説明

精製済み間葉系幹細胞組成物および間葉系幹細胞組成物を精製する方法

一つまたはそれを超える精製済み間葉系幹細胞医薬組成物および遠心濾過を利用した製造方法を開示する。残留する動物生成物を含む間葉系幹細胞医薬組成物の静脈内投与についての限界値も開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2008年8月14日出願の米国予備特許出願第61/088,898号の優先権を主張し、それらの内容は、本明細書中に援用される。
【0002】
米国連邦政府後援研究または開発
[不適用]
[マイクロフィッシュ/著作権引例]
[不適用]
【0003】
本発明は、精製済み間葉系幹細胞組成物および間葉系幹細胞組成物を精製する方法に関する。
【背景技術】
【0004】
[0001]間葉系幹細胞(単数または複数の「MSC」)は、骨髄、血液、真皮、骨膜および他の体組織において見出されうるし、そしていろいろな in vivo または in vitro の因子および影響に依存して、脂肪組織、疎性結合組織、骨組織、軟骨組織、弾性組織、骨髄支質組織、筋組織、線維性結合組織および心臓組織を含めたいろいろな細胞タイプへと分化することができる。このような細胞は、例えば、米国特許第5,197,985号;第5,226,914号;第5,486,359号;第5,837,539号および第6,087,113号に開示されているが、それらは、各々独立して、そのまま援用される。
【0005】
[0002]MSCは、組織環境に基づいて、筋肉、骨、軟骨、骨髄支質、腱および脂肪などの系統へ分枝し(engraft)且つ選択的に分化することが分かった。それらの細胞由来および表現型ゆえに、これら細胞は、有害な免疫応答を引き起こすことがなく、無関係なヒトドナーに由来する製品の開発を可能にする。
【0006】
[0003]概して、MSCは、それらが得られる組織から単離され、精製後、適当な培地中で増える。その培地は、血清タンパク質(例えば、ウシ血清アルブミンなどの血清アルブミン)を含む血清;増殖因子;およびサイトカインのような、MSCの増量を支持するいろいろな成分を含有する。単離、精製および培養物増量後、それらMSCに、一連の洗浄を、そして場合により、遠心分離を行う。次に、MSCは、適当な低温保存用基剤、例えば、ジメチルスルホキシド(「DMSO」)を含む低温保存用基剤中で凍結且つ貯蔵することができる。その後、MSCを、患者への投与直前に融解させる。
【0007】
[0004]MSCの増量のための製造工程は、非自己血清の存在下における細胞培養と、非自己トリプシンによる細胞収集を必要とする;いくつかの方法において、非自己血清は、ウシ胎仔血清(「FBS」)であり、そして非自己トリプシンは、ブタトリプシンである。動物試薬を用いたヒトMSC(「hMSC」)の ex vivo 増量は、最終製品中に残留する非ヒト由来の巨大分子(例えば、ブタおよびウシ由来の巨大分子)の存在をもたらす。非ヒト生成物を含む基剤中でhMSCを増量後、ヒト生成物を含む基剤中で増量したhMSCに相対して、増加量の異種物質が認められることがありうる。
【0008】
[0005]ウシ血清アルブミン(「BSA」)は、FBSの有意の成分である。BSAもブタトリプシンも、既知のアレルゲンである。そのようなものとして、それらは、ウシおよびブタ巨大分子に感受性の患者において有害反応の引き金を引くことがありうるし、しかも多重暴露時に非アレルギー性患者を感作させて、アレルギー性反応をもたらすことがありうる(例えば、Colten HR et al., N Engl J Med, 1975, 292:1050; Moneret-Vautrin A. et al., Allergy, 1991, 46:228; Orta M et al., Ann Allergy Asthma Immunol 2003, 90:446; de Benito V. et al., Allergologia et Immunopathologia, 2001, 29:272 を参照されたい)。培養で増量したMSC中に存在する増加量のFBSも、患者に、望ましくない免疫応答、肺塞栓症、血管収縮、心臓性ショックまたは死亡などの望ましくない副作用を引き起こすかもしれない。残留するBSAまたはブタトリプシンの存在は、免疫原性を増加させ且つレシピエントからのMSCのクリアランスまたは排泄を促進するかもしれない。培養で増量したMSCを含む医薬組成物中に存在する増加量のFBSは、このようなMSCに基づく療法を受けている患者へ、ウイルス、プリオン病および異種タンパク質を伝播するリスクを増加させることがありうる。培養で増量したhMSCを含む医薬組成物中に存在する増加量のFBS、具体的には、BSAは、これら異種物質に対する免疫応答を開始するかもしれない。例えば、患者に投与されたMSC標品が、BSAまたは他の異種タンパク質を含有する場合、このような異種タンパク質は、望ましくない免疫応答の引き金を引くかもしれない。異種タンパク質は、細胞性または体液性免疫応答(例えば、抗ウシ血清タンパク質抗体の発生)を引き起こすかもしれないし、それは、特に、このような異種タンパク質が、MSC細胞表面膜と結合した状態になるならば、あまり有効でないMSC分枝を生じるかもしれない。そのようなものとして、新しいアプローチは、培養で増量したMSCを含む医薬組成物中に存在するFBS、具体的には、BSAを含めた異種物質の量を減少させる必要がある。新しいアプローチは、培養で増量したMSC中に存在する糖類、タンパク質および他の巨大分子を含めた異種物質の量を減少させる必要があり、それが、得られたMSC組成物の安全プロフィールを増加させうると考えられる。
【0009】
[0006]自己ヒト血清などの代替血清を含む基剤が考えられてきたが、しかしながら、自己血清の使用は、最終MSC製品中に必要な細胞の量が、一定量の自己血清中で増殖させることができる量を超える場合は不可能である。更に、自己ヒト血清の使用は、その患者が、MSC療法の開始に先んじて血清を供与するのに十分な時間を有し且つ十分に健康であろうということを前提とする。現在慣用的なMSC培養法は、典型的に、薬学的処置を構成する適当数の細胞を単離し、増量し、収集し、そして精製するのに2〜10週間を必要とする。いくつかの場合、薬学的処置は、1用量から成る。他の場合、薬学的処置は、2またはそれを超える用量から成る。残念ながら、いくつかの場合、MSC療法は、臨床症状の診断または症候から約2週間未満、または臨床症状の診断または症候から約1週間未満、または臨床症状の診断または症候から約48時間未満に要求される。MSC療法が、臨床症状の診断または症候から短時間の内に要求される場合、既に製造され、精製され、そして低温保存されていたhMSCは、急性疾患の診断または症候時に利用可能であるという有意の利点を示す。
【0010】
[0007]更に、自己ヒト血清を含めたヒト血清は、疾患、例えば、ウイルス性疾患を、MSC医薬組成物のレシピエントへ伝播するリスクの統計的に有意の増加を示す。
[0008]Spees et al. は、ウシ胎仔血清(「FCS」)および自己ヒト血清中での連続継代を含む基剤の組合せに言及している。(Spees et al., Mol Therapy, 2004, 9: 747)。基剤の連続組合せによって生産された最終組成物は、50回洗浄サイクル後の標識されたFCSのSDS−Page 電気泳動によって、試料あたりの残留FCSに15倍を超える範囲を生じた。自己ヒト血清と、より再現性のある最終組成物を与えることがない十分な洗浄とを必要とするプロトコルは、理論的には興味深いが、ヒトへの投与に適する医薬組成物を製造するのに必要な品質または一貫性(consistency)を与えない。
【0011】
[0009]アレルギー性患者の中での臨床的反応性についてのリスク用量および限界値は、多数の抗原について決定された。(Moneret-Vautrin A. & Kanny G., Curr Opin Allergy Clin Immunol, 2004, 4:215; Bindslev-Jensen C et al., Allergy, 2002, 57:741)。これら限界値は、抗原の経口投与については決定されているが、アレルゲンへの静脈内(「IV」)暴露についての限界値は未知である。(Wensing M. et al., J Allergy Clin Immunol, 2002, 110:915; Taylor SL et al., Clin Exp Allergy, 2004, 34:689)。MSCを含む組成物のIV投与に関する治療的判断は、限界データの不存在と、細胞性および動物に由来する生成物が重篤な有害反応(例えば、アナフィラキシーおよび血清病様疾患)を引き起こすかもしれないということを示している参考文献の報告によって複雑になる。(Moneret-Vautrin A et al., Allergy, 1991, 46:228; Orta M et al., Ann Allergy Asthma Immunol 2003, 90:446; de Benito V. et al., Allergologia et Immunopathologia, 2001, 29:272)。
【0012】
[00010]一例として、アレルギー性患者の中での臨床的反応性についてのリスク用量および限界値は、多数の抗原について決定されているが、その大部分は、食物アレルゲン範疇に関する(Moneret-Vautrin A. & Kanny G., Curr Opin Allergy Clin Immunol, 2004, 4:21)。これら限界値は、抗原の経口投与について決定されたので、それらは、IV投与についての限界値とは異なると考えられる。再度、アレルゲンへのIV暴露についての限界値は、依然として未知である。(Taylor SL et al., Clin Exp Allergy, 2004, 34:689)。限界データの不存在と、細胞性および動物に由来する生成物が重篤な有害反応(例えば、アナフィラキシーおよび血清病様疾患)を引き起こすかもしれないということを示している参考文献の報告は、ウシまたはブタ生成物の存在下で製造された治療薬の使用を除外する。(Orta M. et al., Ann Allergy Asthma Immunol 2003, 90:446)。
【0013】
[00011]Perotti et al は、臍帯血から低温保存用DMSOを除去するのに有用な技法としての遠心濾過に言及している。(Perotti CG et al., Transfusion, 2004, 44(6):900-906)。Calmels et al. は、造血幹細胞移植片からDMSOを除去するのに有用な技法としての遠心濾過に言及している。(Calmels B et al., Bone Marrow Transplant., 2003, 31(9):823-828)。Hampson et al. は、培養された骨髄単核細胞を洗浄する方法に言及している。(US2008/0175825号)。細胞培養物上澄みからの洗浄後残留BSAレベルは、約3μg/ml未満であると報告された。骨髄単核細胞を洗浄する Cytomate 計測器を用いて、Hampson et al. は、約70%の洗浄後細胞生存能力を得た。Hampson et al. は、細胞生存能力のこの有意の降下が、その方法の際に加えられた機械力によって引き起こされた細胞損傷のためであったかもしれないということを示した。
【0014】
[00012]細胞を十分に洗浄することを必要とするプロトコルは、ヒトへの投与に適する医薬組成物を製造するのに必要な品質または一貫性を与えない。更に、細胞の生存能力およびこのような細胞を含む医薬組成物の効力への十分な洗浄プロトコルの作用は、未知である。
【0015】
[00013]更に、多くの公表された精製プロトコルは、MSC含有中間体生成物の移送を包含する少なくとも一つの工程を含み、その場合、生成物は、外部環境に暴露される(すなわち、密閉システムではない)。密閉システムは、そのシステムに出入りする物質の量および品質、更には、これら物質が入るまたは出る方法を注意深く制御するので、MSC医薬組成物の製造のための密閉製造システムの開発は、当該技術分野における有意の実績であると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】米国特許第5,197,985号
【特許文献2】米国特許第5,226,914号
【特許文献3】米国特許第5,486,359号
【特許文献4】米国特許第5,837,539号
【特許文献5】米国特許第6,087,113号
【特許文献6】US2008/0175825号
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】Colten HR et al., N Engl J Med, 1975, 292:1050
【非特許文献2】Moneret-Vautrin A. et al., Allergy, 1991, 46:228
