説明

精算管理システム、及び精算装置

【課題】有価価値の精算に際し、不正行為が行われるのを抑制でき、また、店員及びユーザ間におけるトラブルの発生を抑制することができる精算管理システムの提供。
【解決手段】精算装置1及び精算情報管理装置2を備え、精算装置1及び精算情報管理装置2間がオンライン状態の場合であり、有価価値情報が記録されたカードCが、使用期限内のカードである場合、精算を行う自遊技店にて遊技に使用されているカードである場合、自遊技店にて発行されたカードである場合、又は、自遊技店にて有価価値情報が追加記録されたカードである場合に、前記カードCを精算の対象とする機能を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技店に設置された遊技機にて遊技に用いることができる有価価値、特に、可搬型記録媒体に記録された有価価値情報が示す有価価値を精算するための精算管理システム、及び該システムに用いる精算装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特にパチンコなどの遊技機を取り扱う遊技店において、遊技に現金(有価価値)を使用する機会を極力省く、いわゆるキャッシュレス化が図られており、ユーザが遊技を行う場合、遊技店内に設置されたカード発行機にて発行された有価価値が記録された磁気カード等の記録媒体をプリペイドカード(以下、カードという)として用いている。また、磁気カードに比してより多くの情報を記録するために、半導体メモリを備えたICカード等のカードを用いるシステムも構築されるようになっている。
【0003】
前述したシステムにおいてカードに記録された有価価値を精算する場合、遊技店等に設置された精算装置を用いて精算する。例えば、カードは精算装置が有する挿入口へ挿入され、精算装置はカードに記録されている有価価値の数値に関する有価価値情報を読み込んで取得する。取得した有価価値情報が示す数値の有価価値をユーザへ排出すると共に、カードへは数値が0を示す有価価値情報を記録して精算装置が内蔵する収納ボックスへカードを回収する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前述した精算装置の場合、偽造カード等を用いた不正を目的とする精算行為の発生が問題となる。即ち、それぞれのカード毎に精算に係る精算情報を管理しなければ偽造カード等の不正カードの検出ができず、精算において不正行為が行われる可能性がある。また、カードの使用状況及び有価価値の使用状況を遊技店側が的確に把握する上でも精算情報をデータベース等にて管理することが必要である。
【0005】
また、自遊技店以外にて遊技されたカード,発行されたカード等には、不正な処理が施されている可能性が少なからず存在し、セキュリティを確保するためには自遊技店にて遊技され、発行されたカードのみを精算の対象とすることが望ましい。
【0006】
また、従来の精算装置ではカードに記録された有価価値のうち一部のみの精算をすることができず、更に、精算可能な有価価値の数値の表示、及び、一部精算等によりカードに残された有価価値の数値の表示をすることにより、遊技店の店員等による精算額の確認を容易にする必要があった。
【0007】
また、カードの製造又は発行からの使用期限、例えば使用期間限度又は入出金回数限度等に拘わらず精算を行った場合、カードの摩耗による記録内容の信頼性の低下に起因して、誤った数値の有価価値を精算する可能性がある。
【0008】
また、遊技店が会員制を採用している場合、登録することによりユーザが所持可能な会員用カードは、不正が行われたときであっても所持するユーザを特定することが可能であるが、一般者用カードにおいて不正が施されたときはユーザを特定することが困難である。従って、不正が施されることを未然に防止するためには、精算することにより残高が無くなった一般者用のカードは回収することが望ましい。
【0009】
更に、当日、自遊技店ではあるが、精算装置が精算情報を管理するデータベースとの間にてオフラインとなっている場合に、全ての精算行為の実行を不可とすることは問題がある。例えば、遊技店が閉店処理を行っている際、即ち精算装置及びデータベース間がオフライン時に誤って入店したユーザがカードを購入した場合、当日該カードにて遊技できないにも拘わらず精算することもできないという問題が生じる。
