説明

精算システム及び容器

【課題】顧客自らが買上金額の精算を行う精算システムにおいて、大掛かりな店舗改造等が不要で、容易に未精算のまま顧客が退店することを防ぐことが可能な技術を提供する。
【解決手段】精算システム1は、購入するために登録された商品の精算をする登録精算装置50と、登録精算装置50で精算された商品を運ぶためのカゴ40と、を少なくとも含んで構成される。カゴ40は、登録精算装置50による一取引の精算が済んでいるか否かを示す表示部42を備える。登録精算装置50は、一取引の精算の完了後、表示部42の表示を精算済を示す表示に変えるよう制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、精算システム及び容器に関する。特に、本発明は、顧客自らが買上金額の精算を行う精算システム、及び当該精算システムにおいて商品を運ぶ容器に関する。
【背景技術】
【0002】
顧客自らが買上金額の精算を行う精算システムがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のシステムでは、顧客は、商品登録後、登録装置によって発行されたカードを持って自動精算装置の前に移動し、当該カードを用いて自動精算装置で精算を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−86202号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、顧客自らが買上金額の精算を行う上記システムでは、故意又過失により上記登録装置で発行された上記カードにより顧客が精算をせずにお店を出てしまう恐れがある。その対策として、精算が終了した顧客のみを通過させるゲート(例えば、精算終了時に発行される精算終了を示すコードが印刷された用紙等を読み取った場合に開放するゲート)を店舗の出口に設置することも可能である。しかしながら、このようなゲートを設けることは大掛かりな店舗改造が必要で、また、コスト増も問題であり容易に導入することができないという問題がある。
【0005】
本発明は、上記問題を考慮してなされたものであり、顧客自らが買上金額の精算を行う精算システムにおいて、大掛かりな店舗改造等が不要で、容易に未精算のまま顧客が退店することを防ぐことが可能な精算システム及び該システムに用いられる容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために、請求項1に係る精算システムは、購入するために登録された商品の精算をする精算装置と、該精算装置で精算された商品を運ぶための容器と、を少なくとも含んで構成される精算システムであって、前記精算装置による一取引の精算が済んでいるか否かを示す前記容器に設けられた表示部と、前記精算装置での一取引の精算の完了後、前記表示部の表示を精算済を示す表示に変えるよう制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
請求項1に係る精算システムによれば、精算装置で精算された商品を運ぶための容器の表示部に、精算装置による一取引の精算が済みか否かが表示されるため、店員は、容器の外観を見れば、精算を済ませた顧客であるか、精算を済ませていない顧客であるかを直ちに判断することができるので、顧客自身により精算される場合であっても大掛かりな店舗改造等を必要とせず、容易に未精算のまま顧客がお店を出てしまうことを防止することができる。
また、容器の表示部に、精算装置による一取引の精算が済みか否かが表示されるため、不正精算をしようとする顧客に心理的に訴えることができるので、顧客による不正精算を未然に防止することができる。また、精算装置による一取引の精算が済みか否かが表示される表示部を設けた容器を顧客に使用させることにより、きちんと精算をするという意識が高まり、不正を未然に防止することができる。
【0007】
請求項2に係る精算システムは、請求項1に係る精算システムにおいて、前記制御部は、通信可能な複数の容器の前記表示部の表示を制御することを特徴とする。
請求項2に係る精算システムによれば、一取引で複数の容器が使用された場合に、使用された全ての容器の表示を制御する。従って、上述のような場合においても、顧客による不正精算を防止することができる。つまり、例えば二つの精算済み容器を持つお客がいる場合、一方の容器は精算済みを示し、他方の容器は精算済みを示さないということが無く、店員はそのお客が持つどの容器を見ても精算されたと判断できるので、容易の当該お客が精算を済んだか否かを確認することができる。
【0008】
請求項3に係る精算システムは、請求項1又は請求項2に係る精算システムにおいて、前記精算システムは、前記登録をする商品登録装置に、商品登録後の商品を投入するための容器に付された容器を識別する容器IDを入力する入力部を設け、前記商品登録装置での登録の際、登録された商品に関する情報と、入力された容器IDとを対応づけて記憶し、前記精算装置に、前記登録の際に生成された商品に関する情報を特定する特定部を設け、前記制御部は、前記特定部により特定された前記商品に関する情報に対応付けられた容器IDの容器と通信し、該容器の表示部の表示を、精算済みを示すように制御することを特徴とする。
