説明

糖化液の製造方法

【課題】海藻類バイオマスから、効率的に、高濃度の糖化液を得る手段を提供する。
【手段】本発明の糖化液の製造方法は、海藻類バイオマスを脱水して、該海藻類バイオマスの含水率を10〜70%とする脱水工程;脱水工程で得られた海藻類バイオマスを切断する切断工程;及び、切断工程で得られた海藻類バイオマスを、加水分解触媒及び/又は加水分解酵素を用いて加水分解して、単糖を含む糖化液を得る糖化工程;を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、糖化液の製造方法に関する。特に、本発明は、海藻類バイオマスから、効率よく高濃度の糖化液を得ることができる、糖化液の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、世界的な化石燃料の大量使用による、資源枯渇又は環境汚染が懸念されており、安定的で、かつ持続的なエネルギー生産を可能とする新たな再生代替エネルギーに関心が集まっている。このような代替エネルギー開発の一環として、バイオマス資源からバイオ燃料を生産する技術が最も注目されている。
【0003】
現在、サトウキビなどの糖質系バイオマス、トウモロコシなどのデンプン系バイオマスを原料とした第1世代のバイオ燃料が生産されている。しかしながら、食料又は家畜飼料との競合、栽培面積の飽和など、原料となるバイオマスの確保についての問題が山積している。
【0004】
そこで、地球上で最も豊富で、枯渇の心配のないリサイクルの可能な資源である、リグノセルロース系バイオマスを原料とした第2世代のバイオ燃料が開発されている。しかしながら、リグノセルロースは難分解性芳香族重合体であるリグニンと、炭水化物のセルロース及びヘミセルロースとの複合体であり、リグニンを除去するために複雑で高コストの前処理工程を経なければならない。
【0005】
このような背景から、最近、海藻類を原料としたバイオ燃料の開発が進められている。海藻類は成長速度が速く、大量栽培が容易である。また、海藻類は、二酸化炭素の吸収能力が高く、効果的に二酸化炭素を固定化することができることから、新しいエネルギー資源として好適であるとして期待される。このような海藻類の組織は、リグニンの組織に比べて緻密でないため、第1世代及び第2世代のバイオ燃料で使用されるバイオマスに比べて糖化しやすく、糖化液の大量生産も容易である。また、比較的豊富な海洋資源を活用することができるため、大きな将来性を秘めている。
【0006】
現在知られている海藻類バイオマスを原料とした糖化液の製造方法では、まず、海藻類バイオマスを乾燥させて水分を除去し、これを粉末化した後に、加水分解による糖化を行っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述の従来の製造方法における乾燥工程及び粉末化工程は、エネルギーコストが高く、時間的・空間的制約が大きいという問題点を有していた。
【0008】
そこで、本発明は、海藻類バイオマスから、効率的に、高濃度の糖化液を得る手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための本発明の糖化液の製造方法は、下記の工程を含む。
【0010】
海藻類バイオマスを脱水して、該海藻類バイオマスの含水率を10〜70%とする脱水工程;脱水工程で得られた海藻類バイオマスを切断する切断工程;及び、切断工程で得られた海藻類バイオマスを、加水分解触媒及び/又は加水分解酵素を用いて加水分解して、単糖を含む糖化液を得る糖化工程。
【0011】
また、本発明によると、上記糖化液の製造方法で得られた糖化液中に含まれる単糖を、微生物を用いて発酵させる、バイオ燃料の製造方法が提供される。
【0012】
また、本発明によると、海藻類バイオマスの輸送通路として中空部を有する輸送管と、輸送管の一方の端部に配置されてなる、バイオマスを投入するための注入口と、輸送管の中空部に配置されてなり、軸回転により海藻類バイオマスに輸送駆動力を与えるスクリューと、輸送管の他方の端部に配置されてなり、海藻類バイオマスを排出するための吐出口と、を含む脱水装置;脱水装置の吐出口側の端部に連結されており、海藻類バイオマスを切断するための切断機を含む切断装置;及び、切断装置に連結されてなり、切断された海藻類バイオマスを加水分解するための反応器を備えた糖化装置;及び、糖化装置に連結されてなり、蒸気を糖化装置に供給するための蒸気発生装置;を含む、海藻類バイオマスの前処理及び糖化装置が提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明の糖化液の製造方法によると、海藻類バイオマスの前処理及び糖化を効率的に行うことができ、また、高濃度の糖化液を得ることができる。従来の製造方法のような、エネルギーコストが高く、時間的・空間的制約を受ける乾燥及び粉末化工程を行わなくてよいため、産業的な効用価値に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係る糖化液の製造方法の工程を表すフローチャートである。