【0010】
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであり、精算装置と、精算に係る精算情報を記憶する精算情報記憶装置とを備え、遊技店が閉店処理をしている際に発行又は追加入金等がされたカードに関しては、精算装置及び精算情報記憶装置の間がオフライン状態であっても精算の対象とすることにより、例えば、遊技店が閉店処理を行っている際、即ち精算装置及びデータベース間がオフライン時に誤って入店したユーザがカードを購入した場合、当日該カードにて遊技できないにも拘わらず精算することもできないという事態を回避することができる精算管理システム、及び該システムに用いる精算装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1発明に係る精算管理システムは、遊技機にて遊技に用いることができ、可搬型記録媒体に記録された有価価値の精算を行う精算装置と、該精算装置との間にて通信可能に接続され、前記精算に係る精算情報を記憶する精算情報記憶装置とを用い、前記有価価値の精算を管理する精算管理システムであって、前記可搬型記録媒体の発行に係る情報、又は、前記可搬型記録媒体への有価価値情報の記録に係る情報を記憶して管理する管理手段を備え、前記精算装置は、前記可搬型記録媒体を識別する識別情報、及び前記可搬型記録媒体に記録された有価価値情報を受け付ける手段と、前記管理手段により前記発行に係る情報を管理されることなく発行された可搬型記録媒体、又は、前記管理手段により前記記録に係る情報を管理されることなく有価価値情報が記録された可搬型記録媒体であることを示す、可搬型記録媒体に記録された未管理情報を受け付ける手段と、前記精算情報記憶装置との間にて通信可能に接続されていない場合であって、前記未管理情報を受け付けた場合に、有価価値の精算を行うべく受け付けた有価価値情報を書き換える手段と、前記識別情報及び精算情報を前記精算情報記憶装置へ送信する手段とを備え、前記精算情報記憶装置は、前記識別情報及び精算情報を受信する手段と、受信した識別情報に関連付けて前記精算情報を記憶する手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
第2発明に係る精算装置は、外部装置との間にて通信可能に接続する手段を備え、遊技機にて遊技に用いることができ可搬型記録媒体に記録された有価価値の精算を行う精算装置において、前記可搬型記録媒体を識別する識別情報、及び前記可搬型記録媒体に記録された有価価値情報を受け付ける手段と、前記可搬型記録媒体の発行に係る情報を管理されることなく発行された可搬型記録媒体、又は、前記可搬型記録媒体への有価価値情報の記録に係る情報を管理されることなく有価価値情報が記録された可搬型記録媒体であることを示す、可搬型記録媒体に記録された未管理情報を受け付ける手段と、前記外部装置との間にて通信可能に接続されていない場合であって、前記未管理情報を受け付けた場合に、有価価値の精算を行うべく受け付けた有価価値情報を書き換える手段と、前記識別情報及び前記精算に係る精算情報を前記外部装置へ送信する手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
本発明による場合は、精算装置及び精算情報記憶装置の間にて通信可能に接続されていない場合は、可搬型記録媒体に記録された未管理情報を受け付けた場合にのみ、精算を可能とすることにより、例えば、遊技店が閉店処理を行っている際、即ち精算装置及びデータベース間がオフライン時に誤って入店したユーザが可搬型記録媒体を購入した場合、当日該可搬型記録媒体にて遊技できないにも拘わらず精算することもできないという事態を回避することができる精算管理システム、及び該システムに用いる精算装置を実現することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明による場合は、例えば、遊技店が閉店処理を行っている際、即ち精算装置及びデータベース間がオフライン時に誤って入店したユーザが可搬型記録媒体を購入した場合、当日該可搬型記録媒体にて遊技できないにも拘わらず精算することもできないという事態を回避することができる精算管理システム、及び該システムに用いる精算装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
