説明

糊付け機における湿潤装置

【課題】適量の水を経糸に供給することが容易な湿潤装置を提供する。
【解決手段】対の絞りローラ26,27の直下には水受け器28が配置されている。絞りローラ26の直上にはパイプ形状の水供給器33が絞りローラ26の長さ方向に沿うように配設されている。水供給器33は、絞りローラ26の周面上に水を供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経糸に糊付けを行なう前に、水で濡らされた経糸を一対の絞りローラの間に通し、前記一対の絞りローラの絞り作用によって前記経糸から水を絞り取る糊付け機における湿潤装置に関する。
【背景技術】
【0002】
経糸に糊付けを行なう前に予め経糸を水で湿潤させる糊付け工程は、糊付け効果を増して糊材の節減をもたらす。一般的には、貯水槽内に貯められた80°C〜90°Cの湯に経糸を浸した後、水で湿潤した経糸を所定の水分率まで脱水してから経糸に糊付けを行えば効果的であることが知られている。
【0003】
経糸を湿潤させるための湿潤装置としては、水を貯めた貯水槽と、貯水槽内の水に浸漬された浸漬ローラと、貯水槽内の水の水面よりも上方で、浸漬ローラの周面に巻き掛けられた経糸を介して浸漬ローラの周面に押圧された絞りローラとを備えた構成が一般的である(例えば、特許文献1参照)。経糸は、貯水槽内の水に浸されて湿潤される。
【0004】
しかし、貯水槽内の水に経糸を浸すので、絞りローラで絞っても十分に脱水できず、適正な水分率(水分量÷糸重量)にならない場合がある。
特許文献2に開示の装置では、経糸の上面側にノズルから水を吹きかけ、経糸を貯水槽内の水に浸さないようにしている。
【特許文献1】特開2002−309477号公報
【特許文献2】特開2002−235272号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2に開示の装置では、経糸から水を絞るための一対の絞りローラのうち、下側の絞りローラを貯水槽内の水に浸漬させているため、この下側の絞りローラが貯水槽内の水をピックアップする。下側の絞りローラによってピックアップされた水は、経糸に付着する。絞りローラによってピックアップされた水を経糸に付着させる構成では、経糸を適正な量の水で湿潤させること、つまり適正な水分率をもたらすことは難しい。
【0006】
本発明は、適正な水分率をもたらす糊付け機における湿潤装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのために本発明は、経糸に糊付けを行なう前に、水で濡らされた経糸を一対の絞りローラの間に通し、前記一対の絞りローラの絞り作用によって前記経糸から水を絞り取る湿潤装置を対象とし、前記一対の絞りローラから落下する水を受けるように前記一対の絞りローラの下方に配置された水受け器と、前記一対の絞りローラの間に導入される前記経糸よりも上側の絞りローラの周面、又は前記一対の絞りローラよりも上流の経糸の上面側に水を供給する水供給手段とを備えた湿潤装置を構成し、前記一対の絞りローラから落下する水を受ける受け部を、記経糸よりも下側の絞りローラに接触しない位置にあるように前記水受け器に設定した。
【0008】
経糸を挟み込む上側の絞りローラの周面又は経糸の上面側に水供給手段のみから水を供給するので、適量の水を経糸に供給することが容易である。水受け器が水を貯留しないものである場合には、受け部は、水受け器の内壁面となる。水受け器が水を貯留するものである場合には、受け部は、水受け器の貯留水の液面あるいは水受け器の内壁面となる。
【0009】
請求項2の発明では、請求項1において、前記水供給手段は、前記上側の絞りローラの周面に水を供給し、前記水供給手段による前記上側の絞りローラの周面における水供給箇所は、前記周面の頂上から前記上側の絞りローラの回転方向に1/4周辿った範囲にあるようにした。
【0010】
このような範囲は、適量の水を経糸に供給する上で好適な水供給箇所である。
請求項3の発明では、請求項1及び請求項2のいずれか1項において、経糸は、前記一対の絞りローラの把持部において前記一対の絞りローラの周面に対して接線となる経路をとるようにした。
【0011】
経糸の屈曲箇所が減り、屈曲による経糸の損傷を少なくすることができる。
請求項4の発明では、請求項1乃至請求項3のいずれか1項において、前記水受け器は、水を溜めない器とした。
