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糖尿病及びその合併症の改善に使われる組成物、改善方法及び乳酸桿菌分離株
説明

糖尿病及びその合併症の改善に使われる組成物、改善方法及び乳酸桿菌分離株

【課題】糖尿病症状及びその合併症を改善するための組成物を提供する。
【解決手段】
ラクトバチルス・ロイテリ GMNL-89、ラクトバチルス・ガセリ GMNL-205、及びラクトバチルス・ロイテリ GMNL-263で組成されたグループの中から選ばれた少なくとも一つの有効量、及び薬学上受容可能なキャリア剤を含む組成物であり、前記ラクトバチルス・ガセリ GMNL-205、及びラクトバチルス・ロイテリ GMNL-263は新規乳酸桿菌分離株である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規乳酸桿菌分離株の分離、及びその糖尿病関連症状並びにその合併症を改善する技術分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
糖尿病(Diabetes Mellitus)は、多病因性代謝疾患であり、インシュリン分泌或いは作用に欠陥が生じて広範な代謝障害を招き、疾患を引き起こしたものである。糖尿病は、持続的慢性高血糖を主な特徴とする疾患で、且つ体内の蛋白質、脂肪、水分、電解質などの代謝失調をもたらす。
【0003】
臨床上、糖尿病は主として二種類に分けられる。
一型:インシュリン依存型糖尿病(Insulin-dependent diabetic mellitus, IDDM)、一般的に発作年齢は30才以下に多く見られる。そのため、過去は「青少年発病型糖尿病」と言われたことがあるが、事実上は任意の年齢でも発生する可能性がある。一型糖尿病は、自己免疫系統がランゲルハンス島(Islet of Langerhans)のβ細胞に対して攻撃破壊を行う自己免疫疾患(Autoimmune Disease)である。原因は、個人の遺伝子遺伝、環境要素中の病毒感染、或いは毒性物質による膵臓β細胞の破壊、及び自己免疫によるβ細胞の抗体形成、及び細胞の免疫作用でβ細胞を攻撃することに関係がある。最後に患者の膵臓が正常にインシュリンを分泌できなくなり、ケトアシドーシスを招き易く、従ってインシュリンを注射して治療しなければならない。
二型:非インシュリン依存型糖尿病(non-insulin dependent diabetic mellitus, NIDDM)、大半が40才以後に発生し、患者は体型が比較的肥満な人が多く、過去では、「成年型糖尿病」と呼ばれたが、若い人にも発生する可能性があり、家族型発病が比較的多く見られる。この類型の糖尿病は、台湾の糖尿病総人口数の95%以上を占める。この類型の糖尿病は、インシュリン分泌の欠陥、及びインシュリン抵抗性(insulin resistance)によるものである;一部の患者はインシュリンの分泌が減少するが、しかし大部分の患者はインシュリンを分泌する能力はまあまあである。そのため、大多数は、飲食のコントロール及び血糖を下げる薬物によって血糖をコントロールし、直ちにインシュリンを注射して治療する必要はない。尚、患者は大半がインシュリン抵抗性(insulin resistance)の症状を伴う。インシュリン抵抗性の形成は、主として膵臓のランゲルハンス島(Islet of Langerhans)のβ細胞がインスリンを分泌しすぎる(hyperinsulinamia)為、骨格筋、脂肪組織及び肝臓など周辺組織のインスリン感受性(insulin sensitivity)が低下する。そのため、組織のブドウ糖利用率を引き下げ、高血糖現象を起こす。この類型の病気は進展が緩慢で、早期では典型的な糖尿病症状がなく、発覚されにくい。しかし、糖尿病性大血管(例えば心筋梗塞、脳卒中)、小血管(例えば腎臓、眼底網膜及び神経性病変)などの慢性合併症を伴う。
【0004】
このほか、二型糖尿病患者の体には、脂質代謝異常の状況が伴いがちで、例えば、血漿中のトリグリセラ(triglyceride, TG)濃度が上昇したり、高密度脂蛋白コレステロール((HDL-C)濃度が低下し、低密度脂蛋白コレステロール(LDL-C)濃度が上昇するなど。これらの症状は二型糖尿病患者の心血管疾患を招く危険がある。尚、研究によれば、重度糖尿病患者の肝臓血脂値清浄能力が低下する。肝臓中のトリグリセラ及び低密度脂蛋白コレステロールが絶えず累積すると、肝細胞が病変を起こし、非アルコール性脂肪肝を形成し、更に肝臓機能にひどい影響を与える。
【0005】
現在、糖尿病の治療に使われる方式は、インシュリンを投与するほか、又非薬物治療及び薬物治療の二種類に分けられる。非薬物治療方面では、主として飲食のコントロールと運動による方式で治療する。薬物治療方面では、主として不足するインシュリンを上昇させ、食後の高血糖値やインシュリン抵抗性を下げることが目的である。
【0006】
現在、糖尿病の治療に使われる薬物は次のように分けられる。
(1)スルホニルウレア系(Sulfonylurea):この種の薬物の主なメカニズムは、膵臓インシュリンの分泌を促進し、特に膵臓β細胞のブドウ糖に対する刺激を強化してインシュリンを放出する作用を起こさせることにある;スルホニルウレア類降血糖薬物でよく使われるものは、グリベンクラミド (glibenclamide, 商品名:オイグルコンeuglucon),グリピザイド (glipizide, 商品名:ミニディアブminidiab) 及びグリクラジド(gliclazide, 商品名:ダイアマイクロンdiamicron)である。しかし、この種の薬物は、既に発見された副作用、例えば、皮疹、痒みのほか、その投与対象にも限度があり、重度の肝臓、腎臓機能障害者、妊婦及び哺乳者など、スルホニルウレア類薬物に対しひどいアレルギーを起こすようなものに対しては、この種の降血糖薬物を使用すべきではない。
【0007】