図1は、本発明に係る精算管理システムの実施の形態を示すブロック図である。図中1は本発明に係る精算装置であり、パチンコ店などの遊技店におけるユーザ及び店員が対面するカウンタ等に備え付けられている。前記精算装置1は、遊技店に多数設置されている遊技機にて遊技に用いることができる有価価値(現金、パチンコ玉等)を精算するための装置であり、前記有価価値に関する有価価値情報を記録するICカード等の可搬型記録媒体であるカードCの記録内容に基づき精算処理を行う。
【0016】
また、精算装置1は精算情報記憶装置2との間にて、無線又は有線により通信可能に接続されている。精算情報記憶装置2は、精算装置1がカードCの記録内容に基づき精算を実行するに際し、該カードCが、不正な処理を施された不正カードでないかの判断、精算に関する種々の情報である精算情報を記録するなどして精算処理を管理するものである。
【0017】
カードCは、カード製造業者により予め有価価値情報を記録した状態で製造されたものを、遊技店内に設置されたカード発行機3にてユーザが取得できる他、遊技店にて会員制を導入している場合は、会員登録することにより取得することができる。また、取得したカードCへは前記カード発行機3にて有価価値情報の追加記録、即ち追加入金をすることができる。なお、追加入金をカード発行機3にて行わず、例えば入金装置などの追加入金専用の装置にて行ってもよい。
【0018】
カード発行機3は精算情報記憶装置2との間にて通信可能に接続されており、カード発行機3でのカードCの発行、又はカードCへの有価価値情報の追加記録に関する情報は、精算情報記憶装置2へ送信されて記憶され、管理される。なお、カード発行機3及び精算情報記憶装置2の間がオフライン状態であってもカードCの発行、有価価値情報の追加記録は可能であり、この場合、カードCへは未管理情報が記録される他、発行又は追加記録に関する情報は次回オンライン状態となった際に精算情報記憶装置2へ送信される。
【0019】
図2は、本発明に係る精算装置1の実施の形態を示すブロック図である。精算装置1はCPU100を備え、該CPU100は後述するRAM101,ハードディスク(HD)102,第1表示手段103,第2表示手段104,操作手段105,レシート出力手段106,通信手段107,カード取込手段108,カード排出手段109,カード回収手段110,リーダ/ライタ111及び補助記憶手段112等の動作を制御する。
【0020】
RAM101は、SRAM,フラッシュメモリ等で構成されており、CPU100での演算処理中に発生する一時的なデータを記憶する他、通信手段107を介して送受信されるデータ等を記憶する。
【0021】
第1表示手段103は、カウンタ等に設置された精算装置1においてユーザ側に位置し、第2表示手段104は店員側に位置しており、第1表示手段103及び第2表示手段104は共に、カード取込手段108にて取り込まれてリーダ/ライタ111にて読み込まれた有価価値情報が示す数値、精算後にカードCに残された有価価値の数値などを表示する。この他、第2表示手段104は、カードCに関する不正判断の結果であるエラー情報等、前記精算情報記憶装置2から通信手段107を介して受信した種々の情報を表示する。
【0022】
操作手段105は、カードCに記録されている有価価値情報のうち精算可能な最小数値を下回る端数の表示、全精算又は一部精算の実行、精算する有価価値の数値の入力、カード排出手段109によるカードCの排出、レシート出力手段106によるレシートの出力など、店員が行う各種の指示を入力するためのものであり、押下可能なボタン、又は液晶ディスプレイを用いたタッチパネルなどで構成されている。
【0023】
レシート出力手段106は精算装置1における店員側に設けられており、精算を実行するに際し、精算した有価価値の数値、精算日時、カードCを識別するカードID、カードCでの有価価値の記録に関する履歴情報など、種々の情報を紙面に印字等して出力するものである。
【0024】
通信手段107は、無線又は有線にて精算情報記憶装置2との間で通信可能に接続するための通信インタフェースであり、通信手段107を介して種々の情報が送受信され、受信した情報はRAM101に記録される。
【0025】