【図2】本発明の他の一実施形態に係る前処理及び糖化装置を表す模式図である。
【図3】本発明の他の一実施形態に係る脱水装置を表す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら本形態を説明するが、本発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて定められるべきであり、以下の形態のみに制限されない。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0016】
<1.糖化液の製造方法>
図1に、本発明の一実施形態に係る糖化液の製造方法の工程を表すフローチャートを示す。図1によると、本形態に係る糖化液の製造方法は、下記の工程を含む。
【0017】
海藻類バイオマスを脱水して、該海藻類バイオマスの含水率を10〜70%とする脱水工程(S2);脱水工程で得られた海藻類バイオマスを切断する切断工程(S3);及び、切断工程で得られた海藻類バイオマスを、加水分解触媒及び/又は加水分解酵素を用いて加水分解して、単糖を含む糖化液を得る糖化工程(S4)。
【0018】
海藻類バイオマスは、本形態の糖化液の製造方法における原料である。海藻類バイオマスとしては、例えば、紅藻類、褐藻類、及び緑藻類などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの海藻類は、海洋中に生息する野生のものを直接採取してもよいし、養殖して得ることもできる(S1)。
【0019】
紅藻類としては、例えば、テングサ(Gelidium amansii)、オゴノリ(Gracilaria verrucosa)、ウシケノリ(Bangia atropurpurea)、マルバアマノリ(Porphyra suborbiculata)、スサビノリ(Porphyra yezoensis)、ヒラガラガラ(Galaxaura falcate)、フサノリ(Scinaia japonica)、ヒメテングサ(Gelidium divaricatum)、オオブサ(Gelidium pacificum)、ヒライボ(Lithophylum okamurae)、クサノカキ(Lithothammion cystocarpideum)、カニノテ(Amphiroa anceps)、アンピロアベアヴォイシ(Amphiroa beauvoisii)、サンゴモ(Corallina officinalis)、ピリヒバ(Corallina pilulifera)、フサカニノテ(Marginisporum aberrans)、コメノリ(Carpopeltis prolifera)、ムカデノリ(Grateloupia filicina)、タンバノリ(Grateloupia elliptica)、フダラク(Grateloupia lanceolanta)、ツルツル(Grateloupia turtuturu)、キジノオ(Phacelocarpus japonicus)、フクロフノリ(Gloiopeltis furcata)、イバラノリ(Hypnea charoides)、カギイバラノリ(Hypnea japonica)、サイダイバラ(Hypnea saidana)、コンドロスクリスプス(Chondrus cripspus)、スギノリ(Chondracanthus tenellus)、カバノリ(Gracilaria textorii)、フシツナギ(Lomentaria catenata)、イソハギ(Heterosiphonia japonica)、ユナ(Chondria crassicaulis)、イソムラサキ(Symphyocladia latiuscula)、スサビノリ(Porphyra yezoensis Ueda)、コトニー(Cottonii)、フダラク(Grateloupia lanceolata)、オバクサ(Pterocladia tenuis)、ユイキリ(Acanthopeltis japonica)、マフノリ(Gloiopeltis tenax)、アイリッシュモス(Irish moss)、タンバノリ(Pachymeniopsis elliptica)、イギス(Ceramium kondoi)、アミクサ(Ceramium boydenii)、スギノリ(Gigartina tenella)、及びエゴノリ(Campylaephora hypnaeoides)などが挙げられる。
【0020】
緑藻類としては、例えば、アオノリ(Enteromorpha)、アオミドロ(Spirogyra spp.)、ミル(Codium fragile)、タマミル(Codium minus)、フサイワヅタ(Caulerpa okamurai)、及びイシクラゲ(Nostoc commune)などが挙げられる。
【0021】
