説明

精油を浸透させた蚕の繭を絹繊維で包んだ中綿入り枕

【課題】 通気性を主とする絹物質の特性を保持し、使用時に痛みや不快感をともなわず、かつ汗の臭いや繭独特の異臭が緩和される絹物質で中綿(クッション)を構成する枕の提供。
【解決手段】 繊維部分に精油(植物から採取した芳香物質を含む有機化合物)を浸透させた蚕の繭や切り繭(繭の一部を切開し内部の蚕を除去したもの)を中芯とし、それを絹繊維で包んだ二層構造を有する枕とし、枕の中心部に配置される中空の形状を有する繭や切り繭(繭の一部を切開し内部の蚕を除去したもの)が形成する空気層により通気性を保持しながら、絹繊維のクッション性で痛みや不快感をやわらげ、精油の芳香により汗の臭いや繭独特の異臭を緩和、払拭する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通気性、吸汗性、速乾性を主な特性とする絹物質を中綿(クッション)に用いた枕に関するものである。
【背景技術】
【0002】
絹物質の特性を活かして絹物質で中綿(クッション)を構成する枕を作成する場合、生糸、真綿、シルクスライパーを主とする絹繊維、または繭や切り繭(繭の一部を切開し内部の蚕を除去したもの)そのものを中綿(クッション)に用いる、あるいは絹繊維と繭や切り繭を混合して中綿(クッション)を構成する方法が一般的であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
生糸、真綿、シルクスライパーを主とする絹繊維を枕の中綿(クッション)に用いる場合、使用時に頭が沈み込むことにより、中綿(クッション)が圧縮されるため、通気性が損なわれ易いものであった。また、繭や切り繭(繭の一部を切開し内部の蚕を除去したもの)そのものを用いる場合や、絹繊維と繭や切り繭を混合して中綿(クッション)を構成する場合はクッション性が弱く使用時に痛みや不快感を与え得るものであった。そして長時間鼻の近くで使用する用具であるため、通気性が悪化した時に発生する汗の臭い、及び、内包される繭や切り繭独特の異臭が感じられるものであった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
そこで、本発明は、以上の課題を解決すべく、繊維部分に精油(植物から採取した芳香物質を含む有機化合物)を浸透させた複数個の繭や切り繭(繭の一部を切開し内部の蚕を除去したもの)を中芯として中心部に配置し、その周りを絹繊維(生糸、真綿、シルクスライパーなど)で包んだ二層構造の中綿(クッション)を有する枕とした。
【発明の効果】
【0005】
本発明により、枕使用者の頭の沈み込みにより中綿(クッション)が圧縮されても、枕の中心部に配置された中空形状の繭や切り繭が形成する空気層により通気性が保持され、また、繭や切り繭を包む絹繊維のクッション性により、枕使用時の痛みや不快感が払拭されつつ、繭や切り繭に浸透させた精油(植物から採取した芳香物質を含む有機化合物)の芳香により、汗や繭独特の異臭が緩和、払拭される。さらに精油の効能が枕の使用者に提供される。一例をあげると、ラベンダーを用いれば安眠、レモングラスを用いれば防虫の効果である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。図2は本発明品の断面図である。精油(植物から採取した芳香物質を含む有機化合物)を浸透させた繭を絹繊維で包んだ構造を示している。繭は先端の一部を切断し、この開口部から内部の蚕を除去した切り繭を用いるのが望ましい。その際、充分に洗浄、殺菌を施した後、繭の繊維部分に精油(植物から採取した芳香物質を含む有機化合物)を浸透させる。繭が枕の中心部から位置がずれるのを防ぐために、繭を不織布を主とする通気性を保持する中袋に充填し、それを絹繊維で包み中袋同様の素材製の外袋に入れた後に枕カバーに装填し、本発明品が完成する。揮発性の精油を用いて芳香が弱くなった場合は、繭を中袋ごと取り出すか、注射器、注入器を用いて精油を繭に再浸透させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明に関わる精油を浸透させた蚕の繭を絹繊維で包んだ中綿入り枕の斜視図である。
【図2】本発明に関わる精油を浸透させた蚕の繭を絹繊維で包んだ中綿入り枕の断面図である。
【符号の説明】
【0008】
1 精油を浸透させた繭
2 中袋
3 絹繊維
4 外袋
5 枕カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体の繊維部分に精油(植物から採取した芳香物質を含む有機化合物)を浸透させた蚕の繭、あるいは切り繭(繭の一部を切開し内部の蚕を除去したもの)を中芯とし、それを絹繊維で包んだ二層構造の中綿(クッション)を有することを特徴とする枕

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−167235(P2010−167235A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−35866(P2009−35866)
【出願日】平成21年1月26日(2009.1.26)
【出願人】(594042789)
【Fターム(参考)】