Notice: Undefined variable: fterm_desc_sub in /mnt/www/biblio_conv.php on line 353
粘着剤組成物
説明

粘着剤組成物

【課題】 ポリオレフィンのような難接着性の被着体に対しても高い粘着力を示すと共に、耐黄変性に優れた無色透明に近い粘着剤層を形成し得る粘着剤組成物を提供する。
【解決手段】 アクリル系粘着剤用ポリマー、ロジンエステル系粘着付与樹脂およびスチレン系粘着付与樹脂を必須的に含むことを特徴とする粘着剤組成物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリオレフィンのような難接着性の被着体に対しても高い粘着力を示し、耐黄変性も良好な粘着製品を提供することのできる溶剤型の粘着剤組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
アルキル(メタ)アクリレートを主たる構成成分とするアクリル系粘着剤は、タック、粘着力、凝集力等の基本物性に加え、耐熱性、耐候性、耐水性、耐油性等に優れていることから、粘着ラベル、シート、テープ等の粘着製品に幅広く使用されている。このアクリル系粘着剤を、ポリオレフィンのような難接着性の被着体用途に用いる場合、対ポリオレフィン粘着力や耐曲面貼り性を良好にするため、粘着付与樹脂が配合される(特許文献1等)ことが多い。なお、耐曲面貼り性とは、例えば、直径15mmのポリプロピレン製円柱(円筒でも構わない)の表面に、粘着テープ試料を半周にわたって貼り付け、常態下で3日間放置したとき、テープの端部が浮いたり剥がれたりしないことをいう。
【0003】
粘着付与樹脂の中でも多用されているロジンエステル系粘着付与樹脂は黄褐色に着色しているため、ロジンエステル系粘着付与樹脂を配合した粘着剤も黄色みを帯びてしまうが、最近では、なるべく無色透明に近い粘着剤に対する要求が大きくなってきた。
【特許文献1】特開2003−176474号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明では、ポリオレフィンのような難接着性の被着体に対しても高い粘着力を示すと共に、耐黄変性に優れた無色透明に近い粘着剤層を形成し得る粘着剤組成物の提供を課題として掲げた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の粘着剤組成物は、アクリル系粘着剤用ポリマー、ロジンエステル系粘着付与樹脂およびスチレン系粘着付与樹脂を必須的に含むところに要旨を有する。ロジンエステル系粘着付与樹脂とスチレン系粘着付与樹脂との合計量が、アクリル系粘着剤用ポリマー100質量部に対し、10〜40質量部である態様、ロジンエステル系粘着付与樹脂とスチレン系粘着付与樹脂との比率が、20〜60質量部:80〜40質量部である態様、さらに、酸化防止剤を、アクリル系粘着剤用ポリマー100質量部に対し、0.01〜3質量部含む態様は、いずれも本発明の好ましい実施態様である。なお、本発明には、上記粘着剤組成物から得られた粘着剤層が支持基材の少なくとも片面に形成されている粘着製品も含まれる。
【発明の効果】
【0006】
本発明の粘着剤組成物は、ロジンエステル系粘着付与樹脂とスチレン系粘着付与樹脂とを併用する構成を採用したので、ポリオレフィンのような難接着性の被着体に対しても高い粘着力を示し、無色透明に近い粘着剤層を形成することができた。また、酸化防止剤を含む構成の場合は、長期に亘って良好な耐黄変性を示した。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明における「ポリマー」には、ホモポリマーはもとより、コポリマーや三元以上の共重合体も含まれるものとする。また、本発明の「モノマー」は、いずれも付加重合型モノマーである。
【0008】
本発明の粘着剤組成物における第1の必須成分は、アクリル系粘着剤用ポリマーである。この粘着剤用ポリマーとは、まだ架橋剤と架橋していない状態のポリマーを意味する。本発明のアクリル系粘着剤用ポリマーは、アルキル(メタ)アクリレートを主たる原料モノマーとして合成されるものである。アルキル(メタ)アクリレートとしては、炭素数4〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート等を好ましく挙げることができ、なかでもブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレートおよびイソオクチルアクリレートがより好ましい。これらは、1種のみ用いてもよいし2種以上を併用してもよく、限定はされない。
【0009】
