説明

糖尿病、糖尿病関連疾患又は糖尿病性合併症の予防又は治療剤

【課題】糖尿病、糖尿病関連疾患又は糖尿病性合併症の予防又は治療剤の提供。
【解決手段】下記一般式(11)で表される化合物又はその薬学上許容しうる塩。


〔式中、G、G、G及びGは、それぞれ独立に、−N=等から選択され、環Gは2価のアリール基等から選択され、Aはスルファミド基等から選択され、Gは酸素原子等から選択され、Gは酸素原子等から選択され、Gは−CH−等から選択され、RはC1−6アルキル基等から選択される。〕

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、糖尿病、糖尿病関連疾患又は糖尿病性合併症、特にインスリン非依存性糖尿病、高血糖症又は境界型糖尿病の予防又は治療剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、生活スタイルや食生活の変化に伴って糖尿病患者が増加の一途を辿っている。糖尿病は、長期間放置すると重大な合併症(例えば、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害)を引き起こすことから、早期に発見、治療する必要がある。
【0003】
従来、糖尿病治療剤としては、例えば、インスリン製剤(超速効型インスリンアナログ製剤「ノボラピッド(登録商標)注イノレット」(一般名:インスリンアスパルト〈遺伝子組み換え〉)、持効型溶解インスリンアナログ製剤「レベミル(登録商標)注イノレット」(一般名:インスリンデテミル〈遺伝子組み換え〉)(以上、ノボ・ノルディスクファーマ);ミリオペン(登録商標)、ヒューマログ(登録商標)注キット、ヒューマリン(登録商標)(キット)(以上、日本イーライリリー)、スルホニル尿素薬およびスルホンアミド薬(トルブタミド、グリクラジド、グリベンクラミド、グリメピリド)、ビクアナイド薬(塩酸ブホルミン、塩酸メトホルミン)、α−グルコシダーゼ阻害薬(アカルボース、ボグリボース)、チアゾリジン誘導体(ピオグリタゾン、ロシグリタゾン)、速攻型インスリン分泌促進薬(ナテグリニド)、GLP−1アナログ(リラグルチド)、DPPIV阻害薬(シタグリプチン、ビルダグリプチン)等が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開2007/091736号パンフレット
【特許文献2】国際公開2009/014100号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
糖尿病治療剤は種々知られているものの、患者の状態によっては、充分な薬効が得られなかったり、副作用のため投与できなかったりという場合も多い。糖尿病患者の増加を考慮すれば、多様な需要を満たすのに充分な選択肢が存在するとはいえないのが実情である。
【0006】
そこで、本発明は、新規の糖尿病治療剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、下記一般式(11)で表される化合物又はその薬学上許容しうる塩が血糖降下作用を有することを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
本発明は、下記一般式(11)で表される化合物又はその薬学上許容しうる塩を有効成分とする、糖尿病、糖尿病関連疾患又は糖尿病性合併症の予防又は治療剤を提供する。また、本発明は、下記一般式(11)で表される化合物又はその薬学上許容しうる塩を有効成分とする血糖降下剤を提供する。
【0009】
下記一般式(11)で表される化合物又はその薬学上許容しうる塩は、血糖降下作用を有し、糖尿病、糖尿病関連疾患又は糖尿病性合併症の予防又は治療のために使用することができる。また、下記一般式(11)で表される化合物又はその薬学上許容しうる塩は、血糖値を降下させるために使用することもできる。
【0010】
【化1】

〔式中、G、G、G及びGは、それぞれ独立に、−N=、−CR=及び−C(−G−X)=から選択され、
、G、G及びGのいずれか一つは−C(−G−X)=であり、
Xは、C1−6アルキル基(当該C1−6アルキル基は、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、−NR5657から選択される基で置換されていてもよい)、アリール基、ヘテロ環基、R31CS−、R31CO−、R3334NCS−、R3334NC=NH−及びRNCO−、R3334NCO−から選択され、
は、単結合、酸素原子、硫黄原子、−(CR3536−(ここで、lは、1〜3のいずれかの整数を表す。)及び−NR37−から選択され、
環Gは、2価のアリール基及び2価のヘテロ環基から選択され、
Aは、下記一般式(2)で表される基及び下記一般式(3)で表される基から選択され、
【化2】

【化3】

は、酸素原子、硫黄原子、−NR38−及び−CR4041−から選択され、
は、水素原子2個、酸素原子、硫黄原子及び=CHから選択され、
は、酸素原子、−CR4243−、−CR4243−O−、−O−CR4243−、−CONR44−、−NR44CO−、−NR45−、−NR45CR4243−、−CR4243NR45−、−S(=O)−、−NR44S(=O)−、−S(=O)NR44−(ここで、nは、0〜2のいずれかの整数を表す)、−N=CR42−、−CR42=N−、−CR42=CR43−、−C≡C−、−NR44−O−、−O−NR44−、−C(=O)−O−及び−O−C(=O)−から選択され、
は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C1−6アルキル基(当該C1−6アルキル基は、ハロゲン原子、水酸基及び−NR4647から選択される基で置換されていてもよい)、C2−7アルケニル基、カルバモイル基及びC2−7アルキニル基(当該C2−7アルキニル基はC1−4アシル基で置換されていてもよい。)から選択され、
又はGが−CR=であり、Gが−C(−G−X)=であり、XがRNCO−、R3334NC=NH−又はR3334NCS−である場合;Gが−CR=であり、Gが−C(−G−X)=であり、XがRNCO−、R3334NC=NH−又はR3334NCS−である場合;G又はGが−CR=であり、Gが−C(−G−X)=であり、XがRNCO−、R3334NC=NH−又はR3334NCS−である場合;或いは、Gが−CR=であり、Gが−C(−G−X)=であり、XがRNCO−、R3334NC=NH−又はR3334NCS−である場合、Rは、R又はR34と一緒になって、単結合又は−CH−を形成していてもよく、
は、水酸基、C1−6アルコキシ基、−NR4849又はC1−6アルキル基(当該C1−6アルキル基は、ハロゲン原子、水酸基、C1−6アルコキシ基、ホルミル基、−CO50及び−CONR5152から選択される基で置換されていてもよい。)を表し、
、R、R、R、R、R10、R31、R46及びR47は、それぞれ独立に、水素原子、C1−6アルコキシ基、C3−8シクロアルキル基及びC1−6アルキル基(当該C1−6アルキル基は、シアノ基、ハロゲン原子、水酸基、C1−6アルコキシ基、−NR1314、−CONR2829及びアリール基から選択される基で置換されていてもよい。)から選択され、
33及びR34は、それぞれ独立に、水素原子、C1−6アルキル基及びアリール基から選択され、
及びRの組合せ、R及びRの組合せ、R及びR10の組合せ、R33及びR34の組合せ、並びにR46及びR47の組合せは、結合する窒素原子と一緒になって、少なくとも1個の窒素原子を含む4〜6員のヘテロ環基(当該ヘテロ環基は、更に、ベンゼン環と縮合していてもよい。)を形成していてもよく、
l個のR35及びl個のR36は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子及びC1−6アルキル基から選択され、
45は、水素原子、C1−6アルキル基及び−S(=O)NR5455(ここで、mは、0〜2のいずれかの整数を表す。)から選択され、
13、R14、R56及びR57は、それぞれ独立に、水素原子、C1−6アルキル基、−COR32及び−CO32から選択され、
、R、R28、R29、R32、R37、R38、R40、R41、R42、R43、R44、R48、R49、R50、R51、R52、R54及びR55は、それぞれ独立に、水素原子及びC1−6アルキル基から選択される。〕
【0011】
、G及びGとしては、それぞれ独立に−CR=が好ましく、G及びGとしては、−CH=が更に好ましい。
【0012】
としては、−C(−G−X)=が好ましい。X−G−としては、例えば、以下の基が挙げられる。
【0013】
【化4】

【0014】
【化5】

【0015】
【化6】

【0016】
又はGが−CR=であり、Gが−C(−G−X)=であり、XがRNCO−、R3334NC=NH−又はR3334NCS−である場合;Gが−CR=であり、Gが−C(−G−X)=であり、XがRNCO−、R3334NC=NH−又はR3334NCS−である場合;G又はGが−CR=であり、Gが−C(−G−X)=であり、XがRNCO−、R3334NC=NH−又はR3334NCS−である場合;或いは、Gが−CR=であり、Gが−C(−G−X)=であり、XがRNCO−、R3334NC=NH−又はR3334NCS−である場合は、Rは、R又はR34と一緒になって、単結合又は−CH−を形成していてもよい。
【0017】
及びRが一緒になる場合に形成される部分構造としては、例えば、以下の部分構造を挙げることができる。
【化7】

【0018】
より具体的には、例えば、以下の部分構造を挙げることができる。
【0019】
【化8】

〔式中、G、Z、R、G及びGの組合せは、下表の通りである。〕
【表1】

【0020】
【化9】

〔式中、G、Z、R、G及びGの組合せは、下表の通りである。〕
【表2】

【0021】
が−(CR3536−(ここで、lは、1〜3のいずれかの整数を表す。)である場合、XとしてはR3334NCO−が好ましい。
【0022】
XがC1−6アルキル基(当該C1−6アルキル基は、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、−NR5657から選択される基で置換されていてもよい。)であり、Gが単結合である場合、Rとしては、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C2−7アルケニル基、カルバモイル基又はC2−7アルキニル基(当該C2−7アルキニル基はC1−4アシル基で置換されていてもよい。)が好ましい。
【0023】
一般式(11)で表される化合物としては、下記一般式(1)で表される化合物が好ましい。
【化10】

〔式中、Xは、ヘテロアリール基及びRNCO−から選択され、
及びYは、それぞれ独立に、−N=及び−CR11=から選択され、
及びYは、同一又は異なって、−CR12=を表し、
Aは、下記一般式(2)で表される基及び下記一般式(3)で表される基から選択され、
【化11】

