説明

精密基板収納容器

【課題】精密基板の収納の有無にかかわらず容器本体等を検知することができ、しかも、容器本体等の大部分を不透明にする必要がなく、精密基板を検出するセンサの機能を維持できる精密基板収納容器を提供する。
【解決手段】半導体ウェーハからなる複数枚の精密基板を整列収納する透明の容器本体1と、容器本体1の開口した正面をシール可能に開閉する着脱自在の蓋体とを備える。また、容器本体1の底面と天井とに、加工装置20の区画室21に設置された光電センサ30の発光素子32から受光素子33に照射された光線31の光線透過率を10%以上減衰させる遮光領域40をそれぞれ形成する。容器本体1の底面と天井に、光線31を遮蔽する遮光領域40を成形するので、容器本体1が透明でも、光電センサ30の検知に支障を来たすことがない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェーハ、ガラス基板、フォトマスク、アルミディスク等からなる精密基板を収納する精密基板収納容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の精密基板収納容器は、図示しないが、半導体ウェーハからなる複数枚の精密基板を整列収納する容器本体と、この容器本体の開口した正面をシール可能に開閉する着脱自在の蓋体と、この蓋体に設けられ、外部からの操作により容器本体の開口した正面に嵌合した蓋体を施錠あるいは解錠する施錠機構とを備えて構成され、半導体の生産工程で精密基板の出し入れに使用されている(特許文献1、2、3参照)。
【0003】
精密基板収納容器の容器本体は、蓋体を取り外すことなく精密基板を視認できるよう光透過性を有する透明の樹脂を使用して成形され、背面壁には、精密基板の後部を支持するリヤリテーナが上下方向に複数並設されており、両側壁には、精密基板を支持する左右一対のティースが上下方向に並設されている。また、蓋体の内面には、精密基板の前部を支持するフロントリテーナが上下方向に複数並設されている。
【0004】
半導体の生産工程は、例えばアニーリング等の熱処理工程、CVDによる成膜工程、レジスト塗布工程、エッチング工程、露光工程等があげられ、これらの工程には、精密基板収納容器の容器本体を搭載する各種の加工装置が使用されている。この加工装置には、発光部と受光部との間の光線が容器本体に遮蔽されることにより、精密基板収納容器の存在の有無を検知する光電センサ(透過フォトセンサ又は透過型センサともいう)が装着され、この光電センサで精密基板収納容器の存在が検知されることにより、精密基板収納容器が次のステップに投入される。
【0005】
光電センサは、例えば波長670〜680nmの発光ダイオード等が使用され、間隔をおいて相対向する発光部と受光部とが加工装置の上下方向、水平方向、あるいは斜め方向に適宜設置されている。
【特許文献1】特開2004‐342844号公報
【特許文献2】特開2000‐159288号公報
【特許文献3】特開2003‐174081号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来における精密基板収納容器は、以上のように容器本体が透明の樹脂を使用して成形されているので、光線の遮蔽を利用する光電センサの検知に支障を来たし、特に容器本体に精密基板が収納されていない場合には、検知できないことがあった。
係る問題を解消するには、容器本体に不透明領域を形成すれば良いが、そうすると、光電センサの設置箇所が加工装置の上下方向、水平方向、あるいは斜め方向と一定しないので、容器本体の大部分を不透明に形成しなければならないという大きな問題が新たに生じることとなる。さらに、容器本体の大部分を不透明に形成すると、精密基板の有無を検出する別工場のセンサが機能しなくなったり、検出が困難になるおそれがある。
【0007】
本発明は上記に鑑みなされたもので、精密基板の収納の有無にかかわらず容器本体等を検知することができ、しかも、容器本体等の大部分を不透明にする必要がなく、精密基板を検出するセンサの機能を維持することのできる精密基板収納容器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明においては上記課題を解決するため、精密基板を収納する容器本体と、この容器本体の開口部を開閉する蓋体とを備え、これら容器本体と蓋体のうち少なくとも容器本体に光透過性を付与し、センサの発光部と受光部との間の光線が容器本体あるいは蓋体の一部に遮蔽されることにより、存在の有無が検知されるものであって、