【非特許文献3】Orta M et al., Ann Allergy Asthma Immunol 2003, 90:446
【非特許文献4】de Benito V. et al., Allergologia et Immunopathologia, 2001, 29:272
【非特許文献5】Spees et al., Mol Therapy, 2004, 9: 747
【非特許文献6】Moneret-Vautrin A. & Kanny G., Curr Opin Allergy Clin Immunol, 2004, 4:215
【非特許文献7】Bindslev-Jensen C et al., Allergy, 2002, 57:741
【非特許文献8】Wensing M. et al., J Allergy Clin Immunol, 2002, 110:915
【非特許文献9】Taylor SL et al., Clin Exp Allergy, 2004, 34:689
【非特許文献10】Moneret-Vautrin A. & Kanny G., Curr Opin Allergy Clin Immunol, 2004, 4:21
【非特許文献11】Perotti CG et al., Transfusion, 2004, 44(6):900-906
【非特許文献12】Calmels B et al., Bone Marrow Transplant., 2003, 31(9):823-828
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
[00014]これら挑戦を考慮して、(1)製品中の残留成分について、患者のアレルギー性反応のリスクを最小限にするであろう限界用量を決定すること;(2)アレルゲンを含めた残留成分の量を限界レベル未満に減少させ、同時に、細胞損傷を最小限にし且つ細胞生存能力を維持するために、hMSC組成物を精製する方法を与えること;そして(3)アレルゲンを含めた限界量未満の残留成分、限られた細胞損傷および高比率の生存可能細胞を含むhMSC組成物を与えることが必要である。
【0019】
[00015]要約すると、医薬MSC組成物を製造する方法に関する当該技術分野の状態は、一つのかなり長い間切実な要求、すなわち、非ヒト血清中で培養されたMSC組成物の免疫原性を減少させることを含む。更に、本明細書中に記載の且つ請求の範囲に記載の本技術は、驚くべきことに、慣用的な技術分野において、以前には有意の欠点として認識されていなかった挑戦、すなわち、MSC集合度を減少させることを確かめた。
【課題を解決するための手段】
【0020】
[00016]本技術のいくつかの態様は、遠心分離によって精製されたMSC組成物に相対して減少した免疫原性を有するMSCを含む医薬組成物を開示する。
[00017]本技術のいくつかの態様は、医薬組成物中に存在するいずれかのMSC集合体について減少したD90を示すMSCを含む医薬組成物を開示する。
【0021】
[00018]本技術のいくつかの態様は、個々のMSCについて互いに低下した接着を示すMSCを含む医薬組成物を開示する。
[00019]本技術のいくつかの態様は、MSCを含む医薬組成物であって、ここにおいて、MSCが、培養で増量後の遠心濾過によって精製されている医薬組成物を開示する。
【0022】
[00020]本技術のいくつかの態様は、同時に、(i)MSC組成物の免疫原性を減少させ;そして(ii)個々のMSCの接着性を低下させることによってMSC集合体の平均サイズを減少させる遠心濾過によって精製されたMSCを含む医薬組成物を開示する。
【0023】
[00021]本技術のいくつかの態様は、減少した免疫原性および減少した集合傾向を有する精製済みMSCを含む医薬組成物を開示する。本技術の他の態様は、遠心濾過によって精製されたMSCを含む医薬組成物を開示する。その方法は、同時に、(i)MSC組成物の免疫原性を減少させ;そして(ii)MSC集合体の平均サイズを減少させる。
【0024】
[00022]本技術のいくつかの態様は、MSCおよびDMSOを含む医薬組成物を開示する。
[00023]更に、本技術のいくつかの態様は、例えば、BSAを含む培地中で増量後に存在するタンパク質などの異種物質の量を減少させるように精製されたMSCを含む医薬組成物を開示する。このような医薬組成物は、例えば、このような組成物の免疫原性の減少によって、優れた安全プロフィールを示す。
【0025】
[00024]本技術の他の態様は、細胞表面膜分子、細胞外核酸(DNA/RNA)および他の細胞破片を含めた物質の量を減少させるように精製されたMSCを含む医薬組成物を開示する。このような医薬組成物は、例えば、個々のMSCの接着性を減少させることにより、MSC集合体の平均サイズを低下させることによって、優れた安全プロフィールを示すことができる。接着性のこのような減少は、MSC集合体の平均サイズの低下を達成することができる。
【0026】
[00025]更に、本技術のいくつかの態様は、比較しうる量の未精製の培養で増量したMSCに相対して、減少した量の残留FBS成分、具体的には、BSAを有する培養で増量したhMSCを含む組成物に関する。いくつかのこれら態様において、精製後の培養で増量したMSCを含む組成物中のBSAの量は、比較しうる量の未精製の培養で増量したMSC中に存在する量よりも約10〜1,000倍少ない。
【0027】
[00026]本技術のまた更に別の態様は、精製済みヒト間葉系幹細胞およびヒト間葉系幹細胞を精製する方法に関する。より具体的には、特定の態様は、hMSCを包含する医薬組成物であって、このような組成物中の細胞外分子、細胞表面分子および膜貫通分子の量が、比較しうる量の未精製の培養で増量したhMSCに相対して、1対数(本明細書中で用いられる「対数」という用語は、底10対数を意味する)減少している医薬組成物に関する。他の態様は、約10μg/mL未満の残留BSAを含む一つまたはそれを超える医薬組成物に関する。この本技術のいくつかの態様は、約18μm〜約25μmのD90を示すMSCを含む医薬組成物に関する。
【0028】
[00027]追加の態様において、本技術は、培養で増量したhMSCを含む医薬組成物を製造する方法であって、このような組成物中の細胞外分子、細胞表面分子および膜貫通分子の量が、比較しうる量の未精製の培養で増量したhMSCに相対して、1対数減少している方法に関する。他の態様は、約10μg/mL未満の残留BSAを含む培養で増量したhMSCを含む医薬組成物を製造する方法に関する。更に別の態様は、約18μm〜約25μmのD90を示すhMSCを含む培養で増量したhMSCを含む医薬組成物を製造する方法に関する。本技術のいくつかの態様は、医薬MSC組成物であって、約10μg/mL未満の残留BSAを含み、そしてMSCが、約18μm〜約25μmのD90を示す組成物に関する。
【0029】
[00028]本技術の更に別の態様は、比較しうる量の未精製の培養で増量したMSCに相対して、減少した量の糖類、タンパク質および他の巨大分子を含めた異種物質を有する培養で増量したhMSCを含む組成物に関する。いくつかの態様において、精製後の培養で増量したMSCを含む組成物中の異種物質の量は、比較しうる量の未精製の培養で増量したMSC中に存在する量より約1対数少ない。
【0030】
[00029]更に追加の態様において、本技術は、患者、具体的には、このような製品をIV経路で与えられている患者のアレルギー性反応のリスクを最小限にするであろう一定限界量のhMSC製品中の残留成分の決定に関する。
【0031】
[00030]更に、いくつかの態様において、本技術は、hMSCを精製する方法であって、hMSC標品を洗浄溶液と接触させ、その標品を撹拌し、そして精製済みhMSCを回収することによってhMSC標品を精製する方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】[00031]図1は、本技術の態様にしたがって間葉系幹細胞を洗浄し且つ精製するのに用いることができる代表的な装置である。
【図2】[00032]図2は、未精製MSC組成物の写真(10x倍率)である。
【図3】[00033]図3は、遠心分離によって精製されたMSC組成物の写真(10x倍率)である。
【図4】[00034]図4は、遠心濾過によって精製されたMSC組成物の写真(10x倍率)である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
[00035]本技術のいくつかの態様は、減少した量の異種物質を有する医薬MSC組成物を提供するという以前に認識された挑戦を解決する。本技術のいくつかの態様は、更に、減少した集合傾向を有する医薬MSC組成物を提供するというこれまで認識されていない挑戦を確かめ且つ解決する。個々に且つ集合的に、これら二つの解決は、増強された治療的効力および優れた安全プロフィールを示す医薬MSC組成物、具体的には、医薬hMSC組成物を提供する。
【0034】
[00036]少なくとも一つの側面において、本明細書中に記載の技術は、精製済みMSCを含む組成物であって、約55μg/mL未満の残留BSAを含む組成物を提供する。本技術のこの側面に関するいくつかの態様において、その組成物は、約42μg/mL未満の残留BSAを含む。いくつかの態様において、組成物は、約25μg/mL未満の残留BSAを含む。いくつかの態様において、組成物は、約13μg/mL未満の残留BSAを含む。いくつかの態様において、組成物は、約10μg/mL未満の残留BSAを含む。他の態様において、組成物は、約7μg/mLの残留BSA〜約15μg/mLの残留BSAを含む。更に他の態様において、組成物は、約8μg/mLの残留BSA〜約12μg/mLの残留BSAを含む。本技術のこの側面に関するいくつかの態様において、組成物は、精製済みMSCを含み、ここにおいて、組成物は、約50μg/mL未満の残留BSA;或いは、約45μg/mL未満の残留BSA;或いは、約40μg/mL未満の残留BSA;或いは、約35μg/mL未満の残留BSA;或いは、約30μg/mL未満の残留BSA;或いは、約25μg/mL未満の残留BSA;或いは、約20μg/mL未満の残留BSA;または或いは、約15μg/mL未満の残留BSAを含む。公表された方法によって得られた残留BSAは、概して、1x10個の細胞につき約30〜700μgのBSAであると報告されている(Spees et al., Mol Therapy, 2004, 9: 747)。下の実施例で詳しく説明されるように、本技術に関して公表された組成物および方法の間での200倍を超えるBSA減少は、MSC医薬組成物の安全域の有意の且つ驚くほど予想外の増加を表す。
【0035】
[00037]BSA含有基剤中でのMSCのインキュベーション中に、BSAは、MSC細胞表面と結合状態になることがありうる。BSAを補足した細胞培地中でのMSCのインキュベーション後の全BSAレベルを正確に評価するために、上澄み中のBSA、更には、MSCと結合状態になったBSAを明らかにする測定を得る必要がある。例えば、その懸濁液のアリコート中の細胞は、溶解後、BSAレベルを測定することができる。この方法では、フリーのBSAおよび細胞に結合したBSA双方を含む全BSAレベルを得ることができる。
【0036】
[00038]更に、本技術のいくつかの態様は、精製済みMSCを含む組成物であって、そのMSCが、約18μm〜約30μmのD90を示す組成物を提供する。いくつかの態様において、MSCは、約18μm〜約25μmのD90を示す。いくつかの態様において、MSCは、約20μm〜約25μmのD90を示す。いくつかの態様において、MSCは、約30μm未満;或いは、約25μm未満;または或いは、約20μm未満のD90を示す。
【0037】
[00039]本技術のいくつかの態様は、医薬MSC組成物であって、約55μg/mL未満の残留BSAを含み、そしてMSCが、約18μm〜約30μmのD90を示す組成物に関する。本技術のこの側面に関する他の態様において、その組成物は、約42μg/mL未満の残留BSAを含み、そしてMSCは、約18μm〜約30μmのD90を示す。更に他の態様において、組成物は、約25μg/mL未満の残留BSAを含み、そしてMSCは、約18μm〜約30μmのD90を示す。いくつかの態様において、組成物は、約13μg/mL未満の残留BSAを含み、そしてMSCは、約18μm〜約30μmのD90を示す。いくつかの態様において、組成物は、約10μg/mL未満の残留BSAを含み、そしてMSCは、約18μm〜約30μmのD90を示す。他の態様において、組成物は、約7μg/mLの残留BSA〜約15μg/mLの残留BSAを含み、そしてMSCは、約18μm〜約30μmのD90を示す。更に他の態様において、組成物は、約8μg/mLの残留BSA〜約12μg/mLの残留BSAを含み、そしてMSCは、約18μm〜約30μmのD90を示す。いくつかの態様において、MSCは、約18μm〜約25μmのD90を示し、そして組成物は、約55μg/mL未満の残留BSAを含む。いくつかの態様において、MSCは、約20μm〜約25μmのD90を示し、そして組成物は、約55μg/mL未満の残留BSAを含む。本技術のいくつかの態様は、精製済みMSCを含む組成物であって、ここにおいて、そのMSCは、約18μm〜約25μmのD90を示し、そして組成物は、約8μg/mLの残留BSA〜約12μg/mLの残留BSAを含む組成物を提供する。いくつかの態様において、MSCは、約20μm〜約25μmのD90を示し、そして組成物は、約8μg/mLの残留BSA〜約12μg/mLの残留BSAを含む。