(2)α-グルコシダーゼ(α-Glucosidase)系抑制剤:この種の薬物の主な作用メカニズムは、膵臓α-アミラーゼ(α-amylase)及び腸内α- グルコシダーゼ(α-glucosidase)の活性を抑制し、更に炭水化合物の腸内における分解及び吸収を抑制し、有効に食後の血糖及びインシュリン濃度を低下させることが出来るが、その副作用は腹張り、たまに下痢、腹痛及び吐き気がすることである。
【0008】
(3)チアゾリジンジオン(Thiazolidinedione)系派生物:この種の薬物の主な作用は、細胞核内受容体抗体の活性を増加し、更にインシュリンの作用を強化し、細胞内ブドウ糖転移蛋白GLUT2及GLUT4を増加させ、ブドウ糖を細胞内に送って利用することにある。臨床上、よく使われるのは、トログリタゾン(troglitazone, 商品名:レズリンrezulin)、ロシグリタゾン(rosiglitazone, 商品名:アバンディアavandia)、ピオグリタゾン(pioglitazone, 商品名:アクトスactos)等である;しかし、注意すべきことは、トログリタゾン(troglitazone)は致命的肝毒性を引き起こしたことがある。そのため、英国で市場販売後(1997年10月)二ヶ月で使用禁止となった。このほか、チアゾリジンジオン(Thiazolidinedione)系派生物もアメリカで全面回収を命じられ、使用禁止となった。
【0009】
(4)ビグアナイド(Biguanides)系:ビグアナイド系薬物はグアニジン(guanidine)の派生物で、現在、ビグアナイド系降血糖薬物は多くメトホルミンmetforminを主体としている。この種の薬物自体は、インシュリンの分泌を刺激しない、その血糖コントロールのメカニズムは、以下の五点である。a.食欲を抑制する。そのため優先的に肥満の二型糖尿病患者に使われ、食事の量を減らし、体重を軽減して、インシュリンの周辺作用を改善する。b.腸のブドウ糖吸収を遅らせる。c.ブドウ糖の腸内における嫌気性分解作用を促進し、更にブドウ糖の腸内における利用を促進する。しかし、乳酸塩(lactate)過剰となり、乳酸中毒を招き易い、d.インシュリンの肝臓における作用を強化する。従って肝臓のブドウ糖新生作用を抑制し、肝臓からのブドウ糖放出を減少する。e.細胞内に貯蔵されたブドウ糖転移蛋白GLUT4を細胞表面へ出して輸送作業に参与することを促し、細胞表面のブドウ糖転移蛋白量を顕著に増加させる。
このほか、この種の降血糖薬物の副作用として、例えば、服用はじめは、胃腸の不快感がある。例えば、嫌食、むかつき、吐き気或いは下痢など、少数の人には皮疹が現れ、且つ長期的に使用すると失活する現象が起こる可能性がある。
【0010】
乳酸桿菌の用途は非常に多く、発酵食品の調製に使用できるほか、多くの研究でも乳酸桿菌には多種類の有益な効能があることが発見されている。例えば、1.各種の分解酵素を分泌して、食物の分解を助け、栄養価値を高める。2.乳糖を分解し、乳糖不耐症を改善する。3.ビタミンB群を分泌する。4.腸道内の正常な微生物菌相を維持して、有害菌の作用を抑制する。5.下痢或いは便秘を改善する。6.免疫系統の機能を増強する。7.肝臓の機能を改善し、肝臓の損傷を低減する。8.血液のコレステロールを低減する。9.抗がん性及び抗突変性等の効能がある。乳酸桿菌は、宿り主に対して多くの有益な効能があるため、乳酸桿菌の慢性疾患改善効能方面についてもますます多くの研究が報道されており、糖尿病もそのうちの一つである。このほか、乳酸桿菌をラットに与えると、糖尿病の発生を遅延・改善することが出来る。現在いくつかの文献或いは特許には、糖尿病ラットに乳酸桿菌を与えると、糖尿病を有効に予防し、血糖の濃度を低減出来ると指摘されている。しかし、現在発表済みの乳酸桿菌で糖尿病を改善する文献或いは特許の内容は、血糖値、体重、血中脂値およびコレステロール濃度を下げることに限られている。その他糖尿病により引き起こす可能性のある合併症、例えば体内の炎症反応及び肝臓機能の衰退などについては、一歩進んだ改善効能がない。一方、本案特許請求乳酸菌の研究では、血糖値、血中脂肪及びコレステロールの改善効果のほかに、糖化ヘモグロビン 、血液中発炎サイトカイン及び肝臓中脂値と肝機能指標GOT、GPTの改善に一歩進んだ改善効果がある。現存臨床上糖尿病薬物の副作用は非常に大きい。これに反し、乳酸桿菌は、一般的に安全と認められる食品(Generally Recognized As Safe, GRAS)である。従って、乳酸桿菌を利用して糖尿病改善製品を開発することは、最も自然で健康な方法である。
【0011】
本案申請者は、現今の糖尿病薬物の多くの副作用及び使用制限、且つ糖尿病は、患者の協力、且つ長期治療及びコントロールが必要な慢性疾患であることに鑑み、本案申請者は、郷土の乳酸桿菌菌株を利用して、糖尿病症状を改善する製品を開発し、一般使用者又は糖尿病患者が日常生活の中で、使いやすく、乳酸桿菌自体に多くの有益な効能があり、副作用がないほか、更に一般使用者及び患者が同時に高血糖、高コレステロールなど糖尿病関連の症状及びあり得る合併症を改善、コントロール、治療或いは予防できることを望み、本件「新型乳酸桿菌、その組成物、及びそれらの糖尿病並びに合併症における用途」を提出した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、糖尿病症状を改善するための組成物を提供することにあり、前記組成物は、既知の菌種:ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri) GMNL-89、及び新型菌種:ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri) GMNL-205、及びラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri) GMNL-263で組成されたグループの中から選ばれた少なくとも一つである。
【0013】
本発明の次の目的は、新型乳酸桿菌分離株を提供することにある。これらの新型菌株はそれぞれ既知の菌種に属するものとは明らかな差異があり、二株の新型乳酸桿菌分離株である。
【0014】