このアルキル(メタ)アクリレートは、粘着力発現のためのモノマーであり、原料モノマー混合物100質量%中、60質量%以上使用することが好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましい。少なすぎると、粘着剤用ポリマーの粘着力等が低下したり、耐曲面貼り性が発現しないことがあり好ましくない。
【0010】
粘着剤用ポリマーの原料モノマーとして、官能基含有モノマーを用いてもよい。架橋剤との反応点を粘着剤用ポリマーに導入することで、粘着剤の凝集力を高めることができるからである。このような官能基含有モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、マレイン酸、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等のカルボキシル基含有モノマー;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルのポリカプロラクトン変性物である「プラクセルF」シリーズ(ダイセル化学工業社製)、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エチル、フタル酸とプロピレングリコールとから得られるポリエステルジオールのモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基含有モノマー;グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、脂環エポキシ基含有モノマーである「サイクロマー」シリーズ(ダイセル化学工業社製)等のエポキシ基含有モノマー;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のアミノ基含有モノマー;2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、メタクリロイルイソシアネート等のイソシアネート基含有モノマー;2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン等のオキサゾリン基含有モノマー、β−クロロ(またはブロモ)エチルビニルエーテル、モノクロロ(またはブロモ)酢酸ビニル、α−クロロ(またはブロモ)アクリル酸メチル、3−クロロ(またはブロモ)−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のハロゲン基含有モノマー等が挙げられる。
【0011】
上記各官能基含有モノマーは、1種または2種以上を混合して用いることができるが、イソシアネート基は、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基との反応性を有し、エポキシ基は、アミノ基、カルボキシル基との反応性を有し、アミノ基は、ヒドロキシル基、カルボキシル基との反応性を有し、オキサゾリン基は、カルボキシル基との反応性を有しているので、反応性を有する2つ以上の官能基を同一の粘着剤用ポリマー中に導入すると、ゲル化の原因となるので好ましくない。互いに反応性のない2種以上の官能基であれば、併存可能である。
【0012】
この官能基含有モノマーは、粘着剤用ポリマーの原料モノマー100質量%中、0.01〜5質量%とすることが好ましい。0.01質量%未満であると、架橋点が少な過ぎて架橋密度が不充分となり凝集力が不足気味となる。また5質量%を超えると、架橋密度が高くなって凝集力が高くなり過ぎるので、粘着力および耐曲面貼り性が低下してしまうため、好ましくない。
【0013】
粘着剤用ポリマー合成のためには、上記アルキル(メタ)アクリレートと官能基含有モノマー以外に、その他のモノマーを用いることもできる。その他のモノマーの具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;N−ビニルピロリドン、アクリロイルモルホリン等のN基含有モノマー;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル基含有モノマー;(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド等のアミド系モノマー等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これらのその他のモノマーは、粘着剤用ポリマーの原料モノマー100質量%中、0〜20質量%とすることが好ましい。20質量%を超えると、粘着剤用ポリマーのTgが上がって硬くなるので、粘着力・耐曲面貼り性等の特性が低下するため好ましくない。
【0014】
