説明

粘着性ゴムの切断方法および装置

【課題】粘着性ゴムを連続して効率良く切断できる粘着性ゴムの切断方法を提供すること。
【解決手段】ダイス22の成形用孔から水平方向に向けて粘着性を有するゴム20を一定の断面形状で押し出す。成形用孔の周囲のダイス端面2202に対向した状態で成形用孔の軸心CL1と直交する鉛直面上を延在する剃刀刃26を、成形用孔の通過後は水平方向におけるダイス端面2202からの距離が大きくなるように、成形用孔の軸心CL1と直交する面上で水平方向に延在する回転軸28を中心として回転させ、成形用孔の周囲のダイス端面2202に剃刀刃26を近接させつつ成形用孔から押し出されたゴム20を切断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘着性ゴムを効率良く切断でき所定の場所に確実に落下させることができる粘着性ゴムの切断方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一定の断面形状で押し出されてくる柔軟物質をカッターで連続切断する場合、カッターを、柔軟物質が押し出されてくる方向に対して直交する平面上を延在するように設け、この平面上でカッターを回転移動させ、柔軟物質を連続して切断する方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭48−100781
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、切断の対象が粘着性を有するゴムの場合には、この切断方法では、ゴムの粘着性のため種々の問題が生じる。
例えば、押し出されてくるゴムに対してカッターが接触する面を表面とし、その裏面を背面とすると、柔軟物質が押し出されてくる方向に対して直交する平面上にカッターを移動させた場合、ゴムの切断後にカッターの表面と粘着性ゴムとの間に糸を引くため、粘着性ゴムを連続して切断する上で不利となる。
また、ゴムの切断後、切断されたゴムは、粘着性を有するが故にカッターの背面に付着する。このように粘着性を有するゴムがカッターの背面に付着した場合、どのようにしてゴムをカッターの背面から剥がし、回収するかが重要な問題となる。すなわち、切断毎にカッターの背面に付着したゴムは、粘着性を有するが故に剥がれ難く、剥がし方がうまくいかないと、カッターの背面に付着したゴムは切断毎に異なった方向に飛散してしまう。
【0005】
本発明は前記事情に鑑み案出されたものであって、本発明の目的は、粘着性ゴムを連続して効率良く切断できる粘着性ゴムの切断方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、粘着性ゴムを連続して効率良く切断でき、しかも、切断したゴム体を確実に回収できる粘着性ゴムの切断方法および装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため本発明の粘着性ゴムの切断方法は、ダイスの成形用孔から水平方向に向けて粘着性を有するゴムを一定の断面形状で押し出し、前記成形用孔の周囲のダイス端面に対向した状態で前記成形用孔の軸心と直交する鉛直面上を延在する剃刀刃を、前記成形用孔の通過後は水平方向における前記ダイス端面からの距離が大きくなるように、前記成形用孔の軸心と直交する面上で水平方向に延在する回転軸を中心として回転させ、前記成形用孔の周囲のダイス端面に前記剃刀刃を近接させつつ前記成形用孔から押し出されたゴムを切断するようにしたことを特徴とする。
また、本発明の粘着性ゴムの切断装置は、ダイスの成形用孔から水平方向に向けて粘着性を有するゴムを一定の断面形状で押し出す供給部と、前記成形用孔から押し出されたゴムを剃刀刃により所定の長さに切断する切断部と、前記剃刀刃で切断され前記ゴムの粘着性により前記剃刀刃に付着されたゴム体を前記剃刀刃から剥がす剥離部と、前記剥離部により前記剃刀刃から剥がされたゴム体を回収する回収部とを備え、前記切断部は、前記成形用孔の軸心の延長上の箇所を通り水平方向に延在する回転軸を中心として回転する切断部用アームを備え、前記剃刀刃は、前記切断部用アームの先部に取着され前記切断部用アームが前記成形用孔に向かって水平方向に延在した状態で前記成形用孔の軸心と直交する鉛直面上を延在し前記成形用孔の周囲のダイス端面に対向する表面と、その反対側に位置する裏面とを有し、前記剃刀刃は、前記切断部用アームの回転に伴い前記成形用孔の周囲のダイス端面に近接しつつ前記成形用孔から