容器IDを入力する方法としては、例えば、容器IDをバーコード化したバーコードを各容器に予め付しておき、一取引の登録の際に、該登録した商品を別の空の容器に移すための容器に付されているバーコードをスキャナで読み取ることで容器IDを入力する。また、バーコードをスキャナで読み取る以外、例えば容器を識別する番号が容器毎に付されており、該番号をキー入力する方法でもよい。そして、上述の如く入力した容器IDと、当該一取引で登録された商品に関する情報とを対応付けて記憶(記録)する。商品に関する情報の一例は、当該取引を識別する取引ID、登録された複数あるいは単数の商品コードである。なお、容器IDと登録された商品に関する情報とを対応付けた情報は、電子データとして、例えば、カゴの自身に備えられている記憶部に記憶させ、精算装置に設けられた特定部により登録された商品に関する商品コードや容器IDを、前記カゴの記憶部から読み出すようにしてもよい。あるいは、カゴの記憶部には取引を識別する取引IDのみを記憶し、商品登録装置、精算装置と通信可能なストアコントローラを設け、該ストアコントローラに取引ID毎の登録された商品に関する商品コードや容器IDを記憶し、精算装置の特定部で取引IDが読み出された際、ストアコントローラから該当する取引IDの商品に関する商品コードや容器IDを読み出すようにしてもよい。また、あるいは、商品登録装置で、登録された商品のコード情報、容器IDを例えば二次元バーコード化してシートに印刷して記録し(記憶し)、精算装置でのスキャナにより該バーコードを読み取ることで、商品コードや容器IDを特定してもよい。
つまり、請求項3に係る精算システムによれば、登録に関する情報と容器IDとを対応付けて記憶するため、登録された商品が詰められる容器が複数になるような場合であっても、精算の際に、該登録に関する情報が特定されると、対応付けられている容器IDの容器全てについて精算済みと表示させることができるようになるので、確実に全ての容器を精算済みと表示させることができる。
【0009】
請求項4に係る精算システムは、請求項1乃至請求項3に係る精算システムにおいて、前記商品を登録する登録装置と、前記精算装置とが別体であり離れた位置に配置され、前記容器は、前記登録装置の際に生成された商品に関するデータを記憶する記憶部を有し、前記登録装置は、一取引にて登録された商品に関する情報を前記記憶部に書き込む書き込み部と、前記精算装置は、前記容器の前記記憶部に記憶されている前記商品に関する情報を読み出し、登録された商品の買上金額を精算することを特徴とする。
請求項4に係る精算システムによれば、登録された商品を詰める容器を利用して、精算装置で登録された商品が読み出されて精算されるようになるので、従来のように登録装置で登録された商品を精算装置で特定するためのカード等が不要になる。
【0010】
上記問題を解決するために、請求項5に係る容器は、購入するために登録された商品の精算をする精算装置で精算された商品を運ぶための容器であって、前記精算装置による一取引の精算が済みか否かを示す表示部と、前記精算装置による一取引の精算が済んだ精算済み情報を受信する受信部と、該受信した精算済情報に基づき前記表示部の表示を精算済みを示す表示に制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
請求項5に係る容器によれば、上記精算システムと同様、精算が済んでいるか否かをその容器を見れば外観上容易に把握することができるので、顧客による不正精算等を迅速に把握することができるので、顧客が未精算のまま退店することを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、以上の様に、顧客自らが買上金額の精算を行う精算システムにおいて、大掛かりな店舗改造等を必要とせず、容易に顧客が未精算のまま退店することを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る精算システムが稼働している様子、及び、本発明の第1の実施形態に係る精算システムが稼働している様子を表す模式図である。
【図2】登録精算装置及びカゴの構成を表すブロック図である。
【図3】買上ファイルの一例である。
【図4】登録精算装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図面を参照して説明する。図1(a)は、本発明の第1の実施形態に係る精算システム1が稼働している様子を表す模式図である。なお、図1(a)に示す模式図は、精算システム1を設置する店舗フロアを上面から見下ろしたものである。精算システム1は、図1(a)に示すように、登録精算装置50と、登録精算装置50と通信可能なカゴ40とを含んで構成される。なお、登録精算装置50は、商品の登録と精算とを一箇所で実行する装置であり、いずれも顧客の操作により実行される装置である。
なお、当該店舗フロア内には、登録精算カウンタ51、サッカー台(袋詰台)61が設置されている。また、精算システム1は、登録精算装置50及びカゴ40と通信可能なストアコントローラ(非図示)を更に含む構成であってもよい。
【0014】
カゴ40は、登録精算装置50で精算された商品を運ぶための容器の一例である。図1(a)の吹き出し内において、符号412はカゴ40が備える無線通信部412(詳細は後述)、符号42はカゴ40が備える表示部42(詳細は後述)、記号Aはカゴ40に付されたバーコード(当該カゴ40を識別するためのカゴID(容器ID)をバーコード化したバーコード)である。なお、無線通信部412、表示部42、バーコードの配置は、例示である。
表示部42は、無線通信部412を介して通信する登録精算装置50によって制御され、登録精算装置50による一取引の精算が済みか否かを精算済みランプ405の点灯、消灯により、周囲の店員に表示(報知)する。なお、表示部42の制御に関する詳細は後述する。
【0015】
登録精算装置50は、いわゆるセルフ式POSレジスタであり、前記のように商品登録、精算いずれも顧客によって行われる。そして、顧客は、登録精算カウンタ51にて、商品登録を開始する際、登録後の商品を詰める空のカゴ40のカゴIDを読み取ってから(詳細は後述)商品を登録し(詳細は後述)、商品に付されたバーコードをスキャナ504で読み取る毎に空のカゴ40に商品を一品ずつ詰め、全ての商品がスキャンされ登録されたら精算する(詳細は後述)。顧客が精算処理を済ませると、前記読み取ったカゴIDのカゴ40と、無線通信部512を介して、登録後の商品が詰められたカゴ40の表示部42の表示は精算済みを示すよう制御される。なお、各容器の記憶部403には、前記バーコードの情報と同じ情報である各容器を識別する情報が予め記憶されているので、無線通信部512は読み取られたカゴIDのカゴと通信が可能になる。