カード取込手段108は、精算に係る有価価値情報を記録するカードCを取り込むためのものであり、また、カード排出手段109は精算後のカードCを排出するためのものである。なお、前記カード取込手段108及びカード排出手段109は、精算装置1におけるカードCの取込口,排出口を共通とし、カードCを取り込む機構,排出する機構を共通としても良い。
【0026】
また、会員制を導入している遊技店では、精算後に残高を有する一般者用及び会員用のカードC、又は精算後に残高を有しない会員用のカードCを排出する。
【0027】
カード回収手段110は、精算後のカードCを精算装置1に内蔵又は外付けされたカード回収ボックス等へ回収するためのものであり、精算後に残高を有しない一般者用のカードCを回収する。また、精算に際しカード取込手段108により取り込んだカードCに不正が存在すると判断された場合にも、カード回収ボックスへ回収することができる。
【0028】
リーダ/ライタ111は、カード取込手段108により取り込んだカードCに記録されている、有価価値情報,カードID等の種々の情報を読み込み、また、精算を実行する場合に有価価値情報を精算後の残高に相当する残高情報に書き換えるためのものである。
【0029】
補助記憶手段112は、精算装置1を実現するためのコンピュータプログラムが記録されたCD−ROM等の記録媒体RECから記録内容を読み込むためのCD−ROMドライブ等であり、補助記憶手段112により読み込まれたデータはHD102に記録される。
【0030】
図3は、精算情報記憶装置2の実施の形態を示すブロック図である。精算情報記憶装置2はCPU20を備え、該CPU20は、後述するRAM21,ROM22,通信手段23の動作を制御する。
【0031】
RAM21は、SRAM,フラッシュメモリ等で構成されており、CPU20での演算処理中に発生する一時的なデータを記憶する他、通信手段23を介して送受信されるデータ等を記憶する。
【0032】
ROM22は、マスクROM又はPROMで構成されており、精算装置1のリーダ/ライタ111にて読み込まれたカードCの記録内容、及び後述するカードIDデータベース24に記録されているカードCを識別するためのカードIDに基づき、精算に係るカードCを識別するカード識別プログラム22a、精算に係るカードCに不正処理が施されていないか判断する不正判断プログラム22bなど、種々のプログラムが格納されている。
【0033】
通信手段23は、無線又は有線にて精算装置1との間にて通信可能に接続するための通信インタフェースであり、通信手段23を介して種々の情報が送受信される。
【0034】
また、精算情報記憶装置2はカードIDデータベース24及び精算情報データベース25を備えている。カードIDデータベース24は、カードCに付された識別情報であるカードIDに関する情報を格納するデータベースであり、前記カードIDには、カードCが会員用であるか一般者用であるか等を示す情報である対象者情報が含まれている。また、精算情報データベース25は、精算装置1での有価価値の精算に際する種々の情報、例えば、精算した有価価値の数値,精算日時,カードID,カードCでの有価価値の記録に関する履歴情報などを格納するデータベースである。
【0035】
次に、上述した構成をなす精算管理システムの動作について、図4乃至7に示すフローチャートを用いて説明する。ユーザは、遊技後等に有価価値を精算する場合、遊技店の受け付けにて店員へ、有価価値に関する第1有価価値情報を記録しているカードCを手渡す。店員は手渡されたカードCを精算装置1の取込口へ挿入する。
【0036】
精算装置1はカード取込手段108により、前記カードCを取り込み(S1)、取り込んだカードCに記録されている第1カード情報を、リーダ/ライタ111により読み込む(S2)。なお、リーダ/ライタ111により読み込まれる第1カード情報は種々の情報を含んでおり、有価価値の数値に関する第1有価価値情報、カードCを識別するカードID、カードCの使用期限を示す期限情報、カードCを遊技機にて使用した遊技店に関する第1遊技店情報、発行,追加記録が行われた遊技店に関する第2遊技店情報等を含んでいる。
【0037】
ステップ2にてリーダ/ライタ111により読み込まれた第1カード情報のうち、第1有価価値情報が示す有価価値において精算可能な有価価値の数値(金額,度数など)は、第1表示手段103及び第2表示手段104にて表示される(S3)。更に、精算装置1での精算が可能である最低数値の設定、例えば100円未満は精算対象としない設定がされている場合には、操作手段105にて100円未満の端数を表示すべき旨の指示が入力された場合(S4)であって、カードCに係る第1有価価値情報が端数を含んでいる場合は、第1表示手段103及び第2表示手段104にて端数表示を行う(S5)。