【0012】
水を溜めない水受け器は、従来の貯水槽に比べて簡素な構成にできる。
請求項5の発明では、である請求項1乃至請求項3のいずれか1項において、前記水受け器は、水を溜める器とした。
【0013】
水受け器で受けた水を水供給手段に送って再利用する場合には、この水を貯めて適度の温度に加熱する必要がある。水を貯めるようにした水受け器は、水を加熱する場所として好適である。
【発明の効果】
【0014】
本発明の糊付け機における湿潤装置は、適量の水を経糸に供給することを容易にするという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図1及び図2に基づいて説明する。
図1に示すように、糊付け槽11の上方にはガイドローラ12、浸漬ローラ13、絞りローラ14,15及び絞りローラ16,17が配設されている。浸漬ローラ13の一部は、糊付け槽11内の糊液Nに浸漬されている。ガイドローラ12は、シート状に配列された多数本の経糸Tを浸漬ローラ13へ案内する。絞りローラ14,16は、矢印R1の方向に回転するようになっており、絞りローラ15,17は、矢印Q1の方向に回転するようになっている。
【0016】
ガイドローラ12によって案内された経糸Tは、浸漬ローラ13に巻き掛けられる。浸漬ローラ13に巻き掛けられた経糸Tは、糊付け槽11内の糊液Nを通過して糊付けされる。糊付けされた経糸Tは、絞りローラ14,15間で挟まれると共に、絞りローラ16,17間で挟まれて糊液の一部を絞り取られる。絞りローラ16,17間を通過した経糸Tは、図示しない乾燥装置で乾燥された後に図示しない巻き取り部で巻き取られる。
【0017】
糊付け槽11には糊液槽18内の糊液Nがポンプ19によって供給されるようになっている。糊液槽18内の糊液Nが一定量以下になると、糊液供給源20から糊液が糊液槽18へ補給されるようになっている。糊付け槽11内の糊液Nは、経糸Tに付着して奪われてゆく。しかし、経糸Tによって奪われてゆく分よりも多い量の糊液がポンプ19によって糊付け槽11内に供給されるので、糊付け槽11内の糊液は、樋壁21から溢れ出る。樋壁21から溢れ出た糊液は、回収ダクト22を経由して糊液槽18へ回収される。
【0018】
糊付け槽11内には加熱パイプ23が配設されており、糊液槽18内には加熱パイプ24が配設されている。加熱パイプ23,24内には蒸気供給源25から蒸気が供給されるようになっている。加熱パイプ23内に供給された蒸気は、糊付け槽11内の糊液Nを加熱し、加熱パイプ24内に供給された蒸気は、糊液槽18内の糊液Nを加熱する。蒸気供給源25から加熱パイプ23,24内に供給される蒸気量は、糊付け槽11内の糊液Nの温度及び糊液槽18内の糊液Nの温度が所望の温度範囲(例えば、90°C〜95°C)内に入るように調整される。
【0019】
糊付け槽11内へ送られるシート状の経糸Tは、ガイドローラ12の手前で一対の絞りローラ26,27の間を通される。対となる絞りローラ26,27は、経糸Tを挟み込んで矢印Ro,Qoの方向に回転するようになっている。経糸Tは、対となる絞りローラ26,27の把持部Hにおいて絞りローラ26,27の周面261,271に対する接線となる経路をとっている。
【0020】
対の絞りローラ26,27の直下には水受け器28が配置されている。水受け器28の底壁281は、下に凹む形状となっており、底壁281の最下部には回収パイプ29が接続されている。
【0021】
水受け器28よりも下方には貯水槽30が配設されている。回収パイプ29は、貯水槽30の直上に導かれている。貯水槽30内には水Wが貯められている。貯水槽30内には加熱パイプ31が配設されている。加熱パイプ31内には蒸気供給源25から蒸気が供給されるようになっている。加熱パイプ31内に供給された蒸気は、貯水槽30内の水Wを加熱する。蒸気供給源25から加熱パイプ31内に供給される蒸気量は、貯水槽30内の水Wの温度が所望の温度範囲(例えば、90°C〜95°C)内に入るように調整される。
【0022】
貯水槽30の底壁301には供給パイプ32が接続されている。供給パイプ32にはパイプ形状の水供給器33が接続されている。水供給器33は、絞りローラ26の直上で絞りローラ26の長さ方向に沿うように配設されている。
【0023】