本発明のもう一つの目的は、既知の乳酸桿菌分離株及び二株の新型乳酸桿菌分離株の新規用途を提供することにあり、これらの分離株は、糖尿病にかかった対象に使用し、糖尿病症状及び合併症を改善することが出来る。
【0015】
本発明の更にもう一つの目的は、糖尿病症状及びその合併症を改善するための組成物を応用することにあり、この種の応用は、食品、飲料品、健康食品、添加物、医療組成物など日常生活で使いやすい形式で、一般服用者、或いは慢性病糖尿病患者に提供し、長期服用に適し、日常保健、或いは病状コントロールを達成できる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述発明目的を達成できる新型乳酸桿菌、その組成物、及びそれらの糖尿病改善並びに合併症における用途は、下記を含む。
ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri) GMNL-89、その寄託番号はCCTCC M 207154、ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri) GMNL-205、その寄託番号はCCTCC M 209262;及びラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri) GMNL-263、その寄託番号はCCTCC M 209263である。
【0017】
その中で、前記ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)GMNL-205、及びラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)GMNL-263は、食品工業発展研究所により細菌学名鑑定及び遺伝子図譜分析を行った後、二株新型乳酸桿菌の分離株として確認された。
【0018】
本発明で篩分けられた新型乳酸桿菌の分離株及び既知のラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri) GMNL-89菌株を、それぞれ糖尿病動物模式で分析し、これらの乳酸桿菌分離株が糖尿病症状及びその合併症を改善する効能があるかどうか評定した。その結果、本発明に係る三株の乳酸桿菌分離株は、糖尿病にかかった対象体内の高血糖値、高血糖値変化量、高糖化ヘモグロビンの比例、高総コレステロール濃度、高LDL/HDL比例、高IFN-γ量、高肝臓トリグリセラ脂質濃度及び高肝臓コレステロール濃度など糖尿病症状を改善し、更に糖尿病及びその関連合併症を改善できることがわかった。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri) GMNL-205の顕微鏡下における形態図である。
【図2】ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri) GMNL-205の遺伝子図譜。図中Mは分子標記(Molecular Marker)を代表し、それぞれ矢印で各片段の分子量サイズ(bp)を指し示す。
【図3】ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri) GMNL-263の顕微鏡下における形態図である。
【図4】ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri) GMNL-263及びGMNL-89の遺伝子図譜。図中Mは分子標記(Molecular Marker)を代表し、それぞれ矢印で各片段の分子量サイズ(bp)を指し示す。
【図5A】各組糖尿病ラットの毎週体重記録結果である。
【図5B】各組糖尿病ラットの脾臓重量測定結果である。
【図5C】各組糖尿病ラットの肝臓重量測定結果である。
【図5D】各組糖尿病ラットの腎臓重量測定結果である。
【図6A】各組糖尿病ラットの毎日血糖値記録結果である。
【図6B】各組糖尿病ラットの血糖変化量分析結果である。*は、数値とプラセボ組の比較データを表し、統計学的意義は(p<0.05)である。
【図7A】各組糖尿病ラットの糖化ヘモグロビンエィワンシー(HbA1c)の測定結果である。
【図7B】各組糖尿病ラットの総コレステロール濃度の測定結果である。
【図7C】各組糖尿病ラットのLDL/HDL比例測定分析結果である。*は、数値とプラセボ組の比較データを表し、統計学的意義は(p<0.05)である。
【図8】各組糖尿病ラットの血清中発炎関連サイトカインIFN-γ濃度の測定結果である。
【図9A】各組糖尿病ラットの肝臓トリグリセラ(liver triglyceride)の測定結果である。
【図9B】各組糖尿病ラットの肝臓コレステロール(liver cholesterol)の測定結果である。*は、数値とプラセボ組の比較データを表し、統計学的意義は(p<0.05)である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本説明書の中で述べられた技術的及び科学術語は、別に定義された場合を除いて、全てその所属分野において通常技芸を有するものが共通に理解する意義である。
【0021】
本発明は、糖尿病症状を改善するために使われる組成物を提供し、前記組成物には、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri) GMNL-89、ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri) GMNL-205、及びラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri) GMNL-263で組成されたグループの中から選ばれた少なくとも一つの有効量、及び薬学上受容可能なキャリア剤を含む。
【0022】
その中で、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri) GMNL-89は、公開された菌種(該菌種の特徴及び寄託資料は既に中華民国特許請求案「抗炎症活性を有する乳酸桿菌分離株及びその用途」に公開され、その公開番号は、200944215である)である。本案申請者は、糖尿病動物模式によって、上記菌種が、糖尿病症状を改善する新型用途或いは効能を有する事を発見した。
