説明

粘膜投与のためのカンナビノイド液体製剤

本発明は医薬製剤に関し、より具体的にはポンプ式スプレーを介する投与のためのカンナビノイドを含有する製剤に関する。特に、本発明は、粘膜表面を介して1種以上のカンナビノイドを含む親油性薬物を投与する際に使用するための医薬製剤であって、1種以上のカンナビノイドを含む少なくとも1種の親油性薬物、溶媒および共溶媒を含み、製剤中に存在する溶媒および共溶媒の総量は製剤の55%wt/wtを超え、製剤は自己乳化剤および/またはフッ素化噴射剤を含まず、カンナビノイドは10mg/mlよりも多い量で製剤中に存在する、医薬製剤に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は医薬製剤に関し、より詳細には、ポンプ式スプレーを介して投与するためのカンナビノイドを含有する製剤に関する。
発明の背景
【0002】
接触する粘膜を介して全身循環系に薬物を導入し、活性、効力などの発現を高めることは長い間知られてきた。
【0003】
例えば、米国特許第3,560,625号明細書は、全身循環系にアルコキシベンズアミドを導入するためのエアロゾル製剤を開示している。以下の2種類の異なるタイプのエアロゾル製剤が開示されている:
a)アルコキシベンズアミド2重量%、エタノール18%、および噴射剤80%を含むフッ素化炭化水素タイプ、および
b)アルコキシベンズアミド0.5重量%、エタノール10.3%およびプロピレングリコール31.4%を含む混合溶媒系ならびに脱イオン水57.8%を含む噴霧器(ネブライザー)タイプ。
【0004】
米国特許第3,560,625号明細書は、エタノールが最良の溶媒であることは間違いないものの、18重量%を超えるエタノールを含有する混合物は、経口経路の有効性を相殺して余りある不快な口腔反応を生み出すという事実によって、オルト−エトキシベンズアミドを吸入するためのエアロゾルスプレーを製造するのに適した溶媒系を見いだす際の問題点を突き止めている。
【0005】
国際公開第01/13866号パンフレットは、デルタ−9−テトラヒドロカンナビノール(ΔTHC)の半水性液剤を開示している。この液剤は、エタノール、10〜30%の水および薬学的に許容できるグリセロールを含む。この液剤は、吸入による送達のために製剤化されるため、10ミクロン未満の粒径を有する。水は、分配およびエアロゾル化を改善する。比較例としてΔTHCの50/50のアルコール/プロピレングリコール混合溶液が示されている。
【0006】
米国特許第4,704,406号明細書は、局所適用に適したアリールアルカン酸を含むスプレー可能な医薬組成物に関する。
【0007】
本出願人は、1種以上のカンナビノイドを含む植物性原薬のためのスプレー製剤を製造しようと試みた時、カンナビノイドの高い親油性が、活性成分を製剤化する際の問題点となることに気が付いた。
【0008】
まず、本出願人は、公開された国際特許出願WO01/66089(PCT/GB01/01027)に開示されているように、加圧エアロゾルまたはスプレーの形で口腔粘膜、好ましくは舌下で送達するための製剤を開発しようとした。初めは、HFC−123aおよびHFC−227による噴射剤駆動系に焦点を合わせたが、それらは、カンナビノイド用の溶媒として不適当であることが分かった。これらの製剤は、合成Δ9−THCを0.164〜0.7%wt/wtの量で、20.51重量%までの量で主要な溶媒としてのエタノールと共に含んでいた。ある特定の組成物は、合成Δ9−THC0.164%、エタノール4.992%、プロピレングリコール4.992%およびp134a(噴射剤)89.582%を含んでいた。
【0009】
出願人は、カンナビノイドが噴射剤に難溶であるため、製剤の総容積に対し20容積%のエタノールレベルであっても、臨床要求を満たすのに十分なレベルのΔ9−THCを標準的スプレー投与量に溶かすことができないことを見いだした。また、出願人は、揮発性のより低い溶媒が臨界比以上に増加した場合、装置ノズルの送達特性が実質的に変化するため、エタノールレベルを高めることができないことに気が付いた。HFC−123aおよびHFC−227噴射剤スプレーは、最高で7mg/mlを送達したが、初期臨床試験から、製剤は、1mlあたり50mgまでのカンナビノイドを含有することを求められることが示唆された。
【0010】
したがって、本出願人は、多くの化学物質の水に対する難溶性は、経口バイオアベイラビリティを増強することを目的とする適切な製剤の設計にとって真の課題であるとの結論を下した総説論文European Journal of Pharmaceutics and Biopharmaceutics 50(2000) 179−188で詳細に論じられている自己乳化薬物送達系に焦点を合わせた。
【0011】
同時係属中の国際出願WO02/064109(PCT/GB02/00620)において、出願人は、少なくとも1種の自己乳化剤を含有する様々なカンナビノイド含有製剤を開示している。少なくとも1種の自己乳化剤を含めることは、カンナビノイドの十分な吸収を達成するために製剤を粘膜表面に付着させるのに必要であると考えられた。ある特定の製剤は、グリセロールモノオレエート2重量%、THCを得るためのG1カンナビスのCBME5%、CBDを得るためのG5カンナビスのCBME5%、エタノールBP44%およびプロピレングリコール44%を含んでいた。
【0012】
驚いたことに、出願人は、口腔粘膜、具体的には、舌下または頬側適用によって満足な用量レベルを達成するために、液体製剤中の自己乳化剤の存在は絶対必要というわけではないことを見いだした。
【0013】
実際に、米国特許第3,560,625号明細書およびEuropean Journal of Pharmaceutics and Biopharmaceutics 50(2000) 179−188の教示に反して、液体スプレーで親油性薬物を送達するための簡単かつ有効な媒体を製造することができた。
発明の概要
【0014】
本発明の第一の態様によれば、1種以上のカンナビノイドを含む親油性薬物の粘膜表面を介した投与に使用するための液体医薬製剤であって、1種以上のカンナビノイドを含む親油性薬物、溶媒および共溶媒を含み、製剤中に存在する溶媒および共溶媒の総量は製剤の55%wt/wtよりも多く、製剤は自己乳化剤および/またはフッ素化噴射剤を含まず、カンナビノイドは10mg/mlよりも多い量で製剤中に存在する製剤が提供される。
【0015】
1種以上のカンナビノイドは、少なくとも1種のカンナビス植物由来の少なくとも1種の抽出物の形態で存在することが好ましい。カンナビス植物には、少なくとも1種のカンナビス化学型が含まれることが好ましい。植物抽出物は、本明細書で定義される植物性原薬(BDS)であることが最も好ましい。
【0016】
場合により、製剤は、例えば、ハッカ油などの香料をさらに含有していてもよい。
【0017】
また、製剤は、カンナビノイドに加えて、他の活性剤を含有していてもよく、例えばモルヒネなどのオピエートが好ましい。したがって、1種以上のカンナビノイド、エタノール、プロピレングリコールおよびオピエート、好ましくはモルヒネから基本的になる製剤を提供することが企図される。
【0018】
本発明による典型的な液体医薬製剤は、一例として示すのであって本発明を限定することを意図するものではないが、1ml容積中に、THCを25〜50mg/ml、好ましくは25mg/mlまたは27mg/ml(植物性原薬中のカンナビノイドの量を基準)、CBDを25〜50mg/ml、好ましくは25mg/ml(植物性原薬中のカンナビノイドの量を基準)、プロピレングリコールを0.5ml/ml、ハッカ油を0.0005ml/ml、およびエタノール(無水)を1mlとなるまで適量含有することができる。
【0019】
他の好ましい製剤には、1ml容積中に、THCを25mg/mlまたは27mg/ml(植物性原薬中のカンナビノイドの量を基準)、プロピレングリコールを0.5ml/ml、ハッカ油を0.0005ml/ml、およびエタノール(無水)を1mlとなるまで適量含む「高THC」製剤が含まれ、また、CBDを25mg/ml(植物性原薬中のカンナビノイドの量を基準)、プロピレングリコールを0.5ml/ml、ハッカ油を0.0005ml/ml、およびエタノール(無水)を1mlとなるまで適量含む「高CBD」製剤が含まれる。
【0020】
これらの好ましい製剤において、カンナビノイドは、カンナビス植物に由来する植物性原薬として添加され、カンナビノイドの表示量は、最終製剤1ml中に存在するカンナビノイドの総量(重量)に相当する。当業者は、最終製剤中のカンナビノイドの望ましい量を達成するために添加しなければならないBDSの総量が、BDSの様々なバッチ間で異なるBDS中に存在するカンナビノイドの濃度によって決まることを理解されよう。
【0021】
このような1種以上のカンナビノイド、エタノールおよびプロピレングリコールという簡単な組合せがポンプ式スプレーにおいて効率的に使用することができるという発見は予想外であった。
【0022】
出願人は、溶媒/共溶媒系がエタノール/プロピレングリコールであり、親油性薬物が植物性原薬(BDS)の形態で1種以上のカンナビノイドを含む場合、溶媒/共溶媒が効率的に働く範囲は、以下に論じるように極めて狭いことを見いだした。
【0023】
溶媒/共溶媒の量は、80%よりも多いことが好ましく、90〜98%の範囲であることがより好ましい。
【0024】
製剤は、10%未満、または9%未満、または8%未満、または7%未満、または6%未満、または5%未満、または4%未満、または3%未満、または2%未満、または1%未満、または0.5%未満の含水量を有することが好ましい。
【0025】
製剤は、いかなるタイプの噴射剤も含有しないことが好ましい。
【0026】
また、製剤は、いかなる自己乳化剤も含まない。本明細書において、「自己乳化剤」は、別の相が存在した場合、最小のエネルギー必要量でエマルジョンを形成する物質として定義される。対照的に、乳化剤は、自己乳化剤とは対照的に、エマルジョンを形成するのに追加のエネルギーを必要とする物質である。一般に、自己乳化剤は、可溶性の石鹸、塩または硫酸化アルコール、特に非イオン性界面活性剤または4級化合物である。例示的な自己乳化剤には、グリセリルモノオレエート(特にSEグレード)、グリセリルモノステアレート(特にSEグレード)、マクロゴール、およびポリオキシ硬化ヒマシ油、例えばクレモフォア(cremophor)が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0027】
製剤は、香料をさらに含んでいてよい。好ましい香料は、ハッカ油であり、容積で0.1%までの量であることが好ましく、通常は0.05%v/vである。
【0028】
溶媒は、C1〜C4アルコールから選択されることが好ましい。好ましい溶媒は、エタノールである。
【0029】
共溶媒は、使用される「主要」溶媒の量を少なくすることができる溶媒であることが好ましい。「主要」溶媒と組合せて、医学的に有用な量の親油性薬物が可溶化されるのに十分に親油性薬物を共溶媒は可溶化しなければならない。医学的に有用な量は、薬物によって変化するが、カンナビノイドに関しては、溶媒/共溶媒0.1mlあたり少なくとも1.0mg、好ましくは1.0mgよりも多い量であろう。
【0030】
好ましい共溶媒は、グリコール、糖アルコール、炭酸エステルおよび塩素化炭化水素から選択される。
【0031】
グリコールは、プロピレングリコールおよびグリセロールから選択されることが好ましく、プロピレングリコールが最も好ましい。炭酸エステルは、プロピレンカーボネートであることが好ましい。
【0032】
最も好ましい組合せは、溶媒としてのエタノールと共溶媒としてのプロピレングリコールである。
【0033】
カンナビノイドを口腔咽頭送達するための液体製剤の調製は、多くの問題点をもたらす。第一に、単位投与量で治療効果を得るためには液体製剤0.1mlあたり少なくとも1.0mg、または少なくとも1.5mg、または少なくとも2.0mg、より好ましくは少なくとも2.5mg、さらにより好ましくは少なくとも5mgのカンナビノイドを送達する必要がある。この点で、患者は、1日あたり120mgまで、平均約40mg/日のカンナビノイドを最大6回の投与で摂取する必要がある。
【0034】
舌下または頬側送達の場合、このことは、活性成分が経粘膜的に吸収される場合、患者によって嚥下されない製剤の量でこの量の活性成分を送達することを意味する。
【0035】
溶媒としてのエタノールにカンナビノイドを溶かすことによってそのような量を達成することはできるものの、高濃度のエタノールは、刺すような感覚を引き起こし、忍容性の限界を超えてしまう。
【0036】
したがって、依然として十分な量のカンナビノイドを可溶化することができる一方で、エタノールの量を減らすために共溶媒を使用ことが必要である。
【0037】
出願人は、共溶媒の選択が限られることを発見した。好ましい共溶媒は、単位投与量に十分なカンナビノイド、すなわち製剤0.1mlあたり少なくとも1.0mg、好ましくは1.0mgよりも多いカンナビノイドを可溶化するのに十分で、かつ、患者の忍容性の範囲内にあるレベルにまで存在する溶媒の量を低減することが可能な可溶化作用を有していなければならない。これらの基準を満たす特に適した共溶媒は、プロピレングリコールおよびグリセロールである。
【0038】
好ましい実施形態において、製剤中に存在する溶媒と共溶媒の総量は、製剤の65%w/wよりも多く、より好ましくは70%w/wよりも多く、より好ましくは75%w/wよりも多く、より好ましくは80%w/wよりも多く、より好ましくは85%w/wよりも多い。製剤中に存在する溶媒と共溶媒の総量は、製剤の80%w/w〜98%w/wの範囲であることが最も好ましい。
【0039】
好ましい実施形態において、本発明による製剤は、ポンプ式スプレーを介して投与される液体製剤である。ポンプ式スプレーの特徴は、作動のための外部圧力、例えば外部からの手動式、機械的または電気的始動圧力をかけることが必要なことである。これは、加圧系、例えば、通常、制御された圧力の解放によって、例えば、制御された弁の開口によって作動が行われる噴射剤駆動エアロゾルスプレーとは対照的である。
【0040】
ポンプ式スプレーは、カンナビノイドを送達する場合、特に有益であることが分かっている。実際に、これまで人々は、噴射剤を含む溶媒系に焦点を絞ってきた。
【0041】
このような系については、送達の速度を含む不利益の存在することが認識されていたものの、当業者は、噴射剤の速度を落とすことにより、またはノズルを変えることによりこれに対処しようと試みてきた。出願人は、出願人の製剤と合わせてポンプスプレーを用いることにより、粒子が、15〜45ミクロン、より具体的には20〜40ミクロン、平均すると約33ミクロンの空気力学的平均粒径を有するスプレーを製造できることを見いだした。これらは、加圧系を用いて送達した場合の5〜10ミクロンの空気力学的平均粒径を有する粒子とは対照的である。