【化12】

は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C1−6アルキル基、C2−7アルケニル基、カルバモイル基及びC2−7アルキニル基(当該C2−7アルキニル基はC1−4アシル基で置換されていてもよい。)から選択され、
は、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基を表し、
、R、R、R、R及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、C1−6アルコキシ基、C3−8シクロアルキル基及びC1−6アルキル基(当該C1−6アルキル基は、シアノ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1−6アルコキシ基及び−NR1314から選択される基で置換されていてもよい。)から選択され、
及びRの組合せ、R及びRの組合せ、並びにR及びR10の組合せは、結合する窒素原子と一緒になって、少なくとも1個の窒素原子を含む4〜6員のヘテロ環基を形成していてもよく、
、R、R13及びR14は、それぞれ独立に、水素原子及びC1−6アルキル基から選択され、
11は、水素原子、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C1−4アシル基、C1−4アシルオキシ基及び−NR1516から選択され、
12は、水素原子、ハロゲン原子及びC1−6アルキル基から選択され、
15及びR16は、それぞれ独立に、水素原子及びC1−4アシル基から選択される。〕
【0024】
本発明において、「糖尿病」とは、体内の適正な血糖値の維持ができなくなることで、グルコースの産生および利用における代謝に異常をきたす疾患又は状態を意味し、インスリン依存性糖尿病(1型糖尿病)、インスリン非依存性糖尿病(2型糖尿病)、及び特定の原因によるその他の型の糖尿病を包含する。また、「糖尿病関連疾患」としては、例えば、高血糖症、肥満、高インスリン血症、境界型糖尿病(耐糖能異常を含む)、高脂質血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、脂質代謝異常、高血圧、うっ血性心不全、浮腫、高尿酸血症、痛風が挙げられる。「高血糖症」とは、空腹時またグルコース投与後での血漿ブドウ糖レベルが正常値(例えば、ヒトでは空腹時で70〜100mg/dL)より高い状態を指し、糖尿病の代表的症状の1つでもある。「耐糖能異常」には、インスリン抵抗性及びインスリン分泌不全が含まれる。
【0025】
「糖尿病性合併症」は、糖尿病又は糖尿病関連疾患に起因する合併症を意味し、急性合併症及び慢性合併症のいずれでもよい。「急性合併症」としては、例えば、ケトアシドーシス、感染症(例えば、皮膚感染、軟部組織感染、胆道系感染、呼吸系感染、尿路感染)が挙げられ、「慢性合併症」としては、例えば、細小血管症(例えば、腎症、網膜症)、動脈硬化症(例えば、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、脳梗塞、下肢動脈閉塞)、神経障害(例えば、感覚神経障害、運動神経障害、自律神経障害)、足壊症が挙げられる。主要な糖尿病合併症としては、糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害が挙げられる。
【0026】
なお、一般式(11)で表される化合物又はその薬学上許容しうる塩が細胞増殖性疾患(例えば癌)の治療薬として有用であることは、国際公開第2007/091736号パンフレットに開示されている。また、一般式(11)で表される化合物又はその薬学上許容しうる塩がp27蛋白質誘導作用を有し、癌、リウマチ、炎症等の治療に有用であることは、国際公開第2009/014100号パンフレットに開示されている。他方、一般式(11)で表される化合物又はその薬学上許容しうる塩が血糖降下作用を有し、糖尿病、糖尿病関連疾患又は糖尿病性合併症の予防又は治療に使用可能であることは、本発明者らが初めて見出した知見である。
【発明の効果】
【0027】
本発明により、糖尿病、糖尿病関連疾患又は糖尿病性合併症の予防又は治療のための新規薬剤が提供される。また、本発明により新規の血糖降下剤が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】db/dbマウスの摂餌量の経時的変化を示すグラフである。
【図2】db/dbマウスにおける3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノ−3−フルオロピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピランの血中化合物濃度の経時的変化を示すグラフである。
【図3】db/dbマウスに3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノ−3−フルオロピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピランのカリウム塩を投与した際の随時血糖の経時的変化を示すグラフである。
【図4】db/dbマウスに3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノ−3−フルオロピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピランのカリウム塩を投与した際の体重の経時的変化を示すグラフである。
【図5】db/dbマウスに3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノ−3−フルオロピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピランのカリウム塩を投与した際の摂餌量の経時的変化を示すグラフである。
【図6】db/dbマウスに3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノ−3−フルオロピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピランのカリウム塩を投与した際の血糖値の経時的変化を示すグラフである。
【図7】db/dbマウスに3−{2−フルオロ−3−(メチルアミノスルホニル)アミノベンジル}−4−メチル−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピランのカリウム塩を投与した際の随時血糖の経時的変化を示すグラフである。
【図8】db/dbマウスに3−{2−フルオロ−3−(メチルアミノスルホニル)アミノベンジル}−4−メチル−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピランのカリウム塩を投与した際の体重の経時的変化を示すグラフである。
【図9】db/dbマウスに3−{2−フルオロ−3−(メチルアミノスルホニル)アミノベンジル}−4−メチル−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピランのカリウム塩を投与した際の摂餌量の経時的変化を示すグラフである。
【図10】db/dbマウスに3−{2−フルオロ−3−(メチルアミノスルホニル)アミノベンジル}−4−メチル−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピランのカリウム塩を投与した際の血糖値の経時的変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0030】
本発明の糖尿病、糖尿病関連疾患又は糖尿病性合併症の予防又は治療剤及び血糖降下剤は、上記一般式(11)で表される化合物又はその薬学上許容しうる塩を有効成分とする。
【0031】
本発明において、ヘテロアリール基とは、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選択される1以上のヘテロ原子を含む5〜10員芳香族ヘテロ環基を意味する。具体例としては、フリル基、チエニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、ベンゾチアジアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾオキサジアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、シンノリニル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、インドリジニル基、イミダゾピリジル基等が挙げられる。好ましいものとしては、チアゾリル基、ピリミジニル基、ピリジル基等が挙げられ、更に好ましいものとしては、チアゾール−2−イル基、ピリミジン−2−イル基、2−ピリジル基等が挙げられる。
【0032】
ヘテロアリール基は、環を構成する原子上に、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、シアノ基、アミノ基、カルバモイル基、ニトロ基、カルボキシ基、C2−7アルケニル基、C2−7アルキニル基等の置換基を有してもよいが、無置換であるのが好ましい。
【0033】
アリール基とは、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を意味する。具体例としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が挙げられる。アリール基は、炭素原子上に、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、シアノ基、アミノ基、カルバモイル基、ニトロ基、カルボキシ基、C2−7アルケニル基、C2−7アルキニル基等の置換基を有してもよい。
【0034】
また、2価のアリール基とは、上記アリール基を構成する炭素原子上の任意の水素原子の1つが除去された基を意味する。2価のアリール基におけるG及びAの置換様式は任意であり、例えば、2価のアリール基がフェニレン基である場合、1,2−置換、1,3−置換、及び1,4−置換のいずれの置換様式をとってもよい。
【0035】
ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を意味する。
【0036】
1−6アルキル基とは、炭素数1〜6の直鎖状及び分岐鎖状のアルキル基を意味する。具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、1−メチルプロピル基、n−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基等が挙げられる。
【0037】
2−7アルケニル基とは、炭素数2〜7の直鎖状及び分岐鎖状のアルケニル基を意味する。具体例としては、ビニル基、アリル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、ペンテニル基、ペンタジエニル基、ヘキセニル基、ヘキサジエニル基、ヘプテニル基、へプタジエニル基、ヘプタトリエニル基等が挙げられる。
【0038】
2−7アルキニル基とは、炭素数2〜7の直鎖状及び分岐鎖状のアルキニル基を意味する。具体例としては、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、ペンチニル基、ペンタジイニル基、ヘキシニル基、ヘキサジイニル基、ヘプチニル基、へプタジイニル基、ヘプタトリイニル基等が挙げられる。
【0039】
1−4アシル基とは、炭素数1〜4のアシル基を意味する。具体例としては、ホルミル基、アセチル基、n−プロピオニル基、i−プロピオニル基、ブチリル基、sec−ブチリル基(イソブチリル基)等が挙げられる。
【0040】
1−6アルコキシ基とは、アルキル部分として炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有するアルキルオキシ基を意味する。具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキソキシ基等が挙げられる。
【0041】
3−8シクロアルキル基とは、総炭素数3〜8の3〜8員環状アルキル基(当該環状アルキル基は、更に炭素数1〜3の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基で置換されていてもよい。)を意味する。具体例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の無置換シクロアルキル基、及び、メチルシクロプロピル基、エチルシクロプロピル基、ジメチルシクロプロピル基、トリメチルシクロプロピル基、ジエチルシクロプロピル基、エチルメチルシクロプロピル基、ジメチルエチルシクロプロピル基、ジエチルメチルシクロプロピル基、メチルシクロブチル基、エチルシクロブチル基、ジメチルシクロブチル基、トリメチルシクロブチル基、テトラメチルシクロブチル基、ジエチルシクロブチル基、エチルメチルシクロブチル基、ジメチルエチルシクロブチル基、メチルシクロペンチル基、エチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基、トリメチルシクロペンチル基、エチルメチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、メチルヘプチル基等の置換シクロアルキル基が挙げられる。好ましいものとしては無置換シクロアルキル基が挙げられ、更に好ましいものとしてはシクロプロピル基が挙げられる。
【0042】
少なくとも1個の窒素原子を含む4〜6員ヘテロ環基とは、1以上の窒素原子を含み、その他に酸素原子及び硫黄原子から選択されるヘテロ原子を1以上含んでいてもよく、環に含まれる原子数が4〜6の飽和又は不飽和のヘテロ環基(当該ヘテロ環基は、更に、ベンゼン環と縮合していてもよい。)を意味する。具体例としては、アゼチジニル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、ピロリル基、ジヒドロピロリル基、イミダゾリル基、イミダゾリニル基、イミダゾリジニル基、ピラゾリル基、ピラゾリニル基、ピリダゾリジニル基、オキサゾリニル基、オキサゾリジニル基、モルホリニル基、チオモルホリニル基、ピリジニル基、ジヒドロピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基等が挙げられる。
【0043】
少なくとも1個の窒素原子を含む4〜6員ヘテロ環基は、環を構成する原子上に、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、シアノ基、アミノ基、カルバモイル基、ニトロ基、カルボキシ基、C2−7アルケニル基、C2−7アルキニル基等の置換基を有してもよい。
【0044】
ヘテロ環基とは、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択されるヘテロ原子を1以上含む、4〜12員、好ましくは5〜7員の飽和又は不飽和環基を意味する。ヘテロ環は、単環であっても、縮合環であってもよく、上記のヘテロアリール基、及び少なくとも1個の窒素原子を含む4〜6員ヘテロ環基を包含する。
【0045】
ヘテロ環基の具体例としては、フリル基、チエニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、ベンゾチアジアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾオキサジアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、シンノリニル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、インドリジニル基、イミダゾピリジル基、アゼチジニル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、ピロリル基、ジヒドロピロリル基、イミダゾリル基、イミダゾリニル基、イミダゾリジニル基、ピラゾリル基、ピラゾリニル基、ピリダゾリジニル基、オキサゾリニル基、オキサゾリジニル基、モルホリニル基、チオモルホリニル基、ピリジニル基、ジヒドロピリジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロチエニル基、ジオキソラニル基、オキサチオラニル基、ジオキサニル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、インドリジニル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、プリル基、キノリジニル基、イソキノリニル基、キノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シノリニル基、プテリジニル基、イソクロマニル基、クロマニル基、キヌクリジニル基、オキサシクロヘプチル基、ジオキサシクロヘプチル基、チアシクロヘプチル基、ジアザシクロヘプチル基等が挙げられる。
【0046】
ヘテロ環基は、環を構成する原子上に、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、シアノ基、アミノ基、カルバモイル基、ニトロ基、カルボキシ基、C2−7アルケニル基、C2−7アルキニル基等の置換基を有してもよい。
【0047】
また、2価のヘテロ環基とは、上記ヘテロ環基を構成する原子上の任意の水素原子が1つ除去された基を意味する。2価のヘテロ環基におけるG及びAの置換様式は任意であり、例えば、2価のヘテロ環基がピリジン−ジイル基である場合、2,3−置換、2,4−置換、2,5−置換、2,6−置換、3,4−置換、3,5−置換、3,6−置換、4,5−置換、4,6−置換、及び5,6−置換のいずれの置換様式をとってもよい。
【0048】
1−4アシルオキシ基とは、アシル部分として炭素数1〜4のアシル基を有するアシルオキシ基を意味する。具体例としては、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、n−プロピオニルオキシ基、i−プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、sec−ブチリルオキシ基(イソブチリルオキシ基)等が挙げられる。
【0049】
