説明

糖尿病および糖尿病に関連する状態の治療のため、ならびに血中GLP−1レベルの増加によって改善される状態の治療のための併用療法

本発明は、一定量のGPR119アゴニストと一定量のジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)インヒビターとの組み合わせであって、その結果この組み合わせが、一定量のGPR119アゴニストのみまたは一定量のDPP−IVインヒビターのみによって得られる効果よりも被験体の血糖値の低下または血中GLP−1レベルの増加に効果がある組み合わせ、ならびに糖尿病および糖尿病に関連する状態または血中GLP−1レベルの増加によって改善される状態の治療または予防のためのこのような組み合わせの使用に関する。本発明はまた、GLP−1分泌促進薬のスクリーニングのためのGタンパク質共役型受容体の使用に関する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
糖尿病または糖尿病に関連する状態を治療または予防する方法であって、GPR119アゴニストおよびDPP−IVインヒビターを含む治療有効量の組成物を、糖尿病または糖尿病に関連する状態の治療または予防を必要とする被験体に投与する工程を含む、方法。
【請求項2】
前記GPR119アゴニストおよび前記DPP−IVインヒビターが、前記被験体の血糖値を低下させるのに十分な量で投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
血中GLP−1レベルの増加によって改善される状態を治療または予防する方法であって、GPR119アゴニストおよびDPP−IVインヒビターを含む治療有効量の組成物を、血中GLP−1レベルの増加によって改善される状態の治療または予防を必要とする被験体に投与する工程を含む、方法。
【請求項4】
前記GPR119アゴニストおよび前記DPP−IVインヒビターが、前記被験体の血中GLP−1レベルを増加させるのに十分な量で投与される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
血中GLP−1レベルを増加させる方法であって、GPR119アゴニストおよびDPP−IVインヒビターを含む治療有効量の組成物をGLP−1欠損被験体に投与する工程を含む、方法。
【請求項6】
前記GPR119アゴニストおよび前記DPP−IVインヒビターが、被験体の血中GLP−1レベルを増加させるのに十分な量で投与される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記糖尿病が2型糖尿病である、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記糖尿病に関連する状態が、高血糖、耐糖能障害、インスリン抵抗性、膵臓β細胞不全、腸内分泌細胞不全、糖尿、代謝性アシドーシス、白内障、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症、糖尿病性冠動脈疾患、糖尿病性脳血管障害、糖尿病性末梢血管疾患、代謝症候群、高脂血症、アテローム性動脈硬化症、脳卒中、高血圧、および肥満からなる群から選択される、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記血中GLP−1レベルの増加によって改善される状態が、糖尿病、糖尿病に関連する状態、心筋梗塞、学習障害、記憶障害、および神経変性障害からなる群から選択される、請求項3または請求項4に記載の方法。
【請求項10】
前記血中GLP−1レベルの増加によって改善される状態が、重症てんかん発作に起因する興奮毒性脳損傷、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、プリオン関連疾患、脳卒中、運動ニューロン疾患、学習または記憶障害、外傷性脳損傷、脊髄損傷、および末梢神経障害からなる群から選択される神経変性障害である、請求項3または請求項4に記載の方法。
【請求項11】
前記被験体がヒトである、請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
GPR119アゴニストおよびDPP−IVインヒビターを含む組成物。
【請求項13】
前記GPR119アゴニストおよび前記DPP−IVインヒビターが、被験体の血糖値を低下させるのに十分な量である、請求項12に記載の組成物の投薬形態。
【請求項14】
前記GPR119アゴニストおよびDPP−IVインヒビターが、被験体の血中GLP−1レベルを増加させるのに十分な量である、請求項12に記載の組成物の投薬形態。
【請求項15】
療法によるヒトまたは動物の身体の治療方法で用いるための、GPR119アゴニストおよびDPP−IVインヒビターを含む組成物。
【請求項16】
前記GPR119アゴニストおよび前記DPP−IVインヒビターが、被験体の血糖値を低下させるのに十分な量である、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記GPR119アゴニストおよび前記DPP−IVインヒビターが、被験体の血中GLP−1レベルを増加させるのに十分な量である、請求項15に記載の組成物。
【請求項18】
薬学的組成物を調製する方法であって、GPR119アゴニストとDPP−IVインヒビターとを少なくとも1つの薬学的に許容可能なキャリアと共に混合する工程を含む、方法。
【請求項19】
前記方法が、前記薬学的組成物の投薬形態を調製する工程をさらに含み、ここで、前記GPR119アゴニストおよび前記DPP−IVインヒビターが、被験体の血糖値を低下させるのに十分な量である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記方法が、薬学的組成物の投薬形態を調製する工程をさらに含み、ここで、前記GPR119アゴニストおよび前記DPP−IVインヒビターが、被験体の血中GLP−1レベルを増加させるのに十分な量である、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
