精米設備の糠処理装置
【課題】精米設備においてパック詰めされる糠量を利用者の判断によって任意に設定できるように改良したものである。
【解決手段】操作室9には玄米ホッパ1と操作盤14を備え、この操作室9と仕切壁8で仕切られた機械室11に精米装置10を備え、精米装置10の精米処理によって発生する糠をパック詰めする糠パック装置21を備えた精米設備の糠処理装置において、糠パック装置21によってパック詰めする糠量を設定する糠パック量設定手段Sを設け、糠パック作動信号を受けて糠パック装置21を起動し設定糠量に達すると糠パック装置21を停止する。このように構成すると、利用者に好みに応じてパック詰めする糠の量を設定でき、糠パック装置21はこの量に応じたパック詰めを行う。
【解決手段】操作室9には玄米ホッパ1と操作盤14を備え、この操作室9と仕切壁8で仕切られた機械室11に精米装置10を備え、精米装置10の精米処理によって発生する糠をパック詰めする糠パック装置21を備えた精米設備の糠処理装置において、糠パック装置21によってパック詰めする糠量を設定する糠パック量設定手段Sを設け、糠パック作動信号を受けて糠パック装置21を起動し設定糠量に達すると糠パック装置21を停止する。このように構成すると、利用者に好みに応じてパック詰めする糠の量を設定でき、糠パック装置21はこの量に応じたパック詰めを行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、利用者により持ち込まれた原料玄米を精米処理する精米設備に関し、特に精米処理によって発生する糠の処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に無人の自動精米設備では料金の投入によって利用者の持ち込む玄米を精米処理する形態とするが、同時に発生する糠については、設備建屋内に設ける糠袋に集積した後適宜に廃棄処理している。また糠の持ち帰り要望に対しては、糠持ち帰り用ユニットを追加して、利用者の希望に応じて精米の際に生じた糠を、自動的に受け渡す構成としている(特許文献1)。
【0003】
すなわち、特許文献1における糠排出ユニットは、精米機から糠タンクへ繋がる途中の糠排出管を糠排出ユニットの入口部に引込み、2方向に分岐する切替器による分岐先の一方は糠排出管に戻し、他方は糠吸引ブロワの吸引側に接続する。この糠吸引ブロワから糠ホッパへ排出案内された糠をパック詰めするシールパッカー装置を設け、袋用ビニール・袋送り出し用モータ・パック用ヒーター・袋カッターで構成するシールパッカー装置の下部取出口からパック詰めした糠を取り出す構成としている。
【0004】
したがって、利用者が操作盤を操作して糠の持ち帰りを指示すると、切替器が糠排出管を糠吸引ブロワの吸引側に接続作動し、精米処理が開始すると生じた糠を糠ホッパに収納する。精米処理が終了すると、シールパッカー装置が起動し糠ホッパに収納された糠はパック詰めされて下部に落下し、落下した糠パックは取出口から取出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−252468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の構成によると、利用者の操作盤への指示によって糠の排出通路糠ホッパ側に切り替えられて糠ホッパに集積され、精米終了後ホッパの集積された糠がパック詰めされる構成であるから、パックされる糠量について配慮がなく改良の余地がある。
この発明はパック詰めされる糠量を利用者の判断によって任意に設定できるように改良したものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、操作室9には玄米ホッパ1と操作盤14を備え、この操作室9と仕切壁8で仕切られた機械室11に精米装置10を備え、精米装置10の精米処理によって発生する糠をパック詰めする糠パック装置21を備えた精米設備の糠処理装置において、糠パック装置21によってパック詰めする糠量を設定する糠パック量設定手段Sを設け、糠パック作動信号を受けて糠パック装置21を起動し設定糠量に達すると糠パック装置21を停止することを特徴とする。
【0008】
このように構成すると、利用者に好みに応じてパック詰めする糠の量を設定でき、糠パック装置21はこの量に応じたパック詰めを行う。
請求項2に記載の発明は、請求項1において、糠パック量設定手段Sは操作盤14又はその近傍に設けた液晶表示部36の増・減スイッチ37U,37Dによって液晶表示部36の糠量を変更表示することによって行わせる構成とした。
【0009】
このように構成すると、目視で設定糠量を確認しながら増・減変更できる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、精米装置10から糠移送装置19を介して糠パック装置21で回収する糠パックPの糠量を超えて発生する精米装置10の糠を糠移送装置19の移送切替によって糠袋22に回収する構成とした。したがって、糠パック量設定手段による設定糠量が少なくても精米作業を中断することなく継続できる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1において、設定糠量に達したか否かの判定を設定糠量に見合う玄米量から算出し、玄米ホッパからの玄米繰出量または精米装置10への供給量の検出によって行う構成とする。処理玄米量と発生する糠量とは比例するため予め処理玄米量を知ることで糠量を予測する。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4に記載のうちいずれか一の請求項において、糠パック装置21のパック用袋の残量を検出する手段を設け、残量が少なくなると糠パック装置21の作動を停止し、糠を別の取出口に案内切替する構成とした。糠パック装置21の作動継続が行えないときには糠の移送先を糠パック装置21から別な取出口に切替て精米運転を継続する。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によると、パック詰めする糠の量を設定でき、利用者に必要な量の糠を持ち帰りできる。