【0038】
[00040]本明細書中で用いられる「集合体」は、集合、集塊および凝集を含めた一つまたはそれを超える接着性によって集まって一緒にクラスターになった複数の個々の細胞の全体を意味する。本明細書中で用いられる「集合」は、細胞が集合する傾向を意味する。初めは仮定されたが、後に、この特許出願の実施例部分に詳述される実験によって、精製済みMSC標品は、減少した集合体形成傾向を示すということが証明された。理論によって拘束されたくはないが、これらMSC集合体は、投与後に効率よく分散しないし、しかも致命的な肺塞栓を潜在的に引き起こす十分なサイズを有すると考えられる。
【0039】
[00041]本技術は、MSCを含む集合体の形成が、肺塞栓をもたらすことがありうるということを最初に認識した。増加量の異種物質は、おそらくは、膜に結合した糖類、タンパク質または他の巨大分子と相互作用する特定の異種物質ゆえに、特に、増加した細胞接着を引き起こすことがありうる。更に、現行のhMSC製造実施は、収集されたhMSC組成物中に存在する糖類、タンパク質および他の巨大分子(例えば、CD105およびCD166)を含めた増加した細胞表面物質を生じる。特定の巨大分子は、内因性であれ外因性であれ、MSCの接着特性を増加させる。MSCが一層接着性になるにつれ、それらは、互いに増加した集合傾向を示す。このような集合体は、hMSC医薬組成物のレシピエントの肺塞栓症のリスクを潜在的に増加させるかもしれない。例えば、BSAは、MSC細胞膜と非共有結合を形成して、MSCの免疫原性も増加させるし、MSCの接着性も増加させることができると考えられる。そのようなものとして、本技術は、減少した集合傾向を有するMSCの組成物を提供することによって、以前には認識されていない問題を確かめ且つ解決した。
【0040】
[00042]そのようなものとして、遠心濾過のような、質量およびサイズについて同時に選択することによって細胞を処理する技法は、質量、次にサイズについてまたは逆で連続的に選択する技法より好適である。本技術のいくつかの態様は、複数のMSCから成る医薬MSC組成物であって、一つまたはそれを超える間葉系幹細胞集合体を含み、そしてその集合体のD90が、約150μm未満である組成物を含む。本技術のいくつかの態様は、複数のMSCから成る医薬MSC組成物であって、一つまたはそれを超える間葉系幹細胞集合体を含み、そしてその集合体のD90が、約100μm未満である組成物を含む。本技術のいくつかの態様は、複数のMSCから成る医薬MSC組成物であって、一つまたはそれを超える間葉系幹細胞集合体を含み、そしてその集合体のD90が、約50μm未満である組成物を含む。実際には、本技術のいくつかの態様は、複数のMSCから成る医薬MSC組成物であって、検出可能な間葉系幹細胞集合体を含まない組成物を含む。
【0041】
[00043]本技術のいくつかの態様は、医薬MSC組成物であって、約55μg/mLの残留BSAを含み、そしてここにおいて、その組成物が、一つまたはそれを超える間葉系幹細胞集合体を含み、そしてその集合体のD90が、約150μm未満である組成物に関する。本技術のこの側面に関する他の態様において、組成物は、約42μg/mL未満の残留BSAを含み、そしてその組成物は、一つまたはそれを超える間葉系幹細胞集合体を含み、ここにおいて、その集合体のD90は、約150μm未満である。更に他の態様において、組成物は、約25μg/mL未満の残留BSAを含み、そしてその組成物は、一つまたはそれを超える間葉系幹細胞集合体を含み、ここにおいて、その集合体のD90は、約150μm未満である。いくつかの態様において、組成物は、約13μg/mL未満の残留BSAを含み、そしてその組成物は、一つまたはそれを超える間葉系幹細胞集合体を含み、ここにおいて、その集合体のD90は、約150μm未満である。いくつかの態様において、組成物は、約10μg/mL未満の残留BSAを含み、そしてその組成物は、一つまたはそれを超える間葉系幹細胞集合体を含み、ここにおいて、その集合体のD90は、約150μm未満である。
【0042】
[00044]本技術のいくつかの態様は、複数のMSCから成る医薬MSC組成物であって、一つまたはそれを超える間葉系幹細胞集合体を含み、ここにおいて、集合体は、1,000を超えるMSCを含むものではない組成物を含む。本技術のいくつかの態様は、複数のMSCから成る医薬MSC組成物であって、一つまたはそれを超える間葉系幹細胞集合体を含み、ここにおいて、集合体は、750を超えるMSCを含むものではない組成物を含む。本技術のいくつかの態様は、複数のMSCから成る医薬MSC組成物であって、一つまたはそれを超える間葉系幹細胞集合体を含み、ここにおいて、集合体は、500を超えるMSCを含むものではない組成物を含む。本技術のいくつかの態様は、複数のMSCから成る医薬MSC組成物であって、一つまたはそれを超える間葉系幹細胞集合体を含み、ここにおいて、集合体は、200を超えるMSCを含むものではない組成物を含む。本技術のいくつかの態様は、複数のMSCから成る医薬MSC組成物であって、一つまたはそれを超える間葉系幹細胞集合体を含み、ここにおいて、集合体は、100を超えるMSCを含むものではない組成物を含む。本技術のいくつかの態様は、複数のMSCから成る医薬MSC組成物であって、一つまたはそれを超える間葉系幹細胞集合体を含み、ここにおいて、集合体は、50を超えるMSCを含むものではない組成物を含む。本技術のいくつかの態様は、複数のMSCから成る医薬MSC組成物であって、一つまたはそれを超える間葉系幹細胞集合体を含み、ここにおいて、集合体は、10を超えるMSCを含むものではない組成物を含む。
【0043】
[00045]hMSCを培地中で一定時間インキュベーション後、細胞外分子および細胞膜に結合した分子を含めた多数の分子は、培地中に存在することがありうる。例えば、このような分子には、BSAおよび他の非ヒト由来分子などの異種物質が含まれてよい。更に、hMSC自体によって生産された物質は、一定時間インキュベーション後の培地中に存在することがありうる。例えば、このような分子には、サイトカインおよび増殖因子などの分泌タンパク質、更には、hMSCの細胞表面上で発現された分子が含まれてよい。培地中で一定時間インキュベーション後のhMSCを精製して、細胞外分子および細胞膜に結合した分子を含めた培地中に存在する分子を除去することは望ましいことがありうる。このような精製は、hMSCの集合傾向を減少させるまたは妨げるかもしれないし、形成されるいずれかのhMSC集合体のサイズを減少させるかもしれないし、またはhMSC集合体の形成を完全に阻害するかもしれない。
【0044】
[00046]理論によって拘束されたくはないが、更なる精製は、MSC細胞表面上で発現されるインテグリンなどの接着分子の量を低下させるかもしれないので、本明細書中に開示された最小安全限界値を超えてMSCを精製することは望ましくない。このような接着分子は、MSCがそれらの治療的作用を発揮するのに必要である。過度に精製されたMSCは、体内の標的部位へ接着するのに必要な接着分子の量を欠いている。いくつかの態様において、全身投与されたMSCは、体内の炎症部位へ向かう。これら炎症部位は、接着分子について一層高い発現プロフィールを示し、そして更に、炎症を起こした組織へのMSCの親和性を増加させる手段として、接着分子上のコンホメーション変化を引き起こす。MSCが、相当する接着分子を欠いている場合、それらは、炎症を起こした組織へ接着することがなく、そしてアポトーシスまで循環し続ける。したがって、MSC上の接着分子の発現を、集合を妨げるのに必要な程度へ減少させることが望まれるが、MSC上の接着分子の発現を、炎症を起こした組織部位へそれらが接着する能力を失うような程度へと減少させることは望ましくない。
【0045】
[00047]除去することが望まれる細胞外分子および細胞表面膜分子などの異種物質には、BSAなどの血清タンパク質、およびブタトリプシンなどのhMSC培養用の他の非ヒト由来試薬が含まれる。本技術のいくつかの態様において、精製後の培養で増量したhMSCを含む組成物中の異種物質の量は、比較しうる量の未精製の培養で増量したhMSC中の存在量より約1対数少ない。いくつかの態様において、精製後の異種物質の量は、未精製の培養で増量したhMSCを含む比較しうる量中の存在量より約2対数少ない。いくつかの態様において、精製後の異種物質の量は、未精製の培養で増量したhMSCを含む比較しうる量中の存在量より約3対数少ない。いくつかの態様において、精製後の異種物質の量は、未精製の培養で増量したhMSCを含む比較しうる量中の存在量より約4対数少ない。いくつかの態様において、精製後の異種物質の量は、未精製の培養で増量したhMSCを含む比較しうる量中に存在する量より約5対数少ない。いくつかの態様において、培養で増量したhMSC組成物は、異種物質を実質的に含まない。いくつかの態様において、培養で増量したhMSCを含む組成物中には、検出可能な異種物質が存在しない。
【0046】
[00048]本技術の追加の態様において、精製後の培養で増量したhMSCを含む組成物中の異種物質の量は、比較しうる量の未精製の培養で増量したhMSC中に存在する量より約10〜約1,000倍少ない。いくつかの態様において、精製後の異種物質の量は、未精製の培養で増量したhMSCを含む比較しうる量中に存在する量より約25〜約750倍少ない。いくつかの態様において、精製後の異種物質の量は、未精製の培養で増量したhMSCを含む比較しうる量中に存在する量より約50〜約500倍少ない。いくつかの態様において、精製後の異種物質の量は、未精製の培養で増量したhMSCを含む比較しうる量中に存在する量より約100〜約300倍少ない。いくつかの態様において、精製後の異種物質の量は、未精製の培養で増量したhMSCを含む比較しうる量中に存在する量より約200倍少ない。
【0047】
[00049]本技術の他の態様において、精製後の培養で増量したhMSCを含む組成物中のBSAの量は、比較しうる量の未精製の培養で増量したhMSC中に存在する量より約1対数少ない。いくつかの態様において、精製後のBSAの量は、未精製の培養で増量したhMSCを含む比較しうる量中に存在する量より約2対数少ない。いくつかの態様において、精製後のBSAの量は、未精製の培養で増量したhMSCを含む比較しうる量中に存在する量より約3対数少ない。いくつかの態様において、精製後のBSAの量は、未精製の培養で増量したhMSCを含む比較しうる量中に存在する量より約4対数少ない。いくつかの態様において、精製後のBSAの量は、未精製の培養で増量したhMSCを含む比較しうる量中に存在する量より約5対数少ない。更に、いくつかの態様において、培養で増量したhMSC組成物は、BSAを実質的に含まないことがありうる。他の態様において、精製後の培養で増量したhMSCを含む組成物中には、検出可能なBSAが存在しない。
【0048】
[00050]本技術のいくつかの態様において、精製後の培養で増量したhMSCを含む組成物中のBSAの量は、比較しうる量の未精製の培養で増量したhMSC中に存在する量より約10〜約1,000倍少ない。いくつかの態様において、精製後のBSAの量は、未精製の培養で増量したhMSCを含む比較しうる量中に存在する量より約25〜約750倍少ない。いくつかの態様において、精製後のBSAの量は、未精製の培養で増量したhMSCを含む比較しうる量中に存在する量より約50〜約500倍少ない。いくつかの態様において、精製後のBSAの量は、未精製の培養で増量したhMSCを含む比較しうる量中に存在する量より約100〜約300倍少ない。いくつかの態様において、精製後のBSAの量は、未精製の培養で増量したhMSCを含む比較しうる量中に存在する量より約200倍少ない。
【0049】
[00051]本技術のいくつかの態様において、精製後の培養で増量したhMSCを含む組成物中の細胞外核酸の量は、比較しうる量の未精製の培養で増量したhMSC中に存在する量より約1対数少ない。いくつかの態様において、精製後の細胞外核酸の量は、未精製の培養で増量したhMSCを含む比較しうる量中に存在する量より約2対数少ない。いくつかの態様において、精製後の細胞外核酸の量は、未精製の培養で増量したhMSCを含む比較しうる量中に存在する量より約3対数少ない。いくつかの態様において、精製後の細胞外核酸の量は、未精製の培養で増量したhMSCを含む比較しうる量中に存在する量より約4対数少ない。いくつかの態様において、精製後の細胞外核酸の量は、未精製の培養で増量したhMSCを含む比較しうる量中に存在する量より約5対数少ない。他の態様において、培養で増量したhMSC組成物は、細胞外核酸を実質的に含まない。いくつかの態様において、精製後の培養で増量したhMSCを含む組成物中には、検出可能な細胞外核酸が存在しない。