本発明に係る粘着剤用ポリマーは、常温で粘着性を有していることが好ましく、タックおよび粘着力のバランスの観点から、重合後のポリマーのガラス転移温度(Tg)が−65℃〜−30℃になるように、上記例示したモノマーを選択することが好ましい。TgはDSC(示差走査熱量測定装置)やTMA(熱機械測定装置)によって求めることができる。また、下記式によって求められる計算値を目安とすると、簡便である。
【0015】
【数1】

【0016】
式中、Tgはガラス転移温度(K)を示し、W1、W2、…Wnは、各モノマーの質量分率を示し、Tg1、Tg2、…Tgnは、対応するモノマーのホモポリマーのガラス転移温度(K)を示す。なお、ホモポリマーのTgは、「POLYMER HANDBOOK 第3版」(John Wiley & Sons, Inc.発行)等の刊行物に記載されている数値を採用すればよい。主要ホモポリマーのTg(℃)を示せば、ポリアクリル酸は106℃、ポリメタクリル酸は228℃、ポリメチルアクリレートは8℃、ポリエチルアクリレートは−22℃、ポリブチルアクリレートは−54℃、ポリ2−エチルヘキシルアクリレートは−70℃、ポリ2−ヒドロキシエチルアクリレートは−15℃、ポリ2−ヒドロキシエチルメタクリレートは55℃、ポリメチルメタクリレートは105℃、ポリ2−イソプロペニル−2−オキサゾリンは100℃、ポリ酢酸ビニルは32℃、ポリスチレンは100℃である。
【0017】
本発明では、粘着剤用ポリマーは、溶液重合法または塊状重合法で合成することが望ましいが、溶液重合法は、重合時の重合熱の除去が容易であり、操業性が良いため、溶液重合法の採用が好ましい。用い得る溶媒の具体例としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル等の脂肪族エステル類;シクロヘキサン等の脂環族炭化水素類;ヘキサン、ペンタン等の脂肪族炭化水素類等が挙げられるが、上記重合反応を阻害しなければ、特に限定されない。これらの溶媒は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を適宜混合して用いてもよい。なお、溶媒の使用量は、適宜決定すればよい。
【0018】
重合開始剤としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ラウロイルパーオキサイド、商品名「ナイパーBMT−K40」(日本油脂社製;m−トルオイルパーオキサイドとベンゾイルパーオキサイドの混合物)等の有機過酸化物や、アゾビスイソブチロニトリル、商品名「ABN−E」[日本ヒドラジン工業;2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)]等のアゾ系化合物等の公知のラジカル重合開始剤を利用することができる。残存モノマー量の低減を目的として、重合後期に後添加用開始剤(ブースター)を添加してもよい。
【0019】
開始剤量は合計で、モノマーの質量に対して、0.01〜1質量%となるように使用することが好ましい。あまり多いと、粘着特性の優れた高分子量のポリマーが得られないことがある。粘着特性の点からは、粘着剤用ポリマーの重量平均分子量(Mw)は20万以上が好ましく、30万以上がより好ましい。上限は特に限定されないが、溶液重合では200万を超えるポリマー合成が難しいため、200万以下が好ましく、100万以下がより好ましい。耐曲面貼り性に絞って言えば50万〜70万が最も好ましい。従って、必要に応じて、メルカプト化合物等の公知の連鎖移動剤を用いてもよい。なお、分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の値である。
【0020】
重合温度や重合時間等の重合条件は、例えば、モノマー混合物の組成や、重合溶媒、重合開始剤の種類、あるいは、得られる粘着剤用ポリマーの要求特性、粘着剤の用途等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されない。また、反応圧力も特に限定されるものではなく、常圧(大気圧)、減圧、加圧のいずれであってもよい。なお、重合反応は、窒素ガス等の不活性ガスの雰囲気下で行うことが望ましい。
【0021】
本発明の粘着剤組成物の第2の必須成分は、粘着付与樹脂である。本発明では、粘着付与樹脂として、ロジンエステル系粘着付与樹脂と、スチレン系粘着付与樹脂を併用する必要がある。ロジンエステル系粘着付与樹脂は、ロジンを多価アルコールと反応させてエステル化させたものであり、対ポリオレフィン粘着力や耐曲面貼り性を向上させるために必要であるが、前記した通り、黄褐色に着色している。スチレン系粘着付与樹脂は、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマーから得られるオリゴマーであり、対ポリオレフィン粘着力や耐曲面貼り性の向上効果はロジン系よりも不足気味だが、比較的透明性が高い。従って、これらを併用することにより、本発明の前記課題を解決することができた。