【0014】
請求項2に記載の発明によると、請求項1に記載の効果に加え、目視で設定糠量を確認しながら増・減変更できるため、精米運転中であっても容易に糠量の設定ができる。
【0015】
請求項3に記載の発明によると、請求項1及び請求項2に記載の効果に加え、設定糠量が少なくても精米作業を中断することなく継続できる。
【0016】
請求項4に記載の発明によると、請求項1に記載の効果に加え、処理玄米量を知ることで糠量を予測でき、糠量の把握が容易となる。
【0017】
請求項5に記載の発明によると、請求項1から請求項4に記載の効果に加え、糠パック装置21による糠パックの継続が行えずとも、精米作業の継続を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】コイン精米機の平面配置図。
【図2】コイン精米機の正面図。
【図3】精米処理行程を示すフロー図。
【図4】一部を省略した機械室の背面図。
【図5】(A)(B)作用を示す側面図
【図6】パック詰め作用を示す斜視図。
【図7】タイムチャート図。
【図8】制御ブロック図。
【図9】フローチャート図。
【図10】フローチャート図。
【図11】フローチャート図。
【図12】糠移送装置の参考例を示す正面図。
【図13】(A)(B)糠移送装置の更に参考例を示す正面図。
【図14】糠移送装置の更に他の参考例を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図面に基づいて、原料玄米を持ち込んで精米処理する自動精米設備は建屋7内を仕切壁8で仕切り、操作室9と、精米装置10等を設置する機械室11とに区画構成される。この自動精米設備を利用する利用者は、操作室9のドア口12から入り、精米しようとする玄米を持込んで、仕切壁8部に設ける玄米ホッパ1へ供給して精米装置10による精米を行わせる構成である。精米処理された白米は白米ホッパ13から取出される。
【0020】
なお、前記仕切壁8には、中央部に操作盤14を設け、この左右一側の玄米ホッパ1の手前側に玄米投入口2、及びこの投入口2を開閉できる投入シャッタ3を構成し、左右他側に白米ホッパ13等を配置する構成である。
【0021】
前記機械室11の仕切壁8側近傍には、左側に玄米ホッパ1を設け、右側に白米ホッパ13を設ける。この機械室11内には、玄米ホッパ1から供給搬送される玄米を受けて石抜き選別する石抜選別装置15、石抜選別された玄米を受けて精米する精米装置10を配設し、更に玄米ホッパ1から石抜選別装置15の間に第1揚穀装置16を、石抜選別装置15と精米装置10との間に第2揚穀装置17等を配置している。前記精米装置10で精米した白米を前記白米ホッパ13に取出すことができる。
【0022】
又、前記機械室11の後部にはサイクロン18を高い位置に配置し、サイクロン18の下方開口を糠移送装置19の左右中間部にのぞませる。サイクロン18の吸気口部には適宜気流にのって搬送される糠を吸い込むことができる構成としている。サイクロン18の旋回流に乗らない糠は下方の吸気口から排出され、糠移送装置19内に排出案内される。該糠移送装置19は移送筒19aと正逆転連動可能な移送螺旋19bを備え、駆動モータ20の正転連動によって移送螺旋19bは正転して移送樋19aに排出される糠を精米装置10の後方に配設した糠パック装置21に向けて移送する。また、駆動モータ20が逆転すると移送螺旋19bは逆転して移送樋19aに排出される糠を大型の糠袋22に排出案内する構成である。
【0023】
糠パック装置21について説明する。ローラ26に巻きつけられた薄いフィルムFを繰り出して筒状に成形しながら上下の縦重合部と底部を溶着手段27によってシールする。ここで袋状となって適宜に糠案内シュート28からの糠を受け入れて収容し、糠が所定重量、容量あるいは所定供給時間等の区分を検出すると、袋頂部に該当する箇所の封鎖のため当該頂部をシール(溶着)するとともにこのシール頂部のやや上側をカッタ29によって切断する構成としている(図6)。この切断された袋には前記所定区分の糠が充填され、糠パック装置21の排出部21aから糠パック装置21外に排出される構成である。糠パック装置21に起動信号が入力されると、待機状態の袋状フィルムFの上方から糠が供給され所定区分(糠重量、糠容量、または供給時間)に達すると、頂部のシール溶着→次工程底部シール溶着→所定長さの繰出→縦重合部溶着→待機の1サイクルを実行する構成としている。この途中で起動信号がOFFしても当該1サイクルの作業は連続して実行できる構成である。
【0024】
機械室11の一側壁(図例では右側)に沿って機械室11奥側ほど低く手前の操作室9側に至るにつれて漸次高くなるよう傾斜したベルトコンベア形態の糠パック搬送コンベア23を構成し、前記糠パック装置21から排出された糠パックPを搬送する構成である。該搬送コンベア22の終端は操作室9側に設けた糠収容部24にのぞみ、コンベア駆動モータ25のON、OFF切替によって搬送状態と搬送停止状態とに切り替わる構成である。
【0025】