つまり、登録精算装置50は、精算処理の完了後、登録後の商品が詰められたカゴ40の表示部42の表示が精算済みを示すように制御する(詳細は後述)。なお、登録された商品を詰めるカゴ40は、登録精算カウンタ51の脇に準備されている。
【0016】
精算後、顧客は、精算を済ませた商品を入れたカゴ40を持って登録精算カウンタ51からサッカー台61に移動する。なお、登録精算カウンタ51からサッカー台61に移動中の顧客が持つカゴ40の表示部42は、登録精算装置50における精算処理が正常に行われた場合には、上述したように登録精算装置50の制御によって、精算済みを示していることになる。
【0017】
その後、顧客は、サッカー台61へ移動し、カゴ40から商品を取り出して店舗から配布されたビニール袋(レジ袋)、又は、持参した買物カゴに商品を詰め込む。顧客は、カゴ返却位置(非図示)に空いたカゴ40を返却して、店舗を出る。なお、カゴ返却位置は、例えばサッカー台61又は出口の近傍に設ける。
【0018】
そして、店員は、登録精算カウンタ51から移動してきた顧客(つまり、精算処理を済ませたはずである顧客)のカゴ40の表示部42を目視し、精算済みであるか否かを判断する。つまり、店員は、未精算のまま退店しようとしている顧客か否かを、顧客が所持、あるいはカートに乗っているカゴ40の表示部42を見ることで容易に把握することができる。
【0019】
一方、図1(b)は、詳細は後述するが、登録装置10と精算装置20とが離れた位置に位置し、商品登録は店員により行われ、精算は顧客により行われる形態である。図1(b)の形態では、図1(a)と同様に、登録装置10での商品登録が開始する前に空のカゴ40のバーコードをスキャナ104にてスキャンし、登録装置10で登録された商品は順次、当該空のカゴ40に詰められる。そして、登録が終わると、登録装置10の無線通信部112とカゴ40の無線通信部412とが非接触に通信し、例えば、一取引を識別する取引IDと、登録された商品の商品コードと、スキャンされたカゴIDとが、カゴ40の記憶部403に記憶される。そして、カゴ40の記憶部403に記憶されたこれらの情報が、精算装置20の無線通信である無線通信部212により読み出されることにより、登録装置10において登録された商品の商品コードを精算装置20で特定し、各商品の値段を商品コード毎に規定し各精算装置に記憶をする商品ファイルに基づき合計金額が算出されて精算される。精算が済むと、精算装置20は、カゴ40の記憶部403から読み出されたカゴIDのカゴ40、つまり、商品が詰められていたカゴ40の表示部42の表示が精算済みを示すように表示する。これにより、監視する店員は、図1(a)と同様に、そのカゴ40を持った顧客は正しく精算を済ませたことを把握することができる。
【0020】
図2(a)は、登録精算装置50の構成を表す電気ブロック図である。図2(b)は、カゴ40の構成を表す電気ブロック図である。図3は、買上ファイルの一例である。
【0021】
登録精算装置50は、図2(a)に示すように、CPU501と、ROM502と、RAM503と、スキャナ部504と、表示部505と、ハードディスク506と、操作部507と、通信部508と、ブザー509と、印刷部510と、釣銭機511と、無線通信部512とを備える。これらは、バス520を介して互いに接続されている。
【0022】
ROM502は、種々の情報を記憶する。例えば、ROM502は、商品登録処理をCPU501に実行させるための登録精算プログラムを記憶する。また、ROM502は、自身の装置ID(識別情報)を記憶する。
【0023】
RAM503は、種々の情報を一時記憶する。例えば、RAM503は、ROM502から読み出された商品登録プログラムを一時記憶する。また、RAM503は、登録精算プログラムが実行されることによって生成される種々の変数、データ(例えば、スキャナ部504が読み取った商品データ、担当者名)を一時記憶する。また、RAM503は、ストアコントローラ(非図示)から供給された商品ファイルを一時記憶してもよい。なお、商品ファイルには、商品コード(後述)に対応付けて商品名、販売単価などが格納されている。
【0024】
また、RAM503は、各取引の取引情報を一時記憶する。例えば、RAM503は、図3に示すように、各取引の取引情報を格納する買上ファイルを一時記憶する。図3に示す買上ファイルは、取引ID、商品コード、カゴIDの項目を有する。なお、買上ファイルの各行の情報は一取引分の取引情報である。取引IDは、CPU501によって採番される精算システム1において各取引を識別するための識別情報である。商品コードは、商品を識別するための識別情報(例えば、JANコード)である。カゴIDは、精算システム1において各カゴ40を識別するための識別情報である。
【0025】
スキャナ部504は、バーコードを光学的に読み取る。例えば、スキャナ部504は、商品に付されたバーコード(当該商品を識別するための商品コードをバーコード化したバーコード)を光学的に読み取る。つまり、スキャナ部504は、各商品の商品コードを読み取る。また、スキャナ部504は、カゴ40に付されたバーコードを光学的に読み取る。つまり、スキャナ部504は、各カゴ40のカゴIDを読み取る。
【0026】
CPU501は、ROM502に記憶された商品登録プログラムを読み出してRAM503に展開し、展開した登録精算プログラムの各ステップを実行することにより、登録精算装置50全体の処理を制御する。
