説明

精密な圧力および流量調節が可能なコーンバルブ

【課題】管路を流れる流体の中心軸を中心として流量調節体を回転させることにより回転量を長さで変換させ、コーン部との間隔調節によって通過流量を調節しうるようにして、螺合方式によって微細流量の調節が可能であるうえ、設置装置を減らして狭い空間にも装着して使用し得るようにした、精密な圧力および流量調節が可能なコーンバルブを提供する。
【解決手段】本発明の精密な圧力および流量調節が可能なコーンバルブは、長さ方向に流路が設けられ、該流路の内部にはコーン部を有する第1胴体と、一端を前記第1胴体に結合して回転させることにより、前記コーン部との間隔によって流量を調節する流量調節体と、前記流量調節体の他端を受け止め、パイプに連結される第2胴体とを含んでなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、精密な圧力および流量調節が可能なコーンバルブに係り、さらに詳しくは、流量調節体を螺合方式で回転させることにより、流動抵抗を改善させるコーン部との間隔が微細に調節できるようにして、正確な圧力および流量の調節が可能であるとともに、時間が経過しても流量変動を起こさず、流動抵抗による空洞現象の発生が著しく減少することによりバルブおよび付随装置の耐久寿命が改善されるうえ、急激な流量変動による安全事故を防止するバルブに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、管路を流れる流体の流れを制御して流量を調節するバルブには、ボールバルブ、バタフライバルブ、ゲートバルブ、およびダイヤフラムバルブなどの様々な種類がある。特に、ボールバルブは、多く使用される類型のバルブであって、多様な形に製作されて使われている。
【0003】
特許文献1ではこのようなボールバルブの一例を開示する。特許文献1に開示されたボールバルブは、バルブ本体6の流路1の中央に設置され、貫通孔5を有するボール2と、ボール2の上部に嵌合され、流路1に対して垂直方向に設置されたステム3と、ステム3に一体に固定されたハンドル4と、ボール2と流路1との接触面に設置され、ボール2とバルブ本体6との間を気密させる弁座7とを含んでなる公知の流量制御ボールにおいて、前記ボール2の回転角度に対して、流路1に重畳するボール2の貫通孔5の面積が比例するようにすることを特徴とする。このような従来のボールバルブは、流量遮断用ハンドルを回すことにより、ボールが回転しながら流路を遮断または連結して流量を制御する。
【0004】
ところが、この種の従来のボールバルブは、次の問題点を抱えている。
1)ハンドルを回すことにより、ボールが回転しながら流路を連結させるため、流体の供給および遮断には効果があるが、精密に流量を調節することはできなかった。
2)精密な圧力または流量調節を行うために、ボールを全開にせず、ボールに設けられた流路が流体の流れに対して同一線上にくるようにする方法がある。ところが、このようにボールの流路がずれると、一時的には流路調節が可能であるが、流体の圧力によってボールが回転しながら「全開」或いは反対に「全閉」となり、流量または圧力の調節が全く不可能な状態になる。
これに加えて、急激に流路変動または圧力変動が発生すると、配管とポンプと付帯装置内の急激な圧力上昇により、必然的に急激な破壊によって安全事故が頻繁に発生し、安全弁を設置しても、安全弁を介して放出される多量の移送流体によって莫大な損失が発生する。
一方、精密な圧力または流量調節を行うために、ボールを全開にしないと、移送される流体の流線の流れが急激に変動して流体の圧力および速度が急激に変化して移送流体が蒸気圧以下に達し、これにより空洞現象(キャビテーション)が発生してバルブが完全に破壊される。
上述した空洞現象および移送流体の流動抵抗により流動騒音が大気中に拡散し、産業安全および産業環境を阻害する要素として台頭している。