ハロゲン原子で置換されたC1−6アルキル基の具体例としては、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、フルオロエチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、フルオロプロピル基、ジフルオロプロピル基、トリフルオロプロピル基、ヘプタフルオロプロピル基、フルオロブチル基、ジフルオロブチル基、トリフルオロブチル基、フルオロペンチル基、ジフルオロペンチル基、トリフルオロペンチル基、テトラフルオロペンチル基、フルオロヘプチル基、ジフルオロヘプチル基、トリフルオロヘプチル基、テトラフルオロヘプチル基、ペンタフルオロヘプチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、クロロエチル基、ジクロロエチル基、トリクロロエチル基、ペンタクロロエチル基、クロロプロピル基、ジクロロプロピル基、トリクロロプロピル基、ヘプタクロロプロピル基、クロロブチル基、ジクロロブチル基、トリクロロブチル基、クロロペンチル基、ジクロロペンチル基、トリクロロペンチル基、テトラクロロペンチル基、クロロヘプチル基、ジクロロヘプチル基、トリクロロヘプチル基、テトラクロロヘプチル基、ペンタクロロヘプチル基、ブロモメチル基、ジブロモメチル基、トリブロモメチル基、ブロモエチル基、ジブロモエチル基、トリブロモエチル基、ペンタブロモエチル基、ブロモプロピル基、ジブロモプロピル基、トリブロモプロピル基、ヘプタブロモプロピル基、ブロモブチル基、ジブロモブチル基、トリブロモブチル基、ブロモペンチル基、ジブロモペンチル基、トリブロモペンチル基、テトラブロモペンチル基、ブロモヘプチル基、ジブロモヘプチル基、トリブロモヘプチル基、テトラブロモヘプチル基、ペンタブロモヘプチル基、ヨードメチル基、ジヨードメチル基、トリヨードメチル基、ヨードエチル基、ジヨードエチル基、トリヨードエチル基、ペンタヨードエチル基、ヨードプロピル基、ジヨードプロピル基、トリヨードプロピル基、ヘプタヨードプロピル基、ヨードブチル基、ジヨードブチル基、トリヨードブチル基、ヨードペンチル基、ジヨードペンチル基、トリヨードペンチル基、テトラヨードペンチル基、ヨードヘプチル基、ジヨードヘプチル基、トリヨードヘプチル基、テトラヨードヘプチル基、ペンタヨードヘプチル基等が挙げられる。
【0050】
としては、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C1−6アルキル基、カルバモイル基及びC2−7アルキニル基(当該C2−7アルキニル基はC1−4アシル基で置換されていてもよい。)が好ましい。中でも、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、メチル基、エテニル基及びアセチルエテニル基が特に好ましい。更に、Rとしては、水素原子、ハロゲン原子及びメチル基が好ましく、水素原子、フッ素原子、塩素原子及びメチル基が特に好ましい。
【0051】
としては、フッ素原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基が好ましい。中でも、メチル基、エチル基、n−プロピル基、フルオロメチル基、1−フルオロエチル基、2−フルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、1−フルオロ−n−プロピル基、2−フルオロ−n−プロピル基、2,2−ジフルオロ−n−プロピル基が特に好ましく、−CH、−CHF及び−CHCHが更に好ましい。
【0052】
、R、R、R、R及びR10としては、それぞれ独立に、水素原子及びC1−6アルキル基が好ましい。ここで、C1−6アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基及びi−プロピル基が好ましく、メチル基、エチル基及びi−プロピル基が特に好ましい。
【0053】
及びRとしては、それぞれ独立に、C1−6アルキル基が好ましい。中でも、R及びRが、共に同一のC1−6アルキル基であるのが好ましく、共にメチル基であるのが特に好ましい。
【0054】
及びRとしては、それぞれ独立に、水素原子、C1−6アルコキシ基、C3−8シクロアルキル基及びC1−6アルキル基(当該C1−6アルキル基は、シアノ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1−6アルコキシ基及び−NR1314から選択される基で置換されていてもよい。)が好ましい。ここで、R又はRで表されるC1−6アルコキシ基としては、メトキシ基及びエトキシ基が好ましく、メトキシ基が特に好ましい。また、R又はRで表されるC3−8シクロアルキル基としては、無置換シクロアルキル基が好ましく、シクロプロピル基が特に好ましい。また、R又はRで表されるC1−6アルキル基としては、メチル基、エチル基及びn−プロピル基が好ましく、置換されている場合はエチル基が、置換されていない場合はメチル基が特に好ましい。また、C1−6アルキル基の置換基として選択されるハロゲン原子としては、フッ素原子が特に好ましい。また、C1−6アルキル基の置換基として選択されるC1−6アルコキシ基としては、メトキシ基が特に好ましい。
【0055】
また、R及びRとしては、それぞれ独立に、水素原子、無置換シクロアルキル基及び無置換C1−6アルキル基が特に好ましい。R及びRの組合せとしては、水素原子同士、水素原子及びメチル基、水素原子及びシクロプロピル基、メチル基同士、水素原子及びシアノエチル基、水素原子及びメトキシエチル基、水素原子及びアミノエチル基、水素原子及びトリフルオロエチル基、水素原子及びメトキシ基、水素原子及びヒドロキシエチル基、並びに水素原子及びメチルアミノエチル基の組合せが好ましく、水素原子同士、水素原子及びシクロプロピル基、並びに水素原子及びメチル基の組合せが特に好ましい。
【0056】
及びR10としては、それぞれ独立に、水素原子、C1−6アルキル基及びC1−6アルコキシ基が好ましい。ここで、C1−6アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基及びi−プロピル基が好ましく、メチル基、エチル基及びi−プロピル基が特に好ましい。また、C1−6アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基及びi−プロポキシ基が好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
【0057】
また、R及びR10の組合せとしては、水素原子同士、水素原子及びメチル基、メチル基同士、水素原子及びエチル基、エチル基同士、水素原子及びi−プロピル基、メチル基及びi−プロピル基、エチル基及びi−プロピル基、i−プロピル基同士、水素原子及びメトキシ基、メチル基及びメトキシ基、エチル基及びメトキシ基、並びにi−プロピル基及びメトキシ基の組合せが好ましい。中でも、水素原子同士、水素原子及びメチル基、メチル基同士、水素原子及びエチル基、水素原子及びi−プロピル基、並びに水素原子及びメトキシ基の組合せが特に好ましい。
【0058】
及びRとしては、水素原子が好ましい。
【0059】
15及びR16におけるC1−4アシル基としては、ホルミル基、アセチル基及びプロピオニル基が好ましく、アセチル基が特に好ましい。また、R15及びR16の組合せとしては、水素原子同士、並びに水素原子及びアセチル基の組合せが好ましく、水素原子及びアセチル基の組合せが特に好ましい。
【0060】
11におけるC1−6アルキル基としては、メチル基、エチル基及びn−プロピル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。また、R11におけるC1−4アシル基としては、ホルミル基、アセチル基及びn−プロピオニル基が好ましく、アセチル基が特に好ましい。また、R11におけるC1−4アシルオキシ基としては、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基及びn−プロピオニルオキシ基が好ましく、アセチルオキシ基が特に好ましい。R11としては、水素原子及びハロゲン原子が好ましく、水素原子及びフッ素原子が特に好ましい。
【0061】
としては、−N=、−CH=、−CF=及び−CCl=が好ましく、−N=、−CH=及び−CF=が特に好ましく、−N=及び−CH=が更に好ましい。
【0062】
における−CR11=のR11としては、水素原子、ハロゲン原子、C1−4アシル基及びNR1516が好ましく、水素原子、フッ素原子、塩素原子、アセチル基及び−NHCOCHが特に好ましい。Yとしては、−N=、−CH=及び−CF=が好ましく、−CH=及び−CF=が特に好ましい。
【0063】
12としては、水素原子、フッ素原子及びメチル基が好ましく、水素原子及びフッ素原子が特に好ましく、水素原子が更に好ましい。
【0064】
13及びR14としては、それぞれ独立に、水素原子、メチル基及びエチル基が好ましく、水素原子及びメチル基が特に好ましい。また、R13及びR14の組合せとしては、水素原子同士、並びに水素原子及びメチル基の組合せが好ましい。
【0065】
Xとしては、チアゾール−2−イル基、ピリミジン−2−イル基、2−ピリジル基及びRNCO−(式中、R及びRは前記と同義である。)が好ましい。ここで、R及びRは、共にメチル基であることが特に好ましい。
Aとしては、一般式(2)で表される基が好ましい。
【0066】
Xがチアゾール−2−イル基である場合、Yが−N=又は−CH=であり、Yが−CH=、−CF=又は−CCl=であり、Rが水素原子、塩素原子又はメチル基であり、Rがメチル基、エチル基及びフルオロメチル基であるのが好ましい。そして、Aが、一般式(2)で表される基である場合、R及びRの組合せとしては、水素原子同士、又は水素原子及びメチル基の組合せが好ましく、Aが、一般式(3)で表される基である場合、R及びR10の組合せとしては、水素原子及びメチル基、並びに水素原子及びシクロプロピル基の組合せが好ましい。
【0067】
Xがピリミジン−2−イル基である場合、Yが−N=又は−CH=であり、Yが−N=、−CH=又は−CF=であり、Rが水素原子、フッ素原子、塩素原子又はメチル基であり、Rがメチル基、エチル基又はフルオロメチル基であり、Aが、一般式(2)で表される基であり、R及びRの組合せが、水素原子同士、メチル基同士、水素原子及びメチル基、又は水素原子及びシクロプロピル基の組合せであるのが好ましい。
【0068】
Xが(HC)NCO−である場合、Yが−N=又は−CH=であり、Yが−CH=、−CF=又は−CCl=であり、Rが水素原子、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、シアノ基又はメチル基であり、Rがメチル基又はフルオロメチル基であるのが好ましい。そして、Aが、一般式(2)で表される基である場合、R及びRの組合せとしては、水素原子同士、水素原子及びメチル基、並びにメチル基同士の組合せが好ましく、Aが、一般式(3)で表される基である場合、R及びR10の組合せとしては、水素原子及びメチル基、水素原子及びメトキシエチル基、並びに水素原子及びシアノエチル基の組合せが好ましい。
【0069】
が−N=である場合、Xがチアゾール−2−イル基、ピリミジン−2−イル基又は(HC)NCO−であり、Yが−CH=、−CF=又は−CCl=であり、Rが水素原子、フッ素原子、塩素原子又はメチル基であり、Rがメチル基又はエチル基であり、Aが、一般式(2)で表される基であり、R及びRの組合せが、水素原子同士、メチル基同士、水素原子及びメチル基、又は水素原子及びシクロプロピル基の組合せであるのが好ましい。
【0070】
が−CH=である場合、Xがチアゾール−2−イル基、ピリミジン−2−イル基又は(HC)NCO−であり、Yが−N=、−CH=又は−CF=であり、Rが水素原子、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、メチル基又はシアノ基であり、Rがメチル基又はフルオロメチル基であるのが好ましい。そして、Aが、一般式(2)で表される基である場合、R及びRの組合せとしては、水素原子同士、メチル基同士、並びに水素原子及びメチル基の組合せが好ましく、Aが、一般式(3)で表される基である場合、R及びR10の組合せとしては、水素原子及びメチル基、水素原子及びメトキシエチル基、並びに水素原子及びシアノエチル基の組合せが好ましい。
【0071】
が−CH=である場合、Xがチアゾール−2−イル基、ピリミジン−2−イル基又は(HC)NCO−であり、Yが−N=又は−CH=であり、Rが水素原子、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、メチル基又はシアノ基であり、Rがメチル基、エチル基又はフルオロメチル基であるのが好ましい。そして、Aが、一般式(2)で表される基である場合、R及びRの組合せとしては、水素原子同士、メチル基同士、並びに水素原子及びメチル基の組合せが好ましく、Aが、一般式(3)で表される基である場合、R及びR10の組合せとしては、水素原子及びメチル基、水素原子及びメトキシエチル基、並びに水素原子及びシアノエチル基の組合せが好ましい。
【0072】
が−CF=である場合、Xがチアゾール−2−イル基、ピリミジン−2−イル基又は(HC)NCO−であり、Yが−N=又は−CH=であり、Rが水素原子、フッ素原子、塩素原子又はメチル基であり、Rがメチル基、エチル基又はフルオロメチル基であり、Aが、一般式(2)で表される基であり、R及びRの組合せが、水素原子同士、水素原子及びメチル基、又は水素原子及びシクロプロピル基の組合せであるのが好ましい。
【0073】
が水素原子である場合、Xがチアゾール−2−イル基、ピリミジン−2−イル基又は(HC)NCO−であり、Yが−N=又は−CH=であり、Yが−N=、−CH=又は−CF=であり、Rがメチル基又はフルオロメチル基であるのが好ましい。そして、Aが、一般式(2)で表される基である場合、R及びRの組合せとしては、水素原子同士、並びに水素原子及びメチル基の組合せが好ましく、Aが、一般式(3)で表される基である場合、R及びR10の組合せとしては、水素原子及びメチル基の組合せが好ましい。
【0074】
がフッ素原子である場合、Xがチアゾール−2−イル基、ピリミジン−2−イル基又は(HC)NCO−であり、Yが−N=又は−CH=であり、Yが−N=、−CH=又は−CF=であり、Rがメチル基であり、Aが、一般式(2)で表される基であり、R及びRの組合せが、水素原子同士、メチル基同士、水素原子及びメチル基、水素原子及びシクロプロピル基、水素原子及びメトキシエチル基、又は水素原子及びシアノエチル基の組合せであるのが好ましい。
【0075】
が塩素原子である場合、Xがチアゾール−2−イル基、ピリミジン−2−イル基又は(HC)NCO−であり、Yが−N=又は−CH=であり、Yが−CH=又は−CF=であり、Rがメチル基又はトリフルオロメチル基であるのが好ましい。そして、Aが、一般式(2)で表される基である場合、R及びRの組合せとしては、メチル基同士、並びに水素原子及びメチル基の組合せが好ましく、Aが、一般式(3)で表される基である場合、R及びR10の組合せとしては、水素原子及びメチル基、水素原子及びメトキシエチル基、並びに水素原子及びシアノエチル基の組合せが好ましい。
【0076】
がメチル基である場合、Xがチアゾール−2−イル基、ピリミジン−2−イル基又は(HC)NCO−であり、Yが−N=又は−CH=であり、Yが−CH=、−CF=又は−CCl=であり、Rがメチル基、エチル基又はトリフルオロメチル基であり、Aが、一般式(2)で表される基であり、R及びRの組合せが、水素原子及びメチル基の組合せであるのが好ましい。
【0077】
がメチル基である場合、Xがチアゾール−2−イル基、ピリミジン−2−イル基又は(HC)NCO−であり、Yが−N=又は−CH=であり、Yが−N=、−CH=、−CF=又は−CCl=であり、Rが水素原子、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、メチル基又はシアノ基であるのが好ましい。そして、Aが、一般式(2)で表される基である場合、R及びRの組合せとしては、水素原子同士、メチル基同士、水素原子及びメチル基、並びに水素原子及びシクロプロピル基の組合せが好ましく、Aが、一般式(3)で表される基である場合、R及びR10の組合せとしては、水素原子及びメチル基、水素原子及びメトキシエチル基、並びに水素原子及びシアノエチル基の組合せが好ましい。
【0078】
がエチル基である場合、Xがチアゾール−2−イル基又はピリミジン−2−イル基であり、Yが−N=であり、Yが−CF=であり、Rがメチル基であり、Aが、一般式(2)で表される基であり、R及びRの組合せが、水素原子及びメチル基の組合せであるのが好ましい。
【0079】
がフルオロメチル基である場合、Xがチアゾール−2−イル基、ピリミジン−2−イル基又は(HC)NCO−であり、Yが−N=又は−CH=であり、Yが−N=、−CH=又は−CF=であり、Rが水素原子、フッ素原子、塩素原子又はメチル基であり、Aが、一般式(2)で表される基であり、R及びRの組合せが、水素原子及びメチル基の組合せであるのが好ましい。
【0080】
及びRの組合せが、水素原子同士の組合せである場合、Xがチアゾール−2−イル基、ピリミジン−2−イル基又は(HC)NCO−であり、Yが−N=又は−CH=であり、Yが−N=、−CH=又は−CF=であり、Rが水素原子、フッ素原子、塩素原子又はヨウ素原子であり、Rがメチル基、フルオロメチル基又はエチル基であるのが好ましい。
【0081】
及びRの組合せが、メチル基同士の組合せである場合、Xがチアゾール−2−イル基、ピリミジン−2−イル基又は(HC)NCO−であり、Yが−N=又は−CH=であり、Yが−N=、−CH=、−CF=又は−CCl=であり、Rが水素原子、フッ素原子、塩素原子又はメチル基であり、Rがメチル基、フルオロメチル基又はエチル基であるのが好ましい。
【0082】
及びRの組合せが、水素原子及びメチル基の組合せである場合、Xがチアゾール−2−イル基、ピリミジン−2−イル基又は(HC)NCO−であり、Yが−N=又は−CH=であり、Yが−N=、−CH=、−CF=又は−CCl=であり、Rが水素原子、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、メチル基又はシアノ基であり、Rがメチル基、エチル基又はフルオロメチル基であるのが好ましい。
【0083】
及びR10の組合せが、水素原子及びメチル基の組合せである場合、Xがチアゾール−2−イル基、ピリミジン−2−イル基又は(HC)NCO−であり、Yが−N=又は−CH=であり、Yが−CH=又は−CF=であり、Rが水素原子又は塩素原子であり、Rがメチル基であるのが好ましい。
【0084】
一般式(11)で表される化合物としては、下記一般式(1)で表される化合物が好ましい。
【化13】