褐藻類としては、例えば、マコンブ(Laminaria japonica)、ワカメ(Undaria pinnatifida)、ヒジキ(Hizikia fusiforme)、マツモ(Analipus japonicus)、ナガマツモ(Chordaria flagelliformis)、イシゲ(Ishige okamurai)、カヤモノリ(Scytosiphon lomentaria)、ババノリ(Endarachne binghamiae)、カジメ(Ecklonia cava)、ツルアラメ(Ecklonia stolonifera)、アラメ(Eisenia bicyclis)、スジメ(Costaria costata)、ホンダワラ(Sargassum fulvellum)、アカモク(Sargassum horneri)、及びウミトラノオ(Sargassum thunbergii)などが挙げられる。これらの海藻類は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いても勿論構わない。
【0022】
一般的に海藻類は、海洋から採取した直後は70〜95%程度の多量の水分を含有している。従来の製造方法によると、採取した海藻類を、含水率が0%近くになるまで乾燥させた後、粉末化する前処理工程を経ていた。これは、乾燥状態である陸上植物からバイオ燃料を製造する際の前処理、糖化、及び発酵工程を海藻類にも同様に適用したからである。しかし、このような乾燥及び粉末化工程はエネルギーの大量消費及びコストアップをもたらすだけでなく、養殖及び収穫地域から乾燥及び粉末化のための処理地域にバイオマスを輸送しなければならず、時間的・空間的制約が多いという問題点があった。
【0023】
しかしながら、本形態の製造方法によると、海藻類バイオマスを完全に乾燥することなく、水分を含有したままの状態で糖化工程に供する湿式工程を利用することができる。ただし、糖化率を高めるために、海藻類バイオマスをある程度の大きさに切断して比表面積を高めることが効率的である。したがって、少なくとも切断工程に供することができる程度に海藻類バイオマスの含水率を下げることが必要である。そこで、脱水工程で海藻類バイオマスは含水率が10〜70%、好ましくは20〜60%になるように脱水される。なお、本明細書において、海藻類バイオマスの含水率は、(含水状態の質量−乾燥状態の質量)/含水状態の質量×100で算出される値を採用する。
【0024】
脱水工程における温度は、15〜35℃であることが好ましく、室温(25℃)であることがより好ましい。また、脱水時間は、0.5〜100分間であることが好ましい。本形態によれば、熱風器などを利用した高温での乾燥工程を要しないため、エネルギー及び処理時間の浪費を最小化することができる。
【0025】
脱水工程は、例えば、軸回転により海藻類バイオマスに輸送駆動力を提供するスクリューを含む脱水装置を利用して行うことができる。かような脱水装置によると、スクリューの回転による遠心力により、海藻類バイオマス中の水分が脱離される。この場合、スクリューの回転速度が大きいほど脱水効果が大きくなるので、海藻類バイオマスの含水率は低くなる。また、海藻類バイオマスが脱水装置の内表面と接触しながら回転するため、摩擦力により海藻類バイオマスの表面組織が破壊され、糖化に有利な物理的処理が行われうる。
【0026】
本形態で使用されうる脱水装置は、特に制限はなく、当分野に公知の脱水装置を使用することができる。一例としては、海藻類バイオマスが流入される注入口側の内径に比べて吐出される吐出口側の内径が小さい脱水装置が挙げられる。かような脱水装置を用いることによって、海藻類バイオマス中の水分が効率に除去され、続く切断工程をスムーズに行うことができる。
【0027】
本形態の糖化液の製造方法では、上記脱水工程に先立って、海藻類バイオマスの不純物などを除去するための洗浄工程を行ってもよい。このような海藻類バイオマスの洗浄は、例えば、海水及び/又は淡水を用いて行うことができる。
【0028】
このとき、洗浄工程および脱水工程は一つの装置内で連続工程により行われうる。例えば、脱水装置に海藻類バイオマスを投入した後、脱水装置内に海水及び淡水を順次投入して洗浄を行い、その後、海藻類バイオマス中に存在する水分及び洗浄のために投入された水分を脱水することができる。このために、上記の脱水装置には洗浄のための海水又は淡水が投入されうる1以上の投入口、及び海藻類バイオマスから水分を排出する1以上の排出口が設置されうる。
【0029】
また、脱水装置内で海藻類バイオマスを回転させることによって均一な洗浄が行われうる。
【0030】
脱水工程を経た後、脱水装置から排出された海藻類バイオマスは、切断工程を経る。該切断工程で、海藻類バイオマスを所定の大きさに切断して比表面積を大きくすることにより、効率的な糖化を行うことができる。切断工程を行うための切断装置は、例えば、海藻類バイオマスを投入する投入部、海藻類バイオマスを切断するための切断機、及び切断された海藻類バイオマスを排出される排出部を含みうる。切断機としては、例えば、ナイフなどが挙げられ、これらは1又は2以上設置されうる。切断機が複数個設けられる場合には、切断機は垂直又は水平方向に均一な間隔で配置されうる。例えば、垂直方向に上昇及び下降する切断機が水平方向に複数個配置された構造でありうる。また、切断装置は、脱水装置に直接連結することもできるし、ベルトコンベアなどのように連続的、反復的に海藻類バイオマスを供給及び排出できる輸送装置などを介して間接的に連結することもできる。