前記操作盤14には、料金投入用のコイン投入口4や、コイン投入に代えてバーコードを読取るバーコードセンサ(図示せず)、料金返却用の返却レバー31、投入料金を表示する料金表示部32、及び、異常表示用のパイロットランプ33等を配置している。又、このコイン投入口4の下方には、精米作業コースを選択するための精白度選択スイッチ5として、上白スイッチ5Cや、標準スイッチ5D、8分づきスイッチ5E、及び無洗米スイッチ5F等を設ける。
【0026】
前記操作盤14面あるいは白米ホッパ13の近傍に、糠パック取出スイッチ35を配設している。この糠パック取出スイッチ35をON操作すると、糠パック信号が出力され、前記糠移送装置19の駆動モータ20には正転側駆動出力信号、糠パック装置21への作動出力信号、および糠パック搬送コンベア23の駆動出力信号がそれぞれ所定のタイミングで実行されるよう出力される。
【0027】
ここで、自動精米装置の糠パック装置21の作動についてフローチャート(図9)に基づき説明する。操作室9側において利用者は玄米を玄米ホッパ1から投入する。ついでコイン投入口4に所定のコインを投入するとコインメック信号出力し各部に起動信号が出力される(ステップ101)。具体的にはコイン投入後精白度設定を行うと装置各部は順次運転開始し、この各部起動によって投入玄米は所定に精米運転される。ついで糠パック取出スイッチ35がONであるかOFFであるかを入力し、該スイッチ35がONで糠パック作動信号出力有りと判定されると(ステップ102)、内蔵タイマが作動して所定時間Tn経過すると(ステップ103,104)、精米設備各部が駆動し(ステップ105)、糠パック装置21も起動する。ここで所定時間Tnの経過を待つのは糠パック装置21が前回作動において前記1サイクル途中で停止することによって直ちに糠を受け入れ難い状態であることを想定してのものである。
【0028】
精米運転の経過に連れて糠移送螺旋19bも正転連動して糠パック装置21で待機する袋状フィルムに次々に糠が供給案内される(ステップ106,107)。糠の発生量が所定量になると(ステップ108)、糠パック装置21の袋成形作動が行われる。ここで糠の発生量が所定量に達したか否かは、玄米ホッパ1部に設けられて第1揚穀装置16に向けて玄米を繰り出すロータリバルブ1aの回転数が所定回転数に達した場合、糠移送装置19によって糠パック装置21へ送られる移送螺旋19bの正転連動時間が所定に達した場合、別途構成する重量センサが所定重量を検出した場合など種々の場合が考えられる。
上記ステップ108で糠の発生量が所定量に達すると、タイマ手段は作動して糠移送螺旋19bを所定時間Tm逆転連動する(ステップ109〜112)。なおこの期間内で糠パック装置21は袋頂部シール(溶着)、カッタ切断作用を実行する(ステップ110)。
【0029】
上記の所定時間Tmが経過すると、糠パック装置21は次の糠待機状態にフィルムを繰り出して袋状に成形して糠を受ける体勢で待機する(ステップ113)。この後、搬送コンベア23が起動して排出口から繰り出された糠パックPを搬送し操作室9の糠収容部24に送り出す(ステップ114)。同時に糠移送螺旋19bは正転に切り替わり、再度糠パック装置21は糠回収状態となる(ステップ115)。なおステップ114で、搬送コンベア23は1個の糠パックPが糠収容部24に繰り出される時間分駆動される構成でよい。
【0030】
前記ステップ102で糠パック取出スイッチ35がOFFで糠パック作動信号非出力の場合には、糠移送螺旋19bは逆転状態となって糠パック装置21への糠回収は行わない(ステップ116)。
【0031】
投入コイン枚数分の精米処理が終了したか否か判定されると各部は運転停止する(ステップ118,119)。
【0032】
以上のような、糠パック取出スイッチ35を備えた精米設備において、次のような構成を付加している。即ち、糠パック量設定手段Sを備え、パックする糠量を利用者側で設定できるように構成する。糠量については、発生糠量は精米処理する玄米量に比例することに着目し、前記のように、玄米ホッパ1部に設けられて第1揚穀装置16に向けて玄米を繰り出すロータリバルブ1aの回転数や精米装置10への玄米繰出部の繰出ロール(図示せず)の回転数をカウントする方法等がある。また、糠自体の量の確認法としては、糠移送装置19によって糠パック装置21へ送られる移送螺旋19bの正転連動時間をカウントする、別途構成する重量センサで検出するなどがある。
【0033】
なお、糠パック量設定手段Sの具体例として、実施例においては操作盤14には液晶表示部36を備え、0.5kgから3.0kgに亘り0.5kg刻みで増・減変更できる一対のスイッチ37U,37Dを設けている。利用者は糠パック取出スイッチ35を押すと共に、増・減スイッチ37U,37Dをタッチ操作して希望の糠量をセットする。このように構成すると、あらかじめ糠パック取出の糠量を設定でき、所望の糠量取出しが可能となる。この場合において、糠パック取出スイッチ35を押してONの条件としても、増・減スイッチ37U,37D操作が無い場合には、あらかじめ設定した糠量Nkg(例えば3kg)で作業は行われる構成とする。なお、この場合、糠量Nkg(例えば3kg)表示を点滅させることで未設定であることを利用者に警報する構成としておくと、利用者は気づいて希望の糠量に設定変更することができる。上記のように、糠の発生量を管理するため、糠パック装置21が待機状態にあるときを基準時として、ロータリバルブ1aの回転数や糠移送装置19の移送螺旋19bの正転連動時間(あるいは回転数)を記憶する構成としておく。
【0034】