【0050】
[00052]本技術のいくつかの態様において、精製後の培養で増量したhMSCを含む組成物中のBSAおよび細胞外核酸の量は、各々、比較しうる量の未精製の培養で増量したhMSC中に存在する量より約10〜約1,000倍少ない。本技術のいくつかの態様において、精製後の培養で増量したhMSCを含む組成物中のBSAおよび細胞外核酸の量は、各々、比較しうる量の未精製の培養で増量したhMSC中に存在する量より約25〜約750倍少ない。本技術のいくつかの態様において、精製後の培養で増量したhMSCを含む組成物中のBSAおよび細胞外核酸の量は、各々、比較しうる量の未精製の培養で増量したhMSC中に存在する量より約50〜約500倍少ない。本技術のいくつかの態様において、精製後の培養で増量したhMSCを含む組成物中のBSAおよび細胞外核酸の量は、各々、比較しうる量の未精製の培養で増量したhMSC中に存在する量より約100〜約300倍少ない。本技術のいくつかの態様において、精製後の培養で増量したhMSCを含む組成物中のBSAおよび細胞外核酸の量は、各々、比較しうる量の未精製の培養で増量したhMSC中に存在する量より約200倍少ない。
【0051】
[00053]更に、本技術のいくつかの態様において、精製後の培養で増量したhMSCを含む組成物中の細胞外核酸の量は、比較しうる量の未精製の培養で増量したhMSC中に存在する量より約10〜約1,000倍少ない。いくつかの態様において、精製後の細胞外核酸の量は、未精製の培養で増量したhMSCを含む比較しうる量中に存在する量より約25〜約750倍少ない。いくつかの態様において、精製後の細胞外核酸の量は、未精製の培養で増量したhMSCを含む比較しうる量中に存在する量より約50〜約500倍少ない。いくつかの態様において、精製後の細胞外核酸の量は、未精製の培養で増量したhMSCを含む比較しうる量中に存在する量より約100〜約300倍少ない。いくつかの態様において、精製後の細胞外核酸の量は、未精製の培養で増量したhMSCを含む比較しうる量中に存在する量より約200倍少ない。他の態様において、精製後の細胞外核酸の量は、未精製の培養で増量したhMSCを含む比較しうる量中に存在する量より約1000倍少ない;或いは、約900倍少ない;或いは、約800倍少ない;或いは、約700倍少ない;或いは、約600倍少ない;或いは、約500倍少ない;或いは、約400倍少ない;或いは、約300倍少ない;或いは、約200倍少ない;或いは、約100倍少ない;或いは、約50倍少ない;または或いは、約25倍少ない。
【0052】
[00054]本技術のいくつかの態様において、精製済みMSCは、適当な低温保存用基剤、例えば、DMSOを含む低温保存用基剤中で貯蔵することができる。例えば、いくつかの態様において、医薬MSC組成物は、MSCおよび約20%のDMSOを含んでよい。他の態様において、医薬MSC組成物は、MSCおよび約10%のDMSOを含んでよい。他の態様において、医薬MSC組成物は、MSCおよび約3.8%のDMSOを含んでよい。いくつかの態様において、DMSOは、精製済みMSCに加えることができる。
【0053】
[00055]本明細書中で用いられる「処置すること」という用語は、疾患、障害または状態、または疾患、障害または状態の一つまたはそれを超える症状の進行を逆転させること、予防すること、軽減することまたは阻害することを意味する。本明細書中で用いられる「処置すること」は、更に、哺乳動物の疾患、障害または状態の発生率または発生数を、未処置対照集団と比較して、または処置前の同じ哺乳動物と比較して低下させることを意味してよい。例えば、本明細書中で用いられる「処置すること」は、疾患、障害または状態を予防することを意味してよいし、そしてそれには、疾患、障害または状態の開始を遅延させることまたは予防すること、または疾患、障害または状態に関連した症状を遅延させることまたは予防することが含まれてよい。本明細書中で用いられる「処置すること」は、更に、疾患、障害または状態、またはこのような疾患、障害または状態に関連した症状の重症度を、疾患、障害または状態で苦しむ前に減少させることを意味してよい。疾患、障害または状態の重症度の苦しむ前のこのような予防または減少は、その疾患、障害または状態に苦しむ投与時にはない対象への本明細書中に記載の本技術の組成物の投与に関する。本明細書中で用いられる「処置すること」は、更に、疾患、障害または状態、またはこのような疾患、障害または状態に関連した一つまたはそれを超える症状の再発を予防することも意味してよい。本明細書中で用いられる「療法」、「処置」および「治療的に」という用語は、上に定義のように処置する行為を意味する。
【0054】
[00056]hMSCに関する「培養で増量した」という用語は、標準的な細胞増殖条件下において(i)造血系由来の細胞を本質的に含まない;および(ii)10%FBS(容量で)を補足した最少必須培地中で1回またはそれを超えてhMSCを継代して、増加数の未分化MSCを生じたことを意味する。
【0055】
[00057]「医薬組成物」という用語は、最終の薬学的に許容しうる生成物およびそのいずれかの工程内中間体を含めた、製造工程のいずれかの段階における組成物を意味する。
[00058]本技術の医薬組成物は、間葉系幹細胞を包含する標品を洗浄溶液と接触させ、その標品および洗浄溶液を撹拌し、そして精製済み間葉系幹細胞を回収することによって生産することができる。
【0056】
[00059]いくつかの態様において、洗浄溶液は、一つまたはそれを超えるイオン性またはイオン化可能化合物を含む電解質溶液を包含することができる。このような化合物には、塩化ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム三水和物、塩化カリウムおよび塩化マグネシウム、リン酸ナトリウムおよびリン酸カリウムが含まれるが、これに制限されるわけではない。その洗浄溶液は、平衡電解質溶液を含んで成ってよく、その平衡電解質溶液は、正常な重量オスモル濃度を維持するのに適当な濃度のナトリウム、カリウム、塩化物またはその組合せを含んで成る。平衡電解質溶液には、例えば、体液電解質置換療法、組織および細胞の洗浄液、および細胞および他の因子のための希釈剤を含めた、いろいろな設定で用いられる既知の塩溶液が含まれる。
【0057】
[00060]一つの態様において、例えば、洗浄溶液は、非発熱性等張溶液でありうるが、それは、毎100mlの溶液について、約526mgの塩化ナトリウム、502mgのグルコン酸ナトリウム(C11NaO)、368mgの酢酸ナトリウム三水和物(CNaO・3HO)、37mgの塩化カリウムおよび30mgの塩化マグネシウムが存在する。一つのこのような商業的に入手可能な等張電解質溶液は、Baxter Healthcare Corporation, Deerfield, Illinois の製品である PlasmaLyte Aとして販売されている。
【0058】
[00061]別の態様において、間葉系幹細胞は、例えば、細胞源バッグ、洗浄溶液バッグ、再循環洗浄バッグ、入口と出口を有する回転メンブランフィルター、濾液バッグ、混合区画、洗浄済み細胞のための最終生成物バッグおよび適当な管を包含する装置中で洗浄する。その装置は、密閉システムであることによって、混入の可能性を減少させることができる。
【0059】
[00062]細胞源バッグからの未洗浄MSCは、遠心濾過装置中で洗浄溶液と混合することができる。次に、得られた洗浄溶液中の間葉系幹細胞懸濁液を、入口を介して回転メンブランフィルターへ供給する。洗浄溶液を含む濾液を、第一出口を介して回転メンブランフィルターから抜き取り、そしてMSCの濃厚懸濁液を、第二出口を介して回転メンブランフィルターから抜き取り、再循環洗浄バッグ中に供給する。次に、MSCを、再循環洗浄バッグから抜き取り、追加の洗浄溶液と混合し、そして再度、回転メンブランフィルターへ送る。MSCの再循環洗浄が終わった時点で、洗浄済みMSCを生成物バッグへ送る。
【0060】
[00063]図1は、MSCを洗浄するまたは精製するための代表的な装置を示す。このような装置の一例は、USPN6,251,295号に更に記載されている。USPN6,251,295号に示される装置には、例えば、頂部口2および底部口1を有する再循環バッグ5;MSCの希釈懸濁液の入口11、MSCの濃厚懸濁液の出口14および濾液の出口24を有する回転メンブランフィルター6;および入口29を有する濾液バッグ30が含まれてよい。それには、更に、出口47を有する洗浄済み細胞バッグ46、出口45を有する未洗浄細胞バッグ44、および出口21を有する洗浄溶液バッグ7の一つまたはそれを超えるものが含まれてよい。バッグ5の頂部口2は、管8によってコネクター49へ連通している。洗浄溶液バッグ7の口21は、管15によってYコネクター55へ連通し、そして後者は、クランプC1を有する管20によってコネクター49へ連通している。未洗浄細胞バッグの口45は、クランプC3を有する管43によってYコネクター53へ、そして次に、管51によってコネクター49へ連通している。コネクター49は、バッグ44からの洗浄溶液中の未洗浄細胞のための混合区画として役立ち、バッグ5からの洗浄溶液中の細胞およびバッグ7からの洗浄溶液を再循環する。コネクター49は、管10によって回転メンブランフィルター6の入口11へ連通している。スピナー6の濾液出口24は、管23によってYコネクター54へ、そして管26によって濾液バッグ30の入口29へ連通している。コネクター55は、クランプC2を有する管52によってコネクター54へ連通している。コネクター54は、管41によって圧力変換器50へ連通している。スピナー6の出口14は、管13によってバッグ5の底部口1へ連通している。Yコネクター53は、クランプC4を有する管48によって洗浄済み細胞バッグ46の入口47へ連通している。
【0061】
[00064]再循環洗浄中に、洗浄溶液中のMSC懸濁液は、バッグ5から頂部口2を介して抜き取られ、そして管8を介して混合区画49へ流れる。MSC懸濁液は、バッグ44から口45を介して抜き取られ、そして(クランプC3が開き且つクランプC4が閉じた状態で)管43を介してYコネクター53へ、そして次に、移送ポンプP2によって管51を介して混合区画49へ送られる。洗浄溶液は、バッグ7から口21および管15を介してコネクター55へと緩衝液ポンプP2によって抜き取られる。クランプC1が開いた状態で、洗浄溶液は、管20を介して混合区画49へ流れる。洗浄溶液中のMSC懸濁液は、混合区画49から管10を介してスピナー6の入口11へ流れる。洗浄溶液中のMSCの濃厚懸濁液は、スピナー6の出口14を介し、管13および入口1を介して、再循環ポンプP3によってバッグ5中へ流れる。濾液は、スピナー6の出口24および管23を介してコネクター54へ、そしてクランプC2が閉じた状態で、管26および入口29を介して、ポンプP4によって濾液バッグ30中へ流れる。再循環洗浄は、所望の量の標的成分が、MSCから除去されてしまうまで続ける。次に、クランプC1、C2およびC3を閉じ、クランプC4を開き、そしてポンプP1の方向を、洗浄済みMSC懸濁液が、バッグ5から管8、51および48および口47を介して洗浄済み細胞バッグ46中へ流れるように逆転させる。次に、それらライン、バッグおよびスピナーを、クランプC1およびC3を閉じ、クランプC4およびC2を開き、そしてポンプP2で、連続してポンプP1およびP3で緩衝液をポンプ輸送して、スピナー、バッグおよび管をすすぎ洗浄することによってすすぎ洗浄する。
【0062】
[00065]精製工程には、逐次的なまたは同時の遠心分離および濾過が含まれてよい。
[00066]回転メンブランを含む遠心濾過装置は、血液製剤から血小板および抗体を除去するために開発された。代表的な遠心濾過装置には、例えば、各々独立してそのまま援用されるUSPN5,034,135号;同5,053,121号;同5,234,608号;同5,536,475号;および同6,251,295号に開示されたものが含まれる。
【0063】
[00067]一つまたはそれを超える態様において、回転メンブランフィルターは、約3μm〜約7μmの細孔度を有する。別の態様において、メンブランフィルターは、約4μmの細孔度を有する。
【0064】
[00068]本技術のいくつかの態様において、細胞の洗浄後生存能力は、約60%より大である。他の態様において、細胞の洗浄後生存能力は、約70%より大である。更なる態様において、細胞の洗浄後生存能力は、約80%より大である。また更なる態様において、細胞の洗浄後生存能力は、約90%より大である。更なる態様において、細胞の洗浄後生存能力は、約95%より大である。
