精子採取装置

【課題】ゲル状樹脂製のコア部材の先端面にスポンジ蓋を配置しないことにより部品点数を削減しながら、ローション漏れを防止すると共に、コア部材がペニスの挿入時、摺擦時に、挫屈、変形して正常な使用が困難化するという不具合を解消する。
【解決手段】コア部材10の長手方向一端部には、その端面に挿入口11を有したフランジ部13を有し、フランジ部の内部には空所から成るリング部材収納部13aを有し、容器本体の内壁にはコア部材のフランジ部外周部を嵌合するフランジ部支持部3cを備え、コア部材のリング部材収納部内に、スポンジ部材を保持したリング部材を嵌合配置して補強した状態で、フランジ部をフランジ部支持部によって脱落せぬよう支持した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は精子採取装置に関し、特に医学的な研究、治療のための要請や、性犯罪防止、買春防止、及び性病の蔓延防止等の社会的な要請に基づいて従来から使用されてきた精子採取装置の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
医学的な研究や治療上の必要から、男性の精子を採取するための精子採取装置が種々提案されている。例えば、夫婦間の不妊の原因を究明するために採取した精子から夫の性機能を検査したり、性機能障害を治療したり、人工授精のために精子を確保、保管する等の医学的な必要性のために精子採取装置が使用される。更に、個人的な性的欲求を解消させることによる性犯罪の予防、買春防止、性病感染者数の減少等の種々の社会的なニーズを満たすためにも、従来から低廉に入手することができ、しかも使い捨てタイプであるために衛生上、健康上の問題も惹起しない簡易な精子採取装置が知られている。
また、最近では健常者のみならず、老人介護施設における老人や、養護学校等における身障者の性的欲求処理の必要性が着目されており、このような要請を満たすことができる簡易な精子採取装置の開発が求められている。
【0003】
例えば、実用新案登録第3076627号には、円筒状の容器本体内に、内部に深い凹部空間を有するゲル状の合成樹脂製(スチレン系熱可塑性エラストマー)の内装材を設け、当該内装材の内側には凹部空間へ突出した複数の小突起及び、襞状部を設けると共に、上記内装材の周囲を覆う状態に、ウレタン樹脂からなる外装材を設けた精子採取器が提案されている。
この精子採取器は、円筒状の容器本体の一端に設けた開口から容器内部に、内装材の周囲を覆うように外装材を組み付けた組付け体を挿入し、容器開口側に位置する内装材の挿入口を円盤状のスポンジ蓋によって塞いでから、該容器開口をキャップによって封止している。スポンジ蓋の中央部には十字状の切り込みを設けておき、この切り込みを内装材の挿入口と連通させることによって、スポンジ蓋を経由して内装材内部にペニスを挿入できるようにしている。
【0004】
上記従来の容器本体は、所要の硬度、肉厚を有したプラスチックを用いて直径(5〜6.5cm程度)が全長に亘って均一な円筒体を構成している。この容器本体内に収納されたゲル状合成樹脂の内装材の凹部空間内にペニスを挿入した状態で容器本体を把持してペニス摺擦のための往復操作を行うが、硬質の容器本体開口の先端縁が常時露出状態にあるため、使用時に容器本体の開口部先端縁がペニスの基部や、ペニス周辺の皮膚に繰り返し当接してこれらの部位を痛めたり、不快感を与えるという不具合があった。
また、内装材と容器本体との固定状態が十分でない場合には、摺擦操作中に内装材が容器本体内壁から脱落して挫屈し、使用不能に陥るという問題があった。このような不具合に対処するために内装材と容器本体とを接着剤により固着すると、接着のための工程が増大したり、製造工程の自動化に適さない構造となる。
【0005】
また、内装材を構成するエラストマーは高価であるため、内装材の肉厚を薄くして材料費を低減することがトータルのコストダウンに有効ではあるが、内装材の肉厚を薄くするとペニスの挿入時、及び摺擦操作中に内装材が挫屈し易くなり、使用不能に陥ることがある。
本出願人が提案したPCT/JP2006/310969に係る精子採取装置においても、容器本体の開口部周縁が使用者の下腹部に当たって痛みをもたらすという不具合が発生し得る。
更に、本出願人は、特願2005−163336、特願2005−168906、特願2005−168907において、容器本体内にゲル状樹脂製のコア部材を収容すると共に、コア部材先端面に添設したスポンジ蓋の外周を容器本体内壁に接着固定することによって容器本体内におけるコア部材の位置決めを図った精子採取装置を提案した。しかし、実際には使用中にスポンジ蓋が容器本体内部に落ち込み易く、その結果として容器本体の開口部周縁が突出して使用者のペニスの基部や、ペニス周辺の皮膚を痛めたり、不快感を与えるという不具合があった。
【特許文献1】実用新案登録第3076627号
【特許文献2】PCT/JP2006/310969
【特許文献3】特願2005−163336
【特許文献4】特願2005−168906
【特許文献5】特願2005−168907
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ゲル状樹脂製のコア部材の先端面にスポンジ蓋を配置しないことにより部品点数を削減しながら、ローション漏れを防止すると共に、コア部材がペニスの挿入時、摺擦時に、挫屈、変形して正常な使用が困難化するという不具合を解消することを目的としている。
また、高価なゲル状樹脂の使用量を減少させてコア部材のコストを低減することを目的としている。