【0038】
次に精算装置1は、通信手段107を介して精算情報記憶装置2との間にて通信可能(オンライン)となっているか否かを判断し(S6)、オンライン状態であれば、期限情報に基づきカードCが使用期限を超過していないかどうかを判断する(S7)。使用期限としては、カードCの製造又は発行からの年月に精算に係る有効期限を設定し、期限情報が示す製造日又は発行日と、現精算日とを比較することにより使用期限を超過していないかどうかを判断する。また、カードCへの有価価値情報の記録回数に限度回数を設け、該限度回数を超過している場合に使用期限を超過していると判断してもよい。
【0039】
ステップ7にてカードCが使用期限を超過していないと判断した場合、第1遊技店情報に基づき、カードCを遊技にて使用した遊技店が当該自遊技店であるか否かを判断する(S8)。
【0040】
カードCを遊技にて使用した遊技店が自遊技店であると判断した場合、第2遊技店情報に基づき、カードCの発行,有価価値情報の追加記録が自遊技店にて行われたか否かを判断する(S9)。
【0041】
発行,有価価値情報の追加記録が自遊技店にて行われたと判断した場合、カードCに関する情報である第2カード情報を精算情報記憶装置2へ送信する(S10)。
【0042】
なお、期限情報に基づきカードCが使用期限を超過していると判断された場合(S7)、カードCを遊技にて使用した遊技店が自遊技店ではないと判断された場合(S8)、及び、発行,有価価値情報の追加記録が自遊技店にて行われたのではないと判断された場合(S9)は、カードCに基づく精算は行わず、精算を行うことができない旨を第1表示手段103及び第2表示手段104にて表示し(S12)、カード排出手段109によりカードCを排出する(S13)。
【0043】
ステップ10にて精算装置1から送信された第2カード情報は、精算情報記憶装置2にて受信される(S11)。精算情報記憶装置2は、受信した第2カード情報に含まれる情報のうち、カードCを識別するカードIDに基づきカードIDデータベース24に記憶されている対象者情報を参照し(S14)、カード識別プログラム22aを用いて精算に係るカードCが会員用又は一般者用の何れであるか等を識別する(S15)。
【0044】
また、精算情報記憶装置2は、カードCに何らかの不正が施されていないかを判断することができる不正判断プログラム22bを用い、第2カード情報に基づきカードCに関して不正判断を行う(S16)。該不正判断と共に、精算情報データベース25に記憶されているカードCの過去における精算情報を参照し、例えば、カードCへの入出金履歴における整合性の有無などを判断基準することによっても不正判断を行うことができる。
【0045】
ステップ16にて不正の存在が認められると判断された場合(S17)、カードCに何らかの不正が存在する旨、及び該不正が如何なる種類の不正であるかを示す不正情報を精算装置1へ送信する(S18)。
【0046】
不正情報を受信した精算装置1は(S19)、不正の証拠となるカードCをカード回収手段110によりカード回収ボックスへ回収し(S20)、第2表示手段104、又は、第1表示手段103及び第2表示手段104にて不正情報の内容を表示する(S21)。
【0047】
ステップ17にてカードCに不正の存在が認められなかった場合、該カードCが正当なカードであり、精算することが可能である旨を示す正当情報を送信する(S22)。該正当情報を受信した精算装置1は(S23)、第2表示手段104、又は、第1表示手段103及び第2表示手段104にて、カードCに関して精算が可能である旨の表示を行う(S24)。なお、前記正当情報には、カードCが会員用であるか一般者用であるかを示す対象者情報が含まれている。
【0048】
カードCに関して精算を行うことが可能であり、ユーザの希望によって、カードCに記録されている第1有価価値情報が示す有価価値の数値のうち、一部の有価価値のみを精算する旨の指示が、店員による操作手段105の操作に基づき入力された場合(S25)、店員の操作手段105の操作に基づく精算希望数値の入力を受け付ける(S26)。