【0042】
実際、出願人による比較試験から、このようなポンプ式スプレー系は、標的領域内のより大きな表面積に活性成分を送達できるという利点を有することが分かった。このことを、添付の実施例3を参照しながら説明する。
【0043】
粒子分布および噴射領域の変化は、直接実験によって立証された。添付の実施例4に記載の製剤をポンプ式スプレーアセンブリ(Valoisバイアル型VP7100作動式)に充填した。同じ製剤を、HFA134aによって動力を供給される加圧容器に充填した。
【0044】
両容器を、噴流の進む方向に対して直角に保たれた1枚の薄紙から50mmの距離で発射させた。次いで、100μlの放出により両ケースにおいて生じたスプレーのパターンは、光を背景にして可視化した。両ケースにおいて、放出のパターンは円形であり、測定結果は以下の通りであった:
ポンプ式スプレー 平均直径23mm、平均面積425.5mm
加圧スプレー 平均直径16mm、平均面積201.1mm
【0045】
加圧スプレーは、領域の中心に液体の貯留を生じた。ポンプ式スプレーは、より均一なスプレーパターンを与え、「跳ね返り」が少なかった。また、ポンプ式スプレーによって覆われた面積は顕著に大きかった。この試験が行われた条件は、装置の実際の使用法に関係している。加圧スプレーに比べ、ポンプ式スプレーは、より広い面積の頬粘膜に達することができる。
【0046】
ポンプスプレー適用の場合、溶媒/共溶媒の組合せは、好ましい溶媒/共溶媒の組合せによって規定される粘度範囲内の粘度を有していなければならない。したがって、エタノール/プロピレングリコールの組合せの場合、エタノール/プロピレングリコールが60/40および40/60の範囲、より好ましくは55/45〜45/55,最も好ましくは約50/50の相対的容積比率で存在する粘度範囲になければならない。
【0047】
例えば、VP7アクチュエータバルブ(Valois)などの機械ポンプを介するポンプ作用による送達のために容器詰めされた場合の得られる製剤の粘度は、得られるエアロゾルが、20〜40ミクロン、より好ましくは25〜35の空気力学的平均粒径を有し、平均粒径が30〜35ミクロンであることが最も好ましいスプレーを送達することを可能にする。このことは、舌下/頬送達の標的粘膜との接触を最大限に高める。
【0048】
本発明による製剤は、親油性薬物として1種以上のカンナビノイドを含むことが好ましい。
【0049】
親油性薬物は、少なくとも1種のカンナビス植物由来の少なくとも1種の抽出物であることが好ましい。カンナビス植物には、少なくとも1種のカンナビス化学型が含まれることが好ましい。植物抽出物は、本明細書で定義される植物性原薬(BDS)であることが最も好ましい。
【0050】
「植物抽出物」は、Guidance for Industry Botanical Drug Products Draft Guidance、August 2000、米国保健省食品医薬品局医薬品評価研究センターにおいて定義されている植物材料由来の抽出物である。
【0051】
「植物材料」は、植物または植物部分(例えば、樹皮、木、葉、茎、根、花、果実、種子、液果またはそれらの部分)ならびに浸出物として定義される。
【0052】
用語「カンナビス植物」は、野性型カンナビス・サティバ(Cannabis sativa)およびその変異体も包含し、様々な量の個々のカンナビノイドを自然に含有するカンナビス化学型、変異体の変種インディカ(var. indica)および変種カフィリスタニカ(var. kafiristanica)を含むカンナビス・サティバ亜種インディカ、カンナビス・インディカ(Cannabis indica)およびそれらの遺伝的交雑、自家交雑またはハイブリッドの結果である植物も含まれる。したがって、用語「カンナビス植物材料」は、1種以上のカンナビス植物に由来する植物材料を包含すると解釈するべきである。疑いを回避するため、本明細書では、「カンナビス植物材料」には乾燥カンナビスバイオマスが含まれる。
【0053】
本出願において、用語「カンナビス抽出物」または「カンナビス植物由来の抽出物」は互換的に使用され、カンナビス植物材料に由来する「植物性原薬」を包含する。植物性原薬は、Guidance for Industry Botanical Drug Products Draft Guidance、August 2000、米国保健省食品医薬品局医薬品評価研究センターにおいて、「1種以上の植物、藻類、または肉眼で見える真菌に由来する原薬。微粉化、煮沸、発現、水抽出、エタノール抽出、または他の類似プロセスのうち1種以上のプロセスにより植物性原材料から調製される」と定義されている。植物性原薬には、高度に精製された、または化学的に修飾された、自然源に由来する物質は含まれない。したがって、カンナビスの場合、カンナビス植物に由来する「植物性原薬」には、高度に精製された薬局方等級のカンナビノイドは含まれない。
【0054】
添付の実施例に記載のプロセスを用いて調製されるCBMEなどの「カンナビス系医薬抽出物(CBME)」は、Guidance for Industry Botanical Drug Products Draft Guidance、August 2000、米国保健省食品医薬品局医薬品評価研究センターに示される定義に従い、「植物性原薬」として分類される。
【0055】
カンナビス植物に由来する「植物性原薬」には、例えば、C1〜C5アルコール(例えば、エタノール)、ノルフルラン(HFA134a)、HFA227および亜臨界または超臨界条件下の液体二酸化炭素などの溶媒による浸漬、浸出、抽出などのプロセスによって調製される一次抽出物が含まれる。一次抽出物を、例えば、亜臨界または超臨界溶媒抽出、蒸発またはクロマトグラフィーによりさらに精製することができる。上記に列挙した溶媒が使用された場合、得られる抽出物は、非特異的脂溶性材料を含有する。これは、−20℃まで冷却し、続いて濾過によってろうの様なバラストを除去する「winterisation(冬化)」、液体二酸化炭素による抽出を含む様々なプロセス、および蒸留によって除去することができる。
【0056】
カンナビノイドがBDSとして提供される実施形態において、BDSは、亜臨界または超臨界条件下のCO抽出と、続く実質的比率のろうおよび他のバラストを除去するための二次抽出、例えばエタノール沈殿により得られることが好ましい。なぜならば、バラストには、選択された溶媒/共溶媒、特に、好ましい共溶媒であるプロピレングリコールにあまり溶けずに沈殿してしまうろうエステルおよびグリセリド、不飽和脂肪酸残基、テルペン、カロテン、ならびにフラボノイドが含まれるからである。BDSは、脱炭酸、液体二酸化炭素による抽出、および有意な量のバラストを除去するためのさらなる抽出を含むプロセスにより製造されることが最も好ましい。バラストは、エタノール沈殿により実質的に除去されることが最も好ましい。
【0057】
BDSの抽出に先立って、カンナビノイド酸を脱炭酸して遊離のカンナビノイドにするため、カンナビス植物材料を所定の時間、所定の温度まで加熱することが最も好ましい。
【0058】
好ましい「植物性原薬」には、カンナビス植物材料由来の抽出物を調製するために本明細書で具体的に開示されている方法またはプロセスのいずれかを用いることによって得られる原薬が含まれる。抽出物は、ろうおよび他の非特異的脂溶性材料を含まないことが好ましいが、植物に天然に存在する実質的にすべてのカンナビノイドを含有することが好ましく、無傷のカンナビス植物で見られるのと実質的に同一の比で含有することが最も好ましい。
【0059】
植物性原薬は、Guidance for Industry Botanical Drug Products Draft Guidance、August 2000、米国保健省食品医薬品局医薬品評価研究センターにおいて「薬物としての使用を目的とする植物性製品;植物性原薬から調製される製剤」と定義されている「植物性製剤」に製剤化される。
【0060】
「カンナビス植物」には、野性型カンナビス・サティバおよび、様々な量の個々のカンナビノイドを自然に含有するカンナビス化学型を含むその変異体が含まれる。
【0061】
また、用語「カンナビノイド」は、自然源からの精製により、または合成手段を介して得ることができる高度に精製された薬局方等級の物質を包含する。したがって、本発明の製剤は、カンナビス植物の抽出物および個々のカンナビノイド、またはカンナビス植物に由来するか否かにかかわらず、それらの合成類似体、ならびにカンナビノイドの組合せを送達するために使用することができる。
【0062】
好ましいカンナビノイドには、テトラヒドロカンナビノイド、それらの前駆体、アルキル(特にプロピル)類似体、カンナビジオール、それらの前駆体、アルキル(特にプロピル)類似体、およびカンナビノールが含まれるが、これらに限定されるものではない。好ましい実施形態において、製剤は、テトラヒドロカンナビノール、Δ−テトラヒドロカンナビノール(THCまたはΔ−THC)、Δ−テトラヒドロカンナビノール、Δ−テトラヒドロカンナビノールプロピル類似体(THCV)、カンナビジオール(CBD)、カンナビジオールプロピル類似体(CBDV)、カンナビノール(CBN)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビクロメンプロピル類似体およびカンナビゲロール(CBG)から選択される任意のカンナビノイド、またはこれらのカンナビノイドのうち2種類以上の任意の組合せを含むことができる。THCVおよびCBDV(それぞれ、THCおよびCBDのプロピル類似体)は、特定のカンナビス植物変種において主に発現されることが知られているカンナビノイドであり、THCVは、それぞれTHCおよびCBDに比べ、質的に有利な特性を有していることが判明している。THCVを摂取した被験者は、THCVによって生じる気分高揚(mood enhancement)が、THCによって生じる気分高揚よりも穏やかであると報告している。また、THCVは、重度の副作用を生じない。
【0063】
本発明による製剤は、THCおよび/またはCBDを含有することが最も好ましい。
【0064】
好ましい実施形態において、製剤は、特定の所定の重量比の様々なカンナビノイド、例えば、CBDとTHC、またはテトラヒドロカンナビノバリン(THCV)とカンナビジバリン(CBDV)、またはTHCVとTHCの特定の比を含有することができる。ある特定な比のカンナビノイドは、特定の疾患または病状の治療または管理において臨床的に有用であることが判明している。特に、このような製剤は、疼痛軽減および食欲増進の分野において特に有用であることが判明している。
【0065】
特に、本出願人は、特定のカンナビノイドの組合せが、個々のカンナビノイドのいずれか1種単独よりも有益であることを観察している。好ましい実施形態は、CBDの重量が、THCの重量よりも多い製剤である。このような製剤は、「逆転比(reverse−ratio)」製剤と称され、新規かつ珍しくあるが、それは、世界中で入手可能な様々な種類の薬用および娯楽用カンナビス植物ではCBDがTHCに比べて少量のカンナビノイド成分であるからである。他の実施形態において、THCおよびCBDまたはTHCVおよびCBDVは、ほとんど等しい量で存在するか、THCまたはTHCVが主要成分で、存在する全カンナビノイドの95.5%まであってもよい。
【0066】
好ましい製剤は、所定の重量比でTHCおよびCBDを含有する。最も好ましい製剤は、0.9:1.1〜1.1:0.9 THC:CBDの範囲の重量比でTHCおよびCBDを含有し、より好ましくは、THC:CBD比が実質的に1:1である。他の好ましい製剤は、以下の重量比のTHCおよびCBDを含有する: 19:1 THC:CBDよりも大きいか等しい、19:1 CBD:THCよりも大きいか等しい、4.5:1 THC:CBD、1:4 THC:CBDおよび1:2.7 THC:CBD。THC:CBD比が実質的に1:1である製剤については、その製剤に、各々約25mg/mlのTHCおよびCBDが含まれることが好ましい。
【0067】
カンナビスは、長年薬として用いられ、ビクトリア朝時代には、広く使用される処方薬の成分であった。カンナビスは、「ヒステリー、譫妄、てんかん、神経性不眠症、片頭痛、疼痛および月経困難症」を治療するための催眠鎮静薬として使用された。カンナビスの使用は20世紀中頃まで続き、処方薬としての有用性は現在再評価されつつある。特異的カンナビノイド受容体および新たな投与方法の発見は、カンナビス系薬の使用を歴史的および新規適応症まで広げることを可能にした。
【0068】
カンナビスの遊びでの使用は立法を促し、その使用が禁止された。歴史的に、カンナビスは、多くの医師により独特であると考えられ、脊髄損傷などの状態におけるオピオイド鎮痛薬に抵抗性の疼痛、ならびに多発性硬化症における疼痛および痙攣を含む他の形の神経障害性疼痛を弱める能力を有する。
【0069】
米国およびカリブ海において、遊びでの使用のために栽培されるカンナビスは、他のカンナビノイドを犠牲にして、高含量のテトラヒドロカンナビノール(THC)を含有するように選択されてきた。メルクインデックス(1996)において、カンナビジオールおよびカンナビノールなどのカンナビスに存在することが知られている他のカンナビノイドは、不活性物質と見なされた。カンナビジオールは、かつては不活性成分と見なされていたが、いくつかの点でTHCと異なる薬理活性を有する証拠が明らかにされている。カンナビスの治療効果は、ある「活性」成分または他の「活性」成分の観点からだけでは満足に説明することはできない。
【0070】
テトラヒドロカンナビノール(THC)は、単独で、カンナビスの抽出物として投与された同じ量のTHCよりも低い疼痛軽減度を生じることが分かっている。この現象の根底にある薬理学的根拠が検討されてきた。場合によって、THCおよびカンナビジオール(CBD)は、同一の前臨床試験において反対の効果の薬理学的特性を有し、他の試験で同一の効果を有する。例えば、一部の臨床試験において、および事例報告から、CBDがTHCの向精神作用を変えるという認識も存在する。この2種類のカンナビノイドの活性スペクトルは、世界の様々な地域において栽培されるカンナビスの治療上の利益の一部を説明するのに役立つ。また、THCとCBDの組合せから生じる有用な効果も指摘している。出願人はこれらについて検討してきた。以下の表1は、この2種類のカンナビノイドについて薬理学的特性の差異を示している。
【0071】
【表1】