供給パイプ32の途中にはポンプ34が介在されている。ポンプ34は、貯水槽30内の水Wを供給パイプ32を介して水供給器33の筒内へ圧送する。貯水槽30内の水Wが一定量以下になると、水供給源35から水が貯水槽30へ補給されるようになっている。貯水槽30内の水Wの液面W1の高さは、レベルセンサ39によって検出される。レベルセンサ39によって得られた液面レベル情報は、コントローラCへ送られる。コントローラCは、液面レベル情報に基づいて開閉弁40の開閉を制御する。貯水槽30内の水Wの液面W1の高さが一定以下になると、コントローラCは、開閉弁40を開く。これにより水供給源35内の水が貯水槽30へ送られる。貯水槽30内の水Wの液面W1の高さが所定高さになると、コントローラCは、開閉弁40を閉じ、水供給源35内の水の供給が停止される。水供給源35からの水供給が停止される所定高さの液面は、水受け器28より下方に設定されている。
【0024】
図2(b)に示すように、パイプ形状の水供給器33の周壁の外周面には溝36が水供給器33の長さ方向に沿って形成されている。溝36の底には複数の吐出孔37が一定の間隔を置いて形成されている。吐出孔37は、溝36と、水供給器33の筒内とを連通しており、水供給器33の筒内へ圧送された水が吐出孔37から溝36へと吐出される。
【0025】
図1及び図2(a)に示すように、溝36は、垂直方向に見て、絞りローラ26の上半周側の降り四半周S1の範囲内に入る位置に配置されている。つまり、溝36は、垂直方向に見て、絞りローラ26の頂上262から絞りローラ26の回転方向Roに1/4周辿って上半周と下半周との境Kに至る範囲(降り四半周S1)内に入る位置に配置されている。
【0026】
絞りローラ26,27が回転しているときには、ポンプ34が作動し、貯水槽30内の水Wがポンプ34の作動によって水供給器33の筒内へ圧送される。水供給器33へ供給される水の流量調整は、例えばポンプ34の回転数を調整することによって容易に行える。
【0027】
水供給手段としての水供給器33の筒内へ圧送された水は、複数の吐出孔37から吐出される。複数の吐出孔37から吐出された水は、溝36内で合流して膜状となって絞りローラ26の降り四半周S1上に供給される。膜状の水は、絞りローラ26の降り半周S2(図1に図示)を伝い降りて把持部H付近で経糸Tに付着する。把持部H付近で経糸Tに付着した水の一部は、絞りローラ26,27の絞り作用によって経糸Tから絞り取られる。
【0028】
経糸Tから絞り取られた水は、下側の絞りローラ27の昇り半周U(図1に示すように把持部Hから絞りローラ27の周面271の最下位272に至る範囲)を伝い降りる。絞りローラ27の昇り半周Uを伝い降りる水の一部は、絞りローラ27の回転に伴って把持部Hに移行して経糸Tに付着する。絞りローラ27の昇り半周Uを伝い降りる水の一部は、水受け器28の底壁281の内壁面282上に落下する。水受け器28の底壁281の内壁面282上に落下した水は、絞りローラ27に付着しない。つまり、絞りローラ27が水受け器28内に落下した水をピックアップすることはない。下側の絞りローラ27に接触しない位置にあるように水受け器28に設けられた底壁281の内壁面282は、絞りローラ26,27から落下する水を受ける受け部である。水受け器28内に落下した水は、回収パイプ29を経由して貯水槽30内へ回収される。
【0029】
貯水槽30に回収された水は、ポンプ34の作動によって水供給器33へ送られる。貯水槽30、供給パイプ32及びポンプ34は、水受け器28によって受けられた水を水供給器33に送る還流手段を構成する。
【0030】
第1の実施形態では以下の効果が得られる。
(1−1)貯水槽30内の水は、水供給器33のみから経糸Tを挟み込む上側の絞りローラ26の周面261に供給される。経糸Tを挟み込む上側の絞りローラ26の周面261に水供給器33のみから水を供給する構成では、適量の水を経糸Tに供給することが容易である。
【0031】
(1−2)降り四半周S1は、絞りローラ26の回転に伴って経糸T上に向けて降ってゆく範囲であり、水供給器33から吐出された水は、経糸T上に向けて降ってゆく降り四半周S1上に着地する。降り四半周S1上に着地した水は、把持部H付近の経糸T上に確実に到達する。降り四半周S1は、水供給器33から吐出された水を経糸T上に適量導く上で好適な水供給箇所である。
【0032】
(1−3)経糸Tは、把持部Hにおいて一対の絞りローラ26,27の周面261,271に対する接線となる経路をとっている。つまり、経糸Tは、屈曲しないで把持部Hを通過している。経糸Tを屈曲しないで把持部Hを通過させる構成は、経糸Tの屈曲箇所を減らし、屈曲による経糸Tの損傷を少なくすることができる。