【0022】
ロジンエステル系粘着付与樹脂とスチレン系粘着付与樹脂との合計量は、アクリル系粘着剤用ポリマー100質量部に対し、10〜40質量部であることが好ましい。10質量部未満では、粘着剤の透明性は良好となるが、対ポリオレフィン粘着力や耐曲面貼り性が不足するおそれがある。ただし、40質量部を超えて添加すると、粘着剤の透明性が悪化し、特に長時間高温に曝されたときに黄変する傾向が強くなるため好ましくない。また、ロジンエステル系樹脂とスチレン系樹脂の比率を、20〜60質量部:80〜40質量部とすると、優れた粘着特性を有し、無色透明に近い粘着剤を得ることができる。
【0023】
ロジンエステル系粘着付与樹脂としては、特に限定されないが、商品名「ペンセルD−160」(重合ロジン系;荒川化学工業社製)、商品名「タマノル803L」(ロジンフェノール系;荒川化学工業社製)、商品名「リカタックPCJ」(重合ロジン系;理化ファインテク社製)、商品名「リカタックPH」(水添ロジン系;理化ファインテク社製)等が市販されており、容易に入手できる。これらは単独でも2種以上併用してもよい。
【0024】
スチレン系粘着付与樹脂としては、特に限定されないが、商品名「FTR−2140」(スチレン・α−メチルスチレン共重合系)、商品名「FTR−6125」(スチレン系モノマー・脂肪族系モノマー共重合系)、商品名「FTR−7125」(スチレン系モノマー・α−メチルスチレン・脂肪族系モノマー共重合系)、商品名「FTR−8120」(スチレン系モノマー単一重合系)、商品名「FMR−0150」(スチレン系モノマー・芳香族系モノマー共重合系)等(全て三井化学社製)が市販されており、容易に入手できる。これらは単独でも2種以上併用してもよい。
【0025】
上記ロジンエステル系粘着付与樹脂は、長時間高温に曝されると黄変する傾向がある。また、スチレン系粘着付与樹脂もスチレンに由来する芳香環を有しているため、ロジンエステル系よりは耐黄変性がよいが、やはり徐々に黄変する傾向がある。このような黄変を防ぐため、本発明の粘着剤組成物には酸化防止剤(紫外線吸収剤、紫外線安定剤も含む)を配合することが望ましい。酸化防止剤は、アクリル系粘着剤用ポリマー100質量部に対し、0.01〜3質量部配合することが好ましい。
【0026】
用い得る化合物としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール等のフェノール系酸化防止剤;ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)等の硫黄系酸化防止剤;オクチル化ジフェニルアミン等のアミン系酸化防止剤;トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等のリン系酸化防止剤;フェニルサリシレート、p−tert−ブチルフェニルサリシレート等のサリチル酸系紫外線吸収剤、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシ等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート等のシアノアクリレート系紫外線吸収剤;「チヌビン123」、「チヌビン144」、「チヌビン765」(「チヌビン」は登録商標;いずれもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、「アデカスタブLA−52」、「アデカスタブLA−57」、「アデカスタブLA−62」、「アデカスタブLA−77」(いずれも旭電化工業社製)等のヒンダードアミン系紫外線安定剤等が挙げられる。
【0027】
本発明の粘着剤組成物には、粘着剤用ポリマーを架橋するための架橋剤を配合することが望ましい。架橋剤としては、前記官能基含有モノマーの有する官能基であって粘着剤用ポリマーに導入された官能基との反応性を有する官能基を1分子中に2個以上有する化合物を用いることができる。このような官能基としては、イソシアネート基、エポキシ基、アミノ基、メチロール基、アルコキシメチル基、イミノ基、金属キレート基、アジリジニル基等が挙げられる。具体的な化合物としては、多官能イソシアネート化合物、多官能エポキシ化合物、多官能メラミン化合物、金属架橋剤、アジリジン化合物等が挙げられる。
【0028】