ついで図10のフローチャートについて説明する。図10は持ち込み玄米に対する課金の状況を示すもので、玄米重量に応じて運転時間が設定されており、利用者は自己の持込玄米に相当する金額(コイン)をコイン投入するものであるが、従来このコイン投入後精白度の設定スイッチ操作によって精米設備が起動する構成としているのに対し、図10に示す構成では、上記精米用コイン投入の後、糠パック用コイン投入の有無を確認し(ステップ202)、精白設定によって各部が運転する(ステップ203,204)。すなわち、精米開始に際し糠パック用のコイン投入を精米運転の必須条件としている。ついで、所定の作業が終了し、各部が停止したのち、糠収容部24から糠パックPが取り出されたか否かを判定し、糠パックPの取出しと判定すると、コイン返却口34に前記糠パック用コインに相当する課金額が返却される(ステップ210,211)。このように構成すると、糠パックPの利用者による回収を促し、自動精米設備設置者側においては糠パックP回収の手数を省き、糠パックPが堆積することによる弊害、例えば次回精米作業の中断を防止できる。
【0035】
なお、上記のステップ210において糠パックの取出を検出する具体的な手段としては、糠回収部24に堆積する糠パックPの堆積状況検出手段(カメラ検出手段)を備え、この堆積状況を監視することで糠パックPの取出しの有無を判定する手段がある。また糠パック取出スイッチ35のスイッチ操作の有無で利用者の糠パックP持ち帰りの意図があると判定する構成でもよい。
【0036】
図11は、糠パック装置21のパック袋を成形するフィルムが残り少なくなったことを検知するフィルム残量検出手段Q(パック用袋残量検出手段)を設けて、この検出手段Qが所定量以下を検出すると、警報表示すると共に、排出される糠のままで操作室9側に設けた取出口38に切替案内するものである(ステップ304〜308)。フィルム残量検出手段Qの具体例としては、ロール芯体表面のマークを光学センサで読み取る構成とし、繰り出しにより透明のフィルムの厚みが薄くなってくるとマークが現れて撮像可能のなり光学センサがこれを検出すると残量が少ないものと判定できる構成がある。フィルムの厚みを直接検出できる形態でもよい。
【0037】
このように構成すると、袋が成形されないままで糠パック装置21が継続して作動する事態を回避して、然も利用者には糠の提供を行える。
【0038】
図12〜図14に示す例は、サイクロン18下の糠移送装置19の改良に関する。糠パック装置21への案内開口部40と糠袋22への案内開口部41を備えた糠移送装置19Aはこれら案内開口部40,41間に亘る移送螺旋19bを備え、上記案内開口部40,41間であって糠パック装置21に近い側に位置させたサイクロン18からの分離糠を、移送螺旋19bの正転によって糠パック装置21側に移送し、逆転によってやや距離の長い糠袋22側に移送する構成である。糠パック装置21の作動切替時等において、糠移送装置19Aの移送螺旋19bを停止する場合があるが、このときサイクロン18の排出口が直接案内開口部40に連通すると糠がサイクロン18からの噴出作用を受けて案内開口部40から飛散する状態となる。ところが、上記のようにサイクロン18の直下の移送樋19aから距離Xの位置に糠パック装置21への案内開口部40を配置することにより、このような飛散状態を避けることができる。
【0039】
ついで図13に示す例は、糠供給のための繰出バルブ42を備えて、適宜に駆動モータによって回転駆動することで、定量の糠繰出しを行うことができる。この繰出バルブ42を回転停止することでシャッタに代替できる。図13(A)は、繰出バルブ42を正転することで繰出し状態が得られ、停止すると上記のようにシャッタに代替できる。図13(B)の構成は、繰出バルブ42Aを正逆転に切替連動する構成として、正転では糠パック装置21に供給し、逆転では糠袋22に収容できる構成としている。このようにすると排出口を単一に構成できる上、繰出バルブ42Aの停止によってシャッタ機能を備えることとなって部品点数を低減できる。
【0040】
図14における例は、糠移送装置19Bの移送樋19b及び移送螺旋19aを傾斜状態に配置している。このように構成すると糠パック中の後続する糠が糠パック装置21への排出開口部40から無闇に排出されることがない。
【符号の説明】
【0041】
1 玄米ホッパ
8 仕切壁
9 操作室
10 精米装置
11 機械室
14 操作盤
19 糠移送装置
21 糠パック装置
36 液晶表示部
37U 増スイッチ
37D 減スイッチ
S 糠パック量設定手段
Q フィルム残量検出手段(パック用袋残量検出手段)
【技術分野】
【0001】
この発明は、利用者により持ち込まれた原料玄米を精米処理する精米設備に関し、特に精米処理によって発生する糠の処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に無人の自動精米設備では料金の投入によって利用者の持ち込む玄米を精米処理する形態とするが、同時に発生する糠については、設備建屋内に設ける糠袋に集積した後適宜に廃棄処理している。また糠の持ち帰り要望に対しては、糠持ち帰り用ユニットを追加して、利用者の希望に応じて精米の際に生じた糠を、自動的に受け渡す構成としている(特許文献1)。
【0003】
すなわち、特許文献1における糠排出ユニットは、精米機から糠タンクへ繋がる途中の糠排出管を糠排出ユニットの入口部に引込み、2方向に分岐する切替器による分岐先の一方は糠排出管に戻し、他方は糠吸引ブロワの吸引側に接続する。この糠吸引ブロワから糠ホッパへ排出案内された糠をパック詰めするシールパッカー装置を設け、袋用ビニール・袋送り出し用モータ・パック用ヒーター・袋カッターで構成するシールパッカー装置の下部取出口からパック詰めした糠を取り出す構成としている。
【0004】
