(Y−X)×f×5.611}/M
A;酸価
Y;サンプル溶液の滴定量(ml)
X;混合溶媒50gのみの溶液の滴定量(ml)
f;滴定溶液のファクター
M;ポリマーサンプルの重量(g)
【0150】
測定条件は下記の通りである。
サンプル溶液:ポリマーサンプル約0.5gを混合溶媒(トルエン/2−プロパノール/蒸留水=50/49.5/0.5、重量比)50gに溶解してサンプル溶液とした。
滴定溶液:0.1N、2−プロパノール性水酸化カリウム溶液(和光純薬工業社製、石油製品中和価試験用)
電極:ガラス電極;GE−101、比較電極;RE−201
測定モード:石油製品中和価試験1
【0151】
<ガラス転移温度(Tg)の測定>
ガラス転移温度Tg(℃)は、各モノマーによるホモポリマーのガラス転移温度Tgn(℃)として下記の文献値を用い、下記の式により求めた。
式:1/(Tg+273)=Σ〔Wn/(Tgn+273)〕
〔式中、Tg(℃)は共重合体のガラス転移温度、Wn(−)は各モノマーの重量分率、Tgn(℃)は各モノマーによるホモポリマーのガラス転移温度、nは各モノマーの種類を表す。〕
文献値:
2−エチルヘキシルアクリレート:−70℃
n−ブチルアクリレート :−55℃
n−ブチルメタクリレート : 20℃
アクリル酸 :106℃
【0152】
<アクリル系ポリマーの調製>
(アクリル系ポリマー(A))
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器、滴下ロートを備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート59重量部、n−ブチルメタクリレート40重量部、アクリル酸1重量部、乳化剤としてアニオン系反応性乳化剤(第一工業製薬社製、アクアロンBC2020)2重量部とポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル型乳化剤(東邦化学工業社製、フォスファノールRE−410)0.6重量部を仕込み、水150重量部に乳化し、2時間窒素置換した。次いで、55℃に昇温した後、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド0.03重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を55℃に保って8時間重合反応を行った。その後、室温まで冷却し、10重量%アンモニア水で中和して水分散型のアクリル系ポリマー(A)溶液を調製した。このアクリル系ポリマー(A)は、Tg=−29℃、酸価7.5であった。
【0153】
(アクリル系ポリマー(B))
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器、滴下ロートを備えた反応容器に、2−エチルヘキシルアクリレート49.5重量部、n−ブチルメタクリレート49.5重量部、アクリル酸1重量部、乳化剤としてアニオン系反応性乳化剤(第一工業製薬社製、アクアロンBC2020)2重量部を仕込み、水150重量部に乳化し、2時間窒素置換した。次いで、55℃に昇温した後、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド0.03重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を55℃に保って8時間重合反応を行った。その後、室温まで冷却し、10重量%アンモニア水で中和して水分散型のアクリル系ポリマー(B)溶液を調製した。このアクリル系ポリマー(B)は、Tg=−32℃、酸価7.6であった。
【0154】
(アクリル系ポリマー(C))
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器、滴下ロートを備えた反応容器に、2−エチルヘキシルアクリレート96重量部、アクリル酸4重量部、乳化剤としてアニオン系乳化剤(第一工業製薬社製、ハイテノールN−17)3重量部を仕込み、水153重量部に乳化し、2時間窒素置換した。次いで、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド0.03重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を55℃に保って7時間重合反応を行った。その後、室温まで冷却し、10重量%アンモニア水で中和して水分散型のアクリル系ポリマー(C)溶液を調製した。このアクリル系ポリマー(C)は、Tg=−66℃、酸価30であった。
【0155】
(アクリル系ポリマー(D))
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器、滴下ロートを備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート96重量部、アクリル酸4重量部、乳化剤としてアニオン系乳化剤(第一工業製薬社製、ハイテノールN−17)3重量部を仕込み、水153重量部に乳化し、2時間窒素置換した。次いで、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド0.03重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を55℃に保って7時間重合反応を行った。その後、室温まで冷却し、10重量%アンモニア水で中和して水分散型のアクリル系ポリマー(D)溶液を調製した。このアクリル系ポリマー(D)は、Tg=−51℃、酸価31であった。
【0156】
<帯電防止処理フィルムの作製>
帯電防止剤(ソルベックス社製、マイクロソルバーRMd−142、酸化スズとポリエステル樹脂を主成分とする)10重量部を、水30重量部とメタノール70重量部からなる混合溶媒で希釈することにより帯電防止剤溶液を調製した。
【0157】