【0027】
例えば、CPU501は、商品登録処理として、一の取引においてスキャナ部504によって読み取られたカゴIDと商品コードとを、当該取引において採番した取引IDに対応付けて取引情報としてRAM503の買上ファイルに格納する。なお、CPU501は、一取引の精算処理の完了後、通信部508を介して、買上ファイルをストアコントローラに出力してもよい。
【0028】
また、CPU501は、精算処理として、一の取引においてスキャナ部504によって読み取られた商品コードと、商品ファイルに格納されている販売単価とから当該取引の合計買上金額を算出し、算出した当該取引の合計買上金額と、釣銭機511から通知された当該取引の入金額とから当該取引の釣銭額を算出し、算出した当該取引の釣銭額を釣銭機511に通知する。
【0029】
また、CPU501は、一取引の精算処理の完了後(後述のお会計キーが押されると)、無線通信部512を介して、当該取引においてスキャナ部504によって読み取られたカゴIDのカゴ40(つまり、当該取引においてスキャナ部504によってカゴIDが読み取られたカゴ40)に、一取引の精算が済んだ旨を示す情報(以下、「精算済情報」という)を出力(送信)する。
なお、カゴ40の表示部42の表示は、上述の精算済情報に基づいて制御される(詳細は後述)。つまり、CPU501は、一取引の精算の完了後、精算済情報をカゴ40に出力することによって、カゴ40の表示部42の表示を制御する。
【0030】
表示部505は、例えば、液晶ディスプレイ装置であり、操作者である顧客に対して情報を表示する。表示部505が表示する情報の一例は、買上商品の商品名、買上点数、販売単価、合計買上金額などである。
【0031】
ハードディスク506は、例えば、磁気記録装置であり、ストアコントローラ(非図示)から供給された商品データファイルを記憶する。ハードディスク506は、商品登録プログラムを記憶してもよい。
【0032】
操作部507は、操作者である顧客からの種々の操作を受け付けるための各種キー(例えば、商品登録の完了キー、お会計キー)を備える。通信部508は、外部(例えば、ストアコントローラ(非図示))と通信するための通信インタフェース(例えば、有線又は無線LAN)である。ブザー509は、確認音、警告音などを発生させるための音発生部である。印刷部510は、明細レシートを印刷して発行する。
【0033】
釣銭機511は、現金の投入口及び排出口が備えられている。釣銭機511は、顧客によって投入口に投入された現金を計数して、入金額としてCPU501に通知する。また、釣銭機511は、CPU501から通知された釣銭額に基づいて、その釣銭額と等しい額の現金を排出口から排出する。
【0034】
無線通信部512は、外部(例えば、カゴ40の無線通信部412)と通信するための近距離無線通信インタフェース(例えば、Bluetooth、IrDA)である。無線通信部512は、例えば、CPU501の制御に従って精算済情報をカゴ40に出力する。
【0035】
カゴ40は、図2(b)に示すように、制御部401と、記憶部403と、精算済ランプ405と、無線通信部412とを備える。これらは、バス420を介して互いに接続されている。精算済ランプ405は、例えば、LED(Light Emitting Diode)ランプである。なお、精算済ランプ405は、図1(a)に示した表示部42に相当する。
【0036】
精算済ランプ405は、登録精算装置50による一取引の精算が済んだ旨、即ち、精算済みである旨を点灯によって報知するランプである。つまり、精算済ランプ405の点灯は精算済みである旨を報知し、精算済ランプ405の消灯は未精算である旨を報知するものである。
【0037】
無線通信部412は、外部(例えば、登録精算装置50の無線通信部512)と通信するための近距離無線通信インタフェース(例えば、Bluetooth、IrDA)である。無線通信部412は、例えば、登録精算装置50から出力される精算済情報を入力(受信)する。なお、図1(b)に示す第2の実施形態(後述)の場合は、登録装置10から出力される商品登録された商品の商品コード、カゴID、取引ID等を入力(受信)する。
【0038】
記憶部403は、種々の情報を記憶し、例えば、当該容器を識別する容器ID、また、精算済ランプ405の駆動(例えば、点灯/消灯)を制御部401が制御するためのランプ制御情報を記憶する。なお、記憶部403は、図1(b)に示す第2の実施形態(後述)の場合は、前記のように、取引ID、登録装置10から出力された商品コード等を記憶し、精算装置20でそれらの情報が精算装置20の無線通信部212により読み出されて精算される。
【0039】
制御部401は、無線通信部412が入力した精算済情報に基づいて、記憶部403に記憶されたランプ制御情報を読み出して、精算済ランプ405の駆動を制御する。
【0040】
具体的には、制御部401は、無線通信部412を介して登録精算装置50から精算済情報を取得したときに、表示部42の表示が、精算済みを示すように制御する。例えば、制御部401は、精算済情報を取得したときに、消灯していた精算済ランプ405を点灯させる。
【0041】
なお、精算済ランプ405を消灯させる信号を顧客がカゴ返却位置に返却したカゴ40の無線通信部412へ送信することで精算済ランプ405を消灯させるための装置が店舗に備わっており、該装置により点灯している精算済ランプ405を消灯させる。
【0042】
なお、上記は精算済ランプ405を設けて、該ランプが点灯していることで精算済みの状態を、消灯していることで未精算の状態を表しているとしたが、これに限らず、例えば精算済みランプの他に、未精算ランプ(非図示)を設け、該ランプが点灯している場合には未精算の状態を表しているとしてもよい。