したがって、利用者が操作盤を操作して糠の持ち帰りを指示すると、切替器が糠排出管を糠吸引ブロワの吸引側に接続作動し、精米処理が開始すると生じた糠を糠ホッパに収納する。精米処理が終了すると、シールパッカー装置が起動し糠ホッパに収納された糠はパック詰めされて下部に落下し、落下した糠パックは取出口から取出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−252468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の構成によると、利用者の操作盤への指示によって糠の排出通路糠ホッパ側に切り替えられて糠ホッパに集積され、精米終了後ホッパの集積された糠がパック詰めされる構成であるから、パックされる糠量について配慮がなく改良の余地がある。
この発明はパック詰めされる糠量を利用者の判断によって任意に設定できるように改良したものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、操作室9には玄米ホッパ1と操作盤14を備え、この操作室9と仕切壁8で仕切られた機械室11に精米装置10を備え、精米装置10の精米処理によって発生する糠をパック詰めする糠パック装置21を備えた精米設備の糠処理装置において、糠パック装置21によってパック詰めする糠量を設定する糠パック量設定手段Sを設け、糠パック作動信号を受けて糠パック装置21を起動し設定糠量に達すると糠パック装置21を停止することを特徴とする。
【0008】
このように構成すると、利用者に好みに応じてパック詰めする糠の量を設定でき、糠パック装置21はこの量に応じたパック詰めを行う。
請求項2に記載の発明は、請求項1において、糠パック量設定手段Sは操作盤14又はその近傍に設けた液晶表示部36の増・減スイッチ37U,37Dによって液晶表示部36の糠量を変更表示することによって行わせる構成とした。
【0009】
このように構成すると、目視で設定糠量を確認しながら増・減変更できる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、精米装置10から糠移送装置19を介して糠パック装置21で回収する糠パックPの糠量を超えて発生する精米装置10の糠を糠移送装置19の移送切替によって糠袋22に回収する構成とした。したがって、糠パック量設定手段による設定糠量が少なくても精米作業を中断することなく継続できる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1において、設定糠量に達したか否かの判定を設定糠量に見合う玄米量から算出し、玄米ホッパからの玄米繰出量または精米装置10への供給量の検出によって行う構成とする。処理玄米量と発生する糠量とは比例するため予め処理玄米量を知ることで糠量を予測する。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4に記載のうちいずれか一の請求項において、糠パック装置21のパック用袋の残量を検出する手段を設け、残量が少なくなると糠パック装置21の作動を停止し、糠を別の取出口に案内切替する構成とした。糠パック装置21の作動継続が行えないときには糠の移送先を糠パック装置21から別な取出口に切替て精米運転を継続する。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によると、パック詰めする糠の量を設定でき、利用者に必要な量の糠を持ち帰りできる。
【0014】
請求項2に記載の発明によると、請求項1に記載の効果に加え、目視で設定糠量を確認しながら増・減変更できるため、精米運転中であっても容易に糠量の設定ができる。
【0015】
請求項3に記載の発明によると、請求項1及び請求項2に記載の効果に加え、設定糠量が少なくても精米作業を中断することなく継続できる。
【0016】
請求項4に記載の発明によると、請求項1に記載の効果に加え、処理玄米量を知ることで糠量を予測でき、糠量の把握が容易となる。
【0017】
請求項5に記載の発明によると、請求項1から請求項4に記載の効果に加え、糠パック装置21による糠パックの継続が行えずとも、精米作業の継続を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】コイン精米機の平面配置図。
【図2】コイン精米機の正面図。
【図3】精米処理行程を示すフロー図。
【図4】一部を省略した機械室の背面図。
【図5】(A)(B)作用を示す側面図
【図6】パック詰め作用を示す斜視図。
【図7】タイムチャート図。
【図8】制御ブロック図。
【図9】フローチャート図。
【図10】フローチャート図。
【図11】フローチャート図。
【図12】糠移送装置の参考例を示す正面図。
【図13】(A)(B)糠移送装置の更に参考例を示す正面図。
【図14】糠移送装置の更に他の参考例を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図面に基づいて、原料玄米を持ち込んで精米処理する自動精米設備は建屋7内を仕切壁8で仕切り、操作室9と、精米装置10等を設置する機械室11とに区画構成される。この自動精米設備を利用する利用者は、操作室9のドア口12から入り、精米しようとする玄米を持込んで、仕切壁8部に設ける玄米ホッパ1へ供給して精米装置10による精米を行わせる構成である。精米処理された白米は白米ホッパ13から取出される。
【0020】
なお、前記仕切壁8には、中央部に操作盤14を設け、この左右一側の玄米ホッパ1の手前側に玄米投入口2、及びこの投入口2を開閉できる投入シャッタ3を構成し、左右他側に白米ホッパ13等を配置する構成である。
【0021】