3)ボールバルブにおいて必然的に発生する乱流の発生により、流体の流れに敏感な測定装備は設置することが難しかった。これを解決するためには、必ず乱流流れを層流化させる整流装置が必要であり、測定装備はこの整流装置から一定の直線距離を確保しなければならなかった。よって、付随的な装備の増設が必要となり、これにより設備空間が狭小なところには設置が不可能であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国登録実用第0418253号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、管路を流れる流体の中心軸を中心として流量調節体を回転させることにより回転量を長さで変換させ、流動抵抗を改善させるコーン部との間隔調節によって通過流量を調節し得るようにして、螺合方式によって微細流量の調節が可能であるうえ、設置装置を減らして狭い空間にも装着して使用可能であり、空洞現象および流動抵抗を減らしてバルブ及び付帯装置の耐久寿命を延長し、発生騒音を低減させ作業環境を改善させ、急激なバルブ閉鎖を防止することにより、バルブおよび付帯装置の急激な破損を防止して産業安全を改善させたコーンバルブを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明によれば、長さ方向に流路が設けられ、該流路の内部にはコーン部を有する第1胴体と、一端を前記第1胴体に結合して回転させることにより、前記コーン部との間隔によって流量を調節する流量調節体と、前記流量調節体の他端を仕上げてパイプに連結される第2胴体とを含んでなる、精密な圧力および流量調節が可能なコーンバルブを提供する。
ここで、前記第1胴体は、内周面にはそれぞれネジ部、および該ネジ部の内側にシーリングを取り付けるための条溝が設けられ、外周面には前記流量調節体を固定させることができるように固定ネジが締結される固定孔が貫設され、一側にはパイプに連結されて前記コーン部を介して流路が設けられるようにフランジが備えられることを特徴とする。
また、前記コーン部は、流動抵抗が極小化された流線型に設けられたことを特徴とする。
また、前記流量調節体は、前記第1胴体の内部に挿入されて螺合され、前記コーン部との間隔によって通過流量が制御されるように斜面が設けられた締結管路部と、前記締結管路部に連結され、前記第2胴体に圧入設置される圧入管路部と、前記締結管路部と前記圧入管路部との間に突設された装着フランジ部とを含んでなることを特徴とする。
また、前記装着フランジ部は、外周面に複数の回転操作用溝部が等間隔で設けられたことを特徴とする。
また、前記第2胴体は、前記流量調節体の他端が圧入されるように内周面にシーリングを取り付けるために条溝が設けられた管部と、パイプに連結できるように前記管部の一側に設けられたフランジ部とを含んでなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の精密な圧力および流量調節が可能なコーンバルブは、次のような効果がある。
1)螺合方式で流量調節体を回転させて流量を調節するため、回転量に対して直線方向に行う長さ調節が容易であってその分微細な流量調節が可能である。
2)流量調節体が螺合方式で第1胴体に締結されて流量調節のための間隙調節が行われるため、バルブを通過する流体の圧力によって流量調節体が緩められたり締め付けられたりするのを防止することができる。これは一度流量調節がなされた状態を持続的に維持させる役目をする。
【0009】
3)流体がコーン状のコーン部の表面に沿って流動するため、流体の流動流れが均一であって乱流発生を抑制することにより、既存のバルブのように強い乱流により発生する問題点を解決することができ、空洞現象の発生が抑えられ、バルブおよび配管を含む付帯設備の急激な破損を予め防止することにより耐久寿命を延長すると同時に、破壊により必然的に発生する安全事故と経済的損失を予防することができ、流動騒音の発生を著しく低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係るコーンバルブの全体構成を示すために各構成要素に分解された状態を示す分解斜視図である。
【図2】本発明に係るコーンバルブの結合状態を示すための断面図である。
【図3】本発明によって結合されたコーンバルブの間隙調節状態を示すための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施例を詳細に説明する。これに先立ち、本明細書および請求の範囲に使用された用語または単語は、通常的且つ辞典的な意味に限定して解釈されてはならず、「発明者は自分の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができる」という原則に基づいて、本発明の技術的思想に符合する意味と概念で解釈されなければならない。
【0012】
したがって、本明細書に記載された実施例と図面に示された構成は、本発明の好適な一実施例に過ぎないもので、本発明の技術的思想を全て代弁するものではでない。よって、本出願時点においてこれらを代替することが可能な種々の均等物と変形例がありうることを理解しなければならない。