更に、使用時に容器本体の開口部周縁がペニスの基部や、ペニス周辺の皮膚に繰り返し当接することによる当接部位へのダメージや、不快感を与えるという不具合を無くすることを他の目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、長手方向一端に開口部を有した容器本体と、該容器本体の開口部に脱着して開閉するキャップと、から成る容器と、前記容器本体内に収容され、長手方向一端面の挿入口から内部に延びる挿入空所を有したゲル状樹脂製のコア部材と、前記挿入口から前記コア部材内部に挿着されるリング部材と、前記リング部材の内径側に嵌合されるスポンジ部材と、を備え、前記コア部材の長手方向一端部には、その端面に前記挿入口を有したフランジ部を有し、該フランジ部の内部には空所から成るリング部材収納部を有し、前記容器本体の内壁には前記コア部材のフランジ部外周部を嵌合するフランジ部支持部を備え、前記コア部材の前記リング部材収納部内に、前記スポンジ部材を保持した前記リング部材を嵌合配置して補強した状態で、前記フランジ部を前記フランジ部支持部によって脱落せぬよう支持したことを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、長手方向一端に開口部を有した容器本体と、該容器本体の開口部に脱着して開閉するキャップと、から成る容器と、前記容器本体内に収容され、長手方向一端面の挿入口から内部に延びる挿入空所を有すると共に、一端部に前記挿入口を有し且つ外周面にリング部材支持部を有したフランジ部を有したゲル状樹脂製のコア部材と、前記リング部材支持部に対して着脱自在に取付けられるリング部材と、前記フランジ部内部に嵌合されるスポンジ部材と、を備え、前記容器本体の内壁には前記フランジ部及び前記リング部材を嵌合するフランジ部支持部を備え、前記フランジ部支持部内に、前記フランジ部及び前記リング部材を嵌合支持し、前記フランジ部内に前記スポンジ部材を嵌合配置したことを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は2において、前記コア部材を構成する前記フランジ部の外周縁の一部を前記容器本体の開口部よりも外径方向へ薄板状に張出した張出し部を備え、前記張出し部が前記容器本体の開口部の端縁を覆うように構成したことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項2において、前記コア部材を構成する前記フランジ部の外周縁の一部を前記容器本体の開口部よりも外径方向へ薄板状に張出した環状薄板部を備え、前記環状薄板部を上方に引き上げて前記リング部材を包囲したことを特徴とする。
【0010】
請求項5の発明は、一端に開口部を有すると共に該一端外周面にキャップ装着面を有した容器本体と、該キャップ装着面に脱着して該開口部を開閉するキャップと、から成る容器と、前記容器本体内に収容され、一端面の挿入口から内部に延びる挿入空所を有すると共に、一端部に前記挿入口を有したフランジ部を備えたゲル状樹脂製のコア部材と、前記リング部材支持部に対して着脱自在に取付けられるリング部材と、前記フランジ部内部に嵌合されるスポンジ部材と、を備え、前記コア部材のフランジ部の外周縁を前記容器本体の開口部端縁及びキャップ装着面を被覆するように折り返した状態で、前記フランジ部の折り返し部外面に前記リング部材を嵌着して前記キャップ装着面との間で該折り返し部を挟圧保持したことを特徴とする。
【0011】
請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れか一項において、前記コア部材の挿入口内に外側から嵌合して該挿入口を閉止する突出部と、該突出部を支持すると共に前記コア部材の長手方向一端面に接触する支持面と、を有した内キャップを備えたことを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項1乃至6の何れか一項において、前記内キャップの支持面と前記コア本体の長手方向一端面との間に挿入用ローションを溜めるための空間が形成されていることを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項1乃至7の何れか一項において、前記コア部材と前記容器本体内壁との間に介在するスポンジ層を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、コア部材の長手方向一端部に形成したフランジ部をコア部材よりも硬質の樹脂材料等から成るリング部材により補強した状態で、容器本体側に設けた環状凹所内にフランジ部を嵌合させて位置決め保持するようにしたので、コア部材が容器本体から脱落したり、挫屈、移動することがなくなり、使い勝手がよくなる。
フランジ部内にリング部材を配置するタイプにおいては、ローション保持用のスポンジ部材をリング部材の内部に配置した状態でコア部材内部に挿入配置することとなるので、組付け手数を低減することが可能となる。
また、フランジ部の一部を外径方向に張り出した環状薄板部によって容器本体の開口部周縁を被覆するようにしたので、容器本体開口部の端縁が露出せず、軟質の環状薄板部によって被覆される。このため、使用時に容器本体の開口部周縁がペニスの基部や、ペニス周辺の皮膚に直接当接することによる当接部位へのダメージや、不快感を与えるという不具合を無くすることができる。
また、フランジ部の内部を空洞状に構成し、その空洞内部にリング部材やローション保持用のスポンジ部材を配置するようにしたので、高価なゲル状樹脂の使用量を低減してコストダウンを図ることができる。
【0013】
コア部材の前端面にウレタンフォームから成るスポンジ部材を配置しないので部品点数を低減できると共に、スポンジ部材によるざらつき感がなくなるばかりでなく、スポンジ部材の落ち込みによる容器本体開口部周縁部の露出といった不具合を解消できる。更に、スポンジ部材に含まれたローションが垂れ出る虞がなくなる。本発明ではコア部材の前端面に位置するフランジ部材の前端面を容器本体開口部の最上部に位置させるので、コア部材の前端面が容器内部に落ち込むことがなくなる。なお、フランジ部は内蔵されたスポンジ部材によって膨らんだ状態にあるため、フランジ部表面は容器本体開口部から持ち上がった状態にあり、ふっくらとした感触を実現できる。
【0014】
