説明

精製システムの微生物の定着方法

【課題】生物脱硫槽内の充填材に効率よく微生物を定着させ、水の使用量を減少させることができる精製システムの微生物の定着方法を提供する。
【解決手段】微生物が定着する充填材を充填した生物脱硫槽11と、生物脱硫槽11の上部と接続され微生物を含む処理水を散布する給水管35と、給水管35の開閉を行う給水弁36と、生物脱硫槽11の底部と接続され生物脱硫槽11内の処理水を排出する排水管37と、排水管37の開閉を行う排水弁38と、給水弁36及び排水弁38の開閉を制御する制御装置41と、を具備する、精製システム2の微生物の定着方法であって、制御装置41は、排水弁38を一定時間閉状態にして、生物脱硫槽11内の充填材の上面以上の高さまで微生物を含む処理水を貯溜して静置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、精製システムの微生物の定着方法、特に精製システムを構成する生物脱硫槽に微生物を定着させる方法の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下水汚泥、有機性廃水、厨芥類などの食品残渣及び糞尿等の廃棄されていた有機性廃棄物を、嫌気性細菌を利用してメタン発酵することでメタンガス(気体状態のメタン)を主成分とした混合気体であるバイオガスを発生させ、該バイオガスを燃料ガスとして使用するバイオガス発電装置が公知となっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
バイオガスを燃料ガスとして使用する場合、バイオガスは、多くの不純物を含んでおり、そのまま使用すると、発電装置や環境に対して悪影響を与えるので、バイオガスを精製し、不純物を除去する必要がある。不純物の一つである硫黄を取り除く(脱硫する)方法として、バイオガスに含まれる硫化水素等の不純物を微生物の働きにより除去する精製システムを用いた方法が公知となっている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−275482号公報
【特許文献2】特開2006−143781号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
精製システムは、微生物が定着する充填材が充填されている生物脱硫槽を有する。従来、微生物を含む水、例えば、処理水を生物脱硫槽の上部から充填材へ散布することにより、微生物を充填材に定着させていた。
しかし、この方法では、微生物が充填材の表面に定着するまでに時間がかかってしまい、充填材の表面全体に微生物が定着しない可能性があった。
また、微生物が定着する量が少ないと生物脱硫槽自体の脱硫能力が低下していた。そこで、微生物による脱硫能力が低下していても硫化水素を水に溶解させることによって除去するため絶え間なく処理水を充填材へ散布しなければならず、処理水を非常に多く使用していた。その結果、充填材の表面に定着した微生物が剥離し脱硫が不安定になる可能性があった。
【0006】
そこで、本発明は係る課題に鑑み、生物脱硫槽内の充填材に効率よく微生物を定着させ、水の使用量を減少させることができる精製システムの微生物の定着方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、微生物が定着する充填材を充填した生物脱硫槽と、該生物脱硫槽の上部と接続され微生物を含む水を散布する給水管と、該給水管の開閉を行う給水弁と、前記生物脱硫槽の底部と接続され生物脱硫槽内の水を排出する排水管と、該排水管の開閉を行う排水弁と、前記給水弁及び排水弁の開閉を制御する制御装置と、を具備する、精製システムの微生物の定着方法であって、前記制御装置は、排水弁を一定時間閉状態にして、生物脱硫槽内の充填材の上面以上の高さまで微生物を含む水を貯溜して静置するものである。
【0009】
請求項2においては、前記制御装置は、給水弁を間欠的に開状態にして、生物脱硫槽内の充填材に水を間欠的に供給するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0011】
請求項1においては、充填材全体を、一定時間微生物を含む水に浸すことができる。したがって、生物脱硫槽内の充填材に効率よく微生物を定着させ、脱硫時の水の使用量を減少させることができる。