GPR119アゴニストおよびDPP−IVインヒビターを少なくとも1つの薬学的に許容可能なキャリアと共に含む薬学的組成物。
【請求項22】
前記GPR119アゴニストおよび前記DPP−IVインヒビターが、被験体の血糖値を低下させるのに十分な量である、請求項21に記載の薬学的組成物の投薬形態。
【請求項23】
前記GPR119アゴニストおよび前記DPP−IVインヒビターが、被験体の血中GLP−1レベルを増加させるのに十分な量である、請求項21に記載の薬学的組成物の投薬形態。
【請求項24】
糖尿病または糖尿病に関連する状態を治療または予防する方法であって、治療有効量の請求項21または請求項22に記載の薬学的組成物を、糖尿病または糖尿病に関連する状態の治療または予防を必要とする被験体に投与する工程を含む、方法。
【請求項25】
前記GPR119アゴニストおよび前記DPP−IVインヒビターが、前記被験体の血糖値を低下させるのに十分な量である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
血中GLP−1レベルの増加によって改善される状態を治療または予防する方法であって、治療有効量の請求項21または請求項23に記載の薬学的組成物を、血中GLP−1レベルの増加によって改善される状態の治療または予防を必要とする被験体に投与する工程を含む、方法。
【請求項27】
血中GLP−1レベルを増加させる方法であって、治療有効量の請求項21または請求項23に記載の薬学的組成物をGLP−1欠損被験体に投与する工程を含む、方法。
【請求項28】
前記GPR119アゴニストおよび前記DPP−IVインヒビターが、前記被験体の血中GLP−1レベルを増加させるのに十分な量である、請求項26または請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記被験体がヒトである、請求項19、請求項20および請求項24〜請求項28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
糖尿病または糖尿病に関連する状態を治療または予防するための医薬の製造のための、GPR119アゴニストおよびDPP−IVインヒビターを含む組成物の使用。
【請求項31】
前記GPR119アゴニストおよび前記DPP−IVインヒビターが、血糖値を低下させるのに十分な量で提供される、請求項30に記載の使用。
【請求項32】
血中GLP−1レベルの増加によって改善される状態を治療または予防するための医薬の製造のための、GPR119アゴニストおよびDPP−IVインヒビターを含む組成物の使用。
【請求項33】
GLP−1欠損の治療または予防するための医薬の製造のための、GPR119アゴニストおよびDPP−IVインヒビターを含む組成物の使用。
【請求項34】
前記GPR119アゴニストおよびDPP−IVインヒビターが、血中GLP−1レベルを増加させるのに十分な量である、請求項32または請求項33に記載の使用。
【請求項35】
血中GLP−1レベルの増加によって改善される状態の治療または予防に有用なGLP−1分泌促進薬または化合物を同定する方法であって、
(a)試験化合物を、Gタンパク質共役型受容体を発現する宿主細胞または宿主細胞膜と接触させる工程であって、該Gタンパク質共役型受容体が、
(i)配列番号2のアミノ酸1〜335、
(ii)配列番号2のアミノ酸2〜335、
(iii)配列番号2のアミノ酸2〜335であって、但し、該受容体が配列番号2のアミノ酸配列を含まない、
(iv)ヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによってコードされるGタンパク質共役型受容体のアミノ酸配列であって、該ヌクレオチド配列が、配列番号3および配列番号4の特異的プライマーを使用したヒトDNAサンプルに対するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を行う工程を含むプロセスによって得ることができる配列である、アミノ酸配列、
(v)ヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによってコードされるGタンパク質共役型受容体のアミノ酸配列であって、該ヌクレオチド配列が、ストリンジェントな条件下で配列番号1の相補体にハイブリダイズする、アミノ酸配列、および
(vi)(i)〜(v)のいずれか1つの生物活性フラグメント
からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、工程と、
(b)該試験化合物が該受容体の機能性を刺激する能力を決定する工程とを含み、
該試験化合物が該受容体の機能性を刺激する能力は、該試験化合物が血中GLP−1レベルの増加によって改善される状態の予防または治療に有用なGLP−1分泌促進薬または化合物であることを示す、方法。
【請求項36】
血中GLP−1レベルの増加によって改善される状態の治療または予防に有用なGLP−1分泌促進薬または化合物を同定する方法であって、請求項35に記載の方法の工程を含み、そしてさらに、
(c)工程(b)で前記受容体の機能性を刺激する化合物を、インビトロで哺乳動物腸内分泌細胞と接触させる工程と、
(d)該化合物が該哺乳動物腸内分泌細胞からのGLP−1分泌を刺激するかどうかを決定する工程とを含み、
該試験化合物が該哺乳動物腸内分泌細胞からのGLP−1分泌を刺激する能力は、該試験化合物が血中GLP−1レベルの増加によって改善される状態の治療または予防に有用なGLP−1分泌促進薬または化合物であることを示す、方法。
【請求項37】
血中GLP−1レベルの増加によって改善される状態の治療または予防に有用なGLP−1分泌促進薬または化合物を同定する方法であって、請求項36に記載の方法の工程を含み、そしてさらに、
(c)工程(b)で前記受容体の機能性を刺激する化合物を哺乳動物に投与する工程と、
(d)該化合物が該哺乳動物における血中GLP−1レベルを増加させるかどうかを決定する工程とを含み、