【0065】
[00069]本技術の特定の態様は、精製済み医薬MSC組成物であって、約55μg/mLの残留BSAを含み;ここにおいて、その組成物が、一つまたはそれを超える間葉系幹細胞集合体を含み、そしてその集合体のD90が、約150μm未満であり;そしてここにおいて、MSCの精製後生存能力が、約80%より大である組成物に関する。本技術のこの側面に関する他の態様において、その組成物は、約42μg/mL未満の残留BSAを含み;組成物は、一つまたはそれを超える間葉系幹細胞集合体を含み、そしてその集合体のD90は、約150μm未満であり;そしてMSCの精製後生存能力は、約80%より大である。更に他の態様において、組成物は、約25μg/mL未満の残留BSAを含み;組成物は、一つまたはそれを超える間葉系幹細胞集合体を含み、そしてその集合体のD90は、約150μm未満であり;そしてMSCの精製後生存能力は、約80%より大である。いくつかの態様において、組成物は、約13μg/mL未満の残留BSAを含み;組成物は、一つまたはそれを超える間葉系幹細胞集合体を含み、そしてその集合体のD90は、約150μm未満であり;そしてMSCの精製後生存能力は、約80%より大である。いくつかの態様において、組成物は、約10μg/mL未満の残留BSAを含み;組成物は、一つまたはそれを超える間葉系幹細胞集合体を含み、そしてその集合体のD90は、約150μm未満であり;そしてMSCの精製後生存能力は、約80%より大である。いくつかの態様において、組成物は、約7μg/mLの残留BSA〜約15μg/mLの残留BSAを含み;組成物は、一つまたはそれを超える間葉系幹細胞集合体を含み、そしてその集合体のD90は、約150μm未満であり;そしてMSCの精製後生存能力は、約80%より大である。他の態様において、組成物は、約8μg/mLの残留BSA〜約12μg/mLの残留BSAを含み;組成物は、一つまたはそれを超える間葉系幹細胞集合体を含み、そしてその集合体のD90は、約150μm未満であり;そしてMSCの精製後生存能力は、約80%より大である。
【0066】
[00070]本技術の特定の態様は、精製済み医薬MSC組成物であって、約55μg/mLの残留BSAを含み;ここにおいて、その組成物が、一つまたはそれを超える間葉系幹細胞集合体を含み、そしてその集合体のD90が、約150μm未満であり;そしてここにおいて、MSCの精製後生存能力が、約70%より大である組成物に関する。本技術のこの側面に関する他の態様において、その組成物は、約42μg/mL未満の残留BSAを含み;組成物は、一つまたはそれを超える間葉系幹細胞集合体を含み、そしてその集合体のD90は、約150μm未満であり;そしてMSCの精製後生存能力は、約70%より大である。更に他の態様において、組成物は、約25μg/mL未満の残留BSAを含み;組成物は、一つまたはそれを超える間葉系幹細胞集合体を含み、そしてその集合体のD90は、約150μm未満であり;そしてMSCの精製後生存能力は、約70%より大である。いくつかの態様において、組成物は、約13μg/mL未満の残留BSAを含み;組成物は、一つまたはそれを超える間葉系幹細胞集合体を含み、そしてその集合体のD90は、約150μm未満であり;そしてMSCの精製後生存能力は、約70%より大である。いくつかの態様において、組成物は、約10μg/mL未満の残留BSAを含み;組成物は、一つまたはそれを超える間葉系幹細胞集合体を含み、そしてその集合体のD90は、約150μm未満であり;そしてMSCの精製後生存能力は、約70%より大である。いくつかの態様において、組成物は、約7μg/mLの残留BSA〜約15μg/mLの残留BSAを含み;組成物は、一つまたはそれを超える間葉系幹細胞集合体を含み、そしてその集合体のD90は、約150μm未満であり;そしてMSCの精製後生存能力は、約70%より大である。他の態様において、組成物は、約8μg/mLの残留BSA〜約12μg/mLの残留BSAを含み;組成物は、一つまたはそれを超える間葉系幹細胞集合体を含み、そしてその集合体のD90は、約150μm未満であり;そしてMSCの精製後生存能力は、約70%より大である。
【0067】
[00071]ここで、ここに記載の技術を、次の実施例に関して記載する;しかしながら、本技術の範囲は、それによって制限されるものではない。本技術の範囲が、上記の具体的な態様に制限されるべきではないということは理解されるはずである。本技術は、具体的に記載されている以外に実施することができるし、そしてなお、請求の範囲の範囲内でありうる。
【実施例】
【0068】
実施例1:IV投与用の組成物中の残留異種タンパク質の限界値
[00072]MSC医薬組成物の吸収、分布、代謝、排出および毒性(Absorption, Distribution, Metabolism, Excretion and Toxicity(「ADMET」))の性質を証明する場合、MSCを与えられている齧歯類動物試験集団における散発的且つ予測不能な死亡を報告した。多数のパラメーターを研究する場合、異種タンパク質の残留量、基剤中での増量によって得られた他の破片の残留量、および細胞集合度を、前臨床実験において認められる有害なイベントへの有意の原因因子として識別し、そして後に、有意の原因因子であると証明した。
【0069】
[00073]本技術は、臨床的反応性限界値が、抗原の経口投与については決定されているが、抗原へのIV暴露についての限界値は、依然として未知であるということを明らかにし且つ理解している。そのようなものとして、本技術は、安全なMSC医薬組成物および製造工程が、それゆえに設計されうる前に、抗原へのIV暴露についての限界値を理解する問題が解決される必要があったということを認識した。アナフィラキシーおよび血清病様疾患のような、細胞性および動物に由来する生成物に関連した有害反応を理解するために、MSCを含む組成物のIV投与の場合、動物モデルを用いて、異種残留物の抗原の可能性を確かめた。
【0070】
[00074]オボアルブミン(「OVA」)は、構造的にBSAと関係していて、BSAおよびトリプシンより有意に免疫原性であり、しかも有意の多数の公表された報告で証明されているので、代表する異種タンパク質としてそれを選択した。BSAは、OVAと比較して、有意に低いアレルゲンの可能性を有する(Hilton J.et al., Food Chem Toxicol, 1997, 35:1209)。
【0071】
[00075]OVAを、全身性の非粘膜腹腔内(IP)注射によって投与したが、それは、この経路が、IV投与に最も関係があると考えられたからである。動物における抗原投与のIPおよびIV経路は、同様の結果を引き起こすことが分かった(Shepardet al., Infection and Immunity, 1982, 38: 673)。
【0072】
[00076]MSC医薬組成物中のBSAおよびトリプシン限界耐性の計算のために、検出可能なIgE応答の引き金を引かなかったOVAの最低累積用量を選択した。IP送達された場合に感作の引き金を引かない最低累積OVA用量は、平均20gのマウス体重に基づき、500μg/kgに相当する10μg/マウスである。したがって、MSCでの処置を受けている非感受性患者についてのMSC医薬組成物中の動物タンパク質残留物の安全な累積用量は、500μg/kgである。その安全限界にしたがって、100kgの患者は、約50mg未満の動物タンパク質を含むMSC医薬組成物を安全に投与されうると考えられる;40kgの患者は、約20mg未満の動物タンパク質を含むMSC医薬組成物を安全に投与されうると考えられる;または5kgの小児患者は、約2.5mg未満の動物タンパク質を含むMSC医薬組成物を安全に投与されうると考えられる。
【0073】
[00077]抗原への限界IV暴露に関連した問題を認識し且つ解決して、安全なMSC医薬組成物を生産するのに適する製造工程のパラメーターは、ここで実行しうると考えられる。1処置につき8x10個のMSC/kg体重を2回IV注入から成る療法について、MSC医薬組成物あたりの残留BSAおよびトリプシンの限界(55μg/mLに相当する830μg)を、表1に示されているように計算した。
【0074】
【表1】

【0075】
実施例2:MSC医薬組成物の純度
[00078]肺機能の可能性のある変化への培養で増量したMSCの可能性のある作用をMSC医薬組成物の純度の関数として評価するために、(1)MSC集団;および(2)ビヒクルであって、85% PlasmaLyteA、10%DMSOおよび5%FBS(容量で)から成るものから本質的に成る医薬hMSC組成物を調製した。
【0076】
[00079]この実施例2に示されている実験を、(無菌成分として購入された)ビヒクルの Plasma-Lyte A成分の強度、純度および組成についての証明が存在しなかったことを除いて、21C.F.R.58に成文化されているU.S. Food & Drug Administrations Good Laboratory Practice Regulations にしたがって行った。試験品の製造は、Good Manufacturing Practices にしたがって行った。試験された種選択および動物数は、Expanded Acute Studies のFDAガイドライン、ICH Harmonised Tripartite Guidelines、FDAGuidance for Human Somatic Cell Therapy and Gene Therapy、および前臨床薬学的試験について一般的に許容される手順で支持した。
【0077】
[00080]ラット骨髄に由来するMSCの集団を、次のように培養した。収集した骨髄を、ハンクスの平衡溶液でフラッシした。細胞をプールし、計数し、そして100gで10分間遠心分離した。次に、細胞を、フラスコ中において、10%FBS、45% Ham's F−12、45%α−Minimum Essential Medium(「α−MEM」)に100U/mlのペニシリンGおよび100ug/mlのストレプトマイシン硫酸塩を補足したものの中に、120x10^6個細胞/cm^2でプレーティングした。フラスコを、10%CO2中において37℃でインキュベートした。8日後、非付着細胞を除去し、そして残っている細胞を、0.05%ブタトリプシンおよび0.53mM EDTAで引き離した。付着細胞を、2,000個細胞/cm^2で再プレーティングした。2回の(2)その後の継代を、4日間隔で行った。
【0078】
[00081]増量後、その細胞懸濁液のアリコートを得て、残留BSAレベルを評価した。アリコート中の細胞を溶解させた後、ELISAを行って残留BSAを決定したが、それら結果は、表2に示されている。次に、α−MEM中のMSCを、既知数のMSCが入っているクリオバイアル(cryovial)中で凍結させた。
【0079】
[00082]各々の濃度について投与用製剤を調製するために、推定最終懸濁液容量を、90%のMSC生存能力を想定して、クリオバイアルごとの所望の細胞濃度および推定細胞計数から計算した。推定最終懸濁液容量を得るのに必要なビヒクルの量を、コニカル管中に入れた。MSC集団が入っているクリオバイアルを、液体窒素貯蔵から水浴へ、半液体に融解するまで移した。約0.5mLのビヒクルを、各々のクリオバイアルへ入れて、完全な融解を容易にした。MSC集団を、コニカル管へ移し、その時点で、その集団を、(A)基本遠心分離(Basic Centrifugation);かまたは(B)遠心濾過(Centrifugal Filtering)によって精製した。
【0080】
[00083](A)基本遠心分離。細胞/ビヒクル懸濁液を、4℃において500g力で約10分間遠心分離した(Beckman GS−6RローターGH3.8において1,480〜1540 3,000RPM)。上澄みを取り出し、別のバイアル中で保持した。ペレット化した細胞を、必要ならば、ビヒクルで再懸濁させた。MSCを計数し、そして生存能力を確認した。全細胞計数に基づき、所望の最終懸濁液容量を得るのに必要なビヒクルの量を加えて、hMSC医薬組成物を与えた。基本遠心分離によって精製された組成物を、ELISAによって検定して、残留BSAを決定したが、それら結果は、表2に示されている。
【0081】
[00084](B)遠心濾過。細胞/ビヒクル懸濁液を、約4μmの細孔度の回転メンブランフィルターを有する且つ150の Residual Fold Reduction(RFR)設定を用いる Cytomate Cell Processing System(Baxter により2007年に販売されている)において室温で約25分間洗浄した。MSCを計数し、そして生存能力を確認した。遠心濾過によって精製された組成物を、ELISA検定で検定して、残留BSAを決定したが、それら結果は、表3に示されている。
【0082】