イソシアネート基を2個以上有する多官能イソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物;「スミジュールN」(住化バイエルウレタン社製)等のビュレットポリイソシアネート化合物;「デスモジュールIL」、「デスモジュールHL」(いずれもバイエルA.G.社製)、「コロネートEH」(日本ポリウレタン工業社製)等として知られるイソシアヌレート環を有するポリイソシアネート化合物;「スミジュールL」(住化バイエルウレタン社製)等のアダクトポリイソシアネート化合物;「コロネートL」および「コロネートL−55E」(いずれも日本ポリウレタン工業社製)等のアダクトポリイソシアネート化合物等を挙げることができる。これらは、単独で使用し得るほか、2種以上を併用することもできる。また、これらの化合物のイソシアネート基を活性水素を有するマスク剤と反応させて不活性化したいわゆるブロックイソシアネートも使用可能である。
【0029】
多官能エポキシ化合物としては、1分子当たりエポキシ基を2個以上有する化合物であれば特に限定されるものではない。具体例としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ビスフェノールA・エピクロルヒドリン型エポキシ樹脂、N,N,N',N'−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトルイジン等が挙げられる。
【0030】
多官能メラミン化合物としては、メチロール基またはアルコキシメチル基またはイミノ基を合計で1分子当たり2個以上有する化合物であれば、特に限定されるものではない。具体例としては、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミン、ヘキサプロポキシメチルメラミン、ヘキサブトキシメチルメラミン、ヘキサペンチルオキシメチルメラミン等が挙げられる。
【0031】
金属架橋剤としては、特に限定されるものではない。具体例としては、アルミニウム、亜鉛、カドミウム、ニッケル、コバルト、銅、カルシウム、バリウム、チタン、マンガン、鉄、鉛、ジルコニウム、クロム、錫等の金属に、アセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、乳酸エチル、サリチル酸メチル等が配位した金属キレート化合物等が挙げられる。
【0032】
アジリジン化合物としては、N,N'−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、ビスイソフタロイル−1−(2−メチルアジリジン)、トリ−1−アジリジニルホスフォンオキサイド、N,N'−ジフェニルエタン−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)等が挙げられる。
【0033】
架橋剤の使用量は特に限定されないが、粘着剤用ポリマー(固形分)に対し、架橋剤を0.05〜15質量%とすることが好ましい。0.05質量%よりも少ないと、架橋が不充分となって架橋密度が低く、凝集力不足となることがある。15質量%を超えると、架橋密度が高くなり過ぎて、粘着力が低くなることがある。より好ましい下限は0.1質量%、上限は10質量%である。
【0034】
本発明の粘着剤組成物には、公知の架橋剤、湿潤剤、粘性調節剤、増粘剤、消泡剤、改質剤、顔料、着色剤、充填剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤等の添加剤を、本発明の目的を阻害しない範囲で加えてもよい。
【0035】
粘着剤用ポリマーと前記粘着付与樹脂、必要により、酸化防止剤、上記各種添加剤、溶剤等を混合して調製された粘着剤組成物は、例えば、粘着シート、粘着ラベル、粘着テープ、両面テープ等の各種粘着製品の製造に好適に用いることができる。このような粘着製品は、基材レスで、または基材に粘着剤組成物の層を形成し、架橋反応させることにより製造される。
【0036】
基材としては、上質紙、クラフト紙、クレープ紙、グラシン紙等の従来公知の紙類;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、セロファン等のプラスチックあるいはこれらのプラスチックにAl等の金属蒸着膜を形成したもの;織布、不織布等の繊維製品等を利用できる。基材の形状は、例えば、フィルム状、シート状、テープ状、板状、発泡体等が挙げられるが、特に限定されるものではない。基材の片面に粘着剤組成物を公知の方法で塗布することによって、粘着シート、粘着テープ、粘着ラベル等を得ることができる。また、紙、合成紙、プラスチックフィルム等のシート状物に離型剤が塗布されている離型紙等に粘着剤組成物を塗布することにより、基材レス(単層構造)の粘着剤層が得られ、基材レスの両面テープとして使用することができる。また、上記基材の両面に同種または異種の粘着剤組成物を塗布して、両面テープとしてもよい。