また、上記では、精算済みの状態で精算済ランプ405が点灯し、顧客の使用後、店舗側の操作により該ランプが消灯され、新たなに来店した顧客は精算済ランプ405が消灯したカゴ40を用いて、自分が購入したい商品を当該カゴ40に詰めるようになり、その顧客の精算が済むと、カゴ40の精算済ランプ405が点灯するようになる。これに限らず、未精算の状態にランプを点灯し、精算がされると、該ランプの点灯を消灯するようにしてもよい。つまり、精算済みのカゴ40を店員が目視したときに、当該カゴは精算済みか否かを容易に判断できる形態であればよく、表示部42での表示形態は問わない。
【0043】
図4は、登録精算装置50の動作の一例を示すフローチャートである。図4に示す各ステップは、CPU501が制御する。図4に示すフローチャートの開始時において、表示部42の表示は未精算を示しているものとする。
【0044】
ステップS10:スキャナ部504により、登録された商品を詰める空のカゴ40に付されたバーコードをスキャンし、カゴIDを読み取る。なお、カゴ40の記憶部403にカゴIDが記憶されている場合には、無線通信によって自動的にカゴIDを取得してもよい。
ステップS12:スキャナ部504により商品に付されたバーコードをスキャンし、商品コードを読み取る。
ステップS14:商品登録の完了キーが押下されたか否かを判断する。つまり、一取引の登録を完了させる旨の宣言があったか否かを判断する。ステップS14がYESの場合はステップS16に進む。ステップS14がNOの場合はステップS12に戻る。
【0045】
ステップS16:ステップS14で完了キーが押下されるとRAM503に記憶されている取引IDが「1」だけカウントアップされて当該取引の取引IDを採番し、S10でスキャンされたカゴIDと、S12でスキャンされた商品コードとを取引IDに対応付けて取引情報としてRAM503の買上ファイルに格納する。
ステップS18:精算処理を実行する。具体的には、当該取引の合計買上金額を算出し、表示部505に表示する。次いで、釣銭機511の現金投入口から預り金額の投入を受け付けた後、お会計キーの押下を受け付ける。次いで、合計買上金額と預り金額とから釣銭額を算出し、釣銭額を釣銭機511の現金排出口から排出する。
【0046】
ステップS20:カゴ40の表示部42の表示を未精算から精算済みに変更する。具体的には前記お会計キーが押されると、無線通信部512を介して精算済情報をS10で読み取ったカゴIDのカゴ40の無線通信部412に、精算済情報を出力し、カゴ40の制御部401は、登録精算装置50から出力された精算済であることを示す情報に基づいて表示部42の表示を未精算から精算済みに変更する。なお、前記無線通信は、例えばBluetoothによる通信であり、カゴ40は登録精算装置50と数メートル以内に位置するので、前記無線通信に支障はない。また、各カゴの記憶部403には自身のカゴIDを記憶しているので、他のカゴが通信領域内にあったとしても、カゴIDが指定されて前記精算済情報が出力されるので、他のカゴが精算済みを示すように制御されることはない。
そして、カゴ40が表示部42として消灯していた精算済ランプ405が点灯する。
ステップS22:明細レシート情報を生成し、印刷部110によって印刷、発行する。そして、本フローチャートは終了する。
【0047】
以上、第1の実施形態に係る精算システム1によれば、カゴ40の表示部42に、登録精算装置50による一取引の精算が済みか否かが表示されるため、店員は、カゴ40の外観を見れば、精算を済ませた顧客であるか、精算を済ませていない顧客であるかを直ちに判断することができるので、店舗内での大掛かりな改造等をすることなく、容易に顧客が未精算のまま退店しようとしているかを把握することができる。また、表示部42に、一取引の精算が済みか否かが表示されるため、不正精算をしようとする顧客に心理的に訴えることができるので、顧客による不正精算を未然に防止することができる。また、一取引の精算が済みか否かが表示される表示部42を設けたカゴ40を顧客に使用させることにより、きちんと精算をするという意識が高まり、顧客による不正精算を未然に防止することができる。
【0048】
なお、登録精算装置50のCPU501は、通信可能な複数のカゴ40の表示部42の表示を制御する。従って、一取引で複数のカゴ40が使用された場合に、使用された全てのカゴ40の表示を制御する。例えば、図3に示す取引ID「0001」では、2つのカゴ40(カゴID「0001」のカゴ40、カゴID「0002」のカゴ40)が使用されているが、CPU501は、この2つのカゴ40の表示部42を制御する。なお、後述する第2の実施形態における登録装置10のCPU(非図示)、精算装置20のCPU(非図示)についても同様である。
【0049】
(第2の実施形態)
続いて、本発明の第2の実施形態について図面を参照して説明する。図1(b)は、本発明の第2の実施形態に係る精算システム2が稼働している様子を表す模式図である。精算システム2は、図1(b)に示すように、登録装置10と、精算装置20と、カゴ40とを含んで構成される。つまり、精算システム2は、第1の実施形態の精算システム1における登録精算装置50に代えて、前記のように、商品登録処理を行う登録装置10と、精算処理を行う精算装置20とが離れた位置に備わっている。そして、登録操作を迅速に行うために登録装置は店員により操作され、精算装置での精算操作は顧客により行われる形態の実施例である。
また、精算システム2は、精算システム1と同様、上記に加え、登録装置10、精算装置20通信可能なストアコントローラ(非図示)を更に含む構成であってもよい。
【0050】
