説明

糖尿病治療のための医薬組成物およびその製造方法

本発明は糖尿病を治療するための医薬組成物の製造方法および該方法によって製造される医薬組成物に関する。本発明の医薬組成物は、以下の生薬の抽出物:5〜40重量部の天花粉(Tianhuafen)の抽出物、10〜30重量部の柴胡(Chaihu)の抽出物、3〜15重量部の枳実(Zhishi)の抽出物、1〜6重量部の大黄(Dahuang)の抽出物、1〜12重量部の半夏(Banxia)の抽出物、3〜15重量部の黄ごん(Huangqin)の抽出物、1〜12重量部の黄連(Huanglian)の抽出物、3〜15重量部の白芍(Baishao)の抽出物および5〜20重量部の烏梅(Wumei)の抽出物を含み、任意に、薬理学的に許容される賦形剤を含む。また、本発明の医薬組成物はさらに山査(Shanzha)を含み得る。加えて、本発明は該医薬組成物の4種の製造方法を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は糖尿病を治療するための医薬組成物の4種の製造方法および該方法によって製造される医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
糖尿病(DM)は、身体の炭水化物、タンパク質、および脂質の代謝障害により高血糖および糖尿の特徴的な症状とともに引き起こされる、慢性で進行性の生涯にわたる疾患である。糖尿病は、心臓および腎臓の合併症、失明および切断までをも招き得る。最近、臨床研究によりDMの罹患率が年々上昇していることが示された。現在までにDM患者の数は世界中で1億5千万人に上る。中国ではDM患者の数は4千万人を超えている。DMの症例において、大部分の患者はインスリン非依存性糖尿病(NIDDM、タイプII)に属し、少数がインスリン依存性(タイプI)に属す。従って、大部分のDM患者は生涯にわたって医薬を必要とする。
【0003】
現在、DMの治療にはスルフォンアミド類、ビグアナイド薬剤、グルコシダーゼ阻害剤、グリニド類およびインスリン増感剤等の化学薬品がなお優位である。しかしながら、これらの薬剤の長期使用は重篤な副作用をもたらし得る。
【0004】
伝統的な漢方医学(TCM)は、DMの予防および治療において長い歴史を持つ。千年にわたる実践の後、多くの重要な経験が蓄積され、独特の学術体系が確立された。TCMの古典には多数のグルコース減少性TCMが記録されており、例えば沢瀉(Zexie)、知母(Zhimu)、西洋人参(Xiyangshen)、葛根(Gegen)、地黄(Dihuang)および花粉粒(Huafen)などがある。伝統的に、DMをTCMによって治療することは「三消(Sanxiao)」理論による臨床症状に基づくが、グルコース不耐性の段階および初期のDMにおけるよい治療法は無かった。
【0005】
DMの主な原因は肝臓および胃であり、身体の郁熱(うつねつ)の存在が「消渇(Xiaoke)」病(DMのTCM名)の病原性の原理である。肝臓の抑制を取り除き、かつ脾臓の湿気を取り除くTCM理論に鑑みて、病原性へと向けた治療方法とみなされる基礎的研究としての制御方法を導入することが必要である。糖敏靈(Tangminling:本発明の医薬組成物の中国語名)は、停滞を軽減して胃の熱を取り除き、陰(Yin)に滋養を与えて火を取り除き、かつ腑(Fu)を浚渫して濁りを一掃するためのものとして作用する。それは症状および根本となる原因の両方に対処する。郁熱が取り除かれることにより気(Qi)および陰(Yin)は自然に回復し得る。證治準繩(Zheng Zhi Zhun Sheng)(明朝時代に王肯堂(Wang Ken Tang)により執筆された偉大な著作)の消疸(Xiaodan)分冊に詳述されているように、開かれた通路および活発な体液は気(Qi)および血液を互いに適合させることができ、これにより疾患は自然回復する。従ってDMの治療法は、停滞を軽減して胃の熱を取り除き、陰(Yin)に滋養を与えて火を取り除き、および腑(Fu)を浚渫して濁りを一掃するものである。
【0006】
伝統的なTCM理論によれば、過食と運動不足が原因となる胃腸の停滞はしばしば「Zhongjiao(中焦)」における気(Qi)の流れを抑制し、これが肝臓および胆嚢の浚渫機能を中止させる。うっ滞は熱へと変換され、「Sanjiao(三焦)」の熱が肝臓、胆嚢、胃、腸および肺の臓器内に存在する。従って、黄連および大黄は薬剤の王者として用いられ、ここで黄連は胃の熱を取り除く役割を果たし、大黄は苦味により甘味を治療するという理論に基づいて腸の熱を浚渫する。白芍、黄ごんおよび柴胡は薬剤の大臣
として用いられ、ここで白芍は肝臓に滋養を与え陰(Yin)を収斂させる役割を果たし、陰(Yin)を損傷することなく三焦(Sanjiao)の熱を取り除くために薬剤の王者を助け;柴胡は少陽(Shaoyang)胆嚢経絡および厥陰(Jueyin)肝臓経絡内へ進入して肝臓および胆嚢の熱を取り除き、かつ脾臓および胃を浚渫し;黄ごんは肺および肝臓の熱を取り除く。枳実および生の山査は気(Qi)の調節、食物の消化およびうっ滞の分散のために作用し、大黄と共に胃腸の亢進のために働き;半夏と黄連が共に中焦を開くために辛開苦降を与える。従って、これら3種の薬剤は全て補助薬剤として使用される。烏梅は酸味により甘味を治療するという理論に基づいて体液を再生するために陰(Yin)を収斂させ、天花粉と共に作用して胃の陰(Yin)を活発にする。従って薬剤の案内者と呼ばれることがふさわしい。
【0007】
郁熱のTCM理論に基づき、天花粉(Tianhuafen)、柴胡(Chaihu)、枳実(Zhishi)、大黄(Dahuang)、半夏(Banxia)、黄ごん(Huangqin)、黄連(Huanglian)、白芍(Baishao)および烏梅(Wumei)などからなる医薬組成物が見出された。DMの治療においてそれはより良い有効性を有する。該組成物は本出願者による早期の中国特許出願に開示されている(特許文献1)。しかしながら使用された方法は伝統的なエタノール抽出法に基づいている。溶媒の化学特性の限界のため、この方法で得られた抽出物中の大量の水溶性有効成分が失われる。抽出物中の有効成分の収率および含有量の両方が低いために投与量が多く、したがって、副作用が対応して増大する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】中国特許出願第200410020220.7号明細書
【発明の概要】
【0009】
本発明の目的は以下の成分含有量で与えられるDMを治療するための医薬組成物の提供である。該医薬組成物は以下に述べる方法により製造され、この方法は先行技術における上記の問題を解決し得る。
【0010】
本発明の別の目的は、DMを治療するための医薬組成物の製造方法および該方法により製造される医薬組成物の提供である。本発明の医薬組成物は、重量部により以下の生薬の抽出物:5〜40重量部の天花粉の抽出物、10〜30重量部の柴胡の抽出物、3〜15重量部の枳実の抽出物、1〜6重量部の大黄の抽出物、1〜12重量部の半夏の抽出物、3〜15重量部の黄ごんの抽出物、1〜12重量部の黄連の抽出物、3〜15重量部の白芍の抽出物および5〜20重量部の烏梅の抽出物を含み、かつ薬理学的に許容される賦形剤を任意に含む。該医薬組成物は、以下の4方法のいずれか1方法により製造できる。
【0011】
第1の方法は以下の工程を含む:
a.上記の重量部に従い、生薬を準備すること;
b.該生薬を水による還流で抽出し、この抽出液を濾過し、減圧下で濃縮すること;
c.濃縮抽出液中にエタノールをその含有量が65〜75%になるように加え、濾過すること;
d.濾液を減圧下で濃縮し、抽出物を生成すること;
e.任意に、工程(d)の抽出物に賦形剤を加え、薬理学的に許容される剤形を製造すること。
【0012】
第2の方法は以下の工程を含む:
a.上記の重量部に従い、生薬を準備すること;
b.該生薬を水による還流で抽出し、この抽出液を冷却し、濾過して合わせ、濾液を得
ること;
c.該濾液をマクロ多孔性吸着樹脂に流し、水洗して溶出液を廃棄し、特定の濃度のエタノールで続けて洗浄し、エタノール溶出液を合わせ、減圧下でエタノールを回収し抽出物を得ること;
d.任意に、工程(c)の抽出物に賦形剤を加え、薬理学的に許容される剤形を製造すること。
【0013】
第3の方法は以下の工程を含む:
a.上記の重量部に従い、生薬を準備すること;