前記機械室11の仕切壁8側近傍には、左側に玄米ホッパ1を設け、右側に白米ホッパ13を設ける。この機械室11内には、玄米ホッパ1から供給搬送される玄米を受けて石抜き選別する石抜選別装置15、石抜選別された玄米を受けて精米する精米装置10を配設し、更に玄米ホッパ1から石抜選別装置15の間に第1揚穀装置16を、石抜選別装置15と精米装置10との間に第2揚穀装置17等を配置している。前記精米装置10で精米した白米を前記白米ホッパ13に取出すことができる。
【0022】
又、前記機械室11の後部にはサイクロン18を高い位置に配置し、サイクロン18の下方開口を糠移送装置19の左右中間部にのぞませる。サイクロン18の吸気口部には適宜気流にのって搬送される糠を吸い込むことができる構成としている。サイクロン18の旋回流に乗らない糠は下方の吸気口から排出され、糠移送装置19内に排出案内される。該糠移送装置19は移送筒19aと正逆転連動可能な移送螺旋19bを備え、駆動モータ20の正転連動によって移送螺旋19bは正転して移送樋19aに排出される糠を精米装置10の後方に配設した糠パック装置21に向けて移送する。また、駆動モータ20が逆転すると移送螺旋19bは逆転して移送樋19aに排出される糠を大型の糠袋22に排出案内する構成である。
【0023】
糠パック装置21について説明する。ローラ26に巻きつけられた薄いフィルムFを繰り出して筒状に成形しながら上下の縦重合部と底部を溶着手段27によってシールする。ここで袋状となって適宜に糠案内シュート28からの糠を受け入れて収容し、糠が所定重量、容量あるいは所定供給時間等の区分を検出すると、袋頂部に該当する箇所の封鎖のため当該頂部をシール(溶着)するとともにこのシール頂部のやや上側をカッタ29によって切断する構成としている(図6)。この切断された袋には前記所定区分の糠が充填され、糠パック装置21の排出部21aから糠パック装置21外に排出される構成である。糠パック装置21に起動信号が入力されると、待機状態の袋状フィルムFの上方から糠が供給され所定区分(糠重量、糠容量、または供給時間)に達すると、頂部のシール溶着→次工程底部シール溶着→所定長さの繰出→縦重合部溶着→待機の1サイクルを実行する構成としている。この途中で起動信号がOFFしても当該1サイクルの作業は連続して実行できる構成である。
【0024】
機械室11の一側壁(図例では右側)に沿って機械室11奥側ほど低く手前の操作室9側に至るにつれて漸次高くなるよう傾斜したベルトコンベア形態の糠パック搬送コンベア23を構成し、前記糠パック装置21から排出された糠パックPを搬送する構成である。該搬送コンベア22の終端は操作室9側に設けた糠収容部24にのぞみ、コンベア駆動モータ25のON、OFF切替によって搬送状態と搬送停止状態とに切り替わる構成である。
【0025】
前記操作盤14には、料金投入用のコイン投入口4や、コイン投入に代えてバーコードを読取るバーコードセンサ(図示せず)、料金返却用の返却レバー31、投入料金を表示する料金表示部32、及び、異常表示用のパイロットランプ33等を配置している。又、このコイン投入口4の下方には、精米作業コースを選択するための精白度選択スイッチ5として、上白スイッチ5Cや、標準スイッチ5D、8分づきスイッチ5E、及び無洗米スイッチ5F等を設ける。
【0026】
前記操作盤14面あるいは白米ホッパ13の近傍に、糠パック取出スイッチ35を配設している。この糠パック取出スイッチ35をON操作すると、糠パック信号が出力され、前記糠移送装置19の駆動モータ20には正転側駆動出力信号、糠パック装置21への作動出力信号、および糠パック搬送コンベア23の駆動出力信号がそれぞれ所定のタイミングで実行されるよう出力される。
【0027】
ここで、自動精米装置の糠パック装置21の作動についてフローチャート(図9)に基づき説明する。操作室9側において利用者は玄米を玄米ホッパ1から投入する。ついでコイン投入口4に所定のコインを投入するとコインメック信号出力し各部に起動信号が出力される(ステップ101)。具体的にはコイン投入後精白度設定を行うと装置各部は順次運転開始し、この各部起動によって投入玄米は所定に精米運転される。ついで糠パック取出スイッチ35がONであるかOFFであるかを入力し、該スイッチ35がONで糠パック作動信号出力有りと判定されると(ステップ102)、内蔵タイマが作動して所定時間Tn経過すると(ステップ103,104)、精米設備各部が駆動し(ステップ105)、糠パック装置21も起動する。ここで所定時間Tnの経過を待つのは糠パック装置21が前回作動において前記1サイクル途中で停止することによって直ちに糠を受け入れ難い状態であることを想定してのものである。
【0028】
精米運転の経過に連れて糠移送螺旋19bも正転連動して糠パック装置21で待機する袋状フィルムに次々に糠が供給案内される(ステップ106,107)。糠の発生量が所定量になると(ステップ108)、糠パック装置21の袋成形作動が行われる。ここで糠の発生量が所定量に達したか否かは、玄米ホッパ1部に設けられて第1揚穀装置16に向けて玄米を繰り出すロータリバルブ1aの回転数が所定回転数に達した場合、糠移送装置19によって糠パック装置21へ送られる移送螺旋19bの正転連動時間が所定に達した場合、別途構成する重量センサが所定重量を検出した場合など種々の場合が考えられる。
上記ステップ108で糠の発生量が所定量に達すると、タイマ手段は作動して糠移送螺旋19bを所定時間Tm逆転連動する(ステップ109〜112)。なおこの期間内で糠パック装置21は袋頂部シール(溶着)、カッタ切断作用を実行する(ステップ110)。
【0029】