〔式中、Xは、ヘテロアリール基及びRNCO−から選択され、
及びYは、それぞれ独立に、−N=及び−CR11=から選択され、
及びYは、同一又は異なって、−CR12=を表し、
Aは、下記一般式(2)で表される基及び下記一般式(3)で表される基から選択され、
【化14】

【化15】

は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C1−6アルキル基、C2−7アルケニル基、カルバモイル基及びC2−7アルキニル基(当該C2−7アルキニル基はC1−4アシル基で置換されていてもよい。)から選択され、
は、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基を表し、
、R、R、R、R及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、C1−6アルコキシ基、C3−8シクロアルキル基及びC1−6アルキル基(当該C1−6アルキル基は、シアノ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1−6アルコキシ基及び−NR1314から選択される基で置換されていてもよい。)から選択され、
及びRの組合せ、R及びRの組合せ、並びにR及びR10の組合せは、結合する窒素原子と一緒になって、少なくとも1個の窒素原子を含む4〜6員のヘテロ環基を形成していてもよく、
、R、R13及びR14は、それぞれ独立に、水素原子及びC1−6アルキル基から選択され、
11は、水素原子、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C1−4アシル基、C1−4アシルオキシ基及び−NR1516から選択され、
12は、水素原子、ハロゲン原子及びC1−6アルキル基から選択され、
15及びR16は、それぞれ独立に、水素原子及びC1−4アシル基から選択される。〕
【0085】
一般式(1)で表される化合物又はその薬学上許容しうる塩の好適な例としては、例えば、
ジメチルカルバミン酸 3−{3−(アミノスルホニル)アミノベンジル}−4−メチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 3−{3−(アミノスルホニル)アミノベンジル}−6−フルオロ−4−メチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 3−{3−(アミノスルホニル)アミノベンジル}−6−クロロ−4−メチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 3−(3−アミノスルホニルアミノ−2−フルオロ−ベンジル)−4−メチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 3−{2−フルオロ−3−(アミノスルホニル)アミノベンジル}−6−フルオロ−4−メチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 3−{3−(アミノスルホニル)アミノベンジル}−6−ヨード−4−メチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 3−{3−(アミノスルホニル)アミノベンジル}−6−メチル−4−メチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 3−{3−(アミノスルホニル)アミノベンジル}−6−シアノ−4−メチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 3−{3−(アミノスルホニル)アミノベンジル}−4−フルオロメチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 3−{3−(アミノスルホニル)アミノベンジル}−6−フルオロ−4−フルオロメチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 3−{3−(アミノスルホニル)アミノベンジル}−6−クロロ−4−フルオロメチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 3−(3−アミノスルホニルアミノ−2−フルオロ−ベンジル)−4−フルオロメチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
3−{2−フルオロ−3−(アミノスルホニル)アミノベンジル}−4−メチル−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{3−(アミノスルホニル)アミノベンジル}−4−メチル−7−(チアゾール−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{3−(アミノスルホニル)アミノベンジル}−4−メチル−7−(チアゾール−2−イルオキシ)−6−クロロ−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−フルオロ−3−(アミノスルホニル)アミノベンジル}−4−メチル−7−(チアゾール−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{3−(アミノスルホニル)アミノベンジル}−4−メチル−7−(チアゾール−2−イルオキシ)−6−メチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−クロロ−3−(アミノスルホニル)アミノベンジル}−4−メチル−7−(チアゾール−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
ジメチルカルバミン酸 4−メチル−3−{3−(メチルアミノスルホニル)アミノベンジル}−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 6−フルオロ−4−メチル−3−{3−(メチルアミノスルホニル)アミノベンジル}−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 3−(3−(N−メチルスルファモイル)アミノベンジル)−6−クロロ−4−メチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 3−(3−メチルアミノスルホニルアミノ−2−フルオロ−ベンジル)−4−メチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 6−ヨード−4−メチル−3−{3−(メチルアミノスルホニル)アミノベンジル}−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 6−メチル−4−メチル−3−{3−(メチルアミノスルホニル)アミノベンジル}−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 6−シアノ−4−メチル−3−{3−(メチルアミノスルホニル)アミノベンジル}−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 4−メチル−3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノピリジン−4−イルメチル}−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 4−メチル−3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノピリジン−4−イルメチル}−6−フルオロ−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 4−メチル−3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノピリジン−4−イルメチル}−6−クロロ−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 4−メチル−3−{6−(メチルアミノスルホニル)アミノピリジン−2−イルメチル}−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 4−メチル−3−{6−(メチルアミノスルホニル)アミノピリジン−2−イルメチル}−6−フルオロ−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 4−メチル−3−{6−(メチルアミノスルホニル)アミノピリジン−2−イルメチル}−6−クロロ−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 3−(3−メチルアミノスルホニルアミノ−2−フルオロ−ベンジル)−4−フルオロメチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 3−(3−メチルアミノスルホニルアミノベンジル)−4−フルオロメチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 3−(3−メチルアミノスルホニルアミノベンジル)−6−フルオロ−4−フルオロメチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 6−クロロ−4−フルオロメチル−3−{3−(メチルアミノスルホニル)アミノベンジル}−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
3−{2−フルオロ−3−(メチルアミノスルホニル)アミノベンジル}−4−メチル−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−フルオロ−3−(メチルアミノスルホニル)アミノベンジル}−4−メチル−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−フルオロ−3−(メチルアミノスルホニル)アミノベンジル}−4−フルオロメチル−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−6−クロロ−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{3−(メチルアミノスルホニル)アミノベンジル}−4−メチル−7−(チアゾール−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{3−(メチルアミノスルホニル)アミノベンジル}−4−メチル−7−(チアゾール−2−イルオキシ)−6−クロロ−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−フルオロ−3−(メチルアミノスルホニル)アミノベンジル}−4−メチル−7−(チアゾール−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{3−(メチルアミノスルホニル)アミノベンジル}−4−メチル−7−(チアゾール−2−イルオキシ)−6−メチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
ジメチルカルバミン酸 6−クロロ−4−メチル−3−{3−(ジメチルアミノスルホニル)アミノベンジル}−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
3−{2−フルオロ−3−(ジメチルアミノスルホニル)アミノベンジル}−4−メチル−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
ジメチルカルバミン酸 3−(3−(N−(2−シアノエチル)スルファモイル)アミノベンジル)−6−クロロ−4−メチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 3−(3−(N−(2−ヒドロキシエチル)スルファモイル)アミノベンジル)−6−クロロ−4−メチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 3−(3−(N−(2−メトキシエチル)スルファモイル)アミノベンジル)−6−クロロ−4−メチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 3−(3−(N−(2−アミノエチル)スルファモイル)アミノベンジル)−6−クロロ−4−メチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 3−(3−(N−(N’−メチル−2−アミノエチル)メチルスルファモイル)アミノベンジル)−6−クロロ−4−メチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 3−(3−(N−2,2,2−トリフルオロエチル−スルファモイル)アミノベンジル)−6−クロロ−4−メチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 3−(3−(N−メトキシスルファモイル)アミノベンジル)−6−クロロ−4−メチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 3−(3−カルバモイルメタンスルホニルアミノ−ベンジル)−6−クロロ−4−メチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 3−(3−メチルカルバモイルメタンスルホニルアミノ−ベンジル)−6−クロロ−4−メチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
2−{2−フルオロ−3−[4−メチル−2−オキソ−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2H−1−ベンゾピラン−3−イルメチル]フェニルスルファモイル}−N−メチル−アセトアミド、
ジメチルカルバミン酸 3−(3−ジメチルカルバモイルメタンスルホニルアミノ−ベンジル)−6−クロロ−4−メチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
2−{2−フルオロ−3−[4−メチル−2−オキソ−7−(チアゾール−2−イルオキシ)−2H−1−ベンゾピラン−3−イルメチル]フェニルスルファモイル}−N−メチル−アセトアミド、
3−{2−メチル−3−(メチルアミノスルホニル)アミノベンジル}−4−メチル−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノ−3−フルオロピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−(エチルアミノスルホニル)アミノ−3−フルオロピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−(イソプロピルアミノスルホニル)アミノ−3−フルオロピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノ−3−フルオロピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−6−フルオロ−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−(シクロプロピルアミノスルホニル)アミノ−3−フルオロピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−6−フルオロ−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノ−3−フルオロピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−6−クロロ−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノ−3−フルオロピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−6−メチル−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノ−3−フルオロピリジン−4−イルメチル}−4−エチル−6−メチル−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−(シクロプロピルアミノスルホニル)アミノ−3−フルオロピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−6−メチル−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−(シクロプロピルアミノスルホニル)アミノ−3−フルオロピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノ−3−クロロピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−6−クロロ−7−(チアゾール−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノ−3−フルオロピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−6−メチル−7−(チアゾール−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−(シクロプロピルアミノスルホニル)アミノ−3−フルオロピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−6−メチル−7−(チアゾール−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−6−メチル−7−(チアゾール−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノ−3−クロロピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−6−メチル−7−(チアゾール−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−フルオロ−3−(メチルアミノスルホニル)アミノベンジル}−4−メチル−7−(5−フルオロピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−フルオロ−3−(メチルアミノスルホニル)アミノベンジル}−4−メチル−7−(4−クロロピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−フルオロ−3−(メチルアミノスルホニル)アミノベンジル}−4−メチル−7−(2,4−ジメトキシピリミジン−6−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−フルオロ−3−(メチルアミノスルホニル)アミノベンジル}−4−メチル−7−(ベンゾチアゾール−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−フルオロ−3−(メチルアミノスルホニル)アミノベンジル}−4−メチル−7−(5−ブロモチアゾール−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノ−3−フルオロピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−7−(5−フルオロピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノ−3−フルオロピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−7−(4−クロロピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノ−3−フルオロピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−7−(2,4−ジメトキシピリミジン−6−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノ−3−フルオロピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−7−(ベンゾチアゾール−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノ−3−フルオロピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−7−(5−ブロモチアゾール−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノ−3−フルオロピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−7−(ピラジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノ−3−フルオロピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−7−(ピリジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、及び
それらの薬学上許容しうる塩
が挙げられる。
【0086】
一般式(1)で表される化合物又はその薬学上許容しうる塩の特に好適な例としては、例えば、
3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノ−3−フルオロピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン(下記式(A)で表される化合物)及びその薬学上許容しうる塩(特に、ナトリウム塩、カリウム塩)、並びに、
3−{2−フルオロ−3−(メチルアミノスルホニル)アミノベンジル}−4−メチル−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン(下記式(B)で表される化合物)及びその薬学上許容しうる塩(特に、ナトリウム塩、カリウム塩)
が挙げられる。
【0087】
【化16】