b.以下の生薬:柴胡、白芍、枳実、大黄、黄ごんおよび黄連を特定の濃度のエタノールによる還流で抽出し、この抽出液を冷却し、濾過して合わせること;
c.工程(b)の薬剤残渣中にその他の薬剤を加え、水による還流で連続的に抽出し、抽出液を減圧下で濃縮し、続いて濃縮抽出液中にエタノールをその含有量が65〜75%になるように加え、濾過すること;
d.工程(b)および(c)の濾液を合わせて抽出物へと濃縮すること;
e.任意に、工程(d)の抽出物に賦形剤を加え、薬理学的に許容される剤形を製造すること。
【0014】
第4の方法は以下の工程を含む:
a.上記の重量部に従い、生薬を準備すること;
b.黄ごんを水による還流で抽出し、抽出液を合わせ、pHの値を1.5〜2.0に調整し、温度を保持して静置し、濾過し、pHの値が5〜6になるまで沈殿物を水で洗浄し、乾燥させ、黄ごんの抽出物の乾燥粉末を得ること;
c.黄連をエタノールによる還流で抽出し、抽出液を合わせ、濾過し、エタノールの匂いがなくなるまでエタノールを回収し、pHの値を1〜2に調整し、低温下で一晩置き、濾過し、pHの値が5〜6になるまで沈殿物を水で洗浄し、乾燥させ、黄連の抽出物の乾燥粉末を得ること;
d.その他の薬剤を水による還流で抽出し、抽出液を合わせて濃縮し、冷却し、次いでエタノール含有量が70%になるように95%エタノールを加え、静置し、濾過し、エタノールを回収し抽出物を得て、乾燥させ抽出物の乾燥粉末を得ること、および;
e.上記の3工程で得られた抽出物の乾燥粉末を十分に混ぜ合わせ、任意に賦形剤を加え、薬理学的に許容される剤形を製造すること。
【0015】
本発明の一態様によれば、本発明の方法により製造される組成物は好ましくは以下の生薬;9重量部の天花粉、12重量部の柴胡、9重量部の枳実、3重量部の大黄、6重量部の半夏、9重量部の黄ごん、6重量部の黄連、9重量部の白芍および9重量部の烏梅を含む。
【0016】
上記の処方に基づき、山査(Shanzha)を該医薬組成物の処方に加えることができる。その理由は以下の通りである:山査は甘味を酸性化し、かつ陰(Yin)に滋養を与え、えぐみの散逸による陰(Yin)への過度の障害を防ぐだけではなく、酸味と苦味による甘味の抑制という目的も達成する。それは他の生薬と組み合わせたとき、郁(うつ)を分散させ、熱を取り除く優れた効果を示した。従って、該医薬組成物は好ましくは以下の生薬;5〜40重量部の天花粉、10〜30重量部の柴胡、3〜15重量部の枳実、1〜6重量部の大黄、1〜12重量部の半夏、3〜15重量部の黄ごん、1〜12重量部の黄連、3〜15重量部の白芍、5〜20重量部の烏梅および3〜15重量部の山査を含む。
【0017】
さらに好ましくは、本発明の医薬組成物は以下の生薬;10〜30重量部の天花粉、10〜30重量部の柴胡、3〜15重量部の枳実、1〜6重量部の大黄、1〜12重量部の
半夏、3〜15重量部の黄ごん、1〜12重量部の黄連、3〜15重量部の白芍、5〜20重量部の烏梅および3〜15重量部の山査を重量部により含む。
【0018】
最も好ましくは、該医薬組成物は以下の生薬:30重量部の天花粉、12重量部の柴胡、9重量部の枳実、3重量部の大黄、6重量部の半夏、9重量部の黄ごん、6重量部の黄連、9重量部の白芍、15重量部の烏梅および9重量部の山査を含むか、または本発明の医薬組成物は以下の生薬;15重量部の天花粉、12重量部の柴胡、9重量部の枳実、3重量部の大黄、6重量部の半夏、9重量部の黄ごん、6重量部の黄連、9重量部の白芍、15重量部の烏梅および9重量部の山査を重量部により含む。
【0019】
特に、本発明の前記第1の方法においては以下の工程が好ましい:
a)工程(b)において、還流による抽出は好ましくは生薬の重量の10倍(x10倍)の水により、1回1.5時間で2回行なわれる。好ましくは、抽出液は、生薬の初期重量(kg)に対する最終容量(L)が1:1の比になるように濃縮抽出液へと濃縮される;
b)工程(c)において、加えられるエタノールの濃度は好ましくは90〜100%、さらに好ましくは95%である。エタノール添加後、濃縮抽出液は70%のエタノールを含む。
【0020】
上記の水抽出およびエタノール沈殿の方法を用いることにより、該方法によって製造される医薬組成物における有効成分の含有量は著しく増加し、かつ内容物の不純度は顕著に減少する。従って、投与量は減少する。
【0021】
本発明の第2の方法においては以下の工程が好ましい:
1.工程(b)において、還流による抽出は好ましくは生薬の重量の10倍(x10倍)の水により、1回1.0時間で2回行なわれる。
2.工程(c)において、好ましいマクロ多孔性樹脂はAB−8タイプであり;生薬に対する樹脂の重量比は好ましくは1:1.5〜1:3、さらに好ましくは1:2である。好ましくは、抽出液は1時間当たりカラム容量の4〜6倍の速度で流される。洗浄のための好ましい水の量はカラム容量の4〜6倍である。洗浄のための好ましいエタノール濃度は80〜95%、さらに好ましくは90%;洗浄のための好ましいエタノールの量はカラム容量の2〜5倍である。エタノールは好ましくは60〜80℃の温度において減圧下で回収される。エタノールを減圧下で回収することにより、相対密度1.25〜1.35、好ましくは1.30の抽出物が得られる。
【0022】
上記の方法に水抽出を採用することで、確実に、生薬からサイコサポニン、ベルベリン(ベルベリン塩酸塩)、バイカリン、クリソファノール、ペオニフロリンおよびシネフリン等の水溶性の有効成分が最大限度に抽出できる。本方法では、マクロ多孔性樹脂吸着および不純物を除くための水による洗浄、ならびにエタノール水溶液による有効成分の溶出を含む、多数の効果的な抽出工程が用いられる。これらの手段により大部分の不純物を取り除くことができ、有効成分を保持することができる。
【0023】
上記の方法によって製造される医薬組成物は、有効成分含有量の顕著な増加および不純物含有量の大幅な減少という特性を持ち、それに対応して投与量は減少する。一方、バッチ間の安定性は確保される。
【0024】
本発明の第3の方法においては以下の工程が好ましい:
1.工程(b)において、エタノールの濃度は75〜90%、好ましくは80%であり;好ましくは、還流による抽出は工程(b)の生薬の重量の10倍のエタノールにより、1回1.5時間で2回行なわれる。
2.工程(c)において、還流による抽出は、好ましくは工程(c)の生薬および工程(b)の薬剤残渣の総重量の10倍の水により、1回1.5時間で2回行なわれる;抽出液は、好ましくは生薬の初期重量(kg)に対する最終容量(L)が1:1の比になるように濃縮抽出液へと濃縮される。加えられるエタノールの濃度は好ましくは90〜100%、さらに好ましくは95%である;エタノール添加後、濃縮抽出液は65〜75%、好ましくは70%のエタノールを含む。
【0025】
上記の方法においては、柴胡、白芍、枳実、大黄、黄ごんおよび黄連の6種の生薬を最初にエタノールにより抽出し、その後得られた残渣をその他の生薬と合わせて水により抽出する。これにより、該6種の生薬中の有効成分が完全に抽出されることが確実となる。一方他の薬剤は、それらの生薬中の全ての有効成分が水溶性であるとみなされるため、水溶性成分を得るために水のみで抽出される。上記の方法によって製造される組成物において、有効成分の含有量は著しく増加し、かつ内容物の不純度は顕著に減少する。従って、投与量は減少する。
【0026】
本発明の第4の方法においては以下の工程が好ましい:
1.工程(b)において、還流による抽出は黄ごんの重量の10倍の水により、1回1時間で2回行なわれ;抽出液は、好ましくは75〜85℃、さらに好ましくは80℃で保持される。
2.工程(c)において、還流による抽出は、好ましくは黄連の重量の10倍のエタノールにより、1回2時間で2回行なわれ;エタノール濃度は、好ましくは70〜85%、さらに好ましくは75%である。
【0027】
工程(b)および工程(c)において、好ましくは濃塩酸によりpHを製造する。
3.工程(d)において、還流による抽出は、好ましくはその他の生薬の重量の10倍の水により、1回1時間で2回行なわれ;合わせた抽出液は、1.03〜1.07、好ましくは1.05の相対密度を有する濃縮抽出液へと濃縮され;エタノール添加後、エタノールを回収し、好ましくは1.25〜1.35、さらに好ましくは1.30の相対密度を有する抽出物を得る。
【0028】