【0033】
(1−4)水受け器28内に落下した水は、水受け器28内に溜まることなく貯水槽30へ移行する。水を貯めない水受け器28は、経糸を浸すための従来の貯水槽に比べて簡素かつコンパクトな構成にできる。
【0034】
(1−5)経糸を浸す必要のない貯水槽30は、経糸を浸すための従来の貯水槽よりもコンパクトにできる。従って、貯水槽30に貯める水の量は、経糸を浸すための従来の貯水槽に貯める水の量よりも少なくて済む。貯水量の低減は、水を加熱するための熱エネルギーの省エネルギーをもたらす。
【0035】
次に、図3の第2の実施形態を説明する。第1の実施形態と同じ構成部には同じ符合が用いてある。
絞りローラ26,27の直下には貯水式の水受け器38が配置されている。水受け器38内には水Wが貯められており、絞りローラ26,27から落下する水は、水受け器38内の貯留水の液面上で受けられる。水受け器38内の水Wが一定量以下になると、水供給源35から水が水受け器38へ補給されるようになっている。水受け器38内の貯留水の液面は、絞りローラ27よりも下方にあり、絞りローラ27が水受け器38内の水をピックアップすることはない。絞りローラ26,27から落下する水を受ける液面W1は、下側の絞りローラ27に接触しない位置にあるように水受け器38に設定された受け部である。
【0036】
水受け器38内の水Wは、ポンプ34の作動によって水供給器33へ供給される。水受け器38内には加熱パイプ31が配設されている。加熱パイプ31内には蒸気供給源25(図1参照)から蒸気が供給されるようになっている。加熱パイプ31内に供給された蒸気は、水受け器38内の水Wを加熱する。
【0037】
第2の実施形態では、第1の実施形態における(1−1)〜(1−3)項と同様の効果が得られる。
水Wを貯めるようにした水受け器38は、水Wを加熱する場所として好適である。
【0038】
次に、図4の第3の実施形態を説明する。第1の実施形態と同じ構成部には同じ符合が用いてある。
水供給器33は、絞りローラ26,27の把持部Hよりも上流の経糸Tの直上、かつ水受け器28の直上に配設されている。水供給器33の吐出孔37から吐出された水は、把持部Hよりも上流の経糸Tの上面側に落下する。経糸T上に落下した水の一部は、水受け器28内に落下し、経糸T上に落下した水の一部は、経糸Tの移動に伴って把持部Hへ移行する。経糸Tと共に把持部Hへ移行した水の一部は、絞りローラ26,27の絞り作用によって絞り取られる。
【0039】
経糸Tから絞り取られた水は、下側の絞りローラ27の昇り半周Uを伝い降りる。絞りローラ27の昇り半周Uを伝い降りる水の一部は、絞りローラ27の回転に伴って把持部Hに移行して経糸Tに付着する。絞りローラ27の昇り半周Uを伝い降りる水の一部は、水受け器28内に落下する。
【0040】
貯水槽30内の水は、水供給器33のみから把持部Hより上流の経糸Tの上面側に供給される。把持部Hより上流の経糸T上に水供給器33のみから水を供給する構成では、適量の水を経糸Tに供給することが容易である。
【0041】
又、第3の実施形態では、第1の実施形態における(1−3)項及び(1−4)項と同様の効果が得られる。
次に、図5の第4の実施形態を説明する。第1の実施形態と同じ構成部には同じ符合が用いてある。
【0042】
絞りローラ26,27の上方には貯水槽30が配設されている。貯水槽30内の水が一定量以下になると、水供給源35から水が貯水槽30へ補給されるようになっている。水受け器28に接続された回収パイプ29は、貯水槽30の直上に導かれており、回収パイプ29の途中にはポンプ34が介在されている。貯水槽30の底壁301に接続された供給パイプ32の途中には手動式の流量調整弁41が介在されている。
【0043】
貯水槽30内の水Wは、供給パイプ32及び流量調整弁41を経由して水供給器33へ供給される。水供給器33へ供給された水は、吐出孔37から絞りローラ26上に供給される。絞りローラ27から水受け器28内に落下した水は、回収パイプ29内へ導かれる。回収パイプ29内へ導かれた水は、ポンプ34の作動によって貯水槽30内へ排出される。
【0044】
水供給器33への水の供給流量の調整は、流量調整弁41における弁開度(通過断面積)を調整することによって容易に行える。