【0072】
これらの薬理学的特性から、および出願人によって行われた直接実験から、驚いたことに、様々な比率のTHCとCBDの組合せが、ある種の治療状態の治療において特に有用であることが分かった。さらに、THCとCBDの混合物の毒性は、THC単独の毒性よりも低いことが臨床的に判明した。
【0073】
したがって、本発明は、上述の基本的特徴をすべて有し、活性物質としてカンナビノイドを含み、CBDとTHCの特定の比を有し、特定の疾患または病状の治療または管理において臨床的に有用であることが判明した医薬製剤を提供する。
【0074】
他の態様において、本発明は、上述の基本的特徴をすべて有し、テトラヒドロカンナビノバリン(THCV)またはカンナビジバリン(CBDV)の特定の比を有する医薬製剤に関する。THCVおよびCBDV(それぞれTHCおよびCBDのプロピル類似体)は、特定のカンナビス属植物変種において主に発現していることが知られているカンナビノイドであり、THCVは、それぞれTHCおよびCBDに比べ、質的に有利な特性を有していることが判明している。THCVを摂取した被験者は、THCVによって生じる気分高揚は、THCによって生じる気分高揚よりも穏やかであると報告している。また、THCVは、重度の副作用を生じない。
【0075】
さらに、本発明は、上述の基本的特徴をすべて有し、THCVとTHCの特定の比を有する医薬製剤に関する。このような製剤は、疼痛軽減および食欲増進の分野において特に有用であることが判明している。
【0076】
特に、本出願人は、特定のカンナビノイドの組合せが、個々のカンナビノイドのいずれか1種単独よりも有益であることを観察している。好ましい実施形態は、CBDの量が、THCの量よりも重量で多い製剤である。このような製剤は、「逆転比」製剤と称され、新規かつ珍しくあるのが、それは、世界中で入手可能な様々な種類の薬用および娯楽用カンナビス植物ではCBDがTHCに比べて少量のカンナビノイド成分であるからである。他の実施形態において、THCおよびCBDまたはTHCVおよびCBDVは、ほとんど等しい量で存在するか、THCまたはTHCVが主要成分で、存在する全カンナビノイドの95.5%まであってもよい。
【0077】
特に好ましいカンナビノイドの比および適している標的病状を以下の表2に示す。
【0078】
【表2】