【0031】
切断工程によって切断された海藻類バイオマスの大きさ(長さ×幅)は、特に制限はないが、糖化効率を上昇させる観点から1×1cm〜10×10cmの範囲とすることが好ましい。なお、厚みは特に制限はない。
【0032】
切断工程を経て切断された海藻類バイオマスは、加水分解により単糖に変換される糖化工程に供される。糖化工程は、海藻類バイオマスを直接単糖に加水分解する直接糖化と、海藻類バイオマスから多糖を抽出した後、抽出された多糖を単糖に加水分解する間接糖化などを含み、1段階又は多段階で行われうる。
【0033】
単糖又は多糖の種類は、海藻類バイオマスの種類及び成分により変わりうる、多糖としては、例えば、アガロース、アガロペクチン、セルロース、デンプン(アミロース、アミロペクチン)、カラギーナン、及びアルギン酸などが挙げられる。
【0034】
また、単糖としては、例えば、グルコース、ガラクトース、ガラクトース誘導体、3,6−アンヒドロガラクトース、フコース、ラムノース、キシロース、アラビノース、及びマンノースなどが挙げられる。これらの単糖又は多糖は、1種が単独で含まれる場合もあるし、2種以上の混合物として含まれる場合もある。
【0035】
糖化工程は、加水分解触媒及び/又は加水分解酵素を用いた加水分解により行われる。例えば、切断された海藻類バイオマスに加水分解触媒を添加し、加水分解反応を行うことによって、単糖又は単糖と多糖との混合物が得られる。該加水分解の生成物に多糖が含まれる場合は、再度、加水分解触媒又は加水分解酵素によって加水分解することによって単糖に変換することができる。
【0036】
加水分解酵素としては、例えば、α−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、エンドグルカナーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、β−グルコシダーゼ、α−アガラーゼ、β−アガラーゼI、β−アガラーゼII、β−ガラクトシダーゼ、及びα−ネオアガロビオースヒドロラーゼ(neoagrobiose hydrolase)などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0037】
また、加水分解触媒としては、特に制限はないが、例えば固体酸を使用することができる。
【0038】
従来の製造方法では、海藻類バイオマスを含水率が0%近くになるまで乾燥させ、粉末化した後に糖化していたため、加水分解触媒として液体酸又は酸溶液を使用することがほぼ必須であった。しかしながら、酸溶液を用いる場合には、多量の溶媒を使用するため、得られる糖化液の糖濃度は低い。したがって、糖濃度を高めるために溶媒を除去する濃縮工程を別途設けなければならないという問題点を有していた。
【0039】
しかしながら、本形態に係る糖化方法によると、含水率が10〜70%の海藻類バイオマスを使用するため、溶媒を添加する必要がなく、固体酸をそのまま使用することができる。
【0040】
上記の固体酸は、海藻類バイオマス中に存在する水分と反応して、水和反応により液体酸を形成する。例えば、下記式のように固体酸の三酸化硫は水和反応により硫酸になる。
【0041】
【化1】

【0042】
即ち、上記の固体酸を使用する場合には、濃度調節のための溶媒を別途加えなくてもよいため、糖化工程の後に溶媒除去工程を行う必要がなく、糖濃度の低下を防止することができる。
【0043】
例えば、従来の乾燥工程を経た含水率0%に近い海藻類バイオマスに対して加水分解触媒として1〜5%の酸を用いる場合、海藻類バイオマス:溶媒の質量:体積比が、1:30〜1:70程度となるように多量の溶媒を使用しなければならず、また、得られる糖化液の糖濃度も0.5〜0.6%程度に過ぎない。なお、上記でいう「溶媒」とは、海藻類バイオマスに含まれている水以外に別途添加される酸溶液などの液体を意味する。
【0044】
一方、本形態に係る糖化方法によると、含水率が40〜50%の海藻類バイオマスの場合には、海藻類バイオマス(含水状態):溶媒の質量:体積比が1:5〜1:7程度となり、得られる糖化液の糖濃度も4〜6%程度と、従来の製造方法よりも9〜10倍程度高くなる。したがって、本形態の製造方法によると、溶媒除去コストを大幅に低減することができる。
【0045】
固体酸の種類は特に制限されないが、例えば、無水硫酸(SO)、スルファミン酸、クエン酸、コハク酸、マレイン酸、及びフタル酸からなる群から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。また、固体酸の添加量は、海藻類バイオマスの含水率、構成成分などにより適宜調節することができるが、加水分解の反応液全質量に対して、0.5〜1質量%になるように添加することが好ましく、1〜5質量%になるように添加することがより好ましい。
【0046】