【0012】
請求項2においては、充填材全体に定着した微生物に対し、微生物が活動することができる最低限の水を散布することができる。したがって、水の使用量を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係るバイオガス発電装置の全体構成図。
【図2】本発明の一実施形態に係る生物脱硫槽の構成図。
【図3】本発明の一実施形態に係る生物脱硫槽内に微生物を定着させるための給水弁及び排水弁の開閉制御を示すフローチャート図。
【図4】本発明の一実施形態に係る生物脱硫槽内に微生物を定着させながら生物脱硫をするための給水弁及び排水弁の開閉制御を示すフローチャート図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
まず、本発明の一実施形態であるバイオガスの精製システム2を含む発電システム100の全体構成について図1を用いて説明する。
【0015】
発電システム100は、精製システム2を用いて有機性廃棄物のガス化により発生したバイオガスを精製し、その精製したバイオガスを用いて発電するものである。発電システム100は、発酵槽1と、精製システム2と、ガスホルダ3と、ガスエンジン発電機4と、それぞれの装置を繋ぐガス通路5から構成される。
【0016】
発酵槽1は、有機性廃棄物のガス化によりバイオガスを発生させるものである。発酵槽1は、例えば、UASB型の反応槽である。発酵槽1には、有機性廃棄物の一種である有機性廃水が廃水供給部を介して供給されるとともに、グラニュール菌体が投入される。これにより、発酵槽1において、メタン発酵が行われ、有機性排水に含まれる有機物がメタンと炭酸ガスに分解されて、バイオガスが発生する。バイオガスは、メタンを主成分とした混合気体であり、その他の成分として硫化水素や炭酸ガス等を含む。
【0017】
精製システム2は、発酵槽1で有機性廃水のガス化により発生したバイオガス中の硫化水素を除去して、バイオガスを精製するものである。精製システム2は、バイオガスが発酵槽1から流れ出てガスエンジン発電機4に至る途中に設置される。精製システム2は、生物脱硫槽11と、空気注入装置13とを備える。
【0018】
生物脱硫槽11は、微生物を用いてバイオガスを脱硫するものである。生物脱硫槽11は、発酵槽1とガス通路5を介して接続され、バイオガスの流れ方向において発酵槽1の下流側に配置される。生物脱硫槽11は、発酵槽1で発生したバイオガス中の硫化水素がバイオガスを燃料ガスとして使用するガスエンジン発電機4を腐蝕させるため、バイオガス中の硫化水素を除去する。
【0019】
生物脱硫槽11の上下方向中間部には、図1及び図2に示すように、微生物の定着面積を拡大するために、複数の充填材31aを充填した充填層31が設けられている。充填層31には複数の充填材31aが無作為に充填されている。充填材31aは、その表面に微生物が定着できる材質で筒状に形成されており、例えばポリプロピレンで形成されている。
また、生物脱硫槽11内には生物脱硫槽11内に貯溜される処理水の水位を検出する水位センサ32が設けられている。
【0020】
空気注入装置13は、バイオガスに空気を注入するための装置である。空気注入装置13は、ファンや送風側バルブを有し、発酵槽1と生物脱硫槽11とを接続するガス通路5を流れるバイオガスに空気を注入管26を介して注入することができるように構成される。生物脱硫槽11における脱硫反応では、微生物は好気性環境で活発に活動する。そこで、バイオガスが生物脱硫槽11に流入する前に、空気を空気注入装置13よりバイオガスに注入することで、微生物の活動を活発化させるようになっている。
また、空気注入装置13は、ファンの回転速度を調節することや、送風側バルブの開度調整をすることにより、バイオガスに注入する空気注入量を調節することができるように構成される。なお、空気注入装置13は、本実施形態においてはファンを有する構成としたが、これに限定するものではない。例えば、空気注入装置13は、ポンプやコンプレッサを有する構成とすることも可能である。
【0021】
ガスホルダ3は、精製システム2で精製後のバイオガスを一時貯溜して、精製後のバイオガスをガスエンジン発電機4へ供給するときのバイオガス供給量を調節するための装置である。ガスホルダ3は、生物脱硫槽11とガス通路5を介して接続され、バイオガスの流れ方向において生物脱硫槽11の下流側に配置される。