本発明におけるフランジ部と、挿入されたスポンジ部材との協働により、従来挿入口前面に配置していたスポンジ部材に代えて、次の各機能、挿入時のペニス先端へのローション塗布、挿入部ローションの保持、使用中における挿入口からのローション逆流による漏れ防止、挿入部クッション効果、容器エッジのカバーを発揮することができる。
特に、内蔵されるスポンジ部材内にローションがしみ込んでいるので、ペニスがスポンジ部材の中心穴を摺擦する度にローションが滲み出し、長時間に亘る潤滑効果を発揮できることとなる。
また、フランジ部内の空洞内にリング部材を配置することによって、外観上の美観が損なわれない、接着剤を使用しないために製造手数を低減できる、更に製品誤差が出にくい、といった種々の利点を得ることができる。
【0015】
フランジ部上面と内キャップとの間に空所を設けてローションを収納するようにしたので、使用開始時の潤滑性を高めることができる。また、内キャップによる密閉構造となっているため、ローションが漏出したり、蒸発せず、衛生的である。
また、フランジ部によって容器本体開口部が閉止されているので、ペニスを引き抜く際に容器底部に設けた小孔を塞ぎながら行うと、バキューム感を感じることができる。
また、構成がシンプル化しており、組立て手数が削減できるので、製造工程の自動化によりなじみやすい構造となっている。
【0016】
なお、コア部材内部にローションを充填して潤滑剤とした場合、採取した精液にローションが混入した状態となるため、医学上、医療上の利用が妨げられる旨の懸念も想定されるが、性病検査、その他の用途においては、ローションが混入した精液であっても十分に検査目的を達成し得る場合が多い。特に、検査目的で精液を採取する際に、ペニスにコンドームを装着した状態で本発明の精子採取装置を違和感なく使用することが可能であり、この場合にはコンドーム内に射出された精液中にローションが混入する虞が全くないため、上記の懸念は杞憂に過ぎない。また、非検査目的で精子採取装置を使用する場合であってもコンドームを併用することにより、コア部材内部に精液が存在しない状態を維持できるので、コア部材内部の衛生状態を維持することができ、繰り返し使用が可能となり、経済的である。
【0017】
本発明に係る精子採取装置は、確かに医学的な目的以外にも、個人的な性欲を解消するための手段として使用されることはあるが、この様な用途に供されることのある精子採取装置だからといって公序良俗を乱す商品であると断定するのは、早計であり、偏見である。この種の商品が性犯罪防止、性病の拡散防止等に如何に役立つか、という広い視野に立って特許権を付与する価値があるか否かをご判断頂きたい。
因みに以下の3つの事例は事実に基づいており、これらの社会的要請を満たす手段として精子採取装置が役立つことは疑いのない事実である。なお、当然のことながら、本発明に係る精子採取装置自体は未公開、未公知の状態にある。
【0018】
まず、本出願人からの要請により、タイ赤十字エイズ研究センター(The Thai Red Cross AIDS Research Center: http://www.redcross.or.th/english/aboutus/aids.php4) が、本出願人の開発に係る各種精子採取装置を使用した男性の性行動調査を行うこととなった。本調査内容は、精子採取装置を使用することで、男性(HIV感染者、非感染者、ゲイ、バイセクシュアル、ノーマル含む)の性欲の高まりを沈めたり、性的リスク行動を抑制したりする効果が認められるか否かを調査するものである。現在同センターで調査の準備を進めており、2007年1月より本格的な調査に入る予定である。
【0019】
また、本出願人は、自ら開発した精子採取装置を、神奈川県相模原市にある特別養護老人ホームに無償提供しており、高齢者の性的欲求の解消のための試行を行っている。即ち、高齢者のQOL(クオリティオブライフ)にとって「性」の部分の重要性は昨今指摘されている通りであり、こういった施設で起こるトラブルの8割方が男女問題、言うなれば色恋事と密接に絡んでいると言われる。本出願人が過去に製造、販売してきた精子採取装置は、高齢男性が「性」を楽しむ補助となっており「生きがい」や「生きる喜び・愉しみ」を提供することを通じ、QOLの向上に貢献していることが明かとなっている。
【0020】
また、これまで障害者の「性」に関してはなぜか長らく語られてこなかった。日本社会は人間の根源的な欲求の一つであるはずの「性欲」を、障害者には無いものとし、蓋をし続けてきた。本出願人は、「誰もが性を楽しめる社会づくり」という理念実現の一環として、障害者の性に対してもアプローチを続けている。障害児を持つ親への商品提供、中等養護学校教諭から、自閉症児へのマスターベーション指導に関する相談への対応等を行っている。また、現在、北海道にある知的障害者施設でのマスターベーション介助のために、本出願人が開発した各種の精子採取装置の使用を薦めている最中である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、第1の本発明を図面に示した実施形態により詳細に説明する。
図1(a)及び(b)は本発明の第1の実施形態に係る精子採取装置の外観斜視図、図2(a)及び(b)は当該精子採取装置の正面図、及び底面図、図3は縦断面図、図4(a)(b)及び(c)は各構成要素の分解斜視図、コア部材の外観斜視図、及びコア部材の縦断面図、図5は図3のA−A断面図である。
【0022】
この精子採取装置1は、長手方向一端面が開口した非円筒状の容器本体3、及び容器本体3の開口部4に脱着してこれを開閉するキャップ5から成る容器2と、容器本体3内に収容され、長手方向一端面の挿入口11から内部に延びる挿入空所12を有したゲル状樹脂製のコア部材10と、コア部材10と容器本体内壁との間に介在するスポンジ層20と、を備えている。なお、スポンジ層20は必須ではないが、本実施形態ではスポンジ層を使用した構成例を中心として説明する。