糖化工程において、加水分解が加水分解触媒を用いて行われる場合の反応条件は、特に制限はない。一般的には、反応温度は80〜200℃であり、反応圧力は1〜10barであり、反応時間は0.5〜24時間、好ましくは1〜5時間で行われうる。必要に応じて、反応時に100〜250℃の高温蒸気を反応系内に供給してもよい。
【0047】
このような糖化工程を経ることによって、単糖又は単糖と多糖との混合物を得ることができる。単糖と多糖との混合物が得られる場合には、多段階の糖化により多糖からさらに単糖を回収することもできる。単糖と多糖との混合物の一例としては単糖であるガラクトースと多糖であるセルロースが挙げられる。該セルロースは、セルラーゼなどの加水分解酵素を用いて加水分解することにより、単糖であるグルコースに変換されうる。
【0048】
<2.バイオ燃料の製造方法>
次に、本発明の他の形態に係るバイオ燃料の製造方法について説明する。該バイオ燃料の製造方法は、上記糖化液の製造方法で得られた糖化液中に含まれる単糖を、微生物を用いて発酵させる。
【0049】
例えば、グルコース、ガラクトースなどの単糖を、微生物を用いて発酵させることによってエタノールなどのバイオ燃料が得られる。
【0050】
上述のように、上記糖化液の製造方法で得られる糖化液に含まれる単糖は、グルコース、ガラクトース、ガラクトース誘導体、3,6−アンヒドロガラクトース、フコース、ラムノース、キシロース、グルクロン酸、アラビノース、及びマンノースからなる群から選択された少なくとも1種を含みうる。
【0051】
発酵工程は、下記式で示すように、糖化工程により生成されたグルコースなどの単糖を、酵母などの微生物によって発酵させ、アルコールなどに変換する工程である。
【0052】
【化2】

【0053】
バイオ燃料としては、上記のエタノールの他にも、炭素原子数1〜4のアルコール、炭素原子数2〜4のケトン、オレフィン、およびエステルなどが挙げられる。より具体的には、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、エチレン、プロピレン、および脂肪酸メチルエステルなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0054】
単糖の発酵に用いられる微生物は、単糖の種類により、当分野で知られる多様な微生物が、適宜使用されうる。
【0055】
微生物としては、例えば、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、クレブシエラ・オキシトカ(Klebsiella oxytoca)(このうち、例えば、P2)、ブレタノマイセス・カスターシイ(Brettanomyces curstersii)、サッカロマイセス・ウブズルン(Saccharomyces uvzrun)、カンジダ・ブラシカエ(Candida brassicae)、サルシナ・ベントリクリ(Sarcina ventriculi)、ザイモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis)、クルイベロマイセス・マルキシアヌス(Kluyveromyces marxianus)(このうち、例えば、IMB3)、クロストリジウム・アセトブチリクム(Clostridium acetobutylicum)、クロストリジウム・ベイエリンキイ(Clostridium beijerinckii)、クリュイベロマイセス・フラギリス(Kluyveromyces fragilis)、クロストリジウム・アウランチブチリカム(Clostriduim aurantibutylicum、及びクロストリジウム・テタノモーファム(Clostridium tetanomorphum)などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0056】
本形態に係る発酵工程は、上述の糖化工程と別の反応器で行う分離糖化発酵(Separate Hydrolysis and Fermentation;SHF)工程で行うこともでき、一つの反応器で糖化と発酵を同時に行う同時糖化発酵(Simultaneous Saccharification and Fermentation;SSF)工程で行うこともできる。
【0057】
分離糖化発酵工程によると、糖化工程と発酵工程にそれぞれ最適化した条件下で反応させることができるという長所がある一方、最終生成物によって加水分解酵素反応が阻害される虞があり、このような阻害が起こる場合、酵素の量を増やしたりする対応を取らなくてはならないため、非経済的となってしまう可能性がある。例えば、このセルロースを糖化する工程における中間生成物であるセロビオースの加水分解反応は、最終生成物のグルコースによって阻害される。したがって、反応が進むにつれてグルコースの濃度が高くなると、加水分解反応が完結していなくても反応が終結されうる。
【0058】