登録装置10は、店員又は顧客が商品登録処理を行うための装置である。登録装置10のスキャナ104は、精算システム1の登録精算装置50と同じように、登録後の商品を詰める空のカゴ40に付されたバーコード(カゴID)を読み取る。登録装置10のCPU(非図示)は、登録精算装置50と同じように、商品登録処理を行う。商品登録処理を済ませると、登録装置10のCPUは、登録装置10の書き込み部により無線通信部112を介して、登録された商品に関するデータである(取引ID、商品コード、カゴID)をカゴ40の記憶部403に書き込む。例えば、登録装置10のCPUは、無線通信部112を介して、例えば近距離無線通信インタフェース(例えば、Bluetooth、IrDA)により、カゴ40の記憶部403に書き込む。これにより、カゴ40の記憶部403において、少なくとも、取引IDとカゴIDとは対応付けられて記憶されることになる。
【0051】
そして、顧客は、図1(b)に示すように、商品登録を済ませた商品を入れたカゴ40を持って登録カウンタ11から精算カウンタ21に移動する。なお、登録カウンタ11から精算カウンタ21に移動中の顧客が持つカゴ40の表示部42の精算済ランプ405は消灯されたままの状態である。なお、商品登録後の商品が詰められるカゴ40は、通常のレジと同様に登録カウンタ11上の脇に準備されており、店員により登録操作がされる毎に順次カゴ40に詰められていく。
【0052】
精算装置20は、顧客が精算処理を行うための装置である。精算装置20の無線通信部212によりは、カゴ40の無線通信部412と例えばBluetooth、IrDA等の規格に基づき無線通信し、記憶部403に記憶されている取引ID、商品コード、カゴIDを読み出す。
精算装置20の表示部(非図示)に表示される精算を終了することを宣言するキー(お会計キー)が押されると、精算装置20のCPU(非図示)は、精算を開始し、明細レシートの発行、釣銭があれば釣銭の排出を制御する。つまり、精算装置20のCPUは、カゴ40の記憶部403から読み出された取引ID、商品コード、カゴID、精算装置20のRAM(非図示)に記憶されている商品ファイルに基づき、当該取引の精算処理を行い、また、明細レシートの発行、釣銭があれば釣銭の排出を制御する。
更に、精算装置20のCPUは、登録精算装置50と同じように、当該取引IDに対応付けたカゴIDのカゴ40の無線通信部412と通信し、カゴ40の表示部42の精算済みランプ405を点灯するよう制御する。
【0053】
精算後、顧客は、精算を済ませた商品を入れたカゴ40を持って精算カウンタ21からサッカー台61に移動する。なお、精算カウンタ21からサッカー台61に移動中の顧客が持つカゴ40の表示部42は、精算装置20における精算処理が正常に行われた場合には、上述したように精算装置20の制御によって、精算済みランプ405は点灯し精算済みを示していることになる。
【0054】
顧客は、サッカー台61にて、カゴ40から商品を取り出して店舗から配布されたビニール袋、又は、持参した買物カゴに商品を詰め込む。顧客は、カゴ返却位置に空いたカゴ40を返却して、店舗を出る。
【0055】
以上、第2の実施形態に係る精算システム2によれば、取引IDとカゴIDとを対応付けて、更に登録装置10で登録された商品の商品コードとが、カゴ40の記憶部403に記憶され、精算装置20の読み出し部によりそれぞれの内容が読み出されて精算され、精算後は該当するカゴIDのカゴ40の表示部42の精算済みランプ405が点灯するようなる。したがって、登録装置10と精算装置20とが別体であっても、精算装置20で精算後は、使用しているカゴ40の表示部42の表示は精算済みを示す表示になるので、店員は未精算のまま退店しようとしているかを容易に把握することができる。
【0056】
なお、登録装置10のCPUは、商品登録処理を済ませた場合に、取引ID、商品コード、カゴIDを通信可能なストアコントローラへ送信し、取引IDのみをカゴ40の記憶部403に記憶し出力するようにしてもよい。そして、精算装置20でカゴ40の記憶部403に記憶されている取引IDが読み出されたときに、該当する商品コード、カゴIDが特定されて、それらに基づき精算及び、精算後に該当するカゴ40の精算済みランプ405を点灯するように制御してもよい。
【0057】
なお、第2の実施形態の場合、精算済みを示す表示を消去する際(例えば、精算済みランプ405を消灯する際)に、併せてカゴ40の記憶部403に記憶されている取引ID等のデータを消去する消去手段が必要である。例えば、新たな顧客の商品登録処理を行う前迄に、第1の実施形態において説明した精算済ランプ405を消灯させるための装置を用いて、併せてカゴ40の記憶部403に記憶されている取引ID等のデータを消去してもよいし、登録装置10のCPUが、カゴ40と無線通信を開始したときに、記憶部403に記憶している登録データを消去するようにしてもよい。
【0058】
また、上記例では、登録装置10のCPUは、商品登録処理を済ませた場合に、取引ID、商品コード、カゴIDをカゴ40の記憶部403に記憶させて、精算装置20の無線通信部を介して該記憶部403の内容を読み出し部により読み出して精算する例で示したが、これに限らず、例えば、登録装置10で登録した際、取引ID、商品コード、カゴIDが二次元バーコード化された情報が印字されたお買い物シートを発行するプリンタ部を備えて、該プリンタ部よりお買い物シートを発行するようにしてもよい。そして、登録装置10で店員による登録が済んだ顧客は、該お買い物シートと登録後の商品が入ったカゴ40持って、精算装置20へ進み、精算装置20のスキャナ部(非図示)により、前記お買い物シートの二次元バーコードを読み取ることで、精算装置20にて、必要な取引ID、商品コード、カゴIDを特定し、精算装置20でのお会計キーが押されて精算が完了すると、精算装置20の無線通信部212と、前記特定されたカゴIDの無線通信部412とが通信し、該当するカゴの表示部42の精算済みランプ405を点灯するようにしてもよい。
【0059】