【0013】
(構成)
図1は本発明に係るコーンバルブの全体構成を示すために各構成要素に分解された状態を示す分解斜視図、図2は本発明にかかるコーンバルブの結合状態を示すための断面図、図3は本発明によって結合されたコーンバルブの間隙調節状態を示すための断面図である。ここで、図面符号「P1」と「P2」は本発明に係るコーンバルブが設置されるパイプをそれぞれ示す。
【0014】
本発明に係るコーンバルブ100は、コーンバルブを設置するために対向して設置された一対のパイプP1、P2にそれぞれ装着される第1胴体10および第2胴体30、並びに一端が前記第1胴体10に螺合され、該第1胴体10に備えられたコーン部12との間隔Gの調節によって微細流量を調節し、他端が前記第2胴体30に圧入設置される流量調節体20を含む。
【0015】
以下、これらの各構成要素別にさらに具体的に説明する。
【0016】
第1胴体10は、パイプP2に装着されるフランジ16と、流体が流動できるように該フランジ16から延在する流路11とを含んでなる。
【0017】
特に、流路11には、内部に位置するようにコーン部12が備えられる。コーン部12は、第1胴体10の製作の際に一体に設けられるが、この流路11を介して流入した流体がフランジ16を介して抜け出すように複数の吐き出し口12aを有する。一例として、このような吐き出し口12aは、コーン部12がフランジ16の中央に三脚台の形状に支持されるように第1胴体10を形成することにより各脚の間に設けられる。また、このようなコーン部12は第1胴体10に一体に設けられていると説明しているが、分離型に製作し、フランジ16に対して着脱することが可能な構造にすることも可能である。
【0018】
また、流路11は、内周面の入口部にネジ部13が設けられ、このネジ部13の内側には条溝14が設けられる。この際、ネジ部13は、後述の流量調節体20に螺合される。条溝14は、少なくとも一つ設けられてシーリング14aが取り付けられることにより、流路11に嵌合された流量調節体20との間から流体が漏れることを防止する。
流路11には、外周面に固定孔15が貫設される。この際、前記固定孔15は流路11に嵌合された流量調節体20と重畳する位置に設けられる。これは、前記固定孔15に固定ネジ15aを締結することにより第1胴体10に流量調節体20を一体に固定させるためである。
一方、フランジ16は、パイプP2のフランジと同一の直径を有し、その一面には締結孔16aが設けられる。この締結孔16aは、パイプP2のフランジに設けられた締結孔との対応位置に穿設され、フランジ同士の結合に使用される。勿論、フランジ16は直ちにパイプに溶接などの方法で連結して使用することも可能である。また、図示してはいないが、フランジ16にはパイプP2と対向する面にシーリングのための条溝をさらに設けてもよい。
流量調節体20は、流体の流動が可能であり、一端には斜面24が設けられた締結管路部21と、該締結管路部21に一体に延在している圧入管路部22と、前記締結管路部21と前記圧入管路部22との連結部位に突設された装着フランジ部23とを含んでなる。
締結管路部21は、前記流路11の内径と同一の外径を有し、外周面には前記ネジ部13と締結できるように雄ネジ部21aが設けられる。締結管路部21には、流路11の内側に挿入される端部に前記コーン部12を取り囲む形で斜面24が設けられる。この際、斜面24はコーン部12とは一定の間隔Gを持つ。
圧入管路部22は締結管路部21に延設される。この際、圧入管路部22は後述する第2胴体30の内径と同一の外径を有する。このような圧入管路部22は第2胴体30にシーリングによって締まり嵌め方式で圧入設置される。
装着フランジ部23は、締結管路部21と圧入管路部22との間に設けられる。特に、前記装着フランジ部23の外周面には等間隔で溝部23aが設けられる。この溝部23aはケーブルレンチの溝が挿入されるようにして装着フランジ部23を回転させるときに使用される。勿論、この溝部23aには突起を挿入してチェーン等が掛かるようにして装着フランジ部23を回転させるようにしてもよい。また、前記溝部の代わりにギア噛合によって装着フランジ部を回転させてもよい。
第2胴体30は、前記圧入管路部22に外嵌される管部31と、この管部31の一側に設けられ、パイプP1に連結されるフランジ部32とを含んでなる。
特に、管部31には内部に条溝33が設けられ、この条溝にはシーリング33aが取り付けられる。このような条溝33は、本発明に係るボールバルブ100の大きさを考慮し、流動する流体の圧力に応じて複数設けられる。図面では2つの条溝が設けられた例を示す。