押し出されたゴムを切断し、前記剥離部は、前記回転軸と平行する揺動軸により鉛直下方に吊り下げられ前記揺動軸を中心として鉛直面内で搖動可能な剥離部用アームと、前記剥離部用アームの下端に前記回転軸と平行に突設された支軸と、前記支軸よりも大きな内径の中心孔と外周面とを有し前記中心孔に前記支軸が挿通されることで支持され前記剃刀刃で切断され前記剃刀刃の裏面に付着したゴム体の先部に当接可能で前記ゴム体の先部に当接することで前記ゴム体を前記裏面から剥がす環板部材とを備え、前記回収部は、前記切断部と前記剥離部の下方に設けられ、前記剃刀刃の裏面から落下するゴム体を収容可能に設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の粘着性ゴムの切断方法および装置によれば、剃刀刃は、ゴムを切断したのち、水平方向における前記ダイス端面からの距離が大きくなるように、ダイスの端面から離れつつ移動するので、剃刀刃と成形用孔内のゴムとの間で糸を引くことが防止される。したがって、粘着性を有するゴムを安定した状態で連続して切断することが可能となる。
また、本発明の粘着性ゴムの切断装置によれば、環板部材から受ける衝撃と環板部材から受ける摩擦力とにより、ゴム体の基部は剃刀刃の裏面から確実に剥がされ、切断部用アームの回転に伴ってばらつくことがなく所定の箇所でその自重により確実に落下する。
したがって、切断された粘着性を有するゴム体を確実に回収でき、次の工程へ円滑に搬送してゴム体の成形を効率良く行なう上で有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】切断装置の正面図でゴムを剃刀刃で切断する手前の状態を示した図である。
【図2】切断装置の正面図でゴムを剃刀刃で切断した状態を示した図である。
【図3】切断装置の正面図で、剃刀刃の裏面に取着したゴム体の先部が環板部材に当接した状態を示した図である。
【図4】切断装置の正面図で、剃刀刃の裏面に取着したゴム体が環板部材により剥がされる状態を示した図である。
【図5】切断装置の正面図で、剃刀刃の裏面に取着したゴム体が環板部材により剥がされる状態を示した図である。
【図6】切断装置の正面図で、剃刀刃の裏面に取着したゴム体が環板部材により剥がされる状態を示した図である。
【図7】切断装置の正面図で、ゴム体が自重により剃刀刃の裏面から落下した状態を示した図である。
【図8】切断装置の正面図で、剃刀刃の裏面から落下したゴム体が回収される状態を示した図である。
【図9】図2のA矢視図である。
【図10】図8のA矢視図である。
【図11】図4のA矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の粘着性ゴムの切断方法を切断装置と共に図面にしたがって説明する。
粘着性ゴムの切断装置10は、供給部12と、切断部14と、剥離部16と、回収部18とを備えている。
【0010】
供給部12では、例えば、押出機で吐出成型された粘着性を有するゴム20が、ダイス22の成形用孔から水平方向に向けて一定の断面形状で押し出される。
成形用孔の軸心CL1は水平方向に延在し、成形用孔の周囲のダイス端面2202は鉛直面上を延在しており、成形用孔から断面が円形のゴム20が押し出される。
【0011】
切断部14は、成形用孔から押し出されたゴム20を所定の長さに切断する。
切断部14は、切断部用アーム24と、剃刀刃26と、切断部用アーム24の回転駆動機構30とを備えている。
切断部用アーム24は、図1に示すように、成形用孔の軸心CL1の延長上の箇所を通って軸心CL1に直交する水平方向に延在する中空の回転軸28を中心として鉛直面上を回転するように設けられ、図9〜図11において符号CL2は、回転軸28の軸心を示している。
剃刀刃26は、切断部用アーム24の回転に伴い成形用孔の周囲のダイス端面2202に近接しつつ成形用孔から押し出されたゴム20を切断する。
剃刀刃26は、図9に示すように、切断部用アーム24の先部にねじN1を介して取着されている。
剃刀刃26は、厚さが0.1mm〜0.5mmの均一の厚さを有しており、その刃部はその先端に至るにつれて次第に薄くなるように形成されている。
剃刀刃26は、切断部用アーム24の先部が成形用孔側に位置して切断部用アーム24が水平方向に延在した状態で、表面26Aが成形用孔側に位置し、裏面26Bが回転軸28側に位置して鉛直面上を延在するように設けられている。