【0023】
その中で、ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri) GMNL-205、及びラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri) GMNL-263は、本案申請者が発見した新型乳酸桿菌分離株であり、比較照合した結果、前記二つの分離株は、それぞれ各自の属する種中の公開済みの菌株とは異なり、且つ分析の結果、前記二つの分離株も、糖尿病症状を改善する新型用途或いは効能を有する事が分かった。
【0024】
前述三つの乳酸桿菌分離株は、糖尿病動物模式によって分析した結果、糖尿病にかかった対象体内の高血糖値、高血糖値変化量、高糖化ヘモグロビンの比例、高総コレステロール濃度、高LDL/HDL比例、高IFN-γ量、高肝臓トリグリセラ脂質濃度及び高肝臓コレステロール濃度など糖尿病症状を改善し、更にその病状及びその関連合併症を改善、低減、コントロール、治療及び予防できることを発見した。
【0025】
その中で、前記乳酸桿菌分離株は、その継代培養の後代、或いは突変株を含むが、依然本発明に述べられた菌種特性、ゲオノミック(genomic)、或いは同じ用途(糖尿病症状の改善に使われる)を有する。
【0026】
本文において述べられた組成物は、食品、飲食品、健康食品、動物飲用水添加物、動物飼料添加物、動物用及び人類用医療組成物、食品添加物、飲料添加物など本発明を適用する形式を含み、但しこれらに限らない。
【0027】
術語“改善”は、本発明乳酸桿菌、或いはその組成物を含むものを使用しないものに比べ、本発明の乳酸桿菌、或いはその組成物を含むものは、糖尿病症状及びその関連合併症を有効に緩慢化、低減、コントロール、治療又は予防することが出来ることを指す。
【0028】
術語“糖尿病症状”は、糖尿病を患った患者の体内に高血糖値、高血糖値変化量、高糖化ヘモグロビンの比例、高総コレステロール濃度、高LDL/HDL比例、高IFN-γ量、高肝臓トリグリセラ脂質濃度及び高肝臓コレステロール濃度など糖尿病症状を含み、但しこれらに限らないことを指す。
【0029】
術語“有効量”は、疾患(例えば糖尿病)を有効に改善、治療、軽減、或いは消去できる一つ又は複数症状の活性成分有効量を指す、或いは“治療有効量”又は“改善有効量”と言ってもよい。術語“薬学上受容可能”は、物質又は組成物が調合物のその他の成分と相容性があり、且つ患者に対し無害であることを指す。
【0030】
術語“糖尿病関連合併症”は、糖尿病神経病(膀胱無力、腹張り、便秘、下痢、インポ、冷熱感が弱い、などの現象を含み、但しこれらに限らない)、腎臓疾患(糸球体性腎炎、腎小球硬化症、腎臓病症候群、高血圧性腎硬化、腎臓疾患末期、尿毒症を含み。但しこれらに限らない)、発炎反応、心血管或いはコレステロール過剰合併症(脳卒中、心筋梗塞、冠状動脈閉塞、心絞痛、心不全、不整脈、末梢血液循環不良、足部感染などを含み、但しこれらに限らない)、眼病(眼底網膜病変、白内障、緑内障、弱視(視力衰弱))、肝臓疾患(肝臓の繊維化、脂肪肝、非アルコール性脂肪肝、及び肝臓硬化を含み、但しこれらに限らない)を指す。
【0031】
本発明の組成物は、この技芸を習熟するものが詳知する技術によって、上述乳酸桿菌分離株を、薬学上受容可能なキャリア剤(pharmaceutically acceptable vehicle)と共に本発明組成物に適用できる剤形を調製したものである。前記剤形は、溶液(solution)、乳剤(emulsion)、懸濁液(suspension)、粉末(powder)、錠剤(tablet)、ピル(pill)、ローゼンジ(lozenge)、トローチ(troche)、チュウインガム(chewing gum)、スラリー(slurry)及びその他類似或いは本発明に適用できる剤形を含み、但しこれらに限らない。
【0032】
前記薬学上受容可能なキャリア剤は、下記試薬から選ばれた一つ又は複数の試薬を含む、溶剤(solvent)、乳化剤(emulsifier)、懸濁剤(suspending agent)、分解剤(decomposer)、凝固剤(binding agent) 賦形剤(excipient)、安定剤(stabilizing agent)、キレート剤(chelating agent)、希釈剤(diluent)、ゲル化剤(gelling agent)、防腐剤(preservative)、潤滑剤(lubricant)、表面活性剤(surfactant)、及びその他本発明に類似又は適用できるキャリア剤。
【0033】
上述組成物の中には、必要に応じて一つ又は複数の調製分野内で通常使用される溶解補助剤、緩衝剤、保存剤、着色剤、香料、風味剤などを適当に添加してよい。
【0034】
別の好ましい実施例において、本発明に係る前述組成物は、一歩進んで、食用材料を添加して、食品製品或いは保健食品として調製することが出来る。前記食用材料は、水(water)、流体乳製品(fluid milk products)、ミルク(milk)、濃縮ミルク(concentrated milk);発酵乳製品(fermented milk),例えば、ヨーグルト(yogurt)、サワーミルク(sour milk)、冷凍ヨーグルト(frozen yogurt)、乳酸桿菌発酵飲料(lactic acid bacteria-fermented beverages);粉ミルク(milk powder);アイスクリーム(ice cream);クリームチーズ(cream cheeses);ドライチーズ(dry cheeses);豆乳(soybean milk);発酵豆乳(fermented soybean milk);、果実野菜ジュース(vegetable-fruit juices);ジュース(juices);スポーツドリンク(sports drinks);お菓子(confectionery);ジェリー(jellys);キャンディー(candies);乳児用食品(infant formulas);健康食品(health foods);動物飼料(animal feeds);中国薬草(Chinese herbals);栄養補助食品 (dietary supplements)などを含み、但しこれらに限らない。