更に、この精子採取装置1は、容器本体内底面に配置されるスポンジ層(底部スポンジ層)30と、挿入口11からコア部材内部に挿着されるリング部材35と、リング部材35の内径側に嵌合される環状のスポンジ部材40と、コア部材10の挿入口11内に外側から嵌合して挿入口を閉止する突出部45b、及び突出部45bを支持すると共にコア部材の長手方向一端面に接触する支持面45aを有した内キャップ45と、を備えている。
【0023】
容器本体3は、適度な肉厚と硬度を有した樹脂材料から構成されており、長手方向両端部の外径よりも中間部3Mの外径が小さい非円筒体であると共に、同様の樹脂材料から成るキャップ5の上面5aは平坦な面上への定置に適した平坦面であり、開口部4と反対側の容器本体3の端部3aは定置に適さない円弧状面(球面)である。従って、キャップ5により閉止した容器本体3は、キャップ5の上面5aを下向きにして平坦な面上に立設させることが可能である。一方、容器本体の他端部3aを平坦な面上に安定して立設させることは困難であるので、未使用状態において潤滑液が挿入空所12の奥部に溜まって、入口側の潤滑液が枯渇するという不具合がなくなる。
容器本体の他端部3aには必要に応じて抜気用の小孔3bを形成しておき、未使用時には図示しないシールにより封止しておく。使用時には、シールを除去し、使用中に指で小孔3bを閉じたり開放することにより、コア部材内壁とペニスとの間の密着度、密着感を調整することができる。即ち、小孔3bを塞いだ状態ではペニスがコア部材内壁に密着するため締め付け力が強くなり、小孔を開放した状態では締め付け力が弱くなる。このように小孔を開閉するだけの簡単な操作によって、締め付け力を変化させて刺激を変化させることが可能となる。また、ペニスに痛みを感じる場合には、小孔を開けばよい。
【0024】
コア部材10は、エラストマーのような粘性を有したゲル状の樹脂、或いはゲル状のゴム等から構成された袋状体であり、その挿入側端面には大径、厚肉のフランジ部13を備えると共に、小径の挿入口11の内部には挿入口よりも大径の挿入空所12が連通して形成されている。挿入空所12内には任意の配置にて突起、襞等が形成されている。挿入空所12内には潤滑液としてのローション等を適量予め充填しておく。
コア部材の挿入空所12の内径は、容器本体3の長手方向中間部に設けた小径部3Mに対応する部分12Mが他の部位の内径よりも狭くなっている。このため、ペニスを挿入口11から挿入空所12内に圧入した際は勿論、摺擦作業時にペニス先端がこの狭幅部を繰り返し通過することとなり、ペニスに対する圧力が変化し、その結果与える刺激を変化、増大させることができる。また、コア部材10の長手方向中間部が容器本体の小径部3Mにより常時押圧されているので、コア部材の保形力が高まり、ペニス圧入時、摺擦時のコア部材の挫屈が防止される。
更に、コア部材10の外周面には軸方向へ延びる板状のリブ14を一体的に形成する。リブ14は、周方向へ延びるリブであってもよい。
【0025】
コア部材10の先端部適所には、逆止弁として機能する抜気用の短い切り込み線15を切り込み形成しておく。この切り込み線15はペニスの未挿入時にはコア部材自体の弾性力によって完全に閉止されているために内部の潤滑液が漏出することを防止する一方で、ペニスの挿入によって内圧が高まった場合には開口することによってペニス先端と挿入空所12の内底面との間に溜まろうとする空気を抜気させることができる。空気が除去された後は、ペニスを摺擦させる動作が行われても切り込み線15は閉じ続けるため、潤滑液が外部へほとんど流出しない。但し、仮に切り込み線15から多少の潤滑液が漏れ出したとしても、本装置の使用に支障を来す程度に内部の潤滑液が不足する事態は想定できない。
コア部材10の長手方向一端部には、その端面に挿入口11を有した中空のフランジ部13を有し、フランジ部13の内部には挿入口11及び挿入空所12よりも大径の空所から成るリング部材収納部13aを有している。また、容器本体の開口部近傍の内壁にはコア部材のフランジ部13の外周部を嵌合支持するフランジ部支持凹所(フランジ部支持部)3cを備えている。コア部材のリング部材収納部13a内に、スポンジ部材40を内部に保持したリング部材35を嵌合配置して補強した状態で、フランジ部13の外周部をフランジ部支持凹所3c内に嵌合支持する。なお、フランジ部を支持するために容器本体側に設ける部分は必ずしも凹所である必要はなく、リング部材を内部に配置したフランジ部を脱落せぬように支持できる構造であればどのような形状であってもよい。
【0026】
内キャップ45は例えば容器本体3よりも薄い樹脂板(コア部材の構成材料よりも硬質材料)から構成され、支持面45aの中央部から突出した突出部45bは挿入口11(スポンジ部材40の中央穴)内に圧入することにより挿入口の内周に密着して内部のローションの漏れ出しを防止するように構成される。突出部45bはコア部材の構成材料よりも硬質であることにより、挿入口11内に密着嵌合して液漏れを防止することができるとともに、挿入口内への着脱操作がスムーズに行われる。また、突出部45bの外周縁から外径方向へ展開する支持面45aは、コア部材の前端面の少なくとも一部に密着して、万が一漏れ出したローションの外径方向への展開、流出を防止するように機能する。更に、支持面45aの外周縁をキャップ5の内周面に密着(或いは予め一体化)することにより、キャップ5を閉止した時に内キャップ45全体がコア部材の前端面に圧接して位置ずれすることを防止して、ローション漏れが発生しないように構成されている。
【0027】
また、内キャップ45の支持面45aであって、突出部45bの外周に相当する部分には環状の凹所45cを設けると共に、凹所45cが対面するコア部材10の前端面(フランジ部)13に凹所13Aを設け、両凹所45c、13A間に形成される空間内に挿入用ローションを保持するように構成する。また、挿入口11の外径側にも同様の凹所13Aを形成する。このように構成することにより、使用開始に先だって内キャップ45を外した際に挿入口11の外側周辺面に十分な量の挿入用ローションが付着した状態を確保することができる。このため、ペニスを挿入する際に違和感なくスムーズな挿入が可能となる。一方、キャップ5の閉止時には、凹所45c、13Aにより形成される空間内に挿入用ローションを漏れることなく保持することができる。従って、輸送時や展示中にローションがコア部材の前端面から漏れ出て乾いたりすることがなくなる。