【0022】
ガスエンジン発電機4は、燃料ガスとして精製システム2で精製後のバイオガスを用いて発電するものである。ガスエンジン発電機4は、ガスエンジン及び発電機を有する。ガスエンジン発電機4においては、ガスエンジンと発電機とが連結され、このガスエンジンの出力軸の回転により発電機の磁石またはコイルが回転することによって、発電が行われる。ガスエンジン発電機4は、ガスホルダ3よりも下流に設けられている。
【0023】
また、発酵槽1、精製システム2、ガスホルダ3及びガスエンジン発電機4は、バイオガス及び空気を流通させるガス通路5によって、前述の順序で接続されている。
ガス通路5は、第一ガス管21と、第二ガス管22と、第三ガス管23とで構成されている。第一ガス管21は、発酵槽1と精製システム2の生物脱硫槽11とを接続し、バイオガスを発酵槽1から生物脱硫槽11へ向かって流通させるとともに、このバイオガスに空気注入装置13により注入された空気を流通させる。第二ガス管22は、精製システム2の生物脱硫槽11とガスホルダ3とを接続し、脱硫後のバイオガス及び空気を生物脱硫槽11からガスホルダ3へ向かって流通させる。第三ガス管23は、ガスホルダ3とガスエンジン発電機4とを接続し、精製システム2で精製後のバイオガス及び空気をガスホルダ3からガスエンジン発電機4へ向かって流通させる。
第一ガス管21の途中には、空気を空気注入装置13から注入させるための注入管26が接続されている。
また、第二ガス管22にはガス弁33が設けられており、ガス弁33を開閉することにより、第二ガス管22から下流へのバイオガス及び空気の流入又は停止を切り換えることができる。
【0024】
ガス弁33は、制御装置41に接続されており、制御装置41はガス弁の開閉を制御することが可能となっている。ガス弁33は、通常運転時には開状態となっている。また、制御装置41は、バイオガスが生物脱硫槽11に流入していない状態で生物脱硫槽11内に微生物を定着させるための開閉制御を行う場合には、ガス弁33を閉状態とする。また、発電システム100全体の稼動を停止する際にはガス弁33を閉状態とする。
【0025】
また、精製システム2は、生物脱硫槽11の上部と接続され微生物を含む水を散布する給水管35と、給水管35の開閉を行う給水弁36と、生物脱硫槽11の底部と接続され生物脱硫槽11内の水を排出する排水管37と、排水管37の開閉を行う排水弁38と、前記給水弁36及び排水弁38の開閉を制御する制御装置41と、を具備する。
【0026】
給水管35は、処理水の流れ方向において上流端が発酵槽1に接続されている。給水管35の上流端は、発酵槽1の上部に接続されている。発酵槽1には、有機性廃棄物の一種である有機性廃水が廃水供給部を介して供給されており、発酵槽1において、メタン発酵が行われた後の処理水が、給水管35に流入する。ここで、処理水とは、メタン発酵が行われた後の有機性廃水を主成分とし、硫黄酸化細菌などの微生物が含まれる水である。
給水管35の下流端は、生物脱硫槽11の上部から生物脱硫槽11内部に貫入されている。給水管35の下流端は複数の吐出口が設けられており、処理水は、複数の吐出口からシャワー状に吐出される。
【0027】
給水管35の中途部には、給水弁36が設けられている。給水弁36は、電磁弁であり。電磁弁を電気的に制御して開閉することにより給水管35の開閉を行うことができる。
【0028】
排水管37は、上流端が、生物脱硫槽11の底部に接続されている。生物脱硫槽11の上部に接続した給水管35から生物脱硫槽11内へ散布された処理水は、生物脱硫槽11底部に落下し、排水管37から図示せぬ水封槽を経由して処理水貯留槽に排出される。
排水管37の中途部には排水弁38が設けられている。排水弁38は、電磁弁であり、電磁弁を電気的に制御して開閉することにより排水管37の開閉を行うことができる。
【0029】
制御装置41は、水位センサ32と、ガス弁33と、給水弁36と、排水弁38と接続している。制御装置41は、RAMやROM等で構成された記憶部とCPU等で構成された演算部とから構成されている。制御装置41は、給水弁36及び排水弁38の開閉を制御することにより、生物脱硫槽11内に微生物を定着させる。