【0037】
粘着剤組成物を基材に塗布する方法は、特に限定されるものではなく、ロールコーティング法、スプレーコーティング法、ディッピング法等の公知の方法を採用することができる。この場合、粘着剤組成物を基材に直接塗布する方法、離型紙等に粘着剤組成物を塗布した後、この塗布物を基材上に転写する方法等いずれも採用可能である。
【0038】
粘着剤組成物を塗布した後、乾燥させることにより、基材上に粘着剤層が形成される。乾燥温度は、特に限定されるものではない。なお、用途によっては、粘着剤組成物を被着体に直接、塗布してもよい。粘着剤層が形成された粘着製品は、養生することが好ましい。養生条件は、適宜、温度・湿度・時間を定めて行えばよい。養生後の特性の経時変化を抑制するためには、加湿下で養生させて架橋反応を促進することが望ましい。
【0039】
基材上に形成された粘着剤層の表面には、例えば、離型紙を貼着してもよい。粘着剤層表面を好適に保護・保存することができる。剥離紙は、粘着製品を使用する際に、粘着剤層表面から引き剥がされる。なお、シート状やテープ状等の基材の片面に粘着剤層が形成されている場合は、この基材の背面に公知の離型剤を塗布して離型剤層を形成しておけば、粘着剤層を内側にして、粘着シート(テープ)をロール状に巻くことにより、粘着剤層は、基材背面の離型剤層と当接することとなるので、粘着剤層表面が保護・保存される。
【実施例】
【0040】
以下実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例のみに限定されるものではない。なお以下特にことわりのない場合、「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」をそれぞれ示すものとする。
【0041】
合成例1(粘着剤用ポリマー溶液No.1の合成)
温度計、撹拌機、不活性ガス導入管、還流冷却器および滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)98.2部、アクリル酸(AA)1.5部および2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)0.3部からなるモノマー混合物のうち40部と、酢酸エチル60部を加えて昇温し、80℃になったところで過酸化物系開始剤(ナイパーBMT−K40:日本油脂社製)0.1部を添加して重合を開始した。重合開始後、10分経過してから、残りのモノマー混合物60部と酢酸エチル20部とナイパーBMT−K40を0.1部混合した物を、90分間に亘って均一に滴下しながら、還流温度で重合を続けた。モノマーの滴下が終了してから90分後に、後添加用開始剤としてアゾ系重合開始剤(ABN−E:日本ヒドラジン工業(株)社製)を0.3部とトルエン40部を添加し、さらに90分間熟成して反応を終了させた。その結果、固形分45.0%、重量平均分子量55.0万(Mw:GPC測定:標準ポリスチレン換算)の粘着剤用ポリマー溶液No.1を得た。
【0042】
なお、GPCによる分子量測定条件は以下の通りである。
GPC測定装置:Liquid Chromatography Model 510 (Waters社製)
検出器:M410示差屈折計
カラム:Ultra Styragel Linear(7.8mm×30cm)
Ultra Styragel 100A (7.8mm×30cm)
Ultra Styragel 500A (7.8mm×30cm)
溶媒:THF(テトラヒドロフラン)
試料濃度は0.2%、注入量は200マイクロリットル/回とした。
【0043】
実施例1
上記粘着剤用ポリマー溶液No.1に、トルエン20部、ロジンエステル系粘着付与樹脂(「タマノル803L」;荒川化学工業社製;ロジンフェノール系)10部、スチレン系粘着付与樹脂(「FTR−6125」;三井化学社製;スチレン系モノマー・脂肪族系モノマー共重合系)10部を混合した物を加え、粘着付与樹脂含有ポリマー溶液を得た。この粘着付与樹脂含有ポリマー溶液100部に対し、「コロネートL−55E」(変性TDI系イソシアネート;日本ポリウレタン社製;固形分55%)1.5部と、酸化防止剤(「スミライザーBHT」;住友化学工業社製;2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール)0.2部配合してよく混合し、粘着剤組成物を作製した。この組成物を用いて、後述する方法に従い、試験片を作成すると共に各種粘着特性評価を行った。結果を表1に示した。
【0044】