得られた帯電防止剤溶液を、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ38μm)上にマイヤーバーを用いて塗布し、130℃で1分間乾燥することにより溶剤を除去して帯電防止層(厚さ0.2μm)を形成し、帯電防止処理フィルムを作製した。
【0158】
〔実施例1〕
(粘着剤組成物の調製)
上記アクリル系ポリマー(A)溶液の固形分100重量部に対し、帯電防止剤として1−ブチル−3−メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート(日本カーリット社製、BMP−Trf、水溶性、25℃下で液状)5重量部、架橋剤としてオキサゾリン基含有水溶性架橋剤(日本触媒社製、エポクロスWS−500、40重量%)10重量部を加えて、25℃下で約1分間混合攪拌を行って水分散型のアクリル粘着剤溶液(1)を調製した。なお、BMP−Trfの10重量%水溶液を調製して水溶性であることを確認した。
【0159】
(粘着シートの作製)
上記アクリル粘着剤溶液(1)を、上記の帯電防止処理フィルムの帯電防止処理面とは反対の面に塗布し、110℃で3分間加熱して、厚さ15μmの粘着剤層を形成した。次いで、上記粘着剤層の表面に、片面にシリコーン処理を施した厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムのシリコーン処理面を貼合せて粘着シートを作製した。
【0160】
〔実施例2〕
(粘着剤組成物の調製)
上記アクリル系ポリマー(A)に代えて、上記アクリル系ポリマー(B)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして水分散型のアクリル粘着剤溶液(2)を調製した。
【0161】
(粘着シートの作製)
上記アクリル粘着剤溶液(1)に代えて、上記アクリル粘着剤溶液(2)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
【0162】
〔比較例1〕
(粘着剤組成物の調製)
上記1−ブチル−3−メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート(日本カーリット社製、BMP−Trf、25℃下で液状)を用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして水分散型のアクリル粘着剤溶液(3)を調製した。
【0163】
(粘着シートの作製)
上記アクリル粘着剤溶液(1)に代えて、上記アクリル粘着剤溶液(3)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
【0164】
〔比較例2〕
(粘着剤組成物の調製)
上記1−ブチル−3−メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート(日本カーリット社製、BMP−Trf、25℃下で液状)を用いなかったこと以外は、実施例2と同様にして水分散型のアクリル粘着剤溶液(4)を調製した。
【0165】
(粘着シートの作製)
上記アクリル粘着剤溶液(1)に代えて、上記アクリル粘着剤溶液(4)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
【0166】
〔比較例3〕
(粘着剤組成物の調製)
上記1−ブチル−3−メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート(日本カーリット社製、25℃下で液状)5重量部に代えて、n−ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド(東京化成工業社製、80℃下で固形状)5重量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして水分散型のアクリル粘着剤溶液(5)の調製を試みたが、上記アクリル粘着剤溶液(5)では凝集が起きてしまった。
【0167】
(粘着シートの作製)
上記アクリル粘着剤溶液(5)では凝集が起きたため、粘着シートを作成することができなかった。
【0168】
〔実施例3〕
(粘着剤組成物の調製)
上記アクリル系ポリマー(A)に代えて、上記アクリル系ポリマー(C)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして水分散型のアクリル粘着剤溶液(6)を調製した。
【0169】
(粘着シートの作製)
上記アクリル粘着剤溶液(1)に代えて、上記アクリル粘着剤溶液(6)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
【0170】
〔実施例4〕
(粘着剤組成物の調製)
上記アクリル系ポリマー(A)に代えて、上記アクリル系ポリマー(D)溶液の固形分100重量部に対し、帯電防止剤として1−ブチル−3−メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート(日本カーリット社製、BMP−Trf、水溶性、25℃下で液状)4重量部、架橋剤としてオキサゾリン基含有水溶性架橋剤(日本触媒社製、エポク口スWS−500、40重量%)5重量部を加えた以外は、実施例1と同様にして水分散型のアクリル粘着剤溶液(7)を調製した。
【0171】
(粘着シートの作製)
上記アクリル粘着剤溶液(1)に代えて、上記アクリル粘着剤溶液(7)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
【0172】
〔実施例5〕
(粘着剤組成物の調製)
上記アクリル系ポリマー(A)に代えて、上記アクリル系ポリマー(C)を用い、帯電防止剤として上記1−ブチル−3−メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート(日本カーリット社製、BMP−Trf、水溶性、25℃下で液状)5重量部に代えて、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート(東京化成工業社製、水溶性、25℃下で液状)5重量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして水分散型のアクリル粘着剤溶液(8)を調製した。なお、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネートの10重量%水溶液を調製して水溶性であることを確認した。