一方、同時糖化発酵工程によると、糖化工程でグルコースが生成された後、直ちに酵母の発酵によりグルコースが変換されるため、反応系内の糖の蓄積を最小化できる。したがって、分離糖化発酵工程で見られるような最終生成物阻害を防止することができ、酵素の加水分解反応の効率を向上させることができる。また、添加する酵素量を低減できることによるコスト削減や、反応器を減らすことができることによる設備コストの削減を図ることがでる。さらに、反応器内にエタノールが存在するため、エタノールが大気中に揮発するのを防ぐことができる。
【0059】
必要に応じて、上記の発酵工程により得た発酵液を、精製する精製工程をさらに設けることもできる。精製工程は当分野で公知の方法を適宜採用することができる。
【0060】
<3.海藻類バイオマスの前処理/糖化装置>
次に、本発明の他の形態に係る海藻類バイオマスの前処理及び糖化装置について説明する。図2は、本発明の一実施形態に係る海藻類バイオマスの前処理/糖化装置を表す模式的図である。
【0061】
図2によると、本形態の前処理/糖化装置は、海藻類バイオマスの輸送通路である中空部を有する輸送管110と、輸送管110の一方の端部に配置されてなる、海藻類バイオマスを投入するための注入口120と、輸送管110の中空部に配置されてなり、軸回転により海藻類バイオマスに輸送駆動力を与えるスクリュー130と、輸送管110の他方の端部に配置されてなる、海藻類バイオマスを排出するための吐出口140と、を含む脱水装置100;脱水装置100の吐出口140側の端部に配置されてなり、海藻類バイオマスを切断するための切断機を含む切断装置200;切断装置200に配置されてなり、切断された海藻類バイオマスを加水分解するための反応器を備えた糖化装置300;及び、糖化装置300に連結されてなり、蒸気を糖化装置300に供給するための蒸気発生装置400;から構成される。
【0062】
注入口120を通して脱水装置100に海藻類バイオマスが投入されると、スクリュー130の回転により海藻類バイオマスが吐出口140側に輸送される。このとき、スクリュー130の回転によって生じる遠心力により水分が脱離されうる。また、海藻類バイオマスの輸送量が吐出口140からの排出量よりも大きいと、吐出口側に圧力がかかり、これによっても海藻類バイオマス中の水分が除去されうる。
【0063】
好ましい一例を挙げると、脱水装置100の輸送管110には一つ以上の流入口(111、112)及び流出口(113、114)が形成されうる。流入口(111、112)を通じて海藻類バイオマスを洗浄するための海水及び淡水が順次脱水装置100の輸送管110に流入されうる。即ち、脱水装置100の内で洗浄を行うこともできるため、輸送管110に形成された第1の流入口111には海水を注入し、第2の流入口112には淡水を注入して洗浄工程を行うことができる。また、海藻類バイオマスを洗浄した後、海水、淡水、及び海藻類バイオマスに含有されていた水分が脱水されながら流出口(113、114)を通じて排出されうる。
【0064】
脱水装置100における注入口120又は吐出口140の形状は特に制限はないが、例えば、円形、三角形、四角形などの様々な形状を取りうる。そして、吐出口140側の形状は海藻類バイオマスの切断形状に対応するように構成することができる。
【0065】
好ましい一例を挙げると、輸送管110の注入口120側の面積を、吐出口140側の面積より大きく構成することができる。例えば、輸送管110が円筒型の場合、注入口120側の内径Rを吐出口140側の内径rより大きく構成することができる。また、別の一例としては、図3に示すように、注入口120側から吐出口140側まで内径rを次第に小さくなるように構成した例が挙げられる。
【0066】
この場合、脱水装置100の吐出口140側の面積が狭くなり、海藻類バイオマスの排出量が減少するため、海藻類バイオマスに圧力がかかり、効率的な水分除去が可能となる。また、吐出口140側の内径rを切断の大きさに対応するように構成することにより、引き続く切断工程で切断で切断の大きさを調節する必要がなくなる。例えば、注入口120側の内径R:吐出口140側の内径rが好ましくは1.5:1〜20:1、より好ましくは2:1〜10:1になるように構成されうる。
【0067】
切断装置200は特に制限されるものではなく、公知の切断機を含みうる。切断装置は、例えば、海藻類バイオマスが投入される投入部、海藻類バイオマスを切断するための切断機、及び海藻類バイオマスが排出される排出部からなりうる。切断機としては、ナイフなどが挙げられ、1又は2以上が設置されうる。切断機が複数個設けられる場合は、垂直又は水平方向に均一な間隔で配置されうる。例えば、垂直方向に上昇及び下降する切断機が水平方向に複数個配置された構造でありうる。
【0068】
図2によると、切断装置200は、脱水装置100の吐出口140側の末端に直接連結されているが、これに限定されるものではなく、ベルトコンベヤ(図示せず)などの連続的、反復的に海藻類バイオマスを供給及び排出できる輸送装置などを通じて間接的に連結することもできる。上記の海藻類バイオマスの切断の大きさは、1×1cm〜10×10cmの範囲でありうる。
【0069】