本方法において、黄ごん、黄連およびその他の生薬はそれぞれに抽出される。それらの異なる化学的特性に応じて水抽出またはエタノール抽出が選択され、次いでpH値が調整される。上記の方法によって製造される医薬組成物において、有効成分の含有量は著しく増加し、かつ内容物の不純度は顕著に減少する。従って、投与量は減少する。
【0029】
本発明の上記の方法により、上記の処方を有する糖尿病の治療のための医薬組成物が製造できる。本発明の組成物は従来の方法により、先行技術において公知の、従来用いられている賦形剤と共に、従来の剤形のうちのいずれか1つの剤形へ製造できる。例えば、上記の生薬は多くの方法により投与できる:粉末であって水と共に注入される;抽出物、乾燥物、微粉砕物、選別物、粉末に製造され、水と共に注入される、または得られた抽出物は錠剤もしくはカプセルへと製造されて経口投与されるか、または得られた抽出物は注射剤などに製造される。しかしながら、これらは当業者に対して本発明の範囲を限定しようとするものではない。
【0030】
本発明の方法により製造される医薬組成物は、血糖を減少させる作用を有し、臨床的に、DMの治療に優れた効果を有する。
【0031】
ここで、エタノール濃度またはエタノール含有量(系の中でのエタノール含有量)がパーセンテージにより表される時、これは他に記載のない限り容量パーセンテージである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下の製造例および実験例はさらなる説明のみを目的に提供され、決して本発明の範囲を限定しようとするものではない。
【実施例1】
【0033】
処方:750gの天花粉、1500gの柴胡、450gの枳実、150gの大黄、150gの半夏、450gの黄ごん、150gの黄連、450gの白芍および750gの烏梅。
【0034】
組成物を以下の方法により製造する:
上記の9種の生薬を、該生薬の重量の10倍の水を用いた還流により、1回1.5時間で2回抽出する。抽出液を濾過し、生薬の初期重量(kg)に対する最終容量(L)が1:1の比になるように濃縮抽出液へと減圧下で濃縮し、エタノール含有量が65%になるように90%エタノールを加える。得られた抽出液を濾過し、減圧下で濃厚抽出物へと濃縮する。
【実施例2】
【0035】
実施例1と同一の処方が提供される。
【0036】
組成物を以下の方法により製造する:
以下の6種の生薬(柴胡、白芍、枳実、大黄、黄ごんおよび黄連)を、該生薬の重量の10倍の75%エタノールを用いた還流により、1回1.5時間で2回抽出し、抽出液(1)および薬剤残渣を得る。該抽出液(1)をさらなる使用のために濾過する。
【0037】
薬剤残渣に天花粉、烏梅および半夏を加え、これら3種の生薬および薬剤残渣の総重量の10倍の水により、還流による抽出を1回1.5時間で2回行ない、抽出液(2)を得る。該抽出液(2)を、生薬の初期重量(kg)に対する最終容量(L)が1:1の比になるように濃縮抽出液へと濃縮する。エタノール含有量が65%になるように90%エタノールを加え、さらなる使用のために濾過する。
【0038】
上記の抽出液を合わせ、減圧下で濃厚抽出物へと濃縮する。
【実施例3】
【0039】
実施例1と同一の処方が提供される。
【0040】
組成物を以下の方法により製造する:
48.5kgの水を1時間の抽出それぞれに加え、上記9種の生薬を、水を用いた還流により2回抽出する;抽出液を冷却し、濾過し、合わせる。合わせた濾液を、3.2kgのAB−8型マクロ多孔性吸着樹脂に、1時間当たりカラム容量の4倍の速度で流す。カラム容量の4倍の水で洗浄した後、溶出液を廃棄する。その後、カラム容量の2倍の80%エタノールで再び洗浄し、エタノール溶出液を合わせる。合わせたエタノール溶出液から80℃における減圧下でエタノールを回収し、相対密度が1.25の抽出物を得る。70℃において真空乾燥を行い、乾燥抽出物を得て、これを微粉砕して80−メッシュ篩を通して選別する。選別した乾燥粉末中にラクトースを加え、カプセルへと製造する。
【実施例4】
【0041】
実施例1と同一の処方が提供される。
【0042】
組成物を以下の方法により製造する:
黄ごんの重量の10倍の水を用いた還流により、黄ごんを1回1時間で2回抽出する;抽
出液を合わせ、pH値を濃塩酸により1.5〜2.0に調整する;該抽出液を75℃で1時間保持し、静置し、濾過し、pHの値が5〜6になるまで沈殿物を水で洗浄し、乾燥させ、得られた乾燥抽出物を微粉砕し、80−メッシュ篩を通し選別して黄ごんの抽出物を得る。
【0043】
黄連の重量の10倍の70%エタノールを用いた還流により、黄連を1回2時間で2回抽出する;抽出液を合わせ、濾過し、エタノールの匂いがなくなるまでエタノールを回収し、pHの値を濃塩酸により1〜2に調整し、低温下で一晩置き、濾過し、pHの値が5〜6になるまで沈殿物を水で洗浄し、乾燥させ、得られた乾燥抽出物を微粉砕し、80−メッシュ篩を通し選別して黄連の抽出物を得る。
【0044】
その他の7種の生薬の重量の10倍の水を用いた還流により、その他の7種の生薬を1回1時間で2回抽出する;合わせた抽出液を1.03の相対密度を有する濃縮抽出液へと濃縮し、冷却し、続いてエタノール含有量が70%になるように95%エタノールを加え、静置し、濾過し、エタノールを回収し相対密度が1.25の抽出物を得て、乾燥させ、得られた乾燥抽出物を微粉砕し、80−メッシュ篩を通し選別する。
【0045】
上記の3工程で得られた抽出物の乾燥粉末を十分に混ぜ合わせ、ラクトースを加え、カプセルへと製造する。
【実施例5】
【0046】
処方:1200gの天花粉、900gの柴胡、450gの枳実、180gの大黄、360gの半夏、450gの黄ごん、360gの黄連、450gの白芍および600gの烏梅。
【0047】
組成物を以下の方法により製造する:
上記の9種の生薬を、該生薬の重量の10倍の水を用いた還流により、1回1.5時間で2回抽出する。抽出液を濾過し、生薬の初期重量(kg)に対する最終容量(L)が1:1の比になるように濃縮抽出液へと減圧下で濃縮し、エタノール含有量が75%になるように無水エタノールを加える。得られた抽出液を濾過し、減圧下で濃厚抽出物へと濃縮する。
【実施例6】
【0048】
実施例5と同一の処方が提供される。
【0049】
組成物を以下の方法により製造する:
以下の6種の生薬(柴胡、白芍、枳実、大黄、黄ごんおよび黄連)を、該生薬の重量の10倍の90%エタノールを用いた還流により、1回1.5時間で2回抽出し、抽出液(1)および薬剤残渣を得る。該抽出液(1)をさらなる使用のために濾過する。
【0050】
薬剤残渣に天花粉、烏梅および半夏を加え、還流による抽出をこれら3種の生薬および薬剤残渣の総重量の10倍の水により、1回1.5時間で2回行ない、抽出液(2)を得る。該抽出液(2)を、生薬の初期重量(kg)に対する最終容量(L)が1:1の比になるように濃縮抽出液へと濃縮する。エタノール含有量が75%になるように無水エタノールを加え、さらなる使用のために濾過する。
【0051】
上記の抽出液を合わせ、減圧下で濃厚抽出物へと濃縮する。
【実施例7】
【0052】
実施例5と同一の処方が提供される。
【0053】
組成物を以下の方法により製造する:
49.5kgの水を1時間の抽出それぞれに加え、上記9種の生薬を、水を用いた還流により2回抽出する;抽出液を冷却し、濾過し、合わせる。合わせた濾液を、1.7kgのAB−8型マクロ多孔性吸着樹脂に、1時間当たりカラム容量の6倍の速度で流す。カラム容量の6倍の水で洗浄した後、溶出液を廃棄する。その後、カラム容量の5倍の95%エタノールで再び洗浄し、エタノール溶出液を合わせる。合わせたエタノール溶出液から70℃における減圧下でエタノールを回収し、相対密度が1.35の抽出物を得る。90℃において真空乾燥を行い乾燥抽出物を得て、これを微粉砕して80−メッシュ篩を通して選別する。選別した乾燥粉末中に澱粉を加え、錠剤へと製造する。
【実施例8】
【0054】
実施例5と同一の処方が提供される。
【0055】
組成物を以下の方法により製造する:
黄ごんの重量の10倍の水を用いた還流により、黄ごんを1回1時間で2回抽出する;抽出液を合わせ、pH値を濃塩酸により1.5〜2.0に調整する;該抽出液を85℃で1時間保持し、静置し、濾過し、pHの値が5〜6になるまで沈殿物を水で洗浄し、乾燥させ、得られた乾燥抽出物を微粉砕し、80−メッシュ篩を通し選別して黄ごんの抽出物を得る。
【0056】