【0173】
(粘着シートの作製)
上記アクリル粘着剤溶液(1)に代えて、上記アクリル粘着剤溶液(8)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
【0174】
〔実施例6〕
(粘着剤組成物の調製)
上記アクリル系ポリマー(A)代えて、上記アクリル系ポリマー(C)溶液の固形分100重量部に対し、帯電防止剤として上記1−ブチル−3−メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート(日本カーリット社製、BMP−Trf、水溶性、25℃下で液状)5重量部に代えて、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート(Acros Organics社製、水溶性、25℃下で液状)2.5重量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして水分散型のアクリル粘着剤溶液(9)を調製した。なお、1−ブチル−3メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネートの10重量%水溶液を調製して水溶性であることを確認した。
【0175】
(粘着シートの作製)
上記アクリル粘着剤溶液(1)に代えて、上記アクリル粘着剤溶液(9)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
【0176】
〔実施例7〕
(粘着剤組成物の調製)
上記アクリル系ポリマー(A)に代えて、上記アクリル系ポリマー(C)溶液の固形分100重量部に対し、帯電防止剤として上記1−ブチル−3−メチルビリジニウムトリフルオロメタンスルホネート(日本カーリット社製、 BMP−Trf、水溶性、25℃下で液状)5重量部に代えて、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムブロミド(Acros Organics社製、水溶性、25℃下で液状)9重量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして水分散型のアクリル粘着剤溶液(10)を調製した。なお、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムブロミドの10重量%水溶液を調製して水溶性であることを確認した。
【0177】
(粘着シートの作製)
上記アクリル粘着剤溶液(1)に代えて、上記アクリル粘着剤溶液(10)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
【0178】
〔比較例4〕
(粘着剤組成物の調製)
上記1−ブチル−3−メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート(日本力ーリット社製、BMP−Trf、25℃下で液状)を用いなかったこと以外は、実施例3と同様にして水分散型のアクリル粘着剤溶液(11)を調製した。
【0179】
(粘着シートの作製)
上記アクリル粘着剤溶液(1)に代えて、上記アクリル粘着剤溶液(11)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
【0180】
〔比較例5〕
(粘着剤組成物の調製)
上記1−ブチル−3−メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート(日本力ーリット社製、BMP−Trf、25℃下で液状)を用いなかったこと以外は、実施例4と同様にして水分散型のアクリル粘着剤溶液(12)を調製した。
【0181】
(粘着シートの作製)
上記アクリル粘着剤溶液(1)に代えて、上記アクリル粘着剤溶液(12)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
【0182】
上記の実施例、比較例で得られた粘着シートについて、下記の要領で、剥離帯電圧、汚染性、粘着力、および凝集の発生を評価した。
【0183】
<剥離帯電圧の測定>
作製した粘着シートを幅70mm、長さ130mmのサイズにカットし、セパレーターを剥離した後、あらかじめ除電しておいたアクリル板(三菱レイヨン社製、アクリライト、厚み:1mm、幅:70mm、長さ:100mm)表面、またはあらかじめ除電しておいたアクリル板(三菱レイヨン社製、アクリライト、厚み:lmm、幅:70mm、長さ:100mm)に貼り合わせた偏光板(日東電工社製、SEG1425DU、幅:70mm、長さ:100mm)表面に、片方の端部が30mmはみ出すようにハンドローラーにて圧着した。
【0184】
23℃×50%RHの環境下に一日放置した後、図1および図2に示すように所定の位置にサンプルをセットする。30mmはみ出した片方の端部を自動巻取り機に固定し、剥離角度150°、剥離速度10m/minとなるように剥離した。このときに発生するアクリル板表面または偏光板表面の電位および粘着シート表面の電位をサンプル長さ方向の中央の位置に固定してある電位測定機(春日電機社製、KSD−0103)にて測定した。サンプルと電位測定機との距離はアクリル板表面または偏光板表面測定時100mm、粘着シート表面測定時50mmとした。なお、測定は23℃×50%RHの環境下で行った。
【0185】
<汚染性の評価>
作製した粘着シートを幅50mm、長さ80mmのサイズにカットし、セパレーターを剥離した後、アクリル板(三菱レイヨン社製、アクリライト、厚み:1mm、幅:70mm、長さ:100mm)表面にハンドローラーにて圧着し、評価サンプルを作製した。