【0088】
【化17】

【0089】
一般式(11)で表される化合物としては、また、下記式で表される化合物が挙げられる。
【0090】
【化18】

〔式中、G、Y、Y、Y、Y、G、G、G、NR、G及びRの組合せは、下表の通りである。〕
【表3】

【0091】
【化19】

〔式中、G、Z13、Z14、Z15、G、G、G、NR、G及びRの組合せは、下表の通りである。〕
【表4】

【0092】
【化20】

〔式中、G、Y、Y、Y、Y、G、G、G、Z19、G及びRの組合せは、下表の通りである。〕
【表5】

【0093】
【化21】

〔式中、G、Y、Y、Y、Y、Z16、Z17、Z18、G及びRの組合せは、下表の通りである。〕
【表6】

【0094】
【化22】

〔式中、G、Z13、Z14、Z15、G、G、G、Z16、G及びRの組合せは、下表の通りである。〕
【表7】

【0095】
【化23】

〔式中、G、Y、Y、Y、Y、Z16、Z17、NR、G及びRの組合せは、下表の通りである。〕
【表8】

【0096】
【化24】

〔式中、G、Z23、Z24、Z25、Z21、Z22、Z26、G及びRの組合せは、下表の通りである。〕
【0097】
【表9】

【0098】
【表10】

【0099】
【表11】

【0100】
【表12】

【0101】
一般式(11)で表される化合物又はその薬学上許容しうる塩は、例えば国際公開第2007/091736号パンフレットに記載の方法によって製造することができる。
【0102】
本発明の糖尿病、糖尿病関連疾患又は糖尿病性合併症の予防又は治療剤及び血糖降下剤は、一般式(11)で表される化合物の薬学上許容しうる塩を有効成分とするものを含む。これらの塩は、当該化合物と、医薬品の製造に使用可能な酸又は塩基と、を接触させることにより製造することができる。当該塩には、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩;メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸塩等のスルホン酸塩;ギ酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩、グルコン酸塩、マンデル酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、フルオロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酒石酸塩、プロピオン酸塩、グルタル酸塩等のカルボン酸塩;リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩、ルビジウム塩等のアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩、ジアルキルアンモニウム塩、トリアルキルアンモニウム塩、テトラアルキルアンモニウム塩等のアンモニウム塩等が含まれる。中でも、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩、ルビジウム塩等のアルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム塩及びカリウム塩が特に好ましい。
【0103】
一般式(11)の化合物又はその薬学上許容しうる塩は、他の糖尿病治療薬、糖尿病関連疾患治療薬及び糖尿病性合併症治療薬と、同時に、別々に又は順次に投与するために、組み合わせて使用してもよい。順次に投与する場合、一般式(11)の化合物又はその薬学上許容しうる塩は、他の糖尿病治療薬、糖尿病関連疾患治療薬及び糖尿病性合併症治療薬の投与前に投与しても、投与後に投与してもよい。
組み合わせて使用できる、他の糖尿病治療薬、糖尿病関連疾患治療薬及び糖尿病性合併症治療薬としては、例えば、インスリン感受性増強薬(トログリタゾン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、ファルグリタザル、メタグリダセン、MBX−2044、GI 262570、GW1929、GW7845等のPPARγアゴニスト;ムラグリタザル(muraglitazar)、ナベグリタザル(naveglitazar)、テサグリタザル(tesaglitazar)、ペリグリタザル、JTT−501、GW−409544、GW−501516、LM4156、LY510929、DRF−4823、TY−51501等のPPARα/γデュアルアゴニスト;GW−501516等のPPARδアゴニスト;PLX204、GlaxoSmithKline 625019、GlaxoSmithKline 677954等のPPARα/γ/δアゴニストなど);アカルボース、ボグリボース、ミグリトール等のグリコシダーゼ阻害薬;メトホルミン、ブホルミン、フェンホルミン等のビグアナイド薬;インスリン分泌促進薬(アセトヘキサミド、カルブタミド、クロロプロパミド、グリベンクラミド、グリボルヌリド、グリクラジド、グリメピリド、グリピジド、グリキドン、グリソキセピド、グリブリド等のスルホニルウレア系;ナテグリニド、レパグリニド、ミチグリニド等の非スルホニルウレア系;JTT−608;グリブゾールなど);インスリン製剤;BAY−27−9955、NN−2501、NNC−92−1687等のグルカゴン受容体アンタゴニスト;インスリン受容体キナ−ゼ促進薬;UCL−139等のトリペプチジルペプチダーゼII阻害薬;シタグリプチン、ビルダグリプチン、デナグリプチン(denagliptin)、サクサグリプチン、NVP−DPP728、LAF−237、MK−0431、P93/01、P32/98、FE 99901、TS−021、TSL−225、GRC8200等のジペプチジルペプチダーゼIV阻害薬;KR61639、IDD−3、PTP−3848、PTP−112、OC−86839、PNU−177496等のプロテインチロシンホスファターゼ−1B阻害薬;NN−4201、CP−368296等のグリコーゲンホスホリラーゼ阻害薬;グルコース−6−ホスファターゼ阻害薬;FR−225659等の肝臓クルコース新生阻害薬;CS−917、MB05032等のフルクトース 1,6−ビスホスファターゼ阻害薬;AZD−7545等のピルビン酸デヒドロゲナーゼ阻害薬;グルコキナーゼ活性化薬;D−カイロイノシトール;グリコーゲン合成酵素キナ−ゼ3阻害薬;グルカゴン様ペプチド−1;リラグルチド(liraglutide)、CJC−1131、AVE−0100等のグルカゴン様ペプチド−1類縁体;AZM−134、LY−315902、GlaxoSmithKline 716155等のグルカゴン様ペプチド−1受容体アゴニスト;アミリン;アミリン類縁体;アミリンアゴニスト;グルココルチコイド受容体アンタゴニスト;11β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ阻害薬;エパルレスタット、イミレスタット(imirestat)、トルレスタット、ミナルレスタット(minalrestat)、ポナルレスタット、ゾポルレスタット、フィダレスタット、リサレスタット、ゼナレスタット、ガモレン酸アスコルビル、ADN−138、BAL−ARI8、ZD−5522、ADN−311、GP−1447、IDD−598、リサレスタット、ゼナラスタット(zenarestat)、メトソルビニル(methosorbinil)、AL−1567、M−16209、TAT、AD−5467、AS−3201、NZ−314、SG−210、JTT−811、リンドルレスタット(lindolrestat)、ソルビニル(sorbinil)等のアルドース還元酵素阻害薬;ルボキシストーリン(ruboxistaurin)、ミドスタウリン等のプロテインキナーゼC阻害薬;トピラマート等のγ−アミノ酪酸受容体アンタゴニスト;メキシレチン、オキサカルバゼピン等のナトリウムチャンネルアンタゴニスト;デキクスリポタム(dexlipotam)等の転写因子NF−κB阻害薬;IKKβ阻害薬;メシル酸チリラザド等の脂質過酸化酵素阻害薬;GPI−5232、GPI−5693等のN−acetylated−α−linked−acid−dipeptidase阻害薬;SGLT2活性阻害薬;ALRT−268、AGN−4204、MX−6054、AGN−194204、LG−100754、ベキサロテン(bexarotene)等のRXRアゴニスト;アカルボース、ミグリトール等のα−グルコシダーゼ阻害薬;ソラベグロン(solabegron)、CL−316243、L−771047、FR−149175等のβ−3アドレナリン作動受容体アゴニスト;ピリドキサミン、OPB−9195、ALT−946、ALT−711、ピマゲジン(pimagedine等の終末糖化産物(AGE)形成阻害剤;ALT−711等のAGE分解剤;インスリン様成長因子−I;血小板由来成長因子(PDGF);血小板由来成長因子(PDGF)類縁体;上皮増殖因子(EGF);神経成長因子;カルニチン;レバセカルニン等のカルニチン誘導体;ウリジン;5−ヒドロキシ−1−メチルヒダントイン;EGB−761;ビモクロモル;スロデキシド;Y−128;TAR−428などが挙げられる。
インスリン製剤は、遺伝子組換えヒトインスリンと動物由来インスリンを含む。また、作用時間によって3種類に分類され、即効型(ヒトインスリン、ヒト中性インスリン)、中間型(インスリン−ヒトイソフェンインスリン水性懸濁、ヒト中性インスリン−ヒトイソフェンインスリン水性懸濁、ヒトインスリン亜鉛水性懸濁、インスリン亜鉛水性懸濁)、持続型(ヒト結晶性インスリン亜鉛懸濁)等が挙げられる。
【0104】
一般式(11)の化合物又はその薬学上許容しうる塩は、そのまま、又は医薬組成物の形で、その薬学上有効な量を適当な投与方法で患者に投与することにより、糖尿病、糖尿病関連疾患又は糖尿病性合併症の予防又は治療に使用することができる。投与方法は、経口投与、直腸投与、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、槽内投与、膣内投与、腹腔内投与、膀胱内投与、吸入投与等の全身投与、及び軟膏剤、ゲル剤、クリーム剤等による局所投与のいずれでもよい。
【0105】
一般式(11)の化合物又はその薬学上許容しうる塩を医薬組成物の形で使用する場合は、通常、一定の製剤(剤形)に製剤化して使用する。そのような製剤としては、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、細粒剤、丸剤、並びに水性又は非水性の溶液及び懸濁液が挙げられる。また、上記化合物又は塩は、種々の放出制御製剤の形態で使用することもでき、そのような放出制御製剤としては、例えば、体内に埋め込んで使用するもの、及び口腔粘膜又は鼻粘膜に適用するものが挙げられる。なお、溶液及び懸濁液は、個々の投与量に小分けするのに適した容器に充填して保管することができる。
【0106】
上記の各種製剤は、当該化合物又は塩と、薬剤学的に許容される添加剤を混和して、周知の方法で製造することができる。そのような添加剤としては、賦形剤、滑沢剤(コーティング剤)、結合剤、崩壊剤、安定剤、矯味矯臭剤、基剤、分散剤、希釈剤、界面活性剤、乳化剤等が挙げられる。
【0107】
賦形剤としては、例えば、デンプン(デンプン、バレイショデンプン、トウモロコシデンプン等)、乳糖、結晶セルロース及びリン酸水素カルシウムが挙げられる。
滑沢剤(コーティング剤)としては、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、セラック、タルク、カルナウバロウ及びパラフィンが挙げられる。
結合剤としては、例えば、ポリビニルピロリドン及びマクロゴールの他、上記賦形剤と同様の化合物が挙げられる。
崩壊剤としては、例えば、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、架橋ポリビニルピロリドン等、化学修飾されたデンプン類及びセルロース類の他、上記賦形剤と同様の化合物が挙げられる。
安定剤としては、例えば、メチルパラベン、プロピルパラベン等のパラオキシ安息香酸エステル類;塩化ベンザルコニウム;フェノール、クレゾール等のフェノール類;チメロサール;デヒドロ酢酸;及びソルビン酸が挙げられる。
矯味矯臭剤としては、例えば、通常使用される甘味料、酸味料、香料等が挙げられる。
基剤としては、例えば、豚脂等の脂肪類;オリーブ油、ゴマ油等の植物油;ステアリルアルコール、セタノール等の高級アルコール類;動物油;ラノリン酸;ワセリン;パラフィン;ベントナイト;グリセリン;及びグリコール油が挙げられる。
分散剤としては、例えば、セルロース誘導体(アラビアゴム、トラガント、メチルセルロース等)、ステアリン酸ポリエステル類、セスキオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸アルミニウム、アルギン酸ナトリウム、ポリソルベート類及びソルビタン脂肪酸エステル類が挙げられる。
液剤における溶媒又は希釈剤としては、例えば、フェノール、クロロクレゾール、精製水及び蒸留水が挙げられる。
界面活性剤又は乳化剤としては、例えば、ポリソルベート80、ステアリン酸ポリオキシル40及びラウロマクロゴールが挙げられる。
【0108】
一般式(11)の化合物又はその薬学上許容しうる塩と、1種類以上の他の糖尿病治療薬、糖尿病関連疾患治療薬及び糖尿病性合併症治療薬とを、別々の医薬組成物として使用する場合は、配合剤としても、別々の医薬組成物としてもよく、キットとしたものでもよい。また、各々の医薬組成物の剤形及び添加剤は、同じであっても、異なっていてもよい。
【0109】
一般式(11)の化合物又はその薬学上許容しうる塩の好ましい含有量は、剤形に応じて異なるが、一般に、製剤の全質量に対して0.01〜100重量%である。
【0110】
一般式(11)の化合物又はその薬学上許容しうる塩を、糖尿病、糖尿病関連疾患又は糖尿病性合併症の予防又は治療或いは血糖降下のために使用する場合、その投与量は、症状の軽重、年齢、体重、相対的健康状態、併用薬物の存否、投与方法等に応じて適宜決定することができる。例えば、投与対象が温血動物(特にヒト)の場合、1日当たり、体重1kg当たりの投与量は、一般に、経口投与においては、好ましくは0.0000001〜5000mg、より好ましくは0.000001〜10mgである。また、非経口投与においても、好ましくは0.0000001〜5000mg、より好ましくは0.000001〜10mgである。なお、上記投与量は、1日〜3週間に1回投与しても、また、1日当たり2〜4回に分けて投与してもよい。
【実施例】
【0111】
以下、実施例に基づいて本発明の態様をより具体的に説明する。
【0112】
以下の実施例において、使用したマウスは、購入後、試験終了まで、明暗サイクル12時間、温度25℃の条件で飼育した。また、マウスには常時、水を自由に摂取させた。マウスの飼育及びマウスを用いた試験は、Institutional Animal Care and Use Committee(IACUC)の承認の下に行った。
【0113】
[実施例1]
(試験化合物の合成)
3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノ−3−フルオロピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピランのカリウム塩(国際公開第2007/091736号パンフレットに記載の化合物1j−2−16−2K)(下記式(A’)で表される化合物)を、国際公開第2007/091736号パンフレットに記載の製造例と同様の方法によって合成した。
【0114】
【化25】