容器本体あるいは蓋体に、センサの発光部から照射された光線の光線透過率を10%以上減衰させる遮光領域を設けたことを特徴としている。
【0009】
なお、遮光領域を、表面粗さがRy(最大高さ)35〜150μmのしぼ加工(texture、texturing)面とすることができる。
また、遮光領域を、表面粗さがRy35〜70μmのしぼ加工面とすることができる。
また、遮光領域を、レーザマーキングにより形成することができる。
また、遮光領域を、凹凸面を有するマーキングを施すことにより形成することもできる。
さらに、遮光領域を、容器本体あるいは蓋体の一部に遮光性の基材を貼り着けることにより形成することができる。
【0010】
ここで、特許請求の範囲における精密基板には、単数複数の半導体ウェーハ(200mmウェーハ、300mmウェーハ、450mmウェーハ等)、ガラス基板、フォトマスク、アルミディスク等が含まれる。この精密基板は、容器本体に直接収納されても良いが、固定キャリアに搭載された状態で間接的に収納されても良い。また、蓋体は、透明の有無や施錠機構内蔵の有無を特に問うものではない。遮光領域は、容器本体の任意の箇所に形成可能な手段により円形、楕円形、三角形、矩形、多角形等に形成されることが好ましい。
【0011】
遮光領域は、しぼ加工面の他、超音波や加熱転写等により形成される光散乱面、着色樹脂、タルク、マイカ、ガラス繊維、炭素繊維等でも良い。この遮光領域は、センサの光線を適切に減衰、遮蔽できるのを条件に、容器本体の底面、天井、正面、背面、側壁等に単数複数形成することができる。基材には、各種のシートやフィルムが含まれる。さらに、精密基板収納容器は、300mmウェーハ対応のフロントオープンボックスタイプ、FOUPタイプ、FOSBタイプでも良いし、200mmウェーハ等対応のトップオープンボックスタイプでも良い。
【0012】
本発明によれば、精密基板収納容器の容器本体及び又は蓋体に形成された遮光領域がセンサから照射された光線を減衰するので、容器本体及び又は蓋体が透明でも、センサの検知に支障を来たすのを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、精密基板の収納の有無にかかわらず、容器本体等を検知することができるという効果がある。また、容器本体等の大部分を不透明にする必要がないので、精密基板を検出するセンサの機能を維持することができる。
また、遮光領域を、金型を使用した表面粗さRy35〜150μmのしぼ加工面とすれば、遮光領域を備えた複雑な形状の容器本体あるいは蓋体を容易、かつ大量に製造することができる。
【0014】
また、遮光領域をレーザマーキングにより形成するようにすれば、版下等が不要になるので、コストダウンを図ることができ、作業効率、生産性、精密性等を向上させることができる。
また、遮光領域を、凹凸面を有するマーキングを超音波加工機器等を使用して形成するようにすれば、汚水や煙等が出ないので、無公害加工を実現することができ、遮光領域を美しく形成することも可能となる。
さらに、遮光領域を、容器本体あるいは蓋体の一部に遮光性の基材を貼り着けることにより形成するようにすれば、ユーザの仕様に素早く対応したり、製造方法の多様化を図ることも可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態を説明すると、本実施形態における精密基板収納容器は、図1や図2に示すように、図示しない半導体ウェーハからなる複数枚の精密基板を整列収納する透明の容器本体1と、この容器本体1の開口した正面をシール可能に開閉する着脱自在の蓋体10と、この蓋体10に内蔵され、外部からの操作により容器本体1の開口した正面に嵌合した蓋体10を施錠あるいは解錠する施錠機構とを備え、容器本体1の底面と天井とに、加工装置20に設置された光電センサ30の発光素子32から受光素子33に照射された光線31の光線透過率を20%以上減衰させる略矩形の遮光領域40をそれぞれ形成するようにしている。
【0016】
精密基板は、例えば口径300mm(12インチ)の半導体ウェーハ、具体的にはシリコンウェーハからなり、回路の形成される表面が鏡面に形成されており、周縁部に位置決めや整列を容易にするオリフラやノッチが選択的に形成される。
【0017】
容器本体1と蓋体10とは、蓋体10を取り外すことなく精密基板を外部から視認できるよう透明性、耐衝撃性、耐熱性が良好なポリカーボネートを用いて透明に成形されることが好ましいが、光学特性や透明性に優れるシクロオレフィンポリマーやポリエーテルイミド等により透明に成形されても良い。