【0030】
次に、生物脱硫槽11内に微生物を定着させるための給水弁36及び排水弁38の開閉制御について図3に示すフローチャートを用いて説明する。
【0031】
まず、ガス弁33を閉状態とすることにより、バイオガスが生物脱硫槽11に流入していない状態とする(ステップS10)。
生物脱硫槽11内に微生物を定着させるための開閉制御を開始すると、まず、給水弁36は開状態にし、排水弁38は閉状態にする(ステップS20)。この状態においては、給水弁36から生物脱硫槽11へ処理水が流入し、生物脱硫槽11内の処理水が排水弁38から排出されることなく、生物脱硫槽11内に貯溜されることとなる。
【0032】
次に、水位センサ32により検出された水位hが、充填層31の予め定められている上面の高さHよりも高いか否かについて判断する(ステップS30)。充填層31の上面の高さ以下である場合には所定時間経過したか否かを判断する(ステップS31)。所定時間経過していなかった場合には再びステップS31をループ処理し、所定時間経過していた場合は再びステップS30の処理を行う。充填層31の上面の高さよりも高い場合には、給水弁36を閉状態にし、排水弁38は閉状態を維持する(ステップS40)。この状態においては、生物脱硫槽11内に処理水が貯溜されたまま維持されることとなる。また、処理水の水位が、充填層31の上面の高さよりも高いため、充填層31が処理水と絶えず接触していることとなり、微生物の充填層31での定着が促進される。
【0033】
次に、一定時間T1が経過したか否かを判断する(ステップS50)。ここで一定時間T1とは、微生物の充填層31での定着が行われるのに充分な時間であり、例えば、本実施形態では24時間である。
一定時間T1が経過していない場合には所定時間経過したか否かを判断する(ステップS51)。所定時間経過していなかった場合には再びステップS51をループ処理し、所定時間経過していた場合は再びステップS50の処理を行う。一定時間T1が経過した場合には、給水弁36は閉状態を維持し、排水弁38を開状態にする(ステップS60)。この状態においては、一定時間T1が経過したことにより、微生物の充填層31での定着が充分行われたものと判断し、処理水を排出する。
【0034】
次に、生物脱硫槽11内に微生物を定着させながら生物脱硫するための給水弁36及び排水弁38の開閉制御について図4に示すフローチャートを用いて説明する。
この制御は、前述の生物脱硫槽11内に微生物を定着させるための給水弁36及び排水弁38の開閉制御を行った後に行う制御である。すなわち、前述の制御により、微生物の充填層31での定着が充分行われた状態において、使用する処理水の量を少なくしつつ、生物脱硫槽11内に微生物を定着させながら生物脱硫するための制御である。
【0035】
まず、ガス弁33を開状態にすることにより、バイオガスが生物脱硫槽11に流入している状態とする(ステップS110)。
次に、給水弁36を開状態とし、排水弁38を開状態とする(ステップS120)。この状態においては、給水弁36から生物脱硫槽11に処理水が流入するため微生物に水分が与えられ、微生物が乾燥するのを防止することができる。また、微生物が硫化水素を分解した結果として生成される硫酸を洗い流し、排水弁38から処理水とともに排出することができる。
【0036】
次に、一定時間T2が経過したか否かを判断する(ステップS130)。ここで一定時間T2とは、微生物が生育するために最低限必要な水量を供給できる時間である。
一定時間T2が経過していない場合には所定時間経過したか否かを判断する(ステップS131)。所定時間経過していなかった場合には再びステップS131をループ処理し、所定時間経過していた場合は再びステップS130の処理を行う。この状態においては、給水弁36が開状態で維持され、排水弁38が開状態で維持されるので、引き続き給水弁36から生物脱硫槽11に処理水が流入するため微生物に水分が与えられ、微生物が乾燥するのを防止することができる。また、微生物が硫化水素を分解した結果として生成される硫酸を洗い流し、排水弁38から処理水とともに排出することができる。
【0037】