なお、上述のように、二次元バーコードに登録された商品の商品コードと、カゴIDとを記憶(記録)し、その記憶された商品コードを読み出して精算する場合は、必ずしも取引IDは必要ではない。登録装置10で、一取引で登録された商品コードと、そのカゴIDとが記憶されていれば、精算については、その記憶されている商品コードにて精算装置20に記憶されている商品ファイルを参照することで価格を特定できるので合計金額を算出することができる。
また、カゴIDが記憶されているので、該カゴIDにて確実に精算済みランプ405を点灯させるカゴ40を特定することができる。
【0060】
また、お買い物シートを発行する例の場合、例えば、登録装置10にて取引IDのみを一次元のバーコードにして印刷するようにしてもよい。そして、取引ID毎の商品コード、カゴIDを登録装置10、精算装置20と通信可能なストアコントローラへ送信し、精算装置20で、一次元バーコードが読み取られ、取引IDが読み出されたときに、関連付けられている商品コード、カゴIDをストアコントローラから精算装置20へ送信するよう制御するようにしてもよい。これにより、バーコードには少ない情報のみが記憶されることになるので、精算装置20でのバーコードからの情報の読み出し時間を短くすることができるようになる。
【0061】
なお、第1、第2の実施形態においては、図1(a)(b)に示すように、店舗フロア内にサッカー台61を設置しているが、サッカー台61は必ずしも設置しなくてもよい。例えば、登録精算カウンタ51(精算カウンタ21)にて精算が終了した時点で、商品が、カゴ40内に入れたレジ袋に袋詰めされている場合、既に袋詰めが終わっており、後は、カゴ40から商品が袋詰めされたレジ袋を取り出すだけであるため、サッカー台61の設置は不要になる。
【0062】
また、第1、第2の実施形態においては、登録精算装置50(登録装置10、精算装置20も同様)は、直接、カゴ40と通信し、カゴ40の表示部42の表示を制御するが、登録精算装置50(登録装置10、精算装置20)は、他の装置を介して間接的に、表示部42の表示を制御してもよい。例えば、登録精算装置50(登録装置10、精算装置20)が、上位装置と通信し、上位装置の制御された専用装置がカゴ40の表示部40を制御してもよい。つまり、登録精算装置50(登録装置10、精算装置20)以外の他の装置(上位装置、専用装置)が、カゴ40の表示部42の表示を制御してもよい。
【0063】
また、第1、第2の実施形態の説明において、1つのカゴ40に配置する精算済ランプ405の個数に関する言及はしていなかったが、1つのカゴ40には、1個又は複数個の精算済ランプ405を有していてもよい。一般的にカゴは箱型であるので、例えば、店員から視認性を考慮し、カゴ40の各側面の夫々に精算済ランプ405を配置するようにしてもよい。
【0064】
また、第1、第2の実施形態においては、精算済ランプ405は点灯によって精算済みである旨を報知するが、精算済ランプ405は点灯に代えて点滅よって精算済みである旨を報知してもよい。
【0065】
また、ランプの点灯、点滅又は消灯に代えてランプの発光(点灯又は点滅)色によって、精算済みである旨又は未精算である旨を報知してもよい。例えば、表示部42として、第1の色(例えば、赤色)にて発光して未精算である旨を報知し、第2の色(例えば、青色)にて発光して精算済みである旨を報知するような、複数の発光色を有するランプを用いてもよい。
【0066】
また、第1、第2の実施形態においては、精算された商品を運ぶための容器の一例としてカゴ40を示したが、精算された商品を運ぶための容器はカート(非図示)であってもよい。つまり、カゴ40に代えてカートが、図2(b)に示す機能を具備してもよい。カートを用いる場合には、カートのカゴ部分の側面に表示部42(精算済ランプ405や、複数の発光色を有するランプ)を配置してもよいし、カートにポール(棒部)を設け、ポールの先端部に表示部42を配置してもよい。
【0067】
また、精算された商品を運ぶための容器(カゴ40、カート)自体に表示部42を具備させるのではなく、表示部42を具備する他の電子機器を、既存(従来)の容器(カゴ、カート)に取り付けるようにしてもよい。例えば、板状の小さな電子機器に図2(b)に示す機能を具備させて、既存のカゴの側面(又は、既存のカートのカゴ部分の側面)に取り付けるようにしてもよいし、棒状の電子機器に上記機能を具備させて、既存のカートに取り付けるようにしてもよい。
【0068】
また、第1、第2の実施形態においては、登録精算装置50のスキャナ504、あるいは登録装置10のスキャナ104で、登録後の商品を投入する空のカゴのカゴID(バーコード)を読み取り、登録精算装置50、あるいは精算装置20での精算の際に、該当するカゴIDのカゴの表示部42である精算済みランプ405を点灯するよう制御する説明をしたが、カゴのカゴIDは、必ずしも特定しなくてもよい。つまり、図1(a)における登録精算カウンタ51上で、精算するカゴ40を必ず一定位置に置くように、登録精算カウンタ51上に目印を付けておき、その旨のガイダンスを登録精算装置50の表示にする。
また、図1(b)の形態であっても、精算カウンタ21の決められた位置に精算するカゴ40をおくように、精算カウンタ21上に目印をつけておく。これにより、登録精算装置50の無線通信部512と、カゴ40の位置との距離、精算装置20の無線通信部212とカゴ40との距離は一定であるので、カウンタ上の通信可能な範囲のカゴ40へ精算済情報を送信することで、精算済みとすべきカゴ40の表示部の精算済みランプ405を点灯させることができる。つまり、この場合でも精算後は、該通信が可能となったカゴへ精算済情報が送信されるので、カゴIDを登録の際に特定しなくても該当するカゴの表示部の精算済みランプ405を点灯させるようにしてもよい。
【0069】