【0018】
容器本体1は、正面の開口した光透過性のフロントオープンボックス構造に射出成形され、底面の前後部や後部には、三角形を描くよう複数の位置決め具2が間隔をおいて配設されており、天井の中央部には、搬送ロボットに把持されるフランジ3が着脱自在に装着される。
【0019】
容器本体1の開口した正面は、幅方向外側に張り出されて蓋体嵌合用のリム部4に膨出成形され、このリム部4の内周面上下には、左右一対の係止穴が間隔をおいて穿孔される。容器本体1の背面壁の内面には、精密基板の後部周縁を水平に支持する複数のリヤリテーナが上下方向に並設され、両側壁の内面には、精密基板を水平に支持する左右一対のティースが上下方向に並設される。
【0020】
蓋体10は、容器本体1のリム部4に嵌合する断面皿形で略矩形の筐体と、この筐体の開口した正面を覆う略矩形のカバープレート11とを備え、筐体の周壁外面には、リム部4の内周面に圧接してシールするエンドレスのシールガスケットが嵌合されており、筐体の背面には、精密基板の前部周縁を水平に支持する弾性のフロントリテーナが上下方向に複数並設される。
【0021】
施錠機構は、図示しないが、例えば蓋体10の筐体正面に軸支され、外部からの操作で回転する左右一対の回転プレートと、各回転プレートに回転可能に連結軸支され、回転プレートの回転に基づき筐体の上下方向に進退動する上下一対の進退動プレートと、各進退動プレートの先端部に回転可能に連結軸支され、筐体周壁の貫通口を介しリム部4の係止穴に干渉する出没可能な複数の係止爪とを備え、SEMI規格E62に準拠して構成される。
【0022】
加工装置20は、例えば熱処理工程、成膜工程、レジスト塗布工程、エッチング工程、露光工程等で精密基板に各種の加工を施す装置からなり、搬送エリアとクリーンエリアとを区画する区画室21を備えており、この区画室21の立面壁22には、容器本体1に対して蓋体10を着脱するオープナが装着されるとともに、容器本体1の開口した正面と連通する矩形の貫通口23が形成される(図2参照)。区画室21の立面壁22からは容器本体1を水平に搭載する略板形のステージ24が搬送エリア方向に水平に突出し、このステージ24上には、容器本体1の複数の位置決め具2と嵌合する複数の位置決めピン25が立設される。
【0023】
光電センサ30は、図2に示すように、光線31を照射する発光ダイオード等の発光素子32と、この発光素子32からの光線31を受光する受光素子33とを斜め上下方向に間隔をおいた対向状態に備え、加工装置20の区画室21に設置される。この光電センサ30には、赤外線タイプや光ファイバタイプ等があるが、いずれのタイプでも良い。
【0024】
発光素子32は、加工装置20の立面壁22に斜め下向きに埋没設置され、容器本体1の天井前部から底面後部を介し受光素子33に光線31を照射する。受光素子33は、加工装置20のステージ24に斜め上向きに埋没設置され、ステージ24に容器本体1が搭載された場合にその底面後部付近に近接する。
【0025】
複数の遮光領域40は、図1や図2に示すように、例えば表面粗さがRy(最大高さ(基準長さ毎の最低谷底から最大山頂までの高さ))35〜150μmのしぼ加工面からなり、容器本体1の成形時にその天井前部と底面後部とにそれぞれ部分的に一体成形されており、光電センサ30の発光素子32から照射された光線31の光線透過率を10%以上、好ましくは20%以上、特に検知の安定化の観点から30%以上減衰させ、光電センサ30の検知を確実化するよう機能する。
【0026】
遮光領域40の表面粗さがRy35〜150μmの範囲なのは、35未満の場合には、光電センサ30の光線31を十分に低減することができず、精密基板収納容器の検知に支障を来たすおそれがあるからである。逆に、150μmを超える場合には、金型からの離型時に損傷したり、離型が困難になり、しかも、パーティクルが付着しやすくなり、洗浄後の乾燥処理に時間を要するからである。
【0027】
なお、表面粗さは、例えば(株)ミツトヨ製の測定機(商品名:サーフテスト501)を使用してJIS B0601‐1994に準じ測定することができる。また、透過率は、(株)コニカミノルタ製の分光測色計を使用してJIS K7105に準じ測定することができる。
【0028】