黄連の重量の10倍の85%エタノールを用いた還流により、黄連を1回2時間で2回抽出する;抽出液を合わせ、濾過し、エタノールの匂いがなくなるまでエタノールを回収し、pHの値を濃塩酸により1〜2に調整し、低温下で一晩置き、濾過し、pHの値が5〜6になるまで沈殿物を水で洗浄し、乾燥させ、得られた乾燥抽出物を微粉砕し、80−メッシュ篩を通し選別して黄連の抽出物を得る。
【0057】
その他の7種の生薬の重量の10倍の水を用いた還流により、その他の7種の生薬を1回1時間で2回抽出する;合わせた抽出液を1.07の相対密度を有する濃縮抽出液へと濃縮し、冷却し、続いてエタノール含有量が70%になるように95%エタノールを加え、静置し、濾過し、エタノールを回収し相対密度が1.35の抽出物を得て、乾燥させ、得られた乾燥抽出物を微粉砕し、80−メッシュ篩を通し選別する。
【0058】
上記の3工程で得られた抽出物の乾燥粉末を十分に混ぜ合わせ、澱粉を加えて錠剤へと製造する。
【実施例9】
【0059】
処方:630gの天花粉、840gの柴胡、630gの枳実、210gの大黄、420gの半夏、630gの黄ごん、420gの黄連、630gの白芍および630gの烏梅。
【0060】
組成物を以下の方法により製造する:
上記の9種の生薬を、該生薬の重量の10倍の水を用いた還流により、1回1.5時間で2回抽出する。抽出液を濾過し、生薬の初期重量(kg)に対する最終容量(L)が1:1の比になるように濃縮抽出液へと減圧下で濃縮し、エタノール含有量が70%になるように95%エタノールを加える。得られた抽出液を濾過し、減圧下で濃厚抽出物へと濃縮する。
【実施例10】
【0061】
実施例9と同一の処方が提供される。
【0062】
組成物を以下の方法により製造する:
以下の6種の生薬(柴胡、白芍、枳実、大黄、黄ごんおよび黄連)を、該生薬の重量の10倍の80%エタノールを用いた還流により、1回1.5時間で2回抽出し、抽出液(1)および薬剤残渣を得る。該抽出液(1)をさらなる使用のために濾過する。
【0063】
薬剤残渣に天花粉、烏梅および半夏を加え、還流による抽出をこれら3種の生薬および薬剤残渣の総重量の10倍の水により、1回1.5時間で2回行ない、抽出液(2)を得る。該抽出液(2)を、生薬の初期重量(kg)に対する最終容量(L)が1:1の比になるように濃縮抽出液へと濃縮する。エタノール含有量が70%になるように95%エタノールを加え、さらなる使用のために濾過する。
【0064】
上記の抽出液を合わせ、減圧下で濃厚抽出物へと濃縮する。
【実施例11】
【0065】
実施例9と同一の処方が提供される。
【0066】
組成物を以下の方法により製造する:
50.4kgの水を1時間の抽出それぞれに加え、上記9種の生薬を、水を用いた還流により2回抽出する;抽出液を冷却し、濾過し、合わせる。合わせた濾液を、2.52kgのAB−8型マクロ多孔性吸着樹脂に、1時間当たりカラム容量の5倍の速度で流す。カラム容量の5倍の水で洗浄した後、溶出液を廃棄する。その後、カラム容量の3倍の90%エタノールで再び洗浄し、エタノール溶出液を合わせる。合わせたエタノール溶出液から70℃における減圧下でエタノールを回収すし、相対密度が1.30の抽出物を得る。80℃において真空乾燥を行い乾燥抽出物を得て、これを微粉砕して80−メッシュ篩を通して選別する。選別した乾燥粉末中に微結晶セルロースを加え、濃縮丸薬へと製造する。
【実施例12】
【0067】
実施例9と同一の処方が提供される。
【0068】
組成物を以下の方法により製造する:
黄ごんの重量の10倍の水を用いた還流により、黄ごんを1回1時間で2回抽出する;抽出液を合わせ、pH値を濃塩酸により1.5〜2.0に調整する;該抽出液を80℃で1時間保持し、静置し、濾過し、pHの値が5〜6になるまで沈殿物を水で洗浄し、乾燥させ、得られた乾燥抽出物を微粉砕し、80−メッシュ篩を通し選別して黄ごんの抽出物を得る。
【0069】
黄連の重量の10倍の75%エタノールを用いた還流により、黄連を1回2時間で2回抽出する;抽出液を合わせ、濾過し、エタノールの匂いがなくなるまでエタノールを回収し、pHの値を濃塩酸により1〜2に調整し、低温下で一晩置き、濾過し、pHの値が5〜6になるまで沈殿物を水で洗浄し、乾燥させ、得られた乾燥抽出物を微粉砕し、80−メッシュ篩を通し選別して黄連の抽出物を得る。
【0070】
その他の7種の生薬の重量の10倍の水を用いた還流により、その他の7種の生薬を1回1時間で2回抽出する;合わせた抽出液を1.05の相対密度を有する濃縮抽出液へと濃縮し、冷却し、続いてエタノール含有量が70%になるように95%エタノールを加え、静置し、濾過し、エタノールを回収し相対密度が1.30の抽出物を得て、乾燥させ、得られた乾燥抽出物を微粉砕し、80−メッシュ篩を通し選別する。
【0071】
上記の3工程で得られた抽出物の乾燥粉末を十分に混ぜ合わせ、微結晶セルロースを加
え、濃縮丸薬へと製造する。
【実施例13】
【0072】
処方:750gの天花粉、1500gの柴胡、450gの枳実、150gの大黄、150gの半夏、450gの黄ごん、150gの黄連、450gの白芍、750gの烏梅、および450gの山査。
【0073】
組成物を以下の方法により製造する:
上記の10種の生薬を、該生薬の重量の10倍の水を用いた還流により、1回1.5時間で2回抽出する。抽出液を濾過し、生薬の初期重量(kg)に対する最終容量(L)が1:1の比になるように濃縮抽出液へと減圧下で濃縮し、エタノール含有量が65%になるように90%エタノールを加える。得られた抽出液を濾過し、減圧下で濃厚抽出物へと濃縮する。
【実施例14】
【0074】
実施例13と同一の処方が提供される。
【0075】
組成物を以下の方法により製造する:
以下の6種の生薬(柴胡、白芍、枳実、大黄、黄ごんおよび黄連)を、該生薬の重量の10倍の75%エタノールを用いた還流により、1回1.5時間で2回抽出し、抽出液(1)および薬剤残渣を得る。該抽出液(1)をさらなる使用のために濾過する。
【0076】
薬剤残渣に天花粉、烏梅および半夏を加え、還流による抽出をこれら4種の生薬および薬剤残渣の総重量の10倍の水により、1回1.5時間で2回行ない、抽出液(2)を得る。該抽出液(2)を、生薬の初期重量(kg)に対する最終容量(L)が1:1の比になるように濃縮抽出液へと濃縮する。エタノール含有量が65%になるように90%エタノールを加え、さらなる使用のために濾過する。
【0077】
上記の抽出液を合わせ、減圧下で濃厚抽出物へと濃縮する。
【実施例15】
【0078】
実施例13と同一の処方が提供される。
【0079】
組成物を以下の方法により製造する:
52.5kgの水を1時間の抽出それぞれに加え、上記10種の生薬を、水を用いた還流により2回抽出する;抽出液を冷却し、濾過し、合わせる。合わせた濾液を、3.5kgのAB−8型マクロ多孔性吸着樹脂に、1時間当たりカラム容量の4倍の速度で流す。カラム容量の4倍の水で洗浄した後、溶出液を廃棄する。その後、カラム容量の2倍の80%エタノールで再び洗浄し、エタノール溶出液を合わせる。合わせたエタノール溶出液から80℃における減圧下でエタノールを回収し、相対密度が1.35の抽出物を得る。70℃において真空乾燥を行い乾燥抽出物を得て、これを微粉砕して80−メッシュ篩を通して選別する。選別した乾燥粉末中にラクトースを加え、カプセルへと製造する。
【実施例16】
【0080】
実施例13と同一の処方が提供される。
【0081】
組成物を以下の方法により製造する:
黄ごんの重量の10倍の水を用いた還流により、黄ごんを1回1時間で2回抽出する;抽出液を合わせ、pH値を濃塩酸により1.5〜2.0に調整する;該抽出液を75℃で1時間保持し、静置し、濾過し、pHの値が5〜6になるまで沈殿物を水で洗浄し、乾燥さ
せ、得られた乾燥抽出物を微粉砕し、80−メッシュ篩を通し選別して黄ごんの抽出物を得る。
【0082】
黄連の重量の10倍の70%エタノールを用いた還流により、黄連を1回2時間で2回抽出する;抽出液を合わせ、濾過し、エタノールの匂いがなくなるまでエタノールを回収し、pHの値を濃塩酸により1〜2に調整し、低温下で一晩置き、濾過し、pHの値が5〜6になるまで沈殿物を水で洗浄し、乾燥させ、得られた乾燥抽出物を微粉砕し、80−メッシュ篩を通し選別して黄連の抽出物を得る。
【0083】