【0035】
このほか、本発明において発見された新型菌種は、その他従来の菌種と一緒に組成物の中に含まれてよい。
【0036】
前記組成物は、一歩進んで、下記グループ中の習知の益生菌から選ばれた少なくとも一種を含む:ラクトバチルスSP株菌種(lactobacillus sp.)、連鎖球菌属SP株菌種(Streptococcus sp.)、ビフィドバクテリウム属SP株菌種(Bifidobacterium sp.)、酵母菌(yeasts)。
【0037】
前記習知ラクトバチルスSP株菌種(lactobacillus sp.)には、乳酸乳桿菌(lactobacillus lactis )、ラクトバチルス・アシドフィルス (lactobacillus acidophilus )、ラクトバチルス・ヘルベチカス (lactobacillus helveticus )、ラクトバチルス・ビフィダス(lactobacillus bifidus)、ラクトバチルス・カゼイ(lactobacillus casei )、ラクトバチルス・パラカゼイ・亜種・パラカゼイ (Lactobacillus paracasei subsp. paracasei)、ラクトバチルス・ラームノサス(Lactobacillus rhamnosus )、ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)、ラクトバチルス・ファーメンツム (Lactobacillus fermentum)、或いはその組合せを含み但しこれらに限らない。
【0038】
前記習知連鎖球菌属SP株菌種(Streptococcus sp.)は、ストレプトコッカス・ラクチス(Streptococcus lactis )、ストレプトコッカス・テレモフィラス(Streptococcus thermophilus)、ストレプトコッカス・クレモリス(Streptococcus cremoris)、或いはその組合せを含み但しこれらに限らない。
【0039】
前記習知ビフィドバクテリウム属SP株菌種(Bifidobacterium sp.)は、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)、ビフィドバクテリウム・ラクチス(Bifidobacterium lactis)、ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)、或いはその組合せを含み但しこれらに限らない。
【0040】
前記習知の酵母菌(yeasts) は、サッカロミセス・セレビシエー(Saccharomyces cereviseae)、キャンジダ・ケフィア(Candida kefyr)、サッカロマイセス・フロレンティヌス(Saccharomyces florentinus)、或いはその組合せを含み但しこれらに限らない。
このほかに、本発明は又糖尿病症状及びその合併症の改善に使われる方法を提供する。それは、前述組成物の有効量を糖尿病にかかった対象に投与し、その体内の高血糖値、血糖値変化量、糖化ヘモグロビンの比例、高総コレステロール濃度、高LDL/HDL比例、高IFN-γ量、高肝臓トリグリセラ脂質濃度及び高肝臓コレステロール濃度及び肝臓機能の指標GOT、GPTなどを低減し、更に糖尿病及びその関連合併症を改善しようとするものである。
【0041】
尚、本発明は又前述乳酸桿菌を糖尿病症状及びその合併症を改善する組成物を調整する方法及び用途を提供する。
【0042】
本発明に係る組成物及びその糖尿病症状及びその合併症を改善するための方法において、その投薬経路は、必要に応じて適当に調整でき、特別な指定はないが、適用剤形を経口投与することが好ましい。
【0043】
本発明を、下記の実施例で説明するが、但し本発明は下記実施例に制限されるものではない。本発明に使われる薬物、生物材料は全て市場で容易に取得でき、下記は入手の経路を示すのみである。
【実施例】
【0044】
実施例一 菌株の選択
本案請求者(景岳生物科技公司)は、病院から提供された健康人の胃腸道検体より、百株余りの分離株を分離して、分離株菌種ライブラリーを作り上げた。菌種ライブラリーの中から、免疫系統を調節して高濃度IL-10及びIFN-γを分泌出来る三つの乳酸桿菌を選び、分析結果の前三位の乳酸桿菌を選び、糖尿病動物模式分析を行った。前記三つの乳酸桿菌の寄託番号、寄託期日及び菌株名称は、表1に示す通りである;その中で、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri) GMNL-89は、公開菌種であり、その菌株の特徴、寄託証明、生存試験報告などの証明文書正本及び関連情報は、既に中華民国特許請求案(請求番号:97115882;公開番号:200944215)に含まれている;その中で、GMNL-205及びGMNL-263は、本発明にて新規分離された新型乳酸桿菌分離株である。以下の実施例二、三にそれぞれ前記二株の乳酸桿菌の菌株特徴、API 鑑定系統分析、16S rDNA分析、遺伝子図譜分析について述べる。
【0045】
【表1】

表1 本発明乳酸桿菌の新竹食品工業発展研究所生物資源保存及び研究センター(BCRC)における寄託番号及び寄託期日
【0046】
【表2】

表2 本発明乳酸桿菌の中国典型微生物菌種保蔵中心(CCTCC)における寄託番号及び寄託期日
【0047】
実施例二 ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri) GMNL-205
2−1.ガセリ乳酸桿菌GMNL-205菌株の学名鑑定
分離株GMNL-205を食品工業発展研究所に委託して細菌学名鑑定を行った、分析結果は次の通りである。