上記の所定時間Tmが経過すると、糠パック装置21は次の糠待機状態にフィルムを繰り出して袋状に成形して糠を受ける体勢で待機する(ステップ113)。この後、搬送コンベア23が起動して排出口から繰り出された糠パックPを搬送し操作室9の糠収容部24に送り出す(ステップ114)。同時に糠移送螺旋19bは正転に切り替わり、再度糠パック装置21は糠回収状態となる(ステップ115)。なおステップ114で、搬送コンベア23は1個の糠パックPが糠収容部24に繰り出される時間分駆動される構成でよい。
【0030】
前記ステップ102で糠パック取出スイッチ35がOFFで糠パック作動信号非出力の場合には、糠移送螺旋19bは逆転状態となって糠パック装置21への糠回収は行わない(ステップ116)。
【0031】
投入コイン枚数分の精米処理が終了したか否か判定されると各部は運転停止する(ステップ118,119)。
【0032】
以上のような、糠パック取出スイッチ35を備えた精米設備において、次のような構成を付加している。即ち、糠パック量設定手段Sを備え、パックする糠量を利用者側で設定できるように構成する。糠量については、発生糠量は精米処理する玄米量に比例することに着目し、前記のように、玄米ホッパ1部に設けられて第1揚穀装置16に向けて玄米を繰り出すロータリバルブ1aの回転数や精米装置10への玄米繰出部の繰出ロール(図示せず)の回転数をカウントする方法等がある。また、糠自体の量の確認法としては、糠移送装置19によって糠パック装置21へ送られる移送螺旋19bの正転連動時間をカウントする、別途構成する重量センサで検出するなどがある。
【0033】
なお、糠パック量設定手段Sの具体例として、実施例においては操作盤14には液晶表示部36を備え、0.5kgから3.0kgに亘り0.5kg刻みで増・減変更できる一対のスイッチ37U,37Dを設けている。利用者は糠パック取出スイッチ35を押すと共に、増・減スイッチ37U,37Dをタッチ操作して希望の糠量をセットする。このように構成すると、あらかじめ糠パック取出の糠量を設定でき、所望の糠量取出しが可能となる。この場合において、糠パック取出スイッチ35を押してONの条件としても、増・減スイッチ37U,37D操作が無い場合には、あらかじめ設定した糠量Nkg(例えば3kg)で作業は行われる構成とする。なお、この場合、糠量Nkg(例えば3kg)表示を点滅させることで未設定であることを利用者に警報する構成としておくと、利用者は気づいて希望の糠量に設定変更することができる。上記のように、糠の発生量を管理するため、糠パック装置21が待機状態にあるときを基準時として、ロータリバルブ1aの回転数や糠移送装置19の移送螺旋19bの正転連動時間(あるいは回転数)を記憶する構成としておく。
【0034】
ついで図10のフローチャートについて説明する。図10は持ち込み玄米に対する課金の状況を示すもので、玄米重量に応じて運転時間が設定されており、利用者は自己の持込玄米に相当する金額(コイン)をコイン投入するものであるが、従来このコイン投入後精白度の設定スイッチ操作によって精米設備が起動する構成としているのに対し、図10に示す構成では、上記精米用コイン投入の後、糠パック用コイン投入の有無を確認し(ステップ202)、精白設定によって各部が運転する(ステップ203,204)。すなわち、精米開始に際し糠パック用のコイン投入を精米運転の必須条件としている。ついで、所定の作業が終了し、各部が停止したのち、糠収容部24から糠パックPが取り出されたか否かを判定し、糠パックPの取出しと判定すると、コイン返却口34に前記糠パック用コインに相当する課金額が返却される(ステップ210,211)。このように構成すると、糠パックPの利用者による回収を促し、自動精米設備設置者側においては糠パックP回収の手数を省き、糠パックPが堆積することによる弊害、例えば次回精米作業の中断を防止できる。
【0035】
なお、上記のステップ210において糠パックの取出を検出する具体的な手段としては、糠回収部24に堆積する糠パックPの堆積状況検出手段(カメラ検出手段)を備え、この堆積状況を監視することで糠パックPの取出しの有無を判定する手段がある。また糠パック取出スイッチ35のスイッチ操作の有無で利用者の糠パックP持ち帰りの意図があると判定する構成でもよい。
【0036】
図11は、糠パック装置21のパック袋を成形するフィルムが残り少なくなったことを検知するフィルム残量検出手段Q(パック用袋残量検出手段)を設けて、この検出手段Qが所定量以下を検出すると、警報表示すると共に、排出される糠のままで操作室9側に設けた取出口38に切替案内するものである(ステップ304〜308)。フィルム残量検出手段Qの具体例としては、ロール芯体表面のマークを光学センサで読み取る構成とし、繰り出しにより透明のフィルムの厚みが薄くなってくるとマークが現れて撮像可能のなり光学センサがこれを検出すると残量が少ないものと判定できる構成がある。フィルムの厚みを直接検出できる形態でもよい。
【0037】
このように構成すると、袋が成形されないままで糠パック装置21が継続して作動する事態を回避して、然も利用者には糠の提供を行える。
【0038】
図12〜図14に示す例は、サイクロン18下の糠移送装置19の改良に関する。糠パック装置21への案内開口部40と糠袋22への案内開口部41を備えた糠移送装置19Aはこれら案内開口部40,41間に亘る移送螺旋19bを備え、上記案内開口部40,41間であって糠パック装置21に近い側に位置させたサイクロン18からの分離糠を、移送螺旋19bの正転によって糠パック装置21側に移送し、逆転によってやや距離の長い糠袋22側に移送する構成である。糠パック装置21の作動切替時等において、糠移送装置19Aの移送螺旋19bを停止する場合があるが、このときサイクロン18の排出口が直接案内開口部40に連通すると糠がサイクロン18からの噴出作用を受けて案内開口部40から飛散する状態となる。ところが、上記のようにサイクロン18の直下の移送樋19aから距離Xの位置に糠パック装置21への案内開口部40を配置することにより、このような飛散状態を避けることができる。