フランジ部32は、パイプP1に連結されるが、ネジ方式で締結する場合には締結孔32aをさらに設けてもよい。このような締結方式は通常の技術によって行われるので、ここではその詳細な説明を省略する。
(作動)
このように構成された本発明に係るコーンバルブ100は、流量調節が必要な場合、固定ネジ15aを弛緩させ、第1胴体10に固定された流量調節体20が回転可能な状態にしておく。
次いで、流量調節体20を回転させる。このときの回転は、条溝23aにケーブルレンチなどを挿入して流量調節体20を回転させることにより行われる。一方、装着フランジ部23の外周面にギアを設けて前記流量調節体20を回転させることも可能である。
これにより、締結管路部21は第1胴体10に螺合により締結されて回転し、圧入管路部22はシーリング33aによって漏れが防止された状態で第2胴体10に圧入されて回転する。
【0019】
一方、流量調節体20は、このような回転によって第1胴体10の長さ方向に動き、これによりコーン部12と斜面24との間隔Gが異なる。
この際の間隔Gは調節しようとする流量によって異なる。このような間隔Gは、流量調節体20の回転量を長さで変換させるため、微細調節も可能である。
最後に、流量調節が終わると、固定ネジ15aをさらに締結して第1胴体10に流量調節体20を固定させる。
上述したように、本発明は、螺合方式で長さが調節される流量調節体がコーン部との間隙調節によって流量を調節し得るようにすることにより、構造が簡単であるうえ、正確かつ精密に微細流量調節が可能である。
【符号の説明】
【0020】
10 第1胴体
11 流路
12 コーン部
12a 吐き出し口
13 ネジ部
14 条溝
14a シーリング
15 固定孔
15a 固定ネジ
16 フランジ
16a 締結孔
20 流量調節体
21 締結管路部
21a 雄ネジ部
22 圧入管路部
23 装着フランジ部
23a 溝部
24 斜面
30 第2胴体
31 管部
32 フランジ部
32a 締結孔
33 条溝
33a シーリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さ方向に流路が設けられ、該流路の内部にはコーン部を有する第1胴体と、
一端を前記第1胴体に結合して回転させることにより、前記コーン部との間隔によって流量を調節する流量調節体と、
前記流量調節体の他端を受け止め、パイプに連結される第2胴体とを含んでなることを特徴とする、精密な圧力および流量調節が可能なコーンバルブ。
【請求項2】
第1胴体は、
内周面にはそれぞれネジ部、および該ネジ部の内側にシーリングを取り付けるための条溝が設けられ、
外周面には前記流量調節体を固定させることができるように固定ネジが締結される固定孔が貫設され、
一側にはパイプに連結されて前記コーン部を介して流路が設けられるようにフランジが備えられることを特徴とする、請求項1に記載の精密な圧力および流量調節が可能なコーンバルブ。
【請求項3】
前記流量調節体は、
前記第1胴体の内部に挿入されて螺合され、前記コーン部との間隔によって通過流量が制御されるように斜面が設けられた締結管路部と、
前記締結管路部に連結され、前記第2胴体に圧入設置される圧入管路部と、
前記締結管路部と前記圧入管路部との間に突設された装着フランジ部とを含んでなることを特徴とする、請求項1に記載の精密な圧力および流量調節が可能なコーンバルブ。
【請求項4】
前記装着フランジ部は、外周面に複数の回転操作用溝部が等間隔で設けられたことを特徴とする、請求項3に記載の精密な圧力および流量調節が可能なコーンバルブ。
【請求項5】
前記第2胴体は、
前記流量調節体の他端が圧入されるように内周面にシーリングを取り付けるために条溝が設けられた管部と、
パイプに連結できるように前記管部の一側に設けられたフランジ部とを含んでなることを特徴とする、請求項1に記載の精密な圧力および流量調節が可能なコーンバルブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−163202(P2012−163202A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−98265(P2011−98265)
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【出願人】(511104820)ジンミュン21 カンパニー、リミテッド (1)
【Fターム(参考)】