分離株GMNL-205の背景資料:
1.分離源:人体の胃腸道
2.培養基:MRS
3.培養温度:37℃
4.病原性:無
【0048】
図1及び表3は、分析結果であり、分離株GMNL-205はグラム陽性桿菌で、カタラーゼ、オキシダーゼ及び運動性を持たず、好気性環境及び嫌気性環境の下でも成長できる。尚、分離株GMNL-205の16S rDNAの部分序列はSEQ ID No: 1に示す通りで、16S rDNA分析によれば、分離株GMNL-205とLactobacillus gasseri、Lactobacillus taiwanensis及びLactobacillus johnsoniiは、比較的相似しており、相似度は99%以上に達している。更にAPI鑑定系統分析(表3)によれば、分離株GMNL-205は最もラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)に相似していることが分かる。従って、上述結果を総合すると、分離株ラクトバチルス・ガセリMNL-205は、ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)であることを表している。
【0049】
【表3】




−:Negative reaction;+:Positive reaction
表3 分離株GMNL-205のAPI鑑定分析結果
【0050】
2-2. ラクトバチルス・ガセリGMNL-205菌株の遺伝子図譜分析
本発明は、ランダム増幅多型DNA (Random Amplified Polymorphic DNA, RAPD)によってラクトバチルス・ガセリGMNL-205菌株の遺伝子図譜を分析した。その実験手順を下記の通り簡単に説明する:
【0051】
A.菌株templateの調製:
GMNL-205菌株をMRS培養皿へ移し、37℃で放置培養する。37℃で2日間培養後のMRS培養皿の中から、単一菌落を選び出して無菌環境にて1mlのMRS Brothへ接種し、37℃で16時間放置培養する。菌液を13000rpmで一分間遠心分離した後、上清液を取り除く。200 μlの無菌水を加えて十分にpalletと均一に混合し、13000rpmで一分間遠心分離した後、上清液を取り除く、この手順をもう一回繰り返す。清浄済みのpalletに 200 μlの無菌水を加えて十分に均一混合した後、菌株RAPD実験を行うtemplateとすることが出来る。
【0052】
B. RAPD分析:
primer Lac P2(5’-ATg TAA CgC C-3’,SEQ ID No: 3)を使ってPCR反応を行う、PCR mixtureの組成は表4に示す通り:
【0053】
【表4】

表4、PCR mixtrueの組成
【0054】
PCR反応条件:先ず95℃下で10 min反応後、35個の循環を開始する:93℃下で1 minにわたって変性反応を行い、36℃下で1 minにわたって引子粘合を行い、72℃下で1 minにわたって延長反応を行う。最後に72℃下で7 min反応後、PCR反応を停止し、4℃で放置。PCRが完成した後、6μlのPCR産物を2%アガロースゲル(agarose gel)にて電気泳動(electrophoresis)を行う、電気泳動が終わったら、EtBr染色を行い、UVランプ下で現像撮影を行い、写真について該単一菌落のRAPD図譜を分析する。
【0055】
C. 実験結果
図2から、GMNL-205特有の遺伝子図譜が明確に見られ、GMNL-205を識別できる。
【0056】
実施例三 ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri) GMNL-263
3-1. ラクトバチルス・ロイテリGMNL-263菌株の学名鑑定
分離株GMNL-263を食品工業発展研究所へ委託して細菌学名鑑定を行った、以下順次説明する:
分離株GMNL-263の背景資料:
分離源:人体胃腸道
培養基:MRS
培養温度:37℃
病原性:無
【0057】
図3及び図4を参照して、分析結果は、分離株GMNL-263はグラム陽性桿菌で、カタラーゼ、オキシダーゼ及び運動性を持たず、好気性環境及び嫌気性環境の下でも成長できることを示す。尚、分離株GMNL-263の16S rDNA部分序列は、SEQ ID No: 2に示すように、16S rDNAによって分析した、分離株GMNL-263とLactobacillus reuteriが最も相似性があり、相似度は99%以上であった。更にAPI鑑定系統で分析した、(表5),分離株GMNL-263が最もラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)に近かった。従って、上述結果を総合すると、分離株GMNL-263はラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)であることが分かった。
【0058】
【表5】




−:Negative reaction;+:Positive reaction
表5 分離株GMNL-263のAPI鑑定分析結果
【0059】
3-2. ラクトバチルス・ロイテリGMNL-263菌株の遺伝子図譜分析
本発明もRAPDによって分析し、ラクトバチルス・ロイテリGMNL-263菌株の遺伝子図譜を分析した、そのRAPD実験手順は、実施例二 2-2. AからBまでに示す、その中で分析した菌株はそれぞれラクトバチルス・ロイテリGMNL-263及びラクトバチルス・ロイテリGMNL-89である。
【0060】
実験結果
図4は、GMNL-89とGMNL-263の遺伝子図譜が非常に大きな差異があることをハッキリ示している。この結果によって説明できることは、GMNL-89とGMNL-263は同じようにラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)に属するが、しかしこの二種類の菌は同一種の菌株ではない。
【0061】
実施例四 糖尿病動物模式
4-1.実験動物