その他の8種の生薬の重量の10倍の水を用いた還流により、その他の8種の生薬を1回1時間で2回抽出する;合わせた抽出液を1.07の相対密度を有する濃縮抽出液へと濃縮し、冷却し、続いてエタノール含有量が70%になるように95%エタノールを加え、静置し、濾過し、エタノールを回収し相対密度が1.25の抽出物を得て、乾燥させ、得られた乾燥抽出物を微粉砕し、80−メッシュ篩を通し選別する。
【0084】
上記の3工程で得られた抽出物の乾燥粉末を十分に混ぜ合わせ、ラクトースを加え、カプセルへと製造する。
【実施例17】
【0085】
処方:1200gの天花粉、900gの柴胡、450gの枳実、180gの大黄、360gの半夏、450gの黄ごん、360gの黄連、450gの白芍、600gの烏梅、および450gの山査。
【0086】
組成物を以下の方法により製造する:
上記の10種の生薬を、該生薬の重量の10倍の水を用いた還流により、1回1.5時間で2回抽出する。抽出液を濾過し、生薬の初期重量(kg)に対する最終容量(L)が1:1の比になるように濃縮抽出液へと減圧下で濃縮し、エタノール含有量が75%になるように無水エタノールを加える。得られた抽出液を濾過し、減圧下で濃厚抽出物へと濃縮する。
【実施例18】
【0087】
実施例17と同一の処方が提供される。
【0088】
組成物を以下の方法により製造する:
以下の6種の生薬(柴胡、白芍、枳実、大黄、黄ごんおよび黄連)を、該生薬の重量の10倍の90%エタノールを用いた還流により、1回1.5時間で2回抽出し、抽出液(1)および薬剤残渣を得る。該抽出液(1)をさらなる使用のために濾過する。
【0089】
薬剤残渣に天花粉、烏梅、半夏および山査を加え、還流による抽出をこれら4種の生薬および薬剤残渣の総重量の10倍の水により、1回1.5時間で2回行ない、抽出液(2)を得る。該抽出液(2)を、生薬の初期重量(kg)に対する最終容量(L)が1:1の比になるように濃縮抽出液へと濃縮する。エタノール含有量が75%になるように無水エタノールを加え、さらなる使用のために濾過する。
【0090】
上記の抽出液を合わせ、減圧下で濃厚抽出物へと濃縮する。
【実施例19】
【0091】
実施例17と同一の処方が提供される。
【0092】
組成物を以下の方法により製造する:
54kgの水を1時間の抽出それぞれに加え、上記10種の生薬を、水を用いた還流により2回抽出する;抽出液を冷却し、濾過し、合わせる。合わせた濾液を、1.8kgのAB−8型マクロ多孔性吸着樹脂に、1時間当たりカラム容量の6倍の速度で流す。カラム容量の6倍の水で洗浄した後、溶出液を廃棄する。その後、カラム容量の5倍の95%エタノールで再び洗浄し、エタノール溶出液を合わせる。合わせたエタノール溶出液から70℃における減圧下でエタノールを回収し、相対密度が1.25の抽出物を得る。90℃において真空乾燥を行い乾燥抽出物を得て、これを微粉砕して80−メッシュ篩を通して選別する。選別した乾燥粉末中にラクトースを加え、カプセルへと製造する。
【実施例20】
【0093】
実施例17と同一の処方が提供される。
【0094】
組成物を以下の方法により製造する:
黄ごんの重量の10倍の水を用いた還流により、黄ごんを1回1時間で2回抽出する;抽出液を合わせ、pH値を濃塩酸により1.5〜2.0に調整する;該抽出液を80℃で1時間保持し、静置し、濾過し、pHの値が5〜6になるまで沈殿物を水で洗浄し、乾燥させ、得られた乾燥抽出物を微粉砕し、80−メッシュ篩を通し選別して黄ごんの抽出物を得る。
【0095】
黄連の重量の10倍の70%エタノールを用いた還流により、黄連を1回2時間で2回抽出する;抽出液を合わせ、濾過し、エタノールの匂いがなくなるまでエタノールを回収し、pHの値を濃塩酸により1〜2に調整し、低温下で一晩置き、濾過し、pHの値が5〜6になるまで沈殿物を水で洗浄し、乾燥させ、得られた乾燥抽出物を微粉砕し、80−メッシュ篩を通し選別して黄連の抽出物を得る。
【0096】
その他の8種の生薬の重量の10倍の水を用いた還流により、その他の8種の生薬を1回1時間で2回抽出する;合わせた抽出液を1.03の相対密度を有する濃縮抽出液へと濃縮し、冷却し、続いてエタノール含有量が70%になるように95%エタノールを加え、静置し、濾過し、エタノールを回収し相対密度が1.35の抽出物を得て、乾燥させ、得られた乾燥抽出物を微粉砕し、80−メッシュ篩を通し選別する。
【0097】
上記の3工程で得られた抽出物の乾燥粉末を十分に混ぜ合わせ、ラクトースを加え、カプセルへと製造する。
【実施例21】
【0098】
処方:833gの天花粉、667gの柴胡、500gの枳実、167gの大黄、333gの半夏、500gの黄ごん、333gの黄連、500gの白芍、833gの烏梅、および500gの山査。
【0099】
組成物を以下の方法により製造する:
上記の10種の生薬を、該生薬の重量の10倍の水を用いた還流により、1回1.5時間で2回抽出する。抽出液を濾過し、生薬の初期重量(kg)に対する最終容量(L)が1:1の比になるように濃縮抽出液へと減圧下で濃縮し、エタノール含有量が70%になるように95%エタノールを加える。得られた抽出液を濾過し、減圧下で濃厚抽出物へと濃縮する。
【実施例22】
【0100】
実施例21と同一の処方が提供される。
【0101】
組成物を以下の方法により製造する:
以下の6種の生薬(柴胡、白芍、枳実、大黄、黄ごんおよび黄連)を、該生薬の重量の10倍の80%エタノールを用いた還流により、1回1.5時間で2回抽出し、抽出液(1)および薬剤残渣を得る。該抽出液(1)をさらなる使用のために濾過する。
【0102】
薬剤残渣に天花粉、烏梅、半夏および山査を加え、還流による抽出をこれら4種の生薬および薬剤残渣の総重量の10倍の水により、1回1.5時間で2回行ない、抽出液(2)を得る。該抽出液(2)を、生薬の初期重量(kg)に対する最終容量(L)が1:1の比になるように濃縮抽出液へと濃縮する。エタノール含有量が70%になるように95%エタノールを加え、さらなる使用のために濾過する。
【0103】
上記の抽出液を合わせ、減圧下で濃厚抽出物へと濃縮する。
【実施例23】
【0104】
実施例21と同一の処方が提供される。
【0105】
組成物を以下の方法により製造する:
51.7kgの水を1時間の抽出それぞれに加え、上記10種の生薬を、水を用いた還流により2回抽出する;抽出液を冷却し、濾過し、合わせる。合わせた濾液を、2.6kgのAB−8型マクロ多孔性吸着樹脂に、1時間当たりカラム容量の5倍の速度で流す。カラム容量の5倍の水で洗浄した後、溶出液を廃棄する。その後、カラム容量の3倍の90%エタノールで再び洗浄し、エタノール溶出液を合わせる。合わせたエタノール溶出液から70℃における減圧下でエタノールを回収し、相対密度が1.30の抽出物を得る。80℃において真空乾燥を行い乾燥抽出物を得て、これを微粉砕して80−メッシュ篩を通して選別する。選別した乾燥粉末中に微結晶セルロースを加え、濃縮丸薬へと製造する。
【実施例24】
【0106】
実施例21と同一の処方が提供される。
【0107】
組成物を以下の方法により製造する:
黄ごんの重量の10倍の水を用いた還流により、黄ごんを1回1時間で2回抽出する;抽出液を合わせ、pH値を濃塩酸により1.5〜2.0に調整する;該抽出液を80℃で1時間保持し、静置し、濾過し、pHの値が5〜6になるまで沈殿物を水で洗浄し、乾燥させ、得られた乾燥抽出物を微粉砕し、80−メッシュ篩を通し選別して黄ごんの抽出物を得る。
【0108】
黄連の重量の10倍の75%エタノールを用いた還流により、黄連を1回2時間で2回抽出する;抽出液を合わせ、濾過し、エタノールの匂いがなくなるまでエタノールを回収し、pHの値を濃塩酸により1〜2に調整し、低温下で一晩置き、濾過し、pHの値が5〜6になるまで沈殿物を水で洗浄し、乾燥させ、得られた乾燥抽出物を微粉砕し、80−メッシュ篩を通し選別して黄連の抽出物を得る。
【0109】
その他の8種の生薬の重量の10倍の水を用いた還流により、その他の8種の生薬を1回1時間で2回抽出する;合わせた抽出液を1.05の相対密度を有する濃縮抽出液へと濃縮し、冷却し、続いてエタノール含有量が70%になるように95%エタノールを加え、静置し、濾過し、エタノールを回収し相対密度が1.30の抽出物を得て、乾燥させ、得られた乾燥抽出物を微粉砕し、80−メッシュ篩を通し選別する。
【0110】
上記の3工程で得られた抽出物の乾燥粉末を十分に混ぜ合わせ、微結晶セルロースを加え、濃縮丸薬へと製造する。
【実施例25】
【0111】