ステップS130において、一定時間T2が経過していると判断された場合は次に給水弁36を閉状態とし、排水弁38を開状態とする(ステップS140)。この状態においては、処理水が生物脱硫槽11内に流入しない。微生物は、バイオガスに含まれる硫化水素を分解し硫酸にする。処理水を流入させないことにより、無駄な処理水の流入を防止することができる。
【0038】
次に、一定時間T3が経過したか否かを判断する(ステップS150)。ここで、一定時間T3とは、処理水を散布しなくても微生物が乾燥しない時間であり、本実施形態においては6時間である。
一定時間T3が経過していない場合には所定時間経過したか否かを判断する(ステップS151)。所定時間経過していなかった場合には再びステップS151をループ処理し、所定時間経過していた場合は再びステップS150を処理する。この状態においては、給水弁36が閉状態で維持され、排水弁38が開状態で維持されるので、引き続き処理水が生物脱硫槽11内に流入しない。微生物は、バイオガスに含まれる硫化水素を分解し硫酸にする。処理水を流入させないことにより、無駄な処理水の流入を防止することができる。
【0039】
次に、一定時間T3が経過後において、ガス弁33が開状態であるか否かを判断する(ステップS160)。ガス弁33が開状態であれば生物脱硫が引き続き行われていると判断し、再びステップS120を行う。ガス弁33が閉状態であるときは、生物脱硫が終了したものと判断し制御を終了する。
【0040】
以上のように、微生物が定着する充填材31aを充填した生物脱硫槽11と、生物脱硫槽11の上部と接続され微生物を含む処理水を散布する給水管35と、給水管35の開閉を行う給水弁36と、生物脱硫槽11の底部と接続され生物脱硫槽11内の処理水を排出する排水管37と、排水管37の開閉を行う排水弁38と、給水弁36及び排水弁38の開閉を制御する制御装置41と、を具備する、精製システム2の微生物の定着方法であって、制御装置41は、排水弁38を一定時間閉状態にして、生物脱硫槽11内の充填材31aの上面以上の高さまで微生物を含む処理水を貯溜して静置するものである。
【0041】
このように構成することにより、充填層31全体を、一定時間処理水に浸すことができる。したがって、生物脱硫槽11内の充填材31aに効率よく微生物を定着させ、脱硫時の水の使用量を減少させることができる。
【0042】
また、制御装置41は、給水弁36を間欠的に開状態にして、生物脱硫槽11内の充填材31aに処理水を間欠的に供給するものである。
このように構成することにより、充填材31a全体に定着した微生物に対し、微生物が活動することができる最低限の処理水を散布することができる。したがって、処理水の使用量を減少させることができる。
【符号の説明】
【0043】
1 発酵槽
2 精製システム
3 ガスホルダ
4 ガスエンジン発電機
5 ガス通路
11 生物脱硫槽
13 空気注入空気注入装置
31 充填層
31a 充填材
32 水位センサ
33 ガス弁
35 給水管
36 給水弁
37 排水管
38 排水弁
41 制御装置
100 バイオガス発電装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
微生物が定着する充填材を充填した生物脱硫槽と、該生物脱硫槽の上部と接続され微生物を含む水を散布する給水管と、該給水管の開閉を行う給水弁と、前記生物脱硫槽の底部と接続され生物脱硫槽内の水を排出する排水管と、該排水管の開閉を行う排水弁と、前記給水弁及び排水弁の開閉を制御する制御装置と、を具備する、精製システムの微生物の定着方法であって、
前記制御装置は、排水弁を一定時間閉状態にして、生物脱硫槽内の充填材の上面以上の高さまで微生物を含む水を貯溜して静置する、
精製システムの微生物の定着方法。
【請求項2】
前記制御装置は、給水弁を間欠的に開状態にして、生物脱硫槽内の充填材に水を間欠的に供給する
請求項1に記載の精製システムの微生物の定着方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−182752(P2011−182752A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−53841(P2010−53841)
【出願日】平成22年3月10日(2010.3.10)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】