遮光領域40は、容器本体1用の金型に凹凸加工された微細なしぼ地により転写形成される。この遮光領域40の形成範囲は、予め判明している光電センサ30の光線31のスポット径や種類、配置状態、検出限界に応じて適宜設定されることが好ましいが、区画室21のステージ24に搭載されたときの寸法差を考慮し、受光素子33の検出範囲に安全率(例えば1.5)をかけた大きさ・範囲が最適である。
【0029】
上記構成において、加工装置20のステージ24に精密基板収納容器の容器本体1がセットされると、光電センサ30の発光素子32と受光素子33との間に容器本体1が介在するが、この際、光線31が容器本体1の遮光領域40に遮蔽されたり、低減されるので、精密基板収納容器の存在の有無が明確に検知される。
【0030】
上記構成によれば、容器本体1の底面と天井とに、光線31を遮蔽する遮光領域40を部分的に成形するので、容器本体1が透明でも、光電センサ30の検知に支障を来たすことが全くない。また、精密基板の収納の有無にかかわらず、精密基板収納容器を確実に検知することができる。また、容器本体1の大部分を不透明に形成する必要もなく、精密基板の有無を検出する別工場のセンサの機能障害等をきわめて有効に防止することができる。さらに、容器本体1を射出成形する金型に加工されたしぼ地により遮光領域40を形成するので、生産性、品質安定性、応用性等の著しい向上が期待できる。
【0031】
なお、遮光領域40のしぼ加工面は、容器本体1と蓋体10における内壁面と外壁面の一方に設ければ、遮光効果が得られるが、外壁面側である発光側に設けることが好ましい。また、相対向する内壁面と外壁面とにしぼ加工をそれぞれ施せば、より大きな効果を得ることができる。
【0032】
次に、図3ないし図6は本発明の第2の実施形態を示すもので、この場合には、容器本体1の両側壁下部に、相対向する遮光領域40をレーザマーキング装置50のレーザマーキングによりそれぞれ矩形に形成し、間隔をおいて左右水平方向に対向配置された光電センサ30の光線透過率を10%以上、好ましくは20%以上、検知の安定化の観点から30%以上減衰させるようにしている。
【0033】
遮光領域40は、容器本体1の表面がレーザマーキングにより粗されることで形成されるが、この形成の際、バーコード(図6参照)41、数値、ロゴ、模様等が適宜形成される。その他の部分については、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、ユーザの仕様に迅速に対応したり、製造方法の多様化が期待できる他、印字のための版下等が不要なので、コストダウンを図ることができ、しかも、作業効率、生産性、精密性の著しい向上が可能になるのは明らかである。
【0034】
次に、図7は本発明の第3の実施形態を示すもので、この場合には、超音波による転写治具51や熱溶着機等を使用して凹凸面を有するマーキングを施すことにより、容器本体1の一部に遮光領域40を部分的に形成するようにしている。
遮光領域40は凹凸面を有するが、この凹凸面は、光電センサ30の光線31を乱反射させる各種の形状、例えば連続した三角錐模様や四角錐模様等の形状とされる。その他の部分については、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0035】
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、ユーザの仕様に迅速に対応したり、製造方法の多様化が期待できる。また、超音波による転写治具51を使用すれば、汚水や煙が出ないので、無公害加工を実現することができ、しかも、遮光領域40を美しく形成したり、高精度化を図ることができるのは明らかである。
【0036】
次に、図8は本発明の第4の実施形態を示すもので、この場合には、遮光領域40を、容器本体1の一部に遮光性を有する別体の基材42を貼着することにより形成するようにしている。
【0037】
遮光性の基材42は、例えば光電センサ30の光線31を遮蔽するシート、フィルム、紙、ラベル等からなり、着色やロゴの有無を特に問うものではない。このような基材42は、粘着層43を利用して容器本体1に部分的に直接粘着されたり、超音波溶着機や熱溶着機等により容器本体1の任意の箇所に設けられる。その他の部分については、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、ユーザの仕様に迅速に対応したり、製造方法の多様化が期待できるのは明らかである。
【0038】