【0049】
ユーザが一部精算を希望しなかった後、又は、ユーザが一部精算を希望してステップ26にて精算希望数値の入力を受け付けた後、精算装置1は、店員の操作手段105の操作に基づく精算の実行を示す精算指示を受け付ける(S27)。
【0050】
精算指示を受け付けた精算装置1は、第1有価価値情報を、精算する数値を差し引いた数値の有価価値を示す第2有価価値情報に書き換える(S28)。第2有価価値情報は、第1有価価値情報が示す数値の有価価値を全て精算する場合は残高が0であることを示し、一部精算の場合には第1有価価値情報が示す数値から精算希望数値を差し引いた数値を示す。
【0051】
ステップ28にて第1有価価値情報から第2有価価値情報へカードCの記録内容が書き換えられた場合、精算する有価価値の数値,精算日時,カードID,カードCでの有価価値の記録に関する履歴情報などを含む精算情報が精算情報記憶装置2へ送信される(S29)。精算情報を受信した精算情報記憶装置2は(S30)は、該精算情報をカードIDに関連付けて精算情報データベース25にて記憶する(S31)。
【0052】
また、ステップ29にて精算情報を送信した精算装置1は、店員の操作手段105の操作によるレシートの出力指示があるか否かを判断する(S32)。レシートの出力指示がある場合は、レシート出力手段106により紙面等に精算情報を印字して出力する(S33)。また、レシートの出力指示がない場合、又はレシートを出力した場合、書き換えた第2有価価値情報、即ち精算後のカードCの残高を、第1表示手段103及び第2表示手段104にて表示する(S34)。
【0053】
次にステップ28にて有価価値情報の書き換えをした後の第2有価価値情報が示す有価価値の数値、即ち、精算後の残高が0であるか否かを判断する(S35)。残高が0でない場合、カード排出手段109によりカードCを排出し、カードCに係る精算処理を終了する(S37)。残高が0である場合、精算情報記憶装置2から受信した正当情報に含まれる対象者情報に基づき、カードCが会員用であるか一般者用であるかを判断する(S36)。カードCが会員用である場合は該カードCを排出し(S37)、カードCが一般者用である場合は、カード回収手段110によりカードCを回収し(S38)、該カードCに係る精算処理を終了する。
【0054】
また、ステップ6にて精算装置1が精算情報記憶装置2との間にてオンラインではない、即ちオフライン状態であると判断された場合、ステップ2にて読み込んだカードCの第1カード情報内に未管理情報が含まれているか否かを判断する(S39)。即ち、カードCが、カード発行機3及び精算情報記憶装置2がオフライン状態であり、カードCの発行又はカードCへの有価価値情報の追加記録に関する情報が精算情報記憶装置2にて管理されていないものであるか否かを判断する。
【0055】
ステップ39にて未管理情報が第1カード情報内に含まれていると判断した場合、第1遊技店情報に基づき、遊技にて有価価値を使用した遊技店が自遊技店であるか否かを判断し(S40)、自遊技店にて使用されていると判断した場合は更に、第2遊技店情報に基づき、カードCの発行,有価価値情報の追加記録が自遊技店にて行われているか否かについて判断する(S41)。
【0056】
ステップ41にて自遊技店にて行われていると判断した場合、精算装置1は前述したステップ25以降の動作を行う。また、未管理情報が第1カード情報に含まれていないと判断した場合(S39)、有価価値を使用した遊技店が自遊技店ではないと判断した場合(S40)、又は、カードCの発行,有価価値情報の追加記録が自遊技店にて行われていないと判断した場合(S41)は、ステップ12,13の動作、即ち、第1表示手段103及び第2表示手段104にて精算を行うことができない旨の表示を行い(S12)、カード排出手段109によりカードCを排出する(S13)。
【0057】
本発明によれば、精算装置1及び精算情報記憶装置2が通信可能に接続されている場合にのみ、カードCに記録されている第1有価価値情報に基づく精算を可能とし、該精算に関する精算情報を精算情報記憶装置2が記憶するため、精算情報記憶装置2に記憶された精算情報に基づき不正行為の検出が可能であり、カードC及び有価価値の使用状況の把握が容易である。
【0058】