【0079】
特定の所定の比のカンナビノイドを含有する製剤は、当業者によく知られている医薬担体および賦形剤と組み合わせて、純粋なカンナビノイドから製剤化することができる。医薬品グレードの「純粋な」カンナビノイドは、商業供給業者から購入することができ、例えば、CBDおよびTHCは、Sigma−Aldrich Company Ltd、Fancy Road、Poole Dorset、BH12 4QHから購入するか、化学的に合成することができる。あるいは、当業者によく知られている技法を用い、カンナビス植物からカンナビノイドを抽出することができる。
【0080】
他の好ましいTHC:CBD、THCV:CBDVおよびTHC:TCHVの比ならびにこのような製剤の好ましい治療的使用法は添付の特許請求の範囲に示す。特に、本発明は、以下の実施形態を包含することを意図しているが、これらに限定されるものではない。
【0081】
(A)カンナビジオール(CBD)とテトラヒドロカンナビノール(THC)の両カンナビノイドを含み、CBDがTHCの重量よりも多い重量で存在する本発明の第一の態様による液体医薬製剤。特に、本発明は、CBDのTHCに対する重量比が2.5:1よりも大きいか、CBDのTHCに対する重量比が99:1〜2.5:1、好ましくは約20:1〜約2.5:1であるか、CBDのTHCに対する重量比が約19:1であるか、CBDのTHCに対する重量比が約5:1〜約3:1の範囲である製剤を包含する。
【0082】
好ましい実施形態には、CBDおよびTHC以外のカンナビノイドを実質的に含まない製剤、カンナビス属において見いだされる他のカンナビノイドを実質的に含まない製剤、CBDおよびTHCが実質的に純粋な形である製剤、1種以上の他のカンナビノイドをさらに含む製剤、特に、1種以上の他のカンナビノイドがテトラヒドロカンナビノバリン(THCV)および/またはカンナビジバリン(CBDV)である製剤、CBDおよびTHCが少なくとも1種のカンナビス植物由来の少なくとも1種の抽出物の一部を形成し、前記の少なくとも1種の抽出物が前記植物において天然に存在するカンナビノイドすべてを含む製剤、ならびに2種以上の異なるカンナビス変種由来の抽出物を含み、最終製剤においてCBDの量がTHCの重量よりも多い製剤が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0083】
(B)カンナビジオール(CBD)とテトラヒドロカンナビノール(THC)の両カンナビノイドを含み、THCがCBDの重量よりも多い重量で存在する本発明の第一の態様による液体医薬製剤。
【0084】
好ましい実施形態には、CBDのTHCに対する所定の重量比が1:99〜1:1.5である製剤、CBDのTHCに対する所定の重量比が約1:39である製剤、およびCBDのTHCに対する所定の重量比が約1:2である製剤が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0085】
(C)テトラヒドロカンナビノバリン(THCV)とカンナビジバリン(CBDV)の両カンナビノイドを含み、CBDVがTHCVの重量よりも多い重量で存在する本発明の第一の態様による液体製剤。
【0086】
好ましい実施形態には、CBDおよび/またはTHCをさらに含む製剤、CBDVのTHCVに対する重量比が1.5:1よりも大きい製剤、CBDVのTHCVに対する重量比が約99:1〜約1.5:1、好ましくは約20:1〜約2.5:1の範囲である製剤、CBDVのTHCVに対する重量比が約9:1である製剤、CBDVのTHCVに対する重量比が約5:1〜約3:1である製剤、カンナビス属において見いだされる他のカンナビノイド(CBDVおよびTHCV以外)を実質的に含まない製剤、ならびにCBDVおよびTHCVがカンナビス植物由来の抽出物の一部を形成し、抽出物が植物において天然に存在するカンナビノイドすべてを含む製剤が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0087】
(D)テトラヒドロカンナビノバリン(THCV)とテトラヒドロカンナビノール(THC)の両カンナビノイドを含み、THCVのTHCに対する重量比が99:1〜1.5:1である本発明の第一の態様による液体医薬製剤。
【0088】
好ましい実施形態には、THCVのTHCに対する重量比が約17:3である製剤、THCVの重量よりも少ない重量でCBDおよび/またはCBDVも含む製剤、ならびにTHCVおよびTHCがカンナビス植物由来の抽出物の一部を形成し、抽出物が植物において天然に存在するカンナビノイドすべてを含む製剤が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0089】
本発明の好ましい実施形態において、製剤は、全カンナビス植物の1種以上の変種、特にカンナビス・サティバ、カンナビス・インディカまたはそれらの遺伝的交雑、自家交雑またはハイブリッドの結果である植物の抽出物を含む。特定のカンナビス変種の正確なカンナビノイド含量は、TLCまたはHPLCなどの当業者によく知られている方法を用いて定性的および定量的に測定することができる。したがって、CBDとTHCまたはCBDVとTHCVまたはTHCVとTHCの望ましい比を生じる抽出物を調製するためのカンナビス変種を一般的に選択することができる。あるいは、2種以上の異なる変種由来の抽出物を混合または混和し、医薬製剤に製剤化するための好ましいカンナビノイド比をもつ材料を製造することができる。
【0090】
好都合な比のTHC含有およびCBD含有医薬の調製は、特定の化学型のカンナビスを栽培することによって可能となる。これらの化学型(植物の形態学的特徴よりむしろ産生されるカンナビノイドによって区別される植物)は、当業者によく知られている様々な植物育種技法によって育種され得る。生産材料としての挿木による植物の繁殖は、遺伝子型が固定され、植物の各群が実質的に同じ比でカンナビノイドを含有することを保証する。
【0091】
さらに、園芸学的選択のプロセスにより、主にテトラヒドロカンナビノバリン(THCV)またはカンナビジバリン(CBDV)としてカンナビノイド内容物を発現する他の化学型も得られることが判明した。
【0092】
園芸学的には、挿木から主なカンナビノイドとしてTHC、THCV、CBDおよびCBDVを産生する化学型を育成することが好都合である。このことは、各群における遺伝子型が同一であり、質的処方(バイオマスにおける各カンナビノイドの比率)が同じであることを保証する。これらの化学型から、類似の抽出方法によって抽出物を調製することができる。一次抽出物を調製する好都合な方法には、C1〜C5アルコール(エタノール)、ノルフルラン(HFA134a)、HFA227および加圧下の液体二酸化炭素による浸漬、浸出、抽出が含まれる。一次抽出物を、例えば、亜臨界または超臨界抽出、蒸発およびクロマトグラフィーによりさらに精製することができる。上記に列挙した溶媒が使用される場合、得られる抽出物は、非特異的脂溶性材料すなわち「バラスト」を含有する。これは、−20℃まで冷却し、続いて濾過によってろうの様なバラストを除去することや、液体二酸化炭素による抽出を含む様々なプロセスによって、および蒸留によって除去することができる。好ましい植物栽培および抽出物調製方法を実施例に示す。得られる抽出物は、医薬製剤への取り込みに適している。
【0093】
カンナビスによって効果的に治療することができる多くの治療状態があり、例えば、癌疼痛、片頭痛、食欲増進、多発性硬化症、脊髄損傷、末梢神経障害、他の神経原性疼痛、関節リウマチ、炎症性腸疾患、精神障害(統合失調症)、てんかんおよび運動障害、脳卒中、頭部損傷、食欲抑制が含まれる。所与の製剤における様々なカンナビノイドの比率は、最も良く治療される特定の治療状態を決定する(表2に要約され、添付の特許請求の範囲に述べられている)。
【0094】
特に、本発明は、以下の実施形態を包含することを意図しているが、これらに限定されるものではない。
【0095】
(A)カンナビジオール(CBD)とテトラヒドロカンナビノール(THC)の両カンナビノイド、またはテトラヒドロカンナビノバリン(THCV)とカンナビジバリン(CBDV)の両カンナビノイドを所定の重量比で含む、炎症性疾患またはその過程において酸化的ストレスが作用する任意の疾患もしくは状態の治療に使用するための本発明の第一の態様による医薬製剤。
【0096】
(B)カンナビジオール(CBD)とテトラヒドロカンナビノール(THC)の両カンナビノイドを含み、CBDおよびTHC以外のカンナビノイドを実質的に含まないか、テトラヒドロカンナビノバリン(THCV)とカンナビジバリン(CBDV)のカンナビノイドを含み、CBDVのTHCVに対する重量比が約5:1〜3:1である、関節リウマチ、または炎症性腸疾患もしくはクローン病の治療に使用するための本発明の第一の態様による医薬製剤。
【0097】
(C)カンナビジオール(CBD)とテトラヒドロカンナビノール(THC)の両カンナビノイドを含み、CBDのTHCに対する重量比が約5:1〜約3:1の範囲であるか、テトラヒドロカンナビノバリン(THCV)とカンナビジバリン(CBDV)のカンナビノイドを含み、CBDVのTHCVに対する重量比が約9:1である、精神障害、てんかん、運動障害、脳卒中、頭部損傷、または食欲抑制を必要とする疾患の治療に使用するための本発明の第一の態様による医薬製剤。
【0098】
(D)ほぼ等しい量のCBDおよびTHCまたはTHCVおよびCBDVを含む、多発性硬化症、脊髄損傷、末梢神経障害または他の神経原性疼痛を治療するための本発明の第一の態様による医薬製剤。
【0099】
(E)約39:1〜約99:1の重量比のTHCとCBDまたはTHCVとCBDVを含む、癌疼痛もしくは片頭痛の治療に使用するため、または食欲を増進するための本発明の第一の態様による医薬製剤。特定の実施形態には、製剤においてTHCとCBDまたはTHCVとCBDVの重量比が約39:1である使用法、製剤においてTHCおよびCBDならびに/またはTHCVおよびCBDVがカンナビス植物由来の抽出物の一部を形成し、抽出物が植物において天然に存在するカンナビノイドすべてを含む使用法が含まれる。
【0100】
さらに、本発明は、紫外光およびスペクトルの青色領域由来の光、好ましくは200〜500nmの範囲の波長における光を除くように着色した容器に、製剤または少なくともその親油性薬物成分が、容器詰めされる本発明による液体製剤の形態に関する。好ましい実施形態において、容器は、琥珀色に着色されている。
【0101】
他の態様において、本発明は、製剤または少なくともその親油性薬物成分が、不活性雰囲気中で容器詰めされる本発明による液体製剤の形態に関する。好ましい実施形態において、製剤または少なくともその親油性薬物成分は、窒素中で容器詰めされる。
【0102】
1種以上のカンナビノイドを含む本発明による製剤は、ガラスバイアルに容器詰めされることが好ましい。バイアルは、カンナビノイドの酸化的分解を防止/減速するために、わずかに過圧にして、不活性雰囲気、例えば、窒素で充填されることが好ましく、また、光の進入を防止することによってカンナビノイドの光化学分解を防止するような形態で入れられることが好ましい。これは琥珀色のバイアルを用いて最も効果的に行えるが、それは、出願人が、光分解に関与するのは紫外光および通常は200〜500nmの波長範囲である青色スペクトルであると明らかにしたからである。カンナビノイドは酸化的分解および光化学分解を受けやすいため、不活性雰囲気中かつ/または紫外光およびスペクトルの青色領域由来の光、好ましくは200〜500nmの範囲の波長における光を除くための着色容器(例えば、琥珀色の容器)に容器詰めする利点は、本発明による製剤に製剤化されたことがない1種以上のカンナビノイドを含む親油性薬物(例えば、添付の実施例で例示されるカンナビノイド含有植物性原薬)の容器詰めにも同様にあてはまる。
【0103】
カンナビス抽出物およびカンナビノイドの投与に適した製剤の原則は、アルカロイド、塩基および酸などの他の薬物にも適用することができる。必要条件は、薬物が唾液に不溶である場合、可溶化しかつ/または緩衝塩の添加およびpH調整によって適切な非イオン化型にしなければならないことである。
【0104】
本発明の一般製剤に含めることができる他の親油性薬物には、モルヒネ、ペチジン、コデイン、メサドン、ジアモルヒネ、フェンタニル、アルフェンタニル、ブプレノルフィン、テマゼパム、親油性鎮痛薬および乱用薬物が含まれるが、これらに限定されるものではない。用語「乱用薬物」は、ヒト被験者において依存症を生じる化合物を包含し、通常このような化合物は鎮痛薬、通常オピエートまたはそれらの合成誘導体である。
【0105】
したがって、本発明の他の態様によれば、少なくとも1種の親油性薬物の粘膜表面を介する投与に使用するための液体医薬製剤であって、モルヒネ、ペチジン、コデイン、メサドン、ジアモルヒネ、フェンタニル、アルフェンタニル、テマゼパム、ブプレノルフィン、親油性鎮痛薬および乱用薬物から選択される親油性薬物、溶媒および共溶媒を含み、製剤中に存在する溶媒および共溶媒の総量は製剤の55%w/wよりも多く、製剤は自己乳化剤および/またはフッ素化噴射剤を含まない製剤が提供される。
【0106】
添付の図とともに以下の実験データおよび例示的製剤を参照しながら、ほんの一例として、本発明をさらに説明する。
【0107】
ポンプ式スプレー製剤の開発
初めに、出願人は、点滴薬(グリセロール/プロピレングリコールとエタノールの混合物に溶かしたBDS、THC 5mg/ml、CBD 5mg/mlおよびTHC/CBD 5mg/ml+5mg/ml)を舌下に適用することにより、患者におけるカンナビノイド取り込みを検討した。
【0108】
結果を以下の表3に示す。
【0109】
【表3】

【0110】
THCに対する11ヒドロキシテトラヒドロカンナビノールの比率(AUC 0−12)は、約1.9であり、有意な量の経口摂取が起きたことを示している。
【0111】
ポンプ式舌下スプレーに移ることにより(ハイドロフルオロカーボン噴射剤系によりカンナビノイドを可溶化する問題点を経て)、出願人は、表4に示す結果を得た。溶媒系は、50:50 エタノール:プロピレングリコール(v/v比)とそれぞれTHC 25mg/ml;CBD 50mg/mlおよびTHC/CBD 25mg/ml+50mg/mlを含んでいた。
【0112】
【表4】

【0113】
THCに対する11ヒドロキシテトラヒドロカンナビノールの比率(AUC 0−12)は、約1.6であった。各カンナビノイドのプロファイルは、製剤に関係なく類似していた(THC、CBD、THC+CBD)。
【0114】
様々な用量を説明した後、吸収の程度は点滴薬に匹敵したが、吸収速度はより遅く、代謝される比率が低下した。
【0115】
吸収速度が低下したにもかかわらず、ポンプスプレー機構およびエタノール/プロピレングリコール担体系は、代謝が低下し、正確かつ有利に柔軟な剤形で十分なカンナビノイドを投与する機会を提供した。
【0116】
得られたデータを図1a、1bおよび2に示すが、これらは、表3および4を参照して同定される製剤に関する平均血漿中濃度を示している。
【0117】
カンナビノイドの効果的な送達がエタノールおよびプロピレングリコールからなる媒体で行うことができることを、図1a、1bおよび2に示す血漿中濃度によって示す。これらは、それぞれ、図1aおよび1bに高THCおよび高CBD製剤を含有する製剤を示している。同様に、所定の比の製剤THC:CBD 1:1の有効性を図2に示す。
【0118】
顕著に、エタノール/プロピレングリコール系は、極めて狭い範囲内でポンプ式スプレーと連動するに過ぎないことが分かった。
【0119】
以下の製剤1〜4に例示するポンプスプレー製剤の開発へとつながる知見を以下に示す。
【0120】
実施例1−粒径の意義
出願人は、開発中の噴射剤エアロゾルが「跳ね返り」の欠点を示し、これは送達速度および粒径の関数のようであることを認めた。
【0121】
出願人は、噴射剤駆動系とは対照的に、ポンプスプレーは、粒径が制御され、20〜40ミクロンの粒径を生じる(すなわち、舌下/頬側粘膜にぶつかる物質の量、すなわち吸収されるカンナビノイドの量を最大限に高める)ことができるエアロゾルの液柱を送達できると判断した。適切なサイズの粒子を生成するには、製剤の粘度を注意深く制御する必要があった。製剤があまりに粘稠な場合には、液滴形成が阻害され、ジェットが形成され、バルブが詰まった。製剤が十分に粘稠でない場合には、過剰な噴霧を起こし、断面積の広い液柱が形成され、スプレーはもはや、舌下/頬側粘膜だけに向かわなかった。このために、製剤が貯留し、製剤の一部が嚥下される恐れがある。いずれにしても、結果は不満足である。
【0122】
実際に、好ましい溶媒であるエタノールおよび好ましい共溶媒であるプロピレングリコールについては、以下に示すように使用範囲がかなり狭いことが分かった。
【0123】
エタノール/プロピレングリコールの様々な組合せの粘度を検討し、vp7/100バルブ(Valois)によりそれらのスプレー性能を比較した。結果を以下の表5に表示する。
【0124】
【表5】