処方:500gの天花粉、750gの柴胡、500gの枳実、250gの大黄、500gの半夏、500gの黄ごん、500gの黄連、500gの白芍、500gの烏梅、および500gの山査。
【0112】
組成物を以下の方法により製造する:
上記の10種の生薬を、該生薬の重量の10倍の水を用いた還流により、1回1.5時間で2回抽出する。抽出液を濾過し、生薬の初期重量(kg)に対する最終容量(L)が1:1の比になるように濃縮抽出液へと減圧下で濃縮し、エタノール含有量が70%になるように95%エタノールを加える。得られた抽出液を濾過し、減圧下で濃厚抽出物へと濃縮する。
【実施例26】
【0113】
実施例25と同一の処方が提供される。
【0114】
組成物を以下の方法により製造する:
以下の6種の生薬(柴胡、白芍、枳実、大黄、黄ごんおよび黄連)を、該生薬の重量の10倍の80%エタノールを用いた還流により、1回1.5時間で2回抽出し、抽出液(1)および薬剤残渣を得る。該抽出液(1)をさらなる使用のために濾過する。
【0115】
薬剤残渣に天花粉、烏梅、半夏および山査を加え、還流による抽出をこれら4種の生薬および薬剤残渣の総重量の10倍の水により、1回1.5時間で2回行ない、抽出液(2)を得る。該抽出液(2)を、生薬の初期重量(kg)に対する最終容量(L)が1:1の比になるように濃縮抽出液へと濃縮する。エタノール含有量が70%になるように95%エタノールを加え、さらなる使用のために濾過する。
【0116】
上記の抽出液を合わせ、減圧下で濃厚抽出物へと濃縮する。
【実施例27】
【0117】
実施例25と同一の処方が提供される。
【0118】
組成物を以下の方法により製造する:
50kgの水を1時間の抽出それぞれに加え、上記10種の生薬を、水を用いた還流により2回抽出する;抽出液を冷却し、濾過し、合わせる。合わせた濾液を、2.5kgのAB−8型マクロ多孔性吸着樹脂に、1時間当たりカラム容量の4倍の速度で流す。カラム容量の5倍の水で洗浄した後、溶出液を廃棄する。その後、カラム容量の4倍の92%エタノールで再び洗浄し、エタノール溶出液を合わせる。合わせたエタノール溶出液から75℃における減圧下でエタノールを回収し、相対密度が1.25の抽出物を得る。乾燥抽出物を得るため85℃において真空乾燥を行い、これを微粉砕して80−メッシュ篩を通して選別する。選別した乾燥粉末中にデキストリンを加え、錠剤へと製造する。
【実施例28】
【0119】
実施例25と同一の処方が提供される。
【0120】
組成物を以下の方法により製造する:
黄ごんの重量の10倍の水を用いた還流により、黄ごんを1回1時間で2回抽出する;抽出液を合わせ、pH値を濃塩酸により1.5〜2.0に調整する;該抽出液を85℃で1時間保持し、静置し、濾過し、pHの値が5〜6になるまで沈殿物を水で洗浄し、乾燥させ、得られた乾燥抽出物を微粉砕し、80−メッシュ篩を通し選別して黄ごんの抽出物を得る。
【0121】
黄連の重量の10倍の85%エタノールを用いた還流により、黄連を1回2時間で2回抽出する;抽出液を合わせ、濾過し、エタノールの匂いがなくなるまでエタノールを回収し、pHの値を濃塩酸により1〜2に調整し、低温下で一晩置き、濾過し、pHの値が5〜6になるまで沈殿物を水で洗浄し、乾燥させ、得られた乾燥抽出物を微粉砕し、80−メッシュ篩を通し選別して黄連の抽出物を得る。
【0122】
その他の8種の生薬の重量の10倍の水を用いた還流により、その他の8種の生薬を1回1時間で2回抽出する;合わせた抽出液を1.05の相対密度を有する濃縮抽出液へと濃縮し、冷却し、続いてエタノール含有量が70%になるように95%エタノールを加え、静置し、濾過し、エタノールを回収し相対密度が1.25の抽出物を得て、乾燥させ、得られた乾燥抽出物を微粉砕し、80−メッシュ篩を通し選別する。
【0123】
上記の3工程で得られた抽出物の乾燥粉末を十分に混ぜ合わせ、デキストリンを加え、錠剤へと製造する。
【実施例29】
【0124】
処方:1200gの天花粉、800gの柴胡、600gの枳実、200gの大黄、400gの半夏、400gの黄ごん、200gの黄連、400gの白芍、400gの烏梅、および400gの山査。
【0125】
組成物を以下の方法により製造する:
上記の10種の生薬を、該生薬の重量の10倍の水を用いた還流により、1回1.5時間で2回抽出する。抽出液を濾過し、生薬の初期重量(kg)に対する最終容量(L)が1:1の比になるように濃縮抽出液へと減圧下で濃縮し、エタノール含有量が68%になるように90%エタノールを加える。得られた抽出液を濾過し、減圧下で濃厚抽出物へと濃縮する。
【実施例30】
【0126】
実施例29と同一の処方が提供される。
【0127】
組成物を以下の方法により製造する:
以下の6種の生薬(柴胡、白芍、枳実、大黄、黄ごんおよび黄連)を、該生薬の重量の10倍の85%エタノールを用いた還流により、1回1.5時間で2回抽出し、抽出液(1)および薬剤残渣を得る。該抽出液(1)をさらなる使用のために濾過する。
【0128】
薬剤残渣に天花粉、烏梅、半夏および山査を加え、還流による抽出をこれら4種の生薬および薬剤残渣の総重量の10倍の水により、1回1.5時間で2回行ない、抽出液(2)を得る。該抽出液(2)を、生薬の初期重量(kg)に対する最終容量(L)が1:1の比になるように濃縮抽出液へと濃縮する。エタノール含有量が68%になるように90%エタノールを加え、さらなる使用のために濾過する。
【0129】
上記の抽出液を合わせ、減圧下で濃厚抽出物へと濃縮する。
【実施例31】
【0130】
実施例29と同一の処方が提供される。
【0131】
組成物を以下の方法により製造する:
50kgの水を1時間の抽出それぞれに加え、上記10種の生薬を、水を用いた還流により2回抽出する;抽出液を冷却し、濾過し、合わせる。合わせた濾液を、2.0kgのA
B−8型マクロ多孔性吸着樹脂に、1時間当たりカラム容量の6倍の速度で流す。カラム容量の4倍の水で洗浄した後、溶出液を廃棄する。その後、カラム容量の3倍の92%エタノールで再び洗浄し、エタノール溶出液を合わせる。合わせたエタノール溶出液から65℃における減圧下でエタノールを回収し、相対密度が1.30の抽出物を得る。乾燥抽出物を得るため75℃において真空乾燥を行い、これを微粉砕して80−メッシュ篩を通して選別する。選別した乾燥粉末中にラクトースを加え、カプセルへと製造する。
【実施例32】
【0132】
実施例29と同一の処方が提供される。
【0133】
組成物を以下の方法により製造する:
黄ごんの重量の10倍の水を用いた還流により、黄ごんを1回1時間で2回抽出する;抽出液を合わせ、pH値を濃塩酸により1.5〜2.0に調整する;該抽出液を75℃で1時間保持し、静置し、濾過し、pHの値が5〜6になるまで沈殿物を水で洗浄し、乾燥させ、得られた乾燥抽出物を微粉砕し、80−メッシュ篩を通し選別して黄ごんの抽出物を得る。
【0134】
黄連の重量の10倍の75%エタノールを用いた還流により、黄連を1回2時間で2回抽出する;抽出液を合わせ、濾過し、エタノールの匂いがなくなるまでエタノールを回収し、pHの値を濃塩酸により1〜2に調整し、低温下で一晩置き、濾過し、pHの値が5〜6になるまで沈殿物を水で洗浄し、乾燥させ、得られた乾燥抽出物を微粉砕し、80−メッシュ篩を通し選別して黄連の抽出物を得る。
【0135】
その他の8種の生薬の重量の10倍の水を用いた還流により、その他の8種の生薬を1回1時間で2回抽出する;合わせた抽出液を1.05の相対密度を有する濃縮抽出液へと濃縮し、冷却し、続いてエタノール含有量が70%になるように95%エタノールを加え、静置し、濾過し、エタノールを回収し相対密度が1.35の抽出物を得て、乾燥させ、得られた乾燥抽出物を微粉砕し、80−メッシュ篩を通し選別する。
【0136】
上記の3工程で得られた抽出物の乾燥粉末を十分に混ぜ合わせ、ラクトースを加え、カプセルへと製造する。
【実施例33】
【0137】
処方:1000gの天花粉、600gの柴胡、600gの枳実、250gの大黄、300gの半夏、500gの黄ごん、300gの黄連、500gの白芍、500gの烏梅、および300gの山査。
【0138】
組成物を以下の方法により製造する:
上記の10種の生薬を、該生薬の重量の10倍の水を用いた還流により、1回1.5時間で2回抽出する。抽出液を濾過し、生薬の初期重量(kg)に対する最終容量(L)が1:1の比になるように濃縮抽出液へと減圧下で濃縮し、エタノール含有量が74%になるように99%エタノールを加える。得られた抽出液を濾過し、減圧下で濃厚抽出物へと濃縮する。