【0115】
(血中濃度プロファイルの再構築)
3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノ−3−フルオロピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピランの血中半減期は、マウスでは4.5時間であるが、カニクイザルでは25時間であり、他の霊長類(例えばヒト)においてもマウスより長い血中半減期を示すことが予想された。そこで、試験化合物の混餌投与により、霊長類と同様の血中濃度プロファイルをマウスモデルで再構築できないか、を検討した。
【0116】
摂餌パターン及び摂餌量のモニタリング:
まず、Pair−feed測定装置(大阪マイクロシステム、Pairmex)を用いて、BKS.Cg−m+/+ Leprdb/Jclマウス(db/+mマウス)(雄、日本クレア)(n=8)及びBKS.Cg−+Leprdb/+Leprdb/Jclマウス(db/dbマウス)(雄、日本クレア)(n=16)の摂餌パターン及び摂餌量をモニターした(いずれのマウスもモニタリング開始時に8週齢)。具体的には、球形のCE−2固形飼料(日本クレア)(一粒10.4mg又は10.7mg)をマウスに自由に摂取させ、1時間ごとに摂餌量を測定した。摂取させた固形飼料の総量から網床の下に落ちた固形飼料の総量を差し引いた値を摂餌量とした。Pair−feed制御ソフトは、PAIR FEED SYSTEM V1.00Y1を使用した。モニタリング開始前(1週間)は、全てのマウスにCE−2固形飼料を自由に摂取させた。
【0117】
db/dbマウスにおけるモニタリングの結果(平均)を図1に示す。図1は、db/dbマウスの摂餌量(平均)の経時的変化を示すグラフである。図1から明らかなように、db/dbマウスでは、昼夜における摂餌量に変動があるものの、ほぼ恒常的に0.2〜0.4g/hの摂餌を行っていた。他方、db/+mマウスは、昼間はほとんど摂餌せず、昼夜の摂餌量に大きな差が見られた。なお、db/dbマウスは、レプチンシグナルの障害により満腹中枢が働かないという性質を有する。
【0118】
血中化合物濃度の経時的測定:
次に、0.54mgの試験化合物と1kgのCE−2パウダー飼料とを混合し、これをdb/dbマウス(n=3)に自由摂取させて、投与4、10、24、29、34、48時間後に血中化合物濃度を測定した。血中化合物濃度は、マウス尾静脈より採血した血液を15000rpmで5分間遠心分離し、上清の血漿サンプルをLC/MS/MS装置(Life Technologies、API3200)で分析することによって測定した。
【0119】
測定結果(平均)を図2に示す。図2は、db/dbマウスの血中化合物濃度(平均)の経時的変化を示すグラフである。図2から明らかなように、血中化合物濃度は徐々に上昇し、24時間以降48時間までの間、持続的な化合物濃度の維持が可能であることがわかった。
【0120】
以上により、試験化合物の混餌投与により、霊長類と同様の血中濃度プロファイルをdb/dbマウスで再構築できることが判明した。
【0121】
(試験化合物の混餌投与)
試験飼料の調製:
CE−2パウダー飼料(日本クレア)100gと所定濃度の試験化合物の水溶液30mLとを混合した後、これを乾燥して3種の試験飼料(CE−2パウダー飼料1kg当たり0.86mg、1.72mg、3.44mgの試験化合物を含有)を得た。
【0122】
試験飼料の投与:
各群6頭のdb/dbマウス(雄、日本クレア)からなる4群(コントロール群、0.86mg in 1kg CE−2投与群、1.72mg in 1kg CE−2投与群、3.44mg in 1kg CE−2投与群)を設定し、コントロール群にはCE−2パウダー飼料を、また、0.86mg in 1kg CE−2投与群、1.72mg in 1kg CE−2投与群及び3.44mg in 1kg CE−2投与群には、それぞれ、CE−2パウダー飼料1kg当たり0.86mg、1.72mg及び3.44mgの試験化合物を含有する試験飼料を2週間、自由に摂取させた(いずれのマウスも投与開始時に8週齢)。試験飼料の投与開始前(1週間)は、全てのマウスに、粉末給餌器に入れたCE−2パウダー飼料を自由に摂取させた。
【0123】
(随時血糖、体重、摂餌量の経時的測定)
随時血糖の測定:
試験飼料の投与開始の前日及び投与開始から3日目、7日目、14日目にマウスの随時血糖を測定した。
【0124】
血糖値の測定は次のようにして行った。すなわち、まず、マウス尾静脈より10μLを採血し、8w/v%過塩素酸水溶液20μLと混和してタンパク変性を行い、更に14000rpm、4°Cで10分間遠心分離いて除タンパクを行った。そして、得られた上清15μLを蒸留水75μLと合わせて6倍希釈した後、TBA−120FR(東芝メディカルシステムズ)及びグルコースキット(和光純薬工業、LタイプワコーGlu2(ヘキソキナーゼ・G−6−PDH法))を用いて血糖値(mg/dL)を測定した。
【0125】
測定結果(平均±標準誤差)を表IA及び図3に示す。図3は、db/dbマウスの随時血糖(平均)の経時的変化を示すグラフである。この結果から明らかなように、0.86mg in 1kg CE−2投与群、1.72mg in 1kg CE−2投与群及び3.44mg in 1kg CE−2投与群では、コントロール群と比較して随時血糖が顕著に抑制された。
【0126】
【表13】

【0127】
体重及び摂餌量の測定:
試験飼料の投与開始の前日及び投与開始から3日目、7日目、10日目、14日目にマウスの体重及び摂餌量を測定した。摂餌量については、試験飼料を入れた粉末給餌器の重量を測定し、1日当たりの平均摂餌量を算出した。
【0128】
測定結果(平均)を図4、5に示す。図4は、db/dbマウスの体重(平均)の経時的変化を示すグラフである。図5は、db/dbマウスの摂餌量(平均)の経時的変化を示すグラフである。これらの結果から明らかなように、1.72mg in 1kg CE−2投与群及び3.44mg in 1kg CE−2投与群では摂餌量が僅かに減少したものの、体重の推移にはほとんど影響がなかった。
【0129】
(経口糖負荷試験)
試験飼料の投与終了後、マウスに一晩絶食させて経口糖負荷試験を行った。具体的には、50%糖液(大塚製薬)を用いて2g/kg体重の糖を経口投与し、投与直後及び投与から0.5時間後、1時間後、2時間後、4時間後に血糖値を測定した。血糖値の測定は、随時血糖の測定と同様にして行った。
【0130】
測定結果(平均±標準誤差)を表IB及び図6に示す。図6は、db/dbマウスの血糖値(平均)の経時的変化を示すグラフである。この結果から明らかなように、0.86mg in 1kg CE−2投与群、1.72mg in 1kg CE−2投与群及び3.44mg in 1kg CE−2投与群では、コントロール群と比較して糖負荷後の血糖値が顕著に抑制された。
【0131】
【表14】

【0132】
[実施例2]
(試験化合物の合成)
3−{2−フルオロ−3−(メチルアミノスルホニル)アミノベンジル}−4−メチル−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピランのカリウム塩(国際公開第2007/091736号パンフレットに記載の化合物1j−2−4−2K)(下記式(B’)で表される化合物)を、国際公開第2007/091736号パンフレットに記載の製造例と同様の方法によって合成した。
【0133】
【化26】

【0134】
(試験化合物の混餌投与)
試験飼料の調製:
CE−2パウダー飼料(日本クレア)と試験化合物とを混合して2種の試験飼料(CE−2パウダー飼料1kg当たり11mg、23mgの試験化合物を含有)を得た。
【0135】
試験飼料の投与:
各群6頭のdb/dbマウス(雄、日本クレア)からなる3群(コントロール群、11mg in 1kg CE−2投与群、23mg in 1kg CE−2投与群)を設定し、コントロール群にはCE−2パウダー飼料を、また、11mg in 1kg CE−2投与群及び23mg in 1kg CE−2投与群には、それぞれ、CE−2パウダー飼料1kg当たり11mg及び23mgの試験化合物を含有する試験飼料を2週間、自由に摂取させた(いずれのマウスも投与開始時に8週齢)。試験飼料の投与開始前(1週間)は、全てのマウスに、粉末給餌器に入れたCE−2パウダー飼料を自由に摂取させた。
【0136】
(随時血糖、体重、摂餌量の経時的測定)
随時血糖の測定:
実施例1と同様にしてマウスの随時血糖を測定した。
【0137】
測定結果(平均±標準誤差)を表IIA及び図7に示す。図7は、db/dbマウスの随時血糖(平均)の経時的変化を示すグラフである。この結果から明らかなように、11mg in 1kg CE−2投与群及び23mg in 1kg CE−2投与群では、コントロール群と比較して随時血糖が顕著に抑制された。
【0138】
【表15】