【0028】
これに対して従来は中央部にX字状の切り込みを備えた円盤状のウレタンフォーム(スポンジ)をコア本体の前端面に当接させることにより挿入口をフタしていたが、切り込みによる封止が不十分であったため、使用時におけるローションのこぼれ出し、輸送時、展示時におけるローションの漏れだしによる乾燥(挿入時における痛み発生)などという問題が起きていた。
本実施形態によれば、このような不具合を一挙に解決することができる。特に、挿入口側にウレタンフォームが存在しないために、挿入時のザラザラな不快感がなく、なめらかな快感を得ることができる。
【0029】
次に、この実施形態に係る精子採取装置では、コア部材10の長手方向(軸方向)一端面に設けた円盤状のフランジ部13の外周縁の一部を容器本体3の開口部4の端縁4aよりも外径方向へ張り出させた環状張出し部13bを備え、環状張出し部13bが容器本体の開口部の端縁を覆うように構成している。
軟質材料から成るフランジ部13から外径方向へ張り出した環状張出し部13bが容器本体開口部4の端縁4a全体をカバーして(被覆して)使用者の身体の一部が端縁4aと直接接触することがないように、環状張出し部13bを開口部4の端縁4aよりも外径方向へ突出させている。環状張出し部13bと容器本体開口部の端縁との接触面は通常は接着する必要はない。環状張出し部13bが有する弾性力、粘着力によって開口部端縁と密着し、容易に剥離、位置ずれを起こすことがないからである。このように構成すれば、製造工程中から接着工程を省略できるため、生産性の向上、製造コストの低減を図ることができる。
【0030】
なお、必要に応じてフランジ部の環状張出し部13bを開口部の端縁4aに接着しておくことにより使用中に外周縁が剥離することを確実に防止するようにしてもよい。また、接着剤が万が一人体に与える不具合をもなくすることができる。
このように構成することにより、キャップ5を取外してコア部材10の前端面を露出させた状態で挿入口11にペニスを挿入し、摺擦動作を行う際に、開口部の端縁4aが下腹部等に当接して痛みを起こすことがなくなる。
環状張出し部13bは、必ずしも全周に亘って連続した環状体である必要はなく、部分的に欠落部(切欠き、切り込み線)があってもよい。また、全周に亘って同一幅である必要もない。
【0031】
本実施形態では、フランジ部13はその内部にリング部材収納部13aを有した中空体であり、リング部材収納部13aの内部にリング部材35と、リング部材35の内径側に嵌合される環状スポンジ部材40を配置する。組付けに際しては、予めリング部材35の内周部に環状スポンジ部材40を組み付けておき、この組付け体を挿入口11から圧入してリング部材収納部13a内に着座させる。このため、組付け作業性を高めることができる。また、フランジ部の内部に中空部を設けた分だけ、高価なゲル状樹脂の使用量を減少させることができ、材旅費低減によるコストダウンに貢献することができる。
このようにコア部材のフランジ部13の内部に配置した比較的硬質のリング部材35によってフランジ部13を補強した状態で、容器本体の内壁に設けたフランジ部支持凹所3c内に、コア部材のフランジ部13の外周部を嵌合する。コア部材はリング部材35によってサポートされたフランジ部13の外周部を容器本体によって強固に保持された状態となっており、挿入口11内にペニスを挿入して摺擦動作を行う際に、コア部材が挫屈したり、容器内に落ち込む等の不具合がなくなる。
【0032】
リング部材35としては、例えば軟質ポリエチレン、或いは硬質ポリエチレンを使用することができる。軟質材料を使用してリング部材を使用した場合には、リング部材の変形が容易であるため、使用する容器の形状が変更しても環状(真円状)のリング部材を非円筒状の容器本体に対しても適用することができる。例えば、容器の開口部がオーバル形状となった場合においても、真円形状のリング部材はオーバル形状に弾性変形できるため、当該容器に収容されるコア部材に対しても適用することができる。この結果、容器が変形しても内部のリング部材やスポンジ部材が脱落しないという効果を発揮する。
また、フランジ部13の上面から下面にかけて貫通する切り込み13Bを形成することにより、ペニス挿入時にフランジ部内部の空気圧の過剰な増大による挿入口周辺のゲル状樹脂の膨張を防止することができる。切り込み13Bを形成する位置は、スポンジ部材40の外径側に相当する位置が好ましい。この切り込み13Bは、フランジ部の内圧上昇により内部から出てくる空気は放出するが、外気がフランジ部内部に流れ込む際には閉じることによって流入を阻止する逆止弁として機能する。
ペニス挿入時にはこの切り込み13Bから空気が放出される一方で、引き抜く際には空気はほとんど入ってこないので、フランジ部内部が真空に近い状態になり、大気圧と内気圧との間に圧力差が生じるためにペニスに対する吸着力が発生することとなる。
このようなバキューム効果は、挿入部の構造(リングの使用も含め)により、気密性が高まったことにより実現できた効果である。
【0033】
また、環状スポンジ部材40は、ローションを含浸して保持してローション漏れを防止するローションリザーバーとしての役割を有しており、ペニスをコア部材の挿入口11から環状スポンジ部材の中心孔内に挿入する時にスポンジ部材が圧縮されることにより染みこんだローションが染み出し、摺擦時における操作性を安定させることができる。