ロスコ生物テクノロジーから5週齢のオスSDラットを購入、実験動物が入室して適応するのを一週間待ってから動物実験を開始した。全実験過程でラットは全て暗黒状態及び光照射状態各12時間且つ食事或いは飲み水を制限しない動物室にて飼育し、且つエアコンによって室温24±1℃及び室内相対湿度55%を維持した。本研究中において、実験動物に対する処理及び一切の実験過程は、全て実験動物委員会の標準定款規範に従って進行した。
【0062】
4-2.糖尿病モデルの作成方法
下記の方法でラットを糖尿病動物模式として誘発させた:先ずcitrate buffer(0.1M citrate acid及び0.1M sodium citrate含有)を調製した後、pH値を4.5まで調整した。ストレプトゾトシン(Streptozotocin,STZ)をcitrate bufferの中に溶解し、ラットを24時間禁食した後、腹腔注射の方法でSTZ溶液を注射、一回の注射量は65 mg/kgとした。STZ注射後3日して、ラットの血糖を測定し、若し血糖が300 mg/dLより高い場合はラット糖尿病モデルの作成に成功したとみなした。
【0063】
実施例五 乳酸桿菌分離株による糖尿病の改善及び関連指標の効果についての評価
5-1.実験プロセス
ラットをランダムに六組に分けた、グループ分け及び各組の処理方法は表6に示すとおりである。その中で、対照組のみが、STZによる糖尿病モデルつくりを行わず、その他六組は全て先ずSTZによるモデルつくりに成功したあと、毎日それぞれ逆浸透水(RO水、プラセボ組(placebo))、を飲ませたり、インシュリンを注射ししたり(インシュリン組)、或いは乳酸桿菌分離株を食べさせたりして処理・飼育、飼育一ヶ月後、ラットを犠牲にして血清を採集し、血清中の各種生物化学指標を測定し、各乳酸桿菌分離株による糖尿病改善及び関連指標の効果を評価した。
【0064】
【表6】

表6 実験のグループ分け
【0065】
5-2.関連指標の測定:(全て適用習知技芸によって関連測定を行った)
1.体重及び血糖記録
実験期間、毎日朝晩それぞれ血糖を一回測定し、毎週一回体重を測定した。
2.血清中生物化学指標を測定
血清生物化学値:アルカリフォスファターゼ(alkaline phosphatase)、アラニントランスアミナーゼ(alanine aminotransferase)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(aspartate aminotransferas)、γ-グルタミルトランスフェラーゼ、γ-GP (γ-glutamyl transferase, γ-GP)、アルブミン(albumin),総ビリルビン(bilirubin, total)、クレアチニン(creatinine)、尿素窒素(urea nitrogen),ブドウ糖(glucose)、リン(phosphorus)、カルシウム(calcium)、塩化物(chloride)、カリウム(potassium)、ナトリウム(sodium)、総蛋白(protein, total)、トリグリセラ、総コレステロール、HDL、LDL、C-反応性蛋白(c-reactive protein, CRP)、ヘモグロビン・エィワンシー(HbA1c)。
血球分類算定:総血球数(CBC)。
3.サイトカイン測定:ELISA方法によって血清中のIFN-γ濃度を測定。
4.肝臓脂質の検査:
動物を犠牲にして肝臓右下最大葉を取り、それぞれ肝臓0.25 gを量って二つの組織均質機(Model: MICROMOT IB/E, PROXXON)専用の1.5 ml微量遠心管に入れ、それぞれ0.5 mlのエキス(chloroform/methanol混合溶液2:1 v/v)を加え、組織均質機回転スピード10,000 rpmで20秒均質後、更にこの二本の均質液を一杯入れた微量遠心管を15 ml FALCON遠心管に入れた後、微量分注器で1ml chloroform/methanol混合溶液(2:1 v/v)を吸い取り、さっきエキスを取り出したばかりの遠心管に入れ、管璧の残留組織を清浄した後、更に上述15 ml FALCON遠心管の中に入れ、最後にchloroform/methanol混合溶液(2:1 v/v)7 ml(総体積10 ml)を加え、250 μlの肝臓脂質エキスを取り、250 μl Triton X-100(sigma)に入れ、均一に混合した後、肝臓中の総コレステロール、トリグリセラの含有量を分析した。
【0066】
5-3.統計方法
本発明において使用した統計方法は、student's testである。
【0067】
5-4.結果
A.体重方面
図5Aから図5Dを参照して、それぞれ乳酸桿菌分離株を一ヶ月間食べさせた後、プラセボ組に比べ、各乳酸桿菌で飼育した組の糖尿病ラットの体重には明らかな変化がなかった。そして肝臓、脾臓及び腎臓の重量においても、各乳酸桿菌で飼育した組とプラセボ組を比べてもあきらかな差異はなかった。
【0068】
B.血糖及びその他イオン方面
図6A及び図6Bを参照して,血糖値方面では、それぞれ分離株GMNL-205或いはGMNL-263を食べさせた糖尿病ラットの血糖変化量はプラセボ組に比べ、明らかな低下が見られた。従って、分離株GMNL-205或いはGMNL-263を食べさせた後、糖尿病患者の高血糖値及び血糖変化量を有効に低下させることが出来る。血液中のイオン濃度方面(表7を参照ください)では、乳酸桿菌で飼育した組とプラセボ組は、明らかな差異はなかった。
【0069】
【表7】

表7 GMNL-89,GMNL-205及びGMNL-263で飼育して一ヵ月後、糖尿病ラット血液中イオン濃度の測定結果
【0070】
C.血清生化学値方面
図7Aから図7C及び表8を参照して,血清生物化学方面では、分離株GMNL-205で飼育して一ヶ月後、糖尿病ラット血清中ヘモグロビン・エィワンシー(HbA1c)の濃度はプラセボ組に比べ、明らかに低下した;分離株GMNL-89で飼育して一ヵ月後、糖尿病ラット血清中総コレステロール濃度及びLDL/HDL比例もプラセボ組に比べ、明らかに低下した;その他の組では明らか差異がなかった。肝臓機能指標改善方面では、分離株GMNL-89で飼育して一ヵ月後、糖尿病ラット血清中のGOT及びGPT濃度はプラセボ組に比べ、下降する傾向があった。