【実施例34】
【0139】
実施例33と同一の処方が提供される。
【0140】
組成物を以下の方法により製造する:
以下の6種の生薬(柴胡、白芍、枳実、大黄、黄ごんおよび黄連)を、該生薬の重量の10倍の90%エタノールを用いた還流により、1回1.5時間で2回抽出し、抽出液(1
)および薬剤残渣を得る。該抽出液(1)をさらなる使用のために濾過する。
【0141】
薬剤残渣に天花粉、烏梅、半夏および山査を加え、抽出液(2)を得るため、還流による抽出をこれら4種の生薬および薬剤残渣の総重量の10倍の水により、1回1.5時間で2回行なう。該抽出液(2)を、生薬の初期重量(kg)に対する最終容量(L)が1:1の比になるように濃縮抽出液へと濃縮する。エタノール含有量が74%になるように99%エタノールを加え、さらなる使用のために濾過する。
【0142】
上記の抽出液を合わせ、減圧下で濃厚抽出物へと濃縮する。
【実施例35】
【0143】
実施例33と同一の処方が提供される。
【0144】
組成物を以下の方法により製造する:
48.5kgの水を1時間の抽出それぞれに加え、上記10種の生薬を、水を用いた還流により2回抽出する;抽出液を冷却し、濾過し、合わせる。合わせた濾液を、1.7kgのAB−8型マクロ多孔性吸着樹脂に、1時間当たりカラム容量の5倍の速度で流す。カラム容量の4倍の水で洗浄した後、溶出液を廃棄する。その後、カラム容量の5倍の85%エタノールで再び洗浄し、エタノール溶出液を合わせる。合わせたエタノール溶出液から70℃における減圧下でエタノールを回収し、相対密度が1.35の抽出物を得る。90℃において真空乾燥を行い乾燥抽出物を得て、これを微粉砕して80−メッシュ篩を通して選別する。選別した乾燥粉末中にラクトースを加え、カプセルへと製造する。
【実施例36】
【0145】
実施例33と同一の処方が提供される。
【0146】
組成物を以下の方法により製造する:
黄ごんの重量の10倍の水を用いた還流により、黄ごんを1回1時間で2回抽出する;抽出液を合わせ、pH値を濃塩酸により1.5〜2.0に調整する;該抽出液を80℃で1時間保持し、静置し、濾過し、pHの値が5〜6になるまで沈殿物を水で洗浄し、乾燥させ、得られた乾燥抽出物を微粉砕し、80−メッシュ篩を通し選別して黄ごんの抽出物を得る。
【0147】
黄連の重量の10倍の80%エタノールを用いた還流により、黄連を1回2時間で2回抽出する;抽出液を合わせ、濾過し、エタノールの匂いがなくなるまでエタノールを回収し、pHの値を濃塩酸により1〜2に調整し、低温下で一晩置き、濾過し、pHの値が5〜6になるまで沈殿物を水で洗浄し、乾燥させ、得られた乾燥抽出物を微粉砕し、80−メッシュ篩を通し選別して黄連の抽出物を得る。
【0148】
その他の8種の生薬の重量の10倍の水を用いた還流により、その他の8種の生薬を1回1時間で2回抽出する;合わせた抽出液を1.05の相対密度を有する濃縮抽出液へと濃縮し、冷却し、続いてエタノール含有量が70%になるように95%エタノールを加え、静置し、濾過し、エタノールを回収し相対密度が1.30の抽出物を得て、乾燥させ、得られた乾燥抽出物を微粉砕し、80−メッシュ篩を通し選別する。
【0149】
上記の3工程で得られた抽出物の乾燥粉末を十分に混ぜ合わせ、ラクトースを加え、カプセルへと製造する。
【実施例37】
【0150】
実験実施例1 有効性試験
1.動物
SPFグレードで体重200〜220gの、雄SDラット60匹。
【0151】
2.試薬、薬剤および装置
ストレプトゾトシン(STZ)はSigma(米国)より購入した(バッチ番号024K1211)。
【0152】
無水クエン酸(C687・H2O)はTianjin Chemical Reagent No. 1 Factoryより購入した(バッチ番号011121)。
【0153】
クエン酸ナトリウム(Na3657・2H2O)はTianjin Chemical Reagent No. 1 Factoryより購入した(バッチ番号011219)。
【0154】
メトホルミン(250mg/錠剤)はTianjin Pacific Ocean Pharmaceutical Co., Ltd.より購入した(バッチ番号040121)。
【0155】
試験薬剤(TL−1、TL−2およびTL−3)はそれぞれ、実施例3,8および9により製造された抽出物の粉末である。
【0156】
安定血糖測定器(One−Touch Ultra)はLifescan Inc.(米国)より購入した(証明書番号は20032400735)。
【0157】
3.モデル動物の準備
SDラットを1週間順応させた後に一晩絶食させ、0.1mmol/Lのクエン酸緩衝溶液(pH4.4)で調製した2%(W/V)STZ溶液を腹腔内注射した(65mg/kg)。3日後、血糖を分析するため尾静脈より血液を採取した。これらの動物で血糖値が16.7mmol/L以上のものを成功したモデルとみなした。
【0158】
4.投与方法および観察指数
当該モデルラットを、メトホルミン(125mg/kg)群および様々な処置群(15.5gの生薬/kgに相当)のモデル群へ無作為に分けた。1週間の順応および血糖検出後に、1日1回の胃への注入によりラットへ投与した。全ての薬剤は生理食塩水で希釈し、投与用の懸濁液を調製した。15日の試験期間中、ラットは自由に食物および水を得られた。投与後7日目および14日目に、投与後2時間、ラットを絶食させた。それぞれ、尾静脈より血液を採取し、血糖測定器(One−Touch Ultra)により血糖を分析した。同時に、ラットの体重を測定した。
【0159】
5.統計
結果は平均±標準偏差(
【0160】
【数1】

【0161】
)で表し、2群間の測定値の有意差を評価するため、t検定を用いた。
【0162】
6.結果
表1に示すように、投与後7日目および14日目において、15.5g/kg投与の様
々な処置群におけるSTZ高血糖ラットの血糖値の有意な減少(P<0.01)が示唆される。
【0163】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
糖尿病を治療するための医薬組成物の製造方法であって、該医薬組成物が以下の生薬の抽出物:5〜40重量部の天花粉(Tianhuafen)の抽出物、10〜30重量部の柴胡(Chaihu)の抽出物、3〜15重量部の枳実(Zhishi)の抽出物、1〜6重量部の大黄(Dahuang)の抽出物、1〜12重量部の半夏(Banxia)の抽出物、3〜15重量部の黄ごん(Huangqin)の抽出物、1〜12重量部の黄連(Huanglian)の抽出物、3〜15重量部の白芍(Baishao)の抽出物および5〜20重量部の烏梅(Wumei)の抽出物を含み、かつ薬理学的に許容される賦形剤を任意に含み;
該医薬組成物が以下の方法のいずれか1つの方法により製造される、製造方法。
第1の方法であって以下の工程:
a.上記の重量部に従い、生薬を準備すること;
b.該生薬を水による還流で抽出し、この抽出液を濾過し、減圧下で濃縮すること;
c.濃縮抽出液中にエタノールをその含有量が65〜75%になるように加え、濾過すること;
d.濾液を減圧下で濃縮し、抽出物を生成すること;
e.任意に、工程(d)の抽出物に賦形剤を加え、薬理学的に許容される剤形を製造すること、を含む方法;
第2の方法であって以下の工程:
a.上記の重量部に従い、生薬を準備すること;
b.該生薬を水による還流で抽出し、この抽出液を冷却し、濾過して合わせ、濾液を得ること;
c.該濾液をマクロ多孔性吸着樹脂に流し、最初に水洗して溶出液を廃棄し、特定の濃度のエタノールで続けて洗浄し、エタノール溶出液を合わせ、減圧下でエタノールを回収し、抽出物を得ること;
d.任意に、工程(c)の抽出物に賦形剤を加え、薬理学的に許容される剤形を製造すること、を含む方法;
第3の方法であって以下の工程:
a.上記の重量部に従い、生薬を準備すること;
b.以下の生薬:柴胡、白芍、枳実、大黄、黄ごんおよび黄連を特定の濃度のエタノールによる還流で抽出し、この抽出液を冷却し、濾過して合わせること;
c.工程(b)の薬剤残渣中にその他の薬剤を加え、水による還流で連続的に抽出し、抽出液を減圧下で濃縮し、続いて濃縮抽出液中にエタノールをその含有量が65〜75%になるように加え、濾過すること;
d.工程(b)および(c)の濾液を合わせて抽出物へと濃縮すること;