次に、スポンジ層20は、発泡樹脂シートから構成されているが、単純なシートではなく、コア部材外周に形成したリブ14を挟み込んでコア部材の挫屈を防止するための挟圧部21を備えている。本実施形態では軸方向へ延びる2つの板状のリブ14を例示したが、このようなリブ14を挟み込むために、スポンジ層20の周方向中間部には軸方向へ延びる切り込み線としての挟圧部21を設け、この挟圧部21によって一方のリブ14を挟み込むと共に、他方のリブ14はスポンジ層20の周方向両端面間に挟み込むようにしてコア部材10とスポンジ層20を一体化した状態で容器本体3内に、開口部4側から挿入する(図5)。
リブ14の本数が3個以上の場合には挟圧部21の個数もそれに応じて増大する。また、リブ14の形成方向が周方向、その他の方向である場合にも同様に挟圧部の形成方向を変更する。
スポンジ層20の肉厚をコア部材10の長手方向に沿って異ならせたり、周方向に異ならせたり、更にスポンジ層20の内面に突部を設ける等の工夫により、コア部材10に対する周面からの圧力を変化させて、ペニスに対する刺激を変化、増大させることが可能となる。
【0034】
図3の断面図では、スポンジ層20をコア部材10の先端部にまで延在させることによってこれを被覆しているが、図4の例ではスポンジ層20によるカバー範囲をコア部材10の先端部を除いた部位に極限すると共に、コア部材の先端部に対しては別部材のスポンジ部材(底部スポンジ層)30を添設させるように構成している。
何れの例においても、コア部材先端部と容器本体内底面との間に弾性的に収縮するスポンジ材料が配置されているので、ペニス長の大小に対応することが可能となる。即ち、ペニス長が標準より短い場合にはコア部材先端側に位置するスポンジがコア部材先端を受けてコア部材先端形状のつぶれ変形を防止してペニス先端に対する摺擦力を維持する一方で、ペニス長が標準よりも長い場合にはコア部材先端側に位置するスポンジがペニス先端によって圧縮されて変形してコア部材先端とペニス先端との摺擦力を十分に維持することができる。
上記実施形態では、容器2の長手方向両端部の径がほぼ同等な例を示したが、摺擦によるペニス先端部への刺激を高めるためには、容器本体3の外径は、開口部側端部よりも奥側端部の方が小径となるように構成するのが好ましい。
【0035】
次に、図6は本発明の第2の実施形態に係る精子採取装置の縦断面図であり、図7(a)及び(b)はコア部材の構成を示す縦断面図、及び要部斜視図である。
この実施形態に係る精子採取装置1は、コア部材のフランジ部の構造と、フランジ部を補強するためのリング部材の取付け位置を除けば、第1の実施形態とほぼ同様であるため、第1の実施形態との相異点を中心として説明する。
本実施形態に係るコア部材10は、長手方向一端部に、端面に挿入口11を有した中空のフランジ部13を有し、フランジ部13の外周部にはリング部材支持部13cを設けている。また、フランジ部13の内部には環状スポンジ部材35を嵌合するための空所13dが形成されている。
リング部材支持部13cの外周面に対しては、リング部材35が着脱自在に取付けられる。また、フランジ部内の空所13d内にはローションを吸収保持する環状のスポンジ部材40が嵌合配置される。
更に容器本体3の内壁にはフランジ部13及びリング部材35を嵌合するフランジ部支持凹所3cを備え、フランジ部13及びリング部材35をフランジ部支持凹所3c内に嵌合支持し、更にフランジ部13内にスポンジ部材40を嵌合配置した構成を有する。
【0036】
更に、本発明においては、コア部材を構成するフランジ部13の外周縁の一部を容器本体3の開口部4よりも外径方向へ薄板状に張出した環状薄板部13eを備え、環状薄板部13eを上方に引き上げてリング部材35を包囲した構成を備えている。このようにリング部材35はリング部材支持部13cの外周面に嵌合されているだけでなく、上方にめくり上げられた状態の環状薄板部13eによって包囲、被覆された状態で、容器本体内壁のフランジ部支持凹所3cにより押さえ込まれているため、フランジ部13はフランジ部支持凹所3cによって強固に保持された状態にある。従って、使用中にコア部材10が容器本体内に脱落したり、挫屈する等の不具合を防止できる。
なお、この実施形態に係る精子採取装置においても、コア部材10の長手方向(軸方向)一端面に設けた円盤状のフランジ部13の外周縁の一部が容器本体3の開口部4の端縁4aよりも外径方向へ薄板状に張り出した環状張出し部13bを備え、環状張出し部13bが容器本体の開口部の端縁4aを覆うように構成している。
【0037】
このように軟質材料から成るフランジ部13から外径方向へ張り出した環状張出し部13bが容器本体開口部4の端縁4aをカバーして(被覆して)使用者の身体の一部が端縁4aと直接接触することがないようにしている。
なお、この例では環状張出し部13bをコア部材の軸方向と直交する水平方向へ張り出した例を示したが、図8に示した例のように予め上向きに略L字状に屈曲(湾曲)した形状の環状張出し部13eとしてもよい。このように予め上向きに折り曲げた形状としておくことにより、リング部材支持部13cとの間にリング部材を収納するための環状空所を確保することができ、取付け性を高めることができる。
【0038】
次に、図9(a)及び(b)は本発明の第3の実施形態に係る精子採取装置の構成を示す縦断面図、及び容器とフランジ部材の分解図であり、図10は図9(a)の要部拡大図であり、図11はコア部材の縦断面図である。第3の実施形態は第2の実施形態の変形例に係り、第2の実施形態と同一部分には同一符号を付して説明する。
この精子採取装置1を構成する容器2は、一端に開口部4を有すると共に一端外周面にキャップ装着面3dを有した容器本体3と、キャップ装着面3dに脱着して開口部を開閉するキャップ5と、を備えている。
【0039】
コア部材10は、容器本体3内に収容され、一端面の挿入口11から内部に延びる挿入空所12を有すると共に、一端部に挿入口を有したフランジ部13を備えたゲル状樹脂から構成される。