【0125】
このデータから、60/40を超えるプロピレングリコールの添加は許容できないと思われた。これらの結果は、米国特許第3560625号と一緒に解釈すると、前記の溶媒/共溶媒組合せは不可であることを示唆しているようであった。しかしながら、出願人は、患者が所与の製剤を与えられた場合、この程度のエタノールレベルには忍容性を示すことを見いだした。
【0126】
エアロゾル液柱に対する粘度の影響は、広げた紙の上に0.5cmの標準距離で様々な製剤をスプレーすることにより定量した。この距離は、正常な使用法におけるポンプ式スプレーユニットのノズルと舌下空洞間の典型的距離に相当する。紙を複写し、液柱の結像を切り取って秤量し、相対断面積を得た。次いで、コピー機の紙1cm当たりの重量でこの値を除することにより、相対値を実断面積に変換した(既知面積の紙の秤量によって決定)。結果を以下の表6に示す。
【0127】
【表6】

【0128】
このデータを図3に示す。
【0129】
さらに、エタノールとプロピレングリコール含量と混合物の粘度のプロットを図4に、粘度の関数としての液柱断面を図5に示す。
【0130】
これらの図から、60/40〜40/60、より具体的には55/45〜45/55、最も好ましくは約50/50のエタノール/プロピレングリコールwt/wtの狭い範囲外では劇的かつ望ましくない特性の変化が目立つ。
【0131】
他の要素も、組合せが狭い範囲で使用されることを保証する際には重要である。60容積%を超えるまでエタノールレベルを高めることは刺激を起こし、60%および55%もの低さに近いプロピレングリコールレベルでは、BDSの場合、BDS中に存在する非極性誘導体が長期の周囲の環境で保存した時に沈殿し始める。
【0132】
使用できるかもしれない他の共溶媒は、類似の範囲を有していると予想される。共溶媒が粘稠であればあるほど、液柱形成性スプレーを生じる問題が大きくなり、極性であればあるほど、沈殿がひどくなる危険性が大きくなる。
【0133】
しかしながら、エタノール/プロピレングリコールの組合せは、50mg/ml(すなわち、カンナビノイドの治療上望ましいレベル)まで溶かすことができ、刺激性ではなく、薬学的に許容でき、プロピレングリコールも、カンナビノイドのバイオアベイラビリティを最大限に高める透過促進剤として働くため、特に有利である。
【0134】
好ましい組成物の平均粒径は、Malvern Marsteriserを用いてテストした場合、33μmであることが分かった。したがって、5μmをかなり超える液滴は、エアロゾルを吸入する危険性を最小限に抑える。
【0135】
実施例2−カンナビノイドがBDS中に存在する場合の水の影響
製剤における5%を超える水の存在は、以下の表7に記載の検討によって説明されるように、BDSの沈殿を引き起こすことが分かった。
【0136】
【表7】

【0137】
実際、この観察結果のために、無水エタノールの使用が好ましい。
【0138】
本発明による製剤の例(非限定的)は以下の通りである。
【0139】
【表8】

【0140】
【表9】

【0141】
【表10】

【0142】
【表11】

【0143】
実施例3
以下の例は、頬側粘膜への液体スプレー製剤の適用および舌下投与と比較した頬側吸収によって生じる血中濃度を説明している。
【0144】
頬側投与に適した以下の液体製剤は、自己乳化剤を含有するため、本発明の範囲の中にはない。しかしながら、これらの組成物の使用法によって説明される一般原則は、本発明による送達製剤に同様に当てはまる。液剤は、以下の成分(量的詳細は重量部として表す)を溶かす(50℃を超えない温度で)ことによって製造した。
【0145】
【表12】

【0146】
カンナビス系医薬抽出物(CBME)は、例えば、液体二酸化炭素による浸出、−20℃の温度まで濃縮エタノール溶液を冷却し、沈殿した不活性植物成分を濾過または遠心分離によって除去することによる、バラストの除去によって調製することができるカンナビスの抽出物である。
【0147】
これらの成分を混ぜることによって形成される製品を、ガラスバイアルに6mlずつで分注し、ポンプ式スプレーで閉じる。使用にあたっては、ブレークアップボタンまたは従来型のデザインを介して投与量を放出する。この目的に適している専用装置は、Valois製のVP7型であるが、同様のデザインが他の製造業者から入手可能である。バイアルを二次的容器詰めに封入し、スプレーを頬側粘膜の特定の領域に向かせることができる。あるいは、延長した専用のボタンを用い、頬側粘膜の好ましい領域にスプレーを導くことができる。
【0148】
製品各1mlは、50〜100mgのΔ−テトラヒドロカンナビノール(THC)および/またはカンナビジオール(CBD)を含有する。ポンプの各作動は、頬側粘膜に導くことができるスプレーを送達する。上記の製剤では、知られているカンナビノイド強度のCBMEを使用する。CBME−G1はカンナビスの高THC産生株由来の抽出物であり、CBME−G5は高CBD産生変種由来である。精製カンナビノイド、およびカンナビノイドを含有する抽出物を、量的調整によって上述のように製剤化できることは当業者には明らかであろう。
【0149】
CBMEのエタノール溶液単独でスプレーとして使用できるが、送達することができるカンナビノイドの量は、溶媒として高濃度の純粋アルコールの侵襲的性質によって制限される。これは、患者に不快感をもたらすことなく粘膜に適用することができる量を限定する。一群の患者が、舌下あるいは頬側粘膜にスプレーを向けて、上述のタイプの溶液中のTHCまたはCBDを使用した場合、舌下適用により、患者は一様に刺すような感覚を報告したが、同じ溶液を頬側粘膜にスプレーした場合には、不快感が軽度であるか、またはないと報告した。このタイプの製剤を頬側粘膜に少量スプレーすることは、嚥下反射をあまり刺激しない。このために、製剤が頬側表面に接触するための滞留時間を延ばすことができる。
【0150】
舌下錠、舌下ポンプ式スプレーまたは頬側経路を介し、THC 4mg、CBD 4mgまたはプラセボ(ビークルのみ)を受けるように、13名のヒト被験者に製剤を投与した。
【0151】
投与後に採取した血液サンプル中のカンナビノイドおよび一次代謝産物の吸収[吸収曲線下面積(AUC)]を測定した。以下の表13は、正規化した平均値として示している。
【0152】
【表13】

【0153】
これらの結果は、舌下および頬側(口咽頭)経路によって吸収されるカンナビノイドの総量は似ているが、口咽頭(頬側)投与後に検出される11−ヒドロキシ(11−OH)代謝産物の量に実質的な(約25%)の減少が認められる。この知見は、頬側製剤の嚥下代謝(および続く肝代謝)の低下と矛盾しない。
【0154】
THCの11−ヒドロキシ代謝産物(11−OH THC)は、親化合物に比べておそらくより向精神性であることが知られている。したがって、投与中にこの代謝産物の量を最小限に抑えることが望ましく、このことは、嚥下される頬側または舌下投与の量を軽減する製剤および適用の方法を用いることによって達成される可能性が高い。ポンプ式スプレーは、嚥下され、中咽頭のレベルより下の腸管からの吸収によって代謝される物質の量を軽減する簡便な手段を提供するように見える。
【0155】
実施例4−薬用カンナビスの栽培
植物は、24時間日光の下で3週間、25℃±1.5℃の温度の温室で、発芽種子からのクローンとして栽培した。このことは、植物を増殖状態に保つ。開花は、8〜9週間、12時間の日照時間に曝すことにより引き起こされる。
【0156】
人為的な農薬、除草剤、殺虫剤および燻蒸剤は一切使用しない。植物を有機栽培し、害虫は生物防除する。
【0157】
種子受入から乾燥薬用大麻までの製造における基本的ステップを以下に要約する。
種子受入