【0139】
体重及び摂餌量の測定:
実施例1と同様にしてマウスの体重及び摂餌量を測定した。
【0140】
測定結果(平均)を図8、9に示す。図8は、db/dbマウスの体重(平均)の経時的変化を示すグラフである。図9は、db/dbマウスの摂餌量(平均)の経時的変化を示すグラフである。これらの結果から明らかなように、11mg in 1kg CE−2投与群及び23mg in 1kg CE−2投与群では摂餌量が僅かに減少したものの、体重の推移にはほとんど影響がなかった。
【0141】
(経口糖負荷試験)
実施例1と同様にして経口糖負荷試験を行った。
【0142】
測定結果(平均±標準誤差)を表IIB及び図10に示す。図10は、db/dbマウスの血糖値(平均)の経時的変化を示すグラフである。この結果から明らかなように、11mg in 1kg CE−2投与群及び23mg in 1kg CE−2投与群では、コントロール群と比較して糖負荷後の血糖値が顕著に抑制された。
【0143】
【表16】

【0144】
以上の実施例により、一般式(11)で表される化合物又はその薬学上許容しうる塩が血糖降下作用を有し、糖尿病、糖尿病関連疾患又は糖尿病性合併症の予防又は治療のために使用可能であることが確認された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(11)で表される化合物又はその薬学上許容しうる塩を有効成分とする、糖尿病、糖尿病関連疾患又は糖尿病性合併症の予防又は治療剤。
【化1】

〔式中、G、G、G及びGは、それぞれ独立に、−N=、−CR=及び−C(−G−X)=から選択され、
、G、G及びGのいずれか一つは−C(−G−X)=であり、
Xは、C1−6アルキル基(当該C1−6アルキル基は、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、−NR5657から選択される基で置換されていてもよい)、アリール基、ヘテロ環基、R31CS−、R31CO−、R3334NCS−、R3334NC=NH−及びRNCO−、R3334NCO−から選択され、
は、単結合、酸素原子、硫黄原子、−(CR3536−(ここで、lは、1〜3のいずれかの整数を表す。)及び−NR37−から選択され、
環Gは、2価のアリール基及び2価のヘテロ環基から選択され、
Aは、下記一般式(2)で表される基及び下記一般式(3)で表される基から選択され、
【化2】

【化3】

は、酸素原子、硫黄原子、−NR38−及び−CR4041−から選択され、
は、水素原子2個、酸素原子、硫黄原子及び=CHから選択され、
は、酸素原子、−CR4243−、−CR4243−O−、−O−CR4243−、−CONR44−、−NR44CO−、−NR45−、−NR45CR4243−、−CR4243NR45−、−S(=O)−、−NR44S(=O)−、−S(=O)NR44−(ここで、nは、0〜2のいずれかの整数を表す)、−N=CR42−、−CR42=N−、−CR42=CR43−、−C≡C−、−NR44−O−、−O−NR44−、−C(=O)−O−及び−O−C(=O)−から選択され、
は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C1−6アルキル基(当該C1−6アルキル基は、ハロゲン原子、水酸基及び−NR4647から選択される基で置換されていてもよい)、C2−7アルケニル基、カルバモイル基及びC2−7アルキニル基(当該C2−7アルキニル基はC1−4アシル基で置換されていてもよい。)から選択され、
又はGが−CR=であり、Gが−C(−G−X)=であり、XがRNCO−、R3334NC=NH−又はR3334NCS−である場合;Gが−CR=であり、Gが−C(−G−X)=であり、XがRNCO−、R3334NC=NH−又はR3334NCS−である場合;G又はGが−CR=であり、Gが−C(−G−X)=であり、XがRNCO−、R3334NC=NH−又はR3334NCS−である場合;或いは、Gが−CR=であり、Gが−C(−G−X)=であり、XがRNCO−、R3334NC=NH−又はR3334NCS−である場合、Rは、R又はR34と一緒になって、単結合又は−CH−を形成していてもよく、
は、水酸基、C1−6アルコキシ基、−NR4849又はC1−6アルキル基(当該C1−6アルキル基は、ハロゲン原子、水酸基、C1−6アルコキシ基、ホルミル基、−CO50及び−CONR5152から選択される基で置換されていてもよい。)を表し、
、R、R、R、R、R10、R31、R46及びR47は、それぞれ独立に、水素原子、C1−6アルコキシ基、C3−8シクロアルキル基及びC1−6アルキル基(当該C1−6アルキル基は、シアノ基、ハロゲン原子、水酸基、C1−6アルコキシ基、−NR1314、−CONR2829及びアリール基から選択される基で置換されていてもよい。)から選択され、
33及びR34は、それぞれ独立に、水素原子、C1−6アルキル基及びアリール基から選択され、
及びRの組合せ、R及びRの組合せ、R及びR10の組合せ、R33及びR34の組合せ、並びにR46及びR47の組合せは、結合する窒素原子と一緒になって、少なくとも1個の窒素原子を含む4〜6員のヘテロ環基(当該ヘテロ環基は、更に、ベンゼン環と縮合していてもよい。)を形成していてもよく、
l個のR35及びl個のR36は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子及びC1−6アルキル基から選択され、
45は、水素原子、C1−6アルキル基及び−S(=O)NR5455(ここで、mは、0〜2のいずれかの整数を表す。)から選択され、
13、R14、R56及びR57は、それぞれ独立に、水素原子、C1−6アルキル基、−COR32及び−CO32から選択され、
、R、R28、R29、R32、R37、R38、R40、R41、R42、R43、R44、R48、R49、R50、R51、R52、R54及びR55は、それぞれ独立に、水素原子及びC1−6アルキル基から選択される。〕
【請求項2】
一般式(11)で表される化合物が、下記一般式(1)で表される化合物である、請求項1に記載の糖尿病、糖尿病関連疾患又は糖尿病性合併症の予防又は治療剤。
【化4】

〔式中、Xは、ヘテロアリール基及びRNCO−から選択され、
及びYは、それぞれ独立に、−N=及び−CR11=から選択され、
及びYは、同一又は異なって、−CR12=を表し、
Aは、下記一般式(2)で表される基、及び下記一般式(3)で表される基から選択され、
【化5】