[00085]全細胞計数に基づき、所望の最終懸濁液容量を得るのに必要なビヒクルの量を加えて、hMSC医薬組成物を与えた。全てのhMSC医薬組成物を、投与前4時間未満に調製した。被験動物には、大腿カテーテル経由で投与した。下の表2に示されるように、遠心濾過によって精製されたMSC医薬組成物は、死亡を示さなかったが、伝統的な遠心分離法によって精製されたMSC医薬組成物は、80%の死亡率を生じた。それら死因は、肺塞栓であることを確かめた。
【0083】
【表2】

【0084】
[00086]続いて研究されたいくつかのパラメーターの内、MSC組成物中に存在する残留BSAの量を、無毒性量(No Observed Adverse Events Level)(「NOAEL」)限界と比較する第二の分析は、表3にそれら結果が示されているが、最も驚くべき結果を与えた。
【0085】
【表3】

【0086】
[00087]表2に関する基本遠心分離によって精製されたMSC組成物を注入された10匹のラットの内、7匹のラットは、投与直後に死亡し、1匹は、投与翌日に死亡し、そして2匹は、計画終末剖検まで14日間生存した。追加の前臨床または臨床的相研究を続行する前に、基本遠心分離によって精製されたMSC組成物で与えられる安全域を増加させることが望まれた。
【0087】
[00088]追加の毒物学試験を、遠心濾過によって精製されたMSC医薬組成物について行った。この実験では、120匹のラットに、10x10個/kg、40x10個/kgまたは75x10個/kgの細胞を投与した。研究された120匹のラットの内、2匹だけが研究中に死亡した。この実験の完全に二成分の結果(すなわち、完全生存または完全致死)を更に支持して、遠心濾過されたMSC医薬組成物を与えられた被験動物は、基本遠心分離によって精製された場合に致死的であったのと同程度に高い(75x10個細胞/kg)2回の用量レベルでさえも、ほとんど臨床症状を示さなかったということにも注目した。
【0088】
[00089]この実験を行った後、全ての細胞処理プロトコルを、遠心濾過に適合させた。
[00090]表3に示されるように、基本遠心分離によって精製されたMSC組成物は、1.29μg/mLの残留BSAを有することが判明し、3x10個細胞/kgのNOAELを生じた。比較すると、遠心濾過によって精製されたMSC組成物は、0.13μg/mLの残留BSAを有することが判明し、40x10個細胞/kgのNOAELを生じ、したがって、安全域の約10倍増加を示した。未精製MSC組成物と、遠心分離によって精製されたMSC組成物との間の約20倍の残留BSA低下は、NOAEL限界を、臨床的に有意に用量(すなわち、10x10個/kg、40x10個/kgまたは75x10個/kgの細胞)へ増加させなかったし、そしてなお、37.5x10個細胞/kgで完全死亡率を生じたので、更に10倍の純度増加が、NOAEL限界を更に1対数増加させ、そして更に、被験動物集団の完全生存をもたらすと考えられるということ認めることは、全く驚くべきことであった。
【0089】
[00091]ウシおよびブタ残留物を組合せで分析する場合、遠心濾過は、動物タンパク質の残留レベルを、基本遠心分離に相対して約1,000倍減少させた。この1,000倍減少は、ボーラス注入についての最大許容用量を、20x10個細胞/kg〜65x10個細胞/kgへ増加させた。
【0090】
[00092]未精製MSC組成物(図2)、遠心分離によって精製されたMSC組成物(図3)および遠心濾過によって精製されたMSC組成物(図4)の10x倍率下で得られた写真は、遠心濾過によって精製されたMSC組成物の減少した集合体形成傾向を示す。
【0091】
[00093]ここで、ここに記載の技術の追加の態様を記載する;しかしながら、本技術の範囲は、それによって制限されるものではない。本技術の範囲が、下記の具体的な態様に制限されるべきではないということは理解されるはずである。本技術は、具体的に記載されている以外に実施することができるし、そしてなお、請求の範囲の範囲内でありうる。本技術の追加の態様には、以下が含まれる。
【0092】
[00094]精製済み間葉系幹細胞を含む薬学的に許容しうる組成物であって、一つまたはそれを超える間葉系幹細胞集合体を含み、そしてそれら集合体のD90が、約150μm未満である薬学的に許容しうる組成物。
【0093】
[00095]それら集合体のD90が、約100μm未満である、段落[00094]に記載の薬学的に許容しうる組成物。
[00096]それら集合体のD90が、約50μm未満である、段落[00095]に記載の薬学的に許容しうる組成物。
【0094】
[00097]精製済み間葉系幹細胞の生存能力が、約70%より大である、段落[00094]〜[00096]のいずれか一つに記載の薬学的に許容しうる組成物。
[00098]精製済み間葉系幹細胞の生存能力が、約80%より大である、段落[00097]に記載の薬学的に許容しうる組成物。
【0095】
[00099]ジメチルスルホキシド(DMSO)を更に含む、段落[00094]〜[00098]のいずれか一つに記載の薬学的に許容しうる組成物。
[000100]約10%DMSOを含む、段落[00099]に記載の薬学的に許容しうる組成物。
【0096】
[000101]約3.8%DMSOを含む、段落[00099]に記載の薬学的に許容しうる組成物。
[000102]精製済み間葉系幹細胞を含む薬学的に許容しうる組成物であって、約55μg/mL未満の残留ウシ血清アルブミンを含み、そしてここにおいて、間葉系幹細胞が、約18μm〜約30μmのD90を示す薬学的に許容しうる組成物。
【0097】
[000103]組成物が、約42μg/mL未満の残留ウシ血清アルブミンを含む、段落[000102]に記載の組成物。
[000104]組成物が、約25μg/mL未満の残留ウシ血清アルブミンを含む、段落[000103]に記載の組成物。
【0098】
[000105]組成物が、約13μg/mL未満の残留ウシ血清アルブミンを含む、段落[000104]に記載の組成物。
[000106]組成物が、約10μg/mL未満の残留ウシ血清アルブミンを含む、段落[000105]に記載の組成物。
【0099】
[000107]組成物が、約7μg/mL〜約15μg/mLの残留ウシ血清アルブミンを含む、段落[000102]に記載の組成物。
[000108]組成物が、約8μg/mL〜約12μg/mLの残留ウシ血清アルブミンを含む、段落[000107]に記載の組成物。
【0100】
[000109]間葉系幹細胞が、約18μm〜約25μmのD90を示す、段落[000102]〜[000108]のいずれかに記載の組成物。
[000110]間葉系幹細胞が、約20μm〜約25μmのD90を示す、段落[000109]に記載の組成物。
【0101】
[000111]間葉系幹細胞が、ウシ血清アルブミンを含む基剤中において培養で増量している、段落[000102]〜[000110]のいずれかに記載の組成物。
[000112]間葉系幹細胞が、動物血清を含む基剤中において培養で増量している、段落[000102]〜[000110]のいずれかに記載の組成物。
【0102】
[000113]動物血清が、ヒト血清である、段落[000112]に記載の組成物。
[000114]動物血清が、非ヒト血清である、段落[000112]に記載の組成物。
[000115]非ヒト血清が、ウシ血清である、段落[000114]に記載の組成物。
【0103】
[000116]非ヒト血清が、ブタ血清である、段落[000114]に記載の組成物。
[000117]精製済み間葉系幹細胞の生存能力が、約70%より大である、段落[000102]〜[000116]のいずれか一つに記載の組成物。
【0104】
[000118]精製済み間葉系幹細胞の生存能力が、約80%より大である、段落[000117]に記載の組成物。
[000119]ジメチルスルホキシド(DMSO)を更に含む、段落[000102]〜[000118]のいずれか一つに記載の組成物。
【0105】
[000120]約10%DMSOを含む、段落[000119]に記載の薬学的に許容しうる組成物。
[000121]約3.8%DMSOを含む、段落[000119]に記載の薬学的に許容しうる組成物。
【0106】
[000122]精製済み間葉系幹細胞組成物を製造する方法であって、
(i)ex vivo で培養された間葉系幹細胞を含有する標品を得;
(ii)その標品を、洗浄溶液と接触させて、混合物を生じ;
(iii)その混合物を、遠心濾過装置で撹拌し;そして
(iv)精製済み間葉系幹細胞組成物を回収する
という工程を含む方法。
【0107】
[000123]その ex vivo で培養される間葉系幹細胞を、ウシ血清アルブミンを含む基剤中で培養する、段落[000122]に記載の方法。
[000124]その ex vivo で培養される間葉系幹細胞を、動物血清を含む基剤中で培養する、段落[000122]に記載の方法。
【0108】
[000125]動物血清が、ヒト血清である、段落[000124に記載の方法。
[000126]動物血清が、非ヒト血清である、段落[000124]に記載の組成物。
[000127]非ヒト血清が、ウシ血清である、段落[000126]に記載の組成物。
【0109】
[000128]非ヒト血清が、ブタ血清である、段落[000127]に記載の組成物。
[000129]その精製済み間葉系幹細胞組成物が、約55μg/mL未満の残留ウシ血清アルブミンを含む、段落[000122]〜[000128]のいずれか一つに記載の方法。
【0110】
[000130]精製済み間葉系幹細胞組成物が、約42μg/mL未満の残留ウシ血清アルブミンを含む、段落[000129]に記載の方法。
[000131]精製済み間葉系幹細胞組成物が、約25μg/mL未満の残留ウシ血清アルブミンを含む、段落[000130]に記載の方法。
【0111】
[000132]精製済み間葉系幹細胞組成物が、約13μg/mL未満の残留ウシ血清アルブミンを含む、段落[000131]に記載の方法。
[000133]精製済み間葉系幹細胞組成物が、約10μg/mL未満の残留ウシ血清アルブミンを含む、段落[000132]に記載の方法。
【0112】
[000134]その精製済み間葉系幹細胞組成物が、約7μg/mL〜約15μg/mLの残留ウシ血清アルブミンを含む、段落[000122]〜[000128]のいずれか一つに記載の方法。
[000135]その精製済み間葉系幹細胞組成物が、約8μg/mL〜約12μg/mLの残留ウシ血清アルブミンを含む、段落[000134]に記載の方法。
【0113】
[000136]その精製済み間葉系幹細胞組成物にDMSOを加えることを更に含む、段落[000122]〜[000135]のいずれか一つに記載の方法。
[000137]その組成物が、約10%DMSOを含む、段落[000136]に記載の方法。
【0114】
[000138]その組成物が、約3.8%DMSOを含む、段落[000136]に記載の方法。
[000139]精製済み間葉系幹細胞組成物であって、段落[000122]〜[000138]のいずれか一つに記載の方法によって得られた精製済み間葉系幹細胞組成物。
【0115】
[000140]精製済み間葉系幹細胞組成物であって、
(i)間葉系幹細胞を、血清を含む基剤中で培養し;
(ii)それら間葉系幹細胞を含む標品を得;
(iii)その標品を、洗浄溶液と接触させて、混合物を生じ;
(iv)その混合物を、遠心濾過装置で撹拌し;そして
(v)精製済み間葉系幹細胞組成物を回収すること
によって生産される精製済み間葉系幹細胞組成物。
【0116】
[000141]間葉系幹細胞が、約18μm〜約30μmのD90を示す、段落[000140]に記載の組成物。
[000142]間葉系幹細胞が、約18μm〜約25μmのD90を示す、段落[000141]に記載の組成物。
【0117】
[000143]間葉系幹細胞が、約20μm〜約25μmのD90を示す、段落[000142]に記載の組成物。
[000144]その血清が、ウシ血清であり、そしてその組成物が、約55μg/mL未満の残留ウシ血清アルブミンを含む、段落[000140]〜[000143]のいずれか一つに記載の組成物。
【0118】
[000145]その組成物が、約42μg/mL未満の残留ウシ血清アルブミンを含む、段落[000144]に記載の組成物。
[000146]その組成物が、約25μg/mL未満の残留ウシ血清アルブミンを含む、段落[000145]に記載の組成物。
【0119】
[000147]その組成物が、約13μg/mL未満の残留ウシ血清アルブミンを含む、段落[000146]に記載の組成物。
[000148]その組成物が、約10μg/mL未満の残留ウシ血清アルブミンを含む、段落[000147]に記載の組成物。
【0120】
[000149]その血清が、ウシ血清であり、そしてその組成物が、約7μg/ml〜約15μg/mlの残留ウシ血清アルブミンを含む、段落[000140]〜[000143]のいずれか一つに記載の組成物。
【0121】
[000150]その組成物が、約8μg/ml〜約12μg/mlの残留ウシ血清アルブミンを含む、段落[000149]に記載の組成物。