【0039】
ついで図13に示す例は、糠供給のための繰出バルブ42を備えて、適宜に駆動モータによって回転駆動することで、定量の糠繰出しを行うことができる。この繰出バルブ42を回転停止することでシャッタに代替できる。図13(A)は、繰出バルブ42を正転することで繰出し状態が得られ、停止すると上記のようにシャッタに代替できる。図13(B)の構成は、繰出バルブ42Aを正逆転に切替連動する構成として、正転では糠パック装置21に供給し、逆転では糠袋22に収容できる構成としている。このようにすると排出口を単一に構成できる上、繰出バルブ42Aの停止によってシャッタ機能を備えることとなって部品点数を低減できる。
【0040】
図14における例は、糠移送装置19Bの移送樋19b及び移送螺旋19aを傾斜状態に配置している。このように構成すると糠パック中の後続する糠が糠パック装置21への排出開口部40から無闇に排出されることがない。
【符号の説明】
【0041】
1 玄米ホッパ
8 仕切壁
9 操作室
10 精米装置
11 機械室
14 操作盤
19 糠移送装置
21 糠パック装置
36 液晶表示部
37U 増スイッチ
37D 減スイッチ
S 糠パック量設定手段
Q フィルム残量検出手段(パック用袋残量検出手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作室(9)には玄米ホッパ(1)と操作盤(14)を備え、この操作室(9)と仕切壁(8)で仕切られた機械室(11)に精米装置(10)を備え、精米装置(10)の精米処理によって発生する糠をパック詰めする糠パック装置(21)を備えた精米設備の糠処理装置において、糠パック装置(21)によってパック詰めする糠量を設定する糠パック量設定手段(S)を設け、糠パック作動信号を受けて糠パック装置(21)を起動し設定糠量に達すると糠パック装置(21)を停止することを特徴とする精米設備の糠処理装置。
【請求項2】
糠パック量設定手段(S)は操作盤(14)又はその近傍に設けた液晶表示部(36)の増・減スイッチ(37U,37D)によって液晶表示部(36)の糠量を変更表示することによって行わせる構成とした請求項1に記載の精米設備の糠処理装置。
【請求項3】
精米装置(10)から糠移送装置(19)を介して糠パック装置(21)で回収する糠パック(P)の糠量を超えて発生する精米装置(10)の糠を糠移送装置(19)の移送切替によって糠袋(22)に回収する構成とした請求項1または請求項2に記載の精米設備の糠処理装置。
【請求項4】
設定糠量に達したか否かの判定を設定糠量に見合う玄米量から算出し、玄米ホッパ(1)からの玄米繰出量または精米装置(10)への供給量の検出によって行う構成とする請求項1に記載の精米設備の糠処理装置。
【請求項5】
糠パック装置(21)のパック用袋の残量を検出する手段(Q)を設け、残量が少なくなると糠パック装置(21)の作動を停止し、糠を別の取出口に案内切替する構成とした請求項1から請求項4のうちいずれか一の請求項に記載の精米設備の糠処理装置。
【請求項1】
操作室(9)には玄米ホッパ(1)と操作盤(14)を備え、この操作室(9)と仕切壁(8)で仕切られた機械室(11)に精米装置(10)を備え、精米装置(10)の精米処理によって発生する糠をパック詰めする糠パック装置(21)を備えた精米設備の糠処理装置において、糠パック装置(21)によってパック詰めする糠量を設定する糠パック量設定手段(S)を設け、糠パック作動信号を受けて糠パック装置(21)を起動し設定糠量に達すると糠パック装置(21)を停止することを特徴とする精米設備の糠処理装置。
【請求項2】
糠パック量設定手段(S)は操作盤(14)又はその近傍に設けた液晶表示部(36)の増・減スイッチ(37U,37D)によって液晶表示部(36)の糠量を変更表示することによって行わせる構成とした請求項1に記載の精米設備の糠処理装置。
【請求項3】
精米装置(10)から糠移送装置(19)を介して糠パック装置(21)で回収する糠パック(P)の糠量を超えて発生する精米装置(10)の糠を糠移送装置(19)の移送切替によって糠袋(22)に回収する構成とした請求項1または請求項2に記載の精米設備の糠処理装置。
【請求項4】
設定糠量に達したか否かの判定を設定糠量に見合う玄米量から算出し、玄米ホッパ(1)からの玄米繰出量または精米装置(10)への供給量の検出によって行う構成とする請求項1に記載の精米設備の糠処理装置。
【請求項5】
糠パック装置(21)のパック用袋の残量を検出する手段(Q)を設け、残量が少なくなると糠パック装置(21)の作動を停止し、糠を別の取出口に案内切替する構成とした請求項1から請求項4のうちいずれか一の請求項に記載の精米設備の糠処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−75256(P2013−75256A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−216333(P2011−216333)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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