【0186】
この評価サンプルを23℃×50%RHの環境下に24時間放置した後、粘着シートを被着体から手で剥離し、その際の被着体表面の汚染状態を目視にて観察・評価した。評価基準は以下のとおりである。
汚染が認められなかった場合:○
汚染が認められた場合:×
【0187】
<粘着力測定>
作製した粘着シートを幅25mm、長さ100mmのサイズに力ットし、セパレーターを剥離した後、偏光板(日東電工社製、SEG1425DU、幅:70mm、長さ:100mm)に0.25MPaの圧力でラミネートし、評価サンプルを作製した。
【0188】
ラミネート後、23℃×50%RHの環境下に30分間放置した後、万能引張試験機にて剥離速度10m/min、剥離角度180℃で剥離したときの粘着力を測定した。測定は23℃×50%RHの環境下で行った。
【0189】
<凝集性の評価>
調製したアクリル粘着剤溶液の凝集性の有無を目視にて観察・評価した。評価基準は以下のとおりである。
凝集が認められなかった場合:○
凝集が認められた場合:×
【0190】
上記の結果を表1に示す。
【0191】
【表1】

【0192】
上記表1の結果により、本発明にしたがって作製された粘着剤組成物を用いた場合(実施例1〜7)、いずれの実施例においても、粘着シート剥離後の粘着シート自体の剥離帯電圧、およびアクリル板、偏光板の剥離帯電圧が抑制され、かつ、汚染の発生もなく、さらに凝集の発生がなく、接着信頼性に優れることが明らかとなった。
【0193】
これに対して、帯電防止剤としてイオン性液体を用いなかった場合(比較例1〜2、4〜5)では、いずれにおいても、アクリル板および偏光板の剥離帯電圧が高い結果となった。また、帯電防止剤として界面活性剤を用いた場合(比較例3)では、アクリル粘着剤溶液で凝集が起こり、粘着シートを作製することができないことが判明した。したがって、比較例ではいずれも、粘着シートおよびアクリル板、偏光板の剥離帯電圧の抑制、ならびに凝集の発生の抑制を並立させることができない結果となり、粘着シート用の帯電防止性の粘着剤組成物には適さないことが明らかとなった。
【図面の簡単な説明】
【0194】
【図1】実施例で剥離帯電圧の測定に使用した電位測定部の概略構成図
【図2】実施例で剥離帯電圧の測定に使用した電位測定部の概略構成図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単量体成分として炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリレートを50〜99.9重量%含有する水分散型(メタ)アクリル系ポリマー、および25℃で液状を呈するイオン性液体を含有してなることを特徴とする粘着剤組成物。
【請求項2】
前記イオン性液体が、含窒素オニウム塩、含硫黄オニウム塩、または含リンオニウム塩のいずれか1種以上である請求項1に記載の粘着剤組成物。
【請求項3】
前記イオン性液体が、下記一般式(A)〜(D)で表される1種以上のカチオンを含む請求項1または2に記載の粘着剤組成物。
【化1】


[式(A)中のRは、炭素数4から20の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでもよく、RおよびRは、同一または異なって、水素または炭素数1から16の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでもよい。ただし、窒素原子が2重結合を含む場合、Rはない。]
[式(B)中のRは、炭素数2から20の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでもよく、R、R、およびRは、同一または異なって、水素または炭素数1から16の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでもよい。]
[式(C)中のRは、炭素数2から20の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでもよく、R、R、およびRは、同一または異なって、水素または炭素数1から16の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでもよい。]
[式(D)中のZは、窒素、硫黄、またはリン原子を表し、R、R、R、およびRは、同一または異なって、炭素数1から20の炭化水素基を表し、ヘテロ原子を含んでもよい。ただしZが硫黄原子の場合、Rはない。]
【請求項4】
前記イオン性液体が、水溶性イオン性液体である請求項1〜3のいずれかに記載の粘着剤組成物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の粘着剤組成物を架橋してなる粘着剤層。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれかに記載の粘着剤組成物を架橋してなる粘着剤層を、支持体の片面または両面に形成してなることを特徴とする粘着シート。
【請求項7】
請求項1〜4のいずれかに記載の粘着剤組成物を架橋してなる粘着剤層を、プラスチック基材からなる支持体上の片面または両面に形成してなることを特徴とする表面保護フィルム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−18992(P2013−18992A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−214855(P2012−214855)
【出願日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【分割の表示】特願2006−135265(P2006−135265)の分割
【原出願日】平成18年5月15日(2006.5.15)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】