e.任意に、工程(d)の抽出物に賦形剤を加え、薬理学的に許容される剤形を製造すること、を含む方法;
第4の方法であって以下の工程:
a.上記の重量部に従い、生薬を準備すること;
b.黄ごんを水による還流で抽出して抽出液を合わせ、pHの値を1.5〜2.0に調整し、温度を保持して静置し、濾過し、pHの値が5〜6になるまで沈殿物を水で洗浄し、乾燥させ、黄ごんの抽出物の乾燥粉末を得ること;
c.黄連をエタノールによる還流で抽出して抽出液を合わせ、濾過し、エタノールの匂いがなくなるまでエタノールを回収し、pHの値を1〜2に調整し、低温下で一晩置き、濾過し、pHの値が5〜6になるまで沈殿物を水で洗浄し、乾燥させ、黄連の抽出物の乾燥粉末を得ること;
d.その他の薬剤を水による還流で抽出し、抽出液を合わせて濃縮し、冷却し、続いてエタノール含有量が70%になるように95%エタノールを加え、静置し、濾過し、エタノールを回収し抽出物を得て、乾燥させ、抽出物の乾燥粉末を得ること、および;
e.上記の3工程で得られた抽出物の乾燥粉末を十分に混ぜ合わせ、任意に賦形剤を加え、薬理学的に許容される剤形を製造すること、を含む方法。
【請求項2】
前記生薬の重量部が以下の通り:9重量部の天花粉、12重量部の柴胡、9重量部の枳実、3重量部の大黄、6重量部の半夏、9重量部の黄ごん、6重量部の黄連、9重量部の白芍および9重量部の烏梅、であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記医薬組成物の製造のために使用される前記生薬がさらに山査(Shanzha)を含み、該生薬の重量部が以下の通り:5〜40重量部の天花粉、10〜30重量部の柴胡、3〜15重量部の枳実、1〜6重量部の大黄、1〜12重量部の半夏、3〜15重量部の黄ごん、1〜12重量部の黄連、3〜15重量部の白芍、5〜20重量部の烏梅および3〜15重量部の山査、であることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記生薬の重量部が以下の通り:10〜30重量部の天花粉、10〜30重量部の柴胡、3〜15重量部の枳実、1〜6重量部の大黄、1〜12重量部の半夏、3〜15重量部の黄ごん、1〜12重量部の黄連、3〜15重量部の白芍、5〜20重量部の烏梅および3〜15重量部の山査、であることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記生薬の重量部が以下の通り:30重量部の天花粉、12重量部の柴胡、9重量部の枳実、3重量部の大黄、6重量部の半夏、9重量部の黄ごん、6重量部の黄連、9重量部の白芍、15重量部の烏梅および9重量部の山査;または該生薬の重量部が以下の通り:15重量部の天花粉、12重量部の柴胡、9重量部の枳実、3重量部の大黄、6重量部の半夏、9重量部の黄ごん、6重量部の黄連、9重量部の白芍、15重量部の烏梅および9重量部の山査、であることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の方法の工程(b)において、還流による抽出が生薬の重量の10倍(x10倍)の水により、1回1.5時間で2回行なわれ;生薬の初期重量(kg)に対する最終容量(L)が1:1の比になるように抽出液が濃縮抽出液へと濃縮され;工程(c)において、加えられるエタノールの濃度が90〜100%であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の方法の工程(c)において、加えられるエタノールの濃度が95%であり;エタノール添加後、濃縮抽出液が70%のエタノールを含むことを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の方法の工程(b)において、還流による抽出が生薬の重量の10倍(x10倍)の水により、1回1.0時間で2回行なわれることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記第2の方法の工程(c)において、マクロ多孔性樹脂がAB−8タイプであり、生薬に対する該樹脂の重量比が1:1.5〜1:3であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記第2の方法の工程(c)において、抽出液が1時間当たりカラム容量の4〜6倍の速度でマクロ多孔性吸着樹脂に流され;洗浄水の量がカラム容量の4〜6倍であり;洗浄のためのエタノール濃度が80〜95%、好ましくは90%であり;洗浄のためのエタノールの量がカラム容量の2〜5倍であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記第2の方法の工程(c)において、エタノールが60〜80℃の温度において減圧
下で回収され;かつエタノール回収後に、得られた抽出物が1.25〜1.35の相対密度を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記得られた抽出物が1.30の相対密度を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第3の方法の工程(b)において、還流による抽出が工程(b)の生薬の重量の10倍のエタノールにより1回1.5時間で2回行なわれ;エタノールの濃度が75〜90%、好ましくは80%であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記第3の方法の工程(c)において、還流による抽出が工程(c)の生薬および工程(b)の薬剤残渣の総重量の10倍の水により、1回1.5時間で2回行なわれ;生薬の初期重量(kg)に対する最終容量(L)が1:1の比になるように抽出液が濃縮抽出液へと濃縮されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記第3の方法の工程(c)において、加えられるエタノールの濃度が90〜100%、好ましくは95%であり;エタノール添加後に、濃縮抽出液が70%のエタノールを含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記第4の方法の工程(b)において、還流による抽出が黄ごんの重量の10倍の水により1回1時間で2回行なわれ;抽出液が75〜85℃、好ましくは80℃で保持されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記第4の方法の工程(c)において、還流による抽出が黄連の重量の10倍のエタノールにより1回2時間で2回行なわれ;エタノール濃度が70〜85%、好ましくは75%であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記第4の方法の工程(b)および工程(c)においてpHが濃塩酸により調整されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記第4の方法の工程(d)において、還流による抽出が工程(d)の生薬の重量の10倍の水により1回1時間で2回行なわれ;合わせた抽出液が1.03〜1.07、好ましくは1.05の相対密度を有する濃縮抽出液へと濃縮され;エタノール添加後、エタノールを回収し、1.25〜1.35、好ましくは1.30の相対密度を有する抽出物を得ることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法により製造される医薬組成物。
【請求項21】
前記医薬組成物が薬理学的に許容される任意の剤形へと製造される、請求項20に記載の医薬組成物。

【公表番号】特表2010−535157(P2010−535157A)
【公表日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−518477(P2010−518477)
【出願日】平成20年7月28日(2008.7.28)
【国際出願番号】PCT/CN2008/001383
【国際公開番号】WO2009/015557
【国際公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【出願人】(509346243)テンシン テースリー ファーマシューティカル コーポレイション リミテッド (4)
【Fターム(参考)】