リング部材35は、フランジ部13に設けたリング部材支持部13fに対して着脱自在に取付けられる比較的硬質の樹脂から構成される。リング部材支持部13fは、環状張出し部13bの外周を更に外径方向に延長した部分を下方へ略90度折り返した(屈曲させた)構成を備えている。折り返し部13fの内側にリング部材を収容可能な空所を確保できるように寸法設定されている。
ローション保持用の環状のスポンジ部材40は、フランジ部13内部に形成された空所13d内に嵌合される。
【0040】
本実施形態においては、コア部材のフランジ部13の外周縁を容器本体の開口部端縁4a及びキャップ装着面3dを被覆するように折り返した状態で、フランジ部の折り返し部13fの外面にリング部材35を嵌着してキャップ装着部3dとの間で折り返し部13fを挟圧保持した構成が特徴的である。キャップ5を容器本体に装着した閉止状態においては、リング部材35の外側面はキャップ5の内壁によって挟圧保持される。キャップ5を取外した状態においても、折り返し部13fはリング部材35によって挟圧されているために、使用中においてもキャップ装着部3dから脱落することがない。
また、この折り返し部13fは、図11に示した実施形態のように予め下方へ屈曲させた状態で成型してもよいし、或いは図7中に示した環状薄板部13eのように横方向に張り出した状態で製造し、容器内に収納する際に下方に折り曲げるようにしてもよい。
【0041】
以上のように本発明の精子採取装置によれば、コア部材10の長手方向一端部に形成したフランジ部13をコア部材よりも硬質の樹脂材料等から成るリング部材35により補強した状態で、容器本体3側に設けたフランジ部支持部3cによりフランジ部を位置決め保持するようにしたので、コア部材が容器本体から脱落したり、挫屈、移動することがなくなり、使い勝手がよくなる。
また、フランジ部13内にローション保持用のスポンジ部材40を配置した状態でコア部材内部に挿入配置することとなるので、組付け手数を低減することが可能となる。フランジ部を中空にするため、その分のゲル状樹脂の材料費を低減できる。
【0042】
また、フランジ部の一部を外径方向に張り出した環状薄板部13bによって容器本体の開口部周縁4aを被覆するようにしたので、容器本体開口部の端縁が露出せず、軟質の環状薄板部によって被覆される。このため、使用時に容器本体の開口部周縁がペニスの基部や、ペニス周辺の皮膚に直接当接することによる当接部位へのダメージや、不快感を与えるという不具合を無くすることができる。
また、コア部材の挿入口内に外側から嵌合して該挿入口を閉止する突出部と、突出部を支持し且つコア部材の長手方向一端面に接触する支持面と、を有した内キャップ45を備えたので、挿入口からのローションの漏れ出しを防止できる。即ち、フランジ部上面と内キャップとの間に空所を設けてローションを収納するようにしたので、使用開始時の潤滑性を高めることができる。また、内キャップによる密閉構造となっているため、ローションが漏出したり、蒸発せず、衛生的である。
【0043】
コア部材の前端面にウレタンフォームから成るスポンジ部材を配置しないので部品点数を低減できると共に、スポンジ部材によるざらつき感がなくなるばかりでなく、スポンジ部材の落ち込みによる容器本体開口部周縁部の露出といった不具合を解消できる。更に、スポンジ部材に含まれたローションが垂れ出る虞がなくなる。本発明ではコア部材の前端面に位置するフランジ部材の前端面を容器本体開口部の最上部に位置させるので、コア部材の前端面が容器内部に落ち込むことがなくなる。なお、フランジ部は内蔵されたスポンジ部材によって膨らんだ状態にあるため、フランジ部表面は容器本体開口部から持ち上がった状態にあり、ふっくらとした感触を実現できる。
【0044】
内蔵されるスポンジ部材内にローションがしみ込んでいるので、ペニスがスポンジ部材の中心穴を摺擦する度にローションが滲み出し、長時間に亘る潤滑効果を発揮できることとなる。
フランジ部内の空洞内にリング部材を配置することによって、外観上の美観が損なわれない、接着剤を使用しないために製造手数を低減できる、更に製品誤差が出にくい、といった種々の利点を得ることができる。
フランジ部によって容器本体開口部が閉止されているので、ペニスを引き抜く際に容器底部に設けた小孔を塞ぎながら行うと、バキューム感(吸着力)を感じることができる。これは、気密性の向上により、内気圧と外気圧の差が大きくなっているためである。
【0045】
また、構成がシンプル化しており、組立て手数が削減できるので、製造工程の自動化によりなじみやすい構造となっている。
また、フランジ部内に配置されるリング部材は変形が容易であるため、容器の形状変化や、オーバル形状の容器にも対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】(a)及び(b)は第1の本発明の第1の実施形態に係る精子採取装置の外観斜視図。
【図2】(a)及び(b)は精子採取装置の正面図、及び底面図。
【図3】精子採取装置の縦断面図。
【図4】(a)(b)及び(c)は各構成要素の分解斜視図、コア部材の外観斜視図、及びコア部材の縦断面図。
【図5】図3のA−A断面図。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る精子採取装置の縦断面図。
【図7】(a)及び(b)は図6のコア部材の構成を示す縦断面図、及び要部斜視図。
【図8】図7に示したコア部材の変形例を示す縦断面図。
【図9】(a)及び(b)は本発明の第3の実施形態に係る精子採取装置の構成を示す縦断面図、及び容器とフランジ部材の分解図。
【図10】図9(a)の要部拡大図。
【図11】コア部材の縦断面図。
【符号の説明】
【0047】
1 精子採取装置、2 容器、3 容器本体、3c フランジ部収納凹所(フランジ部支持部)、4 開口部、5 キャップ、10 コア部材、11 挿入口、12 挿入空所、13 フランジ部、13a リング部材収納部、13b 環状張出し部、13c リング部材支持部、13d 空所、13e 環状薄板部、13f 折り返し部、14 リブ、20 スポンジ層、30 スポンジ部材(底部スポンジ層)、40 スポンジ部材、41 切り込み線、45 内キャップ、45a 支持面、45b 突出部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端に開口部を有した容器本体と、該開口部に脱着して開閉するキャップと、から成る容器と、