[000151]精製済み間葉系幹細胞を含む薬学的に許容しうる組成物であって、その間葉系幹細胞を、ウシ血清アルブミンを含む基剤中において培養で増量し;そしてここにおいて、その組成物が、約55μg/mL未満の残留ウシ血清アルブミンを含む薬学的に許容しうる組成物。
【0122】
[000152]その組成物が、約42μg/mL未満の残留ウシ血清アルブミンを含む、段落[000151]に記載の組成物。
[000153]その組成物が、約25μg/mL未満の残留ウシ血清アルブミンを含む、段落[000152]に記載の組成物。
【0123】
[000154]その組成物が、約13μg/mL未満の残留ウシ血清アルブミンを含む、段落[000153]に記載の組成物。
[000155]その組成物が、約10μg/mL未満の残留ウシ血清アルブミンを含む、段落[000154]に記載の組成物。
【0124】
[000156]その組成物が、約7μg/ml〜約15μg/mlの残留ウシ血清アルブミンを含む、段落[000151]に記載の組成物。
[000157]その組成物が、約8μg/ml〜約12μg/mlの残留ウシ血清アルブミンを含む、段落[000156]に記載の組成物。
【0125】
[000158]精製済み間葉系幹細胞を含む薬学的に許容しうる組成物であって、約55μg/ml未満の残留ウシ血清アルブミンを含む組成物。
[000159]組成物が、約42μg/mL未満の残留ウシ血清アルブミンを含む、段落[000158]に記載の組成物。
【0126】
[000160]組成物が、約25μg/mL未満の残留ウシ血清アルブミンを含む、段落[000159]に記載の組成物。
[000161]組成物が、約13μg/mL未満の残留ウシ血清アルブミンを含む、段落[000160]に記載の組成物。
【0127】
[000162]組成物が、約10μg/mL未満の残留ウシ血清アルブミンを含む、段落[000161]に記載の組成物。
[000163]組成物が、約7μg/mL〜約15μg/mLの残留ウシ血清アルブミンを含む、段落[000158]に記載の組成物。
【0128】
[000164]組成物が、約8μg/mL〜約12μg/mLの残留ウシ血清アルブミンを含む、段落[000163]に記載の組成物。
[000165]DMSOを更に含む、段落[000158]〜[000164]のいずれか一つに記載の組成物。
【0129】
[000166]約10%DMSOを更に含む、段落[000165]に記載の組成物。
[000167]約3.8%DMSOを更に含む、段落[000165]に記載の組成物。
[000168]精製済み間葉系幹細胞を含む薬学的に許容しうる組成物であって、一つまたはそれを超える間葉系幹細胞集合体を含み、そしてその集合体のD90が、約150μm未満であり;ここにおいて、組成物は、約8μg/mL〜約12μg/mLの残留ウシ血清アルブミンを含み;そしてここにおいて、間葉系幹細胞は、約18μm〜約30μmのD90を示す組成物。
【0130】
[000169]その集合体のD90が、約100μm未満である、段落[000168]に記載の薬学的に許容しうる組成物。
[000170]その集合体のD90が、約50μm未満である、段落[000169]に記載の薬学的に許容しうる組成物。
【0131】
[000171]間葉系幹細胞が、約18μm〜約25μmのD90を示す、段落[000168]〜[000170]のいずれか一つに記載の薬学的に許容しうる組成物。
[000172]間葉系幹細胞が、約20μm〜約25μmのD90を示す、段落[000171]に記載の薬学的に許容しうる組成物。
【0132】
[000173]精製済み間葉系幹細胞を製造する方法であって、
(i)複数の間葉系幹細胞を含む細胞懸濁液を得;
(ii)その懸濁液から間葉系幹細胞を質量および直径に基づいて同時に選択する
という工程を含む方法。
【0133】
[000174]その懸濁液を、洗浄溶液と接触させる工程を更に含む、段落[000173]に記載の方法。
[000175]その組成物が、一つまたはそれを超える間葉系幹細胞集合体を含み、そして集合体が、約150μm未満のそのD90を示す、段落[000174]に記載の方法。
【0134】
[000176]集合体が、約100μm未満のそのD90を示す、段落[000175]に記載の方法。
[000177]集合体が、約50μm未満のそのD90を示す、段落[000176]に記載の方法。
【0135】
[000178]その組成物が、検出可能な間葉系幹細胞集合体を含まない、段落[000173]に記載の方法。
[000179]精製済み間葉系幹細胞を含む薬学的に許容しうる組成物であって、ここにおいて、間葉系幹細胞が、約18μm〜約30μmのD90を示す薬学的に許容しうる組成物。
【0136】
[000180]間葉系幹細胞が、約18μm〜約25μmのD90を示す、段落[000179]に記載の薬学的に許容しうる組成物。
[000181]間葉系幹細胞が、約20μm〜約25μmのD90を示す、段落[000180]に記載の薬学的に許容しうる組成物。
【0137】
[000182]DMSOを更に含む、段落[000179]〜[000181]のいずれか一つに記載の組成物。
[000183]約10%DMSOを含む、段落[000182]に記載の組成物。
【0138】
[000184]約3.8%DMSOを含む、段落[000182]に記載の組成物。
[000185]医薬間葉系幹細胞組成物を製造する方法であって、
(i)複数の間葉系幹細胞および間葉系幹細胞集合体を含む間葉系幹細胞懸濁液を得;
(ii)その懸濁液を、洗浄溶液と接触させて、混合懸濁液を生じ;
(iii)その混合懸濁液を、遠心濾過装置で、間葉系幹細胞集合体が約150μm未満のD90を示すまで撹拌し;そして
(iv)医薬間葉系幹細胞組成物を回収する
という工程を含む方法。
【0139】
[000186]間葉系幹細胞集合体が、約100μm未満のD90を示す、段落[000185]に記載の方法。
[000187]間葉系幹細胞集合体が、約50μm未満のD90を示す、段落[000186]に記載の方法。
【0140】
[000188]その医薬間葉系幹細胞組成物が、約18μm〜約30μmのD90を示す間葉系幹細胞を含む、段落[000185]〜[000187]のいずれか一つに記載の方法。
[000189]その医薬間葉系幹細胞組成物が、約18μm〜約25μmのD90を示す間葉系幹細胞を含む、段落[000188]に記載の方法。
【0141】
[000190]その医薬間葉系幹細胞組成物が、約20μm〜約25μmのD90を示す間葉系幹細胞を含む、段落[000189]に記載の方法。
[000191]精製済み間葉系幹細胞の集団を含む組成物であって、段落[000185]〜[000190]のいずれか一つに記載の方法によって得られ、ここにおいて、細胞の生存能力が、約70%より大である組成物。
【0142】
[000192]細胞の生存能力が、約80%より大である、段落[000191]に記載の組成物。
[000193]DMSOを更に含む、段落[000185]〜[000192]のいずれか一つに記載の組成物。
【0143】
[000194]約10%DMSOを含む、段落[000193]に記載の組成物。
[000195]約3.8%DMSOを含む、段落[000193]に記載の組成物。
[000196]精製済み間葉系幹細胞を含む薬学的に許容しうる組成物であって、一つまたはそれを超える間葉系幹細胞集合体を含み、そしてその集合体が、約150μm未満のD90を示し;そしてここにおいて、間葉系幹細胞は、約18μm〜約30μmのD90を示す薬学的に許容しうる組成物。
【0144】
[000197]その集合体が、約100μm未満のD90を示す、段落[000196]に記載の薬学的に許容しうる組成物。
[000198]その集合体が、約50μm未満のD90を示す、段落[000197]に記載の薬学的に許容しうる組成物。
【0145】
[000199]間葉系幹細胞が、約18μm〜約25μmのD90を示す、段落[000196]〜[000198]のいずれか一つに記載の薬学的に許容しうる組成物。
[000200]間葉系幹細胞が、約20μm〜約25μmのD90を示す、段落[000199]に記載の薬学的に許容しうる組成物。
【0146】
[000201]その組成物が、約7μg/mL〜約15μg/mLの残留ウシ血清アルブミンを含む、段落[000196]〜[000200]のいずれか一つに記載の薬学的に許容しうる組成物。
[000202]その組成物が、約8μg/mL〜約12μg/mLの残留ウシ血清アルブミンを含む、段落[000201]に記載の薬学的に許容しうる組成物。
【0147】
[000203]患者への投与用の少なくとも一つの非ヒトタンパク質を含有する細胞懸濁液を選択する方法であって、
(a)その細胞懸濁液の代表する少なくとも一つの試料を得;
(b)その試料中に存在するその非ヒトタンパク質のレベルを決定し;そして
(c)その試料が、約42マイクログラム/ミリリットル未満のその非ヒトタンパク質を含有する場合に、その細胞懸濁液を、患者への投与に適していると識別する
という工程を含む方法。
【0148】
[000204]そのヒト細胞が、間葉系幹細胞である、段落[000203]に記載の方法。
[000205]その非ヒトタンパク質が、アルブミンである、段落[000203]に記載の方法。
[000206]その非ヒトタンパク質が、ウシ血清アルブミンである、段落[000203]に記載の方法。
【0149】
[000207]工程(b)が、
i.その試料を、少なくとも一つの抗アルブミン抗体と接触させ;そして
ii.その試料中のアルブミンのレベルを定量すること
を含む、段落[000205]または[000206]に記載の方法。
【0150】
[000208]その非ヒトタンパク質が、トリプシンである、段落[000203]に記載の方法。
[000209]その非ヒトタンパク質が、ブタトリプシンである、段落[000203]に記載の方法。
【0151】
[000210]工程(b)が、
i.その試料を、トリプシンへ選択的に結合する少なくとも一つの物質と接触させ;そして
ii.その試料中のトリプシンのレベルを定量すること
を含む、段落[000208]または[000209]に記載の方法。
【0152】
[000211]その少なくとも一つの物質が、トリプシン阻害剤である、段落[000210]に記載の方法。
[000212]その少なくとも一つの物質が、抗トリプシン抗体である、段落[000210]に記載の方法。
【0153】
[000213]工程(b)が、
i.その試料を、固定化トリプシン阻害剤と接触させて、固定化トリプシン阻害剤−トリプシンコンジュゲートを形成し;
ii.その固定化コンジュゲートを、抗トリプシン抗体と接触させて、固定化トリプシン阻害剤−トリプシン−抗体複合体を形成し;そして
iii.その複合体によって発生するシグナルを検出すること
を含む、段落[000203]に記載の方法。
【0154】
[000214]医薬組成物であって、段落[000203]、[000208]〜[000209]または[000211]〜[000213]のいずれか一つに記載の方法によって選択された医薬組成物。
[000215]対象の疾患または障害を処置するまたは予防する方法であって、
(a)非ヒトタンパク質を含む基剤中でヒト細胞をインキュベートし;
(b)約42マイクログラム/ミリリットル未満のその非ヒトタンパク質を含有するインキュベート済み細胞の懸濁液を選択し;
(c)その細胞懸濁液を、その対象に投与する
という工程を含む方法。
【0155】
[000216]そのヒト細胞が、間葉系幹細胞である、段落[000215]に記載の方法。
[000217]その非ヒトタンパク質が、アルブミンである、段落[000215]に記載の方法。
[000218]その非ヒトタンパク質が、ウシ血清アルブミンである、段落[000215]に記載の方法。
【0156】
[000219]工程(b)が、
i.その試料を、少なくとも一つの抗アルブミン抗体と接触させ;そして
ii.その試料中のアルブミンのレベルを定量すること
を含む、段落[000217]または[000218]に記載の方法。
【0157】
[000220]その非ヒトタンパク質が、トリプシンである、段落[000215]に記載の方法。
[000221]その非ヒトタンパク質が、ブタトリプシンである、段落[000215]に記載の方法。
【0158】
[000222]工程(b)が、
i.その試料を、トリプシンへ選択的に結合する少なくとも一つの物質と接触させ;そして
ii.その試料中のトリプシンのレベルを定量すること
を含む、段落[000220]または[000221]に記載の方法。
【0159】
[000223]その少なくとも一つの物質が、トリプシン阻害剤である、段落[000222]に記載の方法。
[000224]その少なくとも一つの物質が、抗トリプシン抗体である、段落[000222]に記載の方法。
【0160】
[000225]工程(b)が、