切断部用アーム24の回転駆動機構30は、図9〜図11に示すように、中空の回転軸28と、回転軸28を回転可能に支持する軸受3002と、回転軸28に取着された歯車3004と、この歯車3004に噛合する歯車機構(不図示)と、この歯車機構を回転駆動するモータ(不図示)とを備え、モータの回転速度は制御部により制御される。なお、図9〜図11において符号3010、3012は支持壁を示している。
なお、成形用孔から円柱状に押し出されるゴム20が所定の長さで剃刀刃26により切断され、この切断された所定の長さの円柱状のゴム20をゴム体20Aと呼ぶ。
【0012】
剥離部16は、剃刀刃26で切断されゴム20の粘着性により剃刀刃26の裏面26Bに付着されたゴム体20Aを剃刀刃26から剥がすものである。
剥離部16は、剥離部用アーム32と、支軸34と、環板部材36とを備える、
剥離部用アーム32は、図9〜図11に示すように、切断部用アーム24の回転軸28と同軸の揺動軸38に揺動可能に支持され、揺動軸38は、回転軸28の内部に回転可能に挿通され、軸受3014を介して回転可能に支持され、揺動軸38と回転軸28は同軸上に位置している。
剥離部用アーム32は、その自重により鉛直下方に吊り下げられ、揺動軸38を中心として鉛直面内で揺動可能である。
支軸34は、剥離部用アーム32の下端に切断部用アーム24の回転軸28と平行に突設されている。
環板部材36は、剃刀刃26で切断され剃刀刃26の裏面26Bに付着したゴム体20Aの先部に当接可能な箇所に配置され、ゴム体20Aの先部に当接し、その衝撃と摩擦力とによりゴム体20Aを剃刀刃26の裏面26Bから剥がすものである。
環板部材36は、支軸34よりも大きな内径の中心孔3602と、中心孔3602を中心とした外周面3604を有し、中心孔3602に支軸34が挿通されることで支持されている。
環板部材36の外周面3604は、図3〜図6に示すように、剃刀刃26の裏面26Bに付着したゴム体20Aの先部が当接可能で、ゴム体20Aの先部が外周面3604に当接して環板部材36が支軸34の径方向に移動され、支軸34が中心孔3602の内周面に当接した状態で、ゴム体20Aの先部に接する寸法で形成されている。
環板部材36は、図9〜図11に示すように、ゴム体20Aの直径よりも小さい厚さで複数設けられており、支軸34上で重ね合わされて配設され、それらは互いに支軸34の径方向に移動可能であり、無論、支軸34の周りに回転可能である。
【0013】
回収部18は、剥離部16により剃刀刃26から剥がされたゴム体20Aを回収するものである。
回収部18は、供給部12、切断部14、剥離部16の下方に設けられており、剃刀刃26の裏面26Bから落下するゴム体20Aを下方斜め方向に導くガイド板40と、ガイド板40の下方に設けられた搬送ベルト42などを含んで構成されている。
【0014】
次に、切断装置10の動作について説明する。
押出機で吐出成型された粘着性を有するゴム20を、ダイス22の成形用孔から水平方向に向けて円柱状に押し出す。
そして、切断されるゴム20が所定の長さとなるように、ゴム20が押し出される速度に対応させて切断部用アーム24の回転速度を調整し、回転軸28を中心として切断部用アーム24を鉛直面内で回転させる。
【0015】
切断部用アーム24の回転により剃刀刃26も回転し、成形用孔の周囲のダイス端面2202に剃刀刃26を近接させつつ成形用孔から押し出されたゴム20を切断する。なお、本発明において成形用孔の周囲のダイス端面2202に剃刀刃26を近接させつつとは、成形用孔の周囲のダイス端面2202に剃刀刃26を接触させつつをも含む。
切断されたゴム体20Aは、ゴム20の粘着性により剃刀刃26の裏面26Bに付着する。
剃刀刃26の裏面26Bにゴム体20Aが付着された状態で切断部用アーム24が回転すると、図3に示すように、切断部用アーム24が鉛直方向に沿って延在する手前の状態で、ゴム体20Aの先部が複数の環板部材36の外周面3604に当接する。
【0016】
ゴム20の先部が複数の環板部材36の外周面3604に当接すると、環板部材36が支軸34の径方向に移動し、支軸34と中心孔3602との間の隙間が、ゴム体20Aの先部と反対側に位置し、ゴム体20Aの先部側に位置する中心孔3602の内周面の箇所が支軸34に衝突する。
その時の衝撃がゴム体20Aに伝わり、切断部用アーム24の回転方向の前方側のゴム体20Aの基部が剃刀刃26の裏面26Bから剥がされる。
一方、ゴム体20Aの先部側に位置する環板部材36の中心孔3602の内周面の箇所が支軸34に衝突すると同時に、ゴム体20Aの先部により剥離部用アーム32が揺動される。