前記容器本体内に収容され、一端面の挿入口から内部に延びる挿入空所を有したゲル状樹脂製のコア部材と、
前記挿入口から前記コア部材内部に挿着されるリング部材と、
前記リング部材の内径側に嵌合されるスポンジ部材と、
を備え、
前記コア部材の一端部には、端面に前記挿入口を有したフランジ部を有し、該フランジ部の内部には空所から成るリング部材収納部を有し、
前記容器本体は、前記コア部材のフランジ部外周部を支持するフランジ部支持部を備え、
前記リング部材収納部内に前記スポンジ部材を保持した前記リング部材を嵌合配置した状態で、前記フランジ部を前記フランジ部支持部によって脱落せぬよう支持したことを特徴とする精子採取装置。
【請求項2】
一端に開口部を有した容器本体と、該開口部に脱着して開閉するキャップと、から成る容器と、
前記容器本体内に収容され、一端面の挿入口から内部に延びる挿入空所を有すると共に、一端部に前記挿入口を有し且つ外周面にリング部材支持部を有したフランジ部を有したゲル状樹脂製のコア部材と、
前記リング部材支持部に対して着脱自在に取付けられるリング部材と、
前記フランジ部内部に嵌合されるスポンジ部材と、
を備え、
前記容器本体は、前記フランジ部及び前記リング部材を支持するフランジ部支持部を備え、
前記フランジ部支持部により、前記フランジ部及び前記リング部材を支持し、
前記フランジ部内に前記スポンジ部材を嵌合配置したことを特徴とする精子採取装置。
【請求項3】
前記コア部材を構成する前記フランジ部の外周縁の一部を前記容器本体の開口部よりも外径方向へ薄板状に張出した張出し部を備え、
前記張出し部が前記容器本体の開口部の端縁を覆うように構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の精子採取装置。
【請求項4】
前記コア部材を構成する前記フランジ部の外周縁の一部を前記容器本体の開口部よりも外径方向へ張出した環状薄板部を備え、
前記環状薄板部を上方に引き上げて前記リング部材を包囲したことを特徴とする請求項2に記載の精子採取装置。
【請求項5】
一端に開口部を有すると共に該一端外周面にキャップ装着面を有した容器本体と、該キャップ装着面に脱着して該開口部を開閉するキャップと、から成る容器と、
前記容器本体内に収容され、一端面の挿入口から内部に延びる挿入空所を有すると共に、一端部に前記挿入口を有したフランジ部を備えたゲル状樹脂製のコア部材と、
前記リング部材支持部に対して着脱自在に取付けられるリング部材と、
前記フランジ部内部に嵌合されるスポンジ部材と、
を備え、
前記フランジ部の外周縁を前記容器本体の開口部端縁及びキャップ装着面を被覆するように折り返した状態で、前記フランジ部の折り返し部外面に前記リング部材を嵌着して前記キャップ装着面との間で該折り返し部を挟圧保持したことを特徴とする精子採取装置。
【請求項6】
前記コア部材の挿入口内に外側から嵌合して該挿入口を閉止する突出部と、該突出部を支持すると共に前記コア部材の長手方向一端面に接触する支持面と、を有した内キャップを備えたことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の精子採取装置。
【請求項7】
前記内キャップの支持面と前記コア本体の長手方向一端面との間に挿入用ローションを溜めるための空間が形成されていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の精子採取装置。
【請求項8】
前記コア部材と前記容器本体内壁との間に介在するスポンジ層を備えたことを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の精子採取装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−148774(P2008−148774A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
生活必需品 | 医学または獣医学;衛生学 | 人体の中へ,または表面に媒体を導入する装置;眠りまたは無感覚を生起または終らせるための装置 | 医学用の吸引またはポンプ装置;体液を除去,処理,または導入する装置;排液システム
生活必需品 | 医学または獣医学;衛生学 | 血管へ埋め込み可能なフィルター;補綴;人体の管状構造を開存させるまたは虚脱を防ぐ装置,例.ステント;整形外科用具,看護用具または避妊用具;温湿布;目または耳の治療または保護;包帯;被覆用品または吸収性パッド;救急箱 | 骨または関節の手術によらない処置のための整形外科的方法または用具 | 陰茎勃起を助長させる用具
【出願番号】特願2006−337535(P2006−337535)
【出願日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(505167222)株式会社典雅
【Fターム(参考)】
体外人工臓器 | 用途 | 血液以外の媒体の取扱い(吸引等) | その他の媒体
体外人工臓器 | 処理装置の構造 | 構造 | ハウジング、容器
体外人工臓器 | 処理装置の構造 | 構造 | 支持体、スペーサー、突起物
体外人工臓器 | 処理装置の構造 | 構造 | その他の部分構造
体外人工臓器 | 調整、制御 | 対象 | その他の対象
体外人工臓器 | 作用、効果 | その他
整形外科、看護、避妊 | 適用分野 | 生殖
整形外科、看護、避妊 | 生殖又は避妊 | 男性生殖器(避妊除く) | 陰茎(亀頭を含む)に適用
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