i.その試料を、固定化トリプシン阻害剤と接触させて、固定化トリプシン阻害剤−トリプシンコンジュゲートを形成し;
ii.その固定化コンジュゲートを、抗トリプシン抗体と接触させて、固定化トリプシン阻害剤−トリプシン−抗体複合体を形成し;そして
iii.その複合体によって発生するシグナルを検出すること
を含む、段落[000215]に記載の方法。
【0161】
[000226]細胞療法製品を製造する方法であって、
(a)非ヒトタンパク質を含む溶液中でヒト細胞をインキュベートし;
(b)それら細胞に、一定容量の液体ビヒクルを加えて、薬学的に許容しうる細胞懸濁液を得;
(c)その薬学的に許容しうる細胞懸濁液の代表する少なくとも一つの試料を得;
(d)その試料中に存在するその非ヒトタンパク質の量を定量し;そして
(e)その試料が、約42マイクログラム/ミリリットル未満のその非ヒトタンパク質を含有する場合に、その細胞懸濁液を患者への投与用に保持する
という工程を含む方法。
【0162】
[000227]その試料が、約30マイクログラム/ミリリットル未満のその非ヒトタンパク質を含有する場合に、その細胞懸濁液を患者への投与用に保持することを更に含む、段落[000226]に記載の方法。
【0163】
[000228]その試料が、約25マイクログラム/ミリリットル未満のその非ヒトタンパク質を含有する場合に、その細胞懸濁液を患者への投与用に保持することを更に含む、段落[000226]に記載の方法。
【0164】
[000229]その試料が、約13マイクログラム/ミリリットル未満のその非ヒトタンパク質を含有する場合に、その細胞懸濁液を患者への投与用に保持することを更に含む、段落[000226]に記載の方法。
【0165】
[000230]その試料が、約10マイクログラム/ミリリットル未満のその非ヒトタンパク質を含有する場合に、その細胞懸濁液を患者への投与用に保持することを更に含む、段落[000226]に記載の方法。
【0166】
[000231]その試料が、約7〜約15マイクログラム/ミリリットルのその非ヒトタンパク質を含有する場合に、その細胞懸濁液を患者への投与用に保持することを更に含む、段落[000226]に記載の方法。
【0167】
[000232]その試料が、約8〜約12マイクログラム/ミリリットルのその非ヒトタンパク質を含有する場合に、その細胞懸濁液を患者への投与用に保持することを更に含む、段落[000226]に記載の方法。
【0168】
[000233]そのヒト細胞が、付着細胞である、段落[000226]に記載の方法。
[000234]そのヒト細胞が、間葉系幹細胞である、段落[000226]に記載の方法。
[000235]その非ヒトタンパク質が、アルブミンである、段落[000226]に記載の方法。
【0169】
[000236]その非ヒトタンパク質が、ウシ血清アルブミンである、段落[000226]に記載の方法。
[000237]工程(d)が、
i.その試料を、少なくとも一つの抗アルブミン抗体と接触させ;そして
ii.その試料中のアルブミンのレベルを定量すること
を含む、段落[000235]または[000236]に記載の方法。
【0170】
[000238]その非ヒトタンパク質が、トリプシンである、段落[000226]に記載の方法。
[000239]その非ヒトタンパク質が、ブタトリプシンである、段落[000226]に記載の方法。
【0171】
[000240]工程(d)が、
i.その試料を、トリプシンへ選択的に結合する少なくとも一つの物質と接触させ;そして
ii.その試料中のトリプシンのレベルを定量すること
を含む、段落[000238]または[000239]に記載の方法。
【0172】
[000241]その少なくとも一つの物質が、トリプシン阻害剤である、段落[000240]に記載の方法。
[000242]その少なくとも一つの物質が、抗トリプシン抗体である、段落[000240]に記載の方法。
【0173】
[000243]工程(d)が、
i.その試料を、固定化トリプシン阻害剤と接触させて、固定化トリプシン阻害剤−トリプシンコンジュゲートを形成し;
ii.その固定化コンジュゲートを、抗トリプシン抗体と接触させて、固定化トリプシン阻害剤−トリプシン−抗体複合体を形成し;そして
iii.その複合体によって発生するシグナルを検出すること
を含む、段落[000238]または[000239]に記載の方法。
【0174】
[000244]細胞療法製品を製造する方法であって、
(a)非ヒトトリプシンを含む溶液中でヒト細胞をインキュベートし;
(b)それら細胞に、一定容量の液体ビヒクルを加えて、薬学的に許容しうる細胞懸濁液を得;
(c)その薬学的に許容しうる細胞懸濁液の代表する少なくとも二つの試料を得;
(d)第一試料中に存在するトリプシンレベルを決定し;
(e)トリプシンを選択的に結合する少なくとも一つの物質を含む溶液中で第二試料をインキュベートして、対照を得;
(f)その対照中のトリプシンレベルを決定し;
(g)その第一試料中のトリプシンレベルと、その対照中のトリプシンレベルとを比較して、その細胞懸濁液中のトリプシンレベルを得;そして
(h)その細胞懸濁液が、約30マイクログラム/ミリリットル未満のトリプシンを含有する場合に、細胞のその細胞懸濁液を患者への投与用に保持する
という工程を含む方法。
【0175】
[000245]その細胞懸濁液が、約25マイクログラム/ミリリットル未満のトリプシンを含有する場合に、その細胞懸濁液を保持することを更に含む、段落[000244]に記載の方法。
【0176】
[000246]その細胞懸濁液が、約13マイクログラム/ミリリットル未満のトリプシンを含有する場合に、その細胞懸濁液を保持することを更に含む、段落[000244]に記載の方法。
【0177】
[000247]その細胞懸濁液が、約10マイクログラム/ミリリットル未満のトリプシンを含有する場合に、その細胞懸濁液を保持することを更に含む、段落[000244]に記載の方法。
【0178】
[000248]その細胞懸濁液が、約7〜約15マイクログラム/ミリリットルのトリプシンを含有する場合に、その細胞懸濁液を保持することを更に含む、段落[000244]に記載の方法。
【0179】
[000249]その細胞懸濁液が、約8〜約12マイクログラム/ミリリットルのトリプシンを含有する場合に、その細胞懸濁液を保持することを更に含む、段落[000244]に記載の方法。
【0180】
[000250]そのヒト細胞が、間葉系幹細胞である、段落[000244]に記載の方法。
[000251]その物質が、トリプシン阻害剤である、段落[000244]に記載の方法。
[000252]その物質が、抗トリプシン抗体である、段落[000244]に記載の方法。
【0181】
[000253]細胞療法製品であって、段落[0002226]〜[000236]、[000238]〜[000239]または[000244]〜[000252]のいずれか一つに記載の方法によって製造された細胞療法製品。
[000254]細胞療法製品であって、段落[000237]に記載の方法によって製造された細胞療法製品。
【0182】
[000255]細胞療法製品であって、段落[000240]に記載の方法によって製造された細胞療法製品。
[000256]細胞療法製品であって、段落[000241]に記載の方法によって製造された細胞療法製品。
【0183】
[000257]細胞療法製品であって、段落[000242]に記載の方法によって製造された細胞療法製品。
[000258]細胞療法製品であって、段落[000243]に記載の方法によって製造された細胞療法製品。
【0184】
[000259]ヒト間葉系幹細胞および少なくとも一つの非ヒトタンパク質を含む薬学的に許容しうる細胞懸濁液であって、約42マイクログラム/ミリリットル未満のその非ヒトタンパク質を含有する細胞懸濁液。
【0185】
[000260]その試料が、約30マイクログラム/ミリリットル未満のその非ヒトタンパク質を含有する場合に、その細胞懸濁液を患者への投与用に保持することを更に含む、段落[000259]に記載の細胞懸濁液。
【0186】
[000261]その試料が、約25マイクログラム/ミリリットル未満のその非ヒトタンパク質を含有する場合に、その細胞懸濁液を患者への投与用に保持することを更に含む、段落[000259]に記載の細胞懸濁液。
【0187】
[000262]その試料が、約13マイクログラム/ミリリットル未満のその非ヒトタンパク質を含有する場合に、その細胞懸濁液を患者への投与用に保持することを更に含む、段落[000259]に記載の細胞懸濁液。
【0188】
[000263]その試料が、約10マイクログラム/ミリリットル未満のその非ヒトタンパク質を含有する場合に、その細胞懸濁液を患者への投与用に保持することを更に含む、段落[000259]に記載の細胞懸濁液。
【0189】
[000264]その試料が、約7〜約15マイクログラム/ミリリットルのその非ヒトタンパク質を含有する場合に、その細胞懸濁液を患者への投与用に保持することを更に含む、段落[000259]に記載の細胞懸濁液。
【0190】
[000265]その試料が、約8〜約12マイクログラム/ミリリットルのその非ヒトタンパク質を含有する場合に、その細胞懸濁液を患者への投与用に保持することを更に含む、段落[000259]に記載の細胞懸濁液。
【0191】
[000266]その非ヒトタンパク質が、アルブミンである、段落[000259]に記載の方法。
[000267]その非ヒトタンパク質が、ウシ血清アルブミンである、段落[000259]に記載の方法。
【0192】
[000268]その非ヒトタンパク質が、トリプシンである、段落[000259]に記載の方法。
[000269]その非ヒトタンパク質が、ブタトリプシンである、段落[000259]に記載の方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
精製済み間葉系幹細胞を含む薬学的に許容しうる組成物であって、一つまたはそれを超える間葉系幹細胞集合体を含み、そして該集合体のD90が、約150μm未満である薬学的に許容しうる組成物。
【請求項2】
前記集合体のD90が、約100μm未満である、請求項1に記載の薬学的に許容しうる組成物。
【請求項3】
前記集合体のD90が、約50μm未満である、請求項2に記載の薬学的に許容しうる組成物。
【請求項4】
精製済み間葉系幹細胞の生存能力が、約70%より大である、請求項1に記載の薬学的に許容しうる組成物。
【請求項5】
精製済み間葉系幹細胞の生存能力が、約80%より大である、請求項4に記載の薬学的に許容しうる組成物。
【請求項6】
精製済み間葉系幹細胞を含む薬学的に許容しうる組成物であって、約55μg/mL未満の残留ウシ血清アルブミンを含み、そしてここにおいて、間葉系幹細胞が、約18μm〜約30μmのD90を示す薬学的に許容しうる組成物。
【請求項7】
組成物が、約42μg/mL未満の残留ウシ血清アルブミンを含む、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
組成物が、約25μg/mL未満の残留ウシ血清アルブミンを含む、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
組成物が、約13μg/mL未満の残留ウシ血清アルブミンを含む、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
組成物が、約10μg/mL未満の残留ウシ血清アルブミンを含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
組成物が、約7μg/mL〜約15μg/mLの残留ウシ血清アルブミンを含む、請求項6に記載の組成物。
【請求項12】
組成物が、約8μg/mL〜約12μg/mLの残留ウシ血清アルブミンを含む、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
間葉系幹細胞が、約18μm〜約25μmのD90を示す、請求項6に記載の組成物。
【請求項14】
精製済み間葉系幹細胞の生存能力が、約70%より大である、請求項6に記載の組成物。
【請求項15】
精製済み間葉系幹細胞の生存能力が、約80%より大である、請求項14に記載の組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−500214(P2012−500214A)
【公表日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−523195(P2011−523195)
【出願日】平成21年8月14日(2009.8.14)
【国際出願番号】PCT/US2009/053891
【国際公開番号】WO2010/019886
【国際公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(500430486)オシリス セラピューティクス,インコーポレイテッド (10)
【Fターム(参考)】