なお、上記実施形態では蓋体10に施錠機構を設けたが、容器本体1と蓋体10とに複数の係止部材を配設し、施錠機構を省略しても良い。また、施錠機構の進退動プレートと係止爪とを一体化しても良い。また、上記実施形態では遮光領域40を、容器本体1用の金型に加工されたしぼ地により転写形成したが、金型を入れ子構造にしたり、しぼ地を有しない金型と交換可能なしぼ地を有する金型とを用意し、必要に応じて交換するようにしても良い。
【0039】
また、遮光領域40を、容器本体1用の金型に加工されたしぼ地により転写形成するのではなく、エッチング法やサンドブラスト法により後加工したり、粘着シートに所定の粗さのしぼを形成し、この粘着シートを容器本体1の任意の箇所に粘着しても良い。こうすれば、金型に何ら加工を施す必要がなく、しかも、ユーザの仕様に対応する迅速な対応が大いに期待できる。
【0040】
また、容器本体1用の金型に、遮光領域40用の紙や基材42をインサートして容器本体1と遮光領域40を一体成形することも可能である。また、遮光領域40を最初に形成し、その後、遮光領域40以外の領域をインサート成形したり、二色成形して容器本体1を形成することも可能である。また、容器本体1と蓋体10とに、光電センサ30の発光素子32から照射された光線の光線透過率を10%以上減衰させる遮光領域40をそれぞれ設けることも可能である。
【0041】
また、上記実施形態では容器本体1に遮光領域40を形成したが、何らこれに限定されるものではなく、蓋体10に遮光領域40を形成することもできる。また、遮光領域40を、光電センサ30の発光素子32から発光される光線31の波長領域を吸収可能な材料により形成することもできる。さらに、容器本体1と蓋体10の遮光領域40を、光電センサ30の発光素子32から発光される光線31の波長領域を吸収可能な材料によりそれぞれ形成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に係る精密基板収納容器の実施形態を示す斜視説明図である。
【図2】本発明に係る精密基板収納容器の実施形態を示す側面説明図である。
【図3】本発明に係る精密基板収納容器の第2の実施形態を示す斜視説明図である。
【図4】本発明に係る精密基板収納容器の第2の実施形態を示す背面説明図である。
【図5】本発明に係る精密基板収納容器の第2の実施形態におけるレーザマーキング装置を示す説明図である。
【図6】本発明に係る精密基板収納容器の第2の実施形態におけるバーコード付きの遮光領域を示す説明図である。
【図7】本発明に係る精密基板収納容器の第3の実施形態を示す説明図である。
【図8】本発明に係る精密基板収納容器の第4の実施形態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0043】
1 容器本体
4 リム部
10 蓋体
20 加工装置
21 区画室
24 ステージ
30 光電センサ(センサ)
31 光線
32 発光素子(発光部)
33 受光素子(受光部)
40 遮光領域
41 バーコード
42 基材
43 粘着層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
精密基板を収納する容器本体と、この容器本体の開口部を開閉する蓋体とを備え、これら容器本体と蓋体のうち少なくとも容器本体に光透過性を付与し、センサの発光部と受光部との間の光線が容器本体あるいは蓋体の一部に遮蔽されることにより、存在の有無が検知される精密基板収納容器であって、
容器本体あるいは蓋体に、センサの発光部から照射された光線の光線透過率を10%以上減衰させる遮光領域を設けたことを特徴とする精密基板収納容器。
【請求項2】
遮光領域を、表面粗さがRy35〜150μmのしぼ加工面とした請求項1記載の精密基板収納容器。
【請求項3】
遮光領域を、レーザマーキングにより形成した請求項1記載の精密基板収納容器。
【請求項4】
遮光領域を、凹凸面を有するマーキングを施すことにより形成した請求項1記載の精密基板収納容器。
【請求項5】
遮光領域を、容器本体あるいは蓋体の一部に遮光性の基材を貼り着けることにより形成した請求項1記載の精密基板収納容器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−123513(P2007−123513A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−313063(P2005−313063)
【出願日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】