糖化装置300は、切断装置200により所定の大きさに切断された海藻類バイオマス310を、加水分解触媒及び/又は加水分解酵素320により加水分解する反応器を含む。
【0070】
このような糖化装置300には、必要に応じて、蒸気発生装置400が連結されてもよい。蒸気発生装置400は、反応器の反応温度を維持し、蒸気を供給する装置であって、反応器と連結されうる。蒸気発生装置400は公知のスチーム装置などが利用されうる。
【実施例】
【0071】
以下、本発明の作用効果を、実施例及び比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。
【0072】
[実施例1]
テングサ(天草)を脱水することによって、含水率50%のテングサを得た。そして、図2に示される切断装置200を用いて、該テングサを1×1cmに切断した。そして、図2に示される糖化装置300に切断したテングサ5g(含水率50%の状態)、及び固体酸であるSO 0.1gを入れた。そして、糖化装置の反応器に121℃の蒸気を30分間注入しながら、反応させることにより加水分解を行った。その後、反応混合物を室温まで冷却することによって糖化液を得た。
【0073】
[比較例1]
テングサを40℃の熱風乾燥機を用いて、24時間かけて完全に乾燥し、含水率を0%とした。これを粉砕機を用いて粉砕し、テングサ粉末を得た。そして、反応器にテングサ粉末5g、及び1%硫酸水溶液200ml(テングサ粉末:硫酸水溶液=1:40(質量:体積比))を入れ、121℃で30分間反応させた後、室温まで冷却することによって糖化液を得た。
【0074】
<糖濃度の測定>
実施例1及び比較例1で得た糖化液から溶液を分離した後、ジニトロサリチル酸(DNS)法を利用して還元糖を分析した。即ち、紫外可視分光度計(UV−Vis Spectrophotometer)を用いて、DNSが還元されて発色した程度を吸光度として測定して、還元糖の量を定量する。その後、下記の式(1)により糖化反応液中の糖濃度を計算し、その結果を下記の表1に表した。
【0075】
【数1】

【0076】
【表1】

【0077】
上記表1から分かるように、比較例1の場合は1%の酸で処理するためには、海藻類バイオマス:溶媒の質量:体積比が1:40となるように多量の溶媒を使用しなければならず、得られ多糖化液の糖濃度も5g/Lと低かった。
【0078】
一方、実施例1は含水率が50%のテングサを使用するため、1%の酸で処理する際に、別途溶媒を添加する必要がない。よって、海藻類バイオマス(含水状態):溶媒の質量:体積比が1:5となり、比較例1よりも糖化液の糖濃度を9倍高めることができた。
【0079】
なお、当業者であれば、以上の開示内容を基に、本発明の技術的範囲内で様々な応用又は改変を行うことが可能であろう。
【符号の説明】
【0080】
100 脱水装置、
110 輸送管、
111、112 流入口、
113、114 流出口、
120 注入口、
130 スクリュー、
140 吐出口、
200 切断装置、
300 糖化装置、
310 海藻類バイオマス、
320 加水分解触媒及び/又は加水分解酵素
400 蒸気発生装置
S1 海藻類バイオマスの採取、
S2 脱水工程、
S3 切断工程、
S4 糖化工程。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
海藻類バイオマスを脱水して、該海藻類バイオマスの含水率を10〜70%とする脱水工程;
前記脱水工程で得られた海藻類バイオマスを切断する切断工程;及び、
前記切断工程で得られた海藻類バイオマスを、加水分解触媒及び/又は加水分解酵素を用いて加水分解して、単糖を含む糖化液を得る糖化工程;を含む、糖化液の製造方法。
【請求項2】
前記脱水工程において、海藻類バイオマスの含水率を20〜60%とする、請求項1に記載の糖化液の製造方法。
【請求項3】
前記脱水工程は、軸回転により海藻類バイオマスに輸送駆動力を与えるスクリューを有する脱水装置を用いて行われ、
前記脱水工程において、海藻類バイオマスを15〜35℃で、0.5〜100分間乾燥する、請求項1又は2に記載の糖化液の製造方法。
【請求項4】
前記脱水工程を行う前に、海藻類バイオマスを海水及び淡水を用いて順次洗浄する洗浄工程をさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の糖化液の製造方法。
【請求項5】
前記洗浄工程及び前記脱水工程は、軸回転により海藻類バイオマスに輸送駆動力を与えるスクリューを有する脱水装置内で順次行われる、請求項4に記載の糖化液の製造方法。
【請求項6】
前記単糖は、グルコース、ガラクトース、ガラクトース誘導体、3,6−アンヒドロガラクトース、フコース、ラムノース、キシロース、グルクロン酸、アラビノース、及びマンノースからなる群から選択される少なくとも一種を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の糖化液の製造方法。
【請求項7】
前記加水分解触媒は、固体酸である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の糖化液の製造方法。