【化6】

は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C1−6アルキル基、C2−7アルケニル基、カルバモイル基及びC2−7アルキニル基(当該C2−7アルキニル基はC1−4アシル基で置換されていてもよい。)から選択され、
は、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基を表し、
、R、R、R、R及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、C1−6アルコキシ基、C3−8シクロアルキル基及びC1−6アルキル基(当該C1−6アルキル基は、シアノ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1−6アルコキシ基及び−NR1314から選択される基で置換されていてもよい。)から選択され、
及びRの組合せ、R及びRの組合せ、並びにR及びR10の組合せは、結合する窒素原子と一緒になって、少なくとも1個の窒素原子を含む4〜6員のヘテロ環基を形成していてもよく、
、R、R13及びR14は、それぞれ独立に、水素原子及びC1−6アルキル基から選択され、
11は、水素原子、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C1−4アシル基、C1−4アシルオキシ基及び−NR1516から選択され、
12は、水素原子、ハロゲン原子及びC1−6アルキル基から選択され、
15及びR16は、それぞれ独立に、水素原子及びC1−4アシル基から選択される。〕
【請求項3】
が水素原子、ハロゲン原子及びC1−6アルキル基から選択される、請求項2に記載の糖尿病、糖尿病関連疾患又は糖尿病性合併症の予防又は治療剤。
【請求項4】
又はRが水素原子である、請求項2又は3に記載の糖尿病、糖尿病関連疾患又は糖尿病性合併症の予防又は治療剤。
【請求項5】
、R、R、R、R及びR10が、それぞれ独立に、水素原子及びC1−6アルキル基から選択される、請求項2〜4のいずれか一項に記載の糖尿病、糖尿病関連疾患又は糖尿病性合併症の予防又は治療剤。
【請求項6】
Xがチアゾール−2−イル基、ピリミジン−2−イル基、2−ピリジル基及びRNCO−(式中、R及びRは前記と同義である。)から選択される、請求項2〜5のいずれか一項に記載の糖尿病、糖尿病関連疾患又は糖尿病性合併症の予防又は治療剤。
【請求項7】
及びRが共にメチル基である、請求項6に記載の糖尿病、糖尿病関連疾患又は糖尿病性合併症の予防又は治療剤。
【請求項8】
が、フッ素原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基である、請求項2〜7のいずれか一項に記載の糖尿病、糖尿病関連疾患又は糖尿病性合併症の予防又は治療剤。
【請求項9】
が−CH、−CHF及び−CHCHから選択される、請求項8に記載の糖尿病、糖尿病関連疾患又は糖尿病性合併症の予防又は治療剤。
【請求項10】
一般式(1)で表される化合物又はその薬学上許容しうる塩が、
ジメチルカルバミン酸 3−{3−(アミノスルホニル)アミノベンジル}−4−メチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 3−{3−(アミノスルホニル)アミノベンジル}−6−フルオロ−4−メチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 3−{3−(アミノスルホニル)アミノベンジル}−6−クロロ−4−メチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 3−(3−アミノスルホニルアミノ−2−フルオロ−ベンジル)−4−メチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 3−{2−フルオロ−3−(アミノスルホニル)アミノベンジル}−6−フルオロ−4−メチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 3−{3−(アミノスルホニル)アミノベンジル}−6−ヨード−4−メチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 3−{3−(アミノスルホニル)アミノベンジル}−6−メチル−4−メチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 3−{3−(アミノスルホニル)アミノベンジル}−6−シアノ−4−メチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 3−{3−(アミノスルホニル)アミノベンジル}−4−フルオロメチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 3−{3−(アミノスルホニル)アミノベンジル}−6−フルオロ−4−フルオロメチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 3−{3−(アミノスルホニル)アミノベンジル}−6−クロロ−4−フルオロメチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 3−(3−アミノスルホニルアミノ−2−フルオロ−ベンジル)−4−フルオロメチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
3−{2−フルオロ−3−(アミノスルホニル)アミノベンジル}−4−メチル−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{3−(アミノスルホニル)アミノベンジル}−4−メチル−7−(チアゾール−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{3−(アミノスルホニル)アミノベンジル}−4−メチル−7−(チアゾール−2−イルオキシ)−6−クロロ−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−フルオロ−3−(アミノスルホニル)アミノベンジル}−4−メチル−7−(チアゾール−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{3−(アミノスルホニル)アミノベンジル}−4−メチル−7−(チアゾール−2−イルオキシ)−6−メチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−クロロ−3−(アミノスルホニル)アミノベンジル}−4−メチル−7−(チアゾール−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
ジメチルカルバミン酸 4−メチル−3−{3−(メチルアミノスルホニル)アミノベンジル}−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 6−フルオロ−4−メチル−3−{3−(メチルアミノスルホニル)アミノベンジル}−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 3−(3−(N−メチルスルファモイル)アミノベンジル)−6−クロロ−4−メチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 3−(3−メチルアミノスルホニルアミノ−2−フルオロ−ベンジル)−4−メチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 6−ヨード−4−メチル−3−{3−(メチルアミノスルホニル)アミノベンジル}−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 6−メチル−4−メチル−3−{3−(メチルアミノスルホニル)アミノベンジル}−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 6−シアノ−4−メチル−3−{3−(メチルアミノスルホニル)アミノベンジル}−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 4−メチル−3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノピリジン−4−イルメチル}−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 4−メチル−3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノピリジン−4−イルメチル}−6−フルオロ−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 4−メチル−3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノピリジン−4−イルメチル}−6−クロロ−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 4−メチル−3−{6−(メチルアミノスルホニル)アミノピリジン−2−イルメチル}−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 4−メチル−3−{6−(メチルアミノスルホニル)アミノピリジン−2−イルメチル}−6−フルオロ−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 4−メチル−3−{6−(メチルアミノスルホニル)アミノピリジン−2−イルメチル}−6−クロロ−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 3−(3−メチルアミノスルホニルアミノ−2−フルオロ−ベンジル)−4−フルオロメチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 3−(3−メチルアミノスルホニルアミノベンジル)−4−フルオロメチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 3−(3−メチルアミノスルホニルアミノベンジル)−6−フルオロ−4−フルオロメチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 6−クロロ−4−フルオロメチル−3−{3−(メチルアミノスルホニル)アミノベンジル}−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
3−{2−フルオロ−3−(メチルアミノスルホニル)アミノベンジル}−4−メチル−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−フルオロ−3−(メチルアミノスルホニル)アミノベンジル}−4−メチル−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−フルオロ−3−(メチルアミノスルホニル)アミノベンジル}−4−フルオロメチル−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−6−クロロ−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{3−(メチルアミノスルホニル)アミノベンジル}−4−メチル−7−(チアゾール−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{3−(メチルアミノスルホニル)アミノベンジル}−4−メチル−7−(チアゾール−2−イルオキシ)−6−クロロ−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−フルオロ−3−(メチルアミノスルホニル)アミノベンジル}−4−メチル−7−(チアゾール−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{3−(メチルアミノスルホニル)アミノベンジル}−4−メチル−7−(チアゾール−2−イルオキシ)−6−メチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
ジメチルカルバミン酸 6−クロロ−4−メチル−3−{3−(ジメチルアミノスルホニル)アミノベンジル}−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
3−{2−フルオロ−3−(ジメチルアミノスルホニル)アミノベンジル}−4−メチル−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
ジメチルカルバミン酸 3−(3−(N−(2−シアノエチル)スルファモイル)アミノベンジル)−6−クロロ−4−メチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 3−(3−(N−(2−ヒドロキシエチル)スルファモイル)アミノベンジル)−6−クロロ−4−メチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 3−(3−(N−(2−メトキシエチル)スルファモイル)アミノベンジル)−6−クロロ−4−メチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 3−(3−(N−(2−アミノエチル)スルファモイル)アミノベンジル)−6−クロロ−4−メチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 3−(3−(N−(N’−メチル−2−アミノエチル)メチルスルファモイル)アミノベンジル)−6−クロロ−4−メチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 3−(3−(N−2,2,2−トリフルオロエチル−スルファモイル)アミノベンジル)−6−クロロ−4−メチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 3−(3−(N−メトキシスルファモイル)アミノベンジル)−6−クロロ−4−メチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 3−(3−カルバモイルメタンスルホニルアミノ−ベンジル)−6−クロロ−4−メチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
ジメチルカルバミン酸 3−(3−メチルカルバモイルメタンスルホニルアミノ−ベンジル)−6−クロロ−4−メチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
2−{2−フルオロ−3−[4−メチル−2−オキソ−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2H−1−ベンゾピラン−3−イルメチル]フェニルスルファモイル}−N−メチル−アセトアミド、
ジメチルカルバミン酸 3−(3−ジメチルカルバモイルメタンスルホニルアミノ−ベンジル)−6−クロロ−4−メチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン−7−イルエステル、
2−{2−フルオロ−3−[4−メチル−2−オキソ−7−(チアゾール−2−イルオキシ)−2H−1−ベンゾピラン−3−イルメチル]フェニルスルファモイル}−N−メチル−アセトアミド、
3−{2−メチル−3−(メチルアミノスルホニル)アミノベンジル}−4−メチル−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノ−3−フルオロピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−(エチルアミノスルホニル)アミノ−3−フルオロピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−(イソプロピルアミノスルホニル)アミノ−3−フルオロピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノ−3−フルオロピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−6−フルオロ−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−(シクロプロピルアミノスルホニル)アミノ−3−フルオロピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−6−フルオロ−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノ−3−フルオロピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−6−クロロ−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノ−3−フルオロピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−6−メチル−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノ−3−フルオロピリジン−4−イルメチル}−4−エチル−6−メチル−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−(シクロプロピルアミノスルホニル)アミノ−3−フルオロピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−6−メチル−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−(シクロプロピルアミノスルホニル)アミノ−3−フルオロピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノ−3−クロロピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−6−クロロ−7−(チアゾール−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノ−3−フルオロピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−6−メチル−7−(チアゾール−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−(シクロプロピルアミノスルホニル)アミノ−3−フルオロピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−6−メチル−7−(チアゾール−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−6−メチル−7−(チアゾール−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノ−3−クロロピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−6−メチル−7−(チアゾール−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−フルオロ−3−(メチルアミノスルホニル)アミノベンジル}−4−メチル−7−(5−フルオロピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−フルオロ−3−(メチルアミノスルホニル)アミノベンジル}−4−メチル−7−(4−クロロピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−フルオロ−3−(メチルアミノスルホニル)アミノベンジル}−4−メチル−7−(2,4−ジメトキシピリミジン−6−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−フルオロ−3−(メチルアミノスルホニル)アミノベンジル}−4−メチル−7−(ベンゾチアゾール−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−フルオロ−3−(メチルアミノスルホニル)アミノベンジル}−4−メチル−7−(5−ブロモチアゾール−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノ−3−フルオロピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−7−(5−フルオロピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノ−3−フルオロピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−7−(4−クロロピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノ−3−フルオロピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−7−(2,4−ジメトキシピリミジン−6−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノ−3−フルオロピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−7−(ベンゾチアゾール−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノ−3−フルオロピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−7−(5−ブロモチアゾール−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノ−3−フルオロピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−7−(ピラジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、
3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノ−3−フルオロピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−7−(ピリジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン、及び
それらの薬学上許容しうる塩
から選択される、請求項2に記載の糖尿病、糖尿病関連疾患又は糖尿病性合併症の予防又は治療剤。
【請求項11】
一般式(1)で表される化合物又はその薬学上許容しうる塩が、
3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノ−3−フルオロピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン又はその薬学上許容しうる塩である、
請求項2に記載の糖尿病、糖尿病関連疾患又は糖尿病性合併症の予防又は治療剤。
【請求項12】
一般式(1)で表される化合物又はその薬学上許容しうる塩が、
3−{2−フルオロ−3−(メチルアミノスルホニル)アミノベンジル}−4−メチル−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン又はその薬学上許容しうる塩である、
請求項2に記載の糖尿病、糖尿病関連疾患又は糖尿病性合併症の予防又は治療剤。
【請求項13】
糖尿病がインスリン非依存性糖尿病であり、糖尿病関連疾患が高血糖症又は境界型糖尿病である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の糖尿病、糖尿病関連疾患又は糖尿病性合併症の予防又は治療剤。
【請求項14】
下記一般式(11)で表される化合物又はその薬学上許容しうる塩を有効成分とする血糖降下剤。
【化7】

〔式中、G、G、G及びGは、それぞれ独立に、−N=、−CR=及び−C(−G−X)=から選択され、
、G、G及びGのいずれか一つは−C(−G−X)=であり、
Xは、C1−6アルキル基(当該C1−6アルキル基は、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、−NR5657から選択される基で置換されていてもよい)、アリール基、ヘテロ環基、R31CS−、R31CO−、R3334NCS−、R3334NC=NH−及びRNCO−、R3334NCO−から選択され、
は、単結合、酸素原子、硫黄原子、−(CR3536−(ここで、lは、1〜3のいずれかの整数を表す。)及び−NR37−から選択され、
環Gは、2価のアリール基及び2価のヘテロ環基から選択され、
Aは、下記一般式(2)で表される基及び下記一般式(3)で表される基から選択され、
【化8】

【化9】

は、酸素原子、硫黄原子、−NR38−及び−CR4041−から選択され、
は、水素原子2個、酸素原子、硫黄原子及び=CHから選択され、
は、酸素原子、−CR4243−、−CR4243−O−、−O−CR4243−、−CONR44−、−NR44CO−、−NR45−、−NR45CR4243−、−CR4243NR45−、−S(=O)−、−NR44S(=O)−、−S(=O)NR44−(ここで、nは、0〜2のいずれかの整数を表す)、−N=CR42−、−CR42=N−、−CR42=CR43−、−C≡C−、−NR44−O−、−O−NR44−、−C(=O)−O−及び−O−C(=O)−から選択され、
は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C1−6アルキル基(当該C1−6アルキル基は、ハロゲン原子、水酸基及び−NR4647から選択される基で置換されていてもよい)、C2−7アルケニル基、カルバモイル基及びC2−7アルキニル基(当該C2−7アルキニル基はC1−4アシル基で置換されていてもよい。)から選択され、
又はGが−CR=であり、Gが−C(−G−X)=であり、XがRNCO−、R3334NC=NH−又はR3334NCS−である場合;Gが−CR=であり、Gが−C(−G−X)=であり、XがRNCO−、R3334NC=NH−又はR3334NCS−である場合;G又はGが−CR=であり、Gが−C(−G−X)=であり、XがRNCO−、R3334NC=NH−又はR3334NCS−である場合;或いは、Gが−CR=であり、Gが−C(−G−X)=であり、XがRNCO−、R3334NC=NH−又はR3334NCS−である場合、Rは、R又はR34と一緒になって、単結合又は−CH−を形成していてもよく、
は、水酸基、C1−6アルコキシ基、−NR4849又はC1−6アルキル基(当該C1−6アルキル基は、ハロゲン原子、水酸基、C1−6アルコキシ基、ホルミル基、−CO50及び−CONR5152から選択される基で置換されていてもよい。)を表し、
、R、R、R、R、R10、R31、R46及びR47は、それぞれ独立に、水素原子、C1−6アルコキシ基、C3−8シクロアルキル基及びC1−6アルキル基(当該C1−6アルキル基は、シアノ基、ハロゲン原子、水酸基、C1−6アルコキシ基、−NR1314、−CONR2829及びアリール基から選択される基で置換されていてもよい。)から選択され、
33及びR34は、それぞれ独立に、水素原子、C1−6アルキル基及びアリール基から選択され、
及びRの組合せ、R及びRの組合せ、R及びR10の組合せ、R33及びR34の組合せ、並びにR46及びR47の組合せは、結合する窒素原子と一緒になって、少なくとも1個の窒素原子を含む4〜6員のヘテロ環基(当該ヘテロ環基は、更に、ベンゼン環と縮合していてもよい。)を形成していてもよく、
l個のR35及びl個のR36は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子及びC1−6アルキル基から選択され、
45は、水素原子、C1−6アルキル基及び−S(=O)NR5455(ここで、mは、0〜2のいずれかの整数を表す。)から選択され、
13、R14、R56及びR57は、それぞれ独立に、水素原子、C1−6アルキル基、−COR32及び−CO32から選択され、
、R、R28、R29、R32、R37、R38、R40、R41、R42、R43、R44、R48、R49、R50、R51、R52、R54及びR55は、それぞれ独立に、水素原子及びC1−6アルキル基から選択される。〕
【請求項15】
一般式(11)で表される化合物が、下記一般式(1)で表される化合物である、請求項14に記載の血糖降下剤。
【化10】

〔式中、Xは、ヘテロアリール基及びRNCO−から選択され、
及びYは、それぞれ独立に、−N=及び−CR11=から選択され、
及びYは、同一又は異なって、−CR12=を表し、
Aは、下記一般式(2)で表される基、及び下記一般式(3)で表される基から選択され、
【化11】

【化12】

は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C1−6アルキル基、C2−7アルケニル基、カルバモイル基及びC2−7アルキニル基(当該C2−7アルキニル基はC1−4アシル基で置換されていてもよい。)から選択され、
は、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基を表し、
、R、R、R、R及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、C1−6アルコキシ基、C3−8シクロアルキル基及びC1−6アルキル基(当該C1−6アルキル基は、シアノ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1−6アルコキシ基及び−NR1314から選択される基で置換されていてもよい。)から選択され、
及びRの組合せ、R及びRの組合せ、並びにR及びR10の組合せは、結合する窒素原子と一緒になって、少なくとも1個の窒素原子を含む4〜6員のヘテロ環基を形成していてもよく、
、R、R13及びR14は、それぞれ独立に、水素原子及びC1−6アルキル基から選択され、
11は、水素原子、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C1−4アシル基、C1−4アシルオキシ基及び−NR1516から選択され、
12は、水素原子、ハロゲン原子及びC1−6アルキル基から選択され、
15及びR16は、それぞれ独立に、水素原子及びC1−4アシル基から選択される。〕

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−92038(P2012−92038A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−240102(P2010−240102)
【出願日】平成22年10月26日(2010.10.26)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【出願人】(000003311)中外製薬株式会社 (228)
【Fターム(参考)】