G−Pharm(UK)において種子を発芽させる

カンナビノイド含量および活力に関する選択

母木

挿木苗
ピートプラグで14〜21日
25℃、24時間明期

5リットル鉢中の注文品の堆肥で挿木苗を鉢植えする

若いクローン植物を確立
3週間、24時間明期、25℃

3週目の最後に下枝を落とす
新世代の挿木を作成するため

開花の誘導
12時間明期への植物移転は、開花を誘導する

花成および成熟
25℃で8〜9週

収穫
花および老化した葉の90%

乾燥
光排除の条件下

薬用カンナビス
【0158】
実施例5−植物および抽出物におけるカンナビノイド含量の測定
TLCによる同定
a)材料および方法
機器 正確に制御された容積の溶液を送達することができる施用装置、すなわち1μlのキャピラリピペットまたはマイクロリットルシリンジ
ふた付きのTLC展開槽
温風送風機
シリカゲルG TLCプレート(SIL N−HR/UV254)、ポリエステル支持体上の蛍光指示薬を含む200μmの層
可視化試薬用の浸漬槽
移動相 80%石油エーテル 60:80/20%ジエチルエーテル
可視化試薬 0.1%w/v水性Fast Blue B(脱イオン水100mlに100mg)。任意選択できる方法は、UV254および365nmにおいてスキャンすることである。
【0159】
b) サンプル調製
i)薬草原材料
細かく挽いた乾燥カンナビス約200mgを10mlのメスフラスコに秤量する。メタノール:クロロホルム(9:1)抽出溶媒を用いて定容量にする。
超音波により15分間抽出する。上清をデカントし、クロマトグラフィーに直接用いる。
【0160】
ii)薬草抽出物
抽出物約50mgを25mlのメスフラスコに秤量する。メタノール溶媒を用いて定容量にする。激しく振盪して溶かし、次いで、クロマトグラフィーに直接用いる。
【0161】
c)標準品
0.1mg/ml デルタ−9−THCのメタノール溶液。
0.1mg/ml CBDのメタノール溶液。
標準溶液は、使用の合間−20℃で冷凍保存し、最初の調製から12ヶ月までに使用する。
【0162】
d)試験液および方法
最小限10mm離れた点に適用する。
i)必要に応じて薬草抽出物5μlあるいは薬草抽出液1μl、
ii)0.1mg/ml デルタ−9−THCのメタノール標準溶液10μl、
iii)0.1mg/ml CBDのメタノール標準溶液10μl。
8cmの距離でTLCプレートを溶出し、次いでプレートを取り出す。プレートから溶媒を蒸発させ、次いで2回目の溶出を繰り返す(二重展開)。
カンナビノイドの特徴的な赤/オレンジ色が発色し始めるまでFast Blue B試薬中にプレートを短時間浸す。プレートを取り出し、暗所において周囲条件下で乾燥させる。
結果の永久的記録は、デジタルスキャナによる像の再生によるか(好ましい選択肢)、あるいはトレーシング上にスポット位置および色を書き留めることにより行う。
【0163】
HPLCによるTHC、THCA、CBD、CBDAおよびCBNのアッセイ
a)材料および方法
機器 ダイオードアレイ検出器およびオートサンプラー付きHP1100 HPLC。機器を設定し、社内の標準操作手順(SOPlab037)に従って操作する。
HPLCカラム Discovery C8 5μm、15×0.46cm+Kingsorb ODS2プレカラム5μm 3×0.46cm。
移動相 アセトニトリル:メタノール:0.25%水性酢酸(容積で16:7:6)
カラム操作温度 25℃
流速 1.0ml/分
注入量 10μl
実行時間 25分
検出 中性および酸性カンナビノイド 220nm(バンド幅16nm)
参照波長 400nm/バンド幅 16nm
スリット 4nm
酸性カンナビノイドは、定性的確認および同定目的のためだけに、310nm(バンド幅16nm)において型通りにモニターする。
データ収集 Version A7.01ソフトウェア付きHP Chemistation
【0164】
b)サンプル調製
カンナビス系医薬抽出物の約40mgをメタノール25mlに溶かし、この溶液を、メタノールで1から10に希釈する。
この希釈物をクロマトグラフィーに使用する。
ポンプ式舌下スプレーユニット内に入っている充填液0.5mlをガラスピペットによりサンプリングする。溶液を25mlのフラスコに希釈し、メタノールで標線にあわせる。この溶液200μlをメタノール800μlで希釈する。
薬草または樹脂サンプルは、サンプル100mgを取り、これをメタノール/クロロホルム(9/1 w/v)5または10mlで処理することによって調製する。分散液を封管中で10分間超音波処理し、冷却し、一定量を遠心分離し、クロマトグラフィーに先立ってメタノールで適当に希釈する。
【0165】
c)標準品
この方法には、外部標準化を用いる。メタノールまたはエタノールに溶かしたTHC、CBDおよびCBNの保存標準品を希釈し、正確に約0.1mg/mlの最終使用標準品を得る。使用標準品は−20℃で保存し、最初の調製から12ヶ月までに使用する。
各標準品の注入は、任意の試験溶液の注入に先立って3回ずつ行う。試験溶液の処理中に適当な間隔で標準品を繰り返し注入する。信頼できるCBDAおよびTHCA標準品がない場合、それぞれCBDおよびTHC標準品の感度係数を用いてこれらの化合物を分析する。
溶出順序は、CBD、CBDA、CBN、THCおよびTHCAと決定された。他のカンナビノイドをこの方法を用いて検出し、必要に応じて同定および測定することができる。
【0166】
d)試験溶液
希釈試験溶液はメタノールで作成され、0.02〜0.2mg/mlの線形使用範囲の分析物を含有するはずである。
【0167】
e)クロマトグラフィー合否基準:
以下の合否基準が全分析物(2つの最も接近して溶出する分析物CBDおよびCBDAを含む)の十分な分解能をもたらすことが判明していることから、各列の結果に適用する
i)各分析物の保持時間範囲
CBD 5.4〜5.9分
CBN 7.9〜8.7分
THC 9.6〜10.6分
【0168】
ii)ピーク形状(BP法による対称係数)
CBD<1.30
CBN<1.25
THC<1.35
【0169】
iii)遅い溶出不純物を含有するサンプルを扱うために、標準方法に対する多くの改良法が開発されており、例えば、方法CBD2Aは、実行時間を50分まで延長する。すべての溶液を、表面がテフロンで覆われたセプタムシールおよびキャップで密封されたオートサンプラーバイアルに移す前に、遠心分離によって清澄化しなければならない。
【0170】
iv)プレカラムは、クロマトグラフィーの質にとって重要であり、背圧が71バールおよび/または保持時間および分解能に関する合否基準より高くなり、それらの規定限界から外れる場合には交換しなければならない。
【0171】
f)データ処理
カンナビノイドは、中性および酸性に細分することができ、定性的同定は、DAD二波長モードを用いて行うことができる。酸性カンナビノイドは、220nm〜310nmの領域で強く吸収する。中性カンナビノイドは、220nmの領域で強く吸収するに過ぎない。
型通りには、220nmで記録されるデータのみを定量分析に用いる。
また、DADは、各ピークの紫外スペクトルスキャンを行い、次いでスペクトルライブラリーに保存し、同定目的に使用するために設定することができる。
【0172】
定量のためのデータ処理は、Hewlett Packard Chemstation上のバッチ処理ソフトウェアを利用する。
【0173】
a)サンプルクロマトグラム
THCおよびCBD薬草抽出物のHPLCサンプルクロマトグラムを添付の図に示す。
【0174】
実施例6−薬草抽出物の調製
高THCおよび高CBD化学型から抽出物を製造するプロセスを示す流れ図を以下に示す:
薬用カンナビス(高THCまたは高CBD)

主に2〜3mmに切る

酸型のカンナビノイドを脱炭酸して中性カンナビノイドを生成するのに十分な時間、100〜150℃に加熱する

6〜8時間にわたる規定容積の液体二酸化炭素による抽出

組成抽出物を回収するための減圧によるCOの除去

「冬化」−組成抽出物のエタノールPh.Eur.への溶解と、続く望ましくないろうを沈殿させるために溶液を冷却すること(−20℃/48時間)