第4の実施形態では、第1の実施形態における(1−1)〜(1−5)項と同様の効果が得られる。
【0045】
本発明では以下のような実施形態も可能である。
(1)第1の実施形態において、把持部Hにおいて経糸Tを屈曲させて把持部Hを通過させるようにしてもよい。
【0046】
(2)第1の実施形態において、把持部Hに向けて水供給器33から水を供給するようにしてもよい。
(3)第1の実施形態において、絞りローラ26の周面261に接触して水を絞りローラ26の周面261に塗布する水供給手段を用いてもよい。
【0047】
(4)第1の実施形態において、水受け器28の直上、かつ絞りローラ26,27の上流側又は下流側に一対の絞りローラを配設し、この対の絞りローラの間にも経糸を通すようにしてもよい。
【0048】
前記した実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
〔1〕前記経糸よりも下側の絞りローラより下方に液面が位置するように前記一対の絞りローラから落下する水を貯留する水貯留部を備えている請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の糊付け機における湿潤装置。
【0049】
ここにおける水貯留部は、貯水槽30あるいは水受け器38のことである。
〔2〕前記水受け器によって受けられた水を前記水供給手段に送る還流手段を備えている請求項1乃至請求項5及び前記〔1〕項のいずれか1項に記載の糊付け機における湿潤装置。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】第1の実施形態を示す糊付け機の概略図。
【図2】(a)は要部拡大断面図。(b)は(a)のA−A線断面図。
【図3】第2の実施形態を示す要部概略図。
【図4】第3の実施形態を示す要部概略図。
【図5】第4の実施形態を示す要部概略図。
【符号の説明】
【0051】
26,27…絞りローラ。261,271…周面。262…頂上。28,38…水受け器。282…受け部としての内壁面。33…水供給手段としての水供給器。H…把持部。T…経糸。W…水。W1…受け部としての液面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
経糸に糊付けを行なう前に、水で濡らされた経糸を一対の絞りローラの間に通し、前記一対の絞りローラの絞り作用によって前記経糸から水を絞り取る糊付け機における湿潤装置において、
前記一対の絞りローラから落下する水を受けるように前記一対の絞りローラの下方に配置された水受け器と、
前記一対の絞りローラの間に導入される前記経糸よりも上側の絞りローラの周面、又は前記一対の絞りローラよりも上流の経糸の上面側に水を供給する水供給手段とを備え、
前記一対の絞りローラから落下する水を受ける受け部が前記経糸よりも下側の絞りローラに接触しない位置にあるように前記水受け器に設定されている糊付け機における湿潤装置。
【請求項2】
前記水供給手段は、前記上側の絞りローラの周面に水を供給し、前記水供給手段による前記上側の絞りローラの周面における水供給箇所は、前記周面の頂上から前記上側の絞りローラの回転方向に1/4周辿った範囲にある請求項1に記載の糊付け機における湿潤装置。
【請求項3】
前記経糸は、前記一対の絞りローラの把持部において前記一対の絞りローラの周面に対して接線となる経路をとるようにした請求項1及び請求項2のいずれか1項に記載の糊付け機における湿潤装置。
【請求項4】
前記水受け器は、水を溜めない器である請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の糊付け機における湿潤装置。
【請求項5】
前記水受け器は、水を溜める器である請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の糊付け機における湿潤装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2006−77362(P2006−77362A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−262758(P2004−262758)
【出願日】平成16年9月9日(2004.9.9)
【出願人】(000124672)河本製機株式会社 (2)
【Fターム(参考)】