また、図1にて監視する店員は専用の人でなく、例えば図1(b)の例では、登録装置10は店員にて操作されるので、その登録装置10を操作する店員が監視を兼任してもよいし、例えば、近くに配置されるサービスカウンタの店員が監視を兼任するようにしてもよい。
また、登録精算装置50の無線通信部512が、カゴの表示部の精算済みランプ405を点灯させるための通信部、カゴ40の記憶部403に記憶されているデータの読み出し、あるいは該記憶部への書き込みをするための通信部、として両方の機能を有する例で説明したが、登録精算装置50にて、精算済みランプ405を点灯させるための通信部、記憶部403に記憶されているデータの読み出し、あるいは該記憶部への書き込みをするための通信部を別々の備えるようにしてもよい。また、精算装置20でも同様に、精算済みランプ405を点灯させるための通信部、記憶部403に記憶されているデータの読み出し、あるいは該記憶部への書き込みをするための通信部を別々に備えるようにしてもよい。
そして、記憶部403としては、例えばカゴの所定位置にICタグを備え、該ICタグに商品データや、容器IDを記憶し、登録精算装置50にICタグと通信するためのリーダライタ部を備えることで、カゴ40と通信するようにしてもよい。また、登録装置10、精算装置20においても同様にリーダライタを備え、該ICタグと通信し所定のデータを読み出すようにしてもよい。
【0070】
なお、本発明の実施形態による登録精算装置50の各処理を実行するためのプログラム(登録精算プログラム)、登録装置10又は精算装置20の各処理を実行するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、当該記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、本発明の実施形態による登録精算装置50、登録装置10又は精算装置20の各処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0071】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0072】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0073】
1、2…精算システム、10…登録装置、11…登録カウンタ、20…精算装置、21…精算カウンタ、40…カゴ(容器)、42…表示部、50…登録精算装置、51…登録精算カウンタ、61…サッカー台、104…スキャナ、112…無線通信部、212…無線通信部、401…制御部、403…記憶部、405…精算済ランプ、412…無線通信部、501…CPU、502…ROM、503…RAM、504…スキャナ(部)、505…表示部、506…ハードディスク、507…操作部、508…通信部、509…ブザー、510…印刷部、511…釣銭機、512…無線通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
購入するために登録された商品の精算をする精算装置と、該精算装置で精算された商品を運ぶための容器と、を少なくとも含んで構成される精算システムであって、
前記精算装置による一取引の精算が済んでいるか否かを示す前記容器に設けられた表示部と、
前記精算装置での一取引の精算の完了後、前記表示部の表示を精算済を示す表示に変えるよう制御する制御部と、
を備えることを特徴とする精算システム。
【請求項2】
前記制御部は、
通信可能な複数の容器の前記表示部の表示を制御することを特徴とする請求項1に記載の精算システム。
【請求項3】
前記精算システムは、
前記登録をする商品登録装置に、商品登録後の商品を投入するための容器に付された容器を識別する容器IDを入力する入力部を設け、
前記商品登録装置での登録の際、登録された商品に関する情報と入力された容器IDとを対応づけて記憶し、
前記精算装置に、前記登録の際に生成された商品に関する情報を特定する特定部を設け、
前記制御部は、前記特定部により特定された前記商品に関する情報に対応付けられた容器IDの容器と通信し、該容器の表示部の表示を精算済みを示すように制御することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の精算システム。
【請求項4】
前記商品を登録する登録装置と、前記精算装置とが別体であり離れた位置に配置され、
前記容器は、
前記登録装置の際に生成された商品に関するデータを記憶する記憶部を有し、
前記登録装置は、
一取引にて登録された商品に関する情報を前記記憶部に書き込む書き込み部と、
前記精算装置は、
前記容器の前記記憶部に記憶されている前記商品に関する情報を読み出し、登録された商品の買上金額を精算することを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の精算システム。
【請求項5】
購入するために登録された商品の精算をする精算装置で精算された商品を運ぶための容器であって、
前記精算装置による一取引の精算が済みか否かを示す表示部と、
前記精算装置による一取引の精算が済んだ精算済み情報を受信する受信部と、
該受信した精算済情報に基づき前記表示部の表示を精算済みを示す表示に制御する制御部と、
を備えることを特徴とする容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−155446(P2012−155446A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−12857(P2011−12857)
【出願日】平成23年1月25日(2011.1.25)
【出願人】(000145068)株式会社寺岡精工 (317)
【Fターム(参考)】