該試験化合物が該哺乳動物における血中GLP−1レベルを増加させる能力は、該試験化合物が血中GLP−1レベルの増加によって改善される状態の治療または予防に有用なGLP−1分泌促進薬または化合物であることを示す、方法。
【請求項38】
前記哺乳動物が非ヒト哺乳動物である、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記宿主細胞が発現ベクターを含み、該発現ベクターがGタンパク質共役型受容体をコードするポリヌクレオチドを含む、請求項35〜請求項38のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
前記決定する工程が、サイクリックAMP(cAMP)、サイクリックGMP(cGMP)、イノシトール1,4,5−三リン酸(IP3)、ジアシルグリセロール(DAG)、MAPキナーゼ活性、MAPK/ERKキナーゼキナーゼ−1(MEKK1)活性、およびCa2+からなる群から選択される第2のメッセンジャーレベルの測定による、請求項35に記載の方法。
【請求項41】
前記cAMPレベルが増加する、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記決定する工程が、メラニン保有細胞アッセイの使用によるか、前記GPCRを含む膜へのGTPγS結合の測定による、請求項35に記載の方法。
【請求項43】
血中GLP−1レベルの増加によって改善される状態の治療または予防に有用なGLP−1分泌促進薬または化合物を同定する方法であって、
(a)Gタンパク質共役型受容体を、試験化合物の存在下または非存在下で、該受容体に対する必要に応じて標識された公知のリガンドと接触させる工程であって、該Gタンパク質共役型受容体が、
(i)配列番号2のアミノ酸1〜335、
(ii)配列番号2のアミノ酸2〜335、
(iii)配列番号2のアミノ酸2〜335であって、但し、前記受容体が配列番号2のアミノ酸配列を含まない、
(iv)ヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによってコードされるGタンパク質共役型受容体のアミノ酸配列であって、該ヌクレオチド配列が、配列番号3および配列番号4の特異的プライマーを使用したヒトDNAサンプルに対するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を行う工程を含むプロセスによって得ることができる配列である、アミノ酸配列、
(v)ヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによってコードされるGタンパク質共役型受容体のアミノ酸配列であって、該ヌクレオチド配列が、ストリンジェントな条件下で配列番号1の相補体にハイブリダイズする、アミノ酸配列、および
(vi)(i)〜(v)のいずれか1つの生物活性フラグメント
からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、工程と、
(b)該公知のリガンドと該受容体との間の複合体を検出する工程と、
(c)該試験化合物の非存在下よりも該試験化合物の存在下で該複合体があまり形成されないかどうかを決定する工程とを含み、
該決定は、該試験化合物が血中GLP−1レベルの増加によって改善される状態の治療または予防に有用なGLP−1分泌促進薬または化合物であることを示す、方法。
【請求項44】
血中GLP−1レベルの増加によって改善される状態の治療または予防に有用なGLP−1分泌促進薬または化合物を同定する方法であって、請求項43に記載の方法の工程を含み、そしてさらに、
(d)その化合物の存在下で工程(c)において前記複合体があまり形成されない化合物を、インビトロで哺乳動物腸内分泌細胞と接触させる工程と、
(e)該化合物が該哺乳動物腸内分泌細胞からのGLP−1分泌を刺激するかどうかを決定する工程とを含み、
該試験化合物が該哺乳動物腸内分泌細胞からのGLP−1分泌を刺激する能力は、該試験化合物が血中GLP−1レベルの増加によって改善される状態の予防または治療に有用なGLP−1分泌促進薬または化合物であることを示す、方法。
【請求項45】
血中GLP−1レベルの増加によって改善される状態の治療または予防に有用なGLP−1分泌促進薬または化合物を同定する方法であって、請求項43に記載の方法の工程を含み、そしてさらに、
(d)その化合物の存在下で工程(c)において前記複合体があまり形成されない化合物を、哺乳動物に投与する工程と、
(e)該化合物が該哺乳動物における血中GLP−1レベルを増加させるかどうかを決定する工程とを含み、
該試験化合物が該哺乳動物における血中GLP−1レベルを増加させる能力は、該試験化合物が血中GLP−1レベルの増加によって改善される状態の治療または予防に有用なGLP−1分泌促進薬または化合物であることを示す、方法。
【請求項46】
前記哺乳動物が非ヒト哺乳動物である、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記受容体が組換え体である、請求項43〜請求項46のいずれか1項に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【公表番号】特表2008−526235(P2008−526235A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−550512(P2007−550512)
【出願日】平成18年1月9日(2006.1.9)
【特許番号】特許第4118323号(P4118323)
【特許公報発行日】平成20年7月16日(2008.7.16)
【国際出願番号】PCT/US2006/000510
【国際公開番号】WO2006/076231
【国際公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【出願人】(500478097)アリーナ ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド (97)
【Fターム(参考)】