低温濾過による望ましくないろう状材料の除去

減圧下の薄膜蒸発による濾液からのエタノールの除去
【0175】
得られる抽出物はカンナビス系薬用抽出物と呼ばれ、米国食品医薬品局 Guidance for Industry Botanical Drug Productsに従って植物性原薬として分類される。
【0176】
実施例7
高THCカンナビスを21+2℃の温度、RH50〜60%の温室で栽培した。薬草を収穫し、暗所で40〜45%のRHにおいて周囲室温で乾燥した。乾燥したら、葉および頭花を茎から取り、この乾燥バイオマスを「薬用カンナビス」と呼ぶ。
【0177】
薬用カンナビスを粗い粉末にし(3mmメッシュを通過する粒子)、Supercritical Fluid Extractorのチャンバーに充填した。充填密度は0.3とし、600バールの圧力で液体二酸化炭素を35℃の温度でその充填物に通した。超臨界抽出を4時間行い、段階的減圧により収集容器に抽出物を回収した。得られる緑褐色の油状樹脂性抽出物をさらに精製する。エタノールBP(2部)に溶かし、−20℃の温度に24時間さらすと、沈殿物(脂溶性のろう状物質からなる)が溶液から析出し、濾過により除去した。ロータリーエバポレータ中、低圧で溶媒を除去した。得られる抽出物は、THC約60%および1〜2%がカンナビジオールであり、残りがカンナビノールを含む微量カンナビノイドである他のカンナビノイド約6%を含有する軟エキスである。量的収率は、乾燥薬用カンナビスの重量に基づいて9%w/wであった。
【0178】
高CBD化学型を同様に処理し、4%までのテトラヒドロカンナビノール、合計6%の他のカンナビノイドと共にCBD約60%を含有する抽出物を得た。抽出物は、上述の一般的方法を用い、THCVおよびCBDV化学型を用いて製造した。
【0179】
当業者は、温度および圧力の他の組合せ(例えば、+10℃〜35℃および60〜600バールの範囲)を用いて超臨界および亜臨界条件下で抽出物を調製することができることを理解されよう。
【0180】
実施例8−THC、CBDまたはTHCVのアルコール溶液の安定性に対する光の影響
以下の実施例には、琥珀色のガラス中に液体剤形を容器詰めすることを支持し、カンナビノイドに対する光の分解作用からのある程度の保護を提供するデータが含まれる。
【0181】
また、カンナビス活性成分を含有する液剤のための最低可能保存温度の選択にさらに信憑性を与える。
【0182】
背景および概観:
光は、カンナビノイドを含む多くの物質において分解反応の開始剤であることが知られている。この知識は、液体製剤の容器詰めを選択する際に用いられており、琥珀色のガラスが、光排除バリアとして医薬品提供の際に広く使用されている。
【0183】
THC、CBDまたはTHCVのメタノール溶液の安定性に対する白色光の影響を追跡調査するために実験を設定した。異なる光が化合物の安定性に対して異なる影響を及ぼす可能性があるという予備知識を受けて(すなわち、トレチノインは、赤色光または暗闇でのみ安定である)、サンプルを着色アセテートフィルムまたは光排除性ホイルに包んだ。同時実験は、活性炭処理CBMEを用い、分解プロセスに対する植物色素の除去の影響を検討した。
【0184】
材料および方法:
カンナビノイド:CBMEの1mg/ml溶液をARメタノールで作成した。CBMEのメタノール溶液(100mg/ml)を活性炭カラム(Biotage Flash 12AC 7.5cmカートリッジ、b/no.273012S)に通し、次いで、1mg/mlまで希釈した。溶液を、ソーダガラス製バイアルに保存し、ねじぶたでふたをし、ストレッチフィルムで密封した。管を、以下の着色アセテートフィルムに包んだ:赤色、黄色、緑色、およびシアン。
【0185】
また、琥珀色ガラスのU−saveバイアルに溶液を充填し、これらをセプタムで密閉し、さらに密封した。各シリーズのサンプルのうち1つの管を、光を完全に排除するためにアルミホイルでしっかりと包んだ。これは、分解挙動に対する周囲温度の寄与をモニターするための「暗」対照としての役割をした。上記の管すべてを、2個の40ワット白色Osram蛍光管を取り付けた箱に入れた。箱の壁は、内側を反射性ホイルで覆い、内部温度を頻繁にモニターした。
【0186】
各シリーズの他の管は−20℃で保存され、参照サンプルに対する偽の役割をした。さらに1本の管を保護せずに直接光に暴露した。試験開始後112日まで間を置いてクロマトグラフィー分析のためにサンプルを採取した。この試験をAS01201/AX282と名付けた。
【0187】
試験溶液のサンプルを採取し、HPLCおよびTLC分析のために必要に応じて希釈した。HPLCは、TM GE.004.V1(SOPam058)に従って行った。TLCは、TM GE.002.V1(SOPam056)に従い、シリカゲル(MN SilG/UV)上の層で行った。
【0188】
分解生成物を分離するため、2種類のTLC系をさらに利用した:
a)SilG/UV、固定相、ヘキサン/アセトン 8/2 v/v移動相
b)RPC18固定相、アセトニトリル/メタノール/0.25%水性酢酸 容積で16/7/6
【0189】
カンナビノイドの可視化は、Fast Blue B塩によった。
【0190】
結果および考察:
HPLC定量分析:
保存した光暴露溶液から採取したサンプルのHPLC分析からの結果をプロットし、図6、6a(活性炭処理前後のTHC)、および7、7a(活性炭処理前後のCBD)として示す。
【0191】
図6および6aから、暗所(周囲温度において)および−20℃(したがって、光化学ストレス下にない)で保存された溶液を除き、すべての溶液においてTHCの安定性に有意な改善があることが見て取れる。未処理抽出物を活性炭処理抽出物と比較した場合、琥珀色ガラス中の保存すら改善を示している。しかしながら、このことは、活性炭処理抽出物の熱安定性の改善に反映している可能性がある。
【0192】
図7および7aは、CBD含有抽出物に関する同様のデータを示しており、このカンナビノイドは、THCよりも光の影響をより有意に受けやすいことが見て取れる。活性炭がない場合、琥珀色ガラス、光排除(ホイル)および−20℃保存を除くすべての暴露は、40日前にCBDを検出不能なレベルまで分解した。これは、活性炭処理から42〜62日の図まで改善した。琥珀色ガラスで保護したCBDは、活性炭処理しない112日目の約38%の残存化合物から、活性炭処理後の同時点における約64%までの改善を示した。また、活性炭処理後の光排除溶液においてCBDの安定性に改善が認められた。このことは、熱酸化分解、あるいはCBMEおよび溶液調製中に光(および/または空気)によって開始される残留光化学分解の減少を反映しているに過ぎない可能性がある。
【0193】
薄層クロマトグラフィー定性分析:
薄層クロマトグラフィーを用いる光分解溶液の評価には、既存の順相系(すなわち、シリカ固定相および移動相としてヘキサン/ジエチルエーテル)と分解プロセス中に生成するより極性な、または重合体生成物を分離することができる2種類の追加系を用いた。
【0194】
すなわち、ヘキサン/ジエチルエーテル系を用いるクロマトグラフィーは、112日目までのTHCに関して、色をフィルターしたすべての光についてTHCおよび二次的CBDスポットの強度の減少が認められることを示した(データ省略)。同時に、原点、または原点近くに移動するFast Blue B染色物質の強度の増加が認められた。ホイル保護溶液は、これらのいずれの影響も示さなかった。
【0195】
結論および推奨:
カンナビノイドは、多くの自然曝露、すなわち光、熱、酸素、酵素などによって分解されることが知られている。広範囲な清浄法を受けてこなかった薬草植物材料の抽出物では、これらのプロセスのうちいくつかが依然として続く可能性が最も高い。逆説的に言えば、植物組織内の任意の保護剤の存在からのカンナビノイドの採取は、抽出物が特定の分解経路を受けやすくする可能性がある。
【0196】
琥珀色フィルター光中で製剤の製造を行う琥珀色ガラスバイアルへの容器詰め、ならびに製造要件、流通要件および患者コンプライアンスと適合するできる限り低温での植物抽出物および医薬製剤の保存は、カンナビノイドの分解に対する光の影響を除くか、少なくとも軽減する。これらの作用は、植物抽出物と完成品双方の保存安定性を劇的に改善した。
【0197】
光化学ストレスにさらされた場合、CBDはTHCよりも著しく安定でないことを述べることは興味深いことであった。このことは、THCが安定でない相対的熱酸化的安定性に関する知見とは正反対である。このことは、重合性分解生成物が光化学分解と熱酸化的分解双方の共通した結果であるにもかかわらず、この2つのプロセスについて機序の正確な詳細は一致しないことを示しているように見える。
【0198】
引き出すことができる結論は、以下の通りである:
1]投与溶液の容器詰めに琥珀色ガラスを選択することは、安定性の改善を提供するが、さらに光排除手段により、わずかな改善を行うことができる。
2]乾燥プロセスと続く抽出および大麻抽出物の製剤化は、低強度の琥珀色フィルター光中で行うべきである。
3]不活性雰囲気(例えば、窒素)中での抽出物のガスシールを考慮すべきである。
4]冬化後の簡単な活性炭濾過による大麻抽出物の精製は、製品保存期間に実質的な改善をもたらす可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0199】
【図1a】ヒト被験者に高CBD(図1a)および高THC(図1b)カンナビス抽出物を投与した場合のカンナビノイドCBD、THCおよび11−ヒドロキシTHCの平均血漿中濃度を示す。
【図1b】ヒト被験者に高CBD(図1a)および高THC(図1b)カンナビス抽出物を投与した場合のカンナビノイドCBD、THCおよび11−ヒドロキシTHCの平均血漿中濃度を示す。
【図2】ヒト被験者に1:1の比でTHC:CBDを含有するカンナビス抽出物を投与した場合のカンナビノイドCBD、THCおよび11−ヒドロキシTHCの平均血漿中濃度を示す。
【図3】プロピレングリコール/エタノール液体スプレー製剤におけるプロピレングリコール%に対するエアロゾル液柱の断面積を示す。
【図4】プロピレングリコール/エタノール液体スプレー製剤におけるプロピレングリコール含量の関数として粘度を示す。
【図5】プロピレングリコール/エタノール液体スプレー製剤について粘度に対するエアロゾル液柱の断面積を示す。
【図6】活性炭処理前後で、貯蔵された光に曝したTHCの溶液から採取したサンプルのHPLC分析の結果を示す。
【図6a】活性炭処理前後で、貯蔵された光に曝したTHCの溶液から採取したサンプルのHPLC分析の結果を示す。
【図7】活性炭処理前後で、貯蔵された光に曝したCBDの溶液から採取したサンプルのHPLC分析の結果を示す。
【図7a】活性炭処理前後で、貯蔵された光に曝したCBDの溶液から採取したサンプルのHPLC分析の結果を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1種以上のカンナビノイドを含む親油性薬物の粘膜表面を介した投与に使用するための液体医薬製剤であって、1種以上のカンナビノイドを含む親油性薬物、溶媒および共溶媒を含み、製剤中に存在する溶媒および共溶媒の総量は製剤の55%wt/wtよりも多く、製剤は自己乳化剤および/またはフッ素化噴射剤を含まず、カンナビノイドは10mg/mlよりも多い量で製剤中に存在する、液体医薬製剤。
【請求項2】
含水量が5%未満である、請求項1に記載の液体医薬製剤。
【請求項3】
溶媒がC1〜C4アルコールから選択される、請求項1または2に記載の液体医薬製剤。
【請求項4】
溶媒がエタノールである、請求項3に記載の液体医薬製剤。
【請求項5】
共溶媒がグリコール、糖アルコール、炭酸エステルおよび塩素化炭化水素から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の液体医薬製剤。
【請求項6】
グリコールがプロピレングリコールおよびグリセロールから選択され、炭酸エステルは、プロピレンカーボネートである、請求項5に記載の液体医薬製剤。
【請求項7】
共溶媒がプロピレングリコールである、請求項5に記載の液体医薬製剤。
【請求項8】
溶媒がエタノールであり、共溶媒がプロピレングリコールである、請求項1または2に記載の液体医薬製剤。
【請求項9】
エタノール/プロピレングリコールが60/40〜40/60の範囲の相対的重量比率で存在する、請求項8に記載の液体医薬製剤。
【請求項10】
エタノール/プロピレングリコールが55/45〜45/55の範囲の相対的重量比率で存在する、請求項8に記載の液体医薬製剤。
【請求項11】
エタノール/プロピレングリコールが約50/50の相対的重量比率で存在する、請求項8に記載の液体医薬製剤。
【請求項12】
香料をさらに含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の液体医薬製剤。
【請求項13】
香料がハッカ油である、請求項12に記載の液体医薬製剤。
【請求項14】
香料が最大で0.1%v/v、好ましくは0.05%v/vの量で存在する、請求項12または請求項13に記載の液体医薬製剤。
【請求項15】
親油性薬物が少なくとも1種のカンナビス植物由来の少なくとも1種の抽出物である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の液体医薬製剤。
【請求項16】
少なくとも1種のカンナビス植物由来の抽出物が植物性原薬である、請求項15に記載の液体医薬製剤。
【請求項17】
植物性原薬が植物材料中に存在する実質的比率のろうおよび他の溶媒不溶性物質を除去するための抽出ステップを受けた、請求項16に記載の液体製剤。
【請求項18】
植物性原薬が1種以上のカンナビス植物のCO抽出物である、請求項16または17に記載の液体製剤。
【請求項19】
1種以上のカンナビノイド、エタノールおよびプロピレングリコール、ならびに場合により香料および/またはオピエートから基本的になる、請求項1〜18のいずれか一項に記載の液体医薬製剤。
【請求項20】
親油性薬物がテトラヒドロカンナビノール、Δ−テトラヒドロカンナビノール、Δ−テトラヒドロカンナビノール、Δ−テトラヒドロカンナビノールプロピル類似体、カンナビジオール、カンナビジオールプロピル類似体、カンナビノール、カンナビクロメン、カンナビクロメンプロピル類似体、カンナビゲロール、またはそれらの任意の混合物を含む、請求項1〜19のいずれか一項に記載の液体医薬製剤。
【請求項21】
カンナビノイドがTHCおよび/またはCBDを含む、請求項1〜20のいずれか一項に記載の液体医薬製剤。
【請求項22】
THCおよびCBDが0.9:1.1〜1.1:0.9の比(w/w)で存在する、請求項21に記載の液体医薬製剤。
【請求項23】
THCおよびCBDが約1:1の比(w/w)で存在する、請求項21に記載の液体医薬製剤。
【請求項24】
製剤に約27mg/mlのTHCおよび約25mg/mlのCBDが含まれる、請求項21に記載の製剤。
【請求項25】
カンナビジオール(CBD)とテトラヒドロカンナビノール(THC)の両カンナビノイド、またはテトラヒドロカンナビノバリン(THCV)とカンナビジバリン(CBDV)の両カンナビノイドを所定の重量比で含む、請求項1から20のいずれか一項に記載の液体医薬製剤。
【請求項26】
カンナビジオール(CBD)とテトラヒドロカンナビノール(THC)の両カンナビノイドを含み、CBDがTHCの重量よりも多い重量で存在する、請求項25に記載の医薬製剤。
【請求項27】
CBDのTHCに対する重量比が2.5:1よりも大きい、請求項26に記載の製剤。
【請求項28】
CBDのTHCに対する重量比が99:1〜2.5:1、好ましくは約20:1から約2.5:1の間である、請求項26または請求項27に記載の製剤。
【請求項29】
CBDのTHCに対する重量比が約19:1である、請求項26〜28のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項30】
CBDのTHCに対する重量比が約5:1〜約3:1の範囲である、請求項26〜28のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項31】
CBDおよびTHC以外のカンナビノイドを実質的に含まない、請求項26〜30のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項32】
カンナビス属において見いだされる他のカンナビノイドを実質的に含まない、請求項31に記載の製剤。
【請求項33】
CBDおよびTHCが実質的に純粋な形態である、請求項26〜32のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項34】
1種以上の他のカンナビノイドをさらに含む、請求項26〜30のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項35】
1種以上の他のカンナビノイドがテトラヒドロカンナビノバリン(THCV)および/またはカンナビジバリン(CBDV)である、請求項34に記載の製剤。