【請求項8】
前記固体酸は、無水硫酸(SO)、スルファミン酸(HSO)、クエン酸、コハク酸、マレイン酸、及びフタル酸からなる群から選択される少なくとも一種を含む、請求項7に記載の糖化液の製造方法。
【請求項9】
前記固体酸は、バイオマスの全質量に対して、0.5〜10質量%となるように添加される、請求項7又は8に記載の糖化液の製造方法。
【請求項10】
前記糖化工程において、前記加水分解が加水分解触媒を用いて行われる場合、加水分解の反応温度は80〜200℃であり、反応圧力は1〜10barであり、反応時間は0.5〜5時間である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の糖化液の製造方法。
【請求項11】
前記糖化工程において、前記加水分解が加水分解触媒を用いて行われる場合、該加水分解の反応が蒸気存在下で行われ、該蒸気の温度は100〜250℃である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の糖化液の製造方法。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項に記載の糖化液の製造方法で得られた糖化液中に含まれる単糖を、微生物を用いて発酵させる、バイオ燃料の製造方法。
【請求項13】
前記バイオ燃料は、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、エチレン、プロピレン、及び脂肪酸メチルエステルからなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項12に記載のバイオ燃料の製造方法。
【請求項14】
前記微生物は、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、クレブシエラ・オキシトカ(Klebsiella oxytoca)、ブレタノマイセス・カスターシイ(Brettanomyces curstersii)、サッカロマイセス・ウブズルン(Saccharomyces uvzrun)、カンジダ・ブラシカエ(Candida brassicae)、サルシナ・ベントリクリ(Sarcina ventriculi)、ザイモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis)、クルイベロマイセス・マルキシアヌス(Kluyveromyces marxianus)、クロストリジウム・アセトブチリクム(Clostridium acetobutylicum)、クロストリジウム・ベイエリンキイ(Clostridium beijerinckii)、クリュイベロマイセス・フラギリス(Kluyveromyces fragilis)、クロストリジウム・アウランチブチリカム(Clostriduim aurantibutylicum)、及びクロストリジウム・テタノモーファム(Clostridium tetanomorphum)からなる群から選択される少なくとも一種を含む、請求項12又は13に記載のバイオ燃料の製造方法。
【請求項15】
海藻類バイオマスの輸送通路として中空部を有する輸送管と、
前記輸送管の一方の端部に配置されてなる、海藻類バイオマスを投入するための注入口と、
前記輸送管の中空部に配置されてなり、軸回転により海藻類バイオマスに輸送駆動力を与えるスクリューと、
前記輸送管の他方の端部に配置されてなり、海藻類バイオマスを排出するための吐出口と、を含む脱水装置;
前記脱水装置の吐出口側の端部に連結されてなり、海藻類バイオマスを切断するための切断機を含む切断装置;
前記切断装置に連結されてなり、切断された海藻類バイオマスを加水分解するための反応器を備えた糖化装置;及び、
前記糖化装置に連結されてなり、蒸気を糖化装置に供給するための蒸気発生装置;を含む海藻類バイオマスの前処理及び糖化装置。
【請求項16】
前記脱水装置に接続されてなる輸送管は、それぞれ1以上の流入口及び流出口が形成されてなる、請求項15に記載の海藻類バイオマスの前処理及び糖化装置。
【請求項17】
前記脱水装置は、輸送管から注入口側の内径が吐出口側の内径より大きい、請求項15又は16に記載の海藻類バイオマスの前処理及び糖化装置。
【請求項18】
前記注入口側の内径:吐出口側の内径が1.5:1〜20:1である、請求項17に記載の海藻類バイオマスの前処理及び糖化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−187656(P2010−187656A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−133481(P2009−133481)
【出願日】平成21年6月2日(2009.6.2)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【出願人】(509155276)財団法人京機大学校産学協力財団 (1)
【Fターム(参考)】