【0017】
ゴム体20Aは、その先部が複数の環板部材36の外周面3604に接しているので、切断部用アーム24の回転に伴って剥離部用アーム32を回転させつつ、複数の環板部材36の外周面3604との摩擦によりゴム体20Aの基部が剃刀刃26の裏面26Bから剥がされていき、剃刀刃26と共に回転移動する。
図5、図6、図7に示すように、切断部用アーム24が鉛直下方に延在する状態から水平方向に延在する状態に揺動するまでの間に、ゴム体20Aは剃刀刃26の裏面26Bから剥がれ、その自重により下方に落下する。
落下したゴム体20Aは、ガイド板40により案内され、搬送ベルト42上に落下し、搬送ベルト42により次の工程へ搬送される。
切断部用アーム24の回転により、ゴム体20Aの切断、ゴム体20Aの剥離、落下、搬送の上述の動作が連続して繰り返してなされる。
【0018】
本実施の形態によれば、剃刀刃26は、成形用孔の軸心CL1の延長上の箇所を通り軸心CL1と直交する水平方向に延在する回転軸28を中心として回転運動を行なうので、ゴム20を切断したのち、剃刀刃26は、水平方向におけるダイス端面2202からの距離が大きくなるように、ダイス22の端面から離れつつ移動することになり、したがって、剃刀刃26と成形用孔内のゴム20との間で糸を引くことが防止される。
したがって、粘着性を有するゴム20を安定した状態で連続して切断することが可能となる。
【0019】
また、剃刀刃26の裏面26Bに付着したゴム体20Aは、その先部が環板部材36の外周面3604に当接し、環板部材36に接しつつ回転移動するので、環板部材36から受ける衝撃と環板部材36から受ける摩擦力とにより、ゴム体20Aの基部は剃刀刃26の裏面26Bから確実に剥がされ、切断部用アーム24の回転に伴ってばらつくことがなく所定の箇所でその自重により確実に落下する。
したがって、切断された粘着性を有するゴム体20Aを確実に回収でき、次の工程へ円滑に搬送してゴム体20Aの成形を効率良く行なう上で有利となる。
【0020】
また、ゴム体20Aの先部は平坦面ではなく、ゴム20であることから緩やかな凹凸形状を呈している。
本実施の形態では、環板部材36を、ゴム体20Aの直径よりも小さい厚さで複数設けて重ね合わせたため、環板部材36へのゴム体20Aの先部の当接時、ゴム体20Aの先部の凹凸に対応して複数の環板部材36が別々に支軸34の径方向に移動する。
したがって、ゴム20の先部が複数の環板部材36に当接し、ゴム体20Aの先部側に位置する中心孔3602の内周面の箇所が支軸34に衝突する際の衝撃をゴム体20Aの先部の全域に分散でき、切断部用アーム24の回転方向の前方側のゴム体20Aの基部を剃刀刃26の裏面26Bから確実に剥がす上で有利となる。
【0021】
また、実施の形態のように、揺動軸38を回転軸28と同軸上に設けると、揺動軸38を配設するスペースを回転軸28のスペースとは別に確保する必要がなくなり、切断装置10のコンパクト化を図る上で有利となる。
【符号の説明】
【0022】
10……切断装置、12……供給部、14……切断部、16……剥離部、18……回収部、20……ゴム、20A……ゴム体、22……ダイス、2202……ダイス端面、24……切断部用アーム、26……剃刀刃、26A……剃刀刃の表面、26B……剃刀刃の裏面、32……剥離部用アーム32、34……支軸、36……環板部材、3602……中心孔、3604……外周面、38……揺動軸、40……ガイド板、42……搬送ベルト、CL1……成形用孔の軸心、CL2……回転軸の軸心。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイスの成形用孔から水平方向に向けて粘着性を有するゴムを一定の断面形状で押し出し、
前記成形用孔の周囲のダイス端面に対向した状態で前記成形用孔の軸心と直交する鉛直面上を延在する剃刀刃を、前記成形用孔の通過後は水平方向における前記ダイス端面からの距離が大きくなるように、前記成形用孔の軸心と直交する面上で水平方向に延在する回転軸を中心として回転させ、前記成形用孔の周囲のダイス端面に前記剃刀刃を近接させつつ前記成形用孔から押し出されたゴムを切断するようにした、
ことを特徴とする粘着性ゴムの切断方法。
【請求項2】
前記剃刀刃は、前記成形用孔の周囲のダイス端面に対向し鉛直面上を延在した状態で、前記ダイス端面に対向する表面と、その反対側に位置する裏面とを有し、