【請求項36】
CBDおよびTHCが少なくとも1種のカンナビス属植物由来の少なくとも1種の抽出物の一部を形成し、前記の少なくとも1種の抽出物が前記植物において天然に存在するカンナビノイドすべてを含む、請求項26〜30、34または35のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項37】
カンナビス属植物がカンナビス・サティバ、カンナビス・インディカ、それらの間の遺伝的交雑、それらの自家交雑またはそれらのハイブリッドから選択される、請求項36に記載の製剤。
【請求項38】
カンナビス属植物がカンナビス・サティバ、亜種インディカであり、var.indicaおよびvar.kafiristanicaから選択される、請求項37に記載の製剤。
【請求項39】
2種以上の異なるカンナビス変種由来の抽出物を含み、最終製剤におけるCBDの量がTHCの重量よりも多い、請求項36〜38のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項40】
前記抽出物が乾燥カンナビス植物の超臨界または亜臨界流体抽出により調製される、請求項36〜38のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項41】
カンナビジオール(CBD)とテトラヒドロカンナビノール(THC)の両カンナビノイドを含み、THCがCBDの重量よりも多い重量で存在する、請求項25に記載の液体医薬製剤。
【請求項42】
CBDのTHCに対する所定の重量比が1:99から1:1.5の間である、請求項41に記載の製剤。
【請求項43】
CBDのTHCに対する前記所定の重量比が約1:39である、請求項42に記載の製剤。
【請求項44】
CBDのTHCに対する前記所定の重量比が約1:2である、請求項42に記載の製剤。
【請求項45】
テトラヒドロカンナビノバリン(THCV)とカンナビジバリン(CBDV)の両カンナビノイドを含み、CBDVがTHCVの重量よりも多い重量で存在する、請求項25に記載の医薬製剤。
【請求項46】
CBDおよび/またはTHCをさらに含む、請求項45に記載の製剤。
【請求項47】
CBDVのTHCVに対する重量比が1.5:1よりも大きい、請求項45または46に記載の製剤。
【請求項48】
CBDVのTHCVに対する重量比が約99:1〜約1.5:1、好ましくは約20:1〜約2.5:1の範囲である、請求項45〜47のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項49】
CBDVのTHCVに対する重量比が約9:1である、請求項45〜48のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項50】
CBDVのTHCVに対する重量比が約5:1〜3:1である、請求項45〜48のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項51】
カンナビス属において見いだされる他のカンナビノイドを実質的に含まない、請求項47または請求項47〜50のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項52】
CBDVおよびTHCVがカンナビス植物由来の抽出物の一部を形成し、前記抽出物が前記植物において天然に存在するカンナビノイドすべてを含む、請求項45〜51のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項53】
カンナビス植物がカンナビス・サティバ、カンナビス・インディカ、またはそれらの間の遺伝的交雑、それらの自家交雑もしくはそれらのハイブリッドから選択される、請求項52に記載の製剤。
【請求項54】
THCとTHCVの両カンナビノイドを含み、THCVがTHCの重量とほぼ等しいか、それよりも多い重量で存在する、請求項1〜20のいずれか一項に記載の液体医薬製剤。
【請求項55】
THCVのTHCに対する重量比が99:1〜1.5:1である、請求項54に記載の医薬製剤。
【請求項56】
THCVのTHCに対する重量比が約17:3である、請求項54または55に記載の製剤。
【請求項57】
THCVの重量に満たない重量でCBDおよび/またはCBDVも含む、請求項54か〜56のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項58】
THCVおよびTHCがカンナビス植物由来の抽出物の一部を形成し、前記抽出物が前記植物において天然に存在するカンナビノイドすべてを含む、請求項54〜57のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項59】
前記カンナビス植物がカンナビス・サティバ、カンナビス・インディカ、またはそれらの間の遺伝的交雑、それらの自家交雑もしくはそれらのハイブリッドの結果から選択される、請求項58に記載の製剤。
【請求項60】
炎症性疾患、またはその過程において酸化的ストレスが作用する任意の疾患もしくは状態の治療に使用するための、請求項25〜41または45〜58のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項61】
関節リウマチ、または炎症性腸疾患もしくはクローン病の治療に使用するための、請求項31または50に記載の医薬製剤。
【請求項62】
精神障害、てんかん、運動障害、脳卒中、頭部損傷、または食欲抑制を必要とする疾患の治療に使用するための、請求項30または49に記載の医薬製剤。
【請求項63】
多発性硬化症、脊髄損傷、末梢神経障害または他の神経原性疼痛を治療するための、ほぼ同量のCBDおよびTHCまたはTHCVおよびCBDVを含む、請求項1〜24のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項64】
癌疼痛もしくは片頭痛の治療に使用するための、または食欲を増進するための、約39:1〜約99:1の重量比のTHCとCBDまたはTHCVとCBDVを含む、請求項1〜20のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項65】
THCのCBDに対する重量比またはTHCVのCBDVに対する重量比が約39:1である、請求項64に記載の使用のための医薬製剤。
【請求項66】
製剤においてTHCとCBDおよび/またはTHCVとCBDVがカンナビス植物由来の抽出物の一部を形成し、前記抽出物が前記植物において天然に存在するカンナビノイドすべてを含む、請求項63〜65のいずれかに記載の使用のための医薬製剤。
【請求項67】
1ml容積中に、THC27mg/ml(植物性原薬中のカンナビノイドの量を基準)、CBD25mg/ml(植物性原薬中のカンナビノイドの量を基準)、プロピレングリコール0.5ml/ml、ハッカ油0.0005ml/ml、およびエタノール(無水)1mlまで適量を含む液体医薬製剤。
【請求項68】
1ml容積中に、THC27mg/ml(植物性原薬中のカンナビノイドの量を基準)、プロピレングリコール0.5ml/ml、ハッカ油0.0005ml/ml、およびエタノール(無水)1mlまで適量を含む液体医薬製剤。
【請求項69】
1ml容積中に、CBD25mg/ml(植物性原薬中のカンナビノイドの量を基準)、プロピレングリコール0.5ml/ml、ハッカ油0.0005ml/ml、およびエタノール(無水)1mlまで適量を含む液体医薬製剤。
【請求項70】
送達時に20〜40ミクロンの範囲の空気力学的平均粒径を有するスプレーとして送達するために容器詰めされる、請求項1〜69のいずれか一項に記載の液体製剤。
【請求項71】
空気力学的平均粒径が送達時に25〜35ミクロンの範囲である、請求項70に記載の製剤。
【請求項72】
空気力学的平均粒径が送達時に30〜35ミクロンの範囲である、請求項70に記載の製剤。
【請求項73】
ポンプ式スプレーとして送達するために容器詰めされる、請求項70〜72のいずれか一項に記載の液体製剤。
【請求項74】
製剤が機械的なポンプを介して分配される、請求項73に記載の液体製剤。
【請求項75】
機械ポンプがVP7アクチュエータバルブを含む、請求項74に記載の液体製剤。
【請求項76】
紫外光およびスペクトルの青色領域由来の光、好ましくは200〜500nmの範囲の波長における光を除くように着色した容器に製剤が容器詰めされる、請求項1〜76のいずれか一項に記載の液体製剤。
【請求項77】
容器が琥珀色に着色されている、請求項76に記載の液体製剤。
【請求項78】
親油性薬物が不活性雰囲気中で容器詰めされる、請求項1〜77のいずれか一項に記載の液体製剤。
【請求項79】
親油性薬物が窒素中で容器詰めされる、請求項78に記載の液体製剤。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
親油性薬物の粘膜表面を介した投与に使用するための液体医薬製剤であって、少なくとも1種の親油性薬物、溶媒および共溶媒を含み、製剤中に存在する溶媒および共溶媒の総量は製剤の55%wt/wtよりも多く、製剤は自己乳化剤および/またはフッ素化噴射剤を含まず、液体医薬製剤は送達時に20〜40ミクロンの空気力学的平均粒径を有するスプレーとして送達するために容器詰めされる、液体医薬製剤。
【請求項2】
平均粒径が送達時に25〜35ミクロンの範囲である、請求項1に記載の液体医薬製剤。
【請求項3】
平均粒径が送達時に30〜35ミクロンの範囲である、請求項1に記載の液体医薬製剤。
【請求項4】
溶媒がC1〜C4アルコールから選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体医薬製剤。
【請求項5】
共溶媒がグリコール、糖アルコール、炭酸エステルおよび塩素化炭化水素から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の液体医薬製剤。
【請求項6】
溶媒がエタノールであり、共溶媒がプロピレングリコールである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の液体医薬製剤。
【請求項7】
エタノール/プロピレングリコールが60/40〜40/60の範囲の相対的重量比率で存在する、請求項6に記載の液体医薬製剤。
【請求項8】
親油性薬物が1種以上のカンナビノイドを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の液体医薬製剤。
【請求項9】
親油性薬物が少なくとも1種のカンナビス植物由来の少なくとも1種の抽出物である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の液体医薬製剤。
【請求項10】
少なくとも1種のカンナビス植物由来の抽出物が植物性原薬である、請求項9に記載の液体医薬製剤。
【請求項11】
植物性原薬が植物材料中に存在する実質的比率のろうおよび他の溶媒不溶性物質を除去するための抽出ステップを受けた、請求項10に記載の液体製剤。
【請求項12】
1種以上のカンナビノイド、エタノールおよびプロピレングリコール、ならびに場合により香料および/またはオピエートから基本的になる、請求項1〜11のいずれか一項に記載の液体医薬製剤。
【請求項13】
親油性薬物がテトラヒドロカンナビノール、Δ−テトラヒドロカンナビノール、Δ−テトラヒドロカンナビノール、Δ−テトラヒドロカンナビノールプロピル類似体、カンナビジオール、カンナビジオールプロピル類似体、カンナビノール、カンナビクロメン、カンナビクロメンプロピル類似体、カンナビゲロール、またはそれらの任意の混合物を含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の液体医薬製剤。
【請求項14】
カンナビノイドがTHCおよび/またはCBDを含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の液体医薬製剤。
【請求項15】
THCおよびCBDが0.9:1.1〜1.1:0.9の比(w/w)で存在する請求項14に記載の液体医薬製剤。
【請求項16】
カンナビジオール(CBD)とテトラヒドロカンナビノール(THC)の両カンナビノイド、またはテトラヒドロカンナビノバリン(THCV)とカンナビジバリン(CBDV)の両カンナビノイドを所定の重量比で含む、請求項1から14のいずれか一項に記載の液体医薬製剤。
【請求項17】
カンナビジオール(CBD)とテトラヒドロカンナビノール(THC)の両カンナビノイドを含み、CBDがTHCの重量よりも多い重量で存在する、請求項16に記載の医薬製剤。
【請求項18】
CBDのTHCに対する重量比が2.5:1よりも大きい、請求項17に記載の製剤。
【請求項19】
CBDのTHCに対する重量比が約5:1〜約3:1の範囲である、請求項17または18に記載の製剤。
【請求項20】
CBDおよびTHC以外のカンナビノイドを実質的に含まない、請求項17から19のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項21】
カンナビジオール(CBD)とテトラヒドロカンナビノール(THC)の両カンナビノイドを含み、THCがCBDの重量よりも多い重量で存在する、請求項16に記載の液体医薬製剤。
【請求項22】
CBDのTHCに対する所定の重量比が1:99〜1:1.5である、請求項21に記載の製剤。
【請求項23】
テトラヒドロカンナビノバリン(THCV)とカンナビジバリン(CBDV)の両カンナビノイドを含み、CBDVがTHCVの重量よりも多い重量で存在する、請求項16に記載の医薬製剤。
【請求項24】
CBDVのTHCVに対する重量比が1.5:1よりも大きい、請求項23に記載の製剤。
【請求項25】
炎症性疾患、またはその過程において酸化的ストレスが作用する任意の疾患もしくは状態の治療に使用するための、請求項16〜21または23〜24のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項26】
関節リウマチ、または炎症性腸疾患もしくはクローン病の治療に使用するための、請求項20に記載の医薬製剤。
【請求項27】
精神障害、てんかん、運動障害、脳卒中、頭部損傷、または食欲抑制を必要とする疾患の治療に使用するための、請求項19に記載の医薬製剤。
【請求項28】
多発性硬化症、脊髄損傷、末梢神経障害または他の神経原性疼痛を治療するための、ほぼ同量のCBDおよびTHCまたはTHCVおよびCBDVを含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項29】
癌疼痛もしくは片頭痛の治療に使用するための、または食欲を増進するための、約39:1〜約99:1の重量比のTHCとCBDまたはTHCVとCBDVを含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項30】
1ml容積中に、THC27mg/ml(植物性原薬中のカンナビノイドの量を基準)、CBD25mg/ml(植物性原薬中のカンナビノイドの量を基準)、プロピレングリコール0.5ml/ml、ハッカ油0.0005ml/ml、およびエタノール(無水)1mlまで適量を含む液体医薬製剤。
【請求項31】
1ml容積中に、THC27mg/ml(植物性原薬中のカンナビノイドの量を基準)、プロピレングリコール0.5ml/ml、ハッカ油0.0005ml/ml、およびエタノール(無水)1mlまで適量を含む液体医薬製剤。
【請求項32】
1ml容積中に、CBD25mg/ml(植物性原薬中のカンナビノイドの量を基準)、プロピレングリコール0.5ml/ml、ハッカ油0.0005ml/ml、およびエタノール(無水)1mlまで適量を含む液体医薬製剤。
【請求項33】
親油性薬物が不活性雰囲気中で容器詰めされる、請求項1〜33のいずれか一項に記載の液体製剤。

【図1a】
image rotate

【図1b】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図6a】
image rotate

【図7】
image rotate

【図7a】
image rotate


【公表番号】特表2006−504671(P2006−504671A)
【公表日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−528678(P2004−528678)
【出願日】平成15年8月14日(2003.8.14)
【国際出願番号】PCT/GB2003/003574
【国際公開番号】WO2004/016246
【国際公開日】平成16年2月26日(2004.2.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
テフロン
【出願人】(502327779)ジーダブリュー ファーマ リミテッド (5)
【Fターム(参考)】