また、カードCに記録されている第1遊技店情報に基づき、有価価値を使用した遊技店が自遊技店ではないカードCを精算の対象から除外し、また、第2遊技店情報に基づき、カードCの発行,有価価値情報の追加記録が自遊技店にて行われていないカードCを精算の対象から除外し、カードCに不正な処理が施される可能性を減少させて精算における不正行為を防止することができる。
【0059】
また、精算装置1及び精算情報記憶装置2の間にて通信可能に接続されていない場合は、カードCに記録された未管理情報を受け付けた場合にのみ、精算を可能とするため、例えば、遊技店が閉店処理を行っている際、即ち精算装置1及び精算情報記憶装置2がオフライン時に誤って入店したユーザがカード発行機3にてカードCを購入した場合、当日該カードCにて遊技できないにも拘わらず精算することもできないという問題を防止することができる。
【0060】
また、カードCに記録されている第1有価価値情報が示す数値の有価価値のうち、受け付けた精算希望数値の有価価値のみを精算するため、カードCに記録されている有価価値のうち一部のみの精算を可能とすることができる。
【0061】
また、精算に係る有価価値の数値を表示するため、精算に係る有価価値の数値等を容易に確認可能とし、精算する際のユーザ及び店員の間でのトラブルを防止することができる。
【0062】
また、カードCに記録されている期限情報に基づき、精算を行うか否かを判断するため、製造、発行から長期間を経たカードC、又は使用回数が多いカードC等に摩耗が生じて誤った精算が行われることを防止することができる。
【0063】
また、カードCに記録されている対象者情報が会員用を示しており、第1又は第2有価価値情報が示す数値が0である場合は前記カードCを排出し、対象者情報が一般者用を示しており有価価値情報が示す数値が0である場合は前記カードCを回収するため、残高がなくなった一般者用のカードCに有価価値情報を記録するなどして不正処理が施されるのを防止し、精算に際して不正行為が行われることを防止することができる。
【0064】
更に、精算した有価価値の数値、精算日時、識別情報、及びカードCにおける入出金履歴のうち、少なくとも一つの情報をレシートとして出力するため、店員及びユーザによる精算の詳細確認を容易にし、カードCの記録内容をユーザが誤認すること等による精算時のトラブルを防ぐことができる。
【0065】
なお、本実施の形態では、精算装置1としてユーザが所持するカードCを店員が精算装置1の取込口へ挿入して有価価値の精算を行う場合について説明したが、精算装置1を遊技店内の任意の位置に設置した場合は、取込口へのカードCの挿入及び以降の操作手段105による操作をユーザ自身が行ってもよい。
【0066】
また、特に会員用のカードCの場合は、登録時にユーザへ暗証番号を付与し、精算装置1にて精算する際に暗証番号の入力を行うようにし、また、精算情報記憶装置2にて会員用のカードCに関するカードID及び暗証番号の組合せを示す参照テーブルを備え、精算時に入力された暗証番号に基づき正規のユーザであるか否かの判断を行うことが望ましく、より不正な精算行為の防止に効果を奏することができる。
【0067】
また、ステップ8,9においてカードCの使用,発行、カードCへの追加入金を行った遊技店が自遊技店であるか否かを判断するが、これと共に、使用,発行,追加入金を行った日が精算を行う日と同日であるか否かを判断し、同日である場合にのみ精算可能としてもよい。この場合、カードCに不正な処理が施される可能性が更に低くなり、有価価値の精算におけるセキュリティの更なる向上が図れる。
【0068】
また、遊技店がチェーン店の一つである場合、他のチェーン店にて発行,追加入金,使用が行われたカードCであっても、当該遊技店にて精算の対象とすることができるようにしてもよい。この場合において、当該遊技店での精算前に、チェーン店にて扱われたカードであることを当該遊技店が証明する情報をカードCへ記録し、該情報に基づきカードCが精算対象となり得ることを判断すればよい。また、会員用のカードCに、いわゆるプレミア(付加価値)が付与されている場合に、該付加価値を精算の対象とするか否かを選択できるようにしてもよい。
【0069】