前記成形用孔よりも前記剃刀刃の回転方向の前方の箇所に、前記回転軸と平行する揺動軸により鉛直下方に吊り下げられ前記揺動軸を中心として鉛直面内で搖動可能な剥離部用アームを設け、
前記剥離部用アームの下端に前記回転軸と平行に支軸を突設し、
前記支軸よりも大きな内径の中心孔を有し前記中心孔に前記支軸が挿通されることで支持された環状部材の外周面に、前記剃刀刃で切断され前記裏面に付着したゴム体の先部を、前記剃刀刃の回転に伴って当接させ、その衝撃と、前記外周面と前記ゴム体の先部の摩擦力とにより前記ゴム体を前記裏面から剥がし、
前記剃刀刃が回転し前記成形用孔から離れた側で前記剃刀刃が鉛直面上に延在する箇所に位置する間に前記ゴム体の自重により前記ゴム体を落下させるようにした、
ことを特徴とする請求項1記載の粘着性ゴムの切断方法。
【請求項3】
前記剃刀刃は、前記成形用孔の軸心と直交する水平方向に延在する回転軸を中心として鉛直面内で回転する切断部用アームの先部に取着され、
前記剃刀刃の回転は前記切断部用アームが回転することでなされる、
ことを特徴とする請求項1または2記載の粘着性ゴムの切断方法。
【請求項4】
前記環板部材の外周面は、前記剃刀刃の裏面に付着した前記ゴム体の先部が当接可能で、前記ゴム体の先部が前記外周面に当接することにより前記環板部材が前記支軸の径方向に移動され前記中心孔の内周面が前記支軸に当接した状態で、前記ゴム体の先部に接する寸法で形成されている、
ことを特徴とする請求項2記載の粘着性ゴムの切断方法。
【請求項5】
ダイスの成形用孔から水平方向に向けて粘着性を有するゴムを一定の断面形状で押し出す供給部と、
前記成形用孔から押し出されたゴムを剃刀刃により所定の長さに切断する切断部と、
前記剃刀刃で切断され前記ゴムの粘着性により前記剃刀刃に付着されたゴム体を前記剃刀刃から剥がす剥離部と、
前記剥離部により前記剃刀刃から剥がされたゴム体を回収する回収部とを備え、
前記切断部は、前記成形用孔の軸心の延長上の箇所を通り水平方向に延在する回転軸を中心として回転する切断部用アームを備え、
前記剃刀刃は、前記切断部用アームの先部に取着され前記切断部用アームが前記成形用孔に向かって水平方向に延在した状態で前記成形用孔の軸心と直交する鉛直面上を延在し前記成形用孔の周囲のダイス端面に対向する表面と、その反対側に位置する裏面とを有し、
前記剃刀刃は、前記切断部用アームの回転に伴い前記成形用孔の周囲のダイス端面に近接しつつ前記成形用孔から押し出されたゴムを切断し、
前記剥離部は、前記回転軸と平行する揺動軸により鉛直下方に吊り下げられ前記揺動軸を中心として鉛直面内で搖動可能な剥離部用アームと、前記剥離部用アームの下端に前記回転軸と平行に突設された支軸と、前記支軸よりも大きな内径の中心孔と外周面とを有し前記中心孔に前記支軸が挿通されることで支持され前記剃刀刃で切断され前記剃刀刃の裏面に付着したゴム体の先部に当接可能で前記ゴム体の先部に当接することで前記ゴム体を前記裏面から剥がす環板部材とを備え、
前記回収部は、前記切断部と前記剥離部の下方に設けられ、前記剃刀刃の裏面から落下するゴム体を収容可能に設けられている、
ことを特徴とする粘着性ゴムの切断装置。
【請求項6】
前記ゴム体の断面は円形を呈し、
前記環板部材は、前記ゴム体の直径よりも小さい厚さで複数設けられ、互いに前記支軸の径方向に移動可能に重ね合わされて配設されている、
ことを特徴とする請求項5記載の粘着性ゴムの切断装置。
【請求項7】
前記揺動軸は、前記回転軸と同軸上に設けられている、
ことを特徴とする請求項5または6記載の粘着性ゴムの切断装置。
【請求項8】
前記環板部材の外周面は、前記剃刀刃の裏面に付着した前記ゴム体の先部が当接可能で、前記ゴム体の先部が前記環板部材に当接することにより前記環板部材が前記支軸の径方向に移動され前記中心孔の内周面が前記支軸に当接した状態で、前記環板部材の外周面が前記ゴム体の先部に接する寸法で形成されている、
ことを特徴とする請求項5乃至7に何れか1項記載の粘着性ゴムの切断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−111682(P2013−111682A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−258905(P2011−258905)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000006714)横浜ゴム株式会社 (4,905)
【Fターム(参考)】