【0071】
【表8】

:p<0.05 データはプラセボ組に比べ統計学的意義がある
表8 GMNL-89・GMNL-205・或いはGMNL-263で飼育して一ヵ月後、糖尿病ラットの各血清生化学値の測定結果
【0072】
ヘモグロビンは、赤血球寿命周期(平均120日)中次第に血液中の血糖により糖化される。従って、糖尿病患者の血糖値、血糖変化量を監視するほか、HbA1C(糖化ヘモグロビンGlycated hemoglobin)も広範に糖尿病患者の血糖コントロール状況を監視する指標とした。このほか、多くの研究で、糖尿病患者は、血糖濃度が明らかに高いほか、臨床上でも血中コレステロール濃度が明らかに増加することが指摘されている。そのため、心血管疾病にかかる機会も明らかに増加する。上述の結果を総合すると、乳酸桿菌分離株GMNL-205で飼育して一ヵ月後、糖尿病患者の糖化ヘモグロビン値を有効に低下させることが出来、これは長期的に該乳酸桿菌分離株GMNL-205を服用すると、糖尿病患者体内の血糖変化状況を有効にコントロールできることを反映している。尚、乳酸桿菌分離株GMNL-89を服用一ヶ月後、糖尿病患者の総コレステロール濃度及びLDL/HDL比例を有効に低下させ、更に糖尿病患者の心血管疾病或いはコレステロールが高すぎる関連疾病或いは合併症にかかる機会も減らすことが出来る。
尚、血球分類算定方面(表9を参照)では、乳酸桿菌で飼育した組とプラセボ組は何れもあきらかな差異はなかった。
【0073】
【表9】

*:p<0.05 データはプラセボ組に比べ統計学的意義がある。
表9 GMNL-89,GMNL-205或いはGMNL-263で飼育して一ヵ月後、糖尿病ラットの血球分類データ
【0074】
D.サイトカイン(cytokine)方面
図8を参照して、血清中サイトカイン濃度方面では、乳酸桿菌分離株GMNL-263で飼育して一ヵ月後、乳酸桿菌で飼育した組とプラセボ組を比べると、乳酸桿菌で飼育した組は糖尿病ラット血清中のIFN-γ濃度を明らかに低下させることが出来た。近年、多くの文献に糖尿病と発炎はお互いに密接な関係にあり、糖尿病患者は常に慢性発炎を併発することが指摘されている。従って、本発明で乳酸桿菌分離株GMNL-263を服用して一ヵ月後、糖尿病患者の血糖値を有効に調節改善できるほか、血清中の発炎関連サイトカインIFN-γ濃度を有効に低下させることが出来ることが証明された。
【0075】
E.肝臓脂質方面
図9Aを参照して、肝臓中のトリグリセラ濃度方面では、乳酸桿菌分離株GMNL-89或いはGMNL-263で飼育した糖尿病ラットを対照組と比べると、下降する傾向があった。図9Bを参照して、肝臓中のコレステロール濃度方面では、乳酸桿菌分離株GMNL-89で飼育したラットと対照組を比べると、下降する傾向があった;乳酸桿菌分離株GMNL-263で飼育したラットは、その肝臓中のコレステロール濃度を対照組と比べると、明らかな下降が見られた。
【0076】
結果から分かることは、本発明に係る乳酸桿菌を服用した糖尿病患者は、服用しないものに比べ、肝臓中のトリグリセラ及びコレステロール濃度を有効に低下させ、更に非アルコール性脂肪肝が発生するリスクを減らすことが出来る。
【0077】
上述の詳細な説明は、本発明の実行可能な実施例の具体的説明であり、但し前記実施例は本発明の特許請求範囲を制限するものではなく、凡そ本発明の技芸精神を逸脱せずになされる等価実施又は変更は、全て本案の特許請求範囲に含まれるものとする。
【0078】
以上を総合すると、本案に開示された技術特徴は、既に新規性及び進歩性の法定発明特許要件に十分符合するものとして、ここに法によって申請を提出する次第である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
糖尿病及びその合併症の改善に使われる組成物であって、
寄託番号がCCTCC M 207154であるラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)GMNL-89の有効量分と、
薬学上受容可能なキャリア剤と、
を含み、
前記糖尿病症状は、高総コレステロール濃度、高LDL/HDL比例、高肝臓トリグリセラ脂質濃度、高肝臓コレステロール濃度、及び肝臓機能の改善指標GOT、GPTを含む
ことを特徴とする組成物。
【請求項2】
前記組成物は、ラクトバチルス属菌種(lactobacillus sp.)、ビヒドバクテリウム属菌種(Bifidobacterium sp.)、連鎖球菌属菌種(Streptococcus sp.)、及び酵母菌(yeasts)で構成されたグループの中から選ばれた少なくとも一つの益生菌を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物は、可食性材料を更に含み、
前記可食性材料は、水、流体乳製品、ミルク、濃縮ミルク、ヨーグルト、サワーミルク、冷凍ヨーグルト、乳酸桿菌発酵飲料、粉ミルク、アイスクリーム、クリームチーズ、ドライチーズ、豆乳、発酵豆乳、果実野菜ジュース、ジュース、スポーツドリンク、お菓子、ジェリー、キャンディー、乳児用食品、健康食品、動物飼料、中国薬草、栄養補助食品などを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の組成物。

【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−79253(P2013−79253A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−266374(P2012−266374)
【出願日】平成24年12月5日(2012.12.5)
【分割の表示】特願2010−130974(P2010−130974)の分割
【原出願日】平成22年6月8日(2010.6.8)
【出願人】(507074775)景岳生物科技股▲分▼有限公司 (3)
【Fターム(参考)】