[試験片の作成方法]
基材としてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ株式会社製、厚さ50μm)を用い、粘着剤組成物を乾燥後の厚さが30μmとなるように塗布した後、100℃で3分間乾燥させた。その後、粘着剤表面に離型紙(サンエー化研株式会社製、商品名K−80HS)を貼着して保護した後、温度23℃、相対湿度65%の雰囲気下で7日間養生し、粘着シート(粘着製品)を得た。この粘着シートを所定の大きさに切断して、試験片を作製した。なお、離型紙は各種測定試験を実施する際に引き剥がした。
【0045】
[耐黄変性]
JIS K5400(1990)の7.4.2.に基づき、粘着シートから離型紙を剥がし、50μmのPETフィルムを貼り合わせ、150℃の熱風循環オーブン中で5時間放置する前後の色差(b値)を色差計(日本電色社製「SE−2000」)で測定し、○:色差の差(Δb)が2.0未満、△:色差の差(Δb)が2.0以上、5.0未満、×:色差の差(Δb)が5.0以上として評価した。
【0046】
[粘着力の測定方法]
幅25mm、適宜長さに切り取った粘着フィルムを用意し、23℃、相対湿度65%の雰囲気下で、2kgのゴムローラを3往復させることでポリエチレン板(PE板;エンジニアリングテストサービス社製)に粘着フィルムを圧着した。圧着してから25分後に、引張試験機で、速度300mm/分で、粘着フィルムを180゜方向に引っ張ってPE板から剥離させた時の強度を測定し、この剥離強度を粘着力(N/25mm)とした。
【0047】
[耐曲面貼り性]
温度23℃、相対湿度65%の雰囲気下で、ポリプロピレン製の円柱(直径15mm)の円周に沿って、半周分の長さに相当する幅10mmの試験片(ラベル)を貼り付け、3日後にラベルの浮き状態を観察した。浮き状態は、図1に示した基準で判断した。
【0048】
実施例2、参考例1、比較例1〜2
表1に示したように、粘着付与樹脂および酸化防止剤の量を変更した以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物を作製し、特性評価を行った。結果を表1に併記した。
【0049】
【表1】

【0050】
実施例1および2は、耐黄変性に優れており、粘着力や耐曲面貼り性にも優れていた。参考例1では、酸化防止剤が配合されていないので、高温下で若干の黄変が認められた。比較例1は、ロジンエステル系粘着付与樹脂のみを使用したため黄変がひどく、比較例2は、スチレン系粘着付与樹脂のみを使用したため、ポリオレフィンに対する粘着特性が劣るものとなった。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明の粘着剤組成物では、ロジンエステル系粘着付与樹脂とスチレン系粘着付与樹脂を併用したので、ポリオレフィンに対する粘着力に優れ、しかも耐黄変性も良好な透明に近い粘着製品を提供することができた。この粘着製品は、特にポリオレフィンを被着体とする粘着製品として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】耐曲面貼り性の評価基準を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクリル系粘着剤用ポリマー、ロジンエステル系粘着付与樹脂およびスチレン系粘着付与樹脂を必須的に含むことを特徴とする粘着剤組成物。
【請求項2】
ロジンエステル系粘着付与樹脂とスチレン系粘着付与樹脂との合計量が、アクリル系粘着剤用ポリマー100質量部に対し、10〜40質量部である請求項1に記載の粘着剤組成物。
【請求項3】
ロジンエステル系粘着付与樹脂とスチレン系粘着付与樹脂との比率が、20〜60質量部:80〜40質量部である請求項1または2に記載の粘着剤組成物。
【請求項4】
さらに、酸化防止剤を、アクリル系粘着剤用ポリマー100質量部に対し、0.01〜3質量部含むものである請求項1〜3のいずれかに記載の粘着剤組成物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の粘着剤組成物から得られた粘着剤層が支持基材の少なくとも片面に形成されていることを特徴とする粘着製品。


【図1】
image rotate


【公開番号】特開2006−96957(P2006−96957A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−287901(P2004−287901)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(000004628)株式会社日本触媒 (2,292)
【Fターム(参考)】