また、ステップ36でのカードCが会員用であるか一般者用であるかの判断など、カードCに記録された情報に基づく判断は、精算情報記憶装置2にて行ってもよい。更に、本実施の形態は、本発明を実施する上での一例に過ぎず、請求項に記載した範囲内において他の実施の形態を構成することについて制限を与えるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明に係る精算管理システムの実施の形態を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る精算装置の実施の形態を示すブロック図である。
【図3】精算情報記憶装置の実施の形態を示すブロック図である。
【図4】精算管理システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】精算管理システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】精算管理システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】精算管理システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0071】
1 精算装置
2 精算情報記憶装置
3 カード発行機
25 精算情報データベース
103 第1表示手段
104 第2表示手段
109 カード排出手段
110 カード回収手段
111 リーダ/ライタ
C カード
REC 記録媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機にて遊技に用いることができ、可搬型記録媒体に記録された有価価値の精算を行う精算装置と、該精算装置との間にて通信可能に接続され、前記精算に係る精算情報を記憶する精算情報記憶装置とを用い、前記有価価値の精算を管理する精算管理システムであって、
前記可搬型記録媒体の発行に係る情報、又は、前記可搬型記録媒体への有価価値情報の記録に係る情報を記憶して管理する管理手段を備え、
前記精算装置は、
前記可搬型記録媒体を識別する識別情報、及び前記可搬型記録媒体に記録された有価価値情報を受け付ける手段と、前記管理手段により前記発行に係る情報を管理されることなく発行された可搬型記録媒体、又は、前記管理手段により前記記録に係る情報を管理されることなく有価価値情報が記録された可搬型記録媒体であることを示す、可搬型記録媒体に記録された未管理情報を受け付ける手段と、前記精算情報記憶装置との間にて通信可能に接続されていない場合であって、前記未管理情報を受け付けた場合に、有価価値の精算を行うべく受け付けた有価価値情報を書き換える手段と、前記識別情報及び精算情報を前記精算情報記憶装置へ送信する手段とを備え、
前記精算情報記憶装置は、
前記識別情報及び精算情報を受信する手段と、受信した識別情報に関連付けて前記精算情報を記憶する手段とを備える
ことを特徴とする精算管理システム。
【請求項2】
外部装置との間にて通信可能に接続する手段を備え、遊技機にて遊技に用いることができ可搬型記録媒体に記録された有価価値の精算を行う精算装置において、
前記可搬型記録媒体を識別する識別情報、及び前記可搬型記録媒体に記録された有価価値情報を受け付ける手段と、前記可搬型記録媒体の発行に係る情報を管理されることなく発行された可搬型記録媒体、又は、前記可搬型記録媒体への有価価値情報の記録に係る情報を管理されることなく有価価値情報が記録された可搬型記録媒体であることを示す、可搬型記録媒体に記録された未管理情報を受け付ける手段と、前記外部装置との間にて通信可能に接続されていない場合であって、前記未管理情報を受け付けた場合に、有価価値の精算を行うべく受け付けた有価価値情報を書き換える手段と、前記識別情報及び前記精算に係る精算情報を前記外部装置へ送信する手段とを備えることを特徴とする精算装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−61725(P2006−61725A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−334685(P2005−334685)
【出願日】平成17年11月18日(2005.11.18)
【分割の表示】特願2001−183950(P2001−183950)の分割
【原出願日】平成13年6月18日(2001.6.18)
【出願人】(593190397)日本レジャーカードシステム株式会社 (8)
【出願人】(591085972)日本ゲームカード株